JP2009108241A - 高炉ガスの熱量増加方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高炉ガスから二酸化炭素または窒素を分離して熱量の高いガスに改質するにあたり、ガス改質工程に及ぼす高炉ガス中のダスト、硫黄分及びミストの弊害を防止して、効率良く且つ少ない投入エネルギーで高炉ガスから二酸化炭素または窒素を分離する。
【解決手段】 上記課題は、高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び/または窒素を分離除去して高炉ガスの熱量を増加するに際し、前記二酸化炭素及び/または窒素の分離除去に先立ち、予め、高炉ガス中のミスト、ダスト及び硫黄分を除去する予備処理工程S1を実施することにより解決することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、製鉄所の高炉炉頂から排出される高炉ガスの熱量増加方法に関し、詳しくは、熱量増加のために高炉ガスから二酸化炭素または窒素を分離除去する際に、この分離工程に先立って行う前処理に関するものである。
製鉄所においては、コークス炉、高炉、転炉などの設備から副生ガスと呼ばれるガスが発生し、このガスには、水素、一酸化炭素、メタンといった燃料として利用可能な成分のほかに、窒素、二酸化炭素が含有されている。これらの副生ガスは、その大部分が発電所や加熱炉などで燃焼によって発生する熱を利用する用途に使用されているが、前述のように、これらの副生ガス中には窒素や二酸化炭素といった不活性成分が含まれるために、体積あたりの熱量は700〜4500kcal/Nm3であり、一般的な燃料ガスであるプロパンガスや天然ガスに比べて低いのが特徴である。これは、水素、一酸化炭素、メタンなどの燃料成分が少ない上に、これらの燃料成分の燃焼で発生する熱量が燃料成分以外の成分である窒素や二酸化炭素の加熱に消費されることによるものである。
そのために、これらの副生ガスから予め不活性成分を除去する方法に関して、特に、最近の二酸化炭素排出削減の要請からこれら副生ガスから二酸化炭素を分離回収する方法に関して、幾つかの提案がなされている。
例えば特許文献1には、製鉄所副生ガスから二酸化炭素を化学回収法で分離回収する際に、製鉄所から排出される廃熱を利用することによって分離回収コストを低減する方法が提案されている。また、特許文献2には、副生ガスからの二酸化炭素の分離に廃熱とともに工場用蒸気を併用する方法が提案されている。
このようにして二酸化炭素を除去した改質副生ガスは熱量が増大するため、改質副生ガスを燃焼する際においても余分な二酸化炭素を加熱する必要がなくなり、燃料の消費を抑えることが可能となる。
しかしながら、製鉄所で発生する副生ガスに含まれる二酸化炭素の割合は、高炉から発生する高炉ガスで20体積%前後、転炉から発生する転炉ガスで20体積%以下、コークス炉から発生するコークス炉ガスでは5体積%以下程度であり、比較的高価な炭酸ガスの分離コストに比して熱量増加の効果が低い。即ち、製鉄所副生ガス中の不活性成分である二酸化炭素を除去して熱量を増加させることは、二酸化炭素排出削減や省エネルギーの観点から重要であるが、その実用化には、不活性成分の分離操作に費やすエネルギー或いはコストの削減も課題であることを示している。
このように、製鉄所副生ガスからの二酸化炭素分離操作はその費用及び労力に対してメリットが少ないことから、よりメリットを高める方法として、もう一つの不活性成分である窒素の分離が提案されている。例えば特許文献3には、加圧下において吸着剤に接触させて吸着分離を行い、次いで減圧下においてこれを脱着させる圧力変動式吸着分離方式によって高炉ガス中の二酸化炭素及び窒素をアルミナ系吸着剤及び多孔性ポリスチレンを使用して夫々選択的に吸着分離させて、一酸化炭素及び水素のリッチガスを製造する方法が提案されている。
つまり、製鉄所副生ガスのうちの高炉ガス及び転炉ガスから主要な不活性成分である窒素を二酸化炭素とともに分離・除去することにより、二酸化炭素のみでは効果として不十分であった熱量増を更に増加することが可能となる。具体的には、高炉ガス及び転炉ガスから二酸化炭素のみを分離した場合には、熱量増の割合はそれぞれ、1.3倍及び1.2倍程度であるが、更に窒素をも分離した場合には、それぞれ3.5倍及び1.7倍程度まで熱量増を図ることが可能となる。
