JP2009097531A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】朝夕の冷間時に発生する鳴きを効果的に防止することができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】R方向に回転するディスクロータ2にブレーキパッド10,20を接触させて摩擦力で制動を行うディスクブレーキ装置1において、ブレーキパッド10のリーディング側Aの側面12aにスリット部16が形成されている。また、ブレーキパッド20にも、ブレーキパッド10同様のスリット部が形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】R方向に回転するディスクロータ2にブレーキパッド10,20を接触させて摩擦力で制動を行うディスクブレーキ装置1において、ブレーキパッド10のリーディング側Aの側面12aにスリット部16が形成されている。また、ブレーキパッド20にも、ブレーキパッド10同様のスリット部が形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、車両の制動装置であるディスクブレーキ装置に関するものであり、特に、ディスクブレーキ作動時に発生する鳴きを防止するのに好適なディスクブレーキ装置に関する。
車両に用いられるブレーキ装置として、従来、ディスクロータにブレーキパッドを押圧し両者の摩擦により制動力を得る車両用ディスクブレーキ装置が知られている。このディスクブレーキ装置を作動させると、ディスクロータとブレーキパッドとの接触により、いわゆる鳴きといわれる異音が発生することがある。この鳴きを防止するため、ブレーキパッド表面に、ディスクロータの回転軸方向(ブレーキパッドの厚さ方向)へスリットを設ける構成としたものが知られている。
また、ブレーキパッドのトレーリング側がブレーキパッドのリーディング側に比べて突出するように、ブレーキパッドの肉厚を一部薄くして鳴きを防止する構成としたものが知られている(たとえば、特許文献1)。更に、ブレーキパッドの両側面に面取用の欠肉部を形成して鳴きを防止する構成としたものも知られている(たとえば、特許文献2)。これらのブレーキパッドでは、ブレーキパッドにおける鳴き防止の効果を得ることができる。
特開2005−249173号公報
特開平8−4807号公報
しかしながら、ディスクロータとブレーキパッドとの接触による鳴きの発生原因としては様々な理由や状況が考えられる。その一例として、朝夕の冷間時に発生する鳴きが知られている。このような鳴きについても効果的に防止するブレーキパッドが望まれている。この点、上記特許文献1および特許文献2に開示されたブレーキパッドでは、朝夕における鳴きについての考慮がされていない。このため、朝夕における鳴きの防止を効果的に行うことができないという問題があった。
そこで、本発明の課題は、朝夕の冷間時に発生する鳴きを効果的に防止することができるディスクブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るディスクブレーキ装置は、回転するディスクロータにブレーキパッドを接触させて摩擦力で制動を行うディスクブレーキ装置であって、ブレーキパッドのリーディング側の側面にスリット部が形成されていることを特徴とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、朝夕の冷間時、ブレーキパッド両端部の面圧は高くなる一方、中央部の面圧は低くなるという傾向があることを突き止めた。本発明者は、この点を朝夕の冷間時に発生する鳴きの原因として着眼し、ブレーキパッドの面圧分布からブレーキパッドの数学モデルとして2接点モデルを考え、運動方程式を解いて朝夕の冷間時に鳴きが発生しないための条件を算出した。その結果、リーディング側のブレーキパッドのばね定数(弾性係数)がトレーリング側のブレーキパッドのばね定数(弾性係数)より少し低くなるように設定することによって上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
上記構成のディスクブレーキ装置は、ブレーキパッドのリーディング側の側面にスリット部が形成されている。このため、リーディング側のばね定数をトレーリング側のばね定数より低くすることができ、朝夕の冷間時に発生する鳴きを効果的に防止することができる。しかも、スリット部を形成するという簡易な構成なので、リーディング側のばね定数をトレーリング側のばね定数より容易に低くすることができる。
ここで、「リーディング側」とは、ブレーキパッドにおいて、ディスクロータの回転方向の入側を意味し、「トレーリング側」とは、ブレーキパッドにおいて、ディスクロータの回転方向の出側を意味する。
