JP2009105033A - 反射膜、led、有機elディスプレイ及び有機el照明器具 - Google Patents

反射膜、led、有機elディスプレイ及び有機el照明器具 Download PDF

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Abstract

【課題】Ag薄膜の熱による凝集や硫化が生じ難い反射膜、及び、そのような反射膜を備えたLED、有機ELディスプレイ及び有機EL照明器具を提供する。
【解決手段】(1) 基体上に、Agを主成分としBiを0.02原子%以上含有し、更にV、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有すると共に、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)とし、Biの含有率を[Bi](原子%)としたときに、下記(1)式を満足するAg合金膜が形成され、前記Ag合金膜の表面に、前記Ag合金膜の内部よりもV、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層を有することを特徴とする反射膜。
7×[A]+13×[Bi]≦8 -------------(1)式
(2) 前記反射膜においてAg合金がAu、Pt、Pd、Rhの1種以上を合計で0.1〜5原子%含有するもの等。
【選択図】図1

Description

本発明は、反射膜、LED、有機ELディスプレイ及び有機EL照明器具に関する技術分野に属するものであり、特には、LED、有機ELディスプレイ、有機EL照明器具、車両用灯具、照明器具用反射板などに用いられる反射膜に関する技術分野に属するものである。
Ag薄膜は、膜厚が約70nm以上になると、可視光の反射率が非常に高くなり、且つ電気抵抗率が低い材料であるため、従来より、車両用灯具、照明器具用リフレクター等の光学ミラーなどの用途に用いられたり、LEDや有機ELの反射電極膜への適用が検討されたりしている。
反射膜は光源により場合によっては80〜200℃程度の高温にさらされるため、熱によってAg原子が拡散して凝集し、Ag合金薄膜の表面が粗くなって反射率が低下するという耐熱性の問題があった。また、LED反射電極膜には成膜後の樹脂封止までに大気中に曝される時間があり、この間に大気中の硫黄により硫化されて黒く変色する場合がある。
耐熱性については、Agの合金化による改善も試みられている。例えば、AgにAuを添加し、更にCuなどを添加した合金膜や、Agに貴金属を添加した合金膜とAgに希土類元素を添加した合金膜を積層した導電体膜が提案されている(特開2002−129259号公報、特開2006−1271号公報)。
耐硫化性については、Agの合金化による改善も試みられている。例えば、AgにGeやInを添加した合金や、耐熱性が高いAg−Bi合金に耐硫化性を向上する元素であるZnを添加した合金が提案されている(特開2001―192753号公報、特開2006―37169号公報、特開2005−48231号公報)。
特開2002−129259号公報 特開2006−1271号公報 特開2001−192753号公報 特開2006−37169号公報 特開2005−48231号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、Ag薄膜の熱による凝集や硫化が生じ難い反射膜、及び、そのような反射膜を備えたLED、有機ELディスプレイ及び有機EL照明器具を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、反射膜、LED、有機ELディスプレイ及び有機EL照明器具に係わり、請求項1〜3記載の反射膜(第1〜3発明に係る反射膜)、請求項4記載のLED(第4発明に係るLED)、請求項5記載の有機ELディスプレイ(第5発明に係る有機ELディスプレイ)、請求項6記載の有機EL照明器具(第6発明に係る有機EL照明器具)であり、それは次のような構成としたものである。
