JP2007274629A - 画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】色の変化を抑制しつつ色文字の読み易さを向上できるようにする。
【解決手段】画像データの属性情報を参照して、画像データから文字の色および文字の周辺に存在する背景の色を取得するオブジェクトデータ判定部41と、文字の色と背景の色との各々について画像出力装置の色再現領域内と色再現領域外との何れの領域に存在するかを判定し、文字の色と背景の色との色相の差、明度の差および彩度の差を算出し、色再現領域外に存在する文字の色および背景の色に対する処理として、前記色の三属性の差の算出結果に基づき、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは色再現領域外に存在する色を色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理を選択する処理選択部43と、その処理を行うガマットマッピング・クリッピング部44および色変換処理部45とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカラープリンタ等のデジタルカラー方式の画像形成装置にて使用される画像処理装置、この画像処理装置を備えた画像形成装置および画像処理方法に関するものである。
<プリンタの説明>
カラープリンタには、印刷データ生成処理機能の有無の点から、大きく分けて二つの形態が存在する。一つは、プリンタにページ記述言語(PDL:Page Description Language)の処理機能(ページ記述言語の文法に従って入力データから印刷のための出力ファイルを作成する機能)を搭載し、プリンタで印刷データ生成処理を行う構成の高級機タイプである。他の一つは、プリンタでは印刷処理のみを行い、ホスト装置で印刷データ生成処理を行う構成の低級機タイプである。これら両タイプのプリンタについて以下に説明する。
図12はホスト装置101とこれに接続されたPDL処理機能を搭載した高級機タイプのプリンタ106の概略の構成を示すブロック図である。ホスト装置101内において、OS103はアプリケーション102から印刷命令を受けると、プリンタドライバ104へ描画命令を出力する。これにより、プリンタドライバ104では、PDL変換部105がOS104からの描画命令に基づいて、アプリケーション102により作成されたデータをPDLに変換する。その後、ホスト装置101は、そのPDLのデータをプリンタ106へ送信する。プリンタ106では、送信されてきたPDLデータを印刷データ生成部107が印刷データに変換し、プリンタ制御部108がその印刷データに基づき印刷を行う。
また、図13はホスト装置201とこれに接続された低級機タイプのプリンタ207を示す概略のブロック図である。この構成では、ホスト装置201内において、OS203はアプリケーション202から印刷命令を受けると、プリンタドライバ204へ描画命令を出力する。これにより、プリンタドライバ204では、印刷データ生成部205がOS104からの描画命令に基づいて印刷データを生成する。この印刷データはデータサイズが大きいため、プリンタドライバ204ではプリンタ207に送信する前にデータ圧縮部206が印刷データを圧縮する。その後、ホスト装置201は、圧縮された印刷データをプリンタ207へ送信する。プリンタ207では、受信した印刷データをデータ伸張部208が伸張して元サイズの印刷データに戻し、その印刷データに基づきプリンタ制御部209が印刷を行う。
ここで、プリンタは、基本的には印刷画像がモニターなどの画像表示装置上で表示されたものとほぼ一致するように印刷データに対して色補正を行っている。その際に、プリンタでは表現できないプリンタの色域(色再現域)外の色をプリンタの色域内の色に変換する必要がある。このような処理を行った場合、モニターとプリンタでは色域の大きさが異なるため、モニター上の色を印字してみると異なる色で再現されることがある。そのためプリンタで文字を印刷すると、文字が読みにくいなどの問題が生じることになる。
そこで、このような問題を解決する技術として、特許文献1に示すように、色文字に対して、UCR量やマスキング方程式を変更し、色文字を鮮明に出力できるようにする技術が提案されている。
特開平8−9176号(平成8年1月12日公開)
ところが、上記公報に記載のように、UCR量やマスキング方程式を変更すると、ガマット(色域)内の色も変更されてしまい、ユーザーの意図したものとは異なる色の画像になる可能性がある。
したがって、本発明は、色の変化を抑制しつつ色文字の読み易さを向上できる画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体の提供を目的としている。
