JP2009107538A - 車両用制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用制動装置において、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすると共に制動操作の操作性を向上することで乗員ビリティの向上を図る。
【解決手段】シリンダ12内に駆動ピストン13を移動自在に支持することで前方圧力室R1及び後方圧力室R2を区画すると共に、ブレーキペダル15により駆動ピストン13を移動することで前方圧力室R1の油圧を出力可能なマスタシリンダ11を設け、駆動ピストン13が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管81を設けると共に、この油圧排出配管81にブレーキペダル15から駆動ピストン13に入力される操作力により閉止する遮断弁82を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、乗員のブレーキ操作に対して車両に付与する制動力を電子制御する車両用制動装置に関するものである。
車両の制動装置として、ブレーキペダルから入力されたブレーキ操作量に対して制動装置の制動力、つまり、この制動装置を駆動するホイールシリンダへ供給する油圧を電気的に制御する電子制御制動装置が知られている。このような制動装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
この特許文献1に記載された車両用制動装置は、シリンダ内に入力ピストンと加圧ピストンを移動自在に支持すると共に、入力ピストンにより加圧ピストンを押圧可能とし、入力ピストンにブレーキペダルを連結し、入力ピストンの前後の圧力室を連通路により連通し、ブレーキペダルの操作量に応じた制御油圧を第1、第2リニア弁により調圧して後輪側のホイールシリンダに作用させると共に、第2圧力室に供給して加圧ピストンをアシストすることで、この加圧ピストンが移動することで発生する制御油圧を前輪側のホイールシリンダに作用させるものである。
特開2007−203804号公報
上述した従来の車両用制動装置にあっては、シリンダ内に入力ピストンと加圧ピストンを所定間隔をもって移動自在に支持し、乗員がブレーキペダルを踏み込んだとき、アキュムレータから第2圧力室に油圧を供給して加圧ピストンをアシストすることで、ABSを介して各ホイールシリンダに制御油圧を供給している。この場合、乗員がブレーキペダルを踏み込まずに、加圧シリンダが初期位置にあるとき、第3圧力室は排出ポートを通してリザーバタンクと連通し、乗員がブレーキペダルを踏み込んで、入力ピストンと共に加圧シリンダが移動すると、第3圧力室はリザーバタンクと遮断される。
そのため、ABSによる増圧時に、第3圧力室の油圧が増加して加圧ピストンが初期位置に戻ると、第3圧力室が排出ポートを通してリザーバタンクに連通し、第3圧力室の油圧がリザーバタンクに排出されることで低下し、ここで加圧ピストンがハンチングしてしまう。すると、乗員は、ブレーキペダル操作に違和感を感じてしまい、乗員ビリティが悪化してしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすると共に制動操作の操作性を向上することで乗員ビリティの向上を図る車両用制動装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の車両用制動装置は、乗員が制動操作する操作部材と、シリンダ内に駆動ピストンが移動自在に支持されることで前方圧力室及び後方圧力室が区画されると共に前記操作部材により前記駆動ピストンを移動することで前記前方圧力室の油圧を出力可能なマスタシリンダと、前記操作部材から前記駆動ピストンに入力される操作力に応じた目標制御圧を設定する制御圧設定手段と、油圧供給源と、前記前方圧力室に連結されて車輪に制動力を発生させるホイールシリンダと、前記目標制御圧に基づいて電磁力により駆動弁を移動することで前記油圧供給源からの油圧を調圧して前記後方圧力室に出力可能である圧力制御弁と、前記駆動ピストンが初期位置にあるときに前記前方圧力室の油圧を排出可能な排出ラインと、該排出ラインに設けられて前記操作部材から前記駆動ピストンに入力される操作力により閉止する遮断弁とを備えることを特徴ものである。
本発明の車両用制動装置では、前記圧力制御弁により前記後方圧力室に作用する油圧により閉止することを特徴としている。
本発明の車両用制動装置では、前記駆動ピストンは、シリンダ内に直列に配置される入力ピストンと加圧ピストンとを有し、前記入力ピストンに前記操作部材の操作力が入力可能であり、前記加圧ピストンの前方に前記前方圧力室が区画されると共に、前記入力ピストンと前記加圧ピストンとの間に前記後方圧力室が区画され、また、前記入力ピストンに対して反力室が区画され、前記遮断弁は、前記反力室に作用する油圧により閉止することを特徴としている。
本発明の車両用制動装置では、前記駆動ピストンは、シリンダ内に直列に配置される入力ピストンと加圧ピストンとを有し、前記入力ピストンに前記操作部材の操作力が入力可能であり、前記加圧ピストンの前方に前記前方圧力室が区画されると共に、前記入力ピストンと前記加圧ピストンとの間に前記後方圧力室が区画され、また、前記シリンダ内に前記入力ピストンの操作力を前記加圧ピストンに伝達可能なバックアップピストンが移動自在に支持されることで反力室が区画され、前記遮断弁は、前記反力室に作用する油圧により閉止することを特徴としている。
本発明の車両用制動装置では、前記遮断弁は、前記操作部材から前記駆動ピストンに入力される操作力により前記排出ラインを閉止する可動子を有し、該可動子はストロークシュミレータとして機能することを特徴としている。
本発明の車両用制動装置では、前記遮断弁は、前記前方圧力室における圧力変動により自閉する可動子を有することを特徴としている。
本発明の車両用制動装置では、前記前方圧力室に前輪側の前記ホイールシリンダが連結され、前記後方圧力室に後輪側の前記ホイールシリンダが連結されることを特徴としている。
本発明の車両用制動装置によれば、シリンダ内に駆動ピストンが移動自在に支持されることで前方圧力室及び後方圧力室が区画されると共に操作部材により駆動ピストンを移動することで前方圧力室の油圧を出力可能なマスタシリンダを設け、この前方圧力室に車輪に制動力を発生させるホイールシリンダを連結し、目標制御圧に基づいて電磁力により駆動弁を移動することで油圧供給源からの油圧を調圧して後方圧力室に出力可能である圧力制御弁を設けて構成し、駆動ピストンが初期位置にあるときに前方圧力室の油圧を排出可能な排出ラインを設け、この排出ラインに操作部材から駆動ピストンに入力される操作力により閉止する遮断弁を設けている。従って、乗員が操作部材を操作したとき、その操作力により遮断弁が閉止して排出ラインが遮断されることとなり、駆動ピストンのハンチングが抑制されることで制動操作の操作性を向上して乗員ビリティを向上することができると共に、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすることができる。
以下に、本発明に係る車両用制動装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る車両用制動装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の車両用制動装置における圧力制御弁の断面図である。
実施例1の車両用制動装置において、図1に示すように、マスタシリンダ11は、シリンダ12内に駆動ピストン13が軸方向に移動自在に支持されて構成されている。このシリンダ12は、基端部が開口して先端部が閉塞した円筒形状をなし、内部の軸方向におけるほぼ中間位置に段部12aが形成されることで、基端部側に小径部12bが形成される一方、先端部側に大径部12cが形成されている。このシリンダ12の内部には、駆動ピストン13が軸方向に沿って移動自在に支持されている。この駆動ピストン13は段付部13aを有することで、シリンダ12の小径部12bに移動自在に嵌合する小径ピストン13bと、大径部12cに移動自在に嵌合する大径ピストン13cが一体に形成されている。
従って、駆動ピストン13は、前進側にて、大径ピストン13cがシリンダ12の底部12dに当接する一方、後退側にて、段付部13aがシリンダ12の段部12aに当接することで、その移動ストロークが規制されている。また、駆動ピストン13は、大径ピストン13cの先端部に開口部13dが形成されており、シリンダ12の底部12dとこの開口部13dとの間に張設された反力スプリング14の付勢力により段付部13aが段部12aに当接する初期位置に付勢支持されている。
また、操作部材としてのブレーキペダル15は、上端部が図示しない車体の取付ブラケットに支持軸16により回動自在に支持されており、下端部に乗員が踏み込み操作可能なペダル17が取付けられている。そして、ブレーキペダル15は、中間部に連結軸18によりクレビス19が取付けられ、このクレビス19には操作ロッド20の基端部が連結されており操作ロッド20の先端部が駆動ピストン13の連結部13eに連結されている。従って、乗員がペダル17を踏み込むことでブレーキペダル15が回動すると、その操作力が操作ロッド20を介して駆動ピストン13に伝達され、この駆動ピストン13が反力スプリング14の付勢力に抗して前進可能となっている。
このようにシリンダ12内に駆動ピストン13が移動自在に配置されることで、シリンダ12の空間が、駆動ピストン13の大径ピストン13cにおける前進方向(図1にて左方)に前方圧力室R1が区画されると共に、駆動ピストン13の小径ピストン13bにおける後退方向(図1にて右方)に後方圧力室R2が区画されている。この場合、駆動ピストン13は段付部13aを有していることから、前方圧力室R1の受圧面積A1が後方圧力室R2の受圧面積A2より大きく設定されることで、所定のサーボ比が設定される。
一方、前輪FR,FL及び後輪RR,RLにはそれぞれブレーキ装置(制動装置)を作動させるホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLが設けられており、ABS(Antilock Brake System)22により作動可能となっている。即ち、マスタシリンダ11の前方圧力室R1に連通する第1圧力ポート23には、第1油圧配管24の一端部が連結されており、この第1油圧配管24の他端部は、2つの油圧供給配管25a,25bに分岐され、前輪FR,FLに配置されるブレーキ装置のホイールシリンダ21FR,21FLに連結されている。また、マスタシリンダ11の後方圧力室R2に環状の連結通路26を介して連通する第2圧力ポート27には、第2油圧配管28の一端部が連結されており、この第2油圧配管28の他端部は、2つの油圧供給配管29a,29bに分岐され、後輪RR,RLに配置されるブレーキ装置のホイールシリンダ21RR,21RLに連結されている。
また、第1油圧配管24から分岐した各油圧供給配管25a,25bには、油圧排出配管30a,30bの基端部が連結されており、第2油圧配管28から分岐した各油圧供給配管29a,29bには、油圧排出配管31a,31bの基端部が連結されている。そして、各油圧排出配管30a,30b,31a,31bは、先端部が集合して第3油圧配管32を介してリザーバタンク33に連結されている。
そして、各油圧供給配管25a,25b,29a,29bには、各油圧排出配管30a,30b,31a,31bとの接続部より上流側(第1、第2油圧配管24,28側)に、それぞれ電磁式の増圧弁34a,34b,35a,35bが配置されている。また、各油圧排出配管30a,30b,31a,31bには、それぞれ電磁式の減圧弁36a,36b,37a,37bが配置されている。この増圧弁34a,34b,35a,35bは、ノーマルオープンタイプの開閉弁であって、電力供給時に閉止する。一方、減圧弁36a,36b,37a,37bは、ノーマルクローズタイプの開閉弁であって、電力供給時に開放する。
油圧ポンプ38はモータ39により駆動可能であり、配管40を介してリザーバタンク33に連結されると共に、配管41を介してアキュムレータ42に連結されている。従って、モータ39を駆動すると、油圧ポンプ38はリザーバタンク33に貯留されている作動油をアキュムレータ42に供給して昇圧することができ、アキュムレータ42は、所定圧力の油圧を蓄圧することができる。本実施例では、油圧ポンプ38とアキュムレータ42により油圧供給源が構成されている。
