JP2009092483A - 18f−イオン捕捉回収用フローセル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速に効率よく18-イオンを捕捉・回収することができるフローセルを提供する。
【解決手段】フローセル1は、炭素電極部2aと炭素電極部2aに接合された対向電極部2bからなる。炭素電極部2aと対向電極部2bの接合面では、炭素電極4と対向電極6が流路10を挟んで対向配置されている。炭素電極部2aは平板状の炭素電極4を内包した樹脂からなる基板である。炭素電極部2aの対向電極部2bとの接合面に流路をなす溝10が形成されており、その溝10の底面に炭素電極4が露出している。対向電極部2bは一表面に対向電極6が形成された基板である。
【選択図】図1

Description

本発明は、サイクロトロンで加速した陽子を[18O]H2O水に照射することで得られる18-イオンを[18O]H2O水から分離し、18-イオンの有機溶媒溶液を製造する放射性フッ素アニオン濃縮装置に用いるフローセル及びその製造方法に関するものである。
放射性トレーサー化合物を使用する医療診断法の中で、PET(ポジトロン放出断層撮影法)診断に使用される放射性核種は半減期が短いものが多く、例えば18-イオンの半減期は約110分である。これらの放射性核種を効率よくトレーサー化合物に導入して放射化するためには、時間を節約した作業が必要である。
また、18-イオンの原料となる[18O]H2O水は高価であり、PET診断のコストダウンのためには再利用を行いたいという要望がある。
使用する放射性核種の短寿命のためにPET等で利用できる時間は限られており、18Fで標識された化合物の合成は、分単位での時間短縮と高い合成率が同時に要求されている。
18O]H2O水から18-イオンを分離し、分離した18-イオンの有機溶媒溶液を製造する方法として以下(1),(2)の方法が挙げられる。
(1)陰イオン交換樹脂を充填したカラムに18-イオンを含む[18O]H2O水を通し、樹脂上に18-イオンを捕捉させて[18O]H2O水を分離する。捕捉された18-イオンを、炭酸カリウム水溶液を使用して水溶液中に再溶出させて回収する。回収した水溶液を減圧濃縮し、完全に水を除いた後に有機反応で使用する有機溶媒を用いて18-イオンを溶解し、18-イオンの有機溶媒溶液を得る。このとき加える有機溶媒の量によって18-イオンの濃度を調節することができる。
(2)グラッシーカーボン棒状電極に18-を捕捉し、[18O]H2O水から有機溶媒へ溶媒交換する。この方法で18-を分離した[18O]H2O水は、溶出した有機物を含むことが無いため再利用できることが期待できる。[18O]H2O水溶液から18-イオンを分離する装置が特許文献1及び非特許文献1において報告されている。
この装置の基本構造は非特許文献1に詳細に記述されている。グラッシーカーボン棒状電極とプラチナ電極を有するセルを用い、グラッシーカーボン棒状電極を陽極として電圧を印加することによって18-イオンを電極上に析出させ、[18O]H2O水から18-イオンを分離する。そして、陽極上へ析出させた18-イオンを有機溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO))に回収して、18-イオンと有機化合物の反応を行っている。
なお、非特許文献2は、グラファイト状カーボン電極と白金電極の組み合わせについて、グラファイト状カーボン電極上に18-イオンを析出させる手法を初めて報告したものである。
特表2005−519270号公報 Appl. Radiat. Isot. 2006 (64) 989-994. Appl. Radiat. Isot. 1989 (40) 1-6.