本発明の画像処理装置は、画像データを可視化して出力する画像出力装置へ供給するための画像データに対して画像処理を施す画像処理装置において、画像データが文字に属するものか文字の背景に属するものかを示す、前記画像データの属性情報を参照して、前記画像データから文字の色および文字の周辺に存在する背景の色を取得する色情報取得手段と、前記文字の色と前記背景の色との各々について前記画像出力装置の色再現領域内と色再現領域外との何れの領域に存在するかを判定する色域判定手段と、前記文字の色と前記背景の色との色相の差、明度の差および彩度の差を算出する色属性算出手段と、前記色域判定手段により前記色再現領域外に存在すると判定された前記文字の色および前記背景の色に対する処理として、前記色属性算出手段での算出結果に基づき、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは前記色再現領域外に存在する色を前記色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理を選択する色補正処理選択手段と、前記色補正処理選択手段にて選択された処理を前記画像データに対して行う色補正処理実行手段とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の画像処理方法は、画像データを可視化して出力する画像出力装置へ供給するための画像データに対して画像処理を施す画像処理方法において、画像データが文字に属するものか文字の背景に属するものかを示す、前記画像データの属性情報を参照して、前記画像データから文字の色および文字の周辺に存在する背景の色を取得する色情報取得工程と、前記文字の色と前記背景の色との各々について前記画像出力装置の色再現領域内と色再現領域外との何れの領域に存在するかを判定する色域判定工程と、前記文字の色と前記背景の色との色相の差、明度の差および彩度の差を算出する色属性算出工程と、前記色域判定工程により前記色再現領域外に存在すると判定された前記文字の色および前記背景の色に対する処理として、前記色属性算出工程での算出結果に基づき、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは前記色再現領域外に存在する色を前記色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理を選択する処理選択工程と、前記処理選択工程にて選択された処理を前記画像データに対して行う色変換処理工程とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、画像出力装置の色再現領域外に存在する文字の色および背景の色に対しては、文字の色と背景の色との色相の差、明度の差および彩度の差の算出結果に基づいて、複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは色再現領域外に存在する色を色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理が選択される。すなわち、本発明の構成では、文字の色と背景の色との色の属性の値の差を考慮して色再現領域外に存在する文字の色および背景の色に対する処理を選択している。したがって、文字の視認性が向上する色再現を行うことができる。
また、画像出力装置の色再現領域内に存在する文字の色および背景の色に対しては処理を行わずにそのまま出力することができるため、ユーザーが意図した色に対して違和感を与えない色再現を行うことができる。すなわち、本発明の画像処理装置の処理によれば、色の変化を抑制しつつ色文字の読み易さを向上することができる。
上記の画像処理装置において、前記色補正処理選択手段は、前記色相の差、前記明度の差および前記彩度の差である三つの色属性の差をこれら三者ごとに設定された閾値と比較し、色属性の差が前記閾値よりも大きい一つの色属性に基づいて、前記選択動作を行う構成としてもよい。
上記の構成によれば、色再現領域外に存在すると判定された文字の色および背景の色に対しては、色属性の差が閾値よりも大きい一つの色属性に基づいて、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは色再現領域外に存在する色を色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理が選択される。したがって、文字の色と背景の色とで色相が大きく異なる場合にはその色相差を維持するように色再現を行うことができ、文字の色と背景の色とで明度が大きく異なる場合にはその明度差を維持するように色再現を行うことができ、文字の色と背景の色とで彩度が大きく異なる場合にはその彩度差を維持するように色再現を行うことができる。
