JP2009097667A - 等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力伝達性能や耐久性を損なうことなくその作動角を十分に大きくすることができる等速自在継手を提供する。
【解決手段】筒状に形成されるとともに内周側に軸線方向に延在するローラガイド部13が設けられた外側継手部材1と、外側継手部材1内に挿入される一端部にその半径方向に突出する複数のローラ支持軸23を周方向等間隔に有する内側継手部材2と、複数のローラ支持軸23のそれぞれに回転自在に支持されるとともに、外側継手部材1のローラガイド部13により外側継手部材1の軸線と平行な方向に案内される複数のローラ24と、を備えた等速自在継手において、複数のローラ24を、複数のローラ支持軸23の基端側から突出端側に向かって、それらローラ24がローラガイド部13によって案内される案内高さの範囲内に付勢する付勢手段30が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、等速自在継手、特に筒状の外側継手部材内に複数のローラ支持軸付の内側継手部材を挿入する等速自在継手に関する。
回転動力を伝達する自在継手の1つに、駆動側の回転軸と被駆動側の回転軸との軸線が互いに交差しても、駆動側の回転軸から被駆動側の回転軸に等速回転伝達可能で、両回転軸の軸線が互いに交差するのを許容し得る等速自在継手があり、例えば車両用のドライブシャフトのジョイント部として使用されている。また、この等速自在継手として、カップ状の外側継手部材内にその半径方向に突出するローラ支持軸付の内側継手部材を挿入し、ローラを介して外側継手部材と内側継手部材を回転方向一体にかつ軸交差可能に結合するトリポード型の等速自在継手が知られている。
従来、この種の等速軸継手としては、例えば3つのローラをトリポード部材の3つのローラ支持軸(当該公報中では脚軸)に対してそれぞれ首振り揺動自在に支持させるとともに、ローラが外側継手部材のローラガイド溝に沿って外側継手部材の軸線方向に移動できるように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、外側継手部材とその内方に挿入されるトリポード部を有する内側継手部材との間に介装された蛇腹状のダストブーツの基端部に高剛性の支持筒を嵌め付け、等速自在継手の作動角(ジョイント角ともいう)、すなわち、外側継手部材と内側継手部材の軸線の交差角度が大きくなっていずれかのローラが外側継手部材のローラガイドから離脱し得る位置近傍に移動するときに、前記支持筒によりそのローラの移動を規制してローラの脱落を防止するとともに、ダストブーツの損傷を防止するようにしたもの(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開2003−97589号公報 特開2007−64407号公報
しかしながら、ローラをトリポード部材のローラ支持軸に対し首振り揺動自在に支持させる従来の等速自在継手にあっては、その等速自在継手の作動角が大きいとき、扁平化されたローラ支持軸の先端部が部分的にローラ内に挿入される状態になるため、作動角を十分に大きくすることができないという問題があった。さらに、内側継手部材が外側継手部材の最奥部まで挿入された状態で等速自在継手の作動角を十分に大きくしたい場合、外側継手部材の開口端部を面取りする必要があるが、そのような場合には、ローラがローラ支持軸の扁平化した先端部で支持された状態で動力伝達がなされることになり、十分なローラ支持剛性が得られないという問題があった。
また、高剛性の支持筒によってローラが外側継手部材のローラガイドから離脱するのを規制するようにした従来の等速自在継手にあっては、ローラの転動面を損傷し易く、耐久性を損なうという問題があった。
一方、駆動側と被駆動側のジオメトリ変化に十分に対応すべく、大きな作動角を確保するよう外側継手部材の開口端部の内周側を面取りすることが考えられるが、そのようにした場合、上述のいずれの従来例にあっても、作動角が大きいときには外側継手部材のローラガイド溝内で最も開口端側に位置するローラが、ローラガイド溝の両側壁によって抱え込まれるガイド状態から離脱し得る状態となってしまう。そのため、例えば高回転時や高負荷時のような遠心力や摩擦力が得られなくなる低速での段差乗り越えのような低負荷・低回転での使用時には、ローラに働く遠心力や摩擦力よりもローラの自重が上回って、ローラがトリポード部材のローラ支持軸の基端部(根元)側に動き、その状態で作動角が小さくなると、ローラガイド溝から離脱したローラがローラガイド溝にスムーズに再係合できなくなり、ローラを傷つけ易くなるという問題が生じてしまう。
