JP2009096258A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関のクランキング中に機関出力軸に生じる回転速度変動を抑制可能なハイブリッド車両の制御技術を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両1において、スタータモータ7の作動/非作動状態と、走行用モータ50の出力トルクとを制御可能な制御手段としてECU100が設けられている。ECU100は、スタータモータ7を作動状態にしたときに、走行用モータ50から機関出力軸8に伝達される出力トルクを、機関出力軸8の回転速度変動を抑制するよう調整するものとしたので、スタータモータ7のみを用いてクランキングを行うと機関出力軸8に回転速度変動が生じるような場合であっても、走行用モータ50からの出力トルクにより、これを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原動機として内燃機関と走行用モータを備えたハイブリッド車両に関する。
原動機として内燃機関とモータとを備えた車両(以下、ハイブリッド車両と記す)においては、原動機として設けられたモータ(以下、走行用モータと記す)の出力トルクを駆動輪に伝達させて回転駆動すると共に、走行モータの出力トルクを、内燃機関の機関出力軸に伝達させて、機関出力軸の回転駆動、すなわち内燃機関のクランキングを行うことが知られている。
このようなハイブリッド車両においては、内燃機関に設けられ、機関出力軸を回転駆動するスタータモータと、原動機として設けられた走行用モータとを併用して、内燃機関のクランキングを行うことが提案されている。例えば、下記の特許文献1には、スタータ(セルモータ)による内燃機関のクランキングを、走行用モータによりアシストすることが記載されている。また、下記の特許文献2には、車両の運転条件に応じて、車両の慣性力すなわち駆動輪の回転エネルギを、機関出力軸に伝達させることでクランキングを行って内燃機関を始動する「押しがけ始動」と、スタータモータによる始動とを使い分けることが記載されている。
特開2005−86988号公報 特開2006−183547号公報
ところで、上述のようなハイブリッド車両において、内燃機関のクランキングを行うために、スタータモータを作動させると、機関出力軸に回転速度変動が生じることがある。内燃機関には、通常、ピストン往復動機関、いわゆるレシプロエンジンが用いられることが多く、このような内燃機関は、クランキングを行うと、機関出力軸に係合するピストンが内燃機関の作動流体を圧縮し、その圧縮反力がコンプレッショントルクとして機関出力軸に作用する。コンプレッショントルクは、機関出力軸の回転角位置に応じて作用するため、機関出力軸には、周期的な回転速度変動が生じることとなる。
内燃機関のクランキング中に、コンプレッショントルクの作用により、機関出力軸に周期的な回転速度変動が生じると、車両の乗員に不快な振動や音として知覚される虞がある。特に、ハイブリッド車両においては、車両走行中に内燃機関を始動することがあるため、内燃機関のクランキングを行う頻度が高く、クランキング中に生じる機関出力軸の回転速度変動を抑制する技術が求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、内燃機関のクランキング中に機関出力軸に生じる回転速度変動を抑制可能なハイブリッド車両の制御技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド車両は、原動機として内燃機関と走行用モータとを備えたハイブリッド車両であって、内燃機関の機関出力軸を回転駆動可能なスタータモータを備え、走行用モータは、出力トルクを機関出力軸に伝達可能であり、スタータモータの作動/非作動状態と、走行用モータの出力トルクとを制御可能な制御手段を備え、制御手段は、スタータモータを作動状態にしたときに、走行用モータから機関出力軸に伝達する出力トルクを、機関出力軸の回転速度変動を抑制するよう調整することを特徴とする。
本発明に係るハイブリッド車両において、制御手段は、機関回転速度を検出する回転速度検出手段と、機関回転速度が予め設定された目標回転速度を上回るか否かを判定する回転速度判定手段と、を含み、機関回転速度が目標回転速度を上回ると判定された場合には、走行用モータの出力トルクを低減させるものとすることができ、機関回転速度が目標回転速度以下であると判定された場合には、走行用モータの出力トルクを増大させるものとすることができる。
本発明に係るハイブリッド車両において、制御手段は、走行用モータの出力トルクを、機関出力軸に作用するコンプレッショントルクとは逆位相に変動させるものとすることができる。
本発明に係るハイブリッド車両において、制御手段は、機関出力軸の停止角ごとに、スタータモータの作動開始時点からの経過時間と走行用モータの出力トルクとの関係を規定する複数のトルクマップが、予め設定されている記憶手段と、機関出力軸の停止角を取得する停止角取得手段と、検出された停止角に対応したトルクマップを取得するトルクマップ取得手段と、を有し、停止角に応じて取得されたトルクマップに従って走行用モータの出力トルクを決定するものとすることができる。
本発明によれば、制御手段は、スタータモータを作動状態にしたときに、走行用モータから機関出力軸8に伝達する出力トルクを、機関出力軸の回転速度変動を抑制するよう調整するものとしたので、スタータモータのみを用いてクランキングを行うと、機関出力軸に回転速度変動が生じるような場合であっても、走行用モータからの出力トルクにより、これを抑制することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
まず、本実施例に係るハイブリッド車両及び駆動装置の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、ハイブリッド車両の概略構成を示す模式図である。図2は、駆動装置に設けられたデュアルクラッチ機構の構造を説明する模式図である。図3は、変形例のデュアルクラッチ機構の構造を説明する模式図である。
ハイブリッド車両1は、駆動輪88を回転駆動するための原動機として、内燃機関5と走行用モータ50とを備えている。走行用モータ50は、内燃機関5からの機械的動力を変速して車両推進軸66に伝達する駆動装置10に含まれている。内燃機関5は、走行用モータ50を備えた駆動装置10と共に結合されて、ハイブリッド車両1に搭載される。
内燃機関5は、ピストン往復動機関、いわゆるレシプロエンジンであり、機関出力軸8(クランク軸)には、コネクティングロッドを介してピストン6が接続されている。内燃機関5は、機関出力軸8が回転すると、図示しない気筒内をピストン6が往復し、作動流体の吸気、圧縮、膨張、及び排気が行われる、いわゆる4ストロークエンジンである。
内燃機関5は、図示しない燃料噴射装置、点火装置、及びスロットル弁装置を備えている。これら装置は、ECU100により制御される。内燃機関5が発生した機械的動力は、出力軸(クランク軸)8から出力される。内燃機関5の出力軸8(以下、機関出力軸と記す)には、後述する駆動装置10のデュアルクラッチ機構20の入力側、例えば、クラッチハウジング14a(図2参照)が結合される。ECU100は、内燃機関5の機関出力軸8から出力する機械的動力を調整することが可能となっている。なお、内燃機関5には、機関出力軸8の回転角位置(以下、クランク角と記す)を検出するクランク角センサ9が設けられており、クランク角に係る信号をECU100に送出している。
内燃機関5には、機関出力軸8を回転駆動するため、スタータモータ7が装着されている。スタータモータ7の出力軸7aは、機関出力軸8と係合している。スタータモータ7は、巻線界磁式直流電動機、いわゆるブラシ付きDCモータで構成されている。スタータモータ7は、作動状態となることで、出力軸7aから機械的動力(トルク)を出力し、機関出力軸を回転駆動することが可能となっており、内燃機関5のクランキングを行うことができる。スタータモータ7における作動/非作動状態の切替え、及び作動時間は、ECU100により制御される。