上記の画像処理装置において、前記色補正処理選択手段は、前記三つの色属性の差と閾値とを比較する動作を予め設定された優先順位に従って行い、色属性の差が閾値よりも大きいという比較結果が最初に得られた色属性に基づいて、前記選択動作を行う構成としてもよい。
上記の構成によれば、色属性の差と閾値との比較を常に三つの色属性について行う場合と比較して、処理の負担の軽減と処理時間の短縮とが可能になる。
上記の画像処理装置において、前記色補正処理選択手段は、前記色相の差、前記明度の差および前記彩度の差である三つの色属性の差のうち、差が最大の色属性に基づいて、前記選択動作を行う構成としてもよい。
上記の構成によれば、色再現領域外に存在すると判定された文字の色および背景の色に対しては、色属性の差が最大の色属性に基づいて、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは色再現領域外に存在する色を色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理が選択される。したがって、文字の色と背景の色とで色相が大きく異なる場合にはその色相差を維持するように色再現を行うことができ、文字の色と背景の色とで明度が大きく異なる場合にはその明度差を維持するように色再現を行うことができ、文字の色と背景の色とで彩度が大きく異なる場合にはその彩度差を維持するように色再現を行うことができる。これにより、文字の視認性をより一層高めた色再現を行うことができる。
上記の画像処理装置において、前記色補正処理実行手段は、前記複数の色域圧縮処理としての明度重視のガマットマッピング処理および彩度重視のガマットマッピング処理、並びに前記色域クリッピング処理が可能であり、前記色補正処理選択手段は、色相に基づいて処理を選択する場合には前記色域クリッピング処理を選択し、明度に基づいて処理を選択する場合には前記明度重視のガマットマッピング処理を選択し、彩度に基づいて処理を選択する場合には前記彩度重視のガマットマッピング処理を選択する構成としてもよい。
上記の構成によれば、文字の視認性を向上し、かつユーザーが意図した色に対して違和感を与えない色再現を適切に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、上記いずれかの画像処理装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、文字の視認性を高めた印刷が行える画像形成装置を提供することができる。
以上のように、本発明の画像処理装置は、画像データが文字に属するものか文字の背景に属するものかを示す、前記画像データの属性情報を参照して、前記画像データから文字の色および文字の周辺に存在する背景の色を取得する色情報取得手段と、前記文字の色と前記背景の色との各々について前記画像出力装置の色再現領域内と色再現領域外との何れの領域に存在するかを判定する色域判定手段と、前記文字の色と前記背景の色との色相の差、明度の差および彩度の差を算出する色属性算出手段と、前記色域判定手段により前記色再現領域外に存在すると判定された前記文字の色および前記背景の色に対する処理として、前記色属性算出手段での算出結果に基づき、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは前記色再現領域外に存在する色を前記色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理を選択する色補正処理選択手段と、前記色補正処理選択手段にて選択された処理を前記画像データに対して行う色補正処理実行手段とを備えている構成である。
これにより、文字の視認性が向上する色再現を行うことができる。また、画像出力装置の色再現領域内に存在する文字の色および背景の色に対しては処理を行わずにそのまま出力することができるため、ユーザーが意図した色に対して違和感を与えない色再現を行うことができる。すなわち、色の変化を抑制しつつ色文字の読み易さを向上することができる。
〔実施の形態1〕
