JP2009102272A - テトラセン化合物及び有機半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い移動度を維持し且つ室温下での溶媒溶解性及び大気中での耐酸化性に優れる有機半導体材料を提供する。また、高い移動度を有する有機半導体薄膜、及び、電子特性の優れた有機半導体素子を提供する。
【解決手段】
ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成したシリコン基板上に、大気中室温下において2−ヘキシルテトラセンのトルエン溶液をキャストあるいはスピンコートすることにより、2−ヘキシルテトラセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体材料に関する。また、本発明は、該有機半導体材料を用いた有機半導体薄膜及び有機半導体素子に関する。さらに、本発明は、該有機半導体素子を用いたディスプレイ装置に関する。さらに、本発明は、該有機半導体薄膜の原料となる有機半導体溶液に関する。
有機薄膜トランジスタを用いた表示素子は、従来の無機半導体材料を用いた表示素子に比べて温和な条件で製造できることから、製造プロセスの低コスト化や、可撓性を有するプラスティック基板等と組み合わせることによるフレキシブル化が可能であるなどの利点を有している。そのため、薄型テレビや携帯端末の表示装置としての利用が期待されている。
従来、半導体層として用いられているアモルファスシリコン薄膜や多結晶シリコン薄膜の製造には、高価な真空装置と高温プロセスとが必要であり、またフォトリソグラフィーによるパターニングが用いられる。そのため、多くの工程を経る必要があることから、製造コストが高いという問題があった。また、前述のような無機半導体を用いた場合は、薄膜の成膜温度は300℃から400℃以上の高温となるため、ガラス基板やシリコンウエハを基板として用いなければならず、耐衝撃性及びフレキシブル性が期待されるプラスティック基板などの使用は極めて困難である。
一方、有機半導体を用いれば、成膜温度は室温から200℃以下と前述のプロセスよりもかなり低く、プラスティック基板への成膜が可能となる。さらに、有機半導体溶液を用いた塗布プロセスによる半導体薄膜の形成が可能となれば、低コスト化,大面積化,半導体素子のフレキシブル化が期待できる。
従来、有機半導体材料としては、アントラセン,テトラセン,ペンタセンなどのポリアセン化合物を中心とした低分子系材料や、ポリフェニレンビニレン,ポリピロール,ポリチオフェンなどの高分子系材料が用いられてきた。
これらの中でも代表的な低分子系材料であるペンタセンは、産業界から学術界に及ぶ広範な研究機関において用いられ、真空蒸着法で成膜された薄膜トランジスタについては、アモルファスシリコンに匹敵する性能を示すに至っている。しかし、芳香環のみで構成され置換基を有さないペンタセンは、溶媒への溶解性が極めて低いために、主に真空蒸着法を用いた成膜プロセスが用いられており、塗布プロセスへの応用は困難である。
また、高分子系材料は低分子系材料と比較すると溶媒への溶解性が高いので、高分子系材料を用いた薄膜トランジスタでは、スピンコート法やドロップキャスト法のような簡便な塗布プロセスやインクジェット法などの高度な印刷技術を用いて成膜が行われる。しかし、高分子系材料を用いた薄膜トランジスタは、ペンタセンなどを用いた薄膜トランジスタと比べると移動度が比較的低く、デバイス用途が限られている。それゆえに、高い電気特性と溶解性とを併せ持つ材料の開発が強く求められており、活発な研究が進められている。
これまでに報告された例としては、ペンタセンを基本骨格として置換基を導入することにより、ペンタセンの溶解性を向上させるというものがある。すなわち、ペンタセンの6,13位を架橋させることにより、溶解性を向上させるというものである。そして、このペンタセン前駆体(前記架橋体)の溶液を一般的な塗布プロセスで成膜した後に、200℃程度の温度で焼成することにより、ペンタセン前駆体をペンタセンに変換するという方法が報告されている(非特許文献1,2を参照)。
また、ペンタセンの6,13位にそれぞれ置換基を導入し、結晶構造を変化させることによって分子間の凝集エネルギーを低下させ、その結果溶解性を高めるという例もある(非特許文献3を参照)。これにより、高い溶解性及び大気安定性を示すとともに、0.1〜1.0cm2 /V・sという比較的高い移動度を示す
さらに、高橋らは、ペンタセン骨格の側部及び端部に複数の置換基を有するポリアセン誘導体を報告している(非特許文献4を参照)。
アフツァリら,「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー」,2002年,第124巻,p.8812 ハーウィックら,「アドバンスド・マテリアル」,1999年,第11巻,p.480 アンソニーら,「オーガニック・レターズ」,2005年,第127巻,p.4986 高橋ら,「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー」,2000年,第122巻,p.12876 マリアカルら,「ケミカルマテリアルズ」,2004年,第16巻,p.4980
しかしながら、非特許文献1,2に開示の方法では、塗布後の焼成により薄膜中に構造欠陥が生じ、性能や機械的強度が低下するという問題があった。また、焼成温度が200℃と比較的高いことから、プラスティック基板などの利用が制限されるという問題もあった。
また、非特許文献3に開示の方法は、溶液としての耐酸化性はペンタセンに比べて向上するものの、薄膜としての安定性はかえって低下することが指摘されている(非特許文献5を参照)。これは、立体障害となる置換基を導入したことで溶解性は向上したが、薄膜となったときの分子の稠密性が損なわれるので、結果として薄膜の大気安定性が低下したものと考えられる。
