JP2009094129A - 電子回路基板 - Google Patents

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Masatoshi Tahira
昌俊 田平
Yoichi Fukai
洋一 深井
Takeru Hashimoto
長 橋本
Chihiro Nakagawa
千尋 中川
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

【課題】リード部の破断を防止し、組付け作業性を向上させる。
【解決手段】電子部品本体11を固定する絶縁基板13は熱可塑性樹脂による射出成型によって成型され、電子部品本体11を取り付ける個所に長方形の孔部15が形成されている。孔部15の長手方向の長さは、電子部品本体11の長さよりも大きく、孔部15の幅は電子部品本体11の径よりも狭くされている。絶縁基板13上には箔状の導体によるフラット回路14が形成され、孔部15の長手方向の両側にフラット回路14の一部である電気接点16a、16bが設けられている。電子部品本体11は孔部15の幅狭の辺部に支えられて保持され、この状態で、リード部12a、12bの先端は、絶縁基板13上の電気接点16a、16bに、瞬時のスポット溶接により接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の電子回路に使用し、リードタイプの電子部品を取り付けた電子回路基板に関するものである。
従来から電子回路基板として使用される絶縁基板では、基板回路上に予め半田を固着し、電子部品のリード部が半田上に位置するように実装し、半田が溶ける温度環境に電子基板回路を通過させ、半田を溶融させて電気接続を得るリフロー半田工程が、例えば特許文献1に記載されている。
また、電子部品のリード部を折り曲げて、電子基板回路の所定の孔にリード部を挿し込み、裏面に突出したリード部を溶融半田浴槽に浸漬するフロー半田工程が、例えば特許文献2に記載されている。
通常では、半田ごてを用いて半田付けを行って電気接続を得る手半田工程を採用することを前提として、耐熱性を有する基板材料が選定されている。具体的には、絶縁基板には熱硬化性樹脂が使用されており、耐熱性を向上させるためにガラス繊維などを配合したものを使用することもある。
このような絶縁基板上に、導電性を有する材料により回路パターンをエッチングや印刷で作製したり、別に作製した回路パターンを貼り付けて、電子回路基板を作製している。そして、電子回路基板上に電子部品を実装した後に、上述の半田等の工程によって、基板回路と電子部品との電気接続を得ている。
しかし、特許文献1や特許文献2に開示されている基板形状は、フロー半田工程、リフロー半田工程、手半田工程が必須なので、熱硬化性樹脂で作製しなければならない。従って、板状の中間製品を作製し、この中間製品に切削削加工や穴あけ加工を施して絶縁基板とし、電子部品を実装する個所を形成する方法しかなく、絶縁基板の作製に時間を要し、しかも材料の無駄が発生する。
実開昭59−14400号公報 特開2007−149806号公報
また、特許文献1に開示されている態様では、電子部品がリード部のみで電子回路基板と固定されているだけである。つまり、図12に示すように電子部品1の重さはリード部2により支持されることになり、自動車等に搭載されて振動等の繰り返しが加えられて振動疲労すると、リード部2が折損する虞れがある。また、リード部2の回路基板3への取り付けは、ロボットや治具の使用が不可欠であり、作業工程が複雑となる。
また多くの場合、上述のように半田付け工程が不可欠なことから、絶縁基板は耐熱性を有するものでなければならない。このため、絶縁基板としてガラス繊維を配合した耐熱性を有する熱硬化性樹脂が一般的に使われている。しかし最近では、環境負荷物質の1つである鉛を含む半田材料の使用が制限されている背景があり、鉛を含有しない半田の使用、又は半田付け以外の手段での接続形態が要望されている。
また、半田によりリード部を接合する場合に、鉛を含む半田(Sn−Pb共晶半田)の溶解温度は約183℃であるが、鉛を含まない鉛フリー半田(Su−Ag−Cu)の溶解温度は約218℃と高融点となる。更に、これらの半田を手半田工程で使用する場合、例えばSn−Pb共晶半田を使用する際の半田ごてのこて先温度は約300℃となり、Su−Ag−Cu鉛フリー半田の半田ごてのこて先温度は約350〜370℃と非常に高温となる。その結果、絶縁基板は更に耐熱性を要し、これらの温度に耐え得る材料から成る樹脂基板を用いる必要がある。