したがって、従来の等速自在継手にあっては、ローラをローラガイド溝内に保持できる範囲内に作動角が制限されてしまうという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、動力伝達性能や耐久性を損なうことなくその作動角を十分に大きくすることができる等速自在継手を提供することを目的とする。
本発明に係る等速自在継手は、上記目的達成のため、(1)筒状に形成されるとともに内周側に軸線方向に延在するローラガイド部が設けられた外側継手部材と、前記外側継手部材内に挿入される一端部にその半径方向に突出する複数のローラ支持軸を周方向等間隔に有する内側継手部材と、前記複数のローラ支持軸のそれぞれに回転自在に支持されるとともに、前記外側継手部材のローラガイド部により前記外側継手部材の軸線と平行な方向に案内される複数のローラと、を備えた等速自在継手において、前記複数のローラを、前記複数のローラ支持軸の基端側から突出端側に向かって、該ローラが前記ローラガイド部によって案内される案内高さの範囲内に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする。
この構成により、等速自在継手の作動角が大きくなって複数のローラのうちいずれかのローラがローラガイド部から離脱したとしても、そのローラが案内高さの範囲内に付勢されているので、ローラが案内高さの範囲から外れることが防止される。したがって、外側継手部材の開口端部の内周側を大きな面取り形状としたような場合でも、ローラをローラガイド部に安定して係合および離脱させることができるようになる。
上記(1)記載の構成を有する等速自在継手においては、(2)前記付勢手段が、前記複数のローラと前記内側継手部材との間に配置された少なくとも1つの弾性部材により構成されているのが好ましい。
この構成により、付勢手段が簡素に構成できる。なお、1つの弾性部材によって全ローラを付勢する場合には、弾性部材が全ローラ支持軸に近接する大きな環状となるが、1つの弾性部材によって1つのローラを付勢する場合には、弾性部材の形状は特に限定されない。
上記(2)記載の構成を有する等速自在継手においては、(3)前記弾性部材が前記複数のローラ支持軸の基端部を取り囲む複数の環状弾性部材で構成されているのがより好ましい。
この構成により、環状弾性部材をローラ支持軸で保持することでき、各環状弾性部材が低硬度のゴムのような低弾性のものであっても、1つのローラをガイド高さの範囲内に付勢するのに十分な付勢力が発生できる。
上記(1)〜(3)記載の構成を有する等速自在継手においては、(4)前記付勢手段が、前記複数のローラのそれぞれを該ローラの自重より大きな付勢力で前記案内高さの範囲内に付勢するのが好ましい。
この構成により、低負荷・低回転で作動角が大きくなってローラがローラガイド部から離脱し、自重によってローラ支持軸の基端側に移動するような場合に、ローラが案内高さの範囲から外れることが確実に防止され、しかも、付勢力が小さくて済む。
上記(1)ないし(4)記載の構成を有する等速自在継手においては、(5)前記外側継手部材と前記内側継手部材との軸交差角が増加して前記複数のローラのうちいずれかが前記ローラガイド部から離脱するとき、該いずれかのローラが前記案内高さの範囲内のうち前記ローラガイド部との再係合が可能な高さの範囲内に付勢されるように、前記付勢手段による前記複数のローラの付勢高さが設定されているのがよい。
この構成により、外側継手部材の開口部の内周側が大きく面取りされる場合のように、大きな作動角が設定できるものの、ローラがローラガイド部から離脱し易い構成となる場合に、ローラガイド部から離脱したローラを何ら傷つけることなくローラガイド部に再係合させることができ、従来のように作動角が制限されることがない。
上記(2)または(3)記載の構成を有する等速自在継手は、好ましくは、(6)前記弾性部材が、前記ローラ支持軸の軸方向における前記弾性部材の高さの範囲内に空間を形成し、前記複数のローラが前記ローラガイド部によって案内された状態で前記外側継手部材と前記内側継手部材とが互いの軸線を交差させるとき、前記弾性部材が、前記空間を変形させつつ弾性変形するようにしたものである。
