JP2009089277A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のオブジェクトから構成される画像データを出力デバイス用データに変換する際に、同じ出力色が指定されたオブジェクト画像について、それぞれの背景色が異なると、互いの色の見えが異なってしまう。
【解決手段】色見えモデル順変換部104で、オブジェクトの色情報に基づき、該オブジェクトの見えの目標となるターゲット見え色を、色の見えモデルの順変換により算出する。近傍順応背景色取得部106で、レンダリングされたオブジェクト画像において、注目画素の周辺画素に基づいて近傍順応背景色を生成する。そして、色見えモデル逆変換部107で、ターゲット見え色および近傍順応背景色に基づき、注目画素の出力画素値を色の見えモデルの逆変換により算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像処理装置および画像処理方法に関し、特に、画像データを構成するオブジェクトを出力デバイスへの出力用データに変換する画像処理装置および画像処理方法に関する。
従来より、環境光および観察条件等を用いて色の見えおよび測色的一致、条件等色を図る技術として、環境光および観察条件を加味した色見えモデルによるカラーマッチング技術が知られている。
このようなカラーマッチング技術によれば、あるドキュメントが異なる環境光や背景色等の観察条件下で観察される場合について、それぞれの観察条件下相互でドキュメント表示および印刷出力の見えの一致を図ることができる。例えば、CIECAM97s、ないし後に改良されたCIECAM02等の色の見えモデルを用いて、決まった出力側観察光条件での見えを考慮したカラーマッチングを行うことができる。つまり、異なる観察条件下相互での見えの一致を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−040140号公報
しかしながら上記従来技術によれば、たとえ予め特定された観察条件下であっても、1枚のドキュメント内に同一色の複数のオブジェクトが存在する場合、以下のような問題があった。
すなわち、単一のドキュメントデータ内に配置された複数のオブジェクト画像は、オブジェクト画像が配置される近傍の背景色の影響を受けて、知覚される色の見えが変化する。この例を図3に示す。図3によれば、301、302,303の各オブジェクトは全て等しい色値を持ち、等しい色で出力されているが、それぞれの背景色が異なる。したがって各オブジェクトは背景色の影響により、色の見えが異なってしまう。例えば、オブジェクト301はオブジェクト302よりも背景が明るいため、暗く見える。またオブジェクト303においては、その背景のグラデーションにより、右側部よりも左側部の方が暗く見える。なお、図3においてはグレーデータによる明度の違いを説明したものであるが、もちろん有彩色においては、近傍の背景色による色順応の影響により、さらに異なった色相および明度の色として知覚されてしまう。
上記従来の技術では、1枚のドキュメント内において同一出力色が指定された複数のオブジェクトについて、それぞれに対する背景色順応の影響を排除し、相互の見えの一致を図ることはできなかった。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、以下の機能を有する画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。すなわち、同一画像内で同じ出力色が指定された複数のオブジェクトについて、それぞれの背景色が異なる場合であっても相互の色見えを一致させる。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
すなわち、複数のオブジェクトから構成される画像データを、出力デバイスへの出力用データに変換する画像処理装置であって、前記画像データにレンダリングを施してレンダリング画像を生成するレンダリング手段と、前記オブジェクトの色情報に基づき、該オブジェクトの見えの目標となるターゲット見え色を、色の見えモデルの順変換により算出する色見えモデル順変換手段と、前記レンダリング画像において、前記オブジェクトにおける注目画素の周辺画素に基づき、該注目画素の近傍順応背景色を生成する近傍順応背景色取得手段と、前記ターゲット見え色および前記近傍順応背景色に基づき、前記注目画素の出力色を色の見えモデルの逆変換により算出する色見えモデル逆変換手段と、前記レンダリング画像における前記注目画素の画素値を、前記色見えモデル逆変換手段で算出された出力色に置き換える出力色変更手段と、を有することを特徴とする。