アキュムレータ42は、高圧供給配管43を介して圧力制御弁44に連結されている。この圧力制御弁44は、電磁力によりアキュムレータ42に蓄圧された油圧を調圧してマスタシリンダ11の後方圧力室R2及びABS22のホイールシリンダ21RR,21RLに出力可能であると共に、マスタシリンダ11の前方圧力室R1からの油圧によりアキュムレータ42に蓄圧された油圧を調圧してマスタシリンダ11の後方圧力室R2及びABS22のホイールシリンダ21RR,21RLに出力可能である。そのため、圧力制御弁44は、制御圧供給配管45を介して第2油圧配管28に連結され、外部圧供給配管46を介して第1油圧配管24に連結され、減圧供給配管47を介して第3油圧配管32に連結されている。
ここで、上述した圧力制御弁44について詳細に説明する。この圧力制御弁44において、図2に示すように、ハウジング51は、下方が開口してコ字断面を有する円筒形状をなし、内部にて、その上部に同じく下方が開口してコ字断面を有する円筒形状の上部支持ブロック52が嵌合する一方、下部に円筒形状をなす下部支持ブロック53が嵌合している。そして、この下部支持ブロック53の下部に上方が開口してコ字断面を有する円筒形状のケース54が嵌合することで、ハウジング51と上部支持ブロック52と下部支持ブロック53とケース54とにより内部が密閉状態となっている。
このハウジング51内にて、上下方向におけるほぼ中央部には、上下方向に沿って支持孔55が形成されており、この支持孔55に駆動弁56が移動自在に支持されている。この駆動弁56は棒状をなし、上端部に円柱形状をなして形成された第1支持部56aと、上部でこの第1支持部56aの下方に形成された第1フランジ部56bと、この第1フランジ部56bの下方に所定の長さで円柱形状をなして形成された第2支持部56cと、下端部に形成された第2フランジ部56dとから構成されている。そして、駆動弁56は、第1支持部56aが上部支持ブロック52の支持孔52aに嵌合し、第2支持部56cがハウジング51の支持孔55及び下部支持ブロック53の支持孔53aに嵌合することで、ハウジング51に対して上下方向に沿って移動自在に支持されている。また、ハウジング51と駆動弁56の第1フランジ部56bとの間には、リターンスプリング57が介装されており、駆動弁56は、第1フランジ部56bが上部支持ブロック52の下面に当接する位置に付勢支持されている。
従って、駆動弁56は、ハウジング51に上下方向に沿って移動自在に支持されると共に、リターンスプリング57の付勢力により上方に付勢され、第1フランジ部56bが上部支持ブロック52の下面に当接した位置に位置決めされている。
また、上部支持ブロック52は、下方に開口する支持孔52aが形成され、この支持孔52aに円柱形状をなす外部ピストン58が上下移動自在に嵌合している。この外部ピストン58は、駆動弁56の上房に直列状態で配置されており、下端面が球面形状をなし、駆動弁56の上面に当接可能となっている。
一方、ケース54内の下部には、駆動弁56の第2フランジ部56dに対向して所定間隔をもって鉄製の吸引部材59が固定されており、このケース54の外側には、吸引部材59に対向してコイル60が巻装されている。この吸引部材59は、コイル60に電流を流すことで発生する電磁力により吸引力を発生することができ、この吸引力により第2フランジ56dを介して駆動弁56を吸引することができる。
従って、駆動弁56は、リターンスプリング57の付勢力により上方に付勢されており、第1フランジ部56bが上部支持ブロック52に当接した位置に位置決めされている。そして、コイル60に電流を流すことで発生する電磁力により吸引部材59が吸引力を発生し、この吸引力により第2フランジ部56dを吸引し、駆動弁56をリターンスプリング57の付勢力に抗して下方に移動することができる。
更に、ハウジング51内に駆動弁56及び外部ピストン58が嵌合して移動自在に支持されることから、ハウジング51と上部支持ブロック52と駆動弁56と外部ピストン58により、外部ピストン58の軸方向の一方及び他方に位置して第1圧力室R11と第2圧力室R12が区画形成されている。この場合、第1圧力室R11は、上部支持ブロック52と駆動弁56と外部ピストン58により区画され、第2圧力室R12は、上部支持ブロック52と外部ピストン58により区画されている。一方、駆動弁56は、その中心部に軸方向に貫通して連通孔61が形成されており、この連通孔61は、上端部が第1圧力室R11に連通している。また、駆動弁56には、軸方向におけるほぼ中間位置に、径方向に沿って複数の連結ポート61aが形成されると共に、この連結ポート61aの外側に位置して、駆動弁56の外周面に環状の連結溝61bが形成されている。そして、この連通孔61と連結ポート61aと連結溝61bとが、互いに連通状態となっている。
ハウジング51にて、外部と支持孔55を連通する高圧ポートP1が形成されると共に、外部とリターンスプリング57を収容する減圧室R13を連通する減圧ポートP2が形成されている。この高圧ポートP1及び減圧ポートP2は、駆動弁56の異なる移動位置にて、連結溝61b及び連結ポート61aを介して連通孔61に連通可能となっている。また、ハウジング51及び上部支持ブロック52にて、外部と支持孔52aを連通する制御圧ポートP3が形成されている。この制御圧ポートP3は、第1圧力室R11に連通している。そして、高圧ポートP1は、高圧供給配管43を介してアキュムレータ42(図1参照)に連結され、減圧ポートP2は、減圧供給配管47を介して第3油圧配管32に連結され、制御圧ポートP3は、制御圧供給配管45を介して第2油圧配管28に連結されている。なお、この減圧ポートP2は、減圧室R13及び連結ポートP21を介して外部ピストン58の外周部に形成された環状溝58aに連通している。
この場合、第1圧力室R11から駆動弁56の第1支持部56aが受ける油圧の受圧面積a1と、駆動ピストン13の第2支持部56cが受ける油圧の受圧面積a2との関係は、a1>a2となるように、駆動弁56の各支持部56a,56cの外径が設定されている。そのため、駆動弁56が下方に移動するときにコイル60が付与する電磁力、つまり、このコイル60への電流値は、駆動弁56の前後の受圧面積差a1−a2に対応する駆動力と、リターンスプリング57の付勢力及び各種の摺動抵抗に対応する駆動力との合力が確保できるものとすればよく、この受圧面積差a1−a2を小さく設定することで、消費電力を低減することができる。
また、ハウジング51及び上部支持ブロック52にて、外部と支持孔52aを連通する外部圧ポートP4が上述した制御圧ポートP3よりも上方に位置して形成されている。この外部圧ポートP4は、一端部が第2圧力室R12に連通し、他端部が外部圧供給配管46を介して第1油圧配管24に連結されている。
この場合、第1圧力室R11に作用する制御圧が外部ピストン58に対して上向きの力として作用する一方、第2圧力室R12に作用する外部圧が外部ピストン58に対して下向きの力として作用する。そして、上部支持ブロック52の支持孔52aに移動自在に嵌合する外部ピストン58は、第1圧力室R11から油圧が作用する受圧面積と、第2圧力室R12から油圧が作用する受圧面積が同じ、つまり、「制御圧×外部ピストン58の受圧面積=外部圧×外部ピストン58の受圧面積」となり、外部ピストン58は、フローティング状態となって上部支持ブロック52への固着が防止される。
従って、コイル60に通電していないとき、駆動弁56はリターンスプリング57の付勢力により上部支持ブロック52に当接した位置に位置決めされており、駆動弁56の連通孔61が第1圧力室R11に連通する一方、連結ポート61a及び連結溝61bが減圧室R13を介して減圧ポートP2に連通することで、制御圧ポートP3と減圧ポートP2が連通孔61により連通している。
一方、コイル60に通電すると、吸引力により駆動弁56がリターンスプリング57の付勢力に抗して下方に移動する。すると、駆動弁56の連通孔61が第1圧力室R11に連通したまま、連結ポート61a及び連結溝61bが高圧ポートP1に連通することで、高圧ポートP1と制御圧ポートP3が連通孔61により連通することとなる。
なお、ハウジング51と上部支持ブロック52との間にはシール部材62が介装され、ハウジング51と下部支持ブロック53との間にはシール部材63が介装され、各支持ブロック52,53と駆動弁56との間にはシール部材64,65が介装され、上部支持ブロック52と外部ピストン58との間にはシール部材66が介装されることで、シール性が確保されている。また、ハウジング51は、ABS22の図示しないケーシングに支持されており、ハウジング51とケーシングとの間にはシール部材67が介装されることで、シール性が確保されている。
このように本実施例の車両用制動装置における圧力制御弁44では、コイル60が消磁状態にあるとき、駆動弁56はリターンスプリング57により上部支持ブロック52に接触した位置にあり、駆動弁56の連通孔61が第1圧力室R11に連通する一方、連結ポート61a及び連結溝61bが減圧ポートP2に連通している。従って、制御圧ポートP3と減圧ポートP2が第1圧力室R11及び連通孔61により連通状態にある一方、高圧ポートP1と制御圧ポートP3とが遮断状態にある。
この状態から、コイル60に通電すると、発生する吸引力により駆動弁56がリターンスプリング57の付勢力に抗して下方に移動する。このとき、外部ピストン58に対して第1圧力室R11から作用する制御圧と第2圧力室R12から作用する外部圧とが同等になることから、駆動弁56を下方に移動するための駆動力に対して制御圧及び外部圧が悪影響を与えることはなく、適正に駆動弁56を下方に移動することができる。そして、駆動弁56が下方に移動すると、駆動弁56の連通孔61が第1圧力室R11に連通したまま、連結ポート61a及び連結溝61bが高圧ポートP1に切り換わって連通する。そのため、高圧ポートP1と制御圧ポートP3が第1圧力室R11及び連通孔61により連通する一方、減圧ポートP2と制御圧ポートP3が遮断される。
従って、高圧供給配管43から高圧ポートP1を通して作用する圧力、つまり、高圧の作動油は、連結溝61bから連結ポート61aを通って連通孔61に流れ込み、この連通孔61から第1圧力室R11に流れ、制御圧ポートP3から制御圧供給配管45に制御圧として吐出されることとなる。この場合、コイル60への電流値により駆動弁56の移動量を制御することで、制御圧供給配管45に吐出する制御圧を調整することができる。
そして、この状態から、コイル60に通電する電流値を低下すると、発生する吸引力が減少して駆動弁56がリターンスプリング57の付勢力により上方に移動する。すると、駆動弁56の連通孔61が第1圧力室R11に連通したまま、連結ポート61a及び連結溝61bが減圧ポートP2に切り換わって連通する。そのため、減圧ポートP2と制御圧ポートP3が第1圧力室R11及び連通孔61により連通する一方、高圧ポートP1と制御圧ポートP3が遮断される。
従って、第1圧力室R11から制御圧ポートP3を通して制御圧供給配管45に吐出する制御圧、つまり、作動油は、第1圧力室R11から連通孔61に戻され、連結ポート61a及び連結溝61bを介して減圧室R13に流れ、減圧ポートP2から減圧供給配管47に排出される。
また、コイル60が消磁され、制御圧ポートP3と減圧ポートP2が第1圧力室R11及び連通孔61により連通状態にある一方、高圧ポートP1と制御圧ポートP3とが遮断状態にある状態にて、外部圧供給配管46から外部圧ポートP4を介して第2圧力室R12に外部圧、つまり、作動油が供給されると、外部ピストン58が下方に移動し、この外部ピストン58が駆動弁56を下方に押圧して移動させる。すると、この駆動弁56がリターンスプリング57の付勢力に抗して下方に移動し、前述と同様に、駆動弁56の連通孔61が第1圧力室R11に連通したまま、連結ポート61a及び連結溝61bが高圧ポートP1に連通する。
従って、高圧ポートP1と制御圧ポートP3が第1圧力室R11及び連通孔61により連通する一方、減圧ポートP2と制御圧ポートP3が遮断されることとなり、前述と同様に、高圧供給配管43から高圧ポートP1を通して高圧の作動油が供給され、連結溝61bから連結ポート61aを通して連通孔61に流れ込み、この連通孔61から第1圧力室R11に流れ、制御圧ポートP3から制御圧供給配管45に制御圧として吐出されることとなる。この場合、外部圧供給配管46から外部圧ポートP4を介して第2圧力室R12に作用する外部圧を制御することで、制御圧供給配管45に吐出する制御圧を調整することができる。
