JP2009101452A - ドリル - Google Patents

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Junichi Saito
淳一 斉藤
Takeshi Sato
健 佐藤
Hiroo Fukuda
博夫 福田
Koji Masamoto
浩司 柾本
Toshiaki Hibino
敏明 日比野
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

【課題】ドリル本体の刃先部の剛性を損なうことなく、チゼルエッジによって生成された切屑を円滑に排出する。
【解決手段】軸線O回りに回転されるドリル本体1の刃先部3外周に、先端から後端側に向けて延びる切屑排出溝6を1条のみ軸線Oを含まないように形成し、この切屑排出溝6のドリル回転方向T前方側を向く壁面7と先端逃げ面8との交差稜線部に切刃9を形成し、軸線O方向先端側から見て、先端逃げ面8には切刃9の内周端から軸線Oに交差するチゼルエッジ18,19を形成し、切屑排出溝6のドリル回転方向T後方側を向く壁面11と先端逃げ面8との交差稜線部Lを、チゼルエッジ19の延長線Mからドリル回転方向T前方側に向けて、軸線Oに交差するとともに切刃9に対してドリル回転方向T後方側に60°の角度αで交差する直線Nまでの間に位置させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、被削材に穴明け加工を施すために用いられるドリルに係わり、特にプリント基板や、微少な金属部品、プラスチック等の被削材に小径深穴の穴部を穴明け加工するのに用いられる小径のドリルに関するものである。
このようなプリント基板等の穴明け加工に用いられる小径のドリルとして、本発明の発明者らは、特許文献1において、切屑排出溝が1条のみであってドリル本体の回転軸線を含まないように形成されており、先端逃げ面における軸線方向の最も先端側に突出した最先端が1点で構成されているとともに、この最先端と上記軸線との距離を、刃先部の最大外径Dに対して(5/100)D以下としたドリルを提案している。このようなドリルによれば、特に刃先部の上記最大外径Dが1mm以下で、かつ刃先部の有効刃長と最大外径Dとの比L/Dが5以上と、ドリル本体の剛性を確保し難い場合でも、ドリル本体の直進性を高めて良好な穴位置精度を得ることができる。
特開2004−082318号公報
ところで、この特許文献1には2種類のドリルが記載されている。すなわち、1つは、切屑排出溝が刃先部の先端面を軸線方向先端側から見て概略半円状に切り欠くように形成されて、先端逃げ面が、切刃に連なる第1逃げ面からドリル回転方向後方側に連なる第4逃げ面と、軸線を挟んで第1逃げ面の反対に位置する逆側の第1逃げ面、および第1逃げ面に対して、軸線方向先端側から見たときに切刃に平行で該軸線を通るX軸にこの軸線上で直交するY軸の反対側に位置する逆側の第2逃げ面とにより多段面状に形成されたものである。また、もう1つは、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側に連なり、先端逃げ面および外周面に開口する副溝部を形成して、先端逃げ面を、第1逃げ面と、そのドリル回転方向後方側に連なる第2逃げ面と、軸線の周りだけに形成される逆側の第1、第2逃げ面とから構成したものである。
しかしながら、このうち前者のドリルでは、切屑排出溝がドリル本体の軸線を含まないためにこの軸線に交差するように先端逃げ面に形成されるチゼルエッジに対し、先端逃げ面のうち第3逃げ面が先端側から見てこのチゼルエッジの延長線上に位置し、さらにそのドリル回転方向後方側に第4逃げ面および逆側の第2逃げ面が連なっているため、上記チゼルエッジの特に軸線を挟んで切屑排出溝とは反対側に位置する部分によって生成された切屑が行き場をなくして穴部の底と先端逃げ面との間に噛み込まれ、これにより刃先部が振れを生じて穴明け精度を損なうおそれがある。