即ち、請求項1記載の反射膜は、基体上に、Agを主成分としBiを0.02原子%以上含有し、更にV、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有すると共に、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)とし、Biの含有率を[Bi](原子%)としたときに、下記(1)式を満足するAg合金膜が形成され、前記Ag合金膜の表面に、前記Ag合金膜の内部よりもV、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層を有することを特徴とする反射膜である〔第1発明〕。
7×[A]+13×[Bi]≦8 -------------(1)式
請求項2記載の反射膜は、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層が、V、Ge、Znの1種以上の酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の反射膜である〔第2発明〕。
請求項3記載の反射膜は、前記Ag合金膜が更にAu、Pt、Pd、Rhの1種以上を合計で0.1〜5原子%含有する請求項1〜2記載の反射膜である〔第3発明〕。
請求項4記載のLEDは、請求項1〜3記載の反射膜を備えることを特徴とするLEDである〔第4発明〕。
請求項5記載の有機ELディスプレイは、請求項1〜3記載の反射膜を備えることを特徴とする有機ELディスプレイである〔第5発明〕。請求項6記載の有機EL照明器具は、請求項1〜3記載の反射膜を備えることを特徴とする有機EL照明器具である〔第6発明〕。
本発明に係る反射膜は、Ag合金膜の熱による凝集や硫化が生じ難く、このため、高反射率が長期間維持される。また、高反射率が長期間維持されることから、本発明に係る反射膜をLED、有機ELディスプレイ、有機EL照明器具の反射膜として利用すると、LED、有機ELディスプレイ、有機EL照明器具の耐久性の向上がはかれる。
本発明に係る反射膜は、前述のように、基体上に、Agを主成分としBiを0.02原子%以上含有し、更にV、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有すると共に、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)とし、Biの含有率を[Bi](原子%)としたときに、下記(1)式を満足するAg合金膜が形成され、前記Ag合金膜の表面に、前記Ag合金膜の内部よりもV、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層を有することを特徴とするものである。
7×[A]+13×[Bi]≦8 -------------(1)式
本発明に係る反射膜において、Ag合金膜を形成するAg合金は、Biを0.02原子%以上含有し、更にV、Ge、Znの1種以上(以下、Aともいう)を合計で0.02原子%以上含有すると共に、前記A(V、Ge、Znの1種以上)の含有率を[A](原子%)とし、Biの含有率を[Bi](原子%)としたときに、下記(1)式を満足するものである。
7×[A]+13×[Bi]≦8 -------------(1)式
Biは、0.02原子%以上の含有率で熱によるAg膜の結晶粒成長や凝集を抑制する効果が発現する。即ち、耐熱性が向上してAg膜の凝集が生じ難くなる。つまり、耐凝集性が向上する。このため、Biの含有率は0.02原子%以上とする必要がある。V、Ge、Znは、耐硫化性を高め、硫化水素など硫化物との接触したときの変色を抑える効果がある。この効果を発揮するには、V、Ge、Znの1種以上の含有率は合計で0.02原子%以上とする必要がある。
本発明に係る反射膜でのAg合金膜を形成するAg合金は、上記のようにBi及びA(V、Ge、Znの1種以上)を含有するだけでなく、このAの含有率[A]とBiの含有率[Bi]が前記(1)式を満足する必要がある。これは、前記(1)式を満足しないAとBiの含有率では、Ag合金膜の反射率が低下して93%よりも低くなってしまうからである。より好ましくは前記(1)式の右辺の値を6とした式、更に好ましくは前記(1)式の右辺の値を4とした式を満足するAとBiの含有率であれば、反射率が向上してなお良い。