本実施の形態の画像処理装置は、グラフィック(背景)の上にテキストが印刷してあるようなビジネス文書をプリンタで出力する際に、文字色とその背景色との関係から、色の配置を考慮して読みやすい最適なガマットマッピングもしくはガマットクリッピングを行い、色の印象と文字の読みやすさとの両立を図る色補正処理を行うものである。そして、この色補正処理の場合に、プリンタのガマット内の色はそのまま維持するようにし、プリンタのガマット外の色のみ、色の印象をある程度保持したまま文字が読み易くなる方向へ色変換を行うものである。以下に、本発明の実施の形態の画像処理装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図2はホスト装置101とこれに接続されたPDLを搭載した高級機タイプのプリンタ1(画像出力装置、画像形成装置)の概略の構成を示すブロック図である。プリンタ1は本実施の形態の画像処理装置を備えた画像形成装置に相当する。本実施の形態において印刷データ生成部11以外の構成は図12に示した構成と同一であるので、図2において同一の番号を付記している。なお、プリンタ1は、デジタル複写機、あるいはファクシミリの機能、プリンタの機能および複写機の機能等を備えた複合機であってもよい。
図2の構成では、ホスト装置101内において、OS103はアプリケーション102から印刷命令を受けると、プリンタドライバ104へ描画命令を出力する。これにより、プリンタドライバ104では、PDL変換部105がOS103からの描画命令に基づいて、アプリケーション102により作成されたデータをPDLに変換する。その後、ホスト装置101は、そのPDLデータをプリンタ1へ送信する。プリンタ1では、送信されてきたPDLデータを印刷データ生成部11が印刷データに変換し、プリンタ制御部108が印刷データに基づき印刷を行う。
<PDLの説明>
PDL(Page Description Language)は、プリンタにおいて印刷イメージを記述するための言語である。PDLで記述できるものには、テキスト、オブジェクトおよび画像の三種類がある。テキストは、一般的な文字のデータであり、画像はピクセルごとに色が指定してある画像データであり、オブジェクトは、丸や三角、四角などの図形や、矢印などの線などの描画命令がコマンドでファイル内に記述されている(たとえば、ポイントAからポイントBまで矢印を引くなどの命令)データである。
このPDLは、各社が開発しており、HP社(ヒューレットパッカード)のPCL(Printer Control Language)言語、Adobe社のPS(Post Script)言語などが主流である。国内ではEPSON社のESC/Page、Canon社のLipsが知られている。
ここで、Adobe社のPSを例にとってPDLがどのように画像内の図形や文字を描画するかについて簡単に説明する。PSファイルはテキストにより記述されている。図形の描画に関しては、いくつかコマンドがあらかじめ用意されてあり、それらのひとつもしくは組み合わせにより描画を行っていく。用意されているコマンドの一例としては、線を引く、弧を引く、などのコマンドであり、これらを組み合わせて複雑な図形を描画していく。描画の際の設定内容は、描画位置、描画方法、色、線幅、塗りつぶしなどであり、それらをあらかじめ決められたコマンドで指定する。
文字に関しては、同様に、フォントと描画位置、描画色および文字列を指定し、決められたフォーマットで記述する。PSに対応するプリンタは、これらPSファイルを受け取ると、内部の印刷データ形成部にてそのPSファイルをプリンタ固有のデータに変換し、それをプリンタエンジンに送り印刷する。
<印刷データ生成部の構成:PDLを用いた画像生成処理>
図3は、PDLを用いた前記印刷データ生成部11の一例を示す概略のブロック図である。同図に示す印刷データ生成部11は、画像生成部12と印刷データ変換部13とを備えている。前記PSでは、各図形および各文字に対して色を指定できる。色空間については、デバイス(プリンタ)のRGBやCIE(Commission Internationale de l’Eclairage:国際照明委員会)の定義された空間や、独自の色空間を指定することができる。印刷データ生成部11において、画像生成部12はそれら指定されたデータに基づいて画像データを生成する。その後、生成された画像データは印刷データ変換部13にてプリンタ制御用の印刷データに変換される。
<従来の画像生成部の構成:画像データ生成処理>
図4は、図3に示した画像生成部12の従来例を示す概略のブロック図である。同図に示す画像生成部12は、データ計算部21、色補正部22、墨生成部23およびHT(ハーフトーン)部24を備えている。データ計算部21は、ホスト装置101から描画命令を受け取ると、画像データに記載されている情報から、それぞれの画像データの画素位置の値を計算する。このときの値の計算はデータで指定されている色空間にて行う。その後、色補正部22は、データ計算部21にて処理された画像データについて、プリンタ内部に設けられているカラープロファイルを使用し、PDLもしくはOS印刷命令に記載されている色空間からデバイス色空間(プリンタの色空間)への色変換を行う。デバイス色空間へ変換された画像データは、墨生成部23による墨生成下色除去処理、およびHT部24による中間調処理を経て、印刷用の画像データ(ビットマップ)に変換される。