例えば、前記オブジェクトは色見え一致属性を含み、前記色見えモデル逆変換手段は、前記オブジェクトの色見え一致属性に応じて、該オブジェクトについて出力画素値を算出するか否かを制御することを特徴とする。
以上の構成からなる本発明によれば、同一画像内で同じ出力色が指定された複数のオブジェクトについて、それぞれの背景色が異なる場合であっても相互の色見えを一致させることができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
<第1実施形態>
●色変換装置の構成
本実施形態は、オブジェクト画像を含むドキュメントデータをディスプレイ等の表示デバイスに表示ないし印刷出力するシステムにおいて、入力画像に対して出力用の色変換を行う際に、出力時の背景色順応の影響を考慮することを特徴とする。
図1は、本実施形態における色変換処理を実行する色変換装置の機能構成を示すブロック図である。本実施形態においてはまず、入力デバイスである入力部101において、オブジェクト画像を有するドキュメントデータを入力する。そして、該ドキュメントデータに対し、レンダリング部102で一般的なレンダリングを施すと同時に、オブジェクト属性情報取得部103でオブジェクト画像の属性情報を取得する。
そしてさらに、色見えモデル順変換部104でオブジェクト画像の属性情報に基づいて色の見えモデルの順方向変換を施すことにより、本実施形態における最終的な出力画像での色の見えを示すターゲット見え色を算出する。
近傍順応背景色取得部106では、レンダリング部102によって得られたレンダリング画像から、オブジェクトの見えの一致を図るためのオブジェクトの近傍順応背景色を取得する。この近傍順応背景色の取得は、オブジェクト属性情報取得部103で得られたオブジェクト画像の属性情報に基づいて行われる。
そして色見えモデル逆変換部107において、ターゲット見え色値および近傍順応背景色より、色見えモデル逆変換によって出力色を算出する。そして出力色変更部108において、色見えモデル逆変換部107で算出された出力色で、オブジェクト画像領域の出力色を書き換え、これを出力デバイスである出力部109から表示または印刷出力する。
●オブジェクト属性
ここで、本実施形態で使用されるドキュメントデータに含まれるオブジェクト画像の属性について、その構成を図4を用いて説明する。なお、本実施形態におけるオブジェクト画像データとしては、説明を簡略化するために、SVG(Scalable Vector Graphics)フォーマットに倣って説明を行う。
本実施形態におけるオブジェクト画像の属性としては、図4の401に示される色見え一致属性(color_appearance_accordance)が付加されていることを特徴とする。すなわち、この色見え一致属性がオン("ON")である場合、当該オブジェクトは、ターゲット見え色に一致した見えとなる色で出力(表示/印刷)されるべき旨を示す。つまり、ドキュメント内の複数のオブジェクト画像について同一の出力色が指定され、かつ、それぞれの色見え一致属性がオンである場合、これらオブジェクトについては同一の見えによる出力が期待されている。本実施形態においてはこの色見え一致属性の指定により、例えば図3に示した301,302,303の各オブジェクトが同じ見え色により出力されることになる。
一方、色見え一致属性がオフ("OFF")である場合には、特に色見えを一致させる処理を行わないため、従来と同様に、例えば図3に示すように各オブジェクトの見えは背景色に影響され、必ずしも一致しない。
●オブジェクト属性情報取得部103
以下、オブジェクト属性情報取得部103におけるオブジェクト属性情報取得処理について、詳細に説明する。
オブジェクト属性情報取得部103では、入力部101で入力されたドキュメントデータに含まれるオブジェクト画像のうち、後述するターゲット見え色となるように出力される旨を示す属性、すなわち上述した色見え一致属性がオンであるものを収集する。そして、この収集結果を記載したオブジェクト情報リストを作成する。
図5に、本実施形態において作成されたオブジェクト情報リストの一例を示す。同図によればオブジェクト情報リストは、オブジェクトIDと、該オブジェクトの出力色であるsRGB表示色、およびドキュメント内における画像領域情報、の各項目からなる。なお、図5では説明を簡略化するために、オブジェクト情報リストの項目として、その領域情報および表示色のみを示したが、実際にはオブジェクト画像同士の重なりによるクリッピング等を考慮して、これらを設定する必要がある。
作成されたオブジェクト情報リストは、色見えモデル順変換部104、近傍順応背景色取得部106、および色見えモデル逆変換部107に通知され、該リストに掲載されたオブジェクト画像についての見え色の一致が図られる。