この構成により、弾性部材がその高さの範囲内の空間を変形させつつ弾性変形および弾性回復することになり、小さい付勢力を発生し得る弾性部材が容易に実現できる。
上記(2)、(3)または(6)記載の構成を有する等速自在継手においては、(7)前記複数のローラと前記複数のローラ支持軸との間にそれぞれニードル軸受が介装されるとともに、前記ローラ支持軸の基端側で前記ニードル軸受の内端部に係合する環状のリテーナが設けられ、前記リテーナと前記弾性部材が一体に結合されているのが好ましい。
この構成により、ニードル軸受の内端部の支持を行うリテーナ機能を持ち、しかも、弾性部材がニードル軸受と干渉することを確実に防止できる。
上記(7)記載の構成を有する等速自在継手においては、(8)前記リテーナが、前記ローラ支持軸の軸方向で前記弾性部材と前記ニードル軸受の内端部との間に位置するのが好ましい。
この構成により、ローラのみならず、ニードル軸受が自重によりローラ支持軸の基端側に移動するのを確実に防止できる。
上記(1)記載の構成を有する等速自在継手においては、(9)前記付勢手段が、前記外側継手部材に設けられた磁石部で構成されていてもよい。
この構成により、付勢手段が簡素に構成できる。なお、1つの磁石部によって全ローラを付勢する場合には、その磁石部が外側継手部材の全周に及ぶ環状となるが、1つの磁石部によって1つのローラを付勢する場合には、複数の磁石部が外側継手部材の周方向等間隔に離間するように配置されてもよい。さらに、ローラ側の磁石部と内側継手部材側の磁石部を逆極性として反発させるようにし、ローラがローラガイド部による案内高さの範囲から外れる程度にローラ支持軸の基端側に移動したときには、その磁石の反発力によってローラを案内高さの範囲内に付勢することもできる。
本発明によれば、付勢手段によってローラをローラガイド部による案内高さの範囲内に付勢するようにしているので、複数のローラのうちいずれかのローラがローラガイド部から離脱し得るほど等速自在継手の作動角を大きく設定しても、ローラをローラガイド部に対して安定して係合および離脱させることができ、動力伝達性能や耐久性を損なうことなくその作動角を十分に大きくすることができる等速自在継手を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る等速自在継手の概略構成を示す縦断面図であり、車両用のドライブシャフトのジョイント部として使用される等速自在継手を例示している。また、図2は、その第1の実施の形態に係る等速自在継手の概略構成を示す横断面図である。
まず、構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の等速自在継手は、例えば図示しないパワーユニット側、すなわち、駆動側の回転軸に連結される外側継手部材1と、駆動車輪側となる被駆動側の回転軸に連結される内側継手部材2と、を備えている。
外側継手部材1は、略有底筒状に形成されることにより開口端部11aを有するカップ部11と、このカップ部11の底部11bに一体に結合された円柱状の軸部12とによって構成されており、その軸部12が前記駆動側の回転軸に連結されるようになっている。また、カップ部11の内周側にはその軸線方向に延在する複数列の凹凸を有するローラガイド部13が設けられている。
内側継手部材2は、前記被駆動側の回転軸に連結される軸部21と、外側継手部材1内に挿入されるその軸部21の一端部21a側に装着されたトリポード部材22とを有している。トリポード部材22は、軸部21の一端部21aにセレーション結合等により回転方向一体に結合された環状部22aと、この環状部22aから放射外方に突出する複数、例えば3つのローラ支持軸23とによって構成されており、ローラ支持軸23は周方向等間隔に、図示例では120°の等角度間隔で設けられている。そして、複数のローラ支持軸23には、それぞれニードル軸受25を介して複数のローラ24が回転自在に支持されている。
具体的には、外側継手部材1のローラガイド部13には、例えばカップ部11の内方に向かって凹状となる互いに平行な3つの略U字形断面のローラガイド溝14が、周方向等間隔に形成されており、これら3つのローラガイド溝の間に3つの平行な突条部15が形成されている。