その一方で、後者のドリルでは、切屑排出溝によって刃先部が大きく切り欠かれるため、その剛性が損なわれることになり、やはり刃先部に振れが生じ易くなって穴明け精度の劣化を招くことになる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、ドリル本体の刃先部の剛性を損なうことなく、チゼルエッジによって生成された切屑を円滑に排出することが可能で、この刃先部の振れを抑えて高精度の穴明け加工を行うことが可能なドリルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるドリル本体先端側の刃先部の外周に、この刃先部の先端から後端側に向けて延びる切屑排出溝が1条のみ形成されており、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く壁面と上記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されてなるドリルにおいて、上記軸線方向先端側から見て、上記切屑排出溝は上記軸線を含まないように形成されていて、上記先端逃げ面には、上記切刃の内周端から上記軸線に交差するように延びるチゼルエッジが形成されており、上記切屑排出溝のドリル回転方向後方側を向く壁面と上記先端逃げ面との交差稜線部が、上記チゼルエッジの延長線からドリル回転方向前方側に向けて、上記軸線に交差するとともに上記切刃に対して上記ドリル回転方向後方側に60°の角度で交差する直線までの間に位置させられていることを特徴とする。
従って、このように構成されたドリルにおいては、切屑排出溝のドリル回転方向後方側を向く壁面と先端逃げ面との交差稜線部が、切刃の内周端からドリル本体の軸線に交差するように延びるチゼルエッジの延長線からドリル回転方向前方側に位置しているので、このチゼルエッジの軸線を挟んで切刃と反対側の部分で生成された切屑をも、上記1条の切屑排出溝に確実に排出して噛み込みを防止することができる。その一方で、この切屑排出溝は、ドリル回転方向後方側には、軸線に交差するとともに切刃に対してドリル回転方向後方側に60°の角度で交差する直線までの範囲とされているので、必要以上に刃先部の肉厚が削がれることがなく、これにより刃先部に十分な剛性を確保することができる、
また、上記切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く壁面と後方側を向く壁面との間の該切屑排出溝の底面に、外周側に凸となるリブ状部を上記刃先部の先端から後端側に向けて延びるように形成することにより、切屑排出性を損なうことなく刃先部剛性の一層の向上を図ることができる。
さらに、刃先部の外周に、後端側に向けて外径が一段小さくなる段部を形成するとともに、切屑排出溝を、そのドリル回転方向前方側を向く壁面を形成する主溝部と、この主溝部のドリル回転方向前方側に連なってドリル回転方向後方側を向く壁面を形成する副溝部とから構成して、この副溝部を上記段部よりも先端側で刃先部の外周に切り上げることによっても、この副溝部を切り上げた部分より後端側では主溝部以外の部分には上記段部との間に刃先部の壁部が残されることになるので、さらなる刃先部の剛性向上を図ることができる。
このように、本発明のドリルによれば、ドリル本体の刃先部の剛性を確保したまま、チゼルの特に切刃とは軸線を挟んで反対側の部分により生成される切屑も円滑に排出することができ、刃先部の剛性不足による振れは勿論、切屑が被削材の穴底と先端逃げ面との間に噛み込まれることによる刃先部の振れをも確実に防止することができ、プリント基板や、金属部品、プラスチック等の被削材に小径の深穴を形成する場合でも、精度の高い穴明け加工を行うことが可能となる。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態においてドリル本体1は、超硬合金等の硬質材料により外形が軸線Oを中心とした概略多段円柱軸状をなし、その後端部(図1において右側部分)は大径のシャンク部2とされていて、このシャンク部2が工作機械の回転軸に装着されて軸線O回りにドリル回転方向Tに回転させられることにより、本実施形態のドリルは例えばプリント基板や金属部品、プラスチック等の被削材に小径深穴の穴部を穴明け加工するのに使用される。
ここで、上記シャンク部2は、ドリル本体1の先端側(図1、図3、図4において左側)に向かうに従いテーパ部分を介して段階的に外径が小さくなるように形成されるとともに、その先端側にはシャンク部2よりも小径の刃先部3が一体に形成されている。なお、この刃先部3には、その外周に後端側に向けて外径が一段小さくなる段部4が形成されており、この段部4より後端側のシャンク部2との間の部分は外径が一定の軸状部5とされるとともに、先端側はこれより僅かに大きなやはり一定外径とされていて、本実施形態はいわゆるアンダーカットタイプのドリルとされている。
