JP2009089560A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回路および制御の簡略化を図ると共に、低振動で且つ低損失なモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】 ステッピングモータの定電流駆動回路において、定電流制御PWM信号を用いて、モータ巻線への供給電圧を制御する構成とすることで、低速領域では必要な電流制御量に応じて、電源電圧を低いレベルに制御でき、定電流制御回路およびモータでの損失を低減し、かつ、高速領域では逆起電圧による電流抑制を緩和させるように作用することで、励磁切換時の電流立ち上がり時間の短縮およびステッピングモータ駆動回路の定電流制御範囲の拡大が可能となるとともに、駆動装置全体としての省エネルギー化が図れる。
【選択図】 図8

Description

本発明はモータ駆動装置、特にステッピングモータを低損失で振動・騒音を抑制しながら駆動するモータ駆動装置に関する。
複写機等における紙搬送用駆動源の位置決め制御に、ステッピングモータが利用されている。ステッピングモータは、フィードバックする必要が無いオープンループ制御で駆動することが可能なため多用されている。
そのステッピングモータの駆動方式としては、主に、
(1) 1相励磁方式、(2) 2相励磁方式、(3) 1−2相励磁方式、(4) uSTEP(マイクロステップ)駆動方式が知られている。
また、利用用途に応じてステッピングモータの種類も使い分けられることが多く、その場合は下記のような選択となることが多い。
・PM(permanent magnet/永久磁石)型: 速度範囲が狭く、トルク範囲も大きくない用途
・ハイブリット型: 速度範囲が広く、トルク範囲も大きい用途
上記いずれのモータ構造を持つステッピングモータにおいても、モータ巻線のインダクタンス分による電流変化抑制と、駆動速度に応じた逆起電圧発生による電流入力制限が作用するため、モータの出力トルク特性は駆動範囲内で常に変化する。
このような特性をもつステッピングモータにおいて、安定した出力トルクが得られる制御方法として、励磁する相(もしくは巻線)に流れる電流を一定とする定電流制御駆動回路が一般的に用いられている。
この定電流制御方式の回路構成としては、一般的(たとえば非特許文献1参照)に、図15に示すように、相励磁パターン生成回路300と定電流制御回路202とで構成される。相励磁パターン生成回路300は、ステッピングモータの回転方向と回転速度に対応して入力された駆動パルス信号に従い上記(1)〜(3)に応じて各相(A,A*,B,B*)のオン/オフシーケンスを生成する。一方、定電流制御回路202は、オン/オフシーケンスにより規定された各相(A,A*,B,B*)のオン期間において、ステッピングモータの巻線電流を一定電流に制御する。
この定電流制御回路202では、ステッピングモータ100の各巻線LA/LA*/LB/LB*に流れる電流ia+ia*、ib+ib*を、電流検出回路203A/203Bで検出する。そして、各相の電流が規定の電流値となるように設定された電流設定回路201A/201Bと、電流検出部203A/203Bによる検出値とにより、PWM制御202A/202Bでオン・オフ比率を制御されたPWM信号が生成される。これらのPWM信号と前記励磁相信号A,A*,B,B*のそれぞれの論理積をとったものを、各巻線に接続された半導体スイッチング素子SW_A・SW_A*・SW_B・SW_B*の駆動信号とする。それで、所定の駆動期間内に流れる各巻線の電流をほぼ一定値となるように制御される。
なお、(4)uSTEP駆動は、モータの構造により規定される基本ステップ角(2相:1.8度、5相:0.72度等)を、各巻線LA/LA*/LB/LB*の電流比率を制御することで、1/4,1/8...というように細分化を図る駆動方式である。1/4uSTEP時の各巻線の電流指令値を、図16に示す。図16に示すような電流指令値、を定電流駆動回路である図15の定電流指令値としてA相・B相に対して設定することで制御される。この電流比率は正弦関数から決定されており、細分化していくことで巻線に流れる電流波形は正弦波状に制御されることになる。
