JP2009095861A - ロウ付け層の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物の任意の箇所に選択的にロウ付け層を形成可能とする。
【解決手段】ロウ材組成の粉末を対象物20の任意の箇所に選択的に配置してプレス加工にて圧着することによって、上記対象物20の任意の箇所に上記ロウ材組成を有するロウ付け層21を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロウ付け層の形成方法に関するものである。
従来から、ロウ材組成を有するクラッド層と基材とを備えるクラッドシートや、ロウ材組成を有するロウ材そのものからなるアモルファスシート等がロウ材シートとして用いられている。
近年、ロウ材組成を有する粉末を圧延ローラの周面と圧延ローラの周面との間にて圧延することによって、上記ロウ材シートを製造する粉末圧延処理が提案されている。
このような粉末圧延処理においては、全体としてロウ材組成となるように複数種類の粉末を混合し、その結果得られた混合粉末を圧延ローラ間に供給して圧延することによってシート状に成型し、さらに焼成することによってロウ材シートを製造している。
特開2004−82218号公報 特開2005−186127号公報
しかしながら、ロウ材組成を有する粉末を圧延ローラ間にて圧延する場合には、圧延ローラ間に粉末が連続的に供給されるため、一連のロウ材層が形成される。
例えば、クラッドシートの製造する場合には、基材の一方側あるいは両方側にロウ材組成を有する粉末を供給し、これを圧延ローラ間にて圧延することになるが、粉末が供給された基材の面には全体に付着するため、粉末が供給された基材の面全体にクラッド層が形成される。
このように、従来の圧延ローラ間にて圧延するロウ材シートの製造方法では、基材(対象物)の任意の箇所のみに選択的にロウ付け層を形成することが困難であった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、対象物の任意の箇所に選択的にロウ付け層を形成可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ロウ材組成の粉末を対象物の任意の箇所に選択的に配置してプレス加工にて圧着することによって、上記対象物の任意の箇所に上記ロウ材組成を有するロウ付け層を形成することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明のロウ付け層の形成方法によれば、対象物の任意の箇所に選択的にロウ材組成を有する粉末を配置し、この配置された粉末をプレス加工によって圧着することによってロウ付け層が形成される。
また、本発明のロウ付け層の形成方法においては、一度の上記プレス加工にて押圧される領域が極小の点状領域であるという構成を採用する。
また、本発明のロウ付け層の形成方法においては、一度の上記プレス加工にて押圧される領域が極小幅の線状領域であるという構成を採用する。
また、本発明のロウ付け層の形成方法においては、上記プレス加工は、爆発によるエネルギーを利用して上記ロウ材組成の粉末を圧着するという構成を採用する。
また、本発明のロウ付け層の形成方法においては、上記プレス加工によって、上記ロウ材組成の粉末の圧着に加え、上記対象物の成型を行うという構成を採用する。
本発明のロウ付け層の形成方法によれば、対象物の任意の箇所に選択的にロウ材組成を有する粉末を配置し、この配置された粉末をプレス加工によって圧着することによってロウ付け層が形成される。したがって、対象物の任意の箇所に選択的にロウ付け層を形成することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係るロウ付け層の形成方法の一実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、本発明のロウ材シートの製造方法をクラッドシートの製造方法に適応した場合の実施形態について説明する。また、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態のロウ付け層の形成方法にてロウ付け層が形成された封止用蓋体を備えるパッケージPの構成を示す断面図である。
図1に示すように、パッケージPは、電子部品100を収容するパッケージ本体10と、パッケージ本体10を封止する封止用蓋体20とを有する。
パッケージ本体10は、電子部品100を収容する絶縁基板11と、電子部品100とパッケージ本体10の外部に設けられる外部配線(不図示)とを電気的に接続する配線導体12と、封止用蓋体20にロウ付けにより接合される枠状金属層13とを有する。