この刃先部3には、その外周に、この刃先部3の先端から後端側に向けて延びる切屑排出溝6が1条のみ、後端側に向かうに従い軸線O回りにドリル回転方向Tの後方側に捩れるように形成されており、この切屑排出溝6のドリル回転方向T前方側を向く壁面7と、刃先部3の先端に形成される先端逃げ面8との交差稜線部に切刃9が形成されている。ここで、この切刃9の外径、すなわち切刃9が軸線O回りになす円の直径は1mm以下とされるとともに、軸状部5も含めた刃先部3の有効刃長はこの切刃9の外径に対する比が5以上となるようにされている。さらに、切屑排出溝6は、軸線O方向先端側から見た正面視においても、また軸線Oに直交するいずれの断面においても、この軸線Oを含まないように形成されており、従ってドリル本体1には軸線Oに沿って所定の径の心厚部(ウェブ)が形成されることになる。
また、この切屑排出溝6は、そのドリル回転方向T後方側にあって上記壁面7を形成する主溝部10と、この主溝部10のドリル回転方向T前方側に連なって切屑排出溝6のドリル回転方向T後方側を向く壁面11を形成する副溝部12とから構成されている。ここで、主溝部10は刃先部3の先端から上記段部4を越えて軸状部5におけるシャンク部2の手前にまで一定の捩れ角θで延設されているのに対し、副溝部12は主溝部10と等しい捩れ角θで捩れつつ、上記段部4よりも先端側で刃先部3の外周側に切り上げられるようにして、軸状部5には至らないように形成されており、この副溝部12と上記段部4との間には図4に示すような刃先部3の先端側の外径と同径の外径を有する壁部13が残されることになる。
このような切屑排出溝6は、主溝部10と副溝部12とを別工程で、それぞれ円盤状の砥石の外周を切屑排出溝6の捩れに沿わせるようにして刃先部3の外周に切り込ませつつ、ドリル本体1を上記捩れ角θに合わせて軸線O回りに回転させながら該軸線O方向に送り出すことにより形成されるが、このとき本実施形態では副溝部12を形成する際に、砥石が上記段部4に至る手前で砥石を相対的に外周側に離間させて上述のように副溝部12を切り上げることにより、該副溝部12のドリル回転方向T後方側の壁面14が砥石の外径を転写した半径の大きな曲面状、もしくは略平面状に形成される。そして、この壁面14と主溝部10の上記壁面7との交差稜線部には、リブ状部15が形成されている。
すなわち、このリブ状部15は、本実施形態では図2に示すように、主溝部10の壁面7と副溝部12の壁面11との間の切屑排出溝6の底面において、上記壁面7が刃先部3の外周から内周側に延びて、この内周側で凹曲線状をなして切れ上がった部分と、上記壁面14との交差稜線部が外周側に凸となるように形成されたものであって、刃先部3の先端から後端側に向けて、図4に示すように切屑排出溝6と同方向に捩れるようにして、やはり段部4よりも先端側まで延びて刃先部3の外周に切り上げられるように形成されている。なお、このリブ状部15を形成する上記壁面14よりもドリル回転方向T前方側の切屑排出溝6の底面は、図2に示すように軸線Oを中心とした略円筒面状をなし、副溝部12の上記壁面11と凹曲面を介して滑らかに連なるように形成されている。
一方、上記先端逃げ面8は、切刃9のドリル回転方向T後方側に連なる第1逃げ面8Aと、この第1逃げ面8Aのさらにドリル回転方向T後方側に連なり第1逃げ面8Aよりも逃げ角が大きくされた第2逃げ面8Bと、これら第1、第2逃げ面8A,8Bに対して軸線Oを挟んでそれぞれ反対側に配置された第3、第4逃げ面8C,8Dとから構成されている。これら第1〜第4逃げ面8A〜8Dは、いずれもその内周端が軸線O上に位置するとともに、この軸線Oから外周側に向かうに従いドリル本体1の後端側に向かうように傾斜させられており、第1、第2逃げ面8A,8Bの外周縁は上記切刃9の外径と等しい径まで延びている一方、第3、第4逃げ面8C,8Dは上記リブ状部15を含めて切屑排出溝6の底面に交差するようにされている。
