JP3700073B2 - 硫化水素含有ガスの燃焼方法及び装置 - Google Patents

硫化水素含有ガスの燃焼方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭に代表される微粉固体炭素質原料をガス化することによって生成したガスに含まれる、硫化水素(H2S)に代表される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離して得られるH2S含有ガスを燃焼させて亜硫酸ガス(SO2)にする燃焼方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、石炭等の固体炭素質原料をガス化する炉には、固定層、流動層、気流層等の各方式が種々提案されている。これらの方式の中で、気流層は原料を微粉にして酸素、空気等の酸化剤と共に原料灰の融点以上の温度(約1300〜1600℃)の炉内に供給してガス化させるため、他の方式に比較してガス化効率が高い、適用炭種が広い、環境適合性が優れている等の特徴を有している。したがって、この気流層石炭ガス化法は、合成ガス、複合発電、燃料電池等の燃料及び原料製造に適しているため、国内外で開発が進められている。
【0003】
石炭中には硫黄(S)が含まれており、この硫黄はガス化によって硫化水素(H2S)、硫化カルボニル(COS)に変換される。これらの硫黄化合物の濃度は原料中のS含有量で支配されるが、一般には数100から数1000ppmである。したがって、石炭のガス化によって生成したガスを合成ガス、複合発電、燃料電池等の燃料及び原料として用いるとき、生成ガス中の上記硫黄化合物を除去する必要があり、この除去方法には乾式法と湿式法がある。乾式法は鉄、Niなどの金属酸化物にH2Sを反応させた後、酸素含有ガスでH2Sを酸化させるとともに金属酸化物として再生する方法であるが、吸収剤が粉化する欠点があり実用化には至っていない。一方、湿式法は従来、石油化学プロセスで開発されたもので、アルカノールアミン吸収液などを用いてH2Sを吸収させた後、この液を別の塔に導いて減圧、加熱してH2Sを脱離させた後、クラウス反応により単体のSとして回収をしている。
【0004】
石炭ガス化により発生した硫黄化合物の処理法としては実績のある湿式法が信頼性が高い。ところが、クラウス法によって回収される単体硫黄は市場が低迷していること、危険物であることなどの難点があるが、最終的に石膏(CaSO4)の形で回収すれば、市場性もあり、危険物でないため、特に石炭ガス化複合発電のように多量に石炭を処理するプラントでは石膏の形で回収するのが好ましい。石膏の形で回収するためには、脱離された高濃度のH2S含有ガスを酸化させて亜硫酸ガス(SO2)とし、このSO2を従来から用いられている石灰石石膏法脱硫装置に導いて処理すればよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高濃度のH2S含有ガスを燃焼によってSO2に酸化させる燃焼炉に関する。
【0006】
2Sの燃焼に関する反応式を下記に示す。
【0007】
2S+(3/2)O2→SO2+H2O ………(1)
2H2S+SO2→3S+2H2O ………(2)
SO2+(1/2)O2→SO3 ………(3)
SO3+H2O→H2SO4 ………(4)
(1)式が目的とするH2SのSO2への酸化反応であるが、空気不足の場合、H2Sが燃焼して酸素がなくなると残存したH2Sと生成したSO2が(2)式の反応により固体のSを生成する。なお、(1)式の反応は速く、(2)式の反応は遅い。固体のSを回収するクラウス法ではボーキサイトなどの触媒を用いて(2)式の反応を速くしている。本燃焼炉の下流に設置される石灰石石膏法脱硫装置は石灰石スラリにSO2を吸収させる反応装置であるため、H2Sに対して過剰の酸素を供給して(1)式による反応をさせて(2)式による反応を起こさないようにする必要があり、そのために後述するように空気比1.0以上の酸素過剰の燃焼をさせる。ところが、空気比1以上の酸素過剰で燃焼させると、酸素が過剰に存在しており、火炎温度が高くなるため、(3)式により、SO2が更に酸化されてSO3が発生する。このSO3は水と反応して(4)式により、微細な硫酸ミストになる。このミストは石灰石石膏法脱硫装置では十分に回収されずに排ガスの気流に乗って大気に放出されるため、環境上、好ましくない。また、材料も腐食するため、特別の配慮をする必要がある。