尚、製鉄所副生ガスの主要な燃料成分は一酸化炭素であり、一酸化炭素を主たる成分とするガスから窒素を分離する方法としては、PSA法(圧力スィング吸着法)、TSA法(温度スィング吸着法)、深冷分離法を使用する必要があるが、これらの方法によっても吸着特性や沸点などの物性の近い両者を分離するのは困難であったが、一酸化炭素と窒素の吸着性能に大幅な差を有する、ゼオライトに一価の銅を担持させた吸着剤が開発(特許文献4を参照)されて以来、この問題は解消されている。この開発により、二酸化炭素の分離(アミン類やアンモニアなどによる吸収法でも活性炭やゼオライトなどを利用した吸着法でもよく、膜分離法でもよい)と、一価銅担持ゼオライトを利用した吸着法による一酸化炭素の分離とを組合せることで、製鉄所副生ガスからの二酸化炭素及び窒素の効率的な分離が可能となっている。
特開2004−237167号公報 特開2004−292298号公報 特開昭62−193622号公報 特開昭61−17413号公報
製鉄所で発生する高炉ガスには、主要なガス成分である一酸化炭素、水素、二酸化炭素、窒素の他に、ダスト(固体粒子)、硫黄分、ミスト(液体微粒子)、水分などが含有されている。高炉炉頂から排出された後にダストキャッチャー及びベンチュリースクラバーを通した後の高炉ガス中には、ダスト分としては、亜鉛、マンガン、鉄などの金属粉のほかに、炭素粉が最大5mg/Nm3程度混合しており、これらは二酸化炭素及び窒素の分離工程において、化学吸収法では吸収液の能力低下、吸着法では吸着剤の細孔の閉塞による能力低下を引き起こす。
硫黄分としては、硫化カルボニル及び硫化水素が最大100mg−S/Nm3含まれており、これらは化学吸収法では硫化物の生成による吸収液のロス、吸着法では吸着点の被毒による能力低下を引き起こす。
ミスト及び水分は、湿式の化学吸収法では問題はないが、二酸化炭素分離が吸着法の場合、ミスト及び水分の方が、二酸化炭素よりも吸着剤との吸着力が高いために、相対的に二酸化炭素吸着能力の低下をもたらすほか、特に、ミストはフィルターなどの除去装置を直接濡らすことから、閉塞による能力低下などを引き起こす。また、後述するように過剰な水分は硫化カルボニルの加水分解触媒の性能低下を引き起こすため、硫黄分の低減が不十分となってしまい、吸着剤の劣化を早めることになる。尚、高炉ガスには、ほぼ飽和量の水分が含有されている。
このように、高炉ガスに含まれるダスト、硫黄分及びミストは二酸化炭素分離工程及び窒素分離工程に悪影響を与え、結果として分離効率の低下や運転費の上昇を招く。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高炉ガスから二酸化炭素または窒素を分離して熱量の高いガスに改質するにあたり、ガス改質工程に及ぼす高炉ガス中のダスト、硫黄分及びミストの弊害を防止して、効率良く且つ少ない投入エネルギーで高炉ガスから二酸化炭素または窒素を分離することのできる高炉ガスの熱量増加方法を提供することである。
本発明は、上記課題に対して、高炉ガスを二酸化炭素分離工程及び窒素分離工程に導入する前に、高炉ガスから予めダスト、硫黄分、ミストを除去する工程を導入することによって、後の工程の二酸化炭素分離工程及び窒素分離工程への負荷が低減できるとの知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
即ち、本願第1の発明に係る高炉ガスの熱量増加方法は、高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び/または窒素を分離除去して高炉ガスの熱量を増加するに際し、前記二酸化炭素及び/または窒素の分離除去に先立ち、予め、高炉ガス中のミスト、ダスト及び硫黄分を除去することを特徴とするものである。
また、第2の発明に係る高炉ガスの熱量増加方法は、第1の発明において、前記高炉ガスを、ミスト除去、ダスト除去、水分除去、硫化カルボニル分解処理、硫化水素除去の順序で処理して、前記ミスト、ダスト及び硫黄分を除去することを特徴とするものである。