絶縁基板11は、パッケージ本体10の骨格を成すものであり、上面が開口する方形の箱状に形成されている。したがって、箱状の絶縁基板11内部に形成される収容部11aは、電子部品100を収容可能な構成となっている。
絶縁基板11は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等から成るセラミックから成り、所望の成分のセラミックシートに所望の加工を施し、それらを積層した後、高温で焼成することで製作される。
配線導体12は、絶縁基板11の収容部11aから、絶縁基板11を貫通して外部表面にかけて複数設けられる。そして、配線導体12は、一端で、電子部品100とボンディングワイヤまたは半田等を介して接続され、他端で、外部配線と半田等を介して接続される。したがって、配線導体12は、電子部品100と、外部配線とを電気的に中継する構成となっている。
配線導体12は、電導性を有する銅や、金等の金属材料から製作される。
枠状金属層13は、平面視で絶縁基板11の開口を囲うように設けられた面の上に、層状に形成される。枠状金属層13は、封止用蓋体20をロウ付けさせる下地金属層としての役割を有している。
枠状金属層13は、銅や、金等のロウ付けさせる下地の金属材料から製作される。
したがって、上記構成により、パッケージ本体10は、電子部品100を収容すると共に、電子部品100と外部配線とを接続させ、封止用蓋体20とロウ付けにより接合可能な構成となる。
封止用蓋体20は、パッケージPの内部に電子部品100の収納空間が形成されるように凸に成型された金属板によって構成されている。
この封止用蓋体20は、枠状金属層13に臨む面に、ロウ材組成を有するロウ付け層21を備えており、当該ロウ付け層21を介して枠状金属層13とロウ付けされている。
そして、本実施形態においては、ロウ付け層21は、ロウ材組成を有する粉末がプレス加工にて圧着されることによって形成されている。
図2及び図3は、封止用蓋体20(対象物)に対してロウ付け層を形成する工程を示す。
まず、図2に示すように、封止用蓋体20の枠状金属層13に臨む面22(任意の箇所)に選択的にロウ材組成を有する粉末40を配置する。なお、粉末40としては、ロウ材組成を有する種々の金属粉末を用いることができ、例えば、Bni−5組成の合金粉末を用いることができる。また、粉末40としては、粉末40全体として所望のロウ材組成となるように、複数の種類の金属粉末が混合された混合粉末を用いても良い。
そして、封止用蓋体20の枠状金属層13に臨む面22に選択的に粉末40が配置されると、図3に示すように、粉末40が型200を用いたプレス加工にて圧着されることによってロウ付け層21が形成される。
より詳細には、粉末40がプレス加工によって高速で押圧されることによって、粉末40が断熱圧縮し、これによって粉末40が融点以下に加熱されながら押圧される。これによって粉末40が焼結され、ロウ付け層21が形成される。
なお、封止用蓋体20の枠状金属層13に臨む面22に配置された粉末40を一度にプレス加工した場合には、ロウ付け層21を得るのに必要となる面圧力を十分に得られない虞がある。このため、本実施形態においては、図2及び図3に示すように、一度にプレス加工にて押圧する領域を極小の点状領域S1として、プレス加工を繰り返すことによって、封止用蓋体20の枠状金属層13に臨む面22にロウ付け層21を形成する。
このような本実施形態のロウ付け層の形成方法によれば、封止用蓋体20の任意の箇所である面22に選択的にロウ材組成を有する粉末40を配置し、この配置された粉末40をプレス加工によって圧着することによってロウ付け層21が形成される。したがって、封止用蓋体20の任意の箇所に選択的にロウ付け層21を形成することが可能となる。
また、本実施形態のロウ付け層の形成方法によれば、一度のプレス加工にて押圧される領域が極小の点状領域とされている。
このため、一度のプレス加工に必要となる押圧力を低減させることができ、粉末40からロウ付け層21を形成するのに必要な面圧力を容易に得ることが可能となる。
なお、一度にプレス加工する面積をより広くするために、プレス加工の際に、押圧力を爆発によるエネルギーから得ても良い。これによって、より高速かる強力に粉末40を押圧することができるため、より短時間にてロウ付け層21を形成することが可能となる。
次に、パッケージ本体10と、封止用蓋体20との接合工程について説明する。