そこで、本発明は、前述のような従来技術が有する問題点を解決し、薄膜状態で優れた電気特性を発現するとともに、高い溶媒溶解性と溶液状態及び薄膜状態での優れた化学的安定性とを有する有機半導体材料を提供することを課題とする。また、高い移動度を有する有機半導体薄膜、及び、電子特性の優れた有機半導体素子を提供することを併せて課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、高い溶媒溶解性と溶液状態及び薄膜状態での優れた化学的安定性とを両立するためには、アセン環数が比較的少ないポリアセン化合物であるテトラセンを基本骨格構造とすることが好ましいことを見出した。さらに、高い溶媒溶解性を付与するためにテトラセン骨格に置換基を導入するが、薄膜状態における高結晶性を維持して優れた電気特性を発現し、且つ、高い溶媒溶解性と溶液状態及び薄膜状態での優れた化学的安定性とを付与することに対して有効な置換基の種類及び置換位置を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次のような構成からなる。本発明に係る請求項1のテトラセン化合物は、下記の化学式(I)で表されるような構造を有することを特徴とする。
Figure 2009102272
ただし、化学式(I)中のR1 ,R2 ,R3 ,R4 の少なくとも一つは、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、ハロゲン基、又はこれらのうちの二つ以上の基を含む複合官能基であり、残部は水素原子である。また、このR1 ,R2 ,R3 ,R4 が有する脂肪族炭化水素基のうち少なくとも一つは、炭素数が3以上9以下であり、残部は炭素数が1以上9以下である。
また、本発明に係る請求項2のテトラセン化合物は、請求項1に記載のテトラセン化合物において、R1 ,R2 ,R3 ,R4 が有する脂肪族炭化水素基の炭素数が3以上6以下であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3のテトラセン化合物は、請求項1又は請求項2に記載のテトラセン化合物において、R3 ,R4 が水素原子であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4のテトラセン化合物は、請求項3に記載のテトラセン化合物において、R1 ,R2 の一方は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、ハロゲン基、又はこれらのうちの二つ以上の基を含む複合官能基であり、他方は水素原子であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項5のテトラセン化合物は、請求項3に記載のテトラセン化合物において、R1 ,R2 が同種の基であるとともに、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、ハロゲン基、又はこれらのうちの二つ以上の基を含む複合官能基であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項6の溶液は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のテトラセン化合物を含有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項7の有機半導体薄膜は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のテトラセン化合物で構成され、結晶性を有することを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項8の有機半導体素子は、請求項7に記載の有機半導体薄膜で少なくとも一部が構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項9のトランジスタは、ゲート電極,絶縁体層,ソース電極,ドレイン電極,及び半導体層を備えるトランジスタにおいて、前記半導体層を請求項7に記載の有機半導体薄膜で構成したことを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項10のディスプレイ装置は、複数の画素からなる表示面を備えるディスプレイ装置において、前記各画素は、請求項8に記載の有機半導体素子又は請求項9に記載のトランジスタを備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項11のディスプレイ装置は、請求項10に記載のディスプレイ装置において、前記有機半導体素子又は前記トランジスタが備える半導体層を、請求項6に記載の溶液の塗布又は印刷によって形成したことを特徴とする。
本発明のテトラセン化合物は、薄膜状態で優れた電気特性を発現するとともに、高い溶媒溶解性と溶液状態及び薄膜状態での優れた化学的安定性とを有する有機半導体材料である。また、本発明の有機半導体薄膜は高い移動度を有している。さらに、本発明の有機半導体素子は優れた電子特性を有している。
本発明のテトラセン化合物は、前述の化学式(I)に示すような構造の化合物であり、分子の長軸方向両端部に少なくとも一つの官能基を有するテトラセン化合物である。有機半導体材料として広く用いられているペンタセンと比較すると、アセン環が1つ少なく共役系が短い。このことから分子同士の凝集エネルギーが低くなるため、結果として溶媒溶解性が向上する。さらに、テトラセン化合物はペンタセン化合物に比べてイオン化ポテンシャルが高いので、酸素に対する安定性(すなわち化学的安定性)も同時に高い。
このテトラセン化合物が備える官能基は、1個以上4個以下である。テトラセン骨格の長軸方向端部に官能基を有する本発明のテトラセン化合物は、分子同士のスタッキング時に官能基が障害(立体障害)となるため、分子間の共役面の重なりが阻害されることがある。したがって、前記化学式(I)中のR1 が官能基でR2 ,R3 ,R4 が水素原子であるテトラセン化合物や、R1 ,R2 が官能基でR3 ,R4 が水素原子であるテトラセン化合物のように、長軸方向端部の官能基の数は少ない方が好ましい。長軸方向端部の官能基の数が少ないと、分子同士がスタッキングする際に、官能基を有する長軸方端部が交互に反対向きになるように配列可能なので、分子間の共役面が効果的に相互作用することにより電気的特性の向上が期待できる。なお、テトラセン化合物が備える官能基は、すべて同種の官能基でもよいし、異種の官能基でもよい。
一方、溶媒溶解性の観点からみると、分子の長軸方向両端部のうち片側の端部のみに官能基を有する場合(すなわち、前記化学式(I)の中のR1 ,R2 が官能基でR3 ,R4 が水素原子である場合)には、分子の長軸方向に極性が生じるため、溶媒への溶解性が向上する。さらに、片側の端部の一方のみに官能基を有する場合(すなわち、テトラセン化合物が備える官能基が1個の場合)には、分子の長軸方向にも短軸方向にも非対称な構造となり、対称性のさらに低い分子構造となるため、溶解性がさらに向上する。