また、本実施例の車両用制動装置にて、図1に示すように、駆動ピストン13が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管(排出ライン)81が設けられると共に、この油圧排出配管81にブレーキペダル15から駆動ピストン13に入力される操作力により閉止する遮断弁82が設けられている。本実施例にて、遮断弁82は、圧力制御弁44により後方圧力室R2に作用する油圧により閉止するように構成されている。
即ち、遮断弁82にて、中空形状をなすハウジング83には、連結ポート83aと排出ポート83bと作動ポート83cが形成されている。このハウジング83内には、可動子84が移動自在に支持されており、この可動子84には、連結ポート83aと排出ポート83bとを連通可能な連通孔85が形成されると共に、連通孔85の一端部に対向してボール弁86が装着されている。また、可動子84は、ハウジング83との間に介装された付勢スプリング87の付勢力により連通孔85の一端部がボール弁86から離間する方向に付勢支持されている。そして、可動子84が付勢スプリング87の付勢力に抗して移動することで、連通孔85の一端部がボール弁86に密着してこの連通孔85を閉止することができる。
マスタシリンダ11にて、シリンダ12及び駆動ピストン13の大径ピストン13cには、前方圧力室R1に連通する戻しポート88a,88bが貫通して形成され、シリンダ12には、後方圧力室R2に連通する作動ポート89が貫通して形成されている。そして、遮断弁82の連結ポート83aが油圧排出配管81の連結管81aを介して戻しポート88aに連結され、排出ポート83bが排出管81bを介してリザーバタンク33に連結されている。そして、遮断弁82の作動ポート83cが油圧作動配管90を介して作動ポート89に連結されている。なお、シリンダ12と駆動ピストン13との間には、その要部にワンウェイシール91が装着されることで、油圧の漏洩を防止している。
従って、駆動ピストン13が初期位置にあるとき、遮断弁82の可動子84は、付勢スプリング87の付勢力により連通孔85の一端部がボール弁86から離間して連通孔85を開放している。そのため、マスタシリンダ11の前方圧力室R1は、戻しポート88a,88b、連結管81a、連結ポート83a、連通孔85、排出ポート83b、排出管81bを介してリザーバタンク33に連通している。この状態から、駆動ピストン13が前進すると共に、第2油圧配管28からの油圧が後方圧力室R2に作用すると、後方圧力室R2の油圧が作動ポート89、油圧作動配管90、作動ポート83cを介して可動子84に作用する。すると、可動子84が付勢スプリング87の付勢力に抗して移動し、連通孔85の一端部がボール弁86に当接して連通孔85を閉止する。そのため、マスタシリンダ11の前方圧力室R1とリザーバタンク33との連通を遮断することができる。
このように構成された本実施例の車両用制動装置にて、電子制御ユニット(ECU)71は、ブレーキペダル15から駆動ピストン13に入力される操作力(ペダル踏力)に応じた目標制御圧を設定(制御圧設定手段)し、この設定された目標制御圧を後方圧力室R2に作用させて駆動ピストン13をアシストすることで、前方圧力室R1から適正な制御圧を出力させ、ABS22を介して各ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLに制動油圧を付与して作動し、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに制動力を作用させるようにしている。
即ち、ブレーキペダル15には、このブレーキペダル15のペダルストロークSpを検出するストロークセンサ72と、そのペダル踏力Fpを検出する踏力センサ73が設けられており、各検出結果をECU71に出力している。また、第1、第2油圧配管24,28には、油圧を検出する第1圧力センサ74及び第2圧力センサ75が設けられている。第1圧力センサ74は、前方圧力室R1から第1油圧配管24を通して前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLへ供給される制御圧PMを検出し、検出結果をECU71に出力している。一方、第2圧力センサ75は、後方圧力室R2から第2油圧配管28を通して後輪RR,RLのホイールシリンダ21RR,21RLへ供給される制御圧PAを検出し、検出結果をECU71に出力している。
更に、アキュムレータ42から圧力制御弁44に至る高圧供給配管43には、油圧を検出する圧力センサ76が設けられている。この圧力センサ76は、アキュムレータ42から圧力制御弁44に至る高圧供給配管43を流れる油圧PHを検出し、検出結果をECU71に出力している。また、前輪FR,FL及び後輪RR,RLには、それぞれ車輪速センサ77が設けられており、検出した各車輪速度をECU71に出力している。
従って、ECU71は、踏力センサ73が検出したブレーキペダル15のペダル踏力Fp(または、ストロークセンサ72が検出したペダルストロークSp)に基づいて目標制御圧PMTを設定し、圧力制御弁44における駆動弁56を制御する一方、第1圧力センサ74が検出した制御圧PMをフィードバックし、目標制御圧PMTと制御圧PMとが一致するように制御している。この場合、ECU71は、ペダル踏力Fpに対する目標制御圧PMTを表すマップを有しており、このマップに基づいて圧力制御弁44を制御する。
なお、マスタシリンダ11のサーボ比は、小径ピストン13bの直径をAA、大径ピストン13cの直径をAMとすると、AM/AAにより設定される。そして、マスタシリンダ11の前方圧力室R1から第1油圧配管24に吐出され、前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLに付与される制御圧PMと、マスタシリンダ11の後方圧力室R2から第2油圧配管28に吐出され、後輪RR,RLのホイールシリンダ21RR,21RLに付与される制御圧PAとを同圧とする場合には、ペダル踏力Fpに対する目標制御圧PMTを表すマップにて、その傾きをRp/AAに設定すればよい。ここで、Rpは、ブレーキペダル15のレバー比であり、L2/L1である。
本実施例の車両用制動装置による制動力制御について、具体的に説明すると、図1及び図2に示すように、乗員がブレーキペダル15を踏むと、その操作力により駆動ピストン13が前進(図1にて左方へ移動)する。このとき、踏力センサ73はペダル踏力Fpを検出し、ECU71は、このペダル踏力Fpに基づいて目標制御圧PMTを設定する。そして、ECU71は、この目標制御圧PMTに基づいて圧力制御弁44を制御し、後方圧力室R2に所定の制御圧PAを作用させる。なお、ECU71は、第1圧力センサ74が検出した制御圧PMをフィードバックし、目標制御圧PMTと制御圧PMとが一致するように制御する。
即ち、圧力制御弁44にて、コイル60に通電し、発生する吸引力により駆動弁56をリターンスプリング57の付勢力に抗して下方に移動する。すると、連通孔61が連結ポート61a及び連結溝61bを介して高圧ポートP1に連通し、この高圧ポートP1は連通孔61及び第1圧力室R11に通して制御圧ポートP3に連通する一方、減圧ポートP2と制御圧ポートP3が遮断される。そのため、アキュムレータ42の油圧が高圧供給配管43から高圧ポートP1に供給され、連通孔61を通って第1圧力室R11に供給され、制御圧ポートP3から制御圧供給配管45を通して第2油圧配管28に供給される。すると、第2油圧配管28に供給された油圧が後方圧力室R2に作用して駆動ピストン13をアシストすることから、前方圧力室R1から第1油圧配管24に対して適正な制御油圧PMが吐出される。
従って、第1油圧配管24から前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLに制御圧PMが付与されると共に、第2油圧配管28から後輪RR,RLのホイールシリンダ21RR,21RLに制御圧PAが付与されることとなり、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた制動力を発生させることができる。
この場合、乗員は、必要に応じてブレーキペダル15を踏みこんだり、戻したりする操作を行うことから、この乗員によるブレーキペダル15の操作に応じて駆動ピストン13が前後に往復移動し、初期位置に戻ることがある。ところが、本実施例では、前方圧力室R1とリザーバタンク33とを連通する油圧排出配管81が設けられると共に、この油圧排出配管81にブレーキペダル15から駆動ピストン13に入力される操作力により閉止する遮断弁82を設けている。
従って、乗員がブレーキペダル15により駆動ピストン13に操作力を付与している状態では、圧力制御弁44により調圧された油圧が第2油圧配管28を介して後方圧力室R2に作用しており、この後方圧力室R2の油圧が遮断弁82の可動子84に作用して油圧排出配管81を閉止している。そのため、乗員がブレーキ操作しているとき、マスタシリンダ11の前方圧力室R1は、リザーバタンク33との連通が遮断されており、駆動ピストン13が一時的に初期位置に戻っても、前方圧力室R1の油圧がリザーバタンク33に排出されることはなく、駆動ピストン13のハンチングが抑制される。
一方、電源系統に故障が発生して失陥した場合には、圧力制御弁44のコイル60への電流値を制御することで、各ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLへ付与する制動油圧を適正油圧に制御することができない。ところが、本実施例では、圧力制御弁44に、マスタシリンダ11の前方圧力室R1で発生した圧力(外部圧)により作動する外部ピストン58を設け、この外部ピストン58により駆動弁56を制御して適正な制御圧を出力可能としている。
電源系統の失陥時に、乗員がブレーキペダル15を踏むと、その操作力により駆動ピストン13が前進し、この駆動ピストン13の前進により前方圧力室R1が加圧されることで、この前方圧力室R1の油圧が外部圧として第1油圧配管24に吐出され、外部圧供給配管46を通して圧力制御弁44に作用する。
この圧力制御弁44にて、外部圧供給配管46から外部圧ポートP4を介して第2圧力室R12に外部圧が作用し、外部ピストン58が下方に移動することで駆動弁56を下方に押圧して移動させる。すると、連通孔61が連結ポート61a及び連結溝61bを介して高圧ポートP1に連通し、この高圧ポートP1は連通孔61及び第1圧力室R11に通して制御圧ポートP3に連通する一方、減圧ポートP2と制御圧ポートP3が遮断される。そのため、アキュムレータ42の油圧が高圧供給配管43から高圧ポートP1に供給され、連通孔61を通って第1圧力室R11に供給され、制御圧ポートP3から制御圧供給配管45を通して第2油圧配管28に供給される。すると、第2油圧配管28に供給された油圧が後方圧力室R2に作用して駆動ピストン13をアシストすることから、前方圧力室R1から第1油圧配管24に対して適正な制御圧PMが吐出される。
従って、電源系統が失陥しても、第1油圧配管24から前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLに制御圧PMが付与されると共に、第2油圧配管28から後輪RR,RLのホイールシリンダ21RR,21RLに制御圧PAが付与されることとなり、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた制動力を発生させることができる。
このように実施例1の車両用制動装置にあっては、シリンダ12内に駆動ピストン13を移動自在に支持することで前方圧力室R1及び後方圧力室R2を区画すると共に、ブレーキペダル15により駆動ピストン13を移動することで前方圧力室R1の油圧を出力可能なマスタシリンダ11を設け、この前方圧力室R1にホイールシリンダ21FR,21FLを連結し、目標制御圧に基づいた電磁力により駆動弁56を移動することでアキュムレータ42からの油圧を調圧した制御圧を後方圧力室R2及びホイールシリンダ21RR,21RLに出力可能であると共に、前方圧力室R1からの外部圧で移動する外部ピストン58により駆動弁56を移動することでアキュムレータ42からの油圧を調圧した制御圧を後方圧力室R2及びホイールシリンダ21RR,21RLに出力可能である圧力制御弁44を設けている。