このようにブラシ付きDCモータで構成されたスタータモータ7において、出力軸7aの回転速度と、出力するトルク(以下、出力トルクと記す)は、略反比例の関係となっている。すなわちスタータモータ7は、出力軸7aの回転速度が低いほど、高いトルクを出力する。したがって、スタータモータ7は、その作動開始から時間が経過し、機関出力軸8の回転速度が上昇するに従って、出力トルクが低下することとなる。
また、ハイブリッド車両1には、原動機としての内燃機関5及び走行用モータ50からの機械的動力を、変速して、駆動輪88に伝達する動力伝達装置として、機関出力軸8及び走行用モータ50からの機械的動力を変速してトルクを変化させて車両推進軸66に伝達可能な駆動装置10と、原動機から車両推進軸66に伝達された機械的動力を、減速すると共に、駆動輪88に係合する左右の駆動軸80に分配する終減速装置70が設けられている。
駆動装置10は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22のいずれかを用いて内燃機関5からの機械的動力を後述する変速機構に伝達するデュアルクラッチ機構20と、内燃機関5から第1クラッチ21を介して伝達される機械的動力を、第1入力軸27で受けて、第1群の変速段のうちいずれか1つにより変速して、第1出力軸37から車両推進軸66に伝達可能な第1変速機構30と、内燃機関5から第2クラッチ22を介して伝達される機械的動力を、第2入力軸28で受けて、第2群の変速段のうちいずれか1つにより変速して、第2出力軸48から車両推進軸66に伝達可能な第2変速機構40を有している。
第1変速機構30及び第2変速機構40は、前進に第1速ギヤ段31から第6速ギヤ段46までの6つの変速段を有しており、後進に1つの変速段39を有している。前進の変速段である第1速〜第6速ギヤ段31〜46の減速比は、第1速ギヤ段31、第2速ギヤ段42、第3速ギヤ段33、第4速ギヤ段44、第5速ギヤ段35、第6速ギヤ段46の順に小さくなるよう設定されている。
第1変速機構30は、複数の歯車対を備えた平行軸歯車装置として構成されており、第1群の変速段は、奇数段、すなわち第1速ギヤ段31と、第3速ギヤ段33と、第5速ギヤ段35に加えて、後進ギヤ段39で構成されている。第1変速機構30の前進の変速段31,33,35のうち、第5速ギヤ段35が最も高速側の変速段(最高速段)となっている。
第1速ギヤ段31は、第1入力軸27に結合されている第1速メインギヤ31aと、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられ、第1速メインギヤ31aと噛み合う第1速カウンタギヤ31cと、第1速カウンタギヤ31cと第1出力軸37とを係合させることが可能な第1速カップリング機構31eを有している。
ECU100が第1速ギヤ段31を選択する、即ち第1速カップリング機構31eを係合状態にして、第1速カウンタギヤ31cと第1出力軸37を係合させることで、第1入力軸27からの機械的動力は、第1速メインギヤ31a及び第1速カウンタギヤ31cを介して第1出力軸37に伝達される。これにより、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、第1速ギヤ段31により変速し、トルクを変化させて第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
第3速ギヤ段33は、第1速ギヤ段31と同様に、第1入力軸27に結合されている第3速メインギヤ33aと、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられ、第3速メインギヤ33aと噛み合う第3速カウンタギヤ33cと、第3速カウンタギヤ33cと第1出力軸37とを係合可能な第3速カップリング機構33eを有している。
ECU100が第3速ギヤ段33を選択する、即ち第3速カップリング機構33eを係合状態にして、第3速カウンタギヤ33cと第1出力軸37を係合させることで、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、第3速ギヤ段33により変速し、トルクを変化させて、第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
また、第5速ギヤ段35は、第1入力軸27に結合されている第5速メインギヤ35aと、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられ、第5速メインギヤ35aと噛み合う第5速カウンタギヤ35cと、第5速カウンタギヤ35cと第1出力軸37とを係合可能な第5速カップリング機構35eを有している。
ECU100が第5速ギヤ段35を選択する、即ち第5速カップリング機構35eを係合状態にして、第5速カウンタギヤ35cと第1出力軸37とを係合させることで、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、第5速ギヤ段35により変速し、トルクを変化させて、第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
また、後進ギヤ段39は、第1入力軸27に結合されている後進メインギヤ39aと、後進メインギヤ39aと噛み合う後進中間ギヤ39bと、後進中間ギヤ39bと噛み合い、第1出力軸37を中心に回転可能に設けられた後進カウンタギヤ39cと、後進カウンタギヤ39cと第1出力軸37とを係合可能な後進カップリング機構39eを有している。
ECU100が後進ギヤ段39を選択する、即ち後進カップリング機構39eを係合状態にして、後進カウンタギヤ39cと第1出力軸37とを係合させることで、第1変速機構30は、第1入力軸27から受けた機械的動力を、後進ギヤ段39により、回転方向を逆方向に変えると共に変速し、トルクを変化させて第1出力軸37に伝達することが可能となっている。
第1変速機構30における各カップリング機構31e,33e,35e,39eの係合状態と非係合状態(解放状態)との切替えは、図示しないアクチュエータを介してECU100により制御される。ECU100は、第1変速機構30の第1群の変速段31,33,35,39のうちいずれか1つの変速段を選択して、選択した変速段に対応するカップリング機構を係合状態にする。これにより、第1変速機構30は、内燃機関5の機関出力軸8から第1入力軸27が受けた機械的動力を、各変速段(奇数段)31,33,35,39のうちいずれか1つにより変速し、トルクを変化させて第1出力軸37から出力することが可能となっている。
第1変速機構30において、第1出力軸37には、第1推進軸駆動ギヤ37cが結合されており、当該第1推進軸駆動ギヤ37cは、車両推進軸66に結合された動力統合ギヤ58と噛み合っている。これにより、第1変速機構30は、第1入力軸27から第1出力軸37に伝達された機械的動力を、第1推進軸駆動ギヤ37cから動力統合ギヤ58を介して車両推進軸66に伝達することが可能となっている。
一方、第2変速機構40は、第1変速機構30と同様に、複数の歯車対を備えた平行軸歯車装置として構成されており、第2群の変速段は、偶数段、すなわち第2速ギヤ段42と、第4速ギヤ段44と、第6速ギヤ段46で構成されている。第2変速機構40の変速段42,44,46のうち、第2速ギヤ段42が最も低速側の変速段となっている。
第2速ギヤ段42は、第2入力軸28に結合されている第2速メインギヤ42aと、第2出力軸48を中心に回転可能に設けられ、第2速メインギヤ42aと噛み合う第2速カウンタギヤ42cと、第2速カウンタギヤ42cと第2出力軸48とを係合可能な第2速カップリング機構42eを有している。