<本実施の形態の画像生成部の構成:画像データ生成処理>
図5は、図3に示した画像生成部12における本実施の形態の構成を示す概略のブロック図である。なお、ここでは画像生成部30としている。同図に示す画像生成部30は、データ計算部31、色補正部32、墨生成部33およびHT(ハーフトーン)部34を備えている。
データ計算部31は、ホスト装置101から描画命令を受け取ると、画像データに記載されている情報から、それぞれの画像データの画素位置の値を計算する。このときの値の計算は、PDLデータによって指定されている色空間にて行う。その際に、データ計算部31は、オブジェクト(文字や図形など)のデータも同時に色補正部32へ引き渡す。なお、オブジェクトのデータ(属性情報)は、PDLデータに含まれている(コマンド形式で記載されている)ものである。
その後、色補正部32は、データ計算部21にて処理されたデータについて、プリンタ内部に設けられているカラープロファイルを使用し、オブジェクトのデータを参照しながら印刷命令に記載されている色空間からデバイス色空間(プリンタの色空間)への色変換を行う。デバイス色空間へ変換された画像データは、墨生成部33による墨生成下色除去処理、およびHT部34による諧調処理を経て、印刷用の画像データ(ビットマップ)に変換される。
<色補正部の構成:色補正処理>
図1は、図5に示した色補正部32の構成を示す概略のブロック図である。同図に示す色補正部32は、オブジェクトデータ判定部41、CIELAB変換部42、処理選択部43、ガマットマッピング・クリッピング部44および色変換処理部45を備えている。この色補正部32では、画像データの注目画素に対して色補正処理を行い、その注目画素についての処理が終了すれば、その隣の画素を注目画素として同様に処理を行っていく。
オブジェクトデータ判定部41は、データ計算部31から受け取ったオブジェクトのデータから、注目画素がどのオブジェクトのものなのかを判定する。すなわち、注目画素が文字に属するものか背景に属するものかがオブジェクトデータ判定部41により判定される。CIELAB変換部42は、データ計算部31から受け取った画像データを、CIEのL*a*b*空間(CIE1976L*a*b*信号、L*:明度、a*・b*:色度)へ変換する。処理選択部43は、オブジェクトデータ判定部41での判定結果、およびCIELAB変換部42の出力信号(CIEのL*a*b*空間へ変換後の画像データ)より、ガマットマッピングもしくはガマットクリッピングの処理を行うか否か、また、処理を行うのであれば前記両者のうちのどちらの処理を行うかを決定し、その結果をガマットマッピング・クリッピング部44へ出力する。ガマットマッピング・クリッピング部44は、処理選択部43での決定に基づき、画像データ(注目画素)に対してガマットマッピングもしくはガマットクリッピングを行い、その結果の値を、色変換処理部45へ出力する。色変換処理部45はメモリ46にアクセスし、CIEのL*a*b*空間からプリンタ1の色空間への色変換処理を行う。
<ガマットマッピングおよびガマットクリッピング>
次に、本実施の形態のガマットマッピングおよびガマットクリッピングの詳細について以下に説明する。
ここで、代表的なガマットマッピングおよびガマットクリッピングの概念について説明しておく。なお、代表的なガマットマッピングとは次のような色域圧縮処理のことである。すなわち、例えばスキャナで読み込まれた画像データの色再現領域(色域)とプリンタの再現領域とは異なるので(色再現領域は、通常、スキャナの方がプリンタよりも広くなるので)、スキャナで読み込まれた画像データをプリンタで再現できるように圧縮する処理のことである。具体的には、図6に示すように、画像データの色域はプリンタの色域より広いので、画像データは色域がプリンタの色域内に収まるように圧縮される。
図6には、代表的なガマットマッピングおよびガマットクリッピングの概念図を示す。同図において縦軸は明度を横軸は彩度を表している。具体的には、図6(a)は明度重視のガマットマッピングの説明図、図6(b)は彩度重視のガマットマッピングの説明図、図6(c)はガマットクリッピングの説明図である。以下ではこれら各図に示されている処理について詳細に説明する。
(1)明度重視のガマットマッピング(図6(a))
明度重視のガマットマッピングとは、彩度の低下を無視しても明度の連続性を保つようにガマットマッピングを行う手法のことである。一般的には、明度の階調がほぼ保たれるように、ガマット外の色をガマット内の色へマッピングする。この際、彩度の階調性は保証されない。また、プリンタの色域内に存在する色に対しても同様にして圧縮を行い、明度全体として明度同士の重なりが生じないようにする。これにより、プリンタの色域内に画像データの全ての色が入るように処理する。図中の矢印は画像データの色域を圧縮する方向を示している。この矢印に関しては図6(b)および図6(c)についても同様である。