【0008】
本発明の目的は高濃度のH2Sから未燃のH2SやSO3を発生させないようにする燃焼方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的はH2Sを酸化させるために供給される酸化剤の酸素濃度を空気の酸素濃度よりも低い濃度として、H2Sを燃焼させることによって達成できる。
【0010】
2Sの着火温度は約250℃で、メタン、プロパン等の炭化水素系の燃料の着火温度の約600℃に比較して約350℃も低い。したがって、H2Sは低い温度で着火し、(1)の反応によりSO2となる。酸素分圧が高ければ反応速度は増加して短時間に反応が完結する。ところが酸化剤として供給される空気の、空気中の酸素濃度が低いと、空気中に含有される窒素ガスに顕熱を奪われ、火炎温度は低下する。また、酸素濃度が低いため、緩慢な燃焼が行われる。したがって、(3)式によるSO2の過剰酸素による反応が抑制されるため、SO3の発生が少なくなるのである。発明者らは燃焼炉において、H2Sを50%含むガスを酸化剤の酸素濃度を変えて燃焼させ、SO3の発生量を測定した。図5に実験結果を示す。酸化剤の酸素濃度を低くするとSO3発生量が少なくなることが分かった。
【0011】
上記課題を達成する本発明の第1の手段は、石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるH2S含有ガスに酸化剤を供給して燃焼させる燃焼方法において、空気より酸素濃度が低いガスを酸化剤として燃焼処理することを特徴とする。
【0012】
上記課題を達成する本発明の第2の手段は、上記第1の手段において、H2S含有ガスの燃焼により生成されたガスをSO2吸収手段に導き、該SO2吸収手段を通過したガスの一部を空気と混合して前記H2S含有ガスを燃焼処理するための前記酸化剤とすることを特徴とする。
【0013】
上記課題を達成する本発明の第3の手段は、上記第1の手段において、石炭のガス化によって発生したガスを燃料として駆動されるガスタービンの排ガスの一部を空気と混合して前記H2S含有ガスを燃焼処理するための前記酸化剤とすることを特徴とする。
【0014】
上記課題を達成する本発明の第4の手段は、上記第1乃至第3の手段のいずれかにおいて、酸化剤の酸素濃度が16%以下であることを特徴とする。
【0015】
上記課題を達成する本発明の第5の手段は、石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるH2S含有ガスに酸化剤を供給して燃焼させる燃焼方法において、酸素濃度が吸収剤から脱離して得られた前記H2S含有ガスの酸素濃度よりも低いガスで該H2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする。
【0016】
上記課題を達成する本発明の第6の手段は、上記第5の手段において、前記H2S含有ガスを希釈するガスとして空気分離装置で空気から分離した窒素ガスを用いることを特徴とする。
【0017】
上記課題を達成する本発明の第7の手段は、上記第5の手段において、石炭のガス化によって発生したガスを燃料として駆動されるガスタービンの排ガスを前記H2S含有ガスを希釈するガスとして用いてH2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする。
【0018】
上記課題を達成する本発明の第8の手段は、上記第1乃至第4のいずれかの手段において、酸素濃度が吸収剤から脱離して得られた前記H2S含有ガスの酸素濃度よりも低いガスで該H2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする。
【0019】
上記課題を達成する本発明の第9の手段は、上記第8の手段において、前記H2S含有ガスを希釈するガスとして空気分離装置で空気から分離した窒素ガスを用いることを特徴とする。
【0020】
上記課題を達成する本発明の第10の手段は、上記第8の手段において、石炭のガス化によって発生したガスを燃料として駆動されるガスタービンの排ガスを前記H2S含有ガスを希釈するガスとして用いてH2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする。
【0021】