●色見えモデル順変換部104
以下、色見えモデル順変換部104における色見えモデル順変換処理について、詳細に説明する。
色見えモデル順変換部104では、オブジェクト情報リストに掲載されたオブジェクト画像(以下、対象オブジェクト)について、その色情報として指定されたsRGB値に対する見え色の目標となるターゲット見え色値を、色見えモデル順変換により算出する。この変換方法としては、一般的な方法が適用できる。以下、上述した特許文献1に記載されたCIECAM97sやCIECAM02等の色見えモデルを用いた、色見えモデル順変換方法を説明する。
まず、CIE1931XYZ三刺激値から、人間の色順応を良く説明するための長波長、中波長、短波長の感色空間RGBへの変換式が、以下の式(1)で与えられる。
式(1)において、Mcat02は色順応マトリクスであり、その詳細についてはPublication CIE 159等に記載されている、ここでは説明を省略する。
例えば、あるsRGB値(sR,sG,sB)に対するターゲット見え色値を算出するために、まず(sR,sG,sB)に対応するCIE1931XYZ値を算出する。そしてさらに、上記式(1)を用いて人間の色順応を良く説明するための長波長、中波長、短波長の感色空間RGB値へと変換する。
次に、オブジェクトの実際の見えを制御するために、本実施形態ではターゲット見え色の背景色を考慮する。まず、デバイス白色、つまり表示デバイスまたは表示白色への順応度合いを示す順応ファクタをDとする。この順応ファクタDはすなわち、環境光条件等が加味された値であり、その詳細はPublication CIE 159等に記載されているため、ここでは説明を省略する。
そして、デバイス白色を100で正規化し、順応白色点のRGB値をRwGwBwとした場合、見え値RcGcBcを表す予測式は以下のようになる。
Rc=[100・D/Rw+(1−D)]R ・・・(2)
Gc=[100・D/Gw+(1−D)]G ・・・(3)
Bc=[100・D/Bw+(1−D)]B ・・・(4)
ここで本実施形態では、ターゲット見え色の背景色としてデバイス白色を用いるが、この理由を以下に述べる。すなわち、背景色が白色である場合が、最もターゲット見え色が暗く知覚されるため、ターゲット見え色としての再現色に最も暗い色を採用した場合、以下のようなことが起こる。すなわち、背景色がデバイス白色よりも暗い色であれば、出力デバイス上で該ターゲット見え色の再現色よりも暗い色が再現された場合であっても、ターゲット見え色と同等の知覚色として得られる。したがって、ターゲット見え色の背景色としてデバイス白色を用いることにより、出力デバイス上の再現色が出力デバイスの色域内において実現しやすくなる。したがって、ターゲット見え色の背景色としては、デバイス白色を用いることが適当である。
以上のように、色見えモデル順変換部104においては、CIECAM02のパラメータである順応白色RwGwBwを背景色(デバイス白色)として、環境光条件などを加味した順応ファクタDを用いた色の見えモデル順変換式(2)〜(4)に当てはめる。これにより、本実施形態におけるターゲット見え色値RcGcBcが算出される。
●近傍順応背景色取得部106
以下、近傍順応背景色取得部106における近傍順応背景色取得処理について、詳細に説明する。
近傍順応背景色取得部106では、オブジェクト情報リストにおける表示領域情報に基づき、オブジェクト画像表示領域の画素毎に、その周辺画素に基づき、人間の知覚色の順応に影響を与える近傍順応背景色を取得する。本実施形態では、例えば、レンダリング部102でレンダリング済みであるデバイス非色空間上のイメージに対してローパスフィルタを用いることにより、画素毎に対応する近傍順応背景色色値を有するイメージを生成する。なお、このイメージ生成方法としては、M.D.Fairchild, Color Appearance Models 2nd Editionに詳細に記載されているため、ここでは説明を省略する。ここで重要となるのは、ローパスフィルタが、表示デバイスないし印刷出力を観察する観察距離と視野角、つまり観察者からみた空間周波数に依存した特性を持つ必要があることである。つまり、CIEが定める刺激2度視野、および背景刺激10度視野を考慮したローパスフィルタを用いて、近傍順応背景色色値を有するイメージを生成する。
また、近傍順応背景色を取得する他の方法としては、注目画素に対する錐体刺激2度視野角および背景10度視野角そして観察距離に依存した背景矩形領域を決定し、背景領域の平均化手法を用いて背景色を得る方法がある。この方法の詳細については、特開2002−204372号公報に開示されているため、ここでは説明を省略する。