また、R1 ,R2 が同種の官能基である場合は、官能基が有する脂肪族炭化水素基の炭素数が大きい方が、溶解性が高くなる。なお、本発明においては、R1 ,R2 ,R3 ,R4 が有する脂肪族炭化水素基の炭素数は1以上9以下であるが、R1 ,R2 ,R3 ,R4 がアルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基である場合は、R1 ,R2 ,R3 ,R4 が炭素数1以上9以下の脂肪族炭化水素基であることを意味し、R1 ,R2 ,R3 ,R4 が例えばアルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、前記複合官能基等である場合は、これらの基の一部分である脂肪族炭化水素基が炭素数1以上9以下の脂肪族炭化水素基であることを意味する。
以下に、本発明のテトラセン化合物について、さらに詳細に説明する。化学式(I)の中のR1 ,R2 ,R3 ,R4 の少なくとも一つは、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、ハロゲン基、又はこれらのうちの二つ以上の基を含む複合官能基であり、残部は水素原子である。これらの中では、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基が好ましく、溶媒への溶解性及び結晶性を勘案すると、その炭素数は、該脂肪族炭化水素基のうち少なくとも一つが3以上9以下で、残部は1以上9以下であることが好ましい。そして、高い溶解性と高い結晶性との両方を有するためには、炭素数は3以上6以下であることがより好ましい。また、脂肪族炭化水素基は直鎖状や分岐状でもよいし、環状構造でもよい。
アルキル基の例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,n−ブチル基,t−ブチル基,n−ヘキシル基,トリフルオロメチル基,ベンジル基等があげられる。また、アルケニル基の例としてはメタクリル基やアクリル基があげられ、アルキニル基の例としてはエチニル基やプロパルギル基があげられる。なお、アルケニル基及びアルキニル基においては、二重結合及び三重結合は官能基中のどの位置にあっても差し支えない。二重結合及び三重結合は、官能基の構造を強固とする目的、不飽和結合基を用いてさらに他の分子と反応させる目的、あるいは不飽和結合基同士を反応(結合)又は重合させる目的で利用することができる。
以下に、脂肪族炭化水素基以外の官能基で、長軸方向端部の官能基(R1 ,R2 ,R3 ,R4 )として好適なものの例を示す。これらの官能基の場合も、その官能基が含む脂肪族炭化水素基の炭素数は、前述した脂肪族炭化水素基の場合と同様に1以上9以下であることが好ましく、3以上6以下であることがより好ましい。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基,4−メチルフェノキシ基があげられ、アルコキシ基の例としては、メトキシ基,エトキシ基,2−メトキシエトキシ基,t−ブトキシ基があげられる。アシル基の例としては、2−メチルプロパノイル基,シクロヘキシルカルボニル基,オクタノイル基,クロロアセチル基,トリフルオロアセチル基,ベンゾイル基があげられる。アリールオキシカルボニル基の例としては、フェノキシカルボニル基,2−ヒドロキシメチルフェノキシカルボニル基があげられる。
また、アミノ基の例としては、アミノ基,ジメチルアミノ基,メチルフェニルアミノ基,フェニルアミノ基があげられる。スルフィド基,ジスルフィド基の例としては、“−S−”や“−S−S−”の部分構造を有する基のすべてがあげられるが、環状構造を有していてもよく、その具体例としてはチオラン環、1,3−ジチオラン環、1,2−ジチオラン環、チアン環、ジチアン環、チオモルホリン環等を含む基があげられる。このような環状構造は、鎖状構造に比べて立体的な影響が少ないという点で好ましく、特に5員環や6員環を形成する官能基はアセン環の平面性を保持するという点で好ましい。
さらに、シリル基の例としては、トリメチルシリル基,ジメチルフェニルシリル基があげられる。スルホニル基の例としては、n−ブチルスルホニル基,n−オクチルスルホニル基,フェニルスルホニル基があげられる。
また、複合官能基の例としては、2−ヒドロキシ−1−プロペニル基,ヒドロキシエトキシエチル基,ヒドロキシエチルチオエチル基,ジメチルアミノカルボニル基があげられる。
さらに、R1 とR2 、又は、R3 とR4 は連結して、式−A−(CH2 m −A−で示される環を形成してもよい(該式中のAは酸素原子又は硫黄原子であり、mは1以上の整数である)。
なお、長軸方向の端部の官能基(R1 ,R2 ,R3 ,R4 )は、上に示した基を2つ以上組み合わせた複合官能基でもよい。
次に、本発明のテトラセン化合物の合成方法について説明する。本発明におけるテトラセン化合物は、まず前駆体であるキノン化合物を合成し、これを還元及び芳香化して合成することができる。例えば、フタルアルデヒド誘導体と1,4−ジヒドロキシナフタレン誘導体とを塩基性条件下でアルドール縮合して環化し、得られたキノン化合物を水素化リチウムアルミニウム,アルミニウムトリアルコキシド等を用いて還元することにより合成することができる。
なお、フタルアルデヒド誘導体及び1,4−ジヒドロキシナフタレン誘導体は、既知法又はその類似法により容易に合成可能である。また、上記キノン化合物の合成方法の例としては、以下に示すものがある。
(1)フタルアルデヒド誘導体及び1,4−ジヒドロキシナフタレンとを塩基性条件下でアルドール縮合して環化する方法(ブレタン・ド・ラ・ソサエテ・キミケ・ド・フランス,第5−6巻,パート2,539ページ(1977年)、及び、オーガニック・レターズ,第7巻,971ページ(2005年))。
(2)α,α´−ジブロモキシレンと1,4−ジヒドロキシナフタレンとをヨウ化ナトリウム存在下で環化縮合する方法(カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー,第58巻,1161ページ(1980年)、及び、シンセシス,第10巻,882ページ(1982年))。
