JP2009099028A - 視覚情報呈示装置及び視覚情報呈示方法 - Google Patents

視覚情報呈示装置及び視覚情報呈示方法 Download PDF

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政美 舟川
Soichiro Mori
壮一郎 森
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俊一 鎌田
Okiyoshi Nanbu
起可 南部
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Abstract

【課題】運転者に視覚情報を適切に提供する。
【解決手段】交点P(x,y)を中心として左右方向に距離D以上離間した2つの表示パターン画像G,Gを生成して表示する。このような処理によれば、より遠方の外界を見ている運転者には表示パターン画像Gの二重像と表示パターン画像Gの二重像が見え、運転者は4箇所において表示パターン画像を認識することになるので、例えば左右の表示パターン画像G,Gを接近対象物の方向(位置)を示す画像とすることにより、左側の表示パターン画像Gは右方向を示し、右側の表示パターン画像Gは左方向を示し、4つの表示パターン画像全体で1つの位置,方向,対象を指し示すことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の運転者の前方視界内に視覚情報を呈示することにより運転者の視線を外界の注視点に誘導する視覚情報呈示装置及び視覚情報呈示方法に関する。
従来より、乗員の視点(眼球位置)と外界の注視点とを結ぶ直線と表示画面との交点上に視覚情報を呈示することにより、運転者の視線を外界の注視点に誘導する装置が知られている(特許文献1,2参照)。
特開2005−98913号公報 特開2006−162442号公報
乗員の視点と外界の注視点とを結ぶ直線と表示画面との交点上に視覚情報を呈示した場合、乗員が注視点以外の所に視線を向けている時には、視覚情報は運転者の左目と右目とで視距離が異なる表示画面に表示されることになるので、運転者からは視覚情報は注視点方向を挟んで左右に並んで、いわゆる二重像として見えることになり、、運転者に視覚情報を適切に提供することができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者に視覚情報を適切に提供することにある。
本発明に係る視覚情報呈示装置及び視覚情報呈示方法は、パターン画像を呈示し、運転者が認識するパターン画像の二重像の組み合わせによって形成される新たなパターン画像により運転者の視点を外界の注視点に誘導する。
本発明に係る視覚情報呈示装置及び視覚情報呈示方法によれば、二重像の形成を前提として視覚情報を表示するので、二重像の形成によって生じる不具合がなく、運転者に視覚情報を適切に提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる視覚情報呈示装置の構成及び動作について説明する。
〔視覚情報呈示装置の全体構成〕
本発明の実施形態となる視覚情報呈示装置1は、車両に設けられ、図1に示すように、運転者視点検出部2と、接近対象物検出部3と、表示位置計算部4と、表示パターン生成部5と、表示部6とを主な構成要素として備え、フロントウインドガラスの内側表面に接近対象物の位置を表示することにより接近対象物の位置を運転者に認識させて運転者自らの安全行動(停車,減速,回避等)を促す。
運転者視点検出部2は、運転者の左右の目の眼球位置E,Eを運転者の視点位置として推定して表示位置計算部4に出力する。具体的には、運転者視点検出部2は、運転者として標準的な体形を有する運転者を設定し、設定された運転者の眼の位置を任意の固定値として出力することにより、運転者の視点位置を推定する。運転者視点検出部2は、運転席の位置とミラーの角度を検出し、運転席のシートセット位置及びミラーの角度と運転者の左右の目の眼球位置E,Eの対応関係を示すテーブルデータの中から検出された運転席のシートセット位置及びミラー(サイドミラーとルームミラーの少なくとも一方)の角度に対応する運転者の左右の目の眼球位置E,Eを検索することにより運転者の視点位置を推定してもよい。また運転者視点検出部2は、運転者の顔画像を撮像,解析することにより運転者の指定位置を推定してもよい。
接近対象物検出部3は、レーザーレーダーやカメラ等の公知の接近対象物検出装置により構成され、自車両に接近する他車両,障害物,歩行者等の接近対象物の方向や大きさを検出して表示位置計算部4に出力する。表示位置計算部4と表示パターン生成部5は、CPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置により構成され、詳しくは後述するが、表示部6を制御することによりフロントウインドガラスの内側表面に接近対象物の位置を表示する。
表示部6は、車両のフロントダッシュボード内部に設けられ、フロントウインドガラスの内側表面に向けて視覚情報としての映像を出力する。表示部6から出力された映像は運転者の眼球位置方向に向けて反射され、運転者は映像を視認する。このように表示部6は所謂ヘッドアップディスプレイ装置により構成され、運転者の前方視界には視覚情報としての映像が重畳表示される。
〔視覚情報呈示処理〕
このような構成を有する視覚情報呈示装置1は、以下に示す視覚情報呈示処理を実行することにより、フロントウインドガラスの内側表面に接近対象物の位置を表示する。以下、図2に示すフローチャートを参照して、この視覚情報呈示処理を実行する際の視覚情報呈示装置1の動作について詳しく説明する。
図2に示すフローチャートは、接近対象物検出部3により接近対象物が検出されたタイミングで開始となり、視覚情報呈示処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、運転者視点検出部2が、運転者の視点位置O(左右の目の眼球位置E,Eの中点)を推定して表示位置計算部4に出力する。これにより、ステップS1の処理は完了し、視覚情報呈示処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、表示位置計算部4が、運転者の視点位置Oと接近対象物の位置P(x,y)を結ぶ直線とフロントウインドガラスの内側表面(表示画面)との交点の位置P(x,y)を算出する。これにより、ステップS2の処理は完了し、視覚情報呈示処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、表示位置計算部4が、図3に示すように、運転者の視点位置Oからフロントウインドガラスの内側表面までの水平方向(x方向)距離ddisplay、運転者の視点位置Oから位置P(x,y)までの水平方向距離dgazeを算出する。これにより、ステップS3の処理は完了し、視覚情報呈示処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、表示パターン生成部5が、以下の数式2,3を用いて水平方向距離ddisplay,dgazeから距離Dを算出し、図3に示すように、交点P(x,y)を中心として左右方向(y方向)に距離D以上離間した2つの表示パターン画像G,Gを生成する。これにより、ステップS4の処理は完了し、視覚情報呈示処理はステップS4の処理に進む。