近傍順応背景色取得部106では、上述したいずれかの方法、あるいは他の方法を利用することにより、レンダリング済みデバイス非色空間上イメージの各画素に対応した近傍順応背景色色値を求める。
●色見えモデル逆変換部107
以下、色見えモデル逆変換部107における色見えモデル逆変換処理について、詳細に説明する。
上述した色見えモデル順変換部104においては、どのような背景色のオブジェクト画像であっても、そのsRGB値に対する見え色の目標となるターゲット見え色を算出した。色見えモデル逆変換部107では、該ターゲット見え色を実現するような実際の再現色を算出するが、これは、色見えモデル順変換部104で実行される色見えモデルの、逆変換によって行われる。
上述した色見えモデル順変換部104において実行される式(2)〜(4)のそれぞれから導出される逆変換式は、以下の式(5)〜(7)のように示される。
R=Rc/[100・D/Ra+(1−D)] ・・・(5)
G=Gc/[100・D/Ga+(1−D)] ・・・(6)
B=Bc/[100・D/Ba+(1−D)] ・・・(7)
式(5)〜(7)において、RcGcBcは、色見えモデル順変換部104にて求められたターゲット見え色値である。またRaGaBaは、近傍順応背景色取得部106で取得された、オブジェクト画像のレンダリング済みイメージの各画素に対応する近傍順応背景色である。
色見えモデル逆変換部107では、見え色を一致させるべきオブジェクト画像の再現色を算出するために、まず、色見えモデル順変換部104で得られる見え色のターゲット値RcGcBcを取得する。次に、オブジェクト属性情報取得部103で得られたオブジェクト情報リストよりオブジェクト画像の領域情報を得て、オブジェクト画像表示領域に含まれる全ての画素のそれぞれに対応する近傍順応背景色RaGaBaを、近傍順応背景色取得部106より得る。そして式(5)〜(7)により、見え色の一致を図るべきオブジェクト画像に含まれる全ての画素について、見え色のターゲット値RcGcBcによる出力を可能とするような出力色RGBを得る。
ここで得られた出力色RGBは、式(1)の逆変換によってCIEXYZ値に変換され、さらにデバイス非依存空間イメージ上の表示値として、sRGB値に変換される。
●出力色変更部108
以下、出力色変更部108におけるオブジェクト画像領域の出力色変更処理について、詳細に説明する。
上述したように色見えモデル逆変換部107では、見え色の一致対象となるオブジェクト画像内の全画素について、見え色の一致を図ることが可能なデバイス非依存空間イメージ上の表示sRGB値を算出した。出力色変更部108では、色見えモデル逆変換部107で算出された各画素のsRGB値を、レンダリング部102で得られたレンダリング済みデバイス非色空間イメージ上の対応する画素に上書きする。
なお、出力色変更部108で画素値が変更されたデバイス非色空間イメージは、出力部109において表示ないし印刷用のデバイス色空間へのカラーマッチングが施され、表示または印刷出力される。
●本実施形態における色変換処理
図2は、本実施形態における色変換処理を示すフローチャートである。
まずステップS201において、入力部101により処理対象となるオブジェクト画像データが入力される。そしてステップS202において、入力された全てのオブジェクト画像データについて、レンダリング部102でのレンダリング処理が終了したか否かを判定し、終了であればステップS206に進む。一方、レンダリングが未終了であればステップS203に進む。
ステップS203では、オブジェクト属性情報取得部103において、処理中のオブジェクト画像の属性を調べ、色見え一致属性がオン設定されていれば、ステップS204でオブジェクト画像の属性情報を保存した後、ステップS205に進む。一方、色見え一致属性がオフであれば、処理はそのままステップS205に進む。
ステップS205では、レンダリング部102でオブジェクト画像のレンダリング処理を行い、デバイス非依存色空間のイメージを生成する。
レンダリング終了後、ステップS206においては、デバイス非依存色空間イメージを取得する。そしてステップS207において、ステップS204で生成されたオブジェクト情報リストを順次検索し、ステップS208において、色見え一致属性がオンであるか否かを判定する。
色見え一致属性がオンであれば、次にステップS209において、当該オブジェクト画像の出力色、および表示領域をオブジェクト情報リストより取得する。続くステップS210では、オブジェクト情報リストより取得される出力色について、色見えモデル順変換部104にて色見えモデル順変換を施してターゲット見え色値を算出する。そしてステップS211において、オブジェクト情報リストにおける表示領域情報に基づき、近傍順応背景色取得部106でオブジェクト画像表示領域の画素毎に近傍順応背景色を取得する。