従って、電源系統の正常時に、ECU71は、ペダル踏力Fpに応じた目標制御圧PMTを設定し、この目標制御圧PMTに基づいて圧力制御弁44を制御することで、アキュムレータ42から圧力制御弁44により後方圧力室R2に適正な油圧が供給され、駆動ピストン13をアシストすることとなり、各油圧配管24,28に適正な制御圧を供給することができ、この制御油をABS22を介して各ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLに作用させ、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた適正な制動力を発生させることができる。
一方、電源系統の失陥時には、ブレーキペダル15の操作に応じて駆動ピストン13が移動して前方圧力室R1が加圧され、前方圧力室R1の油圧が外部圧として圧力制御弁44に作用することで、アキュムレータ42から圧力制御弁44により後方圧力室R2に適正な油圧が供給され、駆動ピストン13をアシストすることとなり、各油圧配管24,28に適正な制御圧を供給することができ、この制御油をABS22を介して各ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLに作用させ、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた適正な制動力を発生させることができる。
このように本実施例では、電磁力及び外部圧により作動する圧力制御弁44を適用することで、電源系統の状態に拘らず乗員によるブレーキペダル15の操作に応じた制御圧を確実に発生させることができ、その結果、油圧経路を簡略化して構造の簡素化を図ることができると共に、製造コストを低減することができる一方、適正な制動力制御を可能とすることができ、信頼性及び安全性の向上を図ることができる。
また、実施例1の車両用制動装置では、駆動ピストン13が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管81を設けると共に、この油圧排出配管81にブレーキペダル15から駆動ピストン13に入力される操作力により閉止する遮断弁82を設けている。従って、乗員がブレーキペダル15により駆動ピストン13に操作力を付与している状態では、この操作力により遮断弁82が油圧排出配管81を閉止することとなり、駆動ピストン13が一時的に初期位置に戻っても、前方圧力室R1の油圧がリザーバタンク33に排出されることはなく、駆動ピストン13のハンチングが抑制されることで制動操作の操作性を向上して乗員ビリティを向上することができると共に、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすることができる。
この場合、遮断弁82は、圧力制御弁44により後方圧力室R2に作用する油圧により閉止するようにしている。従って、乗員がブレーキペダル15により駆動ピストン13に操作力を付与している状態では、圧力制御弁44により調圧された油圧が第2油圧配管28を介して後方圧力室R2に作用し、この後方圧力室R2の油圧が遮断弁82の可動子84に作用して油圧排出配管81を閉止することとなり、簡単な構成で、駆動ピストン13のハンチングを抑制することができる。
図3は、本発明の実施例2に係る車両用制動装置を表す概略構成図、図4は、実施例2の車両用制動装置における圧力制御弁の断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の車両用制動装置において、図3に示すように、マスタシリンダ111は、シリンダ112内に駆動ピストンとしての入力ピストン113と加圧ピストン114が軸方向に移動自在に支持されて構成されている。シリンダ112の基端部側に配置された入力ピストン113は、基端部にブレーキペダル15の操作ロッド20が連結されており、乗員によるブレーキペダル15の操作により操作ロッド20を介して移動可能となっている。また、入力ピストン113は、外周面がシリンダ112の第1内周面112aに嵌合し、軸方向に沿って移動自在に支持され、フランジ部113aの外周面がシリンダ112の第1内周面112aより大径の第2内周面112bに嵌合し、軸方向に沿って移動自在に支持されている。そして、フランジ部113aが第1内周面112aと第2内周面112bとの間の段部112cに当接することで、前進側の移動ストロークが規制され、フランジ部113aが支持部材115に当接することで、後退側の移動ストロークが規制される。また、入力ピストン113は、支持部材115とブラケット116との間に介装された反力スプリング117によりフランジ部113aが支持部材115に当接する位置に付勢支持されている。
加圧ピストン114は、シリンダ112にて、入力ピストン113より先端部側に配置され、外周面がシリンダ112の第1内周面112aに移動自在に支持され、フランジ部114aの外周面がシリンダ112の第3内周面112dに移動自在に支持されている。そして、加圧ピストン114は、フランジ部114aが蓋部材118または段部112eに当接することで、移動ストロークが規制される。また、加圧ピストン114は、支持板119との間に介装された付勢スプリング120の付勢力により、フランジ部114aが段部112eに当接する位置に付勢支持されている。
また、上述したように、シリンダ112内に入力ピストン113と加圧ピストン114が同軸上に相対移動自在に配置されることで、前方圧力室R1と、後方圧力室R2と、循環圧力室R3と、反力室R4とが区画される。そして、後方圧力室R2と循環圧力室R3は、入力ピストン113内に形成された連通路121により連通されると共に、入力ピストン113が加圧ピストン114に接近したときに、このシール部材(閉止部材)122が加圧ピストン114の後端面に取付けられている。
一方、前輪FR,FL及び後輪RR,RLには、ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLが設けられており、ABS22により作動可能となっている。即ち、マスタシリンダ111の前方圧力室R1に連通する第1圧力ポート123に第1油圧配管124が連結されており、この第1油圧配管124が油圧供給配管25a,25bを介してホイールシリンダ21FR,21FLに連結されている。また、マスタシリンダ111の循環圧力室R3に連通する第2圧力ポート125には、第2油圧配管126が連結されており、この第2油圧配管126が油圧供給配管29a,29bを介してホイールシリンダ21RR,21RLに連結されている。
また、各油圧供給配管25a,25bには油圧排出配管30a,30bが連結され、各油圧供給配管29a,29bには油圧排出配管31a,31bが連結されており、各油圧排出配管30a,30b,31a,31bは、先端部が集合して第3油圧配管32に連結され、この第3油圧配管32は、マスタシリンダ111の第4圧力ポート127に連結され、第5圧力ポート128から油圧給排配管129を介してリザーバタンク33に連結されている。
そして、各油圧供給配管25a,25b,29a,29bに増圧弁34a,34b,35a,35bが配置され、各油圧排出配管30a,30b,31a,31bに減圧弁36a,36b,37a,37bが配置されている。
油圧ポンプ38はモータ39により駆動可能であり、配管40を介してリザーバタンク33に連結されると共に、配管41を介してアキュムレータ42に連結されている。この油圧ポンプ38及びアキュムレータ42は、高圧供給配管130を介して圧力制御弁131に連結されている。この圧力制御弁131は、電磁力により作動してアキュムレータ42に蓄圧された油圧を調圧してマスタシリンダ111の後方圧力室R2及びABS22のホイールシリンダ21RR,21RLに出力可能であり、後方圧力室R2への油圧により加圧ピストン114を前進させ、マスタシリンダ111の前方圧力室R1からの油圧をABS22のホイールシリンダ21FR,21FLに出力可能である。
即ち、この圧力制御弁131において、図4に示すように、ハウジング151は円筒形状をなし、内部に形成された貫通孔152には、軸方向に沿って複数の段部が形成されることで下方に向かって大径となる3つの支持孔153a,153b,153cが形成されている。そして、この貫通孔152には、駆動弁154が上下に移動自在に支持されており、この駆動弁154は、各支持孔153a,153b,153cに移動自在に支持される支持部154a,154b,154c及び大径部154dを有している。そして、この駆動弁154は、リターンスプリング155により上方に付勢支持されることで、大径部154dが段部152aに当接する位置に付勢支持される一方、ソレノイド156に通電することで、発生する電磁力により下方に移動可能となっている。
そして、ハウジング151には、高圧ポートP1と減圧ポートP2と制御圧ポートP3が形成されている。一方、駆動弁154には、軸方向に沿った第1貫通孔157aと径方向に沿った第2貫通孔157bとが交差する連通路157が形成されている。
また、ハウジング151の貫通孔152の上部には、支持孔153aより小径の支持孔153dが形成されている。そして、この貫通孔513には、駆動弁154の上方に直列をなして外部ピストン158が上下に移動自在に支持されており、この外部ピストン158は、各支持孔153a,153dに移動自在に支持される支持部158a,158bを有している。
そして、ハウジング151内に駆動弁154及び外部ピストン158が移動自在に支持されることで、ハウジング151と駆動弁154と外部ピストン158により、外部ピストン158の前方側に位置して第1圧力室R11が形成され、ハウジング151と外部ピストン158により、外部ピストン158の後方側に位置して第2圧力室R12が区画形成されている。また、ハウジング151には、外部圧ポートP4と調整圧ポートP5が形成されている。なお、制御圧ポートP3は、駆動弁154と外部ピストン158との間の第1圧力室R11に連通している。また、減圧ポートP2と調整圧ポートP5が外部で連通している。
この場合、外部ピストン158は段付部を有し、前方側で駆動弁154との間に区画された第1圧力室R11の受圧面積a11が、外部ピストン158の後方側で前方圧力室R1からの油圧が作用する第2圧力室R12の受圧面積a12より大きく設定されている。即ち、第1圧力室R11から外部ピストン158が受ける油圧の受圧面積a11と、前方圧力室R1から外部ピストン158が受ける油圧の受圧面積a12との関係は、a11>a12となるように、外部ピストン158の外径が設定されている。
従って、ソレノイド156に通電していないとき、駆動弁154はリターンスプリング155の付勢力により上方に位置決めされており、連通路157により制御圧ポートP3と第1圧力室R11と減圧ポートP2が連通し、高圧ポートP1が遮断されている。一方、ソレノイド156に通電すると、電磁力により駆動弁154がリターンスプリング155の付勢力に抗して下方に移動する。すると、連通路157により高圧ポートP1と第1圧力室R11と制御圧ポートP3が連通し、減圧ポートP2が遮断されることとなる。また、外部圧ポートP4に外部圧が作用すると、外部ピストン158が下方に移動し、駆動弁154をリターンスプリング155の付勢力に抗して下方に移動することから、前述と同様に、連通路157により高圧ポートP1と第1圧力室R11と制御圧ポートP3が連通する。
そして、油圧ポンプ38及びアキュムレータ42からの高圧供給配管130が圧力制御弁131の高圧ポートP1に連結されている。また、圧力制御弁131は、制御圧ポートP3が制御圧供給配管132を介して第2油圧配管126に連結されている。
また、マスタシリンダ111の反力室R4に連通する第3圧力ポート133には、第4油圧配管134の一端部が連結され、他端部は第3油圧配管32に連結されると共に、圧力制御弁131の減圧ポートP2に連結されている。そして、この第4油圧配管134には、反力制御弁135が装着されており、この反力制御弁135は、ノーマルオープンタイプの開閉弁であって、電力供給時に閉止する。また、第4油圧配管134には、ストロークシュミレータ136が設けられている。