前述したようにステッピングモータはオープンループ制御で利用できる反面、モータの出力トルク以上の負荷変動が生じた場合には、脱調とよばれる指令値との同期はずれによるモータ停止状態になるという欠点も併せ持っている。これを回避するための一般的な手法として、例えば図13に示すように負荷をある加減速パターンで駆動する場合に必要なトルクに対して、モータ出力トルク範囲に図14のようにトルクマージン(通常必要トルクに対し1.5〜2倍)を設ける。つまり、脱調しないモータ出力トルクとなるように電流設定を行う。
ここで、前述したモータ駆動速度により発生する逆起電圧要因でモータ巻線への電流制限が生じる領域は、図18に示すようにモータ出力トルクの傾きが大きくなる領域(以下定電圧駆動領域)となる。ここで分かるように、負荷駆動範囲がこの定電圧駆動領域にまで及ぶ場合には、駆動開始時を含む低速駆動領域におけるトルクマージンと、定電圧駆動領域でのトルクマージンとでは大きな差が生じることになる。結果として、このトルクマージンの大きさが駆動時に発生する振動を増加させることになるという欠点を備えている。
つまり、駆動範囲が広い負荷を駆動する場合には、脱調防止を目的としてマージンを大きくすればするほど振動発生を助長することになる。この低速駆動領域におけるモータのステップ駆動動作による振動を抑制する手法としては、前述した駆動方式(4)のμSTEP駆動方式が有効な手段として一般的に利用されている。
このuSTEP駆動によるモータ自身での低振動化は、
・駆動電流の正弦波化による発生トルクの高調波成分の低減
・基本ステップ角の分割
等によりなされる。
ここで基本ステップ角の分割による、一般的に回転運動を行う物体に関する運動方程式は、加えるトルクをT[Nm]、トルクTの印加時間をt[s]、回転させる物体の慣性モーメントをJ[kgm2]、初期角速度をω0[rad/s]、変化後の角速度をω1[rad/s]とすると、
T=J*(ω1―ω0)/t ...(1)
で表され、その場合の運動エネルギーの変化量ΔKは
ΔK=J*(ω12―ω02)/2 ...(2)
ここで、角加速度ω'(=dω/dt)、変位角θとすると
(ω12―ω02)=2ω'θ ...(3)
であるから
ΔK=J*(ω12―ω02)/2=Tθ ...(4)
と表される。
このように、角速度の変化量が大きくなる場合や駆動モータから負荷へ供給されるトルクが大きくなる場合に、運動エネルギーの変化量が大きくなり、結果として振動や騒音の増加を招くことになる。このため、角度の細分化によることで発生振動を抑制することが可能となる。
ただし、基本ステップ角(電気角180度)毎にモータに入力されるエネルギーとしては、図17に示すように、フルステップ駆動時の矩形波電流に対し、低速領域(図17の(b))では正弦波電流となるため約1/√2程度へと減少する。また、高速領域では逆起電圧分の影響と、負荷角と呼ばれるモータ出力トルクと負荷トルクによる釣り合い角の影響により巻線電流量が変化が発生する。図17の(c)は、負荷トルクが比較的大きな値の場合の波形比較結果を示す。この場合でも、定電流制御値として、フルステップ駆動の矩形波指令値に対し、uSTEP駆動の正弦波指令値では、負荷角が大きくなり逆起電圧の発生位相が変化した場合でも巻線電流が抑制されてしまう。このため、約9割弱の値にしかならず、結果として図17の(a)のようにモータ出力トルクも減少する。
つまり、同じモータ軸角速度で駆動する場合に、同じピーク電流設定値では、uSTEP駆動のほうがフルステップ駆動時に対し、振動は抑制される。しかし、トルクは減少方向となるため、より大きい電流設定とする必要性と電源電圧の高電圧化とが必要とされる。
これに関しては、分割数と駆動周波数に応じた電流制御値変更などのものが提案されている(特許文献1)。
また、低速領域での低振動化対策としては、駆動電流を最適な値とすることで、図19に示すように、ステップ動作時にロータの移動位置に対するオーバーシュート・アンダーシュートを少なくすることができる。これにより振動・騒音が低減できることが知られている。これをもとに、駆動電流を駆動周波数に応じて増減制御を行うもの等が提案されている(特許文献2)。
「ステッピングモータとマイコン制御」、見城尚志・菅原晟著、総合電子出版、1994発行、7.3章 特開平11−235093号公報 特開平9−23695号公報
以上のようなステッピングモータ駆動時の問題点を改善し、かつ、駆動回路での損失低減を図る場合には、電源電圧を可変することが有効となる。