上記課題を達成する本発明の第11の手段は、石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるH2S含有ガスに酸化剤を供給して燃焼させるH2S燃焼装置において、該H2S燃焼装置に燃焼用空気を供給する管路と、該管路に接続され空気より酸素濃度が低いガスを供給する酸素稀釈剤供給管路とを設けたことを特徴とする。
【0022】
上記課題を達成する本発明の第12の手段は、石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるH2S含有ガスに酸化剤を供給して燃焼させるH2S燃焼装置において、該H2S燃焼装置にH2S含有ガスを供給する管路に接続されH2S含有ガスより酸素濃度が低いガスを供給するH2S稀釈剤供給管路を設けたことを特徴とする。
【0023】
上記課題を達成する本発明の第13の手段は、上記第11の手段において、該H2S燃焼装置にH2S含有ガスを供給する管路に接続されH2S含有ガスより酸素濃度が低いガスを供給するH2S稀釈剤供給管路を設けたことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を図1を用いて説明する。図1は、ガス化炉で生成されたガス中の硫黄化合物を吸収剤8に吸収させる吸収塔3、吸収剤8からH2Sを脱離させる脱離塔4及び本発明の第1の実施例であるH2S燃焼装置を示すものである。吸収塔3と脱離塔4で脱硫装置が構成されている。
【0025】
図示のH2S燃焼装置は、H2Sを燃焼させるH2S燃焼炉11、脱離塔4からH2S燃焼炉11にH2S含有ガスを供給する管路10、H2S燃焼炉11に燃焼用空気13を供給する管路16、管路16に接続され、ボンベ等の供給源から窒素、CO2等酸素を含有しないガスを供給する酸素稀釈剤供給管路である管路12、及び管路16に介装されたファン14を含んで構成されている。
【0026】
上記構成の装置の動作を次に説明する。加圧ガス化炉で発生したH2Sなどの硫黄化合物を含有するガスは図示されていない脱塵装置で脱塵されたのち、管路1により吸収塔3に導かれ、それら硫黄化合物は吸収剤8に吸収される。硫黄化合物を吸収除去されたあとのガスは管路2から図示していないガスタービンに送られる。硫黄化合物を吸収した吸収剤8は低圧の脱離塔4に送られ、必要ならば加熱も行うことによってH2Sを脱離させる。脱離した高濃度のH2Sを含むガスは管路10を経てH2S燃焼炉11に送られ、燃焼してSO2を生成する。生成されたSO2を含むガスは、管路15を通って図示していない石灰石石膏法脱硫装置に送られる。H2S燃焼炉11にはファン14が管路16で接続されている。
【0027】
本実施例では、管路16にボンベ等の供給源から窒素、CO2等酸素を含有しないガスを管路12を経て注入することによって、H2S燃焼炉11に送る酸素含有ガス、すなわち酸化剤の酸素濃度を低下させ、空気比1以上の空気過剰で燃焼するものである。このようにすることによってH2S燃焼炉11ではH2Sの緩慢な燃焼が行われるため、H2S燃焼炉11から排出されるガス中にSO3及び未燃のH2Sを発生させることなく、H2S含有ガスをSO2含有ガスにすることができるのである。したがって未燃のH2Sが管路15に接続された図示していない石灰石石膏法脱硫装置に流入し、ここで脱硫されないまま系外に放出されることもなく、またSO3発生に伴う環境面の問題もなく、更に、SO3による腐食も皆無となるのである。
【0028】
なお、本実施例の運転方法として、管路16からH2S燃焼炉11に供給される燃焼用空気の酸素濃度を検出して、管路16に管路12から注入する酸素を含有しないガス量を、前記検出した酸素濃度が通常の空気の酸素濃度よりも低い一定の値以下になるように制御すればよい。この一定の値としては図5から明らかなように、16%とするのが望ましい。あるいはファン14によってH2S燃焼炉11に送る空気量を調節する図示されていない弁の開度に対応して酸素を含有しないガスを調整する同じく図示されていない弁の開度を連動させて制御すればよい。また、高濃度H2S含有ガス量に応じて管路12から供給される酸素を含有しないガスの供給量のみを制御する方法でもよい。要するに本実施例は、H2S含有ガスの燃焼に用いる空気の酸素濃度を通常の空気より低い値とし、空気過剰で燃焼させるものである。
【0029】
また、上記実施例では、管路12から供給される稀釈用の気体として、窒素やCO2などの酸素を含有しないガスを使用することとしたが、酸素をまったく含有しないガスでなくても、通常の空気よりも酸素濃度が低い気体、好ましくは酸素濃度が16%以下の気体であればよい。