上記(1)の方法では、イオン交換樹脂による[18O]H2O水と18-イオンの分離は速やかに行うことができるが、イオン交換樹脂から回収した18-イオンを有機溶媒に溶解させるまでに作業が多く、要する時間が長くなる。また、作業が多くなることで、使用する装置と試薬の種類及び量が多くなる。また、このとき分離した[18O]H2O水は、イオン交換樹脂から微量の有機物が溶出するため、再利用することができない。
上記(2)の方法では、上述の文献で使用されているセルはバッチ処理用のセルであるため、[18O]H2O水をフローさせながらグラッシーカーボン棒状電極へ18-イオンを捕捉することはできず、一度に処理できる[18O]H2O水の量はセル内に充填できる量と同じ程度しかない。また、セルに18-イオンを捕捉する際に、グラッシーカーボン棒状電極に印加する電圧を20V程度にした場合、捕捉に要する時間は約8分間となる。また、グラッシーカーボン棒状電極から18-イオンを含んだ溶液を回収する際の時間は約5分間かかる。
さらに、得られる18-イオンの有機溶媒溶液の体積は、18-イオンを含有した[18O]H2O水の体積に対して数分の1程度にしか濃縮できず、濃縮率はあまり高くない。
そこで本発明は、迅速に効率よく18-イオンを捕捉・回収することができるフローセルを提供することを目的とするものである。
本発明の18-イオン捕捉回収用フローセルは、平板状の炭素電極を内包し、一表面に流路となる溝が形成され、その溝の底面に炭素電極表面が露出した樹脂からなる炭素電極部と、炭素電極部の溝が形成されている面に接合され、絶縁性基板の炭素電極部と接合している面の炭素電極と対向する位置に対向電極をもつ対向電極部と、を備えているものである。
炭素電極としては、平板状に形成されたグラッシーカーボン電極を挙げることができる。
上記した本発明のフローセルを形成する方法として以下の2つの方法を挙げることができる。
本発明のフローセルを製造する第1の方法は、以下の工程(A)〜(C)をその順に含むものである。
(A)平板状の炭素電極の一表面に流路の形状の保護シートを密着させて保護し、保護シートの炭素電極に密着した面とは反対側の面を基準面にして炭素電極の周囲を樹脂で覆って平板状に成型して樹脂からなる炭素電極部を形成する工程と、
(B)保護シートを炭素電極から剥離させて炭素電極部の一表面に流路となる溝を形成する工程、
(C)絶縁性基板の炭素電極部の溝に対応する位置に対向電極が形成された対向電極部を、対向電極が溝を挟んで炭素電極と対向するように炭素電極部の溝が形成されている面に接合する工程。
本発明のフローセルを製造する第2の方法は、以下の工程(A)〜(C)を含むものである。
(A)平板状の炭素電極の一表面には樹脂層が形成されないように保護した状態で炭素電極を樹脂で覆って平板状に成型することにより、一表面の一部領域に炭素電極を保持した炭素電極保持部を形成する工程、
(B)流路の形状の貫通溝が形成された樹脂からなる流路形成シートを、貫通溝が炭素電極に沿った流路となるように、炭素電極保持部の炭素電極保持面に接合して炭素電極部を形成する工程、
(C)絶縁性基板の炭素電極部の溝に対応する位置に対向電極が形成された絶縁性の対向電極部を、対向電極が溝を挟んで炭素電極と対向するように炭素電極部の溝をもつ面に接合する工程。
上記した第1及び第2の方法はいずれも、樹脂によるモールド法を用いて炭素電極部を形成することを特徴としている。熱硬化性樹脂を用いたモールド法は安価であるため、フローセルを安価に構成することができる。
第1の方法では、平板状の炭素電極の流路に面する部分を流路形状の保護シートで保護した状態で炭素電極を内包するような平板状の樹脂基板(炭素電極部)を一体成型した後、保護シートを炭素電極から剥離させることによって、炭素電極の一表面に底面が炭素電極となっている溝を形成している。この方法によれば、保護シートを流路形状に形成しておくことで任意の形状の流路となる溝を炭素電極部に形成することができるので、フローセル内部の流路の形成が容易である。この場合、保護シートの厚みが炭素電極部の溝の深さ、すなわち炭素電極と対向電極の間の距離になる。この製造方法では、平板状の炭素電極を内包しながら流路となる溝をもつ炭素電極部を樹脂によって一体成型するため、溝の底面の炭素電極と溝の側壁との間に隙間が生じず、溝によって形成される流路を液密性の高いものとすることができる。