しかし、電源電圧可変とする場合には昇圧、降圧構成のいずれの場合においても、インダクタンスL、コンデンサC、半導体スイッチ素子による回路構成と制御ICが必要となる。
また、さらに電圧レベルを任意可変制御とする場合には、どのタイミングで電圧レベルの変更を行うかを制御する要素が必要となるため、回路構成の複雑化を生じる欠点もあった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、回路および制御の簡略化を図ると共に、低振動で且つ低損失なモータ駆動装置を提供する。
以上のような問題点に対し、本件では下記構成により回路・制御の簡略化を図り、低振動・低損失なモータ駆動装置を提案する。
すなわち、入力電圧をモータに供給するための電源回路と、前記モータに流れる電流を定電流値となるよう制御する定電流駆動回路とを有するモータ駆動装置において、前記定電流駆動回路が有する電流検出手段で検出された電流値と指令された定電流値とを比較して、比較結果に基づいて前記モータに流れる電流を制御する制御信号を発生する信号発生手段と、前記信号発生手段から発生した制御信号を受けて、前記制御信号に同期して前記入力電圧を変化させて前記モータに供給する可変電源回路とを有することを特徴とする。
ここで、前記可変電源回路は、前記制御信号に同期して前記入力電圧を昇圧して前記モータに供給する昇圧電源回路を含む。また、前記制御信号は、前記比較結果の電圧レベルでパルス幅変調されたパルス信号である。また、前記制御信号を遅延させて前記定電流駆動回路の制御を行なうマスク回路を更に有する。また、前記モータは、ステッピングであって、前記ステッピングモータの回転方向と回転速度を制御する信号を発生するための相励磁パターン生成回路を更に有する。また、前記可変電源回路を、前記ステッピングモータの各励磁相ごとに有する。また、前記相励磁パターン生成回路は、前記ステッピングモータの回転速度を示す定電流値を指令する電流指令手段を有する。
また、本発明は、画像形成装置における負荷を駆動させるためのステッピングモータを駆動するモータ駆動装置であって、ステッピングモータの各相の巻線へ供給された電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段により検出された巻線電流が所定の電流値となるように、電流値を指令するための電流指令手段と、前記電流検出手段により検出された巻線電流と前記電流指令手段により指令された電流値との差を検出するための比較手段と、前記比較手段により検出された巻線電流の差に応じて、前記各相の巻線へ供給される電流のオン/オフデューティ比を決定するPWM制御手段と、前記PWM制御手段から出力されるPWM信号に基づき、第1の半導体スイッチ素子をオン/オフ制御することで巻線電流を定電流制御する定電流制御手段と、前記定電流制御手段に直列に接続されたコイルおよび半導体整流素子と、前記コイルおよび半導体整流素子の間に並列に接続された第2の半導体スイッチ素子と、コンデンサとからなる電源供給手段とを有し、前記定電流制御を行うためのPWM制御手段により生成される前記PWM信号を、前記電源供給手段の第2の半導体スイッチ素子のオン/オフ制御を行う信号とし、前記電源供給手段の構成要素であるコイルおよびコンデンサにより決定される回路時定数を、前記ステッピングモータの巻線と第1の半導体スイッチ素子および回路抵抗の総和による抵抗分との回路時定数の1/2以下とすることを特徴とする。
ここで、前記PWM制御手段は、前記電流指令手段が指令した電流値と前記電流検出手段が検出した巻線電流の検出値とを前記比較手段により比較した結果の差に基づいて、前記PWM信号を最小のオフ期間で生成するよう制御し、前記定電流制御手段は、前記最小のオフ期間をマスクする手段を含んでスイッチング周期における100%の導通を可能とし、前記電源供給手段へ供給される前記PWM信号は、前記定電流制御手段における励磁相ごとに生成された前記PWM信号の論理和により生成される。また、前記電源供給手段は励磁相ごとに設けられ、それぞれの電源供給手段へ供給される前記PWM信号を、前記定電流制御手段における励磁相ごとの定電流制御のPWM信号とする。
以上のような構成とすることで、回路および制御の簡略化を図ると共に、低振動で且つ低損失なモータ駆動装置を提供できる。