本発明によれば、予め高炉ガス中のダスト、硫黄分及びミストを除去した後に二酸化炭素分離工程及び/または窒素分離工程を実施するので、二酸化炭素分離工程及び窒素分離工程における高炉ガス中のダスト、硫黄分及びミストの影響が低減されて、二酸化炭素分離工程及び窒素分離工程における吸着剤の性能低下の抑制、投入エネルギーの削減などが達成され、高炉ガスの熱量増加処理工程における更なる効率化を図ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。
図1は、高炉ガスから一酸化炭素及び水素を主体とするガスを製造するための本発明に係る高炉ガス熱量増加方法の一例の全体工程を示す製造工程図であり、図1に示すように、本発明に係る高炉ガス熱量増加方法は、高炉ガスの予備処理工程(S1)と、二酸化炭素分離工程(S2)と、一酸化炭素分離工程(S3)と、から構成されている。ここで、一酸化炭素分離工程(S3)は、二酸化炭素分離工程(S2)により二酸化炭素が除去され、一酸化炭素、窒素、水素を主体とするガスから窒素を分離することを目的とする工程であるが、用いる吸着剤が一酸化炭素を吸着し分離することから「一酸化炭素分離工程」と称しているが、「窒素分離工程」と置き換えて称しても差しつかえない。
高炉ガスの組成は、一酸化炭素:21.1〜26.2体積%、二酸化炭素:19.3〜23.2体積%、水素:2.9〜5.3体積%、窒素:52.5〜59.2体積%であり(第4版鉄鋼便覧(CD-ROM)No.1第2巻製銑・製鋼、2002年7月30日発行、表42-5・7(2000)を参照)、この高炉ガスが、予備処理工程(S1)で、高炉ガス中のミスト、ダスト、硫黄分及び水分が除去され、次の二酸化炭素分離工程(S2)で、高炉ガス中の二酸化炭素が除去され、最終工程の一酸化炭素分離工程(S3)で、一酸化炭素並びに窒素並びに水素及び窒素の混合ガスとに分離され、分離・回収した一酸化炭素並びに水素及び窒素の混合ガスとを混合することにより、高炉ガスから一酸化炭素及び水素を主体とする改質高炉ガスを得ることができる。以下、各工程を説明する。
図2は、図1に示す予備処理工程(S1)の詳細な製造工程図である。図2に示すように、予備処理工程(S1)は、ミストセパレーター2、ダストフィルター3、ブロワー4、チラーユニット14と連結する熱交換器5、ミストセパレーター6、熱交換器7、硫化カルボニル分解塔8、熱交換器9、硫化水素除去塔10、ダストフィルター11、チラーユニット15と連結する熱交換器12及びミストセパレーター13が直列につながって構成されている。ミストセパレーター2は、高炉ガスの搬送流路である高炉ガス搬送管1に接続されている。
予備処理工程(S1)において、高炉ガスは、高炉ガス搬送管1から、先ず、ミストセパレーター2に導入され、ガス中に含まれる高炉ガスに特有のミストが除去され、次いで、ダストフィルター3に導入されてガス中に含まれる鉄分などのダストが除去される。最初に高炉ガス中のミストを除去する理由は、ダストフィルター3に及ぼすミストの悪影響を防止するためであり、次に高炉ガス中のダストを除去する理由は、ダストによる配管の閉塞や熱交換器表面への付着による効率低下といった各装置への悪影響を防止するためである。
ミスト及びダストの除去された高炉ガスは、ブロワー4によって熱交換器5に送られ、熱交換器5においてチラーユニット14より供給される冷水と熱交換して冷却され、これによって凝縮した水分がミストセパレーター6で分離・除去される。熱交換器5及びミストセパレーター6を用いて高炉ガス中の水分を除去する理由は、後段の硫化カルボニル分解塔8においてガス中の硫化カルボニルを効率良く分解するためであり、ガス中の硫黄分を効率良く除去する観点から、ミストセパレーター6を通過後の高炉ガスの水分は露点で1℃以下とすることが好ましい。
ミストセパレーター6で水分が除去された高炉ガスは、熱交換器7に送られ、熱交換器7において蒸気と熱交換して40〜60℃に昇温される。40〜60℃に昇温された高炉ガスは硫化カルボニル分解塔8に導入される。尚、ブロワー4は、高炉ガスが予備処理工程(S1)の各設備を滞りなく通過するように加圧するためのものであり、図2ではダストフィルター3と熱交換器5との間に設置されているが、例えばミストセパレーター6と熱交換器7との間など、どこに配置しても構わず、また、2基以上配置しても構わない。