本発明に係るディスクブレーキ装置において、ブレーキパッドは、ディスクロータと接触するパッド本体部とこのパッド本体部の裏面に配置される裏金とを有し、スリット部は、パッド本体部のリーディング側の側面に、裏金の表面と平行に形成されているようにしてもよい。このようにすると、リーディング側の接触部のばね定数を均一にすることができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置において、スリット部がパッド本体部の側面の厚さ方向中央に形成されているようにしてもよい。かかる構成によれば、付与される応力が平均化し構造を安定化しやすくすることができる。また、本発明に係るディスクブレーキ装置において、スリット部が裏金に隣接してパッド本体部の側面に形成されているようにしてもよい。かかる構成によれば、ブレーキパッドのパッド本体部が摩耗して擦り減ってきたとしても、継続的に鳴きの発生を防止することができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置は、スリット部がリーディング側に形成されたことを示す目印がブレーキパッドに備えられていることが好ましい。目印が備えられていることにより、ブレーキパッドをキャリパに取り付ける際、ブレーキパッドのどちらの側面にスリット部が設けられたかを容易に判明させることができ、作業性を向上させることができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、朝夕の冷間時に発生する鳴きを効果的に防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る車両用ディスクブレーキ装置の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る車両用ディスクブレーキ装置の外観を示す斜視図、図2は図1に示した車両用ディスクブレーキ装置のキャリパの断面構造を模式的に示す部分断面図である。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
[第1実施形態]
本発明に係る車両用のディスクブレーキ装置1は、図1および図2に示すように、ディスクロータ2、マウンティング3、浮動式キャリパ4、ブレーキパッド10,20を備えている。
本発明に係る車両用のディスクブレーキ装置1は、図1および図2に示すように、ディスクロータ2、マウンティング3、浮動式キャリパ4、ブレーキパッド10,20を備えている。
ディスクロータ2は、略円板形状を有しており、その一面が内側ロータ面2A、他面が外側ロータ面2Bとされている。また、ディスクロータ2は、車軸Sに固定されており、ディスクロータ2と車軸Sとは一体になって図示R方向へ回転する。この車軸Sの軸線と、ディスクロータ2の回転軸の軸線とは一致する。
マウンティング3は、ディスクロータ2の外周部を挟み込むような形状を有している。また、マウンティング3は、後述する浮動式キャリパ4を、ディスクロータ2の回転軸に沿った方向にスライド移動可能な状態で車両側に連結させるための支持部材であり、図示省略する車体のサスペンションパーツ等に支持固定されている。
浮動式キャリパ4は、図1および図2に示すように、ディスクロータ2の外周部を挟み込むような形状を有し、その一方はシリンダ部5から構成され、他方は一対の爪部6,7から構成されている。そして、このシリンダ部5と一対の爪部6,7は連結されている。この浮動式キャリパ4は、マウンティング3に対し一対のスライドピン8,8を介して装着され、上述したように、ディスクロータ2の回転軸に沿った方向にスライド移動可能となっている。
シリンダ部5の内部には、図2に示すように、ピストン9が備えられている。このピストン9は、ディスクロータ2の内側ロータ面2Aに面して配置されている。また、このピストン9は、図示しない車両のブレーキ配管を介してシリンダ部5に供給される作動油のブレーキ油圧に応じ、ディスクロータ2の回転軸に沿った方向にスライド移動するように構成されている。このような構成により、ブレーキが作動すると、ピストン9がまずディスクブレーキ2に向かって移動させられる。そして、このピストン9の移動により、ブレーキパッド10がディスクロータ2の内側ロータ面2Aへ移動・押圧させられる。
一対の爪部6,7は、図1および図2に示すように、ディスクロータ2の回転R方向に離間した状態で、ディスクロータ2の外側ロータ面2Bに面して配置されている。この一対の爪部6,7は、ピストン9が作動油のブレーキ油圧でスライド移動した際の反力によって、ディスクロータ2の回転軸に沿った方向にスライド移動するように構成されている。このような構成により、ブレーキが作動すると、一対の爪部6,7がまず、ピストン9と同様、ディスクブレーキ2に向かって移動させられる。そして、この一対の爪部6,7の移動により、ブレーキパッド20がディスクブレーキ2の外側ロータ面2Bへ移動・押圧させられる。