すなわち、定電流駆動回路側で必要とする電流量に応じたデューティ比となるように生成されるPWM制御信号により、回転速度により発生する逆起電圧分を補正するように供給電圧レベルが制御される。これにより、低速領域では必要な電流制御量に応じて、電源電圧を低いレベルに制御することで、定電流制御回路、および、モータでの損失を低減する。かつ、高速領域では逆起電圧による電流抑制を緩和させるように作用することで、励磁切換時の電流立ち上がり時間の短縮、および、ステッピングモータ駆動回路の定電流制御範囲の拡大が可能となる。さらに、駆動装置全体としての省エネルギー化が図れる。
かかる本発明のモータ駆動装置を、帯電、露光、現像を繰り返して画像を形成するレーザープリンタやデジタル複写機などに利用する画像形成装置へ適用する。そして、紙搬送系における駆動モータによる振動抑制、また、カラー画像形成装置における各色(MYCK)毎の現像装置を回転体構造に内包して、色毎に回転させることで、複数色の現像を行う回転現像器の駆動モータにおける振動抑制を行う。その結果、機器駆動騒音を抑制し、かつ駆動源振動に起因する形成画像の劣化を防止できる。
以下では、本発明の実施形態におけるモータ駆動装置について、図を参照しながら説明する。
<本発明のモータ駆動装置の概念>
まず、本発明のモータ駆動装置について、その理論的な説明を行なう。
(昇圧電源回路の例)
図1は、駆動回路への電源供給部となる昇圧電源回路のブロック図である。
回路構成要素として、コイルL、半導体スイッチ素子としてのFET、ダイオードD、コンデンサCoutで構成される。
図2に、図1の回路の動作状態を示す。
動作モードとしては次の2つがある。1つは、半導体スイッチ素子FETをオンして、コイルLに電流i1を供給し、エネルギーを蓄積するモード(a)である。もう1つは、前記FETをオフして、コイルLに蓄積されたエネルギーを入力電圧Vinに加算して、コンデンサCoutに対し電流i3として充電出力するモード(b)である。なお、接続された負荷(図には定電流源として示す)には両モード共に連続してコンデンサCoutから電力が供給される
この回路における入出力間の制御特性は、図2の(a)、(b)より次式で表される。
i1=i3
Vin/L×ton = (Vo−Vin)/L×toff
Vo=(ton+toff)/toff×Vin=1/(1−D)×Vin ...(5)
ここで、Tsw:スイッチング周期、D=ton/Tsw
つまり、スイッチオン期間tonが大きいほどインダクタLに蓄積されるエネルギーが増加して、出力電圧Voが大きくなる。
(モータ側の定電流制御回路の例)
次に、モータ側の定電流制御回路のブロック図を、図3に示す。前述の昇圧回路と構成要素は同じである。異なる部分は半導体スイッチ素子FETの挿入位置関係とコイルL(これはモータ巻線に相当する)の位置関係のみである。
図4に動作状態を示す。動作モードとしては次の2つがある。1つは、前記FETをオンしてコイルLに電流ic1を供給して、エネルギーを蓄積するモード(a)である。もう1つはと、前記FETをオフしてコイルLに蓄積されたエネルギーを負荷側へIc3として供給するモード(b)である。
この回路における入出力間の制御特性は、図4の(a)、(b)より次式であらわされる。
ic1=(Vin−Vo)/L×ton
ic3= Vo/L×toff
定電流制御は指令値Irefに基づき、上式で決定される電流となるようにオン/オフ制御が行われる。これを電圧の関係式とすると次式となる。
Vo=ton/(ton+toff)×Vin=D×Vin ...(6)
また、図5のように上記2つの回路ブロック動作を並記した場合、2つの回路ブロックの同期動作時において、エネルギー蓄積要素であるコイルLがそれぞれ異なるモードで動作することがわかる。
つまり、前記(5)、(6)の2つの式と、図5で示される動作状態とから、定電流制御側の指令値に基づき電源供給部の動作指令を生成した場合に、定電流指令の定電流値の増減要求と電源出力の電圧値の増減要求が比例関係となり、制御可能となる。
さて、実際のモータ巻線の定電流制御に対して、それを抑制する要素としては、巻線インダクタンスLmによる影響(電流変化抑制V/Lm・tonと、ωLの変化)と、モータ回転子の永久磁石による逆起電圧emとなる。
Vin―em=Lm×dI/dt ...(7)
Vin=Lm×dI/dt+Ke×ω