図2に示すように、ローラガイド溝14は、略U字形断面の両側縁部14aで最小の溝幅となるように、その両側縁部14a間の最小幅w1が内奥側の対向する凹状の両側壁面14b間の最大幅w2よりも狭くなっている。一方、ローラガイド溝14を有するローラガイド部13によってカップ部11の軸線方向に案内されるローラ24は、その外周面が外側に凸となる略円弧状に湾曲しており、その最大径dがローラガイド溝14の両側縁部14a間の最小幅w1より大きく、かつ、内奥側の両側壁面14b間の最大幅w2より小さくなっている。すなわち、ローラガイド溝14の両側縁部14a間の最小幅w1<ローラ24の最大径d<ローラガイド溝14の内奥側の両側壁面14b間の最大幅w2の関係が成立するように、ローラガイド溝14およびローラ24の形状設定がなされている。
これにより、複数のローラ24は、外側継手部材1のローラガイド部13により外側継手部材1のカップ部11の軸線と平行な方向に案内され、外側継手部材1と内側継手部材2のトリポード部材22を回転方向一体にかつ図1に示すように互いの軸線を交差させることができるように結合している。なお、以下の説明において、外側継手部材1の回転中心軸線と内側継手部材2の回転中心軸線とが交差するときに両軸線がなす交差角を、作動角という。
また、本実施形態においては、外側継手部材1と内側継手部材2との交差角である作動角を大きく設定できるように、内側継手部材2のトリポード部材22が外側継手部材1のカップ部11の最内奥部に位置するときに、その最大の作動角で傾斜する内側継手部材2の軸部21と外側継手部材1のカップ部11との干渉をさけるための比較的大きな切欠きによる逃げ形状を有しており、その逃げ形状が、例えばローラガイド部13の複数の突条部15の開口端部11aの内周側をカップ部11の軸線と鋭角をなして交差するテーパ状にカットした面取り部分15a(図1参照)となっている。
したがって、図1から図3に示すように、複数のローラガイド溝14は、外側継手部材1のカップ部11の開口端部11a側で最小幅w1の両側縁部14aを有しない不完全ガイド溝部14cとなっており、ローラ24がこの不完全ガイド溝部14cの範囲にまで移動したときには、ローラ24がローラガイド溝14により一定の案内高さの範囲内に拘束される状態が解けるようになっている。
なお、ここにいう一定の案内高さの範囲とは、上述のように、両側縁部14a間の最小幅w1が内奥側の対向する凹状の両側壁面14b間の最大幅w2よりも狭くなるように形状設定されたローラガイド溝14内において、最大径dがローラガイド溝14の両側縁部14a間の最小幅w1より大きく、内奥側の両側壁面14b間の最大幅w2よりも小さくなるように形状設定されたローラ24が、ローラ支持軸23の軸方向に移動し得る範囲に相当するものである。また、ローラガイド溝14により一定の案内高さの範囲内に拘束される状態が解けた場合、そのままであれば、図3中に仮想線で示すように、ローラ24はローラガイド部13から離脱し得る状態となる。
一方、本実施形態においては、ローラ24が不完全ガイド溝部14cの範囲にまで移動し得ることに対して、複数のローラ24を、複数のローラ支持軸23の基端側から突出端側に向かって、それらローラ24がローラガイド部13によって案内される案内高さの範囲内に付勢する付勢手段30が設けられている。この付勢手段30は、例えば複数のローラ24と内側継手部材2との間に配置された少なくとも1つの弾性部材31により構成されている。
具体的には、付勢手段30は、図2および図4に示すように、例えば複数のローラ支持軸23の基端部23aをそれぞれ取り囲む複数の環状弾性部材31によって構成されており、これら複数の環状弾性部材31は、それぞれ同一のローラ支持軸23に装着されたローラ24をその自重より大きな付勢力で前記案内高さの範囲内に付勢するようになっている。また、本実施形態においては、ローラ24が前記案内高さの範囲内のうちローラガイド部13との再係合が可能な高さの範囲内に付勢されるように付勢手段30による複数のローラ24の付勢高さが設定されている。
図4に示すように、各環状弾性部材31は、また、ローラ支持軸23の軸方向におけるその環状弾性部材31の高さhの範囲内に空間31aを形成する中空断面形状をなしており、それによって環状弾性部材31を形成する弾性材料の弾性係数に対し、環状弾性部材31全体としては比較的柔軟な弾性リングとなっている。