ブレーキパッド10は、裏金11とパッド本体部12とパッドシム13とを備えており、ディスクロータ2とピストン9との間に配置されている。このブレーキパッド10は、図2および図3に示すように、ディスクロータ2の回転軸に沿った方向にスライド移動可能な状態で浮動式キャリパ4に保持される。また、ブレーキ非作動時には、ブレーキパッド10は、ディスクロータ2とピストン9とに接触しないようになっている。
裏金11は、略平板形状を有する剛性体から構成される。パッド本体部12は、金属等を焼結したものから構成され、ディスクロータ2の内側ロータ面2Aに接触して、その接触により摩擦抵抗を発生させる。このパッド本体部12は、裏金11の一方の面に接合される。パッドシム13は、薄板から構成され、制動時に発生する高周波の振動を抑制してブレーキ鳴きを防止する。このパッドシム13は、裏金11の他方の面に添えた状態に設けられる。
ブレーキパッド20は、裏金21とパッド本体部22とパッドシム23とを備えており、ディスクロータ2と一対の爪部6,7との間に配置されている。このブレーキパッド20は、図2および図3に示すように、ディスクロータ2の回転軸に沿った方向にスライド移動可能な状態で浮動式キャリパ4に保持される。また、ブレーキ非作動時には、ブレーキパッド20は、ディスクロータ2と一対の爪部6,7とは接触しないようになっている。ブレーキパッド20を構成する裏金21、パッド本体部22、パッドシム23は、ブレーキパッド10を構成する裏金11、パッド本体部12、パッドシム13と同様な構成とされている。
なお、図3に示すように、ブレーキパッド10及び20において、A側からB側へ回転するディスクロータ2の回転方向の入側であるA側を「リーディング側」といい、ディスクロータ2の回転方向の出側であるB側を「トレーリング側」という。
次に、図4および図5を用いて、第1実施形態のブレーキパッド10について更に詳細に説明する。なお、ブレーキパッド10と共に用いられる他方のブレーキパッド20の構成は、後述するブレーキパッド10の構成をディスクロータ2の回転面を基準として平面対称にしたものであり、ここではその説明を省略する。
ブレーキパッド10は、上述したとおり、図2に示す、裏金11と、その裏金11に接合されたパッド本体部12と、パッドシム13とを有している。さらに、この裏金11には、ブレーキパッド10のリーディング側Aおよびトレーリング側Bからそれぞれ外方へ突出した保持片14,15が設けられている。この保持片14,15により、ブレーキパッド10が浮動式キャリパ4に接続されている。
パッド本体部12のリーディング側Aには、図5に示すように、その側面12aの厚み方向中央にスリット部16が形成される。この図5に示すスリット部16は、図4に記載したスリット部底面16aで示すように、側面12aの長手方向全体に渡って形成される。また、このスリット部16とディスクロータ2との間には、ディスクロータ2と接触する接触部17が残されている。パッド本体部12の表面長手方向の中央部には、パッド本体部12の厚み方向に対するスリット溝18が形成されている。このスリット溝18は、パッドシム13,23と同様にブレーキの鳴きを防止する。
保持片14の表裏面には、スリット部がリーディング側Aに形成されたことを示すため、赤色インクを付着した目印M1,M2が設けられ、ブレーキパッド10を浮動式キャリパ4に取り付ける際、ブレーキパッドのどちらの側面にスリット部16が設けられたかが容易に判明するようになっている。特に、スリット部16は、表面側から見えにくい側面12aに形成されており、このような目印M1,M2は取り付け作業の効率性を向上させる。
以上の構成からなるブレーキパッド装置10,20を有するディスクブレーキ装置1の動作について以下説明する。
図示しない車両のブレーキペダルにより制動操作が行われると、ブレーキペダルの踏み込み操作に応じた作動油のブレーキ油圧が浮動式キャリパ4のシリンダ部6に伝達され、図1および図2に示すように、ピストン9がディスクロータ2の回転軸に沿って、ディスクロータ2を挟み込む方向にスライド移動する。そして、このピストン9が図2に示したブレーキパッド10の裏金11を内側ロータ面2Aの方向へ押圧する。また、その押圧の反力により一対の爪部6,7も、ディスクロータ2の回転軸に沿って、ディスクロータ2を挟み込む方向にスライド移動する。そして、この一対の爪部6,7はブレーキパッド20の裏金21を外側ロータ面2Bの方向へ押圧する。
その結果、ブレーキパッド10のパッド本体部12がディスクロータ2の内側ロータ面2Aに摩擦接触するとともに、ブレーキパッド20のパッド本体部22がディスクロータ2の外側ロータ面2Bに摩擦接触する。このように、ブレーキパッド10,20がディスクロータ2を挟み込むように摩擦接触することにより、ディスクロータ2には制動力が発生し、ディスクロータ2と一体になって回転する車軸Sの回転を制動させる。
