JP2009089591A - テンショニングメカニズムのための制御式電動モータ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 2つの同期モータをその相巻線でもって直列接続し、そこで、その両方の磁極ホイールと回転子磁束を互いに位相差又は角度差を付けて回転させる。両同期モータに、位置制御器及び/又は速度制御器を包含する共通の制御装置を割り当て、その起動制御のために電流変換器と結合させる。こうして、両同期モータに共通の電流変換器からそれぞれ同一の相電流を供給する。
【選択図】 図1
Description
発明が解決しようとする更なる課題
更なる課題を解決するための手段
停止状態が生じるのは、両同期モータM1、M2の回転トルクが同じ大きさで、互いに反対の向きである時、又は互いに反対の正負符号を持つ時である。そうなるためには、図4に示した通り電流変換器がデフォルト“回転トルク0”を出力する。すると、横電流目標値設定器10にも縦電流目標値設定器17にも――後者には正負符号反転の上で――それぞれ1つだけ、バイアストルクbias_torqueの同じ大きさの設定値が送られる。同期モータM1、M2の固定子に結果的に生まれる、回転トルクを作る横電流成分iq1、iq2は、確かに同じ大きさであるが、互いに反対の正負符号を持つ。その結果、それぞれのベクトル積ΨM1×iq1(第1の同期モータM1に関する)及びΨM2×iq2(第1の同期モータM2に関する)を介してそれぞれ同じ大きさの、互いに反対の向きの回転トルクが生じる。ここから結果として停止状態が生まれることになる。
回転数制御器7を介して作成され、モータトルク設定器7、8を介して出力されたモータトルク設定値mrefに基づき、第1の加算点15においてバイアストルクbias_torqueの値にモータトルク設定値を加算することにより、図4に示した通り横電流目標値設定器10に横電流目標値成分を増大させるデフォルトが与えられる。これにより大幅に増大させられた横電流目標値成分isq_refは、第1の同期モータM1において、応分に回転トルクが増大した横電流iq1(上で挙げたΨM1とのベクトル積を参照)と解釈されるが、反面、この増大した電流成分は、第2の同期モータM2において磁束を作る成分id2として働くだけである。その結果、第1の同期モータM1は、牽引ストランド1の左移動を引き起こすべく第2の同期モータM2より大きい回転トルクを生じさせることになり、その大きさは、最大限、第2の同期モータM2の回転トルクの2倍であってよい。
モータトルク設定器7、8から相応に出力された負符号のモータトルク設定値mrefに基づき、正符号のバイアストルクデフォルトを加算した後、横電流目標値設定器10において横電流目標値成分の相応の減少が生じる。その減少の程度は、図6cから分かる通り、横電流成分iq1を表すポインタの短くなった分に相当する。この電流成分は、第2の同期モータM2において磁束を作る縦電流成分id2として働く。その横に引かれた点線は、一定に設定されたバイアストルクbias_torqueに相当する電流ベクトル又は電流ポインタを表す。これは、縦電流目標値設定器17に送られた上で、一定のまま留まった、回転トルクを作る第2の同期モータM2の横電流成分iq2の中に現れる(相応の電流分が第1の同期モータM1において単に磁束を作る電流成分として使用されるだけである)。この場合、第1の同期モータM1からもたらされる回転トルクは、第2の同期モータM2からもたらされる回転トルクの数分の一でしかなく、設定値固定のバイアストルク設定器14に単独で戻っていくだけである。
1 牽引ストランド
b1、b2 加速度
Ψm1、Ψm2 第1の同期モータと第2の同期モータのそれぞれの磁束鎖交
2 位置信号発生器
3 歯車
4 電流変換器
WU1、2 モータ三相電流巻線
WV1、2 モータ三相電流巻線
WW1、2 モータ三相電流巻線
U、V、W 電流変換器相結線
6 速度目標値/実際値比較場所
7 回転数制御器
8 リミッタ
9 電流制御器
usq_ref 横電圧成分
usd_ref 縦電圧成分
PWM パルス幅変調器
m_ref モータトルク設定値
isq_ref 横電流目標値成分
11 横電流目標値/実際値比較器
12 乗算素子
Ψ 磁束鎖交
13 プラスリミッタ
7、8 モータトルク設定器
14 バイアストルク設定器
15 第1の加算点