そしてステップS212では色見えモデル逆変換部107において、オブジェクト画像領域に含まれる全ての画素に対応するデバイス非依存空間イメージの表示値を算出する。この逆変換演算は、色見えモデル順変換部104で算出されたターゲット見え色値と、近傍順応背景色取得部106で取得された近傍順応背景色、および、オブジェクト情報リストにおける画像領域情報に基づいて行われる。
そしてステップS213では出力色変更部108において、レンダリング済みのデバイス非依存空間イメージにおいて、色見えモデル逆変換部107で算出されたデバイス非依存空間イメージの出力値に、対応画素を全て置き替える。
ステップS208において全ての色見え一致属性がオンであるオブジェクト画像についての処理が終了すると、ステップS214に進む。ステップS214では出力部109において、デバイス非依存空間イメージに対して表示または印刷出力用のデバイス依存色空間値へのカラーマッチングを施した後、表示または印刷出力を行って本処理を終了する。 以上説明したように本実施形態によれば、色データと描画コマンドを含むオブジェクトデータに対してレンダリングを行う際に、オブジェクトの背景色を考慮した色見えモデル変換を行う。したがって、1枚のドキュメント内において同一出力色が指定された複数のオブジェクトについて、それぞれに対する背景色順応の影響を排除し、相互の見えの一致を図ることができる。
<他の実施形態>
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記録媒体(記憶媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インタフェース機器、撮像装置、webアプリケーション等)から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
尚本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアプログラムを、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。なお、この場合のプログラムとは、コンピュータ読取可能であり、実施形態において図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
プログラムを供給するための記録媒体としては、以下に示す媒体がある。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD-ROM,DVD-R)などである。
プログラムの供給方法としては、以下に示す方法も可能である。すなわち、クライアントコンピュータのブラウザからインターネットのホームページに接続し、そこから本発明のコンピュータプログラムそのもの(又は圧縮され自動インストール機能を含むファイル)をハードディスク等の記録媒体にダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせることも可能である。すなわち該ユーザは、その鍵情報を使用することによって暗号化されたプログラムを実行し、コンピュータにインストールさせることができる。
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。さらに、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、実行されることによっても、前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、該プログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことが可能である。
本発明に係る一実施形態における色変換装置の機能構成を示すブロック図である。 本実施形態における色変換処理を示すフローチャートである。 一般的な背景順応の影響を受ける表示出力例を示す図である。 本実施形態におけるオブジェクト画像の属性を示す図である。 本実施形態におけるオブジェクト情報リストの内容例を示す図である。

Claims (13)

  1. 複数のオブジェクトから構成される画像データを、出力デバイスへの出力用データに変換する画像処理装置であって、
    前記画像データにレンダリングを施してレンダリング画像を生成するレンダリング手段と、
    前記オブジェクトの色情報に基づき、該オブジェクトの見えの目標となるターゲット見え色を、色の見えモデルの順変換により算出する色見えモデル順変換手段と、
