JP2009104697A - 光ディスク再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で適正に高周波を重畳する。
【解決手段】DVDプレーヤ100のDSP32は、LD11に対して、予め設定された電流値である基準電流値I0の直流電流を印加する直流印加部321と、LD11に対して、直流印加部321から印加される直流電流に重畳して、予め設定された周波数で、予め設定された振幅値Iwの振幅を有する高周波電流を印加する高周波印加部322と、高周波印加部322によって高周波電流が印加される場合に、直流印加部321に対して、基準電流値I0を予め設定された補正電流値ΔI0だけ減少させる補正実行部324と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ディスクにレーザ光を照射するLD(Laser Diode)を介して、光ディスクに記録された情報を再生する光ディスク再生装置に関する。特に、DVD(Digital Versatile Disk)に記録された情報を再生するDVDプレーヤに関する。
近年、デジタル技術の進展に伴い、音楽、映像及びソフトウェア等の情報を記録するための媒体として、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクを記録媒体とする光ディスク再生装置が普及している。この光ディスク再生装置では、LD(Laser Diode)等の光源からレーザ光を出射し、トラックが同心円状に形成された光ディスクの記録層からの反射光に基づいて情報の再生を行っている。
また、上記光ディスク再生装置では、光ディスクからの反射光によりLDにノイズが発生する。このようなLDのノイズ低減方法としては、LDの駆動電流に高周波の交流電流を重畳してLDを駆動する高周波重畳方法が提案されている。例えば、半導体レーザの出射光量の一部を検出する光検出手段と、前記光検出手段の検出量を所定値に保つよう前記半導体レーザを駆動するレーザ駆動手段と、情報の再生時に前記半導体レーザを駆動する電流に高周波電流を重畳する高周波重畳手段と、情報の再生時に前記半導体レーザの駆動状態に応じた前記高周波電流の振幅を決定し、前記決定した振幅を有する高周波電流が重畳するように前記高周波重畳手段を制御する高周波重畳制御手段と、を具備した光ディスク装置が開示されている(特許文献1参照)。この光ディスク装置によれば、高周波電流の振幅を必要最小限にすることによって消費電力を低くし、且つ、不要輻射を低減することができる。
特開2003−308624号公報
しかしながら、上記光ディスク装置では、高周波電流の適正な振幅値を求めることが容易ではなく、例えば、収束計算等を行う必要がある(特許文献1の図5参照)ため、複雑な処理が必要であった。
上記の課題に鑑みて、本発明は、簡素な構成で適正に高周波を重畳することの可能な光ディスク再生装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために請求項1に記載の光ディスク再生装置は、光ディスクにレーザ光を照射するLD(Laser Diode)を介して、光ディスクに記録された情報を再生する光ディスク再生装置であって、前記LDに対して、予め設定された電流値である基準電流値の直流電流を印加する直流印加手段と、前記LDに対して、前記直流印加手段から印加される直流電流に重畳して、予め設定された周波数で、予め設定された振幅値の振幅を有する高周波電流を印加する高周波印加手段と、前記高周波印加手段によって高周波電流が印加される場合に、前記直流印加手段に対して、前記基準電流値を予め設定された補正電流値だけ減少させる補正実行手段と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の光ディスク再生装置は、請求項1に記載の光ディスク再生装置であって、前記基準電流値、前記高周波電流の振幅値、及び、前記LDの定格電流値に基づいて、前記補正電流値を設定する補正値設定手段を備え、前記補正実行手段が、前記補正値設定手段によって設定された補正電流値だけ前記基準電流値を減少させることを特徴としている。
請求項3に記載の光ディスク再生装置は、請求項2に記載の光ディスク再生装置であって、前記補正値設定手段が、前記基準電流値と前記高周波電流の振幅値との和から前記補正電流値を減じた差である最大電流値を求め、前記LDの定格電流値から前記最大電流値を減じた差が、予め設定された第1閾値以上とするべく前記補正電流値を設定することを特徴としている。