この環状弾性部材31は、ローラ24が自重によりローラ支持軸23の基端部23a側に移動しようとするときに、ローラ24の自重をわずかに上回る程度の比較的小さい反発力を発生する。また、複数のローラ24がローラガイド部13によって案内された状態で外側継手部材1と内側継手部材2とが互いの軸線を交差させるとき、特に、その交差角である作動角が予め設定された特定の作動角を超えるとき、環状弾性部材31がその空間31aを変形させつつ弾性変形するようになっている。
さらに、複数のローラ24と複数のローラ支持軸23との間にそれぞれニードル軸受25が介装されているので、環状弾性部材31の内周側上部にはローラ支持軸23の基端部23a側でニードル軸受25の内端部25aに係合する環状のリテーナ32が設けられている。このリテーナ32は、ローラ支持軸23の軸方向で環状弾性部材31とニードル軸受25の内端部25aとの間に位置するようにニードル軸受25のニードル径程度の幅を有し、その下面側で環状弾性部材31に接着されるかあるいは部分的に埋め込まれた状態で一体に結合されている。
なお、環状弾性部材31内の空間31aを、外部、すなわち大気側と連通させる連通孔を環状弾性部材31の外周部に形成することもできる。また、環状弾性部材31を外周側で大きく開口させたり、環状弾性部材31を外周側で開口する略U字形断面とすることもできる。また、リテーナ32は環状弾性部材31とは別の部品を環状弾性部材31に固着させるものとしたが、リテーナ32を硬質の膜状のものとして環状弾性部材31上に形成してもよい。また、図5に示すように、環状弾性部材31と同一材料で形成されてもよいし、図6に示すように、リテーナ32をその内周部でのみニードル軸受25に接触するように角度αだけ傾斜させ、摺動抵抗を抑えることもできる。さらに、環状弾性部材31の空間31aを無くした中実形状としてもよいことは勿論であるし、弾性材料からなる皿ばね形状にしてもよい。また、ニードル軸受の内端部をローラ支持軸23で受けるようにローラ支持軸23に段差を形成して、リテーナまたはそれに相当する部分を持たない環状弾性部材とすることもできる。
次に、作用を説明する。
上述のように構成された本実施形態の等速自在継手では、車体側と駆動車輪側との間に介在する図示しないサスペンションのジオメトリ変化等に伴って、外側継手部材1と内側継手部材2との軸方向相対位置が変化するとともに両者の軸交差角である作動角θ(図1参照)が増加し、複数のローラ24のうちいずれかがローラガイド部13の不完全ガイド溝部14cに達すると、そのローラ24がローラガイド部13から離脱し状態となる。
このとき、複数のローラ24のうちいずれかのローラ24がローラガイド部13から離脱したとしても、そのローラ24が案内高さの範囲内に付勢されているので、ローラ24がローラガイド部13による案内高さの範囲から外れることが防止される。したがって、外側継手部材1の開口端部11aの内周側を大きな面取り形状としているにもかかわらず、ローラ24をローラガイド部13に安定して離脱および再係合させることができる。
また、本実施形態では、付勢手段30が、複数のローラ24と内側継手部材2のトリポード部22との間に配置された弾性部材、特に、複数のローラ支持軸23の基端部23aを取り囲む複数の環状弾性部材31で構成されているので、付勢手段30が簡素に構成できるとともに、環状弾性部材31をローラ支持軸23で保持することができ、各環状弾性部材31が低硬度のゴムのような低弾性のものであっても、1つのローラ24をガイド高さの範囲内に付勢するのに十分な付勢力が発生できる。
また、付勢手段30が、複数のローラ24のそれぞれをそのローラ24の自重より大きな付勢力で案内高さの範囲内に付勢するので、低負荷・低回転での段差乗り越え時等に作動角が大きくなり、ローラ24がローラガイド部13から離脱して自重によってローラ支持軸23の基端部23a側に移動しようとするときに、環状弾性部材31からの付勢力が発生し、そのローラ24が案内高さの範囲から外れることが確実に防止される。しかも、環状弾性部材31の付勢力が小さくて済む。また、環状弾性部材31がその高さの範囲内の空間31aを変形させつつ弾性変形および弾性回復することから、小さい付勢力を発生し得る弾性部材が容易に実現できる。
さらに、いずれかのローラ24がローラガイド部13から離脱したとき、そのローラ24がローラガイド部13との再係合が可能な高さの範囲内に付勢されることから、外側継手部材1の開口端部11aの内周側が大きく面取りされて大きな作動角が設定され、ローラ24がローラガイド部13から離脱し易い構成となっていても、ローラガイド部13から離脱したローラ24を何ら傷つけることなくローラガイド部13に再係合させることができ、従来のような作動角の制限がない。