ECU100が第2速ギヤ段42を選択する、即ち第2速カップリング機構42eを係合状態にして、第2速カウンタギヤ42cと第2出力軸48とを係合させることで、第2入力軸28からの機械的動力は、第2速メインギヤ42a及び第2速カウンタギヤ42cを介して第2出力軸48に伝達される。これにより、第2変速機構40は、第2入力軸28から受けた機械的動力を、第2速ギヤ段42により変速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に伝達させることが可能となっている。
第4速ギヤ段44は、第2入力軸28に結合されている第4速メインギヤ44aと、第2出力軸48を中心に回転可能に設けられ、第4速メインギヤ44aと噛み合う第4速カウンタギヤ44cと、第4速カウンタギヤ44cと第2出力軸48とを係合可能な第4速カップリング機構44eを有している。
ECU100が第4速ギヤ段44を選択する、即ち第4速カップリング機構44eを係合状態にして、第4速カウンタギヤ44cと第2出力軸48とを係合させることで、第2変速機構40は、第2入力軸28から受けた機械的動力を、第4速ギヤ段44により変速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に伝達することが可能となっている。
また、第6速ギヤ段46は、第2入力軸28に結合されている第6速メインギヤ46aと、第2出力軸48を中心に回転可能に設けられ、第6速メインギヤ46aと噛み合う第6速カウンタギヤ46cと、第6速カウンタギヤ46cと第2出力軸48とを係合可能な第6速カップリング機構46eを有している。
ECU100が第6速ギヤ段46を選択する、即ち第6速カップリング機構46eを係合状態にして、第6速カウンタギヤ46cと第2出力軸48とを係合させることで、第2変速機構40は、第2入力軸28から受けた機械的動力を、第6速ギヤ段46により変速し、トルクを変化させて、第2出力軸48に伝達することが可能となっている。
第2変速機構40における各カップリング機構42e,44e,46eの係合状態と非係合状態(解放状態)との切替えは、図示しないアクチュエータを介してECU100により制御される。ECU100は、第2変速機構40の各変速段42,44,46のうちいずれか1つの変速段を選択して、選択した変速段に対応するカップリング機構42e,44e,46eを係合状態にする。これにより、第2変速機構40は、内燃機関5の機関出力軸8及び走行用モータ50のロータ52からの機械的動力を、第2入力軸28から受けた機械的動力を、変速段(偶数段)42,44,46のうちいずれか1つにより変速し、トルクを変化させて第2出力軸48から出力することが可能となっている。
第2出力軸48には、第2推進軸駆動ギヤ48cが結合されており、第2推進軸駆動ギヤ48cは、車両推進軸66に結合された動力統合ギヤ58と噛み合っている。第1変速機構30は、第2入力軸28から第2出力軸48に伝達された機械的動力を、第2推進軸駆動ギヤ48cから動力統合ギヤ58を介して車両推進軸66に伝達することが可能となっている。第2変速機構40が第2出力軸48から出力する機械的動力は、第1変速機構30が第1出力軸37から出力する機械的動力と、動力統合ギヤ58において統合されて、車両推進軸66に伝達される。
また、駆動装置10には、原動機としての走行用モータ50が設けられている。走行用モータ50は、供給された電力を機械的動力に変換して出力する電動機としての機能と、入力された機械的動力を電力に変換する発電機としての機能とを兼ね備えた回転電機、いわゆるモータジェネレータである。走行用モータ50は、永久磁石式交流同期電動機で構成されており、後述するインバータ110から(三相)交流電力の供給を受けて回転磁界を形成するステータ54と、回転磁界に引き付けられて回転するロータ52とを有している。
走行用モータ50のロータ52は、第2入力軸28に結合されており、走行用モータ50がロータ52から出力するトルク(以下、出力トルクと記す)は、第2変速機構40の第2入力軸28に出力される。また、走行用モータ50は、第2出力軸48からロータ52に伝達された機械的動力(トルク)を交流電力に変換することも可能となっている。走行用モータ50の出力トルクは、後述するインバータ110を介して、ECU100により制御される。また、走行用モータ50には、ロータ52の回転角位置を検出するレゾルバ(図示せず)が設けられており、ロータ52の回転角位置に係る信号をECU100に送出している。
また、ハイブリッド車両1には、走行用モータ50に交流電力を供給する電力供給装置として、インバータ110が設けられている。インバータ110は、二次電池120から供給される直流電力を交流電力に変換して走行用モータ50に供給することが可能に構成されている。また、インバータ110は、走行用モータ50からの交流電力を直流電力に変換して二次電池120に回収することも可能に構成されている。このようなインバータ110から走行用モータ50への電力供給、及び走行用モータ50からの電力回収は、ECU100により制御される。
ECU100は、インバータ110を介して、走行用モータ50の電動機/発電機としての機能の切替えと、走行用モータ50のロータ52から第2変速機構40の第2入力軸28に出力するトルク(以下、出力トルクと記す)を調整することが可能となっている。なお、以下の説明において、走行用モータ50のロータ52から機械的動力(トルク)を出力させることを、「力行」と記す。
また、ハイブリッド車両1の駆動装置10には、内燃機関5の機関出力軸8からの機械的動力を、第1変速機構30及び第2変速機構40のうちいずれか一方に伝達させる動力伝達手段として、デュアルクラッチ機構20が設けられている。デュアルクラッチ機構20は、機関出力軸8と第1変速機構30の第1入力軸27とを係合させることが可能な第1クラッチ21と、機関出力軸8と第2変速機構40の第2入力軸28とを係合させることが可能な第2クラッチ22とを有している。
第1クラッチ21は、円板状の摩擦板を有し、摩擦板の摩擦力により機械的動力を伝達する摩擦式ディスククラッチ等で構成されている。第1クラッチ21は、内燃機関5の機関出力軸8と第1変速機構30の第1入力軸27とを係合させることが可能に構成されている。第1クラッチ21を係合状態にすることで、機関出力軸8と第1入力軸27が係合して一体に回転することが可能となる。
第2クラッチ22は、第1クラッチ21と同様に、摩擦式ディスククラッチ等で構成されており、内燃機関5の機関出力軸8と第2変速機構40の第2入力軸28とを係合させることが可能に構成されている。第2クラッチ22を係合状態にすることで、機関出力軸8と第2入力軸28が係合して一体に回転することが可能となる。なお、第1クラッチ21及び第2クラッチ22には、湿式多板クラッチや、乾式単板クラッチを用いることができる。
第1クラッチ21及び第2クラッチ22の係合状態と非係合状態(解放状態)との切替えは、図示しないアクチュエータを介してECU100により制御される。ECU100は、デュアルクラッチ機構20において、第1クラッチ21又は第2クラッチ22のうちいずれか一方を係合状態にして、他方を解放状態にすることで、内燃機関5からの機械的動力を、第1変速機構30及び第2変速機構40のうちいずれか一方を介して車両推進軸66に伝達させることが可能となっている。