まず、パッケージ本体10の上に、突部23を上に向ける形で封止用蓋体20を載置する。このとき、パッケージ本体10に設けられた枠状金属層13と、封止用蓋体20に設けられたロウ付けそう21とが対面する形で接触することとなる。この状態で、ロウ付け層21の融点まで加熱することにより、枠状金属層13が、融解したロウ付け層21を介し封止用蓋体20と接合される。したがって、上記接合工程により、パッケージ本体10と、封止用蓋体20とが接合され、電子部品100を気密封止するパッケージPを形成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図4及び図5は、本実施形態において、封止用蓋体20(対象物)に対してロウ付け層を形成する工程を示す。
これらの図に示すように本実施形態のロウ付け層の形成方法においては、一度にプレス加工にて押圧する領域を極小幅の線状領域S2として、プレス加工を繰り返すことによって、封止用蓋体20の枠状金属層13に臨む面22にロウ付け層21を形成する。
このような本実施形態のロウ付け層の形成方法によれば、一度のプレス加工にて押圧される領域が極小幅の線状領域とされている。
このため、上記第実施形態のロウ付け層の形成方法と同様に、一度のプレス加工に必要となる押圧力を低減させることができ、粉末40からロウ付け層21を形成するのに必要な面圧力を容易に得ることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図6及び図7は、本実施形態のロウ付け層の形成方法を説明するための説明図である。これらの図に示すように、本実施形態のロウ付け層の形成方法においては、平板の金属板30の周縁部31に粉末40を配置する。
そして、型200にてプレス加工する際に、粉末40の圧着に加えて、金属板30を封止用蓋体20となるように成型する。この際、粉末40が配置された金属板30の周縁部31が、封止用蓋体20の枠状金属層13に臨む面22となるように、金属板30は成型される。
このような本実施形態のロウ付け層の形成方法によれば、ロウ付け層21の形成と同時に金属板30の成型が行われる。すなわち、ロウ付け層21の形成と同時に封止用蓋体20が形成される。
したがって、本実施形態のロウ付け層の形成方法によれば、短時間にてロウ付け層21を備える封止用蓋体20を形成することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明における対象物が封止用蓋体である例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ロウ付けされる全ての部材を本発明における対象物とすることができる。
本発明の第1実施形態におけるロウ付け層の形成方法にてロウ付け層が形成された封止用蓋体を備えるパッケージの構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態におけるロウ付け層の形成方法について説明するための説明図である。 本発明の第1実施形態におけるロウ付け層の形成方法について説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態におけるロウ付け層の形成方法について説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態におけるロウ付け層の形成方法について説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態におけるロウ付け層の形成方法について説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態におけるロウ付け層の形成方法について説明するための説明図である。
符号の説明
20……封止用蓋体(対象物)、21……ロウ付け層、22……面(任意の箇所)、100……粉末、S1……点状領域、S2……線状領域

Claims (5)

  1. ロウ材組成の粉末を対象物の任意の箇所に選択的に配置してプレス加工にて圧着することによって、上記対象物の任意の箇所に上記ロウ材組成を有するロウ付け層を形成することを特徴とするロウ付け層の形成方法。
  2. 一度の上記プレス加工にて押圧される領域が極小の点状領域であること特徴とする請求項1記載のロウ付け層の形成方法。
  3. 一度の上記プレス加工にて押圧される領域が極小幅の線状領域であることを特徴とする請求項1記載のロウ付け層の形成方法。
  4. 上記プレス加工は、爆発によるエネルギーを利用して上記ロウ材組成の粉末を圧着することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のロウ付け層の形成方法。
  5. 上記プレス加工によって、上記ロウ材組成の粉末の圧着に加え、上記対象物の成型を行うことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のロウ付け層の形成方法。

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