本発明のテトラセン化合物は上記のような方法で合成した後、昇華,再結晶等の通常の精製法により精製し、高純度化することができる。
本発明のテトラセン化合物は結晶性を有し、この結晶構造はヘリンボン型で分子が配列した構造を示す。このヘリンボン型の結晶構造においては、細長い分子が矢筈状にスタックされた格子構造をとる。これら結晶構造は、前述のように精製し、高純度化した結晶を用いて、X線回折により構造決定することができる。
また、本発明のテトラセン化合物は、斜方晶系構造又は単斜晶系構造を示す。ここで、結晶の格子定数a,b,cが決定でき、このc軸格子定数は細長い分子の分子長が配列した格子ユニット長さに対応し、a軸及びb軸格子定数は分子の共役面がスタックした分子カラム面内の格子ユニットの大きさに対応する。
さらに、本発明のテトラセン化合物は、無置換のテトラセンと比較して同等のヘリンボン構造を示す。このことは分子間のπ電子の重なりが大きく、キャリアが容易に分子間を移動できることにつながり、高い移動度を示す原因と考えられる。また。c軸格子定数はテトラセン化合物の長軸方向の分子長に対応して変化し、ほぼ分子長を反映した構造を示す。
次に、本発明の有機半導体薄膜について説明する。
本発明の有機半導体薄膜の形成方法としては、公知の方法を採用することが可能であり、例えば、真空蒸着,MBE法(Molecular Beam Epitaxy),スパッタリング法,レーザー蒸着法,気相輸送成長法等があげられる。そして、このような方法により、基板表面に薄膜を形成することができる。
本発明で用いるテトラセン化合物は昇華性を示すので、前述の方法で薄膜を形成することが可能である。MBE法,真空蒸着法,及び気相輸送成長法は、テトラセン化合物を加熱して昇華した蒸気を、高真空,真空,低真空,又は常圧で基板表面に輸送して薄膜を形成するものである。また、スパッタリング法は、テトラセン化合物をプラズマ中でイオン化させて、テトラセン化合物の分子を基板上に堆積して薄膜を形成する方法である。また、レーザー蒸着法は、レーザー照射によりテトラセン化合物を加熱して蒸気を生成させ、テトラセン化合物の分子を基板上に堆積して薄膜を形成する方法である。前述の製法のうちMBE法,真空蒸着法,及び気相輸送成長法は、生成する薄膜の平坦性及び結晶性に優れるので好ましい。
MBE法や真空蒸着法における薄膜作製条件としては、例えば、基板温度は室温以上100℃以下とすることが好ましい。基板温度が低温であるとアモルファス状の薄膜が形成されやすく、また、100℃を超えると薄膜の表面平滑性が低下する。また、気相輸送成長法の場合は、基板温度は室温以上200℃以下とすることが好ましい。
また、本発明のテトラセン化合物は、薄膜成長速度が高い場合でも結晶性の良好な薄膜を形成しやすく、高速成膜が可能である。成長速度は、0.1nm/min以上1μm/sec以下の範囲とすることが好ましい。0.1nm/min未満では結晶性が低下しやすく、1μm/secを超えると薄膜の表面平滑性が低下する。
また、本発明の有機半導体薄膜は、上記のようなドライプロセスに比べて簡便なウェットプロセス(溶液プロセス)で形成することも可能である。従来公知のペンタセンあるいは無置換テトラセンは一般の溶媒に室温では難溶であり、溶液化と溶液の塗布による薄膜形成とが困難であったが、本発明のテトラセン化合物は、官能基の導入により溶媒に対する溶解性が高いので、溶液化と溶液の塗布による薄膜形成とが室温で可能である。
また、一般的に、溶解性を付与するために施される脂肪族炭化水素基などの電子供与性官能基の導入によって、ポリアセン化合物のイオン化ポテンシャルは低下し、それに伴って耐酸化安定性も低下する傾向が見られる。そのため、ペンタセン系の材料を用いた場合は、大気中,溶液中の酸素に対する感受性が強く、窒素などの不活性ガス雰囲気中での成膜が必要不可欠であったが、本発明のテトラセン化合物は、そもそもイオン化ポテンシャルの高いテトラセン骨格を基本構造に持つため、溶解性を付与するために施された分子修飾によっても耐酸化安定性は維持され、大気中でのウェットプロセス適用が可能となる。ただし、長期的な大気や光への曝露に対しては、依然としてテトラセン化合物の劣化が懸念されるため、テトラセン化合物の長期保存環境としては、不活性ガス雰囲気下、遮光状態が好ましい。
本発明の有機半導体薄膜は、本発明のテトラセン化合物の溶液を基板等のベース上に被覆した上、加熱等の方法により前記溶媒を気化させることにより得ることができる。前記溶液をベース上に被覆する方法としては、塗布,噴霧の他、ベースを前記溶液に接触させる方法等があげられる。具体的には、スピンコート,ディップコート,スクリーン印刷,インクジェット印刷,ブレード塗布,印刷(平版印刷,凹版印刷,凸版印刷等)等の公知の方法があげられる。これらの印刷方法には、本発明のテトラセン化合物の溶液に粘度等を調節するための添加物を加えたインクを用いることができる。
また、溶媒を気化させる際には、ベース付近の温度や雰囲気の溶媒蒸気圧により気液界面の溶媒気化速度を調節することによって、結晶成長を制御することができる。さらに、過飽和状態のテトラセン化合物溶液にベースを接触させて、ベースの表面に有機半導体薄膜を形成させることも可能である。さらに、所望により、テトラセン化合物の溶液とベースとの界面に、温度勾配,電場,磁場の少なくとも1つを印加して、結晶成長を制御することができる。これらの方法により高結晶性の有機半導体薄膜を製造することが可能であり、得られた有機半導体薄膜は高結晶性であることから半導体特性が優れている。
さらに、有機半導体薄膜の安定性,半導体特性の点から、有機半導体薄膜中に残存する溶媒の量は低いことが好ましい。よって、通常は、有機半導体薄膜を形成した後に再度加熱処理及び/又は減圧処理を施して、有機半導体薄膜中に残存する溶媒をほぼ完全に除去することが好ましい。
上記のような溶液の塗布により形成されたテトラセン薄膜の形態(結晶の組織構造)は、粒子状の結晶からなる組織構造を一部有するとともに、板状結晶からなる組織構造や、板状結晶がベースの表面に広く成長したシート状の組織構造を有する形態である。本発明のテトラセン薄膜におけるシート状の組織構造は、表面が比較的平坦で、結晶の段差部分が平行な線状をなして同一平面内に形成され、粒界組織はほとんど存在しない。