ここで、第1クラッチ21及び第2クラッチ22から構成されるデュアルクラッチ機構20の詳細な構造について図2を用いて説明する。図2に示すように、デュアルクラッチ機構20において、機関出力軸8には、デュアルクラッチ機構20のクラッチハウジング14aが結合されている。すなわち、クラッチハウジング14aは、機関出力軸8と一体に回転する。クラッチハウジング14aは、後述する摩擦板27a,28aを収容可能に構成されている。これに対して、第1変速機構30の第1入力軸27と、第2変速機構40の第2入力軸28は、同軸に配置されており、2重軸構造となっている。具体的には、第1入力軸27は、中空シャフトとして構成されており、第1入力軸27内には、第2入力軸28が延びている。内側の軸である第2入力軸28は、外側の軸である第1入力軸27に比べて長く構成されている。機関出力軸8側から車両推進軸66側に向かうに従って、まず、第1変速機構30の各変速段のメインギヤ31a,33a,35a,39aが配設されており、次に、第2変速機構40の各変速段のメインギヤ42a,44a,46aが配設されている。
第1入力軸27の端には、円板状の摩擦板27aが結合されており、一方、第2入力軸28の端にも、同様に、摩擦板28aが結合されている。これら摩擦板27a,28aは、上述のクラッチハウジング14a内に収容されている。第1クラッチ21は、摩擦板27aと対向して設けられた摩擦相手板(図示せず)と、摩擦相手板を駆動するアクチュエータ(図示せず)とを有している。摩擦相手板が摩擦板27aをクラッチハウジング14aに押し付けることで、第1クラッチ21は、機関出力軸8と、第1変速機構30の第1入力軸27とを係合することが可能となっている。
これと同様に、第2クラッチ22は、摩擦板28aに対向して設けられた摩擦相手板(図示せず)が、摩擦板28aをクラッチハウジング14aに押し付けることで、機関出力軸8と、第2変速機構40の第2入力軸28とを係合することが可能となっている。デュアルクラッチ機構20における、第1及び第2クラッチ21,22にそれぞれ対応して設けられた摩擦相手板の駆動は、ECU100により制御されることとなる。
また、本実施例に係る変形例のデュアルクラッチ機構20においては、図3に示すように、機関出力軸8の端に、駆動ギヤ14cが結合されている。駆動ギヤ14cには、第1ギヤ16と、第2ギヤ18が噛み合っており、第1ギヤ16は、第1クラッチ21に結合されており、第2ギヤ18は、第2クラッチ22に結合されている。第1クラッチ21は、第1変速機構30の第1入力軸27と、機関出力軸8に係合する第1ギヤ16とを係合可能に構成されている。一方、第2クラッチ22は、第2変速機構40の第2入力軸28と、機関出力軸8に係合する第2ギヤ18とを係合可能に構成されている。
第1及び第2クラッチ21,22は、それぞれ摩擦式クラッチ等の任意のクラッチで構成することができる。第1クラッチ21及び第2クラッチ22において交互に係合状態と解放状態を切替ることで、機関出力軸8から出力される内燃機関5の機械的動力は、駆動ギヤ14cから、第1変速機構30の第1入力軸27、又は第2変速機構40の第2入力軸28のいずれかに伝達されることとなる。
以上のように構成されたデュアルクラッチ機構20においては、図1に示すように、ECU100が第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にすると、機関出力軸8と、第1入力軸27、第1出力軸37、動力統合ギヤ58、車両推進軸66が係合する。これにより、駆動装置10は、内燃機関5からの機械的動力を、第1変速機構30の変速段31,33,35,39のうちいずれか1つの変速段により変速して、車両推進軸66に伝達することが可能となる。
一方、ECU100が第2クラッチ22を係合状態にすると共に第1クラッチ21を解放状態にすることで、機関出力軸8と、第2入力軸28、第2出力軸48、及び車両推進軸66が係合する。これにより、駆動装置10は、内燃機関5からの機械的動力を、第2変速機構40の変速段42,44,46のうちいずれか1つの変速段により変速して、車両推進軸66に伝達することが可能となる。
また、ハイブリッド車両1には、原動機から車両推進軸66に伝達された機械的動力を、減速すると共に、駆動輪88に係合する左右の駆動軸80に分配する終減速装置70が設けられている。終減速装置70は、車両推進軸66に結合された駆動ピニオン68と、駆動ピニオン68と直交して噛み合うリングギヤ72と、リングギヤ72に固定された差動機構74とを有している。終減速装置70は、原動機すなわち内燃機関5及び走行用モータ50のうち少なくとも一方から車両推進軸66に伝達された機械的動力を、駆動ピニオン68及びリングギヤ72により減速し、差動機構74により左右の駆動軸80に分配して、駆動輪88を回転駆動することが可能となっている。
また、ハイブリッド車両1において、内燃機関5、駆動装置10、及び走行用モータ50の制御手段としてのECU100は、内燃機関5のクランク角に係る信号、二次電池120の蓄電状態(SOC)に係る信号、走行用モータ50のロータ52の回転速度に係る信号等を検出している。また、ECU100は、第1変速機構30及び第2変速機構40において選択されている変速段、すなわちカップリング機構31e〜46eの係合/解放状態と、第1及び第2クラッチ21,22の係合/解放状態とを検出している。
これら信号に基づいて、ECU100は、各種制御変数を検出している。制御変数には、内燃機関5の機関出力軸8の回転速度(以下、機関回転速度と記す)と、走行用モータ50のロータ52の回転速度(以下、ロータ回転速度と記す)と、ハイブリッド車両1の走行速度(以下、車速と記す)、二次電池120の蓄電状態等がある。
これら制御変数に基づいて、ECU100は、内燃機関5及び走行用モータ50の運転状態を把握して、駆動装置10、詳細には、第1及び第2変速機構30,40における変速段の選択、すなわち各カップリング機構31e〜46eの係合/解放状態の切替えと、第1クラッチ21及び第2クラッチ22の係合/解放状態の切替えと、走行用モータ50がロータ52から出力する出力トルク、及びロータ回転速度を制御することが可能となっている。
また、ECU100は、スタータモータ7の作動/非作動状態の切替えを制御可能となっており、上述の制御変数から、内燃機関5を始動させる必要があると判断した場合には、スタータモータ7を作動状態にすることで、内燃機関5のクランキングを行うことが可能となっている。また、ECU100は、内燃機関5のクランキングが行われ、機関出力軸8の回転速度が、予め設定されたファイアリング可能回転速度に達した場合に、点火装置により筒内混合気の着火を行うことで、内燃機関5を始動させることが可能となっている。
以上のように構成されたハイブリッド車両1は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を交互につなぎ替えることで、変速時において、機関出力軸8と車両推進軸66との間における動力伝達の途切れを抑制することが可能となっている。
まず、ECU100が第1及び第2変速機構30,40の変速段31〜46のうちいずれか1つの変速段を選択する。例えば、選択した変速段が第1変速機構30の第1群(奇数段)の変速段31〜39のうち第1速ギヤ段31である場合、ECU100は、第1速ギヤ段31に対応する第1速カップリング機構31eを係合状態にすると共にカップリング機構33e,35eを解放状態にする。これと共に、ECU100は、第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にする。これにより、駆動装置10は、内燃機関5からの機械的動力を、第1入力軸27で受け、第1群(奇数段)の変速段31〜39のうち選択した変速段である第1速ギヤ段31により変速し、第1出力軸37から車両推進軸66に伝達して、駆動輪88を回転駆動することができる。
このとき、ECU100は、第2変速機構40の第2群(偶数段)の変速段42,44,46のうち、第1変速機構30において選択している第1速ギヤ段31より一段高速(ハイギヤ)側の変速段である第2速ギヤ段42に対応する第2速カップリング機構42eを係合状態にすることで、第2変速機構40の第2入力軸28を空転させて、次の第2速ギヤ段42への変速(アップシフト)時における第2クラッチ22の係合動作に備えている。