請求項4に記載の光ディスク再生装置は、請求項3に記載の光ディスク再生装置であって、前記補正値設定手段が、前記最大電流値から前記基準電流値を減じた差が、予め設定された第2閾値以上とするべく前記補正電流値を設定することを特徴としている。
請求項5に記載の光ディスク再生装置は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光ディスク再生装置であって、前記補正値設定手段が、前記高周波電流の振幅値と前記補正電流値との和を前記基準電流値から減じた差である最小電流値を求め、前記LDの閾値電流値から前記最小電流値を減じた差が、予め設定された第3閾値以上とするべく前記補正電流値を設定することを特徴としている。
請求項1に記載の光ディスク再生装置によれば、LDに対して、予め設定された電流値である基準電流値の直流電流が印加されると共に、印加される直流電流に重畳して、予め設定された周波数で、予め設定された振幅値の振幅を有する高周波電流が印加される。そして、高周波電流が印加される場合に、基準電流値が予め設定された補正電流値だけ減少されるため、簡素な構成で適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、高周波電流が印加される場合に、基準電流値が予め設定された補正電流値だけ減少されるため、補正電流値を適正な値に設定することによって、簡素な構成で適正に高周波を重畳することができるのである。
請求項2に記載の光ディスク再生装置によれば、基準電流値、高周波電流の振幅値、及び、LDの定格電流値に基づいて、補正電流値が設定され、設定された補正電流値だけ基準電流値が減少されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、基準電流値、高周波電流の振幅値、及び、LDの定格電流値に基づいて、補正電流値が設定されるため、補正電流値を適正な値に設定することが可能となるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
請求項3に記載の光ディスク再生装置によれば、基準電流値と高周波電流の振幅値との和から補正電流値を減じた差である最大電流値が求められ、LDの定格電流値から最大電流値を減じた差が、予め設定された第1閾値以上とするべく補正電流値が設定されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、基準電流値と高周波電流の振幅値との和から補正電流値を減じた差である最大電流値が求められ、LDの定格電流値から最大電流値を減じた差が、予め設定された第1閾値以上とするべく補正電流値が設定されるため、最大電流値が定格電流値を超えることを確実に防止することができ、補正電流値を適正な値に設定することができるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
請求項4に記載の光ディスク再生装置によれば、最大電流値から基準電流値を減じた差が、予め設定された第2閾値以上とするべく補正電流値が設定されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、最大電流値から基準電流値を減じた差が、予め設定された第2閾値以上とするべく補正電流値が設定されるため、最大電流値を確実に基準電流値以上に設定することができ、S/N比の低下を抑制することができるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
請求項5に記載の光ディスク再生装置によれば、高周波電流の振幅値と補正電流値との和を基準電流値から減じた差である最小電流値が求められ、LDの閾値電流値から最小電流値を減じた差が、予め設定された第3閾値以上とするべく補正電流値が設定されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、高周波電流の振幅値と補正電流値との和を基準電流値から減じた差である最小電流値が求められ、LDの閾値電流値から最小電流値を減じた差が、予め設定された第3閾値以上とするべく補正電流値が設定されるため、高周波電流を重畳することによるノイズ低減効果を確実に発揮させることができるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るDVDプレーヤの一例を示す構成図である。DVDプレーヤ100(光ディスク再生装置に相当する)は、光ピックアップ1、出力装置3、制御装置4、駆動装置5、表示部6及び操作部7を備えている。