環状弾性部材31にニードル軸受25の内端部25aの支持を行うリテーナ32を一体に装着するので、その一体化したリングにより付勢手段の機能とリテーナ機能を持たせることができ、しかも、環状弾性部材31がニードル軸受25と干渉することを確実に防止できる。また、リテーナ32が、ローラ支持軸23の軸方向で環状弾性部材31とニードル軸受25の内端部25aとの間に位置するので、ローラ24のみならず、ニードル軸受25が自重によりローラ支持軸23の基端側に移動するのを確実に防止できる。
このように、本実施形態の等速自在継手によれば、付勢手段30によってローラ24をローラガイド部13による案内高さの範囲内に付勢するようにしているので、内側継手部材2の軸部21が外側継手部材1のカップ部11の開口端部11a側に移動した場合に複数のローラ24のうちいずれかのローラ24がローラガイド部13から離脱し得るほど等速自在継手の作動角を大きく設定しても、ローラ24をローラガイド部13に対し安定して係合(再係合)および離脱させることができる。
図7は、このような本実施形態の等速自在継手の作動範囲の拡大効果を説明する図である。この図7に示すように、内側継手部材2の軸部21の先端21aおよびトリポード部22が同図中の点aよりもカップ部11の開口端側にスライドした位置にあるときには、内側継手部材2の軸部21が外側継手部材1のカップ部11の開口端部11aによって揺動を制限されず、ローラ24とローラガイド部13の正常な係合範囲内で作動するが、内側継手部材2の軸部21の先端21aおよびトリポード部22が同図中の点aよりもカップ部11の内奥部11b側にスライドしたときには、内側継手部材2の軸部21が外側継手部材1のカップ部11の開口端部11aによって揺動を制限され、最大作動角が小さくなる。また、同図中の点aからカップ部11の内奥部11b側にスライドした作動点bまでは、内側継手部材2の軸部21の先端21aおよびトリポード部22のスライド位置がカップ部11の内奥側に変化するのに伴って最大作動角が徐々に小さくなるが、面取り部15aの存在によってある程度の最大作動角が確保される。同図中の点線cは、トリポード部がカップ開口側にスライドしたときにローラをローラガイド溝内に保持できる範囲内に作動角θが制限されていた従来の場合の作動範囲を示している。したがって、同図中に実線で示す本実施形態の場合、内側継手部材2の外側継手部材1内でのガイド方向スライド量に対する作動角θの範囲が、同図中のハッチング領域分だけ拡大されることになり、その結果、動力伝達性能や耐久性を損なうことなくその作動角θを十分に大きくすることができる等速自在継手を提供することができる。
なお、上述の実施形態においては、1つの環状弾性部材31によって1つのローラ24を付勢する構成であったが、1つの弾性部材によって全ローラ24を付勢することもできる。その場合には、その弾性部材が全ローラ支持軸23に近接する大きな環状となる。また、上述の実施形態のように1つの弾性部材によって1つのローラ24を付勢する場合には、弾性部材の形状は環状に限定されず、トリポード部材22側に複数のローラ24に軸方向内側から対向する複数の弾性部材を設けてもよい。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る等速自在継手の概略構成を示す縦断面図であり、図9は、第2の実施の形態に係る等速自在継手の概略構成を示すその要部の横断面図である。なお、本実施形態は、上述の実施形態と類似する構成を有するので、類似する構成については図1、2中の構成要素と同一の符号で示し、相違点について詳述する。
図8および図9に示すように、外側継手部材1は、略有底筒状に形成されることにより開口端部11aを有するカップ部11と、このカップ部11の底部11bに一体に結合された円柱状の軸部12とによって構成されており、その軸部12が前記駆動側の回転軸に連結されるようになっている。また、カップ部11の内周側にはその軸線方向に延在する複数列の凹凸を有するローラガイド部13が設けられている。このような構成については、上述の実施形態と同一であるが、本実施形態においては、カップ部11の開口端部11aの近傍に、ローラ24を磁力によって放射外方に付勢する付勢手段80が設けられている。この付勢手段80は、例えば環状の磁石部81を外側継手部材1に一体に設けたものである。この環状の磁石部81は、外側継手部材1のカップ部11を部分的に磁化させたものであってもよいし、磁化された別体の環状部材を外側継手部材1に固着させたものであってもよい。