(2)彩度重視のガマットマッピング(図6(b))
彩度重視のガマットマッピングとは、明度の階調性が失われたとしても、彩度の連続性を保つようにガマットマッピングを行う手法のことである。一般的には、彩度の階調がほぼ保たれるように、ガマット外の色をガマット内の色へマッピングする。この際、明度の階調は保証されない。また、プリンタの色域内に存在する色に対しても同様にして圧縮を行う。これにより、プリンタの色域内に画像データの全ての色が入るように処理する。
(3)ガマットクリッピング(図6(c))
ガマットクリッピングとは、ガマット内の色については圧縮や伸張を行わずにそのまま再現し、ガマット外の色についてはガマットの外郭にクリップして貼り付ける手法のことである。このガマットクリッピングは、ガマット内の色が正確に再現されるため、ガマット内の色を表現する場合には最適である。一方、ガマット外の色は、ガマット外郭にクリップされるため、階調性などが失われる。このように、ガマットクリッピングでは、ガマットマッピングとは異なりガマット内の色が正確に再現される。
<処理選択部の概要:ガマットマッピングもしくはガマットクリッピングの選択>
色補正部32の処理選択部43では、オブジェクトが文字であった場合にガマットマッピングもしくはガマットクリッピングを選択することができ、またガマットマッピングを選択した場合に、ガマットマッピングの種類を選択することができる。さらに、文字の背景色に応じて、同様に、ガマットマッピングもしくはガマットクリッピングを選択することができ、またガマットマッピングを選択した場合に、ガマットマッピングの種類を選択することができる。
この処理により、色域内にもかかわらず一様にガマットマッピングがなされた結果、色が変わって表わされていた文字も、ユーザーが意図していた色に再現することができる。また、色域外の色に関しても、背景色に応じてより視認性が向上する方向にマッピングすることができる。
<視認性の向上>
以下、ガマットマッピングおよびガマットクリッピングを、文字と背景で異ならせることにより視認性が向上する理由について説明する。
(1)色相が反対の場合
例えば、背景が青、文字が黄色などの場合、文字の視認性は背景との色差を大きく保つ方が良好となる。そこで、指定された色差をそのまま保持するために、ガマット外の点(画像データ)についてはガマットクリッピングを行い、色差を保持したままにする。すなわち、ガマット外の点についてガマットマッピングを行うと、その点がガマット内にマッピングされる可能性があるため、文字と背景との色差が小さくなってしまう可能性がある。なお、上記の背景が青、文字が黄色などの判定は、オブジェクトデータ判定部41により行われる。
(2)色相が同じで明度が異なる場合(彩度差が小さい場合)
文字と背景との色相が同じで明度が異なる場合、人はこの場合の文字と背景との色差を明度の差分で認識しているため、色補正部32では文字と背景との明度の差を保つ色再現処理を行う必要がある。そこで、この場合には、明度重視のガマットマッピングを行い、文字と背景との明度差を保存する色再現を行う。
(3)色相が同じで彩度が異なる場合
文字と背景との色相が同じで彩度が異なる場合、人はこの場合の文字と背景との色差を彩度の差分で認識しているため、色補正部32では文字と背景との彩度の差を大きく保つ色再現処理を行う必要がある。そこで、この場合には彩度重視のガマットマッピングを行い、文字と背景との彩度差を保存する色再現を行う。
以上のような特性を踏まえ、色補正部32の処理選択部43では、図7に示すように、色相、明度および彩度それぞれについての文字と背景との差分を順次判定しながら、画像データに対して処理を決定することが可能である。
また、均等色空間(CIEL空間)内で色相、明度および彩度それぞれについての文字と背景との差分をとって、これらのうちの一番差分が大きい属性を目立たせるように、ガマットマッピングおよびクリッピングの判定を行ってもよい。
例えば、背景の均等色空間内の値、文字の均等色空間内の値をそれぞれ
Figure 2007274629
とすると、背景と文字との明度値の差分および彩度値の差分はそれぞれ以下の式で求められる。
Figure 2007274629
文字と背景との色相の差分は角度差になる。この角度差は均等色空間内の距離ではないため、二つの点の色空間内の距離を想定する必要がある。そのため、本実施の形態では、各色の中心からの距離(つまり彩度)の平均値を各々の彩度に置き代えて均等色空間内の距離を算出したものを使用する。
Figure 2007274629