また、DVDプレーヤ100は、テレビ受像機200と通信可能に構成されている。テレビ受像機200は、スピーカ及びモニタ(図示省略)を備え、DVDプレーヤ100からの音声情報、映像情報等の情報を、スピーカ及びモニタを介して出力するものである。
光ピックアップ1は、LD(Laser Diode)11を備え、再生する対象の光ディスク2(ここでは、DVD)からの反射光を電気信号に変換し、光ディスク2に格納された音声情報、映像情報等の各種情報の読み取りを行うものである。LD11は、光ディスク2(ここでは、DVD)に格納された情報を読み取るレーザ光を光ディスク2に照射するものである。また、光ピックアップ1は、スレッドモータ51によって、光ディスク2の径方向、及び、垂直方向(近接、離間方向)に移動可能に構成されている。
出力装置3は、光ピックアップ1からの音声情報、映像情報等の情報を、音声及び画像に変換して、それぞれ、テレビ受像機200に配設された図略のスピーカ及びモニタに出力するものであって、RF(Radio Frequency)アンプ31、DSP(Digital Signal Processor)32、再生処理回路33、及び、出力回路34を備えている。RFアンプ31は、光ピックアップ1からの音声情報、映像情報等に対応する信号を増幅するものである。
DSP32及び再生処理回路33は、RFアンプ31からの信号に対して、再生のための各種情報処理(例えば画像処理等)を施すものである。出力回路34は、再生処理回路33からの情報を、テレビ受像機200に配設された図略のスピーカ及びモニタに出力するためにDA変換処理等を行うものである。
制御装置4は、操作部7を介して受け付けた指示操作に基づいて、光ピックアップ1及び駆動装置5の動作を制御するものであって、システムコントローラ41、及びドライバIC42を備えている。システムコントローラ41は、操作部7からの情報を受け付けてDSP32に伝送すると共に、DSP32からの情報を表示部6に伝送するものである。
ドライバIC42(直流印加手段の一部、及び、高周波印加手段の一部に相当する)は、DSP32からの指示に基づいて、光ピックアップ1及び駆動装置5の動作を制御するものである。具体的には、ドライバIC42は、光ピックアップ1に配設されたLD11に供給する電流を制御すると共に、駆動装置5を構成するスレッドモータ51及びスピンドルモータ52の動作を制御するものである。
駆動装置5は、スレッドモータ51及びスピンドルモータ52を備える。スレッドモータ51は、ドライバIC42からの指示に基づいて光ピックアップ1を光ディスク2の径方向及び垂直方向に移動させるものである。スピンドルモータ52は、ドライバIC42からの指示に基づいて光ディスク2を回転駆動するものである。
表示部6は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、DSP32からの情報を外部から視認可能に表示するものである。操作部7は、種々の操作ボタン等を備え、ユーザからの操作を受け付けて、DSP32に対応する操作信号を出力するものである。
図2は、DVDプレーヤ100における主要部の構成の一例を示す構成図である。ドライバIC42は、直流電流発生回路421、高周波電流発生回路422、及び、重畳回路423を備えている。DSP32は、機能的に、直流印加部321、高周波印加部322、補正値設定部323、及び、補正実行部324を備えている。
ここでは、DSP32が、図略のROM(Read Only Memory)等に予め格納されたプログラムを読み出して実行することにより、直流印加部321、高周波印加部322、補正値設定部323、補正実行部324等の機能部として機能するものである。
また、図略のROM等に格納された各種データのうち装着脱可能な記録媒体に格納され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等のドライバで読み取り可能にしても良く、この場合、記録媒体は、例えばハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、CD、DVD、半導体メモリ等である。