更に、圧力制御弁131の高圧ポートP1と第1油圧配管124との間には、連結配管137が架設されており、この連結配管137に連通弁138が装着されている。この連通弁138は、ノーマルクローズタイプの開閉弁であって、電力供給時に開放する。また、圧力制御弁131の外部圧ポートP4には、外部圧供給配管139の一端部が連結され、他端部が第1油圧配管124に連結されている。従って、前方圧力室R1の油圧が第1油圧配管124及び外部圧供給配管139を通して外部圧ポートP4に外部圧として作用することで、外部ピストン158を下方に移動することができる。
また、本実施例の車両用制動装置にて、図3に示すように、加圧ピストン114が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管(排出ライン)141が設けられると共に、この油圧排出配管141にブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力により閉止する遮断弁142が設けられている。本実施例にて、遮断弁142は、反力室R4に作用する油圧により閉止するように構成されている。
この遮断弁142は、上述した実施例1の遮断弁82と同様の構成をなしており、ハウジング83に連結ポート83aと排出ポート83bと作動ポート83cが形成され、内部に可動子84が移動自在に支持され、この可動子84に連通孔85が形成されると共に、連通孔85の一端部に対向してボール弁86が装着されている。そして、可動子84は、付勢スプリング87の付勢力により連通孔85の一端部がボール弁86から離間する方向に付勢支持され、可動子84が付勢スプリング87の付勢力に抗して移動することで、連通孔85の一端部がボール弁86に密着してこの連通孔85を閉止することができる。
マスタシリンダ111にて、シリンダ112及び加圧ピストン114には、前方圧力室R1に連通する戻しポート143a,143bが貫通して形成され、シリンダ112には、反力室R4に連通する作動ポート144が貫通して形成されている。そして、遮断弁142の連結ポート83aが油圧排出配管141の連結管81aを介して戻しポート143aに連結され、排出ポート83bが排出管81bを介してリザーバタンク33に連結されている。そして、遮断弁142の作動ポート83cが油圧作動配管145を介して作動ポート144に連結されている。
従って、加圧ピストン114が初期位置にあるとき、遮断弁142の可動子84は、付勢スプリング87の付勢力により連通孔85の一端部がボール弁86から離間して連通孔85を開放している。そのため、マスタシリンダ111の前方圧力室R1は、戻しポート143a,143b、連結管81a、連結ポート83a、連通孔85、排出ポート83b、排出管81bを介してリザーバタンク33に連通している。この状態から、入力ピストン113が前進すると共に、反力室R4が加圧され、この反力室R4の油圧が作動ポート144、油圧作動配管145、作動ポート83cを介して可動子84に作用する。すると、可動子84が付勢スプリング87の付勢力に抗して移動し、連通孔85の一端部がボール弁86に当接して連通孔85を閉止する。そのため、マスタシリンダ111の前方圧力室R1とリザーバタンク33との連通を遮断することができる。
ECU71は、ブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力(ペダルストロークまたはペダル踏力)に応じた目標制御圧を設定(制御圧設定手段)し、圧力制御弁131によりこの設定された目標制御圧を後輪側のホイールシリンダ21RR,21RLに出力させると共に、後方圧力室R2に作用させて加圧ピストン114をアシストし、前方圧力室R1から前輪側のホイールシリンダ21FR,21FLに出力される。そのため、ABS22を介して各ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLに適正な制動油圧が付与されて作動し、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに制動力を作用させる。
即ち、ブレーキペダル15には、ペダルストロークSpを検出するストロークセンサ72と、ペダル踏力Fpを検出する踏力センサ73が設けられており、各検出結果をECU71に出力している。また、第1油圧配管124には、制御圧(マスタシリンダ圧)Pmを検出する第1圧力センサ74が設けられており、検出結果をECU71に出力している。第4油圧配管134における反力制御弁135より第3圧力ポート133側には、反力室R4の反力油圧Pfを検出する圧力センサ78が設けられており、検出結果をECU71に出力している。連通配管137には、アキュムレータ42から圧力制御弁131を介して連通配管137に供給される油圧を検出する圧力センサ76が設けられており、検出結果をECU71に出力している。また、前輪FR,FL及び後輪RR,RLには、車輪速度を検出する車輪速センサ77が設けられており、検出結果をECU71に出力している。
ここで、本実施例の車両用制動装置による制動力制御について具体的に説明する。乗員がブレーキペダル15を踏むと、その操作力により操作ロッド20を介して入力ピストン113が反力スプリング117の付勢力に抗して前進する。このとき、反力制御弁135により反力室R4に対する油圧の給排が停止されるものの、後方圧力室R2と循環圧力室R3が連通路121により連通していることから、後方圧力室R2の油圧が連通路121を通って循環圧力室R3に流れ、入力ピストン113は微小前進する。
また、ブレーキペダル15を踏み込まれたとき、踏力センサ73はペダル踏力Fpを検出し、ECU71は、このペダル踏力Fpに基づいて目標制御圧Pmtを設定する。そして、ECU71は、この目標制御圧Pmtに基づいて圧力制御弁131を制御し、所定の制御圧を出力させる。
即ち、圧力制御弁131にて、ソレノイド156に通電し、発生する電磁力により駆動弁114を移動すると、高圧ポートP1が連通路157を介して制御圧ポートP3に連通する。そのため、アキュムレータ42の油圧が高圧供給配管130から高圧ポートP1に供給され、連通路157を通って第1圧力室R11に供給され、制御圧ポートP3から制御圧供給配管132を通して第2油圧配管126に供給される。すると、第2油圧配管126に供給された油圧がマスタシリンダ111の第2圧力ポート125から環状圧力室R3に供給され、連通路121を通って後方圧力室R2に作用し、加圧ピストン114をアシストすることから、この加圧ピストン114が前方圧力室R1を加圧し、前方圧力室R1から第1油圧配管124に対して適正な制御油圧が吐出される。
従って、第1油圧配管124から前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLに制御圧が付与されると共に、第2油圧配管126から後輪RR,RLのホイールシリンダ21RR,21RLに制御圧が付与されることとなり、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた制動力を発生させることができる。
この場合、乗員は、必要に応じてブレーキペダル15を踏みこんだり、戻したりする操作を行うことから、この乗員によるブレーキペダル15の操作に応じて入力ピストン113及び加圧ピストン114が前後に往復移動し、この加圧ピストン114が初期位置に戻ることがある。ところが、本実施例では、前方圧力室R1とリザーバタンク33とを連通する油圧排出配管141が設けられると共に、この油圧排出配管141にブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力により閉止する遮断弁142を設けている。
従って、乗員がブレーキペダル15により入力ピストン113に操作力を付与している状態では、反力室R4が加圧されており、この反力室R4の油圧が遮断弁142の可動子84に作用して油圧排出配管141を閉止している。そのため、乗員がブレーキ操作しているとき、マスタシリンダ111の前方圧力室R1は、リザーバタンク33との連通が遮断されており、加圧ピストン114が一時的に初期位置に戻っても、前方圧力室R1の油圧がリザーバタンク33に排出されることはなく、加圧ピストン114のハンチングが抑制される。
一方、電源系統に故障が発生して失陥した場合には、圧力制御弁131のソレノイド156へ通電することで、各ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLへ付与する制動油圧を適正油圧に制御することができない。ところが、本実施例では、反力室R4の第3圧力ポート133に連結された第4油圧配管134に電磁式の反力制御弁135を設けており、非通電時には、第4油圧配管134を開放してリザーバタンク33に連通している。
そのため、電源系統の失陥時に、乗員がブレーキペダル15を踏むと、その操作力により操作ロッド20を介して入力ピストン113が反力スプリング117の付勢力に抗して前進する。このとき、反力制御弁135により反力室R4に対する油圧の給排が許可されていることから、入力ピストン113が前進する。この場合、入力ピストン113が所定ストローク前進すると、入力ピストン113の前面が加圧ピストン114の背面に当接することから、連通路121がシール部材122により閉止される。そして、入力ピストン113と共に加圧ピストン114が前進し、この加圧ピストン114の前進により前方圧力室R1が加圧されることで、この前方圧力室R1の油圧が外部圧として第1油圧配管124に吐出され、外部圧供給配管139を通して圧力制御弁131に吐出される。
すると、圧力制御弁131にて、外部圧供給配管139から外部圧ポートP4を介して第2圧力室R12に外部圧が作用し、外部ピストン158が移動することで駆動弁154を押圧して移動させると、高圧ポートP1は連通路157を介して制御圧ポートP3に連通する。そのため、アキュムレータ42の油圧が高圧供給配管130から高圧ポートP1に供給され、連通路157を通って第1圧力室R11に供給され、制御圧ポートP3から制御圧供給配管132を通して第2油圧配管126に供給される。
この場合、外部ピストン158は、第1圧力室R11の受圧面積a11が第2圧力室R12の受圧面積a12より大きく設定されていることから、圧力制御弁131は、前方圧力室R1から第2圧力室R12に作用した油圧に対して駆動弁154を押圧する駆動力が減少し、前方圧力室R1から吐出された油圧より低い油圧を外部圧供給配管139に吐出する。そして、この圧力制御弁131からの制御圧が第2油圧配管126から環状圧力室R3に作用することで、入力ピストン113を介して加圧ピストン114をアシストする。
従って、マスタシリンダ111の前方圧力室R1の油圧が増圧されて第1油圧配管124を通して前輪側の油圧供給配管25a,25bに供給される。つまり、制動油圧が前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLに付与されることとなり、前輪FR,FLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた制動力を発生させることができる。
なお、電源系統に故障が発生して失陥した場合にて、マスタシリンダ111のサーボ比Rsは下記にように定義される。
Rs=[A1−(A2−A3)]×(a12/a11
1=A2−A3
Rs=A1/(A1−A1×a12/a11)=1/(1−a12/a11)=a11/(a11−a12
11>a12
11/(a11−a12)>A/A3
このように実施例2の車両用制動装置にあっては、シリンダ112内に入力ピストン113と加圧ピストン114を移動自在に支持することで、前方圧力室R1、後方圧力室R2、循環圧力室R3、反力室R4を区画し、後方圧力室R2と循環圧力室R3を連通路121により連通すると共に、入力ピストン113が加圧ピストン114に接近したときにこの連通路121を閉止するシール部材122を加圧ピストン114に設け、アキュムレータ42からの油圧を調圧した制御圧を循環圧力室R3から連通路121を通して後方圧力室R2に出力可能である圧力制御弁131を設けている。