    前記レンダリング画像において、前記オブジェクトにおける注目画素の周辺画素に基づき、該注目画素の近傍順応背景色を生成する近傍順応背景色取得手段と、
    前記ターゲット見え色および前記近傍順応背景色に基づき、前記注目画素の出力色を色の見えモデルの逆変換により算出する色見えモデル逆変換手段と、
    前記レンダリング画像における前記注目画素の画素値を、前記色見えモデル逆変換手段で算出された出力色に置き換える出力色変更手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記オブジェクトは色見え一致属性を含み、
    前記色見えモデル逆変換手段は、前記オブジェクトの色見え一致属性に応じて、該オブジェクトについて出力色を算出するか否かを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記色見えモデル順変換手段は、当該オブジェクトの背景色を前記出力デバイスにおける白色として前記ターゲット見え色を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記近傍順応背景色取得手段は、前記出力デバイスにおいて出力された画像を観察する観察距離と視野角に応じた特性を有するローパスフィルタを用いて、前記近傍順応背景色を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記ローパスフィルタは、CIEによって定められた刺激2度視野および背景刺激10度視野に応じた特性を有することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記近傍順応背景色取得手段は、前記注目画素に対する錐体刺激2度視野角、背景10度視野角および観察距離に依存した背景矩形領域を決定し、該背景矩形領域を平均化することによって、前記近傍順応背景色を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記色見えモデル逆変換手段は、前記色見えモデル順変換手段と同様の色の見えモデルを利用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記色の見えモデルは、CIECAM97sに準じるモデルであることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記色の見えモデルは、CIECAM02に準じるモデルであることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  10. 複数のオブジェクトから構成される画像データを、出力デバイスへの出力用データに変換する画像処理方法であって、
    レンダリング手段が、前記画像データにレンダリングを施してレンダリング画像を生成するレンダリングステップと、
    色見えモデル順変換手段が、前記オブジェクトの色情報に基づき、該オブジェクトの見えの目標となるターゲット見え色を、色の見えモデルの順変換により算出する色見えモデル順変換ステップと、
    近傍順応背景色取得手段が、前記レンダリング画像において、前記オブジェクトにおける注目画素の周辺画素に基づき、該注目画素の近傍順応背景色を生成する近傍順応背景色取得ステップと、
    色見えモデル逆変換手段が、前記ターゲット見え色および前記近傍順応背景色に基づき、前記注目画素の出力色を色の見えモデルの逆変換により算出する色見えモデル逆変換ステップと、
    出力色変更手段が、前記レンダリング画像における前記注目画素の画素値を、前記色見えモデル逆変換ステップにおいて算出された出力色に置き換える出力色変更ステップと、
    を有することを特徴とする画像処理方法。
  11. 前記オブジェクトは色見え一致属性を含み、
    前記色見えモデル逆変換ステップにおいては、前記オブジェクトの色見え一致属性に応じて、該オブジェクトについて出力色を算出するか否かを制御することを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  12. コンピュータで実行されることにより、該コンピュータを請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  13. 請求項12に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読取可能な記録媒体。
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