直流電流発生回路421(直流印加手段の一部に相当する)は、直流印加部321からの指示に従って、予め設定された電流値である基準電流値I0(例えば、45mA)の直流電流を発生し、発生した直流電流を重畳回路423へ出力するものである。ここで、基準電流値I0は、直流印加部321によって高周波電流が印加される場合には、補正実行部324によってその値が補正されるものである。
高周波電流発生回路422(高周波印加手段の一部に相当する)は、高周波印加部322からの指示に従って、予め設定された周波数(例えば、300MHz)で、予め設定された振幅値Iw(例えば、15mA)の振幅を有する高周波電流を発生し、発生した高周波電流を重畳回路423へ出力するものである。
重畳回路423(高周波印加手段の一部に相当する)は、直流電流発生回路421から入力された基準電流値I0の直流電流に、高周波電流発生回路422から入力された振幅値Iwの振幅を有する高周波電流を重畳し、重畳した電流をLD11に印加してLD11を駆動するものである。
直流印加部321(直流印加手段の一部に相当する)は、直流電流発生回路421を介して、LD11に対して、予め設定された電流値である基準電流値I0の直流電流を印加するものである。
高周波印加部322(高周波印加手段の一部に相当する)は、高周波電流発生回路422及び重畳回路423を介して、LD11に対して、直流印加部321から印加される直流電流に重畳して、予め設定された周波数で、予め設定された振幅値Iwの振幅を有する高周波電流を印加するものである。
補正値設定部323(補正値設定手段に相当する)は、基準電流値I0、高周波電流の振幅値Iw、LD11の定格電流値Imax、及び、閾値電流値Ishに基づいて、補正電流値ΔI0を設定するものである。
具体的には、補正値設定部323は、基準電流値I0と高周波電流の振幅値Iwとの和から補正電流値ΔI0を減じた差である最大電流値Ip(=I0+Iw−ΔI0)を求め、LDの定格電流値Imaxから最大電流値Ipを減じた差ΔI1が、予め設定された第1閾値Ish1(ただし、Ish1>0)以上とするべく補正電流値ΔI0を設定するものである。すなわち、補正値設定部323は、次の(1)式(すなわち、(2)式)を満たす補正電流値ΔI0を設定するものである。
ΔI1=Imax−(I0+Iw−ΔI0)≧Ish1 (1)
すなわち、ΔI0≧Ish1−Imax+I0+Iw (2)
例えば、基準電流値I0が45mAであり、高周波電流の振幅値Iwが15mAであり、定格電流値Imaxが65mAであり、第1閾値Ish1が10mAである場合には、(2)式から、次の(3)式が得られる。
ΔI0≧5(=10−65+45+15) (3)
また、補正値設定部323は、最大電流値Ip(=I0+Iw−ΔI0)から基準電流値I0を減じた差ΔI2が、予め設定された第2閾値Ish2(ただし、Ish2>0)以上とするべく補正電流値ΔI0を設定するものである。すなわち、補正値設定部323は、次の(4)式(すなわち、(5)式)を満たす補正電流値ΔI0を設定するものである。
ΔI2=(I0+Iw−ΔI0)−I0≧Ish2 (4)
すなわち、ΔI0≦Iw−Ish2 (5)
例えば、高周波電流の振幅値Iwが15mAであり、第2閾値Ish2が5mAである場合には、(5)式から、次の(6)式が得られる。
ΔI0≦10(=15−5) (6)
更に、補正値設定部323は、高周波電流の振幅値Iwと補正電流値ΔI0との和を基準電流値I0から減じた差である最小電流値Iq(=I0−Iw−ΔI0)を求め、LDの閾値電流値Ishから最小電流値Iqを減じた差ΔI3が、予め設定された第3閾値Ish3(ただし、Ish3>0)以上とするべく補正電流値ΔI0を設定するものである。すなわち、補正値設定部323は、次の(7)式(すなわち、(8)式)を満たす補正電流値ΔI0を設定するものである。
ΔI3=Ish−(I0−Iw−ΔI0)≧Ish3 (7)
すなわち、ΔI0≧Ish3−Ish+I0−Iw (8)
例えば、基準電流値I0が45mAであり、高周波電流の振幅値Iwが15mAであり、閾値電流値Ishが40mAであり、第3閾値Ish3が10mAである場合には、(2)式から、次の(9)式が得られる。
ΔI0≧0(=10−40+45−15) (9)
従って、上記の例の場合には、補正値設定部323によって、補正電流値ΔI0は、(3)式、(6)式及び(9)式より、次の(10)式を満たす値(例えば、8mA)に設定される。
5≦ΔI0≦10 (10)
補正実行部324(補正実行手段に相当する)は、高周波印加部322によって高周波電流が印加される場合に、直流印加部321に対して、基準電流値I0を補正値設定部323によって設定された補正電流値ΔI0(例えば、8mA)だけ減少させるものである。