本発明に係る反射膜は、前述のように、Ag合金膜の表面に、前記Ag合金膜の内部よりもV、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層を有する。V、Ge、Znの1種以上を含むAg合金膜を成膜する途中もしくは成膜後に酸素が存在する雰囲気にさらされると、Ag合金膜の表面にV、Ge、Znの1種以上が拡散して酸素と結びつく。このことによってAg合金膜の表面に、前記Ag合金膜の内部よりもV、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層が形成され、V、Ge、Znの1種以上の少なくとも一部は酸化物として存在するようになる。このV、Ge、Znの1種以上の少なくとも一部が酸化物として存在する層はAg合金膜と環境を遮断するとともにAgの表面エネルギーを低下させるため、Agの表面拡散が抑制されAgの凝集を抑制できると考えられる〔第2発明〕。
本発明に係る反射膜の好ましい膜厚は70〜500nmであり、更に好ましくは100〜400nm、より好ましくは150〜300nmである。全反射を得るには70nm以上必要であり、また、熱やハロゲンイオンによるAgの凝集はAg合金膜の膜厚にも依存し、膜が厚いほど凝集しにくくなるからである。一方、上限についてはコスト的には500nm以下がよい。
本発明に係る反射膜でのAg合金膜を形成するAg合金は、更にAu、Pt、Pd、Rhの1種以上を合計で0.1〜5原子%含有することが望ましい〔第3発明〕。
本発明に係る反射膜の耐久性を更に高めるためには、透明保護膜を形成させるのが好ましい。LED反射電極膜として用いる際には、最終的には反射電極膜は樹脂の中に埋め込まれ、環境と遮断された状態となる。一方、車両用灯具や照明用反射板等の用途ではAg合金膜がむき出しの状態で、環境中のハロゲンイオンや硫黄成分、水分などに曝される可能性があり、このような場合は時間と共に反射率が低下する恐れがある。より長期間高反射率を維持するためには、前記のような環境因子を遮断する必要がある。また、反射率を低下させないためにも、透明な保護膜を用いるのが好ましい。透明保護膜としては、Si、Al、Tiなどの酸化物およびこれらの混合酸化物やガラス、有機シリコンなどを原料としたプラズマ重合膜、透明塗料、透明樹脂膜などが好適に用いられる。また、用途によっては色調を変える目的によって、着色透明塗料などを用いることもできる。
本発明に係る反射膜を形成するための基体の材質によっては、基体と反射膜の密着性が変化することがある。例えば、基体の材質が金属の場合比較的密着性が良いが、ガラスや樹脂の場合密着性が劣る傾向がある。また、基体表面にハロゲンイオンや硫黄成分を含む汚れや微細なゴミが付着している場合、そのままその基体上にAg合金膜を形成すると、前記ゴミの部分でAgの凝集が発生し、時間の経過とともにその凝集がAg合金膜表面にまで達し、やがては反射率が低下する恐れがある。このような密着性の安定性を向上させ、基体表面のゴミ起因のAg凝集を防止するためには、基体とAg反射膜の界面に下地膜を入れることが好ましい。下地膜としては、Cu、Ni、Co、W、Mo、Ta、Cr、Tiなどの金属の単体もしくは合金の薄膜、金属酸化物膜、有機シリコンなどを原料としたプラズマ重合膜、塗膜を含む樹脂膜などを用いることができる。
LED、有機ELディスプレイ、有機EL照明器具、車両用灯具および照明用反射膜材料として一般的に使用されている材料はAlであり、その反射率はおよそ85%である。これに対し、本発明に係るAg合金反射膜の反射率は高く、JIS R3106 に準拠してD65光源での波長範囲380 〜780nm の光によって測定された可視光反射率が93%以上とすることができる。このような高反射率の反射電極膜および反射膜を用いると、従来のAl反射膜を使用する場合に対して、高輝度が得られる、もしくは光源の消費電力を低減させることができ、複数の光源を使用する場合には光源の個数を減少させることができることから、光源にかかるコストを低減することができる。従って、本発明に係る反射膜はLEDの反射電極膜や有機ELの反射電極膜として好適に用いることができる。また、前記のように透明保護膜と組み合わせることによって車両用灯具や照明用の反射膜としても好適に用いることができる〔第4発明、第5発明、第6発明〕。
本発明に係る反射膜は、Ag合金スパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法を用いて成膜することが推奨される。特に直流カソードを用いたDCスパッタリング法により成膜することが好ましい。