従って、電源系統の失陥時には、ブレーキペダル15の操作に応じて入力ピストン113が加圧ピストン114を押圧し、この加圧ピストン114が移動して前方圧力室R1が加圧され、前方圧力室R1の油圧が外部圧として圧力制御弁131に作用することで、アキュムレータ42から圧力制御弁131で増圧された油圧が環状圧力室R3に作用して入力ピストン113を介して加圧ピストン114をアシストすることとなり、各油圧配管124,126に適正な制御圧を供給することができ、適正な制御油をABS22を介して各ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLに作用させ、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた適正な制動力を発生させることができる。
また、実施例2の車両用制動装置では、加圧ピストン114が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管141を設けると共に、この油圧排出配管141にブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力により閉止する遮断弁142を設けている。従って、乗員がブレーキペダル15により入力ピストン113に操作力を付与している状態では、この操作力により遮断弁142が油圧排出配管141を閉止することとなり、加圧ピストン114が一時的に初期位置に戻っても、前方圧力室R1の油圧がリザーバタンク33に排出されることはなく、加圧ピストン114のハンチングが抑制されることで制動操作の操作性を向上して乗員ビリティを向上することができると共に、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすることができる。
この場合、遮断弁142は、反力室R4に作用する油圧により閉止するようにしている。従って、乗員がブレーキペダル15により入力ピストン113に操作力を付与している状態では、反力室R4が加圧されており、この反力室R4の油圧が遮断弁142の可動子84に作用して油圧排出配管141を閉止することとなり、簡単な構成で、加圧ピストン114のハンチングを抑制することができる。
図5は、本発明の実施例3に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の車両用制動装置において、図5に示すように、マスタシリンダ211は、シリンダ212にバックアップパストン213と加圧ピストン214が直列に配設され、それぞれ軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、バックアップパストン213に入力ピストン215が軸方向に沿って移動自在に支持されて構成されている。
バックアップピストン213は、シリンダ212内に位置して円筒形状をなす本体216と、この本体216の軸方向における一端部に固定された蓋部217と、本体216の軸方向における他端部からシリンダ212外に突出して円筒形状をなす支持部218とから構成されている。そして、バックアップピストン213は、本体216の外周面がシリンダ212の第1内周面212aに嵌合し、軸方向に沿って移動自在に支持されている。また、バックアップピストン213は、本体216における基端部側の外周部に円盤形状をなすフランジ部213aが一体に形成されており、このフランジ部213aの外周面がシリンダ212の第1内周面212aより大径の第2内周面212bに嵌合し、軸方向に沿って移動自在に支持されている。更に、バックアップピストン213は、支持部218が支持部材219の貫通孔219aに移動自在に嵌合しており、フランジ部213aが第1内周面212aと第2内周面212bとの間の段部212cに当接することで、前進側の移動ストロークが規制され、フランジ部213aが支持部材219に当接することで、後退側の移動ストロークが規制される。
加圧ピストン214は、シリンダ212にて、バックアップピストン213より先端部側に配置され、外周面がシリンダ212の第1内周面212aに移動自在に支持されている。また、加圧ピストン214は、フランジ部214aが一体に形成され、このフランジ部214aの外周面がシリンダ212の第3内周面212dに移動自在に支持されている。そして、加圧ピストン214は、フランジ部214aがシリンダ212の底部または段部212eに当接することで、移動ストロークが規制される。また、加圧ピストン214は、支持板220との間に介装された付勢スプリング221の付勢力により、フランジ部214aが段部212eに当接する位置に付勢支持されている。
入力ピストン215は、円筒形状をなし、先端部に押圧部材222が固定されており、外周面がバックアップピストン213の内周面に嵌合し、軸方向に沿って移動自在に支持されている。そして、バックアップピストン213の蓋部217と支持板225との間に付勢スプリング224が介装されており、入力ピストン215は、バックアップピストン213に対して離間する方向に付勢され、バックアップピストン213の段部213bに当接した位置に付勢支持されている。
一方、ブレーキペダル15には操作ロッド20が連結され、操作ロッド20の先端部がバックアップピストン213内を通って入力ピストン215内に進入し、連結部20aが係止部215aにより拘束されることで、入力ピストン215に連結されている。また、シリンダ212(支持部材219)とバックアップピストン213の支持板223との間には、付勢スプリング226が介装されている。
従って、ペダル17を踏み込むと、ブレーキペダル15が支持軸16を支点として回動し、その操作力(ペダルストローク)が操作ロッド20を介して入力ピストン215に伝達され、この入力ピストン215が付勢スプリング224,226の付勢力に抗して前進することができる。この場合、乗員がブレーキペダル15を踏み込むと、操作ロッド20を介して入力ピストン215が前進し、押圧部材222が付勢スプリング224の付勢力に抗して前進することとなることから、押圧部材222及び付勢スプリング224等によりストロークシュミレータ(操作力吸収機構)が構成されている。
また、上述したように、シリンダ212内にバックアップピストン213と加圧ピストン214と入力ピストン215が同軸上に相対移動自在に配置されることで、前方圧力室R1と、後方圧力室R2と、循環圧力室R3と、反力室R4と、圧力吸収室R5が区画される。そして、後方圧力室R2と循環圧力室R3は、シリンダ212に形成された連通路227により連通されている。
一方、前輪FR,FL及び後輪RR,RLには、ホイールシリンダ21FR,21FL,21RR,21RLが設けられており、ABS22により作動可能となっている。即ち、マスタシリンダ211の前方圧力室R1に連通する第1圧力ポート231には第1油圧配管124が連結されている。また、マスタシリンダ211の循環圧力室R3に連通する第2圧力ポート232には、第2油圧配管126が連結されている。また、第3油圧配管32は、マスタシリンダ211の第4圧力ポート233に連結され、第5圧力ポート234から油圧給排配管235を介してリザーバタンク33に連結されている。また、マスタシリンダ211の反力室R4に連通する第3圧力ポート236には、第4油圧配管134が連結されている。
また、マスタシリンダ211には、圧力吸収室R5に連通する給排ポート237a,237bが形成されており、油圧給排配管235を介してリザーバタンク33に連結されている。この場合、シリンダ212における給排ポート237aの前後にはワンウェイシール238が装着されている。この場合、バックアップピストン213と入力ピストン215との間に圧力吸収室(操作力吸収室)R5が区画されており、バックアップピストン213が支持部材219に当接した後退位置に保持されているとき、圧力吸収室R5は給排ポート237a,137bから油圧給排配管235を通してリザーバタンク33に連通している。そのため、ブレーキペダル15が踏み込まれて入力ピストン215が前進すると、圧力吸収室R5の容積が減少し、油圧がリザーバタンク33に排出されることで、ブレーキペダル15の操作力が吸収される。一方、バックアップピストン213の保持が解除されているとき、ブレーキペダル15が踏み込まれて入力ピストン215が前進すると、この入力ピストン215と共にバックアップピストン213が前進する。すると、シリンダ212の給排ポート237aに対して、バックアップピストン213の給排ポート237bがずれて連通しなくなる。そのため、圧力吸収室R5の容積が減少せず、ブレーキペダル15の操作力が吸収されずに、入力ピストン215を介してバックアップピストン213に伝達される。
また、加圧ピストン214が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管(排出ライン)241が設けられると共に、この油圧排出配管241にブレーキペダル15から入力ピストン215に入力される操作力により閉止する遮断弁242が設けられている。本実施例にて、遮断弁242は、反力室R4に作用する油圧により閉止するように構成されている。
この遮断弁242は、上述した各実施例の遮断弁82,142と同様の構成をなしており、ハウジング83に連結ポート83aと排出ポート83bと作動ポート83cが形成され、内部に可動子84が移動自在に支持され、この可動子84に連通孔85が形成されると共に、連通孔85の一端部に対向してボール弁86が装着されている。そして、可動子84は、付勢スプリング87の付勢力により連通孔85の一端部がボール弁86から離間する方向に付勢支持され、可動子84が付勢スプリング87の付勢力に抗して移動することで、連通孔85の一端部がボール弁86に密着してこの連通孔85を閉止することができる。
マスタシリンダ211にて、シリンダ212及び加圧ピストン214には、前方圧力室R1に連通する戻しポート243a,243bが貫通して形成され、シリンダ212には、反力室R4に連通する作動ポート244が貫通して形成されている。そして、遮断弁242の連結ポート83aが油圧排出配管241の連結管81aを介して戻しポート243aに連結され、排出ポート83bが排出管81bを介してリザーバタンク33に連結されている。そして、遮断弁242の作動ポート83cが油圧作動配管245を介して作動ポート244に連結されている。
従って、加圧ピストン214が初期位置にあるとき、遮断弁242の可動子84は、付勢スプリング87の付勢力により連通孔85の一端部がボール弁86から離間して連通孔85を開放している。そのため、マスタシリンダ211の前方圧力室R1は、戻しポート243a,243b、連結管81a、連結ポート83a、連通孔85、排出ポート83b、排出管81bを介してリザーバタンク33に連通している。この状態から、入力ピストン215が前進すると共に、反力室R4が加圧され、この反力室R4の油圧が作動ポート244、油圧作動配管245、作動ポート83cを介して可動子84に作用する。すると、可動子84が付勢スプリング87の付勢力に抗して移動し、連通孔85の一端部がボール弁86に当接して連通孔85を閉止する。そのため、マスタシリンダ211の前方圧力室R1とリザーバタンク33との連通を遮断することができる。
なお、本実施例のABS22については、上述した実施例2とほぼ同様であるため、説明は省略する。
従って、ECU71は、踏力センサ73が検出したブレーキペダル15のペダル踏力Fp(または、ストロークセンサ72が検出したペダルストロークSp)に基づいて目標制御圧Pmtを設定し、圧力制御弁131における駆動弁154を駆動制御する一方、第1圧力センサ74が検出した制御圧Pmをフィードバックし、目標制御圧Pmtと制御圧Pmとが一致するように制御している。この場合、ECU71は、ペダル踏力Fpに対する目標制御圧Pmtを表す制御マップを有しており、この制御マップに基づいて圧力制御弁131を駆動制御する。
また、圧力制御弁131や反力制御弁135を作動する電源系統の正常運転時には、この圧力制御弁131を制御して出力油圧を調圧すると共に、反力制御弁135により反力室R4に対する油圧の給排を制限(停止)する。そのため、乗員によりブレーキペダル15が踏み込まれたとき、操作ロッド20を介して入力ピストン215が前進し、バックアップピストン213を押圧して移動する。この場合、反力室R4から第3圧力ポート236を通して反力制御弁135までの第4油圧配管134が閉回路となっていることから、バックアップピストン213が微小前進するとき、後方圧力室R2の油圧が連通路227を通って循環圧力室R3に流れると共に、バックアップピストン213に対して入力ピストン215が相対的に前進し、圧力吸収室R5の油圧がリザーバタンク33に排出される。