図3は、本発明に係るDVDプレーヤ100(主にDSP32)の動作の一例を示すフローチャートである。まず、直流印加部321によって、基準電流値I0が設定される(S101)。そして、補正実行部324によって、高周波電流が印加されるか否かの判定が行われる(S103)。高周波電流が印加されないと判定された場合(S103でNO)には、直流印加部321によって、直流電流発生回路421を介して、LD11に対して、基準電流値I0の直流電流を印加され(S105)、処理が終了される。
高周波電流が印加されると判定された場合(S103でYES)には、補正値設定部323によって、上記式(2)、式(5)、及び式(8)を満たす補正電流値ΔI0が設定される(S107)。そして、補正実行部324によって、基準電流値I0がステップS107において設定された補正電流値ΔI0だけ減少する補正が行われる(S109)。次いで、直流印加部321によって、直流電流発生回路421を介して、LD11に対して、ステップS109において補正された基準電流値I0の直流電流が印加される(S111)。次に、高周波印加部322によって、高周波電流発生回路422及び重畳回路423を介して、LD11に対して、直流印加部321から印加される直流電流に重畳して、予め設定された周波数で、予め設定された振幅値Iwの振幅を有する高周波電流が印加され(S113)、処理が終了される。
図4は、補正値設定部323によって設定される補正電流値ΔI0を説明するグラフである。(a)は、初期の基準電流値I0及び高周波電流を示すグラフであって、(b)は、補正実行部324によって補正された後の基準電流値I0及び高周波電流を示すグラフである。グラフの横軸は、LD11に印加される駆動電流Iであり、縦軸は、LD11の発光パワーPW及び時間Tである。
(a)及び(b)にそれぞれ示すグラフG1及びグラフG3は、LD11の発光特性を示すグラフであって、縦軸が発光パワーPWである。LD11は、グラフG1及びグラフG3に示すように、駆動電流Iが閾値電流値Ith(ここでは、40mA)以上において、駆動電流Iの増加に比例して発光パワーPWが増大する。閾値電流値Ithは、LD11が発光する駆動電流Iの最小値である。なお、定格電流値Imax(ここでは、65mA)は、LD11の寿命を確保するために設定された値である。すなわち、LD11の寿命を確保するためには、駆動電流Iを定格電流値Imax以下とするように駆動することが望ましい。
(a)及び(b)にそれぞれ示すグラフG2及びグラフG4は、LD11に印加される駆動電流Iを示すグラフであって、縦軸が時間Tである。(a)に示すグラフG2は、初期の基準電流値I0及び高周波電流を示すグラフであって、基準電流値I0(ここでは、45mA)の直流電流に振幅値Iw(ここでは、15mA)の高周波電流が重畳されている。この場合には、印加される駆動電流Iの最大値Ip0(60mA=45mA+15mA)が、定格電流値Imax(ここでは、65mA)と近接しているため、不要輻射が発生すると共に、LD11の寿命が短くなる虞がある。
(a)に示すグラフG4は、補正後の基準電流値I0(初期の基準電流値I0から補正値設定部323によって設定された補正電流値ΔI0を減じた値:ここでは、I0=45−8=37mA)及び高周波電流を示すグラフであって、基準電流値I0(ここでは、37mA)の直流電流に振幅値Iw(ここでは、15mA)の高周波電流が重畳されている。この場合には、印加される駆動電流Iの最大値Ip(ここでは、52mA=37mA+15mA)が、定格電流値Imax(ここでは、65mA)と離間しているため、不要輻射が防止されると共に、LD11の寿命を確保することができる。すなわち、定格電流値Imaxから駆動電流Iの最大値Ipを減じた差ΔI1(ここでは、13mA=65mA−52mA)が、充分に大きいため、不要輻射が防止されると共に、LD11の寿命を確保することができる。
また、最大電流値Ip(ここでは、52mA)から初期の基準電流値I0(ここでは、45mA)を減じた差ΔI2(ここでは、7mA=52mA−45mA)が充分に大きいため、基準電流値I0を補正することによるS/N比の低下を抑制することができる。更に、閾値電流値Ish(ここでは、40mA)から印加される駆動電流Iの最小値Iq(ここでは、22mA=37mA−15mA)を減じた差ΔI3(ここでは、18mA=40mA−22mA)が充分に大きいため、高周波電流を重畳することによるノイズ低減効果を確実に発揮させることができる。