本発明に係る反射膜でのAg合金膜を形成するAg合金は、成分としては、BiおよびA(V、Ge、Znの1種以上)を含有し、あるいは更にAu、Pt、Pd、Rhの1種以上を含有する。このとき、必要に応じて上記元素以外の元素を含有することができる。従って、上記元素のみを含有する場合と、上記元素と上記元素以外の元素とを含有する場合とがある。
上記元素のみを含有する場合であって、BiおよびA(V、Ge、Znの1種以上)のみを含有する場合、本発明に係る反射膜でのAg合金膜を形成するAg合金は、「Biを0.02原子%以上含有し、更にV、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有し、残部が不可避的不純物およびAgからなると共に、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)とし、Biの含有率を[Bi](原子%)としたときに、前記(1)式(7×[A]+13×[Bi]≦8)を満足するAg合金」、または、「Biを0.02原子%以上含有し、更にV、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有し、残部が不可避的不純物およびAgからなるAg合金であって、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)とし、Biの含有率を[Bi](原子%)としたときに、前記(1)式(7×[A]+13×[Bi]≦8)を満足するAg合金」等と表現することができる。
上記元素のみを含有する場合であって、BiおよびA(V、Ge、Znの1種以上)並びにAu、Pt、Pd、Rhの1種以上のみを含有する場合、本発明に係る反射膜でのAg合金膜を形成するAg合金は、「Biを0.02原子%以上含有すると共に、V、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有し、更にAu、Pt、Pd、Rhの1種以上を合計で0.1〜5原子%含有し、残部が不可避的不純物およびAgからなると共に、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)としBiの含有率を[Bi](原子%)としたときに、前記(1)式(7×[A]+13×[Bi]≦8)を満足するAg合金」、または、「Biを0.02原子%以上含有すると共に、V、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有し、更にAu、Pt、Pd、Rhの1種以上を合計で0.1〜5原子%含有し、残部が不可避的不純物およびAgからなるAg合金であって、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)としBiの含有率を[Bi](原子%)としたときに、前記(1)式(7×[A]+13×[Bi]≦8)を満足するAg合金」等と表現することができる。
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
〔例1〕
図1に示すようなスパッタリング装置のチャンバー内に、φ100mm×t5mmの純AgまたはAg−Bi合金ターゲット(純AgよりなるターゲットまたはAg−Bi合金よりなるターゲット)をセットし、φ50mm×t1mmのポリカーボネート(PC)基板をターゲットに正対するようにセットし、チャンバー内を1×10-5Torr以下となるように真空に引いた。その後、チャンバー内にArガスを導入し、チャンバー内圧力を2×10-3Torrとなるようにし、ターゲットにDC(直流)を印加してプラズマを発生させ、DCパワー200Wでターゲットをスパッタすることにより、PC基板上に純Ag薄膜またはAg合金薄膜を250mmの厚さで成膜した。