さらに、ベースの表面一面にシート状の結晶が成長した単結晶板状結晶やシート状の組織構造が大きいと、該テトラセン化合物薄膜を用いて製造された有機半導体素子の輸送特性が、粒子状又は針状結晶からなる組織構造を有するテトラセン化合物薄膜を用いて製造した有機半導体素子に比べ、均一化、高性能化されるため好ましい。
このように、ドライプロセス又はウェットプロセスによりテトラセン化合物からなる有機半導体薄膜が形成できる。
前述したように、本発明のテトラセン化合物は、結晶性及び半導体特性に優れた薄膜を形成することができる。また、本発明の有機半導体薄膜においては、テトラセン化合物は、分子の長軸をベース面に対して垂直方向に配向している。このことは、テトラセン化合物の分子の分子凝集力が強く、分子面同士でスタックした分子カラムを形成しやすいためであると考えられる。したがって、有機半導体薄膜のX線回折パターンは、結晶の(00n)面強度が強く現れやすい。この面間距離dは、結晶のc軸格子定数にあたる。
面間距離dと分子の長軸の長さLとの比率、すなわちd/Lが1に近いほどベース面に対する分子の傾きが垂直に近く、反対に0に近いほど平行に近い。通常、dはLと同等又は若干小さい値になるため、d/Lが1を超えることはない。しかし、テトラセン化合物の分子がスタッキングする際に、同一官能基を有する端部が反対向きになるように交互パッキングした場合にはdがLよりも大きくなることがあり、d/Lが1を超えることもある。薄膜中において優れた半導体特性を示すテトラセン化合物の配向は、d/Lの値としては0.6以上2以下が好ましい。
また、本発明のテトラセン化合物は、その結晶の結晶軸のa軸方向及び/又はb軸方向の分子間距離が縮小する場合があり、この分子間距離の縮小によってキャリア移動が起こりやすく、その結果、高い移動度を示す。このような有機半導体薄膜で構成された有機半導体素子は、層状に形成された分子カラムに沿ってキャリアが流れやすい性質を持つものと思われる。そして、このa軸及びb軸の格子定数は、斜め入射X線回折,透過型電子線回折,薄膜のエッジ部にX線を入射させ回折を測定する方法などによって観測することができる。
さらに、通常の無機半導体薄膜は、その結晶性がベースの材料の結晶性,面方位の影響を受けるが、本発明の有機半導体薄膜は、ベースの材料の結晶性,面方位に関係なく高結晶性の薄膜となる。よって、ベースの材料には、結晶性,非晶性に関係なく種々の材料を用いることが可能である。
例えば、ガラス,石英,酸化アルミニウム,サファイア,チッ化珪素,炭化珪素等のセラミックや、シリコン,ゲルマニウム,ガリウム砒素,ガリウム燐,ガリウム窒素等の半導体があげられる。また、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等),ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコール,エチレンビニルアルコール共重合体,環状ポリオレフィン,ポリイミド,ポリアミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリエーテルスルフォン,ポリスルフォン,ポリメチルメタクリレート等の樹脂や、紙、不織布などがあげられる。
また、ベースの形状は特に限定されるものではないが、通常はシート状のベースや板状のベース(基板)が用いられる。
本発明の有機半導体薄膜はキャリア移動度が高いことが特徴であり、1×10-4cm2 /V・s以上であることが好ましい。より好ましくは1×10-3cm2 /V・s以上であり、最も好ましくは1×10-2cm2 /V・s以上である。
このような有機半導体薄膜を用いることにより、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等の分野において有益な半導体素子を製造することができる。このような半導体素子の例としては、ダイオード,トランジスタ,薄膜トランジスタ,メモリ,フォトダイオード,発光ダイオード,発光トランジスタ,センサ等があげられる。
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、ディスプレイ装置に利用することが可能であり、液晶ディスプレイ,分散型液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,粒子回転型表示素子,エレクトロクロミックディスプレイ,有機発光ディスプレイ,電子ペーパー等の種々の表示素子に利用可能である。トランジスタ及び薄膜トランジスタは、これらの表示素子において表示画素のスイッチング用トランジスタ,信号ドライバ回路素子,メモリ回路素子,信号処理回路素子等に利用される。
半導体素子がトランジスタである場合には、その素子構造としては、例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造、基板/半導体層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層(誘電体層)/ゲート電極という構造、基板/ソース電極(又はドレイン電極)/半導体層+絶縁体層(誘電体層)+ゲート電極/ドレイン電極(又はソース電極)という構造等があげられる。このとき、ソース電極,ドレイン電極,ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の半導体層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
トランジスタの構成としては、MOS(メタル−酸化物(絶縁体層)−半導体)型及びバイポーラ型のいずれでも採用可能である。テトラセン化合物は、通常はp型半導体であるので、ドナードーピングしてn型半導体としたテトラセン化合物と組み合わせたり、テトラセン化合物以外のn型半導体と組み合わせたりすることにより、素子を構成することができる。
また、半導体素子がダイオードである場合には、その素子構造としては、例えば、電極/n型半導体層/p型半導体層/電極という構造があげられる。そして、p型半導体層に本発明の有機半導体薄膜が使用され、n型半導体層に前述のn型半導体が使用される。
半導体素子における有機半導体薄膜内部又は有機半導体薄膜表面と電極との接合面の少なくとも一部は、ショットキー接合及び/又はトンネル接合とすることができる。このような接合構造を有する半導体素子は、単純な構成でダイオードやトランジスタを作製することができるので好ましい。さらに、このような接合構造を有する有機半導体素子を複数接合して、インバータ,オスシレータ,メモリ,センサ等の素子を形成することもできる。