さらに、上記正面視において第1、第2逃げ面8A,8Bの交差稜線16と第3、第4逃げ面8C,8Dの交差稜線17とは、該軸線Oと交差する一直線状とされるとともに、切刃9はこれらの交差稜線16,17と平行なやはり直線状に形成されている。従って、本実施形態ではこの切刃9は、第1逃げ面8Aの幅の分だけ軸線Oと交差する直線(交差稜線16)よりもドリル回転方向T前方側に位置させられることになり、いわゆる芯上がりに配置される。
また、周方向に隣接する第1、第4逃げ面8A,8Dの交差稜線と第2、第3逃げ面8B,8Cの交差稜線も、上記正面視において軸線Oと交差する一直線状に延びるように形成されており、これらの交差稜線は、図4に示すようにその軸線Oとの交差角が、互いに等しく鋭角をなし、かつ上記交差稜線16,17の交差角や切刃9の先端角よりも大きくされていて、チゼルエッジ18,19を構成している。ここで、これらのチゼルエッジ18,19は、互いの交差角は鈍角をなすとともに、上記正面視において切刃9の内周端で第1、第4逃げ面8A,8Dの交差稜線であるチゼルエッジ18が該切刃9と、本実施形態では約135°の鈍角に交差して軸線Oに達し、さらに第2、第3逃げ面8B,8Cの交差稜線であるチゼルエッジ19が軸線Oからチゼルエッジ19とは反対側に延長させられている。
そして、上記切屑排出溝6のドリル回転方向T後方側を向く上記壁面11は、上記第2逃げ面8Bにおいて先端逃げ面8と交差させられており、その交差稜線部Lが、上記正面視においてチゼルエッジ19の延長線Mからドリル回転方向T前方側に向けて、軸線Oに交差するとともに切刃9に対してドリル回転方向T後方側に60°の角度αで交差する直線Nまでの間に位置させられている。ここで、本実施形態では上記交差稜線部Lは、上記正面視において軸線Oに交差する方向に延びる直線状をなし、かつ切刃9に対してはドリル回転方向T後方側に90°の角度βで交差する方向に延びている。
また、上記リブ状部15は上記正面視において図2に示すように、先端逃げ面8の第4逃げ面8Dにおいて、チゼルエッジ18,19を挟んで第1、第2逃げ面8A,8Bとは反対側に向けて外周側に凸となるように形成されている。さらに、チゼルエッジ19は、上記角度βが90°であることから、その外周端が上記壁面11よりもドリル回転方向T後方側の切屑排出溝6の底面に達するように延長させられている。
このように構成されたドリルにおいては、まず切屑排出溝6が1条のみであって切刃9も1つであるにも関わらず、この切屑排出溝6が軸線Oを含まないように形成されていて、先端逃げ面8の軸線O周辺には第1〜第4逃げ面8A〜8Dが残されており、しかもこのうち第1、第4逃げ面8A,8Dの交差稜線と第2、第3逃げ面8B,8Cの交差稜線がチゼルエッジ18,19を構成して軸線Oと鋭角に交差することにより先端側に突き出す凸V字状とされているので、上述したプリント基板や金属部品、プラスチック等の被削材に1つの切刃9が食い付いても刃先部3の求心性や直進性を維持して振れが生じるのを防ぐことができる。
そして、さらに上記構成のドリルでは、上述のように切屑排出溝6のドリル回転方向T後方側を向く壁面11と先端逃げ面8との交差稜線部Lが、上記チゼルエッジ19の延長線Mよりもドリル回転方向T前方側に位置しているので、このチゼルエッジ19により被削材がむしり取られるようにして生成される切屑を、先端逃げ面8の特に第2逃げ面8Bと加工された穴の穴底との間に滞留させて噛み込ませることなく、速やかに切屑排出溝6内に排出することができる。従って、このような切屑の噛み込みにより上述した刃先部3の求心性や直進2が損なわれて振れが生じたりすることも防止することができる。
その一方で、この切屑排出溝6の上記壁面11と先端逃げ面8との交差稜線部Lは、ドリル回転方向Tの前方側には、上記正面視において軸線Oに交差するとともに切刃9に対してドリル回転方向Tの後方側に60°の角度αで交差する直線Nまでの間に位置させられているので、切屑排出性を確保するために、必要以上に刃先部3の、特に切刃9のドリル回転方向T後方側の肉厚が削がれるのを防ぐことができる。従って、こうして刃先部3の剛性や切刃9の強度が損なわれるのを防ぐことによっても振れの発生を防止することができるので、上記構成のドリルによれば、上述の切屑の噛み込み防止効果とも相俟って求心性や直進性の向上を図ることができ、これらにより上述のような被削材に小径の深穴を形成する場合でも高精度の穴明け加工を行うことが可能となる。