本発明の目的は、上述の課題を解消し、使用中のリード部の破断を抑制し、絶縁基板の作成が容易で、材料の無駄を生じない電子回路基板を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る電子回路基板の技術的特徴は、リード部を有する電子部品を搭載した電子回路基板において、絶縁基板を熱可塑性樹脂を用いて射出成型により作製し、前記絶縁基板上に電子回路を設け、前記絶縁基板に設けた保持部によって前記電子部品の本体を保持し、前記電子部品は前記リード部を介して前記絶縁基板上の電子回路に電気的接続をしたことにある。
本発明に係る電子回路基板によれば、電子部品本体が絶縁基板に設けた保持部により支えられるので、電子部品本体が動くことなく取り付け作業が容易であり、また使用中にリード部に負荷がかからず、リード部が折損する虞れが少ない。
また、絶縁基板は射出成型することで所望の形状を得ることができるので、切削や穴あけ加工を施す必要がなくなり、無駄なく短時間で所定の形状の絶縁基板が得られる。特に、自動車、電車、航空機などの振動が発生する乗り物、基本的には車載用に使用される車載用電子回路基板として好適である。
本発明を図1〜図11に図示の実施例に基づいて詳細に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。
図1は実施例1の平面図、図2は縦断面図、図3は横断面図である。例えば、円柱形状のリードタイプの電子部品である電子部品本体11の両端には、針金状のリード部12a、12bが導出されている。
電子部品本体11を固定する絶縁基板13は、熱可塑性樹脂による射出成型によって成型され、その表面にはフラット回路14が設けられ、電子部品本体11を取り付けるべき個所に、例えば長方形の孔部15が形成されている。
孔部15の長手方向の長さは、電子部品本体11の長さよりも大きく、孔部15の幅は電子部品本体11の径よりも狭くされている。孔部15の長手方向の両側の絶縁基板13上に、フラット回路14の一部である電気接点16a、16bが設けられている。
絶縁基板13を成型するための熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネイト(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PES)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリスルホン(PSF)、液晶ポリマ(LCP)などを使用することができる。中でも耐熱性の点で、ポリブチレンテレフタレート又はポリプロピレンが好ましい。また、射出成型性を損なわずに、耐熱性、強度を向上させるために、適宜にガラス繊維や好ましくはタルクを配合することがよい。
絶縁基板13上のフラット回路14の形成については、導電性の材料、例えば銅、銅合金、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金、金、金合金等から成る厚さ0.01mm〜2.0mmの箔又は板体を絶縁基板13上に貼り付ける。このフラット回路14は別途に作製したものを使用してもよいが、絶縁基板13上で箔又は板を回路形状に打抜くことが好ましい。この貼り付けには、接着剤を用いたり熱融着により接着したりすることが好適である。
なお、絶縁基板13のフラット回路14の形成部分が平板状である場合には、フラット回路14の形成は、導電性インク、例えばCu、Ag、これらの合金の導電性金属の粉末を液体に混合したものをインクとし、絶縁基板13上に印刷することもできる。或いは、絶縁基板13上に導電性を有する材料、例えば銅、銅合金などをメッキなどで被覆し、その後にエッチング、フォトリソグラフィ技術によりフラット回路14を構成することも可能である。
電子部品本体11は孔部15の幅狭の辺部に支えられて係止されるので、電子部品本体11は孔部15に保持され動くことがない。この状態で、リード部12a、12bの先端は、フラット回路14の電気接点16a、16bに瞬時の抵抗溶接、レーザー光溶接、超音波溶接などのスポット溶接により電気的接続がなされる。また、電気接続をすべき部位に半田、好ましくは鉛を含有しない半田チップを載置し、光ビーム、レーザー光を照射して半田を瞬時に溶かして電気接続を得ることもできる。これらの接続は極めて短時間でなされるので、絶縁基板13への加熱は殆ど問題にはならない。