ステップS5の処理では、表示部6が、ステップS4の処理により生成された2つの表示パターン画像G,Gを表示出力する。これにより、ステップS5の処理は完了し、一連の視覚情報呈示処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となる視覚情報呈示装置1では、表示パターン生成部5が交点P(x,y)を中心として左右方向に距離D以上離間した2つの表示パターン画像G,Gを生成して表示する。このような処理によれば、より遠方の外界を見ている運転者には表示パターン画像Gの二重像と表示パターン画像Gの二重像が見え、運転者は4箇所において表示パターン画像を認識することになる。従って、例えば左右の表示パターン画像G,Gを図4に示すように接近対象物の方向(位置)を示す画像とすることにより、左側の表示パターン画像Gは右方向を示し、右側の表示パターン画像Gは左方向を示し、4つの表示パターン画像全体で1つの位置,方向,対象を指し示す。
これにより、表示パターン画像G,Gに運転者の視線を移動させることなく二重像を利用して接近対象物の位置を運転者に認識させることができる。また表示パターン画像は、水平方向に分散して存在するので、外界を見る方向に対して注視点位置が大きくずれている場合であっても、運転者の注意を確実に注視点位置方向に向けることができる。すなわち本発明の実施形態となる視覚情報呈示装置1は、二重像の形成を前提として視覚情報を表示するので、二重像の形成によって生じる不具合がなく、運転者に視覚情報を適切に提供することができる。また、運転者の視線を正確、且つ、短時間に注視点位置に誘導することができる。
表示パターン生成部5は、2つの表示パターン画像G,G間の距離を距離Dに接近対象物の水平方向の大きさの半分の値を加えた値にしてもよい。このような処理によれば、4つの二重視画像のうちの中心の2つの二重視画像により接近対象物を左右から挟み込むことができるので、運転者は接近対象物の位置をより直感的に認識することができる。また2つの表示パターン画像G,G間の距離を距離Dとした場合には、図3に示すように2つの二重視画像が重なることによって運転者は3箇所R1,R2,R3において画像を認識するようになり、2つの二重視画像が重なった位置には図5に示すように新たなパターン画像が生成される。従って、運転者は、新たなパターン画像の位置に基づいて表示パターン画像G,Gに運転者の視線を移動させることなく二重像を利用して接近対象物の位置を認識することができる。
本実施形態では、2つの表示パターン画像G,Gの垂直方向の位置を同じであるとしたが、2つの表示パターン画像G,Gを接近対象物に重ならないようにするために、表示パターン画像の垂直方向の位置を接近対象物に対し接近対象物の垂直方向の大きさの半分の値以上ずらしてもよい。また本実施形態では、交点P(x,y)を中心として左右方向に距離D以上離間した2つの表示パターン画像G,Gを表示したが、交点P(x,y)を中心とする左右方向の大きさがD以上である表示パターン画像を1つ表示するようにしてもよい。
このような処理によれば、表示パターン画像は図6に示すように二重視によって重なって運転者に認識される。従って、表示パターン画像の重なりの大きさが接近対象物の大きさ以上になった場合、重なり部分が接近対象物全体を囲むことにより、運転者に接近対象物の位置を認識させることができる。またこの場合、表示パターン画像の左右方向の大きさを増減させてもよい。このような処理によれば、表示パターン画像の運動及び運動に伴う重なりの大きさの変化によって、外界を見る方向に対して注視点位置が大きくずれている場合であっても、運転者の注意を確実に注視点位置方向に向けることができる。
例えば左側の表示パターン画像Gは右方向へ、右側の表示パターン画像Gは左方向へといった具合に、距離D以上の範囲内で2つの表示パターン画像G,G間の距離を増減させてもよい。このような処理によれば、運転者の視線をより効果的に注視点位置方向に誘導することができ、緊急性や重要性が高い場合により確実に運転者に注視点位置を認識させることができる。距離Dは、運転者の視点位置から表示画面までの距離と運転者の視点位置から注視点位置までの距離によって変化するが、人間の両眼間の距離の平均値(6〜6.5cm)に固定してもよい。このような処理によれば、視覚情報呈示装置1の処理負荷を軽減することができる。
2つの表示パターン画像G,Gが低時空間周波数の表示パターンであってもよい。本明細書中において、低時空周波数の表示パターンとは、空間的に鮮鋭なエッジを含まないぼやけた表示パターンを意味し、時空間的にローパスフィルタリング処理することにより得られる。より具体的には、低時空間周波数の表示パターンとは、1[サイクル/度]以上の高空間周波数成分(エッジ)が排除されたガウシアン関数とサイン関数の積により記述される輝度変調プロファイルを有し、且つ、サイン関数成分が作り出す縞パターンが表示パターン全体の向きと同方向に時間周波数10[Hz]以下の速度で動作する表示パターンを意味する。2つの表示パターン画像G,Gを低時空間周波数の表示パターンにすることにより、運転者の焦点調節の具合や視野部位の違いによって表示パターン画像の見え方が変化せず、運転者の視線が表示パターン画像の方向に誘導されることを抑制できる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
本発明の実施形態の視覚情報呈示装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の視覚情報呈示処理の流れを示すフローチャート図である。 2つの表示パターン画像G,Gにより形成される二重像を説明するための図である。 2つの表示パターン画像により形成される二重像の一例を示す図である。 2つの表示パターン画像間の距離を距離Dとした場合に形成される新たなパターン画像の一例を示す図である。 左右方向の大きさがD以上である表示パターン画像により形成される二重像の一例を示す図である。
符号の説明
1:視覚情報呈示装置
2:運転者視点検出部
3:接近対象物検出部
4:表示位置計算部
5:表示パターン生成部
6:表示部