そして、第2変速機構40の第2群(偶数段)の変速段である第2速ギヤ段42への変速(アップシフト)が選択されると、ECU100が、第1クラッチ21を解放状態にしながら第2クラッチ22を係合状態にすることで、駆動装置10は、第1クラッチ21と第2クラッチ22とを掴み替える動作、いわゆる「クラッチ・トゥ・クラッチ」を行う。この動作により、駆動装置10は、機関出力軸8からの動力伝達経路を、徐々に第1変速機構30の第1入力軸27から第2変速機構40の第2入力軸28に移していき、第2速ギヤ段42への変速が完了することとなる。
このようにして、駆動装置10は、奇数段である第1速ギヤ段31から、偶数段である第2速ギヤ段42への変速時において、機関出力軸8から車両推進軸66への動力伝達に途切れを生じさせることなく変速することができる。
また、ハイブリッド車両1は、原動機として内燃機関5と走行用モータ50とを併用又は選択使用することで、様々な車両走行(走行モード)を実現することができる。例えば、原動機として内燃機関5のみを選択使用する「エンジン走行」、原動機として内燃機関5及び走行用モータ50を併用する「HV走行」、原動機として走行用モータ50のみを選択使用する「モータ走行」等がある。
これら車両走行は、運転者が要求する車両駆動力や、走行用モータ50に供給する電力を貯蔵する二次電池120の蓄電状態に応じて、ECU100により、逐次、自動的に切替えられる。以下に、各走行モードにおけるECU100の制御と、内燃機関5、第1クラッチ21及び第2クラッチ22、第1変速機構30及び第2変速機構40、及び走行用モータ50の動作を併せて説明する。
ECU100が、第1クラッチ21を係合状態にすると共に第2クラッチ22を解放状態にすることで、駆動装置10は、内燃機関5の機関出力軸8からの機械的動力を、第1入力軸27で受け、第1変速機構30の変速段31,33,35,39のいずれか1つにより変速し、第1出力軸37から車両推進軸66に伝達して駆動輪88を回転駆動することができる。このようにして、ハイブリッド車両1は、原動機として内燃機関5のみを選択使用する「エンジン走行」を実現することができる。
この場合、車両推進軸66には、動力統合ギヤ58を介して第2出力軸48が係合しているため、第2変速機構40のカップリング機構42e,44e,46eのいずれか1つが係合状態にある場合、第2入力軸28と、これに係合するロータ52は、ハイブリッド車両1の走行速度(以下、車速と記す)に応じて回転することとなる。
このとき、ECU100が走行用モータ50を力行させて、ロータ52から第2入力軸28に出力トルクを伝達することで、駆動装置10は、内燃機関5からの機械的動力と走行用モータ50からの機械的動力とを、それぞれ第1変速機構30及び第2変速機構40により変速し、動力統合ギヤ58で統合して車両推進軸66に伝達することができる。このようにして、ハイブリッド車両1は、原動機として内燃機関5と走行用モータ50とを併用する「HV走行」を実現することができる。
また、ECU100が第1クラッチ21を解放状態にすると共に第2クラッチ22を係合状態にすることで、駆動装置10は、機関出力軸8からの機械的動力を、第2入力軸28で受け、第2変速機構40の変速段42,44,46のいずれか1つにより変速し、第2出力軸48から車両推進軸66に伝達して駆動輪88を回転駆動することができ、ハイブリッド車両1は、原動機として内燃機関5のみを選択使用する「エンジン走行」を実現することができる。
この場合、車両推進軸66には、動力統合ギヤ58を介して第1出力軸37が係合しているため、第1変速機構30のカップリング機構31e,33e,35e,39eのいずれか1つが係合状態にある場合、第1入力軸27は、ハイブリッド車両1の走行速度(以下、車速と記す)に応じて回転することとなる。
このとき、ECU100が走行用モータ50を力行させて、ロータ52から第2入力軸28に出力トルクを伝達することで、駆動装置10は、内燃機関5からの機械的動力と走行用モータ50からの機械的動力とを、第2入力軸28で統合し、第2変速機構40により変速して、動力統合ギヤ58を介して車両推進軸66に伝達することができ、ハイブリッド車両1は、原動機として内燃機関5と走行用モータ50とを併用する「HV走行」を実現することができる。
一方、ハイブリッド車両1にモータ走行を行わせる場合、上述のエンジン走行及びHV走行の制御とは異なり、ECU100は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22をいずれも解放状態に制御すると共に、走行用モータ50を力行させる。ECU100は、第2変速機構40の変速段42,44,46のうち、いずれか1つの変速段を選択して、当該変速段に対応するカップリング機構を係合状態にする。駆動装置10は、走行用モータ50からの機械的動力を、第2入力軸28で受け、第2変速機構40の変速段42,44,46のうち選択した変速段で変速して、第2出力軸48から車両推進軸66に伝達する。
このようなハイブリッド車両1のモータ走行中においては、ECU100が第1及び第2クラッチ21,22の双方を解放状態にしているため、走行用モータ50の力行により、非作動状態にある内燃機関5の機関出力軸8が回転駆動されて、内燃機関5のポンピングロス等の動力損失が生じてしまうことを防止している。
また、ハイブリッド車両1において、走行用モータ50は、車両停止中において、出力トルクを機関出力軸8に伝達させることが可能となっている。具体的には、ECU100が、第2変速機構40の各変速段42,44,46にそれぞれ対応するカップリング機構42e,44e,46eを全て解放状態にする。これと共に、ECU100が、第1クラッチ21を解放状態にすると共に第2クラッチ22を係合状態にする。これにより、走行用モータ50のロータ52は、駆動輪88とは関係なく回転することが可能となり、且つロータ52は、第2クラッチ22及び第2入力軸28を介して、走行用モータ50のロータ52に結合された状態となる。
この状態から、ECU100が走行用モータ50を力行させることで、走行用モータ50からの出力トルクは、第2入力軸28及び第2クラッチ22を介して、そのまま機関出力軸8に伝達することが可能となり、機関出力軸8を回転駆動することができる。このようにして、走行用モータ50は、出力トルクを機関出力軸8に伝達させて、内燃機関5のクランキングを行うことが可能となっている。
また、走行用モータ50は、モータ走行中においても、出力トルクを、機関出力軸8に伝達させることが可能となっている。第2変速機構40の変速段42,44,46のうちいずれか1つを選択してモータ走行を行っている場合、ECU100が第2クラッチ22を係合状態にすると共に、走行用モータ50のロータ回転速度を維持するよう出力トルクを増大させることで、走行用モータ50は、その出力トルクを、第2クラッチ22を介して機関出力軸8に伝達させて、内燃機関5のクランキングを行うことが可能となっている。
以上のように本実施例に係るハイブリッド車両1においては、内燃機関5に設けられたスタータモータ7と、原動機として駆動装置10に設けられた走行用モータ50とを選択使用して、機関出力軸8の回転駆動することが可能となっている。加えて、ECU100が、スタータモータ7を作動状態にすると共に、走行用モータ50からの出力トルクを、第1クラッチ21又は第2クラッチ22を介して機関出力軸8に伝達させることで、スタータモータ7と走行用モータ50とを併用して、機関出力軸8の回転駆動すなわち内燃機関5のクランキングを行うことが可能となっている。