本実施形態においても、外側継手部材1と内側継手部材2との軸方向相対位置が変化するとともに両者の軸交差角θが増加し、複数のローラ24のうちいずれかがローラガイド部13の不完全ガイド溝部14cに達すると、そのローラ24がローラガイド部13から離脱し状態となる。
このとき、複数のローラ24のうちいずれかのローラ24がローラガイド部13から離脱したとしても、図9に示すように、そのローラ24が付勢手段80によって案内高さの範囲内に付勢されているので、ローラ24がローラガイド部13による案内高さの範囲から外れることが防止される。
より具体的には、図10に示すように、ローラ24がローラガイド部13による案内高さの範囲から外れるとき、このローラ24には、重力mg(=質量m×重力加速度g)によってローラ軸方向23の軸方向に落下しようとする力mg・cosθが作用し、これをローラガイド部13で保持できなくなる。しかし、本実施形態では、付勢手段80からの付勢力である磁力Fの分力であるF・cosθによってmg・cosθの力が大幅に弱められるか、逆にローラ24が上昇側に向かう合力を受ける程度に付勢される。したがって、外側継手部材1の開口端部11aの内周側を大きな面取り形状としているにもかかわらず、ローラ24をローラガイド部13に安定して離脱および再係合させることができる。その結果、図7に示した上述の第1の実施の形態と同様に、本実施形態においても、内側継手部材2の外側継手部材1内でのガイド方向スライド量に対する作動角の範囲が拡大できることになり、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
なお、本実施形態では、環状の1つの磁石部81によって全ローラ24を放射外方に付勢するものとしたが、複数の磁石部を設け、その1つ1つの磁石部によって対応する1つのローラを外方側に付勢することもできる。
例えば、図11に示すように、ローラ24側に設けた磁石部91あるいは磁化させたローラ24と、内側継手部材2側に設けた磁石部92との磁極を、同じ極性(N極同士、またはS極同士)として互いに反発させるように構成し、ローラ24がローラガイド部13による案内高さの範囲から外れる程度にローラ支持軸23の基端部23a側に移動したときには、そのローラ24側の磁石部91と内側継手部材2側の磁石部92との反発力によってローラ24を案内高さの範囲内に付勢することもできる。
以上のように、本発明に係る等速自在継手は、付勢手段によってローラをローラガイド部による案内高さの範囲内に付勢するようにし、複数のローラのうちいずれかのローラがローラガイド部から離脱し得るほど等速自在継手の作動角を大きく設定しても、ローラをローラガイド部に対して安定して係合および離脱させることができるので、動力伝達性能や耐久性を損なうことなくその作動角を十分に大きくすることができる等速自在継手を提供することができるという効果を奏するものであり、等速自在継手、特に筒状の外側継手部材内にローラ支持軸付の内側継手部材を挿入する等速自在継手全般に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る等速自在継手の概略構成を示す縦断面図である。 第1の実施の形態に係る等速自在継手の概略構成を示す横断面図である。 第1の実施の形態に係る等速自在継手の、ローラがローラガイド溝の不完全領域に移動した状態を示すその横断面図である。 第1の実施の形態に係る等速自在継手のローラ近傍の部分拡大断面図である。 第1の実施の形態に係る等速自在継手の環状弾性部材の変形態様を示すローラ近傍の部分拡大断面図である。 第1の実施の形態に係る等速自在継手の環状弾性部材の他の変形態様を示すローラ近傍の部分拡大断面図である。 第1の実施の形態に係る等速自在継手の作動領域を説明する説明図で、縦軸は作動角θを、横軸は内側継手部材のスライド量を示している。 本発明の第2の実施の形態に係る等速自在継手の概略構成を示す縦断面図である。 第2の実施の形態に係る等速自在継手の、ローラがローラガイド溝の不完全領域に移動した状態を示すその横断面図である。 第2の実施の形態に係る等速自在継手のローラがローラガイドの不完全領域に移動したときにそのローラに作用する力の関係を示す作用説明図である。 第2の実施の形態に係る等速自在継手の磁石部の配置を変えた変形態様を示すそのローラ近傍の部分拡大断面図である。