Claims (10)

  1. 車両の運転者の前方視界内に視覚情報を呈示することにより運転者の視線を外界の注視点に誘導する視覚情報呈示装置であって、パターン画像を呈示し、運転者が認識する当該パターン画像の二重像の組み合わせによって形成される新たなパターン画像により運転者の視点を外界の注視点に誘導する制御手段を備えることを特徴とする視覚情報呈示装置。
  2. 請求項1に記載の視覚情報呈示装置において、前記制御手段は車両の左右方向に所定距離以上離間しした二つのパターン画像を呈示することを特徴とする視覚情報呈示装置。
  3. 請求項2に記載の視覚情報呈示装置において、前記二つのパターン画像は注視方向を指し示す画像であることを特徴とする視覚情報呈示装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の視覚情報呈示装置において、前記制御手段は前記所定距離以上の範囲内で二つのパターン画像間の距離を増減させることを特徴とする視覚情報呈示装置。
  5. 請求項1に記載の視覚情報呈示装置において、前記制御手段は車両の左右方向の大きさが所定距離以上のパターン画像を呈示することを特徴とする視覚情報呈示装置。
  6. 請求項5に記載の視覚情報呈示装置において、前記制御手段は前記パターン画像の左右方向の大きさを増減させることを特徴とする視覚情報呈示装置。
  7. 請求項2乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の視覚情報呈示装置において、前記所定距離は、前記運転者の視点から表示画面までの距離をddisplay、運転者の視点から前記注視点までの距離をdgazeと表す時、以下の数式1で表される値Dであることを特徴とする視覚情報呈示装置。
  8. 請求項2乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の視覚情報呈示装置において、前記所定距離は人間の両眼間の距離の平均値であることを特徴とする視覚情報呈示装置。
  9. 請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載の視覚情報呈示装置において、前記パターン画像が低時空間周波数のパターン画像であることを特徴とする視覚情報呈示装置。
  10. 車両の運転者の前方視界内に視覚情報を呈示することにより運転者の視線を外界の注視点に誘導する視覚情報呈示方法であって、パターン画像を呈示し、運転者が認識する当該パターン画像の二重像の組み合わせによって形成される新たなパターン画像により運転者の視点を外界の注視点に誘導することを特徴とする視覚情報呈示方法。
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