図4は実施例2の平面図、図5は横断面図を示し、直方体状の電子部品本体31は、絶縁基板13と一体に射出成型により形成された保持壁32a、32bにより左右から把持されている。電子部品本体31から導出されたリード部33a、33bは、絶縁基板13上に設けられたフラット回路14上の電気接点16a、16bにスポット溶接されている。
この本実施例2においても、電子部品本体11の自重は保持壁32a、32bにより支えられているので、リード部33a、33bに負荷がかかることはない。
図6は実施例2の変形例を示している。絶縁基板13に形成された保持壁32a’、32b’の先端には鉤部が設けられ、電子部品本体31を係止するようにされている。このように、保持部としては、電子部品本体31をリード部以外で保持すれば問題はないが、本実施例の効果が顕著に現れることにおいて、保持壁32a’、32b’である凸部の先端に鉤部が設けることにより、電子部品本体31を確実に保持できる態様が好ましい。
図7は他の変形例を示し、保持壁32a''、32b''では、先端の間隔が狭められていて、電子部品本体31が抜け出すことがないように確実に係止される。
なお、電子部品本体31は本実施例2のように、絶縁基板13上に保持壁32a’、32b’、32a''、32b''のような凸部を設けて固定することもできるが、或いは凹部を形成して固定してもよい。
図8は更なる変形例を示し、(a)においては保持部は凸部34と凹部35から成り、(b)においては鉤部を有する凸部36と孔部37とから成っており、何れにおいても電子部品本体を簡便に嵌め込むことができる。
保持部が凸部に形成される場合には、回路が形成される面の反対側の裏面に影響を及ぼすことがなく、一方の面側のみで電子部品本体を実装できるので、裏面にも回路を形成することができる。一方、両面に凸部から成る保持部を設けると、電子回路が両面に構成されるので、省スペース化も可能となる。
図9は実施例3の平面図、図10は横断面図であり、絶縁基板13には、一対のフック形状の鉤部41a、41bを有する保持壁42a、42bが絶縁基板13と一体に射出成型により設けられている。保持壁42a、42bには、ランプ基板43上にLEDなどのランプ部44と、リード部45a、45bとを取り付けた電子部品本体46が固定されている。
電子部品本体46のランプ基板43を鉤部41a、41b上にセットして、保持壁42a、42b間に押し込むことにより、ワンタッチで簡便に固定できる。また、リード部45a、45bは絶縁基板13上の電気接点16a、16bに溶接されている。
この実施例3においても、電子部品本体46の自重は保持壁42a、42bを介して絶縁基板13により支えられているので、リード部45a、45bに負荷がかかることはない。
図11は実施例3の変形例を示し、基板13には電子部品本体46のランプ基板43を挟む込み保持する一対の断面L字状の保持壁47a、47bが絶縁基板13上に設けられている。電子部品本体46のランプ基板43を一方側に載置し、その後に保持壁47a、47b間に滑り込ませて固定することにより、電子部品本体46は保持壁47a、47bを介して絶縁基板13により支持され上方に抜け出ないように固定される。
実施例1の平面図である。 縦断面図である。 横断面図である。 実施例2の平面図である。 横断面図である。 変形例の横断面図である。 他の変形例の横断面図である。 更に他の変形例の横断面図である。 実施例3の平面図である。 横断面図である。 変形例の横断面図である。 従来例の構成図である。
符号の説明
11、31、46 電子部品本体
12a、12b、33a、33b、45a、45b リード部
13 絶縁基板
14 フラット回路
15、37 孔部
16a、16b 電気接点
32a、32b、42a、42b、47a、47b 保持壁
34、36 凸部
35 凹部
43 ランプ基台
41a、41b 鉤部
44 ランプ部

Claims (3)

  1. リード部を有する電子部品を搭載した電子回路基板において、絶縁基板を熱可塑性樹脂を用いて射出成型により作製し、前記絶縁基板上に電子回路を設け、前記絶縁基板に設けた保持部によって前記電子部品の本体を保持し、前記電子部品は前記リード部を介して前記絶縁基板上の電子回路に電気的接続をしたことを特徴とする電子回路基板。
  2. 前記保持部は前記絶縁基板に形成した孔部、凸部、凹部の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板。
  3. 請求項1又は2に記載の電子回路基板は、車載用であることを特徴とする車載用電子回路基板。
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