ところで、朝夕の冷間時に、パッド本体部12,22とディスクロータ2との摩擦接触により、いわゆる鳴きといわれる異音が発生する場合がある。本願発明の発明者による研究によれば、朝夕の冷間時、ピストン9に油圧0.5[MPa]をかけたときのディスクロータとブレーキパッドとの接触点は、図7の黒点で示すような結果となった。この結果から、本願発明者は、朝夕の鳴きの原因は、ブレーキパッド両端部の面圧が高くなる点にあると推察した。
そこで、本願発明者は、図7で示された両端部の面圧が高くなるブレーキパッドの模式図として、図8に示すような両端部が突出したブレーキパッド形状を想定した。そして、この図8に示すブレーキパッドの数学モデルとして2接点モデルを考え出し、この2接点モデルに係る運動方程式を解いて朝夕の冷間時に鳴きが発生しないための条件を算出した。その結果、リーディング側を柔らかくすれば鳴かなくなる、つまり、リーディング側のブレーキパッドのばね定数(弾性係数)がトレーリング側のブレーキパッドのばね定数(弾性係数)より少し低くなるように設定すれば、朝夕の冷間時に鳴きが発生しないことがわかった。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置1では、ブレーキパッド10のリーディング側Aの側面12aにスリット部16を形成している。また、ブレーキパッド20にも、ブレーキパッド10同様のスリット部を形成している。このため、上述したブレーキパッド10,20のリーディング側Aのばね定数をトレーリング側Bのばね定数より低くなるように設定することができ、朝夕の冷間時に発生する鳴きを効果的に防止することができる。しかも、スリット部16等を形成するという簡易な構成なので、ブレーキパッド10,20のリーディング側Aのばね定数をトレーリング側のばね定数より容易に低くすることができる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置1において、ブレーキパッド10,20は、ディスクロータと接触するパッド本体部12,22とこのパッド本体部12,22の裏面に配置される裏金11,21とを有し、スリット部16等は、パッド本体部12,22のリーディング側Aの側面12a等に形成されている。このため、リーディング側Aの接触部17等のばね定数を均一にすることができる。
また、本実施形態に係るディスクブレーキ装置1において、スリット部16等がパッド本体部12,22の側面12a等の厚さ方向の中央部に形成されている。このため、接触部17等に付与される応力が平均化し構造を安定化しやすくすることができる。
また、本実施形態に係るディスクブレーキ装置1において、スリット部16等がリーディング側Aに設けられたことを示す目印M1,M2等が、ブレーキパッド10,20の接続片14等の表裏面に形成されている。このため、ブレーキパッド10,20を浮動式キャリパ4に取り付ける際、ブレーキパッド10,20のどちらの側面にスリット部16等が設けられたかを容易に判明させることができ、取り付けの作業性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態のブレーキパッド30について更に詳細に説明する。なお、ブレーキパッド30と共に用いられる他方のブレーキパッドの構成は、第1実施形態と同様、後述するブレーキパッド30の構成をディスクロータ2の回転面を基準として平面対称にしたものであり、ここではその説明を省略する。
次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態のブレーキパッド30について更に詳細に説明する。なお、ブレーキパッド30と共に用いられる他方のブレーキパッドの構成は、第1実施形態と同様、後述するブレーキパッド30の構成をディスクロータ2の回転面を基準として平面対称にしたものであり、ここではその説明を省略する。
ブレーキパッド30は、裏金31と、その裏金31に接合されるパッド本体部32と、パッドシム33とを有している。また、ブレーキパッド30は、第1実施形態と同様、ディスクロータ2とピストン9との間に配置され、ディスクロータ2の回転軸に沿った方向にスライド移動可能な状態で浮動式キャリパ4に保持される。また、ブレーキ非作動時には、ブレーキパッド30は、ディスクロータ2とピストン9とに接触しないようになっている。
裏金31は、略平板形状を有する剛性体から構成される。また、裏金31には、ブレーキパッド30のリーディング側Aおよびトレーリング側Bからそれぞれ外方へ突出した保持片34,35が設けられている。この保持片34,35により、ブレーキパッド30が浮動式キャリパ4に接続されている。パッド本体部32は、金属等を焼結したものから構成され、ディスクロータ2の内側ロータ面2Aに接触して、その接触により摩擦抵抗を発生させる。このパッド本体部32は、裏金31の一方の面に接合される。パッドシム33は、薄板から構成され、制動時に発生する高周波の振動を抑制してブレーキ鳴きを防止する。このパッドシム33は、裏金31の他方の面に添えた状態に設けられる。