【0030】
(実施例2)
本発明の第2の実施例を図2を用いて説明する。図2の示す実施例が前記第1の実施例と異なるのは、図1に示す実施例では、酸素を含有しない気体を供給する管路12が管路16に接続され、酸素を含有しない気体が管路16を流れる燃焼用空気に供給されて燃焼用空気の酸素濃度を低下させているのに対し、本実施例では、H2S含有ガスをH2S燃焼炉11に導く管路10に窒素ガス等酸素を含有しないガスを供給する管路12が接続されている点である。他の構成は前記第1の実施例と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施例では、管路10を流れるH2S含有ガスにボンベ等の供給源から窒素、CO2等酸素を含有しないガスを管路12を経て注入することによって、H2S燃焼炉11に送るH2S含有ガスのH2S濃度を低下させ、空気比1以上の空気過剰で燃焼するものである。このようにすることによってH2S燃焼炉11ではH2Sの緩慢な燃焼が行われるため、H2S燃焼炉11から排出されるガス中にSO3及び未燃のH2Sを発生させることなく、H2S含有ガスをSO2含有ガスにすることができるのである。したがって未燃のH2Sが管路15に接続された図示していない石灰石石膏法脱硫装置で脱硫されないこともなく、またSO3発生に伴う環境面の問題もなく、更に、SO3による腐食も皆無となるのである。
【0032】
なお、本発明の運転方法として、H2S燃焼炉11に管路10から供給されるH2S含有ガスの量に対応して該管路10に注入する酸素を含有しないガス量の比が一定になるように制御するようにしてもよい。
【0033】
また、上記実施例では、管路12から供給される稀釈用の気体として、窒素やCO2などの酸素を含有しないガスを使用することとしたが、酸素をまったく含有しないガスでなくても、管路10を流れるH2S含有ガスよりも酸素濃度が低い気体としてもよい。
【0034】
(実施例3)
図3に本発明の第3の実施例である複合発電システムを示す。図示の装置は、微粉炭貯槽40と、微粉炭貯槽40に微粉炭管路41で接続された石炭ガス化炉30と、石炭ガス化炉30に管路31で接続された脱塵装置60と、脱塵装置60に管路1で接続された脱硫装置62と、脱硫装置62に管路10で接続されたH2S燃焼炉11と、H2S燃焼炉11に管路15で接続された石灰石石膏法脱硫装置70と、前記脱硫装置62に管路91で接続されたガスタービン90と、ガスタービン90の排ガス出口に排ガス管路92で接続された排熱回収ボイラ100と、排熱回収ボイラ100の排ガス出口に排気管路93で接続された煙突110と、前記石灰石石膏法脱硫装置70のガス出口と前記排気管路93を連通する管路71と、前記ガスタービン90に直結駆動され空気83を圧縮する空気圧縮機80と、空気圧縮機80の空気出口と前記ガスタービン90の空気入り口を接続する圧縮空気管路82と、圧縮空気管路82に分離装置用空気管路81で接続された空気分離装置50と、空気分離装置50の窒素出口と前記微粉炭管路41を接続する窒素管路51と、空気分離装置50の酸素出口と前記石炭ガス化炉30を接続する酸素管路52と、前記H2S燃焼炉11に管路16で接続され燃焼用空気13を送風するファン14と、前記管路16と前記窒素管路51を連通する窒素管路53と、窒素管路53と前記管路10を連通する窒素管路53Aと、を含んで構成されている。
【0035】
本実施例は、管路16を流れる燃焼用酸素含有ガス(空気)に空気分離装置で分離された窒素ガスを酸素を含有しないガスとして混入してH2S燃焼炉11に供給される酸化剤の酸素濃度を低下させるとともに、管路10を流れるH2S含有ガスに空気分離装置で分離された窒素ガスを酸素を含有しないガスとして混入してH2S含有ガスの濃度を低下させ、かつ空気比1以上の空気過剰で燃焼させるものである。
【0036】
本実施例によれば、前記第1,第2の実施例の効果と同様の効果が得られる。
【0037】
(実施例4)
図4に本発明の第3の実施例である複合発電システムを示す。本実施例と前記図3に示す第3の実施例との相違点は、本実施例では、窒素管路53、53Aに代えて、排気管路93と管路16を接続する排ガス管路101と、排ガス管路101に介装されて排気管路93を流れる排気ガスを管路16に送りこむファン103と、管路71と管路16を連通する管路34と、管路34に介装され管路71を流れるガスを管路16に送りこむファン33と、を設けた点にある。他の構成は前記第1の実施例と同じであるので、同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