上記の第1の方法において、炭素電極部を一体成型するために用いる樹脂としてポリジメチルシロキサン(以下、PDMSと記す)やポリプロピレン(以下、PPと記す)を用い、対向電極部として一表面に対向電極が形成されたガラス基板(石英ガラスを含む)又は樹脂基板を用いることが好ましい。PDMSやPPなどの樹脂は樹脂基板やガラス基板に対する接合性が高いため、炭素電極部と対向電極部との接合性が向上し、フローセル内部の流路の液密性がさらに高まる。
第2の方法では、第1の方法のように炭素電極部を一体成型するのではなく、平板状の炭素電極の一表面に樹脂層が形成されないように保護した状態で炭素電極を樹脂で覆って平板状に成型し、成型された炭素電極保持部の炭素電極側の面に樹脂からなる流路形成シートを接合することによって炭素電極部を形成している。この方法では、流路形成シートの厚みが炭素電極部の溝の深さ、すなわち炭素電極と対向電極の間の距離になる。
この第2の方法においては、流路形成シートとしてPDMSやPPからなるものを用い、対向電極部として一表面に対向電極が形成されたガラス基板又は樹脂基板を用いることが好ましい。上述のように、PDMSやPPは樹脂基板やガラス基板に対する接合性が高いため、流路形成シートと炭素電極保持部、流路形成シートと対向電極部との間の接合性が向上し、フローセル内部の流路の液密性を高めることができる。
炭素電極としてグラッシーカーボンを用いた場合、グラッシーカーボンは高価であるため、製造コストが高くなる。したがって、グラッシーカーボンの使用量を少なくすることがフローセルの製造コストの低減につながる。本発明のフローセル及びその第1及び第2の製造方法では、炭素電極部の対向電極部との接合面のうち流路の底部となる領域のみが炭素電極であればよいため、使用するグラッシーカーボンを小面積のものにすることができ、製造コストを低く抑えることができる。
本発明のフローセルにおいては、炭素電極−対向電極間の距離を500μm以下にすることが好ましい。炭素電極と対向電極との間の距離を500μm以下にすることで、低い電圧印加でも電極間の電位勾配が大きくなって18-イオンに作用する影響力が大きくなるので、18-イオンの捕捉効率が向上する。
第1の製造方法においては、厚みが500μm以下の保護シートを用いることにより、炭素電極部の一表面の溝の深さを500μm以下することができ、炭素電極−対向電極間の距離が500μm以下になる。
第2の製造方法においては、流路形成シートの厚みを500μm以下にすることで、フローセル内部の炭素電極−対向電極間の距離を500μm以下にすることができる。
本発明の18-イオン捕捉回収用フローセルは、樹脂からなる炭素電極部と絶縁性の対向電極部とが接合され、両電極部の間に形成された流路を炭素電極と対向電極とで挟むように構成しているので、18-イオンを含有した[18O]H2O水を流しながら炭素電極に18-イオンを捕捉でき、流路に18-イオン回収剤を流して両電極間の電圧を反転させることによって捕捉した18-イオンを回収することができる。これにより、流体を流しながら18-イオンの捕捉・回収が行なえるので、迅速にかつ高効率に18-イオンの濃縮作業を行なうことができる。
本発明の18F-イオン捕捉回収用フローセルの一実施例を説明する。図1は一実施例のフローセルを示す図であり、(A)は斜視図、(B)はフローセル内の電極配置及び流路構成を示す断面図、(C)は平面図である。
フローセル1は、炭素電極部2aと炭素電極部2aに接合された対向電極部2bからなる。炭素電極部2aと対向電極部2bの接合面では、炭素電極4と対向電極6が流路10を挟んで対向配置されている。炭素電極4と対向電極6の間の距離は500μm以下、例えば100μmである。
炭素電極部2aは平板状の例えばグラッシーカーボンなどの炭素電極4を内包した樹脂からなる基板である。炭素電極部2aの対向電極部2bとの接合面に流路をなす溝10が形成されており、その溝10の底面に炭素電極4が露出している。炭素電極4の一端4aは炭素電極部2aの端部から突出しており、電気的な接触をとるための接触端子をなしている。