処理選択部43では、これら色の三属性についての文字と背景との差分(明度の差分、彩度の差分、色相の差分)の中で最も差分が大きい属性を重視するガマットマッピングを選択するか、もしくはガマットクリッピングを選択する。例えば、文字と背景との色相の差分が最も大きい場合には、文字と背景との色差が大きい方が好ましいと判断し、ガマットクリッピングを選択する。なお、文字と背景の色属性の値、および文字と背景が存在する領域を知る際にはPDLデータを参照する。
<本実施の形態の処理選択部における処理選択動作>
図7は、処理選択部43におけるガマットマッピングもしくはガマットクリッピングを選択する処理選択動作を示すフローチャートである。なお、S801の処理のみはオブジェクトデータ判定部41が行う。
この図7の処理では、色の三属性についての判定が必要と判断した場合に、色の三属性(色相、明度、彩度)の判定に優先順位を設けている。すなわち、常に色相、明度および彩度の全てについて判定を行うのではなく、色相、明度および彩度について予め設定された優先順位に従って判定していき、いずれかの判定結果によって処理を選択できるのであれば、以後の判定が不要となっている。
この処理において、まず、オブジェクトデータ判定部41はオブジェクトのデータから背景色および文字色を取得する(S801)。処理選択部43は、オブジェクトデータ判定部41が取得した背景色および文字色に基づいて、背景色がプリンタの色域内にあるか否を判定するとともに(S802)、文字色がプリンタの色域内にあるか否かを判定する(S803)。この判定の結果から、処理選択部43は、さらに色の三属性(色相、明度、彩度)についての判定が必要かどうか判断し(S804)、必要でなければ処理方法を選択し(S805)、処理選択動作を終了する。
上記S804では、S802において背景色がプリンタの色域内にある場合に、背景色についてはS806以降での色の三属性についての判定が不要と判断し、そうでない場合にはS806以降での色の三属性についての判定が必要と判断する。同様に、S802において文字色がプリンタの色域内にある場合に、文字色についてはS806以降での色の三属性についての判定が不要と判断し、そうでない場合にはS806以降での色の三属性についての判定が必要と判断する。
なお、以下に説明する色相差(色相の差分)、明度差(明度の差分)、彩度差(彩度の差分)は背景色と文字色とのそれら差分である。また、背景がプリンタの色域内(ガマット内)にあるか否かの判定は、背景のCIELデータをもとに行われる。また、文字色と比較される背景色は文字色の周りの背景色であることが好ましい。
背景色と文字色との少なくとも一方に関し、色の三属性についての判定が必要な場合には、まず、色相差が所定値(例えば30度)よりも大きいか否かを判定し(S806)、色相差が所定値よりも大きければ、この場合に適した処理方法を選択し(S807)、処理選択動作を終了する。
また、S806において色相差が上記所定値以下であれば、次に明度差が所定値(例えば25)よりも大きいか否かを判定し(S808)、明度差が所定値よりも大きければ、この場合に適した処理方法を選択し(S809)、処理選択動作を終了する。
また、S808において明度差が上記所定値以下であれば、次に彩度差が所定値(例えば20)よりも大きいか否かを判定し(S810)、彩度差が所定値よりも大きければ、この場合に適した処理方法を選択し(S811)、処理選択動作を終了する。
また、S810において彩度差が上記所定値以下であれば、この場合に適した処理方法を選択し(S812)、処理選択動作を終了する。
なお、上記S806、S808およびS810の判定において使用する各所定値はそれぞれ任意に設定可能である。また、色相hおよび彩度Cは、Lから次のようにして求めることができる。
Figure 2007274629
図8には、図7に示した処理選択部43の処理選択動作において、背景および文字に対して選択される処理の組み合わせ、すなわちガマットマッピングの種類やガマットクリッピングの組み合わせの一例を示す。この例に示すように、ガマットマッピングの選択、さらにはガマットマッピングを選択する場合のガマットマッピングの種類(図6(a)〜図6(c)に示した種類)の選択、およびガマットクリッピングの選択については、背景色と文字色とのそれぞれがプリンタ1のガマット内にあるか否か、プリンタ1のガマット外にある場合には色の三属性それぞれの文字色と背景色との差分が上記所定値よりも大きいか否かに基づいて行われる。なお、文字色と背景色との色の三属性における差分と所定値との比較はあらかじめ設定された優先順位に基づいて行われる。
以下には図8の処理選択動作について詳細に説明する。なお、以下の説明において、色の三属性の例えば色相差が大きい場合とは色相差が上記所定値よりも大きい場合を指し、色相差が小さい場合とは色相差が上記所定値以下の場合を指す。また、何の処理も行わないとはガマットマッピングもガマットクリッピングも行わないという意味である。