ところで、本実施例に係る内燃機関5は、ピストン往復動機関(レシプロエンジン)であり、スタータモータ7のみを作動させてクランキングを行うと、機関出力軸8には、周期的な回転速度変動が生じる。以下、これについて図4を用いて説明する。図4は、スタータモータのみを用いて内燃機関のクランキングを行っているときの、機関出力軸に作用するトルクの時間変化を説明する図であり、(a)は、スタータモータから機関出力軸に伝達されるトルクを示し、(b)は、ピストンから機関出力軸に伝達されるトルク(コンプレッショントルク)を示し、(c)は、カムやピストンが動くときに生じる摩擦力によるフリクショントルクを示し、(d)は、機関出力軸に作用するスタータ作動時機関出力トルクを示す図である。図5は、スタータモータのみを用いて内燃機関のクランキングを行っているときの機関回転速度の時間変化を示す図である。
内燃機関5のクランキングを行うため、スタータモータ7を作動状態にすると、図4(a)に示すように、スタータモータ7から出力され機関出力軸8に伝達されるトルクは、時間経過に応じて徐々に低下する。これは、スタータモータ7がブラシ付きDCモータで構成されているためであり、作動開始から時間経過が経過して、機関出力軸8と係合する出力軸7aの回転速度が上昇するに従って、スタータモータ7が出力するトルクが低下していくからである。
このとき、機関出力軸8には、図4(b)に示すように、内燃機関5の圧縮行程において、ピストン6が作動流体を圧縮し、その圧縮反力が機関出力軸8に伝達されて、機関出力軸8には、回転を減速させる負のトルクが作用する。圧縮上死点の直前のタイミングを図に点Cで示す。一方、膨張行程においては、圧縮行程とは逆に、機関出力軸8の回転を加速させる正のトルクが作用する。このように内燃機関5のクランキング中においては、圧縮/膨張行程において、機関出力軸の回転を加速/減速させるトルク(以下、コンプレッショントルクと記す)が作用する。
加えて、機関出力軸8には、図4(c)に示すように、内燃機関においてカムやピストンが動作するときに生じる摩擦力によるフリクショントルクが作用する。フリクショントルクは、機関出力軸8の回転速度を減速させる方向のトルク(負のトルク)であり、機関出力軸8の回転速度が上昇するに従って絶対値が増大する。フリクショントルクは、スタータモータからのトルクや、コンプレッショントルクに比べて絶対値が小さいものとなっている。
このようにして、スタータモータ7から機関出力軸8に伝達されるトルクと、ピストンから機関出力軸8に伝達されるコンプレッショントルクと、フリクショントルクが合成されて、機関出力軸8には、図4(d)に示すような、周期的に変動するトルク(以下、スタータ作動時機関出力トルクと記す)が作用することとなる。機関出力軸8は、スタータ作動時機関出力トルクにより回転駆動されることで、図5に示すように、機関回転速度は上昇する。機関回転速度は、コンプレッショントルクの作用により、周期的な変動が生じる。このように、内燃機関5のクランキングを行っているときに、機関出力軸8に周期的な回転速度変動が生じると、この回転速度変動が振動や音となって車両の運転者に知覚されてしまうという問題がある。
そこで、本実施例に係るハイブリッド車両1において、制御手段としてのECUは、内燃機関のクランキングを行うため、スタータモータを作動状態にしたときに、機関出力軸に生じる回転速度変動を抑制するよう、走行用モータの出力トルクを調整して、当該出力トルクを機関出力軸に伝達させることを特徴としており、以下に、ECUが実行する内燃機関のクランキングに係る制御処理(以下、単に「クランキング制御」と記す)について、図1、図6及び図7−1、及び図7−2を用いて説明する。
図6は、ECUが実行するクランキング制御を示すフローチャートである。図7−1は、クランキング制御において予め設定されている目標回転速度を示す図である。図7−2は、クランキング制御において予め設定されている目標回転速度の変形例を示す図である。なお、図7−1及び図7−2には、スタータモータのみを用いてクランキングを行った場合の機関回転速度を二点鎖線で図示している。一例として、車両停止中に内燃機関のクランキングを行う場合について説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車両1の停止中において、内燃機関5及び走行用モータ50は非作動状態にあり、機関出力軸8は静止している。ECU100は、第2変速機構40のカップリング機構42e,44e,46eを全て解放状態にしている。さらに、ECU100は、第1クラッチ21を解放状態にすると共に、第2クラッチ22を係合状態にしている。これにより、ハイブリッド車両1において、走行用モータ50と、機関出力軸8とを係合させることができ、走行用モータ50の出力トルクを機関出力軸8に伝達させることが可能となっている。
そして、ECU100は、運転者により内燃機関5の始動が指示された場合や、二次電池120の蓄電状態が所定値以下に低下した場合等、内燃機関5の始動が必要であると判断した場合や他の制御ルーチンから内燃機関5の始動要求を受けた場合に、以下のクランキング制御を実行する。
図6に示すように、まず、ステップS102において、ECU100は、始動要求を受けてスタータモータ7を作動状態にする。スタータモータ7は、出力軸7aからの出力するトルクにより、機関出力軸8の回転駆動を開始する(時点T1)。
そして、ステップS106において、現時点における機関回転速度と目標回転速度を取得する。目標回転速度は、図7に示すように、スタータモータ7の作動開始時点T1からの経過時間に応じて予め設定されている。目標回転速度は、スタータモータ7の作動開始時点T1から時間が経過するに従って滑らかに上昇するように設定されている。時点T1からの経過時間ごとの目標回転速度は、予め適合実験等により求められており、制御ECU100のROMに記憶されている。
そして、ステップS110において、ECU100は、機関回転速度が、予め設定された目標回転速度を上回るか否かを判定する。すなわち、走行用モータ50から機関出力軸8に伝達させるトルクを増大させる必要があるかないかを判定する。
機関回転速度が目標回転速度を上回っている(Yes)と判定された場合、ECU100は、走行用モータ50の出力トルクを低減させる(S112)。これにより、ハイブリッド車両1は、走行用モータ50から機関出力軸8に伝達されるトルクを低減して、機関回転速度を低下させる。
一方、機関回転速度が目標回転速度以下である(No)と判定された場合、ECU100は、走行用モータ50の出力トルクを増大させる(S116)。これにより、ハイブリッド車両1は、走行用モータ50から機関出力軸8に伝達されるトルクを増大させて、機関回転速度を上昇させることができる。
そして、ステップS120において、ECU100は、予め設定されたファイアリング条件を満たすか否かを判定する。ファイアリング条件は、例えば、機関回転速度が、予め設定されたファイアリング可能回転速度以上であるか否かを判定するものとすることができる。ファイアリング条件は、内燃機関5の気筒内に形成された混合気への着火(ファイアリング)を開始して、初爆を行うことが可能な条件である。ファイアリング条件を満たす(Yes)と判定された場合、ECU100は、内燃機関5においてファイアリングに係る制御を行って、このクランキング制御ルーチンを終了する。
一方、ファイアリング条件を満たさない(No)と判定された場合は、ECU100は、ステップS106に戻り、前回取得してから所定時間経過後した機関回転速度と、目標回転速度とを取得して、機関回転速度が予め設定されたファイアリング可能回転速度に達するまで、走行用モータ50の出力トルクの増減を繰り返し行う。
このように本実施例では、スタータモータ7の作動開始時点T1から所定時間経過ごとに、その時点における機関回転速度と、目標回転速度を比較して、走行用モータ50の出力トルクを増減させて機関出力軸8に伝達させている。このようなフィードバック制御を行うことで、ECU100は、走行用モータ50の出力トルクを、機関回転速度を、予め設定された目標回転速度(図7参照)に追従させることができる。走行用モータ50の出力トルクを、機関出力軸8に作用するコンプレッショントルク(図4(b)参照)を打ち消して、機関出力軸8に生じる回転速度変動を抑制することができる。