炭素電極部2aはシリコンやPDMS、PPなどの樹脂で構成されているが、特に流路10を形成している樹脂(以下、流路形成部3bと記す)はPDMS又はPPである。PDMSやPPは樹脂基板やガラス基板に対する接合性が高いため、炭素電極部2aと対向電極部2bとの接合面がPDMS又はPPとなっていることにより、両電極部2a,2bの接合強度が高まり、流路10の液密性が向上する。特にPPはPDMSよりも耐薬品性が高いため、流路10に面する部分にPPを用いることにより、フローセル1の耐久性を高めることができる。このような炭素電極部2aは、炭素電極4よりも上の部分(炭素電極保持部3aと記す)と流路形成部3bとがPDMS又はPPにより一体成型されていてもよいし、炭素電極保持部3aをシリコンやPDMS、PPなどの樹脂で成型し、流路形成部3bを炭素電極保持部3aとは別にPDMS又はPPにより成型した後、炭素電極保持部3aと流路形成部3bを接合したものであってもよい。
対向電極部2bは一表面に対向電極6として例えば金属膜が形成されたガラス基板又は樹脂基板である。対向電極6が金属膜で構成されている場合、その金属膜は例えば白金、金、アルミニウム、タングステン、銅、銀、導体シリコン、チタン、クロムなどからなるものである。対向電極部2bには流路10の流体入口及び流体出口をなす貫通孔8a,8bが設けられている。対向電極部2bの一端は炭素電極部2aの同じ側の一端よりも突出しており、対向電極6の一端6aがその突出部分にまで形成されてフローセル1の外部に露出している。フローセル1の外部に露出した対向電極6の一端6aは電気的な接触をとるための接触端子をなしている。なお、両接触端子4aと6aが同じ位置に引き出されると接触をとりにくいため、この実施例では、対向電極6を一端6a側の端部近傍で屈曲させて接触端子4aとは異なる位置に接触端子6aがくるようにしている。
次に、図1に示したフローセル1を形成する方法について説明する。フローセル1を形成する方法としては、炭素電極部2aを一体成型する方法と、炭素電極保持部3aと流路形成部3bとに分けて別々に成型した後で接合する方法とがある。
[製造方法1]
炭素電極部2aを一体成型するフローセルの製造方法について説明する。図2はフローセルの第1の製造方法を示す工程断面図である。
平板状の炭素電極4の一表面の所定の領域に流路形状に形成された保護シート12を貼る(図2(A)を参照。)。炭素電極4は例えば幅寸法5mm、厚さ1mmであり、保護シート12は例えば長さ寸法40mm、幅寸法4mmであり、厚さは500μm以下、例えば100μmである。保護シート12は例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどの樹脂からなるものであり、成型後に成型樹脂から剥離しやすいものを使用する。
モールド用冶具14を炭素電極4の保護シート12が貼られている面に密着させて保持し(図2(B)を参照。)、モールド用型16に例えばPDMSなどのゲル状樹脂を流し込んで硬化させる方法を用いて炭素電極4を内包した平板状の炭素電極部を成型する(図2(C)を参照。)。
炭素電極部2aからモールド用冶具14を剥離させ、さらに保護シート12を剥離させる(図2(D)を参照。)。保護シート12を剥離させることにより、炭素電極部2aの一表面に保護シート12の厚みに相当する深さの溝10が形成される。溝10の底面は炭素電極4となっている。
次に、樹脂又はガラスからなる基板2bの主平面の所定の位置に貫通孔8a,8bを形成する(図2(E)を参照。)。その後、基板2bの一表面に蒸着法やスパッタリング法などを用いて対向基板となる金属膜6を所定のパターンに形成して対向電極部とする(図2(F)を参照。)。
炭素電極部2aの溝10が形成されている面と対向電極部2bの対向電極6が形成されている面を接合する(図2(G)を参照。)。炭素電極部2aをPDMSで成型し、対向電極部2bをシリコン、PDMSからなる基板又はガラス基板で構成した場合は圧着、炭素電極部2aをPDMSで成型し、対向電極部2bをPPからなる基板で構成した場合又は炭素電極部2aをPPで成型し、対向電極部2bをPDMS、PPで構成した場合は熱融着、によりこれらを接合することができる。
[製造方法2]
次に、炭素電極部2aを炭素電極部3aと流路形成部3bに分けて別々に成型するフローセル1の製造方法を説明する。図3はフローセルの第2の製造方法を示す工程断面図である。
モールド用冶具14を平板状の炭素電極4の一表面全体に密着させた状態で保持し(図3(A)を参照。)、モールド用型17に例えばPDMSなどのゲル状樹脂を流し込んで硬化させる方法を用いて、一表面の一部領域に炭素電極4が露出した平板状の炭素電極保持部3aを成型した後、炭素電極保持部3aからモールド用冶具14を剥離させる(図3(B),(C)を参照。)。