ここで、Lm:巻線インダクタンス、Vin:電源電圧、dt:スイッチングON時間、em:モータ逆起電圧、ω:モータ軸速度、Ke:逆起定数
例えば、2相ステッピングモータのユニポーラ駆動の場合、図6に示すように各相電流はそれぞれ90度位相がずれた状態でパルス指令が入力される毎に励磁相がAB→A*B→A*B*→AB*等となるように切り替わる。しかし、励磁相がA→A*に切り替わる場合には、A相電流Imaは初期値0(正確には切換前のA*時に流れていた最終電流から0に戻って)から電流が流れ始める。
この場合定電流制御側ではデューティ最大で指令電流値になるまで動作するが、巻線に流れる電流Imaは巻線インダクタLmにより立ち上がり特性が規定されることになる。
Ima=Vin/Lm×ton
一方、電流が指令値に追従した場合には、スイッチング時の電流変化幅dIは次式で表される。
dI=(Vin−Keω)/Lm×ton_sw ...(8)
dt=dI・Lm/(Vin−Keω)
これらの関係を図7に示す。図7は、巻線インダクタL=4[mH]、電源電圧:24[V]、逆起電圧定数:0.17[V・s/rad]とした場合のものである。
ここで、図7に示される各グラフに関して説明する。triseは駆動周波数(=回転数)に応じて増加する逆起電圧emにより、励磁切換時に定電流制御値に立ち上がるまでの時間と駆動周波数の関係を示す。Icntlは逆起電圧emと入力電圧Vinとの差電圧により、定電流制御される巻線電流と駆動周波数との関係を示す。図7のように、駆動速度が速くなると逆起電圧により定電流制御が行えなず定電圧制御(背景技術として説明した図18と同様)となることを示している。また、Dcnstは定電流制御時のデューティ比の変化を示すもので、前述の制御電流Icntlが逆起電圧の影響により定電流制御が行えなくなる領域ではデューティ比最大(=1=100%)となることを示す。t_plsは駆動周波数に応じた各相励磁時間幅を示したものである。
これらから、定電流制御指令値と電源供給部の制御指令値を共用した場合に、次のことが言える。
(1) 最大デューティで動作する期間は、励磁相切り替え時、および、定電圧領域(駆動パルス幅<電流立上がり時間)であり、負荷角変化(=逆起電圧位相変化)によるデューティ変化時
(2) 定電流領域で、定常状態の場合には、デューティは0.3以下であり、ホールド時などに励磁電流を減少させた場合には、さらにデューティ減少となるため、電源電圧増加率は小さくなる
<本実施形態のモータ駆動装置の構成例>
以下、本発明を適用した具体的な例を説明する。
図8に、可変電源回路211が、定電流制御用のパルス幅変調(以下、PWM)信号を電源供給部の電圧制御信号として共用する場合の回路ブロックを示す。ここでは、2相ステッピングモータ駆動回路として構成しており、A/B各相電流の制御信号の論理和をとって、電源制御用のPWM信号としている。かかる電源制御用のPWM信号は、可変電源回路211の第2の半導体スイッチ素子をオン/オフする。一方、定電流制御用のPWM信号は、ステッピングモータ駆動回路の第1の半導体スイッチ素子をオン/オフする。
前述してきたように電源供給側のPWM信号は定電流制御側と同じように100%導通期間を設けると、インダクタの蓄積エネルギーが開放できない。ここでは、一般的なPWM制御ICとして各半導体メーカから供給されているTL494(TI製、そのほかNEC製uPC494等あり。内部回路ブロックを図9に示す)を用いた場合の構成として、次のようにした。
・ 定電流制御側にはCR積分回路からなるマスク回路204A/Bを設ける。
・ 電圧制御側にはマスク回路204A/B手前からの信号を利用する。
本発明の信号発生手段は、これらPWM制御回路202とマスク回路204を含むものである。
これにより、図10に示すように、電圧制御側はPWM制御ICの最大オン/オフデューティ比(約90〜95%)での動作、定電流制御側は100%導通(最小オフ時間は増加する)として利用できる。
なお、ここでは市販PWM制御ICを利用した場合について説明したが、回路をディスクリート構成とする場合でも、最小オフ幅が設けられる構成(例えば、図10の三角波の立ち下げ期間を必ずオフ幅とするなど)であれば何ら問題はない。