さらに、本発明の半導体素子を表示素子として用いる場合は、表示素子の各画素に配置され各画素の表示をスイッチングするトランジスタ素子(ディスプレイTFT)として利用できる。このようなアクティブ駆動表示素子は、対向する導電性基板のパターニングが不要なため、回路構成によっては、画素をスイッチングするトランジスタを持たないパッシブ駆動表示素子と比べて画素配線を簡略化できる。通常は、1画素当たり1個から数個のスイッチング用トランジスタが配置される。このような表示素子は、基板面に二次元的に形成したデータラインとゲートラインとを交差した構造を有し、データラインやゲートラインがトランジスタのゲート電極,ソース電極,ドレイン電極にそれぞれ接合されている。なお、データラインとゲートラインとを分割することや、電流供給ライン,信号ラインを追加することも可能である。
また、表示素子の画素に、画素配線,トランジスタに加えてキャパシタを併設して、信号を記録する機能を付与することもできる。さらに、表示素子が形成された基板に、データライン及びゲートラインのドライバ,画素信号のメモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ等を搭載することもできる。
また、本発明の有機半導体素子は、ICカード,スマートカード,及び電子タグにおける演算素子,記憶素子としても利用することができる。その場合、これらが接触型であっても非接触型であっても、問題なく適用可能である。このICカード,スマートカード,及び電子タグは、メモリ,パルスジェネレータ,信号分割器,コントローラ,キャパシタ等で構成されており、さらにアンテナ,バッテリを備えていてもよい。
さらに、本発明の有機半導体素子でダイオード,ショットキー接合構造を有する素子,トンネル接合構造を有する素子を構成すれば、その素子は光電変換素子,太陽電池,赤外線センサ等の受光素子,フォトダイオードとして利用することもできるし、発光素子として利用することもできる。また、本発明の有機半導体素子でトランジスタを構成すれば、そのトランジスタは発光トランジスタとして利用することができる。これらの発光素子の発光層には、公知の有機材料や無機材料を使用することができる。
さらに、本発明の有機半導体素子はセンサとして利用することができ、ガスセンサ,バイオセンサ,血液センサ,免疫センサ,人工網膜,味覚センサ等、種々のセンサに応用することができる。通常は、有機半導体素子を構成する有機半導体薄膜に測定対象物を接触又は隣接させた際に生じる有機半導体薄膜の抵抗値の変化によって、測定対象物の分析を行うことができる。
以下に、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1:2−へキシルテトラセンの合成〕
〔中間体の合成方法について〕
1,4−ジヒドロキシナフタレン1.44gと4−ヘキシルフタルアルデヒド1.97gをピリジン18mlに溶解し、6時間加熱還流させた。エタノールを加えることによって生成した黄色の沈殿を濾取し、エタノールで洗浄した後、真空乾燥して8−ヘキシルテトラセンキノン1.16gを得た。この反応における収率は38%であった。
得られた8−ヘキシルテトラセンキノンについて、重水素化クロロホルムを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果を以下に示す。
1H−NMR(ppm):δ0.90(t,3H),1.32〜1.40(m,6H),1.74(quin,2H),2.84(t,2H),7.55(d,1H),7.82(dd,2H),7.86(s,1H),8.02(d,1H),8.39(dd,2H),8.79(s,1H),8.82(s,1H)
〔テトラセン化合物の製造方法について〕
次に、上記の反応により得られた8−ヘキシルテトラセンキノン0.68gとアルミニウムトリイソプロポキシド4.10gとの混合物を、窒素雰囲気下においてアルミニウムトリイソプロポキシドが溶融状態となるように加熱し、6時間加熱反応させた。冷却後、混合物を希塩酸で処理し、水溶液に不溶の生成物を濾取した。そして、水、エタノール、アセトンで洗浄した後に真空乾燥して、2−ヘキシルテトラセン0.42gを得た。この反応における収率は65%であった。
得られた2−ヘキシルテトラセンについて、重水素化クロロホルムを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果は以下の通りである(図1を参照)。
1H−NMR(ppm):δ0.90(t,3H),1.33〜1.42(m,6H),1.75(quin,2H),2.79(t,2H),7.26(d,1H),7.37〜7.39(m,2H),7.73(s,1H),7.92(d,1H),7.97〜8.00(m,2H),8.57(s,1H),8.61(s,1H),8.63(s,2H)
〔有機半導体薄膜の製造方法について〕
前述のようにして合成した2−ヘキシルテトラセンをトルエンに大気中室温下で溶解し、黄色の溶液(濃度は1g/L)を得た。該溶液を大気中室温下でシリコン基板上にキャスト又はスピンコートすることにより、膜厚20〜100nmの2−ヘキシルテトラセン薄膜を形成した。
〔薄膜のX線回折解析について〕
上記のようにして得られた2−ヘキシルテトラセン薄膜の広角X線回折の結果を、図2に示す。分子の長軸に対応する回折面(00n)の面間距離dは2.04nmであった。また、(001)面に相当するピークの半価幅は0.088degと比較的小さい値を示し、2−ヘキシルテトラセン薄膜が高い結晶性を有していることが確認された。
さらに、密度汎関数法に基づく分子軌道計算により2−ヘキシルテトラセンの分子構造を予測したところ、分子の長軸の長さLは1.93nmであり、得られた薄膜が隣接分子についてヘキシル基を交互にパッキングした構造を取っていることが予測され、d/L=1.06を示した。
〔有機半導体素子について〕
n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの熱酸化膜を表面に備えた基板)の表面に、ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。この金電極のパターンは、短冊状のパターンが並行に形成されているものであり、パターン間(チャネル長)は20μmで、パターン長さ(チャネル幅)は500μmである。
このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様の溶液スピンコート法により2−ヘキシルペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
該トランジスタのシリコン基板をゲートとして、ソース・ドレイン電極間のドレイン電流/ゲート電圧曲線を測定した。その際には、ドレイン電圧を−20Vから−40Vまで、20Vステップで変化させた。その結果、ゲート電圧の減少に伴ってドレイン電流の増加が観測された。
上記方法により作製した薄膜トランジスタの電流飽和領域のゲート電圧依存性から求めた移動度は、0.18cm2 /V・sであり、オン/オフ電流比は2.5×109 であった。
〔実施例2:2,3−ジプロピルテトラセンの合成〕
〔中間体の合成方法について〕
1,4−ジヒドロキシナフタレン0.80gと4,5−ジプロピルフタルアルデヒド1.09gをピリジン10mlに溶解し、6時間加熱還流させた。エタノールを加えることによって生成した黄色の沈殿を濾取し、エタノールで洗浄した後、真空乾燥して8,9−ジプロピルテトラセンキノン0.46gを得た。この反応における収率は26%であった。
得られた8,9−ジプロピルテトラセンキノンについて、重水素化クロロホルムを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果を以下に示す。
1H−NMR(ppm):δ1.07(t,6H),1.76(sex,4H),2.81(t,4H),7.81(dd,2H),7.85(s,2H),8.38(dd,2H),8.75(s,2H)
〔テトラセン化合物の製造方法について〕
次に、上記の反応により得られた8,9−ジプロピルテトラセンキノン0.17gとアルミニウムトリイソプロポキシド1.02gとの混合物を、窒素雰囲気下においてアルミニウムトリイソプロポキシドが溶融状態となるように加熱し、6時間加熱反応させた。冷却後、混合物を希塩酸で処理し、水溶液に不溶の生成物を濾取した。そして、水、エタノール、アセトンで洗浄した後に真空乾燥して、2,3−ジプロピルテトラセン0.09gを得た。この反応における収率は58%であった。
得られた2,3−ジプロピルテトラセンについて、重水素化クロロホルムを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果は以下の通りである(図3を参照)。
1H−NMR(ppm):δ1.09(t,6H),1.78(sex,4H),2.78(t,4H),7.36(dd,2H),7.75(s,2H),7.97(dd,2H),8.54(s,2H),8.61(s,2H)
〔有機半導体薄膜の製造方法について〕
前述のようにして合成した2,3−ジプロピルテトラセンを大気中室温下でテトラリンに溶解し、黄色の溶液(濃度は1g/L)を得た。該溶液を大気中室温下でシリコン基板上にキャスト又はスピンコートすることにより、膜厚20〜100nmの2,3−ジプロピルテトラセン薄膜を形成した。
〔薄膜のX線回折解析について〕
上記のようにして得られた2,3−ジプロピルテトラセン薄膜の広角X線回折の結果を図4に示した。分子の長軸に対応する回折面(00n)の面間距離dは1.86nmであり、n=1,2,3までの高次線まで観測された。また、(001)面に相当するピークの半価幅は0.068degと比較的小さい値を示し、2,3−ジプロピルテトラセン薄膜が高い結晶性を有していることが確認された。
さらに、密度汎関数法に基づく分子軌道計算により2,3−ジプロピルテトラセンの分子構造を予測したところ分子の長軸の長さLは1.58nmであり、得られた薄膜が隣接分子についてプロピル基を交互にパッキングした構造を取っていることが予測され、d/L=1.18を示した。
〔有機半導体素子について〕
n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの熱酸化膜を表面に備えた基板)の表面に、ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。この金電極のパターンは、短冊状のパターンが並行に形成されているものであり、パターン間(チャネル長)は20μm及び50μmの素子アレイ構造で、パターン長さ(チャネル幅)は500μmである。
このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様の溶液キャストにより2,3−ジプロピルテトラセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
該トランジスタのシリコン基板をゲートとして、ソース・ドレイン電極間のドレイン電流/ゲート電圧曲線を測定した。その際には、ドレイン電圧を−20Vから−40Vまで、20Vステップで変化させた。その結果、ゲート電圧の減少に伴ってドレイン電流の増加が観測された。
上記方法により作製した薄膜トランジスタの電流飽和領域のゲート電圧依存性から求めた移動度は、0.040cm2 /V・sであり、オン/オフ電流比は1.8×107 であった。
〔実施例3:2−ブトキシテトラセンの合成〕
〔中間体の合成方法について〕
1,4−ジヒドロキシナフタレン0.74gと4−ブトキシフタルアルデヒド0.94gをピリジン10mlに溶解し、6時間加熱還流させた。エタノールを加えることによって生成した黄色の沈殿を濾取し、真空乾燥して8−ブトキシテトラセンキノン0.15gを得た。この反応における収率は10%であった。
得られた8−ブトキシテトラセンキノンについて、重水素化クロロホルムを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果を以下に示す。
1H−NMR(ppm):δ1.03(t,3H),1.57(m,2H),1.88(m,2H),4.15(t,2H),7.33(d,1H),7.34(s,1H),7.80〜7.82(m,2H),7.98(d,1H),8.36〜8.40(m,2H),8.70(s,1H),8.77(s,1H)
〔テトラセン化合物の製造方法について〕