次に、樹脂又は石英からなる基板2bの主平面の所定の位置に貫通孔8a,8bを形成する(図3(D)を参照。)。その後、基板2bの一表面に蒸着法やスパッタリング法などを用いて対向基板となる金属膜6を所定のパターンに形成して対向電極部とする(図3(E)を参照。)。
炭素電極保持部3aの炭素電極4側の面に、流路10となる貫通溝18aが切られたPDMS又はPPからなる流路形成シート18を接合し、流路形成シート18の炭素電極保持部3aとは反対側の面に対向電極部2bの対向電極6が形成されている面を接合する(図3(F)を参照。)。流路形成シート18は図1における流路形成部3bに相当する。すなわち、炭素電極保持部3aと流路形成シート18が接合されることにより炭素電極部2aが形成される。
炭素電極保持部3aをPDMSやシリコンで成型し、流路形成シート18がPDMSからなるである場合は圧着、炭素電極保持部3aをPDMSやシリコン、PPで成型し、流路形成シート18がPPからなるものである場合は熱融着、によりこれらを接合して炭素電極部2aを構成することができる。また、流路形成シート18がPDMSからなるものであり、対向電極部2bをガラス基板やPDMSやPP以外の樹脂基板で構成した場合は圧着、流路形成シート18がPPからなるものであり、対向電極部2bをPDMS又はPPからなる基板で構成した場合は熱融着、により炭素電極部2aと対向電極部2bを接合することができる。
また、炭素電極部2aの炭素電極4よりも上の部分(炭素電極保持部3a)をPDMSにより成型した場合には、PDMSの弾力性を利用してフローセル1内部の流路の開閉を行なうためのバルブ機能をフローセル1に組み込むことができる。図4はその一例を示したものであるが、この例では、流路10の電極4,6で挟まれた区間と流体出入口8a,8bとの間に外部から押圧して流路を押し潰すことができる押潰し部19a,19bを設けている。押潰し部19a,19bでPDMSを外部から押圧することにより、PDMSが変形して流路10を閉鎖することができる。
上述したフローセル1は図5に示されるような放射性フッ素アニオン濃縮装置に組み込まれる。図5の放射性フッ素アニオン濃縮装置では、炭素電極4の接触端子4aと対向電極6の接触端子6aに電源装置20が接続されている。電源装置20は両電極4,6間に直流電圧を印加でき、かつその印加電圧を反転することができる。フローセル1の試料導入口8aには液体供給装置22が接続されている。液体供給装置22は18-イオンを含む溶液と18-イオンの回収剤を含むアセトニトリルを選択的に供給することができるものである。この放射性フッ素アニオン濃縮装置を用いた18-イオンの濃縮操作の手順を以下に説明する。
液体供給装置22により流路10に18-イオンを含む溶液を供給し、電源装置20により炭素電極4‐対向電極6間に一定電圧を印加して、炭素電極4に18-イオンを捕捉する。この操作では、流路10で18-イオンを含む溶液を流しながら炭素電極4‐対向電極6間に一定電圧を印加して炭素電極4に18-イオンを捕捉してもよいし、液体排出口8bを閉じて流路10に18-イオンを含む溶液を供給して流路10を18-イオンで満たし、その状態で炭素電極4‐対向電極6間に一定電圧を印加して炭素電極4に18-イオンを捕捉してもよい。
炭素電極4に18-イオンを捕捉した後、流路10が液体で満たされている場合は液体排出口8bからその液体を排出した後、流路10を18-イオン回収剤を含むアセトニトリルで満たし、炭素電極4‐対向電極6間の印加電圧を反転させて炭素電極4に捕捉した18-イオンをアセトニトリルに回収する。18-イオンを回収したアセトニトリルを液体排出口8bから排出して回収する。18-イオン回収剤としては、4,7,13,16,21,24-hexaoxa-1,10-diazabicyclo-[8,8,8]-hexacosane(Kryptofix 222(登録商標))が挙げられる。
本発明は、サイクロトロンで加速した陽子を[18O]H2O水に照射することで得られる18-イオンを[18O]H2O水から分離し、18-イオンの有機溶媒溶液を製造するフローセルに利用することができる。
一実施例のフローセルを示す図であり、(A)は斜視図、(B)はフローセル内の電極配置及び流路構成を示す断面図、(C)は平面図である。 フローセルの第1の製造方法を示す工程断面図である。 フローセルの第2の製造方法を示す工程断面図である。 フローセルの他の実施例を示す平面図である。 放射性フッ素アニオン濃縮装置の構成を概略的に示す構成図である。