このようにして、LD11に対して、予め設定された電流値である基準電流値I0(ここでは、45mA)の直流電流が印加されると共に、印加される直流電流に重畳して、予め設定された周波数(ここでは、300MHz)で、予め設定された振幅値Iw(ここでは、15mA)の振幅を有する高周波電流が印加される。そして、高周波電流が印加される場合に、基準電流値I0が予め設定された補正電流値ΔI0だけ減少されるため、簡素な構成で適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、高周波電流が印加される場合に、基準電流値I0(ここでは、45mA)が予め設定された補正電流値ΔI0だけ減少されるため、補正電流値を適正な値(ここでは、8mA)に設定することによって、簡素な構成で適正に高周波を重畳することができるのである。
また、基準電流値I0(ここでは、45mA)、高周波電流の振幅値Iw(ここでは、15mA)、及び、LD11の定格電流値Imax(ここでは、65mA)に基づいて、補正電流値ΔI0が設定され、設定された補正電流値ΔI0だけ基準電流値I0が減少されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、基準電流値I0、高周波電流の振幅値Iw、及び、LD11の定格電流値Imaxに基づいて、補正電流値ΔI0が設定されるため、補正電流値ΔI0を適正な値に設定することが可能となるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
更に、基準電流値I0と高周波電流の振幅値Iwとの和から補正電流値ΔI0を減じた差である最大電流値Ipが求められ、LD11の定格電流値Imaxから最大電流値Ipを減じた差ΔI1が、予め設定された第1閾値Ish1以上とするべく補正電流値ΔI0が設定されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、基準電流値I0と高周波電流の振幅値Iwとの和から補正電流値ΔI0を減じた差である最大電流値Ipが求められ、LD11の定格電流値Imaxから最大電流値Ipを減じた差ΔI1が、予め設定された第1閾値Ish1(ここでは、10mA)以上とするべく補正電流値ΔI0が設定されるため、最大電流値Ip(ここでは、52mA)が定格電流値Imax(ここでは、65mA)を超えることを確実に防止することができ、補正電流値ΔI0を適正な値(ここでは、8mA)に設定することができるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
加えて、最大電流値Ipから基準電流値I0を減じた差ΔI2が、予め設定された第2閾値Ish2(ここでは、5mA)以上とするべく補正電流値ΔI0が設定されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、最大電流値Ipから基準電流値I0を減じた差ΔI2が、予め設定された第2閾値Ish2(ここでは、5mA)以上とするべく補正電流値ΔI0が設定されるため、最大電流値Ipを確実に基準電流値I0以上に設定することができ、基準電流値I0を補正することに伴うS/N比の低下を抑制することができるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
また、高周波電流の振幅値Iwと補正電流値ΔI0との和を基準電流値I0から減じた差である最小電流値Iqが求められ、LD11の閾値電流値Ishから最小電流値Iqを減じた差ΔI3が、予め設定された第3閾値Ish3(ここでは、10mA)10以上とするべく補正電流値ΔI0が設定されるため、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができる。
すなわち、高周波電流の振幅値Iwと補正電流値ΔI0との和を基準電流値I0から減じた差である最小電流値Iqが求められ、LD11の閾値電流値Ishから最小電流値Iqを減じた差ΔI3が、予め設定された第3閾値Ish3(ここでは、10mA)以上とするべく補正電流値ΔI0が設定されるため、高周波電流を重畳することによるノイズ低減効果を確実に発揮させることができるので、簡素な構成で更に適正に高周波を重畳することができるのである。
なお、本発明は、以下の形態にも適用可能である。