次に、上記の反応により得られた8−ブトキシテトラセンキノン0.15gとアルミニウムトリイソプロポキシド0.92gとの混合物を、窒素雰囲気下においてアルミニウムトリイソプロポキシドが溶融状態となるように加熱し、6時間加熱反応させた。冷却後、混合物を希塩酸で処理し、水溶液に不溶の生成物を濾取した。そして、水、エタノール、アセトンで洗浄した後に真空乾燥して、2−ブトキシテトラセン0.05gを得た。この反応における収率は40%であった。
得られた2−ブトキシテトラセンについて、重水素化クロロホルムを溶媒として用いて、核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定を行った。結果は以下の通りである(図5を参照)。
1H−NMR(ppm):δ1.03(t,3H),1.57(m,2H),1.88(m,2H),4.14(t,2H),7.09(d,1H),7.14(s,1H),7.35〜7.39(m,2H),7.88(d,1H),7.96〜7.99(m,2H),8.45(s,1H),8.57(s,2H),8.61(s,1H)
〔有機半導体薄膜の製造方法について〕
前述のようにして合成した2−ブトキシテトラセンを大気中室温下でトルエンに溶解し、黄色の溶液(濃度は1g/L)を得た。該溶液を大気中室温下でシリコン基板上にキャスト又はスピンコートすることにより、膜厚20〜100nmの2−ブトキシテトラセン薄膜を形成した。
〔有機半導体素子について〕
n型ドーパントでヘビードープされたシリコン基板(厚さ200nmの熱酸化膜を表面に備えた基板)の表面に、ソース・ドレイン電極として金電極のパターンを形成した。この金電極のパターンは、短冊状のパターンが並行に形成されているものであり、パターン間(チャネル長)は20μmで、パターン長さ(チャネル幅)は500μmである。
このような電極パターンが形成されたシリコン基板上に、上記と同様の溶液スピンコート法により2−ブトキシペンタセン薄膜を形成し、トランジスタ構造とした。
該トランジスタのシリコン基板をゲートとして、ソース・ドレイン電極間のドレイン電流/ゲート電圧曲線を測定した。その際には、ドレイン電圧を−20Vから−40Vまで、20Vステップで変化させた。その結果、ゲート電圧の減少に伴ってドレイン電流の増加が観測された。
上記方法により作製した薄膜トランジスタの電流飽和領域のゲート電圧依存性から求めた移動度は、0.007cm2 /V・sであり、オン/オフ電流比は1.3×105 であった。
本発明は、エレクトロニクス,フォトニクス,バイオエレクトロニクス等において好適である。
実施例1のテトラセン化合物の重クロロホルム溶液における 1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例1のテトラセン化合物の薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例2のテトラセン化合物の重クロロホルム溶液における 1H−NMRスペクトルを示す図である。 実施例2のテトラセン化合物の薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例3のテトラセン化合物の重クロロホルム溶液における 1H−NMRスペクトルを示す図である。

Claims (11)

  1. 下記の化学式(I)で表されるような構造を有することを特徴とするテトラセン化合物。
    Figure 2009102272
    ただし、化学式(I)中のR1 ,R2 ,R3 ,R4 の少なくとも一つは、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、ハロゲン基、又はこれらのうちの二つ以上の基を含む複合官能基であり、残部は水素原子である。また、このR1 ,R2 ,R3 ,R4 が有する脂肪族炭化水素基のうち少なくとも一つは、炭素数が3以上9以下であり、残部は炭素数が1以上9以下である。
  2. 1 ,R2 ,R3 ,R4 が有する脂肪族炭化水素基の炭素数が3以上6以下であることを特徴とする請求項1に記載のテトラセン化合物。
  3. 3 ,R4 が水素原子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のテトラセン化合物。
  4. 1 ,R2 の一方は、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、ハロゲン基、又はこれらのうちの二つ以上の基を含む複合官能基であり、他方は水素原子であることを特徴とする請求項3に記載のテトラセン化合物。
  5. 1 ,R2 が同種の基であるとともに、アルキル基,アルケニル基,アルキニル基等の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、エステル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、ホルミル基、水酸基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、ハロゲン基、又はこれらのうちの二つ以上の基を含む複合官能基であることを特徴とする請求項3に記載のテトラセン化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のテトラセン化合物を含有することを特徴とする溶液。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のテトラセン化合物で構成され、結晶性を有することを特徴とする有機半導体薄膜。
  8. 請求項7に記載の有機半導体薄膜で少なくとも一部が構成されていることを特徴とする有機半導体素子。
  9. ゲート電極,絶縁体層,ソース電極,ドレイン電極,及び半導体層を備えるトランジスタにおいて、前記半導体層を請求項7に記載の有機半導体薄膜で構成したことを特徴とするトランジスタ。
  10. 複数の画素からなる表示面を備えるディスプレイ装置において、前記各画素は、請求項8に記載の有機半導体素子又は請求項9に記載のトランジスタを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
  11. 前記有機半導体素子又は前記トランジスタが備える半導体層を、請求項6に記載の溶液の塗布又は印刷によって形成したことを特徴とする請求項10に記載のディスプレイ装置。
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