符号の説明
1 フローセル
2a 炭素電極部
2b 対向電極部
3a 炭素電極保持部
3b 流路形成部
4 炭素電極
6 対向電極
4a,6a 接触端子
8a,8b 流路出入口
10 流路
12 保護シート
14 モールド用冶具
16,17 モールド用型
18 流路形成シート
18a 流路形成シートの貫通溝
19a,19b バルブ用押潰し部
20 電源装置
22 液体供給装置

Claims (13)

  1. 平板状の炭素電極を内包し、一表面に流路となる溝が形成され、前記溝の底面に前記炭素電極表面が露出した樹脂からなる炭素電極部と、
    前記炭素電極部の前記溝が形成されている面に接合され、絶縁性基板の前記炭素電極部との接合面の前記炭素電極と対向する位置に対向電極をもつ対向電極部と、を備えている18-イオン捕捉回収用フローセル。
  2. 前記炭素電極はグラッシーカーボンである請求項1に記載のフローセル。
  3. 前記炭素電極部で前記流路を形成している樹脂はポリジメチルシロキサン又はポリプロピレンであり、前記対向電極部は一表面に前記対向電極が形成されたガラス基板又は樹脂基板である請求項1又は2に記載のフローセル。
  4. 前記溝の深さは500μm以下である請求項1から3のいずれか一項に記載のフローセル。
  5. 以下の工程(A)〜(C)をその順に含んで、流体が流れる流路をもち、その流路を挟んで炭素電極と対向電極が対向配置されたF-イオン捕捉回収用フローセルを製造するフローセル製造方法。
    (A)平板状の炭素電極の一表面に前記流路の形状の保護シートを密着させて保護し、前記保護シートの前記炭素電極に密着した面とは反対側の面を基準面にして前記炭素電極の周囲を樹脂で覆って平板状に成型して前記樹脂からなる炭素電極部を形成する工程、
    (B)前記保護シートを前記炭素電極から剥離させて炭素電極部の一表面に流路となる溝を形成する工程、
    (C)絶縁性基板の前記炭素電極部の前記溝に対応する位置に対向電極が形成された対向電極部を、前記対向電極が前記溝を挟んで前記炭素電極と対向するように前記炭素電極部の前記溝が形成されている面に接合する工程。
  6. 前記炭素電極はグラッシーカーボンである請求項5に記載のフローセル製造方法。
  7. 前記対向電極部は樹脂基板又はガラス基板の一表面に前記対向電極となる金属膜が形成されたものである請求項5又は6に記載のフローセル製造方法。
  8. 前記樹脂はポリジメチルシロキサン又はポリプロピレンであり、前記対向電極部は一表面に前記対向電極が形成されたガラス基板又は樹脂基板である請求項5から7のいずれか一項に記載のフローセル製造方法。
  9. 前記保護シートの厚みは500μm以下である請求項5から8のいずれか一項に記載のフローセル製造方法。
  10. 以下の工程(A)〜(D)を含んで、流体が流れる流路をもち、その流路を挟んで炭素電極と対向電極が対向配置されたF-イオン捕捉回収用フローセルを製造するフローセル製造方法。
    (A)平板状の炭素電極の一表面には樹脂層が形成されないように保護した状態で前記炭素電極を樹脂で覆って平板状に成型することにより、一表面の一部領域に炭素電極を保持した炭素電極保持部を形成する工程、
    (B)前記流路の形状の貫通溝が形成された樹脂からなる流路形成シートを、前記貫通溝が前記炭素電極に沿った流路となるように、前記炭素電極保持部の炭素電極保持面に接合して炭素電極部を形成する工程、
    (C)前記炭素電極部の前記溝に対応する位置に対向電極が形成された絶縁性の対向電極部を、前記対向電極が前記溝を挟んで前記炭素電極と対向するように前記炭素電極部の前記溝をもつ面に接合する工程。
  11. 前記炭素電極はグラッシーカーボンである請求項10に記載のフローセル。
  12. 前記流路形成シートはポリジメチルシロキサン又はポリプロピレンからなり、前記対向電極部は一表面に前記対向電極が形成されたガラス基板又は樹脂基板である請求項10又は11に記載のフローセル製造方法。
  13. 前記流路形成シートの厚みは500μm以下である請求項9から12のいずれか一項に記載のフローセル製造方法。
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