16 正負符号反転素子
17 縦電流目標値設定器
18 縦電流目標値/実際値比較器
isd_ref 縦電流目標値成分
bias_torque バイアストルク
20 第2の加算点
iq1、iq2 第1の同期モータM1と第2の同期モータM2のそれぞれの横電流成分
id1、id2 縦電流成分
V 角度差
G 信号発生器
M2a 特殊モータ
W1、W2 モータ巻線
L1、L2 牽引ストランド1の端セクション
U、V、W 位相
Claims (30)
- 多相モータ実電流(U、V、W)の測定結果を使用し、その測定値を回転子磁界角又は磁束角に応じて縦電流成分と横電流成分に関する回転子磁束ベースのd−q座標系に変換し、前記実電流の横電流成分及び縦電流成分を電流目標値の所与の横電流成分及び縦電流成分(isq_ref、isd_ref)と比較して行う、テンショニングメカニズム、特にストランド手段及び/又は歯車機構手段(1、3)のためのテンショニングメカニズムを実現させることを目的とする、複数の電動モータを付けた電気駆動装置のための界磁指向制御方法であって、
a)電動モータとして2つの同期モータ(M1、M2)を使用する工程、
b)両同期モータ(M1、M2)の磁極ホイール又は回転子を、その磁束鎖交(Ψm1、Ψm2)又はそれ以外の磁束の間に位相差(V)が作られるように互いに回転させ、又は整定し、次に機械的に結合させる工程、
c)両同期モータに共通の電流変換器からその時々で同じ相電流を供給し、又は通流させる工程、
d)バイアストルクについて目標値又は設定値をプリセットし、制御器(7)から出力されたモータトルク設定値(m_ref)に重ね合わせ、ここから電流目標値に関する横電流成分(isq_ref)を導き出す工程、
e)プリセットされたバイアストルク設定値(m_ref)から正負符号反転の上で電流目標値に関する縦電流成分(isd_ref)を導き出す工程
を包含する、前記制御方法。 - 連続運転において前記バイアストルク設定値(m_ref)及び/又は前記位相差(V)を一定に保つことを特徴とする、請求項1に記載の制御方法。
- 1つの電流成分が、前記第1の同期モータ(M1)において回転トルクを作る横電流成分(iq1)として、又は、磁束を作る縦電流成分(id1)として働き、同時に、それぞれ前記第2の同期モータ(M2)において磁束を作る縦電流成分(id2)として、又は、回転トルクを作る横電流成分(iq2)として使用されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の制御方法。
- その時々で大きさ及び位相において、前記第1の同期モータ(M1)における前記横電流成分(iq1)が前記第2の同期モータ(M2)における縦電流成分(id2)と一致し、前記第1の同期モータ(M1)における縦電流成分(id1)が前記第2の同期モータ(M2)における横電流成分(iq2)と一致することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の制御方法。
- 可撓性の物体又は遊びを伴う物体にテンションをかける駆動装置を対象とし、当該物体に少なくとも2つの多相運転可能な電動モータ(M1、M2)から相対する力を加える中で、前記電動モータをコントロールするコントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)を使用して行う運転方法であって、前記テンショニング駆動装置の静止状態又は無通電状態からの起動又は始動のために、先ず、所定のストップ規準が前記コントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)により認識されるまで、前記両同期モータのうち1つ(M1)をテンショニング運動に向けて起動制御することを特徴とする、前記運転方法。
- 第1のストップ基準を検出した後、所定の第2のストップ規準が前記コントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)により認識されるまで、前記第2の電動モータ(M2)をテンショニング運動に向けて起動制御することを特徴とする、請求項5に記載の運転方法。
- 第1又は第2の電動モータ(M1、M2)の起動制御の間、他方の電動モータを短絡させ、及び/又は、前記コントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)からの結合を切ることを特徴とする、請求項5又は6に記載の運転方法。