硫化カルボニル分解塔8には触媒が充填されており、触媒上で硫化カルボニルと高炉ガス中に残存した水分とが反応して硫化水素を生成する。この反応式を下記の(1)式に示す。
COS+H2O→H2S+CO2……(1)
硫化カルボニル分解塔8に充填される触媒としては、硫化カルボニルを分解する作用のある触媒であれば何れも使用可能であるが、特に、炭酸カルシウムをアルミナに担持させたものが好ましい。この際、ガス中に過剰な水分が存在すると、触媒の活性点が水で被覆されて反応活性が低下することから、これを防止するために、高炉ガス中の水分は予め露点で1℃以下とするのが好ましい。尚、熱交換器7を用いて高炉ガスを40〜60℃に昇温する理由は、硫化カルボニルの分解反応及び硫化水素の生成反応を促進させるためである。
硫化カルボニル分解塔8を通過した高炉ガスは、熱交換器9によって環水と熱交換されて30〜35℃まで冷却され、30〜35℃まで冷却された高炉ガスは、水分を調整するための蒸気或いは工水とともに硫化水素除去塔10に導入される。硫化水素除去塔10には鉄化合物が充填されており、この鉄化合物がガス中の硫化水素と反応して硫化鉄となることによって、高炉ガス中の硫化水素が分離・除去される。この反応式を下記の(2)式に示す。
Fe23・3H2O+3H2S→2FeS+S+6H2O……(2)
硫化水素除去塔10に充填される脱硫剤としての鉄化合物は、硫化水素を除去する作用のある鉄化合物である限り何れも使用可能であるが、特に、水酸化第二鉄を主成分とする脱硫能力に優れた鉄化合物が好ましい。また、脱硫後のガス中の硫黄分濃度は5mg/Nm3以下程度を目安とすればよい。
硫化水素が除去された高炉ガスは、粉化した脱硫剤のダストを含有するために、ダストフィルター11に導入されて脱硫剤起因のダストが除去される。ダスト除去後のガス中のダスト濃度は0.1mg/Nm3以下程度を目安とすればよい。
ダストフィルター11によりダストの除去された高炉ガスは、熱交換器12に導入され、熱交換器12においてチラーユニット15から供給される冷水で冷却され、ガス中の余剰水分は冷却されて凝縮し、凝縮した水分はミストセパレーター13で分離・除去される。高炉ガスは、ミストセパレーター13を出た後に後工程の二酸化炭素分離工程(S2)に送られる。余剰水分除去後の高炉ガス中の水分量は露点で1℃以下程度を目安とすればよい。
尚、熱交換器12及びミストセパレーター13は、後工程の二酸化炭素分離工程(S2)が乾式の吸着法を採用する場合に必要な装置であり、後工程の二酸化炭素分離工程(S2)が湿式の化学吸収法或いは深冷分離法の場合には、ガス中の水分を除去する必要なく、その場合には、熱交換器12及びミストセパレーター13は設置せず、ダストフィルター11を出た後の高炉ガスを、二酸化炭素分離工程(S2)に送ることができる。
このようにして、予備処理工程(S1)でミスト、ダスト、硫黄分及び水分の除去された高炉ガスは、後工程の二酸化炭素分離工程(S2)及び一酸化炭素分離工程(S3)によって二酸化炭素及び窒素が分離・除去されて水素及び一酸化炭素を主成分とする、原料の高炉ガスに比べて体積あたりの熱量が増加した改質高炉ガスとなる。
後工程の二酸化炭素分離工程(S2)には、アミンやアンモニアなどを利用した吸収法や活性炭やゼオライトを利用した吸着法(PSA法、TSA法)、或いは膜分離法が利用可能であり、一方、一酸化炭素分離工程(S3)には、一価銅を担持したゼオライトを利用した吸着法(PSA法、TSA法)が利用可能である。
分離法の一例として、図3に示す、PSA法を利用した二酸化炭素分離工程(S2)及び一酸化炭素分離工程(S3)の概要を説明する。図3に示すように、二酸化炭素分離工程(S2)は、ガス混合タンク16、圧縮機17、CO2−PSA装置18、真空ポンプ19を備え、一酸化炭素分離工程(S3)は、ガス混合タンク20、圧縮機21、CO−PSA装置22、真空ポンプ23を備えている。
予備処理工程(S1)を出た高炉ガスは、先ず、二酸化炭素分離工程(S2)のガス混合タンク16に導入され、ここで後段のCO2−PSA装置18から戻ってきた、二酸化炭素(「CO2」とも記す)、窒素(「N2」とも記す)、一酸化炭素(「CO」とも記す)からなる混合ガスと混合される。混合されたガスは圧縮機17によってCO2−PSA装置18に導入され、CO2−PSA装置18の内部で、図4に示すようにCO2、N2、CO、水素(以下「H2」とも記す)の各成分に分離される。尚、図4は、CO2−PSA装置及びCO−PSA装置を用いてガス中の各成分を分離・回収する原理を示す図である。