また、本実施例では、スタータモータ7と走行用モータ50とを併用して機関出力軸8を回転駆動するので、スタータモータ7のみを用いた場合に比べて、クランキング開始すなわちスタータモータ7の作動開始時点T1から、所望のファイアリング可能回転速度に達するまでの時間を短縮することができる。
以上に説明したように本実施例において、制御手段としてのECU100は、スタータモータ7を作動状態にしたときに、走行用モータ50から機関出力軸8に伝達する出力トルクを、機関出力軸8の回転速度変動を抑制するよう調整するものとしたので、スタータモータ7のみを用いてクランキングを行うと、機関出力軸8に回転速度変動が生じるような場合であっても、走行用モータ50から機関出力軸8に伝達する出力トルクにより、これを抑制することができる。
また、本実施例において、制御手段としてのECU100は、機関回転速度を検出する機能である回転速度検出手段と、機関回転速度が予め設定された目標回転速度を上回るか否かを判定する機能である回転速度判定手段と、を含み、機関回転速度が目標回転速度を上回ると判定された場合には、走行用モータ50の出力トルクを低減させ、機関回転速度が目標回転速度以下であると判定された場合には、走行用モータ50の出力トルクを増大させるものとした。検出された機関回転速度に応じて、走行用モータ50の出力トルクを増減させるフィードバック制御を行うことで、機関回転速度を、予め設定された目標回転速度に追従させることで、機関出力軸8の回転速度変動を抑制することができる。
なお、本実施例において、機関回転速度が目標回転速度を下回ると判定された場合は、走行用モータ50の出力トルクを低減させるものとしたが、機関回転速度が目標回転速度に追従するよう低下させる手法は、これに限定されるものではない。例えば、走行用モータ50の出力トルクが一部ゼロとなるように低減させても良いし、走行用モータ50の出力トルクをマイナスの値、すなわち走行用モータ50を発電機として機能させて回生を行い、ロータ52に係合している機関出力軸8に制動力を伝達することで、機関回転速度を低下させるものとしても良い。
また、本実施例において、機関出力軸8の目標回転速度は、スタータモータ7のみを用いてクランキングを行った場合に比べて高い回転速度に設定されるものとしたが、目標回転速度の設定の態様は、これに限定されるものではない。例えば、図7−2に実線Aで示すように目標回転速度を設定し、断続的に走行用モータ50を力行させることで、機関回転速度を目標回転速度に追従させて回転速度変動を抑制するものとしても良い。また、破線Eで示すように目標回転速度を設定し、断続的に走行用モータ50に回生制動を行わせることで、回転速度変動を抑制するものとしても良い。また、一点鎖線Bで示すように目標回転速度を設定し、走行用モータ50において交互に力行と回生制動を行わせることで、回転速度変動を抑制するものとしても良い。
本実施例に係るハイブリッド車両において制御手段としてのECUが実行するクランキング制御について、図1、図8を用いて説明する。図8は、スタータモータの出力トルクと、コンプレッショントルクと、走行用モータの出力トルクとの時間変化の一例を示す図であり、(a)は、スタータモータの出力トルクを示し、(b)は、コンプレッショントルクを示し、(c)は、フリクショントルクを示し、(d)走行用モータの出力トルクを示し、(e)は、機関出力軸に作用する合成トルクを示している。図9は、ECUが実行するクランキング制御を示すフローチャートである。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図1に示すように、本実施例に係るハイブリッド車両1において、内燃機関5に設けられたクランク角センサ9は、2つの磁気センサ等を組み合わせて構成されており、機関出力軸8の正確なクランク角を検出して、ECU100Bに送出している。
ECU100Bは、クランク角センサ9からのクランク角に係る信号を検出して、内燃機関5を、前回、非作動状態にした際に、機関出力軸8の回転が停止した時のクランク角(以下、停止角と記す)を検出している。検出された停止角は、制御変数としてECU100Bに記憶しておく。
また、ECU100Bは、機関出力軸8の停止角ごとに、スタータモータ7の作動開始時点からの経過時間と、走行用モータ50の出力トルクとの関係を規定するマップ(以下、トルクマップと記す)を有している。トルクマップは、予め適合実験等により求められており、停止角ごとに複数設定されている。複数のトルクマップは、制御定数としてECU100BのROM(記憶手段)に記憶されている。
トルクマップにおける走行用モータ50の出力トルクは、図8に示すように、スタータモータ7の出力特性、すなわち作動開始時点T1からの出力トルクの時間変化(図8(a)参照)と、停止角ごとのコンプレッショントルクの時間変化(図8(b)参照)と、フリクショントルクの時間変化(図8(c)参照)から求められる。スタータモータ7は、作動開始時点T1から時間が経過するに従って出力トルクが低下する特性のものが用いられている。走行用モータ50の出力トルクは、図8(d)に示すように、スタータモータ7の作動開始時点T1から、コンプレッショントルクを抑制するため、コンプレッショントルクとは逆位相に変動するように設定されている。加えて、走行用モータ50の出力トルクの振幅は、コンプレッショントルクを打ち消すために、コンプレッショントルクの振幅と略同一に設定されている。
スタータモータ7の出力トルクと、コンプレッショントルクと、走行用モータ50の出力トルクは、それぞれ機関出力軸8に伝達されて作用する。つまり、これらトルクを合成したトルクが、図8(e)に示すように、スタータモータ7の作動開始時点T1からの時間経過に対して、周期的な変動が生じないように、走行用モータ50の出力トルクの時間変化であるトルクマップは、設定されている。
ところで、スタータモータ7の作動開始時点からのコンプレッショントルクの時間変化は、前回、内燃機関5が非作動状態となって機関出力軸8が停止したとき停止角に応じて、異なったものとなる。そこで、本実施例に係るECU100Bが実行するクランキング制御は、図9に示すように、まず、ステップS202において、ECU100Bは、前回、内燃機関5が非作動状態にしたときの、機関出力軸8の停止角を取得する。
そして、ステップS204において、ECU100Bは、取得された機関出力軸8の停止角に対応するトルクマップ、すなわち走行用モータ50の出力トルクにおけるスタータモータ7作動開始時点T1からの時間変化を取得する。
そして、ステップS206において、ECU100Bは、スタータモータ7を作動状態にすると共に、ステップS208において、取得されたトルクマップに従って走行用モータ50の出力トルクを調整して出力し、当該出力トルクを機関出力軸8に伝達させる。
そして、ステップS210において、ECU100Bは、予め設定されたファイアリング条件を満たすか否かを判定する。ファイアリング条件は、例えば、機関回転速度が、予め設定されたファイアリング可能回転速度以上であるか否かの条件とすることができる。ファイアリング条件を満たす(Yes)と判定された場合、ECU100Bは、このクランキング制御ルーチンを終了する。
一方、ファイアリング条件を満たさないと(No)と判定された場合は、ECU100Bは、ステップS208に戻り、走行用モータ50の出力トルクの調整を継続する。
このようにハイブリッド車両1は、機関出力軸8の停止角に対応する、スタータモータ7の作動開始時点からの経過時間と走行用モータ50の出力トルクとの関係を規定するトルクマップを取得し、スタータモータ7を作動状態にすると共に、当該トルクマップに従って走行用モータ50の出力トルクを調整して出力し、当該出力トルクを機関出力軸8に伝達させる。