このとき、ターゲットとしては、純Ag薄膜の成膜の場合には、純Agターゲットを用いた。Biを含有しないAg合金薄膜の成膜の場合には、純Agターゲット上に合金元素の金属チップを乗せたものを用いて成膜した。BiおよびBi以外の元素を含有するAg合金薄膜の場合には、Ag−Bi合金ターゲット上にBi以外の元素の金属チップを乗せたものを用いて成膜した。なお、ターゲットとPC基板間の距離は80mmとし、PC基板を公転させながら成膜を行った。このようにして成膜したAg合金薄膜中の各種添加元素の含有率は、ICP(Inductivity Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光質量分析法によって測定した。即ち、Agおよび添加元素をともに溶解できる酸を用いてAg合金薄膜を溶解し、得られた溶液中のAgと添加元素との比率をICP発光質量分析法により測定し、それを100%に規格化してAg合金膜の組成とした。なお組成は原子%として求めた。
このようにして得られた薄膜(即ち反射膜)の成分組成、7×[A]+13×[Bi]の値を表1に示す。これらの反射膜について、JIS R3106に準拠してD65光源での波長範囲380〜780nmの光によって可視光反射率(初期反射率)を測定し、この後、下記条件下で保持する耐硫化試験、耐熱試験(耐熱試験−1)を行った。
〔耐硫化試験〕
・試験液組成:0.5%硫化アンモニウム水溶液
・暴露位置:試験液の液面から5cmの高さで成膜面が液面に対向するように設置
・暴露時間:5分
〔耐熱試験−1〕
・試験雰囲気:大気
・試験温度:200℃
・試験時間:5時間
上記耐硫化試験後の反射膜について、前記初期反射率の測定の場合と同様の方法により波長範囲380〜780nmの光における可視光反射率を測定し、初期反射率との差〔即ち、試験前後の反射率の差=初期反射率(%)−耐硫化試験後反射率(%)〕を求め、この反射率の差によって耐硫化性を評価した。この反射率の差が2ポイント以下を◎、2超4ポイント以下を○、4超6ポイント以下を△、6ポイント超を×とした。
上記耐熱試験後の反射膜について、上記耐硫化試験の反射率測定の場合と同様の方法(即ち、前記初期反射率の測定の場合と同様の方法)により波長範囲380〜780nmの光における可視光反射率を測定し、初期反射率との差〔即ち、試験前後の反射率の差=初期反射率(%)−耐熱試験後反射率(%)〕を求め、この反射率の差により耐熱性を評価した。この反射率の差が1ポイント以下を◎、1超3ポイント以下を○、3超5ポイント以下を△、5ポイント超を×とした。
耐硫化試験の結果が○あるいは◎であると共に耐熱試験−1の結果が○あるいは◎であるものを合格とし、それ以外を不合格とした。
耐硫化試験での結果および耐熱試験−1の結果を表1に示す。
表1から分かるように、No.1、2、12、13、14の比較例では、耐硫化試験後の反射率および耐熱試験−1後の反射率が両方とも、もしくは、どちらかが著しく低下することから不合格であった。一方、No.10、11の比較例では、耐久性は十分であるものの、7×[A]+13×[Bi]の値が8を超えるため、初期反射率が低く、93%未満であり、反射率の面で不充分であって良くない。
本発明の実施例(No.3〜9)の場合、いずれも、耐硫化試験の結果が○あるいは◎であると共に耐熱試験−1の結果が○あるいは◎であり、耐硫化性および耐熱性に優れている。初期反射率は高く、反射率も93%以上であり、充分であって良い。
〔例2〕
前述の例1と同様の方法にてガラス基板上に表1のNo.1〜6、12、13と同様の組成のAg合金薄膜を膜厚150nmで成膜した。次いで、LEDの状態を模擬して、Ag合金薄膜上にシリコン樹脂(信越化学工業製)を約20μm塗布し、200℃で60分間熱処理して硬化させ、Ag合金膜とシリコン樹脂の積層試料No.15〜22を得た。
これらの積層試料(積層膜)について、JIS R3106 に準拠してD65光源での波長範囲380〜780nmの光によって可視光反射率(初期反射率)を測定し、この後、下記条件下で保持する耐熱試験(耐熱試験−2)を行った。
〔耐熱試験−2〕
・試験雰囲気:大気
・試験温度:150 ℃
・試験時間:1000時間
上記耐熱試験後の反射膜について、前述の例1と同様の方法により波長範囲380〜780nmの光における可視光反射率を測定し、初期反射率との差〔即ち、試験前後の反射率の差=初期反射率(%)−耐熱試験後反射率(%)〕を求め、この反射率の差により耐熱性を評価した。この反射率の差が0.5ポイント以下を◎、0.5超1ポイント以下を○、1超3ポイント以下を△、3ポイント超を×とした。耐熱試験−2の結果を表2に示す。耐熱試験−2の結果で○あるいは◎を合格とし、それ以外を不合格とした。