本実施例は、硫化水素の燃焼用空気の酸素濃度を低下させ、かつ空気比1以上の酸素過剰の条件下で燃焼させるための手段として、脱硫装置70から排出される低酸素濃度のガスを用いる場合と、ガスタービン90から排出され排熱回収ボイラを経た低酸素濃度のガスを用いる場合の例である。図3に示す空気分離装置で発生した窒素ガスは加圧ガス化炉に供給するため、数MPaに加圧されており、この加圧された窒素ガスを常圧下で使用するのは不経済である。本実施例では、H2S燃焼炉や石灰石石膏法脱硫装置等のSO2処理装置から排出されるSO2をほとんど含有しない常圧のガスまたはガスタービンから排出されたガスを、燃焼用空気の酸素濃度低下のために再循環使用できるので経済的となる。
【0039】
なお、燃焼用空気を分割して、例えば二段燃焼をおこなうと(2)式に示すクラウス反応によりSが生成するため、本実施例では燃焼用空気あるいはH2S含有ガスを燃焼ガスの流れ方向に対して分割することなく、H2S含有ガスを燃焼させる。
【0040】
本実施例あるいは前記第1の実施例において、さらに、脱硫装置からH2S燃焼炉に供給されるH2S含有ガスを、図2に示したようにボンベを供給源とする窒素ガスあるいはCO2ガス、図3に示したように空気分離装置から供給される窒素ガス、もしくはガスタービンや石灰石石膏法脱硫装置から排出される低酸素濃度の排ガスで稀釈するようにしても前記第3の実施例と同様の効果が得られる。 上述した、酸化剤の酸素濃度を低下させる手段のどれかと、脱硫装置からH2S燃焼炉に供給されるH2S含有ガスを稀釈する手段のどれかを組み合わせれば、前記第1、第2の実施例で得られる効果が得られるのである。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、石炭ガス化ガスに含まれる硫黄化合物を除去脱離して得られるH2S含有ガスを、SO3、S及び未燃のH2Sを発生させることなく、SO2含有ガスに燃焼して変化させることができるため、前記硫黄化合物を後続の石灰石石膏法脱硫装置により、高効率に脱硫できる。特に、SO3による配管などの腐食トラブルが皆無となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す概念図ある。
【図2】本発明の第2の実施例を示す概念図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す系統構成図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す系統構成図である。
【図5】H2S燃焼炉における酸化剤の酸素濃度とSO3の生成量の関係の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2 管路
3 吸収塔
4 脱離塔
8 吸収剤
10 管路
11 H2S燃焼炉
12 管路
13 燃焼用空気
14 ファン
15,16 管路
30 石炭ガス化炉
31 管路
33 ファン
34 管路
40 微粉炭貯槽
41 微粉炭管路
50 空気分離装置
51 窒素管路
52 酸素管路
53,53A 窒素管路
60 脱塵装置
62 脱硫装置
70 石炭石石膏法脱硫装置
71 管路
80 空気圧縮機
81 分離装置用空気管路
82 圧縮空気管路
83 空気
90 ガスタービン
91 管路
92 排ガス管路
93 排気管路
100 排熱回収ボイラ
101 排ガス管路
103 ファン
110 煙突

Claims (13)

  1. 石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるHS含有ガスに酸素含有ガスを燃焼用の酸化剤として供給して燃焼させる燃焼方法において、空気より酸素濃度が低いガスを酸化剤として燃焼処理することを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  2. 請求項1に記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、H2S含有ガスの燃焼により生成されたガスをSO2吸収手段に導き、該SO2吸収手段を通過したガスの一部を空気と混合して前記H2S含有ガスを燃焼処理するための前記酸化剤とすることを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  3. 