一方、電源系統の失陥時には、圧力制御弁131を電気的に制御することができず、反力制御弁135により反力室R4に対する油圧の給排を許可(可能)する。そのため、乗員によりブレーキペダル15が踏み込まれたとき、操作ロッド20を介して入力ピストン215が前進し、反力制御弁135が開放状態にあることから、バックアップピストン213を押圧し、反力室R4の油圧が第3圧力ポート236から反力制御弁135を通ってリザーバタンク33に排出されることとなり、バックアップピストン213が前進し、加圧ピストン214を押圧する。
ところで、電源系統の正常運転時に、反力制御弁135により反力室R4に対する油圧の給排が制限され、且つ、アキュムレータ42から圧力制御弁131を通して後方圧力室R2に制御圧が作用することから、乗員によりブレーキペダル15が踏み込まれても、バックアップピストン213が大きく前進することはない。この場合、バックアップピストン213が支持部材219に当接した位置に長期間にわたって保持されると、マスタシリンダ211やブレーキ油圧の温度変化によりシール部材などが熱膨張を繰り返し、固着してしまうおそれがある。
そこで、電源系統の正常運転時にて、バックアップピストン213が作動するマスタシリンダ211の作動状態を判定し、このときに、反力室R4の油圧に基づいてバックアップピストン213の作動不良を判定するようにしている。即ち、ブレーキペダル15が踏み込まれると、操作ロッド20を介して入力ピストン215が前進してバックアップピストン213を押圧することから、このバックアップピストン213が微小前進して反力室R4の油圧が変動するため、この反力室R4の油圧に基づいてバックアップピストン213の作動不良を判定することができる。
この場合、マスタシリンダ211における各油路面積を下記条件が成立するように設定する必要がある。この場合、アキュムレータ42の油圧が圧力制御弁131により調圧され、制御圧供給配管132によりマスタシリンダ211の後方圧力室R2及び循環圧力室R3に作用するブレーキ圧をPb、第2圧力センサ75が検出する反力室R4の反力油圧をPf、踏力センサ73が検出するペダル踏力をFp、バックアップピストン213における前方ブレーキ圧面積をAbf、後方ブレーキ圧面積をAbr、反力室R4の面積をAfiとする。また、マスタシリンダ211におけるシリンダ212の第1内周面212aの油路面積をA1、第2内周面212bの油路面積をA2、バックアップピストン213が貫通する貫通孔219aの面積をA3とするとき、
前方ブレーキ圧面積Abf=A1
後方ブレーキ圧面積Abr=A2−A3
反力室R4の面積Afi=A2−A1
となる。
そして、ブレーキペダル15が踏み込まれるとき、バックアップピストン213が移動して反力室R4の油圧が上昇する条件は、下記数式に表す条件である。
Fp+Pb×Abr>Pb×Abf
即ち、バックアップピストン213が固着する圧力に対して、ブレーキペダル15からその圧力以上の操作力が入力されればよい。このときの反力室R4の反力油圧Pfは、下記数式により求めることができる。
Pf=(Fp+Pb×Abr−Pb×Abf)/Afi
ここで、本実施例の車両用制動装置による制動力制御について具体的に説明する。乗員がブレーキペダル15を踏むと、その操作力により操作ロッド20を介して入力ピストン215が付勢スプリング226の付勢力に抗して前進する。このとき、反力制御弁135により反力室R4に対する油圧の給排が停止されるものの、後方圧力室R2と循環圧力室R3が連通路227により連通していることから、後方圧力室R2の油圧が連通路227を通って循環圧力室R3に流れ、バックアップピストン213は微小前進すると共に、押圧部材222が付勢スプリング224を撓ませることで操作力が吸収される。
また、ブレーキペダル15が踏み込まれたとき、踏力センサ73はペダル踏力Fpを検出し、ECU71は、このペダル踏力Fpに基づいて目標制御圧Pmtを設定する。そして、ECU71は、この目標制御圧Pmtに基づいて圧力制御弁131を制御し、所定の制御圧を出力させる。
即ち、圧力制御弁131にて、ソレノイド156に通電し、発生する電磁力により駆動弁154をリターンスプリング155の付勢力に抗して下方に移動する。すると、駆動弁154の連通路157により高圧ポートP1と制御圧ポートP3が連通する一方、減圧ポートP2と制御圧ポートP3が遮断される。そのため、アキュムレータ42の油圧が高圧供給配管130から高圧ポートP1に供給され、連通路157を通って制御圧ポートP3に流れ、この制御圧ポートP3から制御圧供給配管132を通して第2油圧配管126に供給される。すると、第2油圧配管126に供給された油圧がマスタシリンダ211の第2圧力ポート232から連通路227を通って後方圧力室R2に作用し、加圧ピストン214をアシストすることから、この加圧ピストン214が前方圧力室R1を加圧し、前方圧力室R1から第1油圧配管124に対して適正な制御油圧が吐出される。
従って、第1油圧配管124から前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLに制御圧が付与されると共に、第2油圧配管126から後輪RR,RLのホイールシリンダ21RR,21RLに制御圧が付与されることとなり、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた制動力を発生させることができる。
このとき、ECU71は、反力制御弁135が閉止することで、反力室R4から第3圧力ポート236を通して反力制御弁135までの第4油圧配管134が閉回路となっている状態で、ブレーキペダル15が踏み込まれるため、圧力センサ78が検出した反力室R4の反力油圧Pfが上昇したかどうかを判定する。ここで、ECU71は、反力室R4の油圧Pfが上昇したと判定したら、バックアップピストン213が固着せずに正常に作動していると判定する一方、反力室R4の反力油圧Pfが上昇しないと判定したら、バックアップピストン213が固着して正常に作動していないとして警告ランプを点灯する。このように電源系統の正常運転時におけるブレーキ操作時に、反力室R4における油圧の上昇に基づいてバックアップピストン213の作動不良を容易に判定することができる。
また、電源系統に故障が発生して失陥した場合には、反力室R4の第3圧力ポート236に連結された第4油圧配管134に反力制御弁135が非通電状態であって、第4油圧配管134を開放してリザーバタンク33に連通している。
そのため、電源系統の失陥時に、乗員がブレーキペダル15を踏むと、その操作力により操作ロッド20を介して入力ピストン215が付勢スプリング226の付勢力に抗して前進する。このとき、反力制御弁135により反力室R4に対する油圧の給排が許可されていることから、入力ピストン215と共にバックアップピストン213が前進する。この場合、バックアップピストン213が所定ストローク前進すると、シリンダ212のポート273aとバックアップピストン213のポート273bがずれて連通しなくなり、圧力吸収室R5内の油圧がリザーバタンク33に排出されなくなる。そのため、入力ピストン215はバックアップピストン213を適正に移動することができる。
そして、入力ピストン215と共にバックアップピストン213が前進すると、このバックアップピストン213が加圧ピストン214を押圧し、加圧ピストン214が前進することにより前方圧力室R1が加圧され、この前方圧力室R1の油圧が第1油圧配管124に吐出される。そして、この前方圧力室R1から第1油圧配管124に吐出された油圧は、外部圧供給配管139を通して圧力制御弁131の外部ポートP4に外部圧として作用することで、外部ピストン158を下方に移動し、駆動弁154を下方に移動する。すると、前述と同様に、駆動弁154の連通路157により高圧ポートP1と制御圧ポートP3が連通し、アキュムレータ42の油圧がこの圧力制御弁131により調圧され、制御圧供給配管132を通して第2油圧配管126に供給され、マスタシリンダ211の後方圧力室R2に作用し、加圧ピストン214をアシストする。
従って、電源系統が失陥しても、第1油圧配管124から前輪FR,FLのホイールシリンダ21FR,21FLに制御圧が付与されると共に、第2油圧配管126から後輪RR,RLのホイールシリンダ21RR,21RLに制御圧が付与されることとなり、前輪FR,FL及び後輪RR,RLに対して乗員のブレーキペダル15の操作力に応じた制動力を発生させることができる。
このように実施例3の車両用制動装置にあっては、シリンダ212内にバックアップピストン213、加圧ピストン214、入力ピストン215を移動自在に支持することで、前方圧力室R1、後方圧力室R2、循環圧力室R3、反力室R4、圧力吸収室R5を区画し、後方圧力室R2と循環圧力室R3を連通路227により連通し、アキュムレータ42からの油圧を調圧した制御圧を後方圧力室R2及びホイールシリンダ21RR,21RLに出力可能である圧力制御弁131を設けると共に、マスタシリンダ211の作動状態に応じて反力室R4に対する油圧の給排を制御する反力制御弁135を設け、また、加圧ピストン214が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管241を設けると共に、この油圧排出配管241にブレーキペダル15から入力ピストン215に入力される操作力により閉止する遮断弁242を設けている。
従って、乗員がブレーキペダル15により入力ピストン215に操作力を付与している状態では、この操作力により遮断弁242が油圧排出配管241を閉止することとなり、加圧ピストン214が一時的に初期位置に戻っても、前方圧力室R1の油圧がリザーバタンク33に排出されることはなく、加圧ピストン214のハンチングが抑制されることで制動操作の操作性を向上して乗員ビリティを向上することができると共に、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすることができる。
図6は、本発明の実施例4に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の車両用制動装置は、図6に示すように、全体構成が上述した実施例2とほぼ同様の構成となっている。本実施例では、遮断弁をストロークシュミレータに内蔵している。
即ち、加圧ピストン114が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管141が設けられると共に、この油圧排出配管141にブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力により閉止する遮断弁が内蔵されたストロークシュミレータ311が設けられている。
このストロークシュミレータ311にて、ハウジング312に連結ポート312aと排出ポート312bと作動ポート312cが形成され、内部に支持部材313と可動子314が直列状態をなして移動自在に支持されている。そして、可動子314に連通孔315が形成される一方、支持部材313に連通孔135の一端部に対向してボール弁316が装着されている。また、ハウジング312と支持部材313との間に弾性部材317が介装される一方、支持部材313と可動子134との間に付勢スプリング318が介装避けており、可動子134は、この付勢スプリング318の付勢力により連通孔315の一端部がボール弁316から離間する方向に付勢支持され、可動子314が付勢スプリング318の付勢力に抗して移動することで、連通孔315の一端部がボール弁316に密着してこの連通孔315を閉止することができる。
マスタシリンダ111にて、シリンダ112及び加圧ピストン114には、前方圧力室R1に連通する戻しポート143a,143bが貫通して形成され、シリンダ112には、反力室R4に連通する作動ポート144が貫通して形成されている。そして、ストロークシュミレータ311の連結ポート312aが油圧排出配管141の連結管141aを介して戻しポート143aに連結され、排出ポート312bが排出管141bを介してリザーバタンク33に連結されている。そして、ストロークシュミレータ311の作動ポート312cが油圧作動配管319を介して作動ポート144に連結されている。