また、本実施形態のドリルでは、切屑排出溝6の底面に、上述のように外周側に凸となるリブ状部15が刃先部3先端の先端逃げ面8から後端側に延びるように形成されている。従って、このリブ状部15によって刃先部3先端側の特に径方向への撓みに対する剛性を高めることができるので、一層の直進性の向上を図って精度の高い穴明け加工を促すことができる。
しかも、このリブ状部15は、先端逃げ面8において外周側に張り出した第1、第2逃げ面8A,8Bとは反対側に位置するように設けられており、また捩れ角θが等しい切屑排出溝6の主溝部10と副溝部12とが交差する部分に形成されているため、この切屑排出溝6の捩れに関わらず、第1、第2逃げ面8A,8Bの後端側に連なるランド部分との位置関係が、先端逃げ面8における第1、第2逃げ面8A,8Bとの上記位置を維持したまま延びることになるので、刃先部3先端側においてその全長に亙り効果的に剛性の向上を図ることができる。
さらに、このように主溝部10と副溝部12とが互いに等しい捩れ角θで捩れて切屑排出溝6を形成していることにより、本実施形態によれば、例えば切刃9に摩耗が生じたときに先端逃げ面8を再研磨することにより新たな切刃9を形成する場合でも、チゼルエッジ19の上記延長線Mや切刃9に角度αで交差する上記直線Nと、壁面11と先端逃げ面8との上記交差稜線部Lとの位置関係や、上記リブ状部15の位置も維持したままとすることができる。
また、副溝部12が切れ上がる手前までは、この副溝部12の深さも再研磨前と同じとすることができるので、こうして再研磨を施しても上述した良好な切屑排出性や高い剛性が損なわれることがない。従って、本実施形態によれば、ドリル本体1を有効に使用して長期に亙って高精度の穴明け加工を行うことが可能な経済的なドリルを提供することができる。
さらにまた、本実施形態では刃先部3の外周に、後端側の軸状部5に向けて外径が一段小さくなる段部4が設けられており、副溝部12はこの段部4よりも先端側で刃先部3外周に切り上げられており、この副溝部12の後端と段部4との間に、上述したように刃先部3先端側の外径と同径の外径を有する壁部13が残されている。従って、この壁部13によっても刃先部3先端側の肉厚の確保を図ることができ、この刃先部3の剛性をさらに高めて一層高い穴明け加工精度を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、この段部4よりも先端側において刃先部3の外径が一定とされて、この外径が切刃9の上記外径と等しくされているが、例えば切屑排出溝6のドリル回転方向T前方側を向く上記壁面7の外周縁に連なるようにして、刃先部3の先端外周部に切刃9の外径と等しい円筒面をなす帯状のマージン部を形成し、このマージン部以外の刃先部3先端外周部は内周側に一段後退するようにして逃げが与えられたものとしてもよい。また、刃先部3の先端側に段部4を形成してその前後で外径をそれぞれ一定とするのに代えて、刃先部3の少なくとも先端側で後端側に向かうに従い漸次外径が小さくなるようにした、バックテーパタイプのドリルに本発明を適用してもよい。
次に、上記実施形態に基づいた本発明に係るドリルを実施例とし、また特許文献1に記載されたドリルのうち、副溝部が形成されて切屑排出溝により刃先部先端側が大きく切り欠かれたドリルを比較例として、厚さ0.8mmのFR−4基板を4枚重ねた被削材にLE400の当板を当てて、ドリル回転数200000min−1、送り量3.0m/minでステップ送りはせずに穴明け加工試験を行い、ドリルが基板を抜けた位置についてのねらい位置とのズレ量を、試験スタートから500穴(ヒット)毎に区分けして3000穴まで計測した。
ここで、これらの実施例および従来例では、いずれも上述したアンダーカットタイプのドリルとされ、切刃の外径は0.25mm、先端角は120°、刃先部先端の切刃の外周端から段部までの長さは0.6mm、切屑排出溝の捩れ角は40°とされており、実施例において第1、第2逃げ面8A,8Bの逃げ角はそれぞれ10°、35°であって、チゼルエッジ19に対する第3、第4の逃げ面8C,8Dの逃げ角は、チゼルエッジ18に対するこれら第1、第2逃げ面8A,8Bの逃げ角と等しくされている。また、比較例においても先端逃げ面は周方向に隣接する4つの逃げ面によって構成されており、これらを実施例と同様に切刃からドリル回転方向後方側に向けて順に第1〜第4逃げ面とすると、その逃げ角は実施例と等しくされている。