パッド本体部32のリーディング側Aには、図6に示すように、裏金31に隣接するように、側面32aにスリット部36が形成される。このスリット部36は、側面32aの長手方向全体に渡って形成される。このスリット部36とディスクロータ2との間には、ディスクロータ2と接触する接触部37が残されている。また、パッド本体部32の表面長手方向の中央部には、第1実施形態と同様、パッド本体部32の厚み方向に対するスリット溝38が形成されている。このスリット溝38は、パッドシム33と同様の鳴きを防止する手段である。
保持片34の表裏面には、第1実施形態と同様、スリット部がリーディング側Aに形成されたことを示すため、赤色インクを付着した目印M3,M4が設けられ、ブレーキパッド30を浮動式キャリパ4に取り付ける際、ブレーキパッドのどちらの側面にスリット部36が設けられたかが容易に判明できるようになっている。特に、スリット部36は、第1実施形態より更に表面側から見えにくい側面32aの奥側に形成されており、このような目印M3,M4は取り付け作業の効率性を向上させる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置1において、スリット部36等が裏金31に隣接して形成されている。このため、ブレーキパッド30のパッド本体部32が摩耗して擦り減ってきたとしても、継続的に鳴きの発生を防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、リーディング側の側面の厚み方向中央などにスリット部を形成する構成としたが、リーディング側のブレーキパッドのばね定数が、トレーリング側のブレーキパッドのばね定数より少し低くなるように設定できるスリット部であれば、必ずしも側面の厚み方向中央部ではなく、裏金側に寄った位置にスリット部を形成してもよい。
また、上記実施形態では、スリット部を、ブレーキパッドの側面長手方向の全体に渡って形成しているが、リーディング側のブレーキパッドのばね定数が、トレーリング側のブレーキパッドのばね定数より少し低くなるように設定できるスリット部であれば、必ずしも、長手方向の全体に渡って形成せずに、その一部にスリット部を形成するようにしてもよい。
2…ディスクロータ、5…シリンダ部、6,7…爪部、9…ピストン、10,20,30…ブレーキパッド、11,21,31…裏金、12,22,32…パッド本体部、12a,32a…側面、14,34…保持片、16,36…スリット部、A…リーディング側、B…トレーリング側、M1,M2,M3,M4…目印、R…ディスクロータの回転方向
Claims (5)
- 回転するディスクロータにブレーキパッドを接触させて摩擦力で制動を行うディスクブレーキ装置において、
前記ブレーキパッドのリーディング側の側面にスリット部が形成されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。 - 前記ブレーキパッドは、前記ディスクロータと接触するパッド本体部と前記パッド本体部の裏面に配置される裏金とを有し、前記スリット部は、前記パッド本体部のリーディング側の側面に、前記裏金の表面と平行に形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。
- 前記スリット部は、前記パッド本体部の側面の厚さ方向中央に形成されていることを特徴とする請求項2記載のディスクブレーキ装置。
- 前記スリット部は、前記裏金に隣接して前記パッド本体部の側面に形成されていることを特徴とする請求項2記載のディスクブレーキ装置。
- 前記スリット部がリーディング側に形成されたことを示す目印が前記ブレーキパッドに備えられていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のディスクブレーキ装置。
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Citations (2)
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JPS55112426A (en) * | 1979-02-21 | 1980-08-30 | Yoshikawa Seisakusho:Kk | Brake shoe for bicycle |
JPH09264359A (ja) * | 1996-03-29 | 1997-10-07 | Akebono Brake Ind Co Ltd | ブレーキシュー |
-
2007
- 2007-10-12 JP JP2007266850A patent/JP2009097531A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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