- 電動モータ(M1、M2)の一方又は両方を前記コントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)からの結合を切るために、前記電動モータの一方(M1)において相巻線(W1)をそれぞれの両端で、好ましくは星形接続又は三角接続で短絡させ、前記他方の電動モータ(M2)においてそれぞれの相巻線を橋絡させ、及び/又は、その両端で結合させることを特徴とする、請求項5、6又は7に記載の運転方法。
- 電動モータ(M1、M2)の一方の起動制御の間、他方の電動モータを、その相巻線の短絡(S1、S2)を介してダイナミックブレーキとして使用することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の運転方法。
- ストップ規準としてモータ電流の増大、及び/又は、モータ回転位置の所定値への到達、及び/又は、所定時間経過が役立つことを特徴とする、請求1〜9のいずれかに記載の運転方法。
- 特にストランド手段及び/又は歯車機構手段(1、3)のテンショニングメカニズムのために、少なくとも2つのそれぞれ多相運転可能な電動モータを使用し、特に請求項1〜10項のいずれかに記載の制御方法を実行する電動モータ装置であって、
a)前記2つの電動モータが同期モータ(M1、M2)であること、
b)前記同期モータがその相巻線(WU1、U2、WV1、V2、WW1、W2;U1、U2;V1、V2;W1、W2)を介して互いに直列接続されていること、
c)前記同期モータ(M1、M2)がその給電のために共通の電流変換器(4)と結合していること、
d)前記同期モータ(M1、M2)が、その角度位置が互いにずれているように、及び/又は、その磁束鎖交(Ψm1、Ψm2)又はそれ以外の磁気列の並びが互いに位相差(V)を呈するように、その磁極ホイール又は回転子を介して互いに機械的に結合していること
を特徴とする、前記電動モータ装置。 - 前記磁極ホイール又は回転子及び/又はその磁気列の並びの相互の位相差(V)が90度又は0度から±180度までの間であることを特徴とする、請求項11に記載の電動モータ装置。
- 回転子又は磁極ホイールの間の機械的結合がストランド手段及び/又は歯車機構手段(1、3)を使って実現していることを特徴とする、請求項11又は12に記載の電動モータ装置。
- ストランド手段及び/又は歯車機構手段(1、3)が、ぴんと張った牽引ストランド、又は、噛み合いつつ、その隣り合う歯面を介してテンションをかけられる歯車を含むことを特徴とする、請求項13に記載の電動モータ装置。
- 同期モータ(M1、M2)のうち第1の同期モータがその相巻線(WU1、WV1、WW1)を介して前記電流変換器(4)と直結しており、第2の同期モータ(M2)が電流変換器(4)から第1の同期モータ(M1)を介して間接的に電力又は電流を供給されていることを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載の電動モータ装置。
- 一連の同期モータの中で共通の電流変換器からみて最終場所に配置された同期モータにおいて相巻線(WU2、WV2、WW2)が星形接続又は三角接続で互いに結合しており、他方、前記一連の同期モータの中で最終場所以外の場所に配置された他の同期モータ(Mit1)において、その相巻線(WU1、WV1、WW1)の始端と終端が前記電流変換器(4)又は隣接した同期モータ(M2)との外部結合のために使用可能になっていることを特徴とする、請求項11〜15のいずれかに記載の電動モータ装置。
- 駆動制御回路を実現させるために前記同期モータ(M1、M2)の一方又は両方が位置認識装置(2)を備えており、その出力が前記電流変換器(4)を起動制御する制御装置(5)に送られていることを特徴とする、請求項11〜16のいずれかに記載の電動モータ装置。
- 同期モータ(M1、M2)に、位置制御器及び/又は速度制御器(7)を含む共通の制御装置(5)が割り当てられており、これがその起動制御のために電流変換器(4、WR)と結合していることを特徴とする、請求項11〜17のいずれかに記載の電動モータ装置。