ただし、軸線方向先端側から見た正面視において、切屑排出溝のドリル回転方向後方側を向く壁面と先端逃げ面との交差稜線部は、実施例では上述のように切刃に対してドリル回転方向後方側に90°の角度βで交差する方向に延びているのに対し、比較例ではこの角度βが45°と、60°の角度αをなす直線Nよりも切刃側に位置させられていた。こうして計測した結果と実際の基板を抜けた位置をプロットした結果とを、本発明の実施例による穴明け加工試験については図5に、比較例による穴明け加工試験については図6にそれぞれ示す。なお、目標の穴位置はX,Y=0を中心とした半径50μmの範囲内である。
しかして、これら図5および図6の結果より、比較例のドリルでは1500穴までは平均値、最大ズレ量ともに目標穴位置に収まっているものの、穴数が増えるに従いズレが大きくなる傾向にあり、1501穴以降では目標穴位置を越えて穴加工精度が大きく損なわれていることが判る。これに対して、本発明に係る実施例のドリルでは、試験スタートから比較例に対してズレ量の平均値や最大穴位置ズレ量が小さく、また比較例と同様に加工穴数が増えるに従ってズレ量も大きくなる傾向は認められるものの、その増大の割合は小さくて、3000穴加工時でも目標の穴位置の範囲を超えることはなかった。
本発明の一実施形態を示す側面図(図における矢線X方向視の側面図)である。 図1に示す実施形態を軸線O方向先端側から見た拡大正面図である。 図2における矢線Y方向視の側面図である。 図2における矢線Z方向視の側面図である。 本発明に係わる実施例による穴明け加工試験結果を示す図である。 図5に示す実施例に対する比較例による穴明け加工試験結果を示す図である。
符号の説明
1 ドリル本体
3 刃先部
4 段部
6 切屑排出溝
7 切屑排出溝6のドリル回転方向T前方側を向く壁面
8 先端逃げ面
8A〜8D 第1〜第4逃げ面
9 切刃
10 主溝部
11 切屑排出溝6のドリル回転方向T後方側を向く壁面
12 副溝部
15 リブ状部
18,19 チゼルエッジ
O ドリル本体1の回転軸線
T ドリル本体1の回転方向
L 切屑排出溝6のドリル回転方向T後方側を向く壁面11と先端逃げ面8との交差稜線部
M チゼルエッジ19の延長線
N 軸線Oに交差するとともに切刃9に対してドリル回転方向T後方側に60°の角度αで交差する直線

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転されるドリル本体先端側の刃先部の外周に、この刃先部の先端から後端側に向けて延びる切屑排出溝が1条のみ形成されており、この切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く壁面と上記刃先部の先端逃げ面との交差稜線部に切刃が形成されてなるドリルにおいて、
    上記軸線方向先端側から見て、上記切屑排出溝は上記軸線を含まないように形成されていて、上記先端逃げ面には、上記切刃の内周端から上記軸線に交差するように延びるチゼルエッジが形成されており、上記切屑排出溝のドリル回転方向後方側を向く壁面と上記先端逃げ面との交差稜線部が、上記チゼルエッジの延長線からドリル回転方向前方側に向けて、上記軸線に交差するとともに上記切刃に対して上記ドリル回転方向後方側に60°の角度で交差する直線までの間に位置させられていることを特徴とするドリル。
  2. 上記切屑排出溝のドリル回転方向前方側を向く壁面と後方側を向く壁面との間の該切屑排出溝の底面には、外周側に凸となるリブ状部が上記刃先部の先端から後端側に向けて延びるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 上記刃先部の外周には、後端側に向けて外径が一段小さくなる段部が形成されるとともに、上記切屑排出溝は、上記ドリル回転方向前方側を向く壁面を形成する主溝部と、この主溝部のドリル回転方向前方側に連なって上記ドリル回転方向後方側を向く壁面を形成する副溝部とから構成されており、この副溝部が上記段部よりも先端側で上記刃先部の外周に切り上げられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のドリル。
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