請求項1に記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、石炭のガス化によって発生したガスを燃料として駆動されるガスタービンの排ガスの一部を空気と混合して前記H2S含有ガスを燃焼処理するための前記酸化剤とすることを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、酸化剤の酸素濃度が16%以下であることを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  5. 石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるH2S含有ガスに酸化剤を供給して燃焼させる燃焼方法において、酸素濃度が吸収剤から脱離して得られた前記H2S含有ガスの酸素濃度よりも低いガスで該H2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  6. 請求項5に記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、前記H2S含有ガスを希釈するガスとして空気分離装置で空気から分離した窒素ガスを用いることを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  7. 請求項5に記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、石炭のガス化によって発生したガスを燃料として駆動されるガスタービンの排ガスを前記H2S含有ガスを希釈するガスとして用いてH2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  8. 請求項1乃至4のいずれかに記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、酸素濃度が吸収剤から脱離して得られた前記H2S含有ガスの酸素濃度よりも低いガスで該H2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  9. 請求項8に記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、前記H2S含有ガスを希釈するガスとして空気分離装置で空気から分離した窒素ガスを用いることを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  10. 請求項8に記載の硫化水素含有ガスの燃焼方法において、石炭のガス化によって発生したガスを燃料として駆動されるガスタービンの排ガスを前記H2S含有ガスを希釈するガスとして用いてH2S含有ガスを希釈して燃焼処理することを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼方法。
  11. 石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるH2S含有ガスに酸化剤を供給して燃焼させるH2S燃焼装置において、該H2S燃焼装置に燃焼用空気を供給する管路と、該管路に接続され空気より酸素濃度が低いガスを供給する酸素稀釈剤供給管路とを設けたことを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼装置。
  12. 石炭のガス化によって発生したガスに含有される硫黄化合物を吸収剤に吸収させ、吸収された硫黄化合物を前記吸収剤から脱離させて得られるH2S含有ガスに酸化剤を供給して燃焼させるH2S燃焼装置において、該H2S燃焼装置にH2S含有ガスを供給する管路に接続されH2S含有ガスより酸素濃度が低いガスを供給するH2S稀釈剤供給管路を設けたことを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼装置。
  13. 請求項11記載の硫化水素含有ガスの燃焼装置において、該H2S燃焼装置にH2S含有ガスを供給する管路に接続されH2S含有ガスより酸素濃度が低いガスを供給するH2S稀釈剤供給管路を設けたことを特徴とする硫化水素含有ガスの燃焼装置。
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