符号の説明
1 外側継手部材
2 内側継手部材
11 カップ部
11a 開口端部
12 軸部
13 ローラガイド部
14 ローラガイド溝
14c 不完全ガイド溝部
15 突条部
15a 面取り部分
21 軸部
22 トリポード部材
23 ローラ支持軸
24 ローラ
25 ニードル軸受
30 付勢手段
31 環状弾性部材(弾性部材)
31a 空間
32 リテーナ
80 付勢手段
81、91、92 磁石部
w1 最小幅
w2 最大幅
θ 作動角(軸交差角、ジョイント角)

Claims (9)

  1. 筒状に形成されるとともに内周側に軸線方向に延在するローラガイド部が設けられた外側継手部材と、
    前記外側継手部材内に挿入される一端部にその半径方向に突出する複数のローラ支持軸を周方向等間隔に有する内側継手部材と、
    前記複数のローラ支持軸のそれぞれに回転自在に支持されるとともに、前記外側継手部材のローラガイド部により前記外側継手部材の軸線と平行な方向に案内される複数のローラと、を備えた等速自在継手において、
    前記複数のローラを、前記複数のローラ支持軸の基端側から突出端側に向かって、該ローラが前記ローラガイド部によって案内される案内高さの範囲内に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする等速自在継手。
  2. 前記付勢手段が、前記複数のローラと前記内側継手部材との間に配置された少なくとも1つの弾性部材により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記弾性部材が前記複数のローラ支持軸の基端部を取り囲む複数の環状弾性部材で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 前記付勢手段が、前記複数のローラのそれぞれを該ローラの自重より大きな付勢力で前記案内高さの範囲内に付勢することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の等速自在継手。
  5. 前記外側継手部材と前記内側継手部材との軸交差角が増加して前記複数のローラのうちいずれかが前記ローラガイド部から離脱するとき、該いずれかのローラが前記案内高さの範囲内のうち前記ローラガイド部との再係合が可能な高さの範囲内に付勢されるように、前記付勢手段による前記複数のローラの付勢高さが設定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1の請求項に記載の等速自在継手。
  6. 前記弾性部材が、前記ローラ支持軸の軸方向における前記弾性部材の高さの範囲内に空間を形成し、
    前記複数のローラが前記ローラガイド部によって案内された状態で前記外側継手部材と前記内側継手部材とが互いの軸線を交差させるとき、前記弾性部材が、前記空間を変形させつつ弾性変形するようにしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の等速自在継手。
  7. 前記複数のローラと前記複数のローラ支持軸との間にそれぞれニードル軸受が介装されるとともに、前記ローラ支持軸の基端側で前記ニードル軸受の内端部に係合する環状のリテーナが設けられ、前記リテーナと前記弾性部材が一体に結合されていることを特徴とする請求項2、請求項3または請求項6に記載の等速自在継手。
  8. 前記リテーナが、前記ローラ支持軸の軸方向で前記弾性部材と前記ニードル軸受の内端部との間に位置することを特徴とする請求項7に記載の等速自在継手。
  9. 前記付勢手段が、前記外側継手部材に設けられた磁石部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
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WO2019111903A1 (ja) * 2017-12-06 2019-06-13 Ntn株式会社 トリポード型等速自在継手

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