(A)本実施形態では、光ディスク再生装置が、DVDプレーヤ100である場合について説明したが、光ディスク再生装置が、光ディスクにレーザ光を照射するLD(Laser Diode)を介して、光ディスクに記録された情報を再生する装置であれば良い。例えば、光ディスク再生装置が、CDプレーヤである形態でも良いし、CD又はDVDに情報を記録する機能を備えたパーソナルコンピュータである形態でも良い。
(B)本実施形態では、DSP32が、直流印加部321、高周波印加部322、補正値設定部323、補正実行部324等の機能部として機能する場合について説明したが、直流印加部321、高周波印加部322、補正値設定部323及び補正実行部324の内、少なくとも1の機能部が回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
(C)本実施形態では、光ディスク2が、DVDである場合について説明したが、光ディスク2が他の種類の光ディスクである形態でも良い。例えば、光ディスク2が、CDである形態でも良い。
(D)本実施形態では、補正値設定部323が、基準電流値I0、高周波電流の振幅値Iw、LDの定格電流値Imax、及び、閾値電流値Ishに基づいて、補正電流値ΔI0を設定する場合について説明したが、補正値設定部323が、基準電流値I0、高周波電流の振幅値Iw、LDの定格電流値Imax、及び、閾値電流値Ishの少なくとも1つに基づいて、補正電流値ΔI0を設定する形態であれば良い。
は、本発明に係るDVDプレーヤの一例を示す構成図である。 は、DVDプレーヤにおける主要部の構成の一例を示す構成図である。 は、本発明に係るDVDプレーヤ(主にDSP)の動作の一例を示すフローチャートである。 は、補正値設定部によって設定される補正電流値ΔI0を説明するグラフである。
符号の説明
100 DVDプレーヤ(光ディスク再生装置)
1 光ピックアップ
11 LD
3 出力装置
32 DSP
321 直流印加部(直流印加手段の一部)
322 高周波印加部(高周波印加手段の一部)
323 補正値設定部(補正値設定手段)
324 補正実行部(補正実行手段)
4 制御装置
42 ドライバIC
421 直流電流発生回路(直流印加手段の一部)
422 高周波電流発生回路(高周波印加手段の一部)
423 重畳回路(高周波印加手段の一部)

Claims (5)

  1. 光ディスクにレーザ光を照射するLD(Laser Diode)を介して、光ディスクに記録された情報を再生する光ディスク再生装置であって、
    前記LDに対して、予め設定された電流値である基準電流値の直流電流を印加する直流印加手段と、
    前記LDに対して、前記直流印加手段から印加される直流電流に重畳して、予め設定された周波数で、予め設定された振幅値の振幅を有する高周波電流を印加する高周波印加手段と、
    前記高周波印加手段によって高周波電流が印加される場合に、前記直流印加手段に対して、前記基準電流値を予め設定された補正電流値だけ減少させる補正実行手段と、
    を備えることを特徴とする光ディスク再生装置。
  2. 前記基準電流値、前記高周波電流の振幅値、及び、前記LDの定格電流値に基づいて、前記補正電流値を設定する補正値設定手段を備え、
    前記補正実行手段は、前記補正値設定手段によって設定された補正電流値だけ前記基準電流値を減少させることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
  3. 前記補正値設定手段は、前記基準電流値と前記高周波電流の振幅値との和から前記補正電流値を減じた差である最大電流値を求め、前記LDの定格電流値から前記最大電流値を減じた差が、予め設定された第1閾値以上とするべく前記補正電流値を設定することを特徴とする請求項2に記載の光ディスク再生装置。
  4. 前記補正値設定手段は、前記最大電流値から前記基準電流値を減じた差が、予め設定された第2閾値以上とするべく前記補正電流値を設定することを特徴とする請求項3に記載の光ディスク再生装置。
  5. 前記補正値設定手段は、前記高周波電流の振幅値と前記補正電流値との和を前記基準電流値から減じた差である最小電流値を求め、前記LDの閾値電流値から前記最小電流値を減じた差が、予め設定された第3閾値以上とするべく前記補正電流値を設定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の光ディスク再生装置。
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