次に、回路定数に関して説明する。図1〜5で各回路ブロックの動作モードを示した。これら各回路ブロックはそれぞれ電源回路をLRC回路、モータ定電流制御回路をLR回路とおける。モータ定電流制御回路のLはステッピングモータの巻線、Rは半導体スイッチ素子と回路抵抗の総和の抵抗分である。これらの回路はいずれも回路定数による遅延要素を含んでいるため、電源回路時定数<モータ定電流回路時定数とする必要がある。ここでは、前述した励磁切換時に電源供給部での応答性を、PWM制御信号の最小オフ幅を含めて考慮し約1/2以下の時定数とする。
図8の回路において、モータ定電流制御回路の前段に半導体整流素子と直列に接続された可変電源回路211のコイルインダクタスLin、並列に接続された平滑コンデンサCinは一定とする。この時にモータ巻線インダクタンスLmを変化(□:0.5→◇:2→▽:5mH)させた場合の、電源電圧変化と巻線定電流動作波形をそれぞれ図11(a)、(b)に示す。このように、各回路間の時定数比が小さいと電源供給側の昇圧比が大きくなり必要範囲外での電圧上昇が増加することになり、スイッチング損失の増加を招くため、前述のように時定数の考慮が必要となる。
以上のように、従来別々に構成されていた電源回路部と定電流回路部の制御系とを、定電流制御側を主制御の閉ループとして、それらを並列化ループとすることで、制御回路の省略および応答性の改善が図れる。
また、図18の1点鎖線で示した電源電圧と逆起電圧によって決まる定電圧領域の範囲を、モータ側の必要トルクに応じて可変できる。そのため、各半導体スイッチ素子における損失は、同じスイッチング周期で電源出力レベル制御および定電流制御を行った場合に、電源電圧が低い方がオン期間でのFET等のスイッチング半導体素子におけるターンオンおよびターンオフ時のスイッチング損失を減少させられる。更に、オフ期間においても期間減少により回生電流経路でのダイオード(FETの寄生ダイオード含む)における損失も減少させることが可能となる。そのため、より低損失化が図れ、回路発熱による電解コンデンサなど熱による部品寿命への問題も抑制することが可能となる。
<他の実施形態>
また、上記実施形態では、2相ステッピングモータにおいて、A相・B相での定電流制御PWM信号を併せて、電源供給部の電圧制御に利用している。しかし、図12に示すように、A相・B相のそれぞれに対して電源供給部を設ける構成とすることも可能である。この場合は、さらに、A/B相間での各相磁路のバラツキ分も補正される形で、それぞれの相が独立して制御可能となる。
つまり、相間での磁気抵抗差などにより発生するトルクリップルをも低減させることになるため、より低振動化が図れることになる。
本実施形態の電源回路の構成例を概念的に示すブロック図である。 図1の電源動作モードを説明する図である。 本実施形態の定電流制御回路の構成例を概念的に示すブロック図である。 図3の定電流制御動作モードを説明する図である。 本実施形態の電源回路と定電流制御の動作モードの相関例を示すブロック図である。 2相ステッピングモータでの各相の定電流制御時の電流波形を示す図である。 ステッピングモータの定電流制御時の各部の周波数特性を示す図である。 本実施形態のモータ駆動装置の具体的な回路構成例を示す図である。 電源制御用のPWM制御ICの内部等価回路を示すブロック図である。 本実施形態のPWM信号生成部の動作を模式的に示す図である。 本実施形態のモータ駆動装置による動作電圧および電流波形を示す図である。 本実施形態のモータ駆動装置の具体的な他の回路構成例を示す図である。 加減速駆動時の一般的に必要なトルクを説明する図である。 加減速駆動時の一般的に必要なトルクを説明する図である。 従来のステッピングモータの定電流駆動回路の構成例を示す図である。 ステッピングモータのuSTEP駆動時の電流指令値の例を示す図である。 ステッピングモータのフルステップ対uSTEP駆動時の電流波形比較と出力トルク比較の例を示す図である。 ステッピングモータの出力トルクと電源電圧および逆起電圧の影響を説明する図である。 ステッピングモータの定電流制御の設定値によるステップ動作への影響を説明する図である。

Claims (10)

  1. 入力電圧をモータに供給するための電源回路と、前記モータに流れる電流を定電流値となるよう制御する定電流駆動回路とを有するモータ駆動装置において、
    前記定電流駆動回路が有する電流検出手段で検出された電流値と指令された定電流値とを比較して、比較結果に基づいて前記モータに流れる電流を制御する制御信号を発生する信号発生手段と、