- 特に請求項1〜10に記載の制御方法を実行するために、2つのそれぞれ多相運転可能な電動モータが共通のコントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)と結合している、電動モータ装置であって、前記一方又は両方の同期モータ(M1、M2)の前記相巻線(U1、U2;V1、V2;W1、W2)が、前記一方又は両方の電動モータ(M1、M2)を前記コントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)から減結合させるために配置されたスイッチ手段(S1、S2)を備えていることを特徴とする、請求項11〜18のいずれかに記載の電動モータ装置。
- スイッチ手段(S1、S2)が全部又は一部、モータ巻線(W2)をその端で橋絡するスイッチ(S2)として、又は、様々な位相(U2、V2、W2)を結合させるスイッチ(S2)として形作られていることを特徴とする、請求項19に記載の電動モータ装置。
- スイッチ手段(S1、S2)が前記コントロール装置及び/又は制御装置(WR、G)により操作自在に形作られていることを特徴とする、請求項19又は20に記載の電動モータ装置。
- 電気駆動装置、特に請求項11〜21に記載の電動モータ装置の界磁指向制御のための位置及び/又は速度制御装置であって、モータトルク設定値(mit_ref)を計算し、出力する少なくとも1つの装置(7、8)であるモータトルク設定器を備えており、その出力から、回転子磁束関連のd−q座標系に基づき、下位の横電流制御器に関する横電流目標値成分(isq_ref)を導き出し、分析評価し、バイアストルク設定値を作成する装置(14)であるバイアストルク設定器が設けられており、その出力が一方で前記モータトルク設定器(7、8)の出力と結合し、他方で下位の縦電流制御器に関する縦電流目標値成分(isd_ref)を導き出す装置(17)である縦電流目標値設定器に送られていることを特徴とする、前記位置及び/又は速度制御装置。
- モータトルク設定器(7、8)の出力とバイアストルク設定器(14)の出力が互いに追加的に、特に加算点(15)を介して結合していることを特徴とする、請求項22に記載の制御装置。
- バイアストルク設定器の出力部が、正負符号反転素子(−1)を介して縦電流目標値成分(isd_ref)を導き出す縦電流成分目標値設定器(1/Ψ)と結合していることを特徴とする、請求項22又は23に記載の制御装置。
- バイアストルク設定器の出力部に加えて、前記モータトルク設定器(7、8)の出力部が前記縦電流成分目標値設定器(1/Ψ)の入力部と結合していることを特徴とする、請求項22〜24の1項に記載の制御装置。
- 縦電流目標値設定器(17)の入力側に加算点(20)が配置されており、これを介して前記バイアストルク設定器(14)の出力値が前記モータトルク設定器(7、8)の出力値から減算され、この減算結果が前記縦電流目標値設定器(17;12、1/Ψ、19)に送られることを特徴とする、請求項22〜25の1項に記載の制御装置。
- バイアストルク設定器(14)が、バイアストルク設定のために好ましくは外部操作可能な入力部を有することを特徴とする、請求項22〜26の1項に記載の制御装置。
- 正負符号反転素子(16)を付けた前記バイアストルク設定器(14)の出力が加算点(20)に送られており、その第2の出力部が前記モータトルク設定器(7、8)の出力部と結合しており、また、前記加算点出力部が前記縦電流目標値成分(isd_ref)を導き出すために前記縦電流目標値設定器(17;12、1/Ψ、19)の入力部と結合していることを特徴とする、請求項22〜27の1項に記載の制御装置。
- 横電流目標値(isq_ref)と縦電流目標値(isd_ref)の出力部がそれぞれ、該出力を互いに反対の正負符号の範囲に制限すべく形作られた制限素子(13、19)を備えていることを特徴とする、請求項22〜28の1項に記載の制御装置。
- バイアストルク設定器(14)が、最大限可能なモータトルクの50パーセント又はほぼ50パーセントに相当する設定値を、横電流目標値(isq_ref)及び/又は縦電流目標値(isd_ref)を導き出す装置(10、19、1/Ψ)のそれぞれの入力部に向けて出力すべく調整及び/又は設計されていることを特徴とする、請求項22〜29の1項に記載の制御装置。
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