従って、加圧ピストン114が初期位置にあるとき、ストロークシュミレータ311の可動子314は、付勢スプリング318の付勢力により連通孔315の一端部がボール弁316から離間して連通孔315を開放している。そのため、マスタシリンダ111の前方圧力室R1は、戻しポート143a,143b、連結管141a、連結ポート312a、連通孔315、排出ポート312b、排出管141bを介してリザーバタンク33に連通している。この状態から、入力ピストン113が前進すると共に、反力室R4が加圧され、この反力室R4の油圧が作動ポート144、油圧作動配管319、作動ポート312cを介して可動子314に作用する。すると、可動子314が付勢スプリング318の付勢力に抗して移動し、連通孔315の一端部がボール弁316に当接して連通孔315を閉止する。そのため、マスタシリンダ111の前方圧力室R1とリザーバタンク33との連通を遮断することができる。
なお、本実施例の車両用制動装置による制動力制御は、上述した実施例2と同様であるため、説明は省略する。
このように実施例4の車両用制動装置にあっては、加圧ピストン114が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管141を設けると共に、この油圧排出配管141にストロークシュミレータ311を設け、このストロークシュミレータ311にブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力により閉止する遮断弁を内蔵している。
従って、乗員がブレーキペダル15により入力ピストン113に操作力を付与している状態では、この操作力により可動子314が油圧排出配管141を閉止することとなり、加圧ピストン114が一時的に初期位置に戻っても、前方圧力室R1の油圧がリザーバタンク33に排出されることはなく、加圧ピストン114のハンチングが抑制されることで制動操作の操作性を向上して乗員ビリティを向上することができると共に、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすることができる。
この場合、遮断弁をストロークシュミレータ311に内蔵している。従って、装置を小型化することができ、車両への搭載性を向上して低コスト化を可能とすることができる。
図7は、本発明の実施例5に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の車両用制動装置は、図7に示すように、全体構成が上述した実施例3とほぼ同様の構成となっている。本実施例では、遮断弁をオリフィスとしている。
即ち、加圧ピストン114が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管(排出ライン)141が設けられると共に、この油圧排出配管141にブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力により閉止する遮断弁411が設けられている。
この遮断弁411にて、ハウジング412に連結ポート412aと排出ポート412bが形成され、内部に可動子413が移動自在に支持され、この可動子413に連通孔としてのオリフィス414が形成されると共に、オリフィス414の一端部に対向してボール弁415が装着されている。そして、可動子413は、付勢スプリング416の付勢力によりオリフィス414の一端部がボール弁415から離間する方向に付勢支持され、可動子413が付勢スプリング416の付勢力に抗して移動することで、オリフィス414の一端部がボール弁415に密着してこのオリフィス414を閉止することができる。
マスタシリンダ111にて、シリンダ112及び加圧ピストン114には、前方圧力室R1に連通する戻しポート143a,143bが貫通して形成され、シリンダ112には、反力室R4に連通する作動ポート144が貫通して形成されている。そして、遮断弁411の連結ポート412aが油圧排出配管141の連結管141aを介して戻しポート143aに連結され、排出ポート412bが排出管141bを介してリザーバタンク33に連結されている。
従って、加圧ピストン114が初期位置にあるとき、遮断弁411の可動子413は、付勢スプリング416の付勢力によりオリフィス414の一端部がボール弁415から離間してオリフィス414を開放している。そのため、マスタシリンダ111の前方圧力室R1は、戻しポート143a,143b、連結管141a、連結ポート412a、オリフィス414、排出ポート412b、排出管141bを介してリザーバタンク33に連通している。この状態から、入力ピストン113を介して加圧ピストン114が前進すると前方圧力室R1が加圧され、この前方圧力室R1の油圧が戻しポート143a,143b、連結管141a、連結ポート412aを介してオリフィス414に作用する。すると、前方圧力室R1の油圧により可動子413が付勢スプリング416の付勢力に抗して移動し、オリフィス414の一端部がボール弁415に当接してオリフィス414を閉止する。そのため、マスタシリンダ111の前方圧力室R1とリザーバタンク33との連通を遮断することができる。
なお、本実施例の車両用制動装置による制動力制御は、上述した実施例2と同様であるため、説明は省略する。
このように実施例5の車両用制動装置にあっては、加圧ピストン114が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管141を設けると共に、この油圧排出配管141にブレーキペダル15から入力ピストン113に入力される操作力により自閉する遮断弁411を設けている。
従って、乗員がブレーキペダル15により入力ピストン113に操作力を付与している状態では、この操作力により遮断弁411が油圧排出配管141を閉止することとなり、加圧ピストン114が一時的に初期位置に戻っても、前方圧力室R1の油圧がリザーバタンク33に排出されることはなく、加圧ピストン114のハンチングが抑制されることで制動操作の操作性を向上して乗員ビリティを向上することができると共に、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすることができる。
この場合、遮断弁411の可動子413に、前方圧力室R1からの油圧、つまり、流体力により自閉するオリフィス414を設けている。従って、油圧配管を減少して装置を小型化することができ、車両への搭載性を向上して低コスト化を可能とすることができる。
なお、上述した各実施例では、駆動ピストン13または加圧ピストン114,214が初期位置にあるときに前方圧力室R1の油圧をリザーバタンク33に排出可能な油圧排出配管81,141を設けると共に、この油圧排出配管81,141に、後方圧力室R2、反力室R4の油圧により閉止する遮断弁82、ストロークシュミレータ311に内蔵された遮断弁を設けたり、前方圧力室R1の油圧により自閉する遮断弁411を設けたが、この構成に限らず、ブレーキペダル15から入力される操作力により閉止する遮断弁であればよい。
以上のように、本発明に係る車両用制動装置は、適正な制動力を確保して高精度な制動力制御を可能とすると共に制動操作の操作性を向上することで乗員ビリティの向上を図るものであり、いずれの種類の制動装置に用いても好適である。
本発明の実施例1に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。 実施例1の車両用制動装置における圧力制御弁の断面図である。 本発明の実施例2に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。 実施例2の車両用制動装置における圧力制御弁の断面図である。 本発明の実施例3に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。 本発明の実施例4に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。 本発明の実施例5に係る車両用制動装置を表す概略構成図である。
符号の説明
11,111,211 マスタシリンダ
12,112,212 シリンダ
13 駆動ピストン
14,117,226 反力スプリング
15 ブレーキペダル(操作部材)
20 操作ロッド
21FR,21FL,21RR,21RL ホイールシリンダ
22 ABS
24,124 第1油圧配管
28,126 第2油圧配管
32 第3油圧配管
33 リザーバタンク
38 油圧ポンプ(油圧供給源)
42 アキュムレータ(油圧供給源)
43,130 高圧供給配管
44,131 圧力制御弁
45,132 制御圧供給配管
46,139 外部圧供給配管
47 減圧供給配管
56,154 駆動弁
58,158 外部ピストン
71 電子制御ユニット、ECU(制御圧設定手段)
72 ストロークセンサ
73 踏力センサ
74 第1圧力センサ
75 第2圧力センサ
76 圧力センサ
78 圧力センサ
81,141,235 油圧排出配管(排出ライン)
82,142,242,411 遮断弁
84,314,413 可動子
113,215 入力ピストン(駆動ピストン)
114,214 加圧ピストン(駆動ピストン)
121 連通路
135 反力制御弁
136,311 ストロークシミュレータ
213 バックアップピストン
414 オリフィス(連通孔)
1 前方圧力室
2 後方圧力室
3 循環圧力室
4 反力室
5 圧力吸収室
11 第1圧力室
12 第2圧力室
13 減圧室
1 高圧ポート
2 減圧ポート
3 制御圧ポート
4 外部圧ポート

Claims (7)

  1. 乗員が制動操作する操作部材と、シリンダ内に駆動ピストンが移動自在に支持されることで前方圧力室及び後方圧力室が区画されると共に前記操作部材により前記駆動ピストンを移動することで前記前方圧力室の油圧を出力可能なマスタシリンダと、前記操作部材から前記駆動ピストンに入力される操作力に応じた目標制御圧を設定する制御圧設定手段と、油圧供給源と、前記前方圧力室に連結されて車輪に制動力を発生させるホイールシリンダと、前記目標制御圧に基づいて電磁力により駆動弁を移動することで前記油圧供給源からの油圧を調圧して前記後方圧力室に出力可能である圧力制御弁と、前記駆動ピストンが初期位置にあるときに前記前方圧力室の油圧を排出可能な排出ラインと、該排出ラインに設けられて前記操作部材から前記駆動ピストンに入力される操作力により閉止する遮断弁とを備えることを特徴とする車両用制動装置。
  2. 前記遮断弁は、前記圧力制御弁により前記後方圧力室に作用する油圧により閉止することを特徴とする請求項1に記載の車両用制動装置。
  3. 前記駆動ピストンは、シリンダ内に直列に配置される入力ピストンと加圧ピストンとを有し、前記入力ピストンに前記操作部材の操作力が入力可能であり、前記加圧ピストンの前方に前記前方圧力室が区画されると共に、前記入力ピストンと前記加圧ピストンとの間に前記後方圧力室が区画され、また、前記入力ピストンに対して反力室が区画され、前記遮断弁は、前記反力室に作用する油圧により閉止することを特徴とする請求項1に記載の車両用制動装置。
  4. 前記駆動ピストンは、シリンダ内に直列に配置される入力ピストンと加圧ピストンとを有し、前記入力ピストンに前記操作部材の操作力が入力可能であり、前記加圧ピストンの前方に前記前方圧力室が区画されると共に、前記入力ピストンと前記加圧ピストンとの間に前記後方圧力室が区画され、また、前記シリンダ内に前記入力ピストンの操作力を前記加圧ピストンに伝達可能なバックアップピストンが移動自在に支持されることで反力室が区画され、前記遮断弁は、前記反力室に作用する油圧により閉止することを特徴とする請求項1に記載の車両用制動装置。
  5. 前記遮断弁は、前記操作部材から前記駆動ピストンに入力される操作力により前記排出ラインを閉止する可動子を有し、該可動子はストロークシュミレータとして機能することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の車両用制動装置。
  6. 前記遮断弁は、前記前方圧力室における圧力変動により自閉する可動子を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用制動装置。
  7. 前記前方圧力室に前輪側の前記ホイールシリンダが連結され、前記後方圧力室に後輪側の前記ホイールシリンダが連結されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の車両用制動装置。
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