このトルクマップにおいて、走行用モータ50の出力トルクは、コンプレッショントルクとは逆位相に変動するよう設定されており、且つ、出力トルクの振幅は、コンプレッショントルクの振幅と略同一に設定されている。このため、機関出力軸8に作用するトルク、すなわち、スタータモータ7の出力トルクと、コンプレッショントルクと、走行用モータ50の出力トルクが合成された合成トルクを、周期的な回転速度変動が打ち消されたものにすることができる。これにより、機関出力軸8に生じる回転速度変動を抑制することができる。
以上に説明したように、制御手段としてのECU100Bは、走行用モータ50の出力トルクを、コンプレッショントルクとは逆位相に変動させるものとしたので、当該コンプレッショントルクに起因する機関出力軸8の周期的な回転速度変動を抑制してクランキングを行うことができる。
また、本実施例においては、制御手段としてのECU100Bは、機関出力軸8の停止角ごとにスタータモータ7の作動開始時点からの経過時間と走行用モータ50の出力トルクとの関係を規定する複数のトルクマップが予め設定された記憶手段(ROM)と、機関出力軸8の停止角を取得する停止角取得手段と、検出された停止角に対応したトルクマップを取得するトルクマップ取得手段とを有し、スタータモータ7を作動状態にすると共に、停止角に応じて取得されたトルクマップに従って走行用モータ50の出力トルクを決定するものとした。停止角ごとに異なる、スタータモータ7の作動開始時点からのコンプレッショントルクの時間変化に対応して、走行用モータ50の出力トルクを調整することができ、コンプレッショントルクに起因する機関出力軸8の周期的な回転速度変動を抑制することができる。
なお、本実施例において、走行用モータ50の出力トルクは、常に力行させる、すなわち出力トルクは正の値に設定されているものとしたが、トルクマップにおいて設定される走行用モータ50の出力トルクの時間変化は、この態様に限定されるものではない。例えば、走行用モータ50の出力トルクをゼロに設定しておくものとしても良いし、走行用モータ50の出力トルクをマイナスの値、すなわち走行用モータ50を発電機として機能させて回生を行って機関出力軸8を制動することで、走行用モータ50の出力トルクを、コンプレッショントルクとは逆位相に変動させるものとしても良い。
また、上述した各実施例において、原動機として設けられた走行用モータ50は、供給された電力を機械的動力に変換して出力する電動機としての機能と、入力された機械的動力を電力に変換する発電機としての機能とを兼ね備えたモータジェネレータであるものとしたが、本発明に係るモータは、これに限定されるものではない。原動機としてのモータは、変速機構の入力軸に機械的動力を出力できれば良く、例えば、供給電力を機械的動力に変換して出力する機能のみを有する電動機として構成しても良い。
以上のように、本実施例に係る動力出力装置は、原動機として内燃機関とモータとを備えたハイブリッド車両に有用である。
実施例1に係るハイブリッド車両の概略構成を示す模式図である。 実施例1に係るデュアルクラッチ機構の構造を説明する模式図である。 実施例1に係る変形例のデュアルクラッチ機構の構造を説明する模式図である。 スタータモータのみを用いて内燃機関のクランキングを行っているときの、機関出力軸に作用するトルクの時間変化を説明する図であり、(a)は、スタータモータから機関出力軸に伝達されるトルクを示し、(b)は、ピストンから機関出力軸に伝達されるトルク(コンプレッショントルク)を示し、(c)は、ピストンやカムが動くときに生じる摩擦力によるフリクショントルクを示し、(d)は、機関出力軸に作用するスタータ作動時機関出力トルクを示す図である。 スタータモータのみを用いて内燃機関のクランキングを行っているときの機関回転速度の時間変化を示す図である。 実施例1に係る制御手段としてのECUが実行するクランキング制御を示すフローチャートである。 実施例1に係るクランキング制御において予め設定されている目標回転速度を示す図である。 実施例1に係るクランキング制御において予め設定されている目標回転速度の変形例を示す図である。 実施例2において、スタータモータの出力トルクと、コンプレッショントルクと、走行用モータの出力トルクとの時間変化の一例を示す図であり、(a)は、スタータモータの出力トルクを示し、(b)は、コンプレッショントルクを示し、(c)は、フリクショントルクを示し、(d)は、走行用モータの出力トルクを示し、(e)は、機関出力軸に作用する合成トルクを示している。 実施例2に係る制御手段としてのECUが実行するクランキング制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ハイブリッド車両
5 内燃機関
7 スタータモータ
8 機関出力軸
10 駆動装置
20 デュアルクラッチ機構
21 第1クラッチ
22 第2クラッチ
27 第1入力軸
28 第2入力軸
30 第1変速機構
31,33,35,39 ギヤ段(変速段)
37 第1出力軸
48 第2出力軸
40 第2変速機構
42,44,46 ギヤ段(変速段)
50 走行用モータ(モータジェネレータ)
52 ロータ
66 車両推進軸(推進軸)
70 終減速装置
80 駆動軸
88 駆動輪
100,100B ハイブリッド車両用電子制御装置(ECU、制御手段、回転速度検出手段、回転速度判定手段、記憶手段、停止角取得手段、トルクマップ取得手段)

Claims (4)

  1. 原動機として内燃機関と走行用モータとを備えたハイブリッド車両であって、
    内燃機関の機関出力軸を回転駆動可能なスタータモータを備え、
    走行用モータは、出力トルクを機関出力軸に伝達可能であり、
    スタータモータの作動/非作動状態と、走行用モータの出力トルクとを制御可能な制御手段を備え、
    制御手段は、
    スタータモータを作動状態にしたときに、
    走行用モータから機関出力軸に伝達する出力トルクを、機関出力軸の回転速度変動を抑制するよう調整する
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    機関回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    機関回転速度が予め設定された目標回転速度を上回るか否かを判定する回転速度判定手段と、
    を含み、
    機関回転速度が目標回転速度を上回ると判定された場合には、走行用モータの出力トルクを低減させ、
    機関回転速度が目標回転速度以下であると判定された場合には、走行用モータの出力トルクを増大させる
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  3. 請求項1又は2に記載のハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    走行用モータの出力トルクを、機関出力軸に作用するコンプレッショントルクとは逆位相に変動させる
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  4. 請求項3に記載のハイブリッド車両において、
    制御手段は、
    機関出力軸の停止角ごとに、スタータモータの作動開始時点からの経過時間と走行用モータの出力トルクとの関係を規定する複数のトルクマップが、予め設定されている記憶手段と、
    機関出力軸の停止角を取得する停止角取得手段と、
    検出された停止角に対応したトルクマップを取得するトルクマップ取得手段と、
    を有し、
    停止角に応じて取得されたトルクマップに従って走行用モータの出力トルクを決定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
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