表2から分かるように、比較例のNo.15、16、21、22では、シリコン樹脂塗布をしているにもかかわらず、耐熱試験−2後に反射率の低下が起こり不合格であった。
本発明の実施例(No.17〜20)の場合、いずれも、耐熱試験−2の結果が○あるいは◎であり、耐熱性に優れている。
〔例3〕
表1のNo.3、4、5、6のAg合金膜中の各元素の濃度変化および状態分析をX線光電子分光分析にて行った。下記に示す条件で分析を行った結果、No.3、4ではAg合金膜中のGeが、No.5ではAg合金膜中のVが、No.6ではAg合金膜中のZnが、それぞれ膜内部よりも最表面に高濃度に存在していることを確認した。また、X線光電子分光分析による結合エネルギーの分析結果より、No3および4では最表面のGeが酸化物の状態で存在していることを確認した。
〔X線光電子分光分析測定条件〕
・装置:Physical Electoronics社製
Quantera SXM 全自動走査型X線光電子分光装置
・X線源:単色化Al Ka
・X線出力:43.7W
・X線ビーム径:200μm
・光電子取り出し角:45°
・Ar+ スパッタ速度:SiO2 換算で約4.6nm/分
なお、例3の結果からもわかるように、前記例1での実施例に係る反射膜(即ち、Ag合金薄膜)中のV、GeまたはZnは膜内部よりも最表面に多く存在しており、本発明に係る反射膜においてA(V、Ge、Znの1種以上)は膜内部よりも最表面に多く存在している。このA(V、Ge、Znの1種以上)が多く存在している最表面は、本発明に係る反射膜でのA(V、Ge、Znの1種以上)の含有率が多い層に相当する。上記のV、GeまたはZnが多く存在している最表面は、このようなAの含有率が多い層の例に相当する。
前記例1での実施例に係る反射膜の膜内部の組成は本発明に係る反射膜での第一層のAg合金の組成要件を満たしている。従って、前記例1での実施例に係る反射膜は、前述のような成膜方法により得られたものであるが、本発明に係る反射膜での第一層のAg合金の組成要件を満たすAg合金からなる第一層が形成され、該第一層の表面に該第一層よりもV、GeまたはZnの含有率が多い層を有するものであるといえる。即ち、前記例1においては、このような表現をしていないが、前記例1での実施例に係る反射膜は、本発明に係る反射膜であるといえる。
Figure 2009105033
Figure 2009105033
本発明に係る反射膜は、Ag合金膜の熱による凝集や硫化が生じ難いため、高反射率が長期間維持されるので、LED、有機ELディスプレイ、有機EL照明器具、車両用灯具、照明器具用反射板などに用いられる反射膜として好適に用いることができ、その耐久性の向上がはかれて有用である。
例1に係る反射膜の作製(成膜)に用いたスパッタリング装置を示す模式図である。

Claims (6)

  1. 基体上に、Agを主成分としBiを0.02原子%以上含有し、更にV、Ge、Znの1種以上を合計で0.02原子%以上含有すると共に、前記V、Ge、Znの1種以上の含有率を[A](原子%)とし、Biの含有率を[Bi](原子%)としたときに、下記(1)式を満足するAg合金膜が形成され、前記Ag合金膜の表面に、前記Ag合金膜の内部よりもV、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層を有することを特徴とする反射膜。
    7×[A]+13×[Bi]≦8 -------------(1)式
  2. 前記V、Ge、Znの1種以上の含有率が多い層が、V、Ge、Znの1種以上の酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の反射膜。
  3. 前記Ag合金膜が更にAu、Pt、Pd、Rhの1種以上を合計で0.1〜5原子%含有する請求項1〜2記載の反射膜。
  4. 請求項1〜3記載の反射膜を備えることを特徴とするLED。
  5. 請求項1〜3記載の反射膜を備えることを特徴とする有機ELディスプレイ。
  6. 請求項1〜3記載の反射膜を備えることを特徴とする有機EL照明器具。
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