CO2−PSA装置18の内部のCO2を主成分とするガスは、真空ポンプ19によって分離排出され、CO2、N2及びCOからなる混合ガスは、CO2−PSA装置18の前段のガス混合タンク16に戻され、また、H2、N2及びCOからなり、CO2を含まない混合ガスは、後工程の一酸化炭素分離工程(S3)のガス混合タンク20に導入される。CO2−PSA装置18の内部の各ガスをそれぞれの場所に排出したなら、ガス混合タンク16に収容された混合ガスを圧縮機17によってCO2−PSA装置18に導入し、上記分離操作を繰り返し実施する。
一方、一酸化炭素分離工程(S3)のガス混合タンク20に送られた、H2、N2及びCOからなり、CO2を含まない混合ガスは、CO−PSA装置22から戻ってきたN2、COからなるガスと混合される。混合されたガスは圧縮機21によってCO−PSA装置22に導入され、CO−PSA装置22の内部で、図4に示すようにCO、N2、H2の各成分に分離される。
CO−PSA装置22の内部のCOを主成分とするガスは、真空ポンプ23によって分離回収され、N2、COからなる混合ガスはCO−PSA装置22前段のガス混合タンク20に戻され、N2を主成分とするガスは分離排出され、H2及びN2からなる混合ガスは分離回収される。CO−PSA装置22の内部の各ガスをそれぞれの場所に排出したなら、ガス混合タンク20に収容された混合ガスを圧縮機21によってCO−PSA装置22に導入し、上記分離操作を繰り返し実施する。
回収したCOを主成分とするガスと、回収したH2及びN2からなる混合ガスとを混合することにより、原料の高炉ガスに比べて体積あたりの熱量が増加した改質高炉ガスを得ることができる。尚、高炉ガスから二酸化炭素のみを除去する場合には、一酸化炭素分離工程(S3)を省略すればよく、また、高炉ガスから窒素のみを除去する場合には、二酸化炭素分離工程(S2)を省略し、一酸化炭素分離工程(S3)のみを実施すればよい。
以上説明したように、本発明によれば、高炉ガス中のダスト、硫黄分及びミストを予め除去した後に二酸化炭素分離工程及び/または窒素分離工程を実施するので、二酸化炭素分離工程及び窒素分離工程における高炉ガス中のダスト、硫黄分及びミストの影響が低減されて、二酸化炭素分離工程及び窒素分離工程における吸着剤の性能低下の抑制、投入エネルギーの削減などが達成され、高炉ガスの熱量増加処理工程における更なる効率化を図ることが可能となる。
高炉ガスから一酸化炭素及び水素を主体とするガスを製造するための本発明に係る高炉ガス熱量増加方法の製造工程図である。 図1に示す予備処理工程の詳細な製造工程図である。 PSA法を利用した二酸化炭素分離工程及び一酸化炭素分離工程の製造工程図である。 CO2−PSA装置及びCO−PSA装置を用いてガス中の各成分を分離・回収する原理を示す図である。
符号の説明
1 高炉ガス搬送管
2 ミストセパレーター
3 ダストフィルター
4 ブロワー
5 熱交換器
6 ミストセパレーター
7 熱交換器
8 硫化カルボニル分解塔
9 熱交換器
10 硫化水素除去塔
11 ダストフィルター
12 熱交換器
13 ミストセパレーター
14 チラーユニット
15 チラーユニット
16 ガス混合タンク
17 圧縮機
18 CO2−PSA装置
19 真空ポンプ
20 ガス混合タンク
21 圧縮機
22 CO−PSA装置
23 真空ポンプ
S1 予備処理工程
S2 二酸化炭素分離工程
S3 一酸化炭素分離工程

Claims (2)

  1. 高炉炉頂から排出される高炉ガスからガス中の二酸化炭素及び/または窒素を分離除去して高炉ガスの熱量を増加するに際し、前記二酸化炭素及び/または窒素の分離除去に先立ち、予め、高炉ガス中のミスト、ダスト及び硫黄分を除去することを特徴とする、高炉ガスの熱量増加方法。
  2. 前記高炉ガスを、ミスト除去、ダスト除去、水分除去、硫化カルボニル分解処理、硫化水素除去の順序で処理して、前記ミスト、ダスト及び硫黄分を除去することを特徴とする、請求項1に記載の高炉ガスの熱量増加方法。
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