    前記信号発生手段から発生した制御信号を受けて、前記制御信号に同期して前記入力電圧を変化させて前記モータに供給する可変電源回路とを有することを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記可変電源回路は、前記制御信号に同期して前記入力電圧を昇圧して前記モータに供給する昇圧電源回路を含むことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記制御信号は、前記比較結果の電圧レベルでパルス幅変調されたパルス信号であることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記制御信号を遅延させて前記定電流駆動回路の制御を行なうマスク回路を更に有することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記モータは、ステッピングであって、
    前記ステッピングモータの回転方向と回転速度を制御する信号を発生するための相励磁パターン生成回路を更に有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記可変電源回路を、前記ステッピングモータの各励磁相ごとに有することを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記相励磁パターン生成回路は、前記ステッピングモータの回転速度を示す定電流値を指令する電流指令手段を有することを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  8. 画像形成装置における負荷を駆動させるためのステッピングモータを駆動するモータ駆動装置であって、
    ステッピングモータの各相の巻線へ供給された電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された巻線電流が所定の電流値となるように、電流値を指令するための電流指令手段と、
    前記電流検出手段により検出された巻線電流と前記電流指令手段により指令された電流値との差を検出するための比較手段と、
    前記比較手段により検出された巻線電流の差に応じて、前記各相の巻線へ供給される電流のオン/オフデューティ比を決定するPWM制御手段と、
    前記PWM制御手段から出力されるPWM信号に基づき、第1の半導体スイッチ素子をオン/オフ制御することで巻線電流を定電流制御する定電流制御手段と、
    前記定電流制御手段に直列に接続されたコイルおよび半導体整流素子と、前記コイルおよび半導体整流素子の間に並列に接続された第2の半導体スイッチ素子と、コンデンサとからなる電源供給手段とを有し、
    前記定電流制御を行うためのPWM制御手段により生成される前記PWM信号を、前記電源供給手段の第2の半導体スイッチ素子のオン/オフ制御を行う信号とし、
    前記電源供給手段の構成要素であるコイルおよびコンデンサにより決定される回路時定数を、前記ステッピングモータの巻線と第1の半導体スイッチ素子および回路抵抗の総和による抵抗分との回路時定数の1/2以下とすることを特徴とするモータ駆動装置。
  9. 前記PWM制御手段は、前記電流指令手段が指令した電流値と前記電流検出手段が検出した巻線電流の検出値とを前記比較手段により比較した結果の差に基づいて、前記PWM信号を最小のオフ期間で生成するよう制御し、
    前記定電流制御手段は、前記最小のオフ期間をマスクする手段を含んでスイッチング周期における100%の導通を可能とし、
    前記電源供給手段へ供給される前記PWM信号は、前記定電流制御手段における励磁相ごとに生成された前記PWM信号の論理和により生成されることを特徴とする請求項8に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記電源供給手段は励磁相ごとに設けられ、それぞれの電源供給手段へ供給される前記PWM信号を、前記定電流制御手段における励磁相ごとの定電流制御のPWM信号とすることを特徴とする請求項8または9に記載のモータ駆動装置。
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