(a1)背景色および文字色がプリンタのガマット内の場合には、背景色および文字色に対して共に何の処理も行わない。
(a2)背景色がガマット内かつ文字色がガマット外の場合には、色相差の大小の判定を行い、判定の結果、色相差が大きい場合には、背景色に対しては何の処理も行わず(ガマット内のため)、文字色に対してのみガマットクリッピングを行う。
(a3)背景色がガマット内かつ文字色がガマット外の場合であって、色相差が小さい場合にはさらに明度差の大小判定を行い、判定の結果、明度差が大きい場合には、背景色に対しては何の処理も行わず(ガマット内のため)、文字色に対してのみ明度重視のガマットマッピングを行う。
(a4)背景色がガマット内かつ文字色がガマット外の場合であって、色相差も明度差も小さい場合には、さらに彩度差の大小判定を行い、判定の結果、彩度差が大きい場合には、背景色に対しては何の処理も行わず(ガマット内のため)、文字色に対してのみ彩度重視のガマットマッピングを行う。
(a5)背景色がガマット内かつ文字色がガマット外の場合であって、色相差も明度差も彩度差も小さい場合には、背景色および文字色に対して共に何の処理も行わない。
(a6)背景色がガマット外かつ文字色がガマット内の場合には、背景色に対してはガマットクリッピングを行い、文字色に対しては何の処理も行わない(ガマット内のため)。
(a7)背景色および文字色が共にガマット外の場合には色相差の大小の判定を行い、判定の結果、色相差が大きい場合には、背景色および文字色に対して共にガマットクリッピングを行う。
(a8)背景色および文字色が共にガマット外の場合であって色相差が小さい場合には、明度差の大小の判定を行い、判定の結果、明度差が大きい場合には、背景色および文字色に対して共に明度重視のガマットマッピングを行う。
(a9)背景色および文字色が共にガマット外の場合であって、色相差も明度差も小さい場合には、彩度差の大小の判定を行い、彩度差が大きい場合には、背景色および文字色に対して共に彩度重視のガマットマッピングを行う。
(a10)背景色および文字色が共にガマット外の場合であって、色相差も明度差も彩度差も小さい場合には、背景色および文字色に対して共にガマットクリッピング(ガマット外のため)を行う。
図9には、処理選択部43におけるガマットマッピングもしくはガマットクリッピングを選択する処理選択動作の他の例を示す。なお、図9のフローチャートにおけるS1001の処理のみは、図7の処理の場合と同様、オブジェクトデータ判定部41が行う。
図7の処理では、色の三属性についての判定を行う場合に、色相、明度および彩度の判定に優先順位を設けていた。これに対し、図9の処理では、色の三属性についての判定を行う場合に、色相、明度および彩度の全てについて判定を行い、差分値の一番大きい属性を抽出する構成となっている。
処理において、まず、オブジェクトデータ判定部41はオブジェクトのデータから背景色および文字色を取得する(S1001)。処理選択部43は、オブジェクトデータ判定部41が取得した背景色および文字色に基づいて、背景色がプリンタの色域に含まれるか否を判定するとともに(S1002)、文字色がプリンタの色域に含まれるか否かを判定する(S1003)。この判定の結果から、処理選択部43は、さらに色の三属性(色相、明度、彩度)についての判定が必要かどうか判断し(S1004)、必要でなければ処理方法を選択し(S1005)、処理選択動作を終了する。なお、色の三属性についての判定の要否の判断手法は前述の場合と同様である。
一方、背景色と文字色との少なくとも一方に関し、色の三属性についての判定が必要な場合には、色の三属性(色相、明度、彩度)のそれぞれについて差分(色相差、明度差、彩度差)を算出し、最も差分の大きい属性(データ)を抽出する(S1006)。その後、最も差分の大きい属性(データ)に適した処理方法を選択し(S1007)、処理選択動作を終了する。
図10には、図9に示した処理選択部43の処理選択動作において、背景および文字に対して選択される処理の組み合わせ、すなわちガマットマッピングの種類やガマットクリッピングの組み合わせの一例を示す。この例に示すように、ガマットマッピングの選択、さらにはガマットマッピングを選択する場合のガマットマッピングの種類(図6(a)〜図6(c)に示した種類)の選択、およびガマットクリッピングの選択については、背景色と文字色とのそれぞれがプリンタ1のガマット内にあるか否か、プリンタ1のガマット外にある場合には色相差、明度差、彩度差のうちのいずれの属性の差分が最も大きいかに基づいて行われる。
以下には図10に示した処理選択動作について詳細に説明する。なお、以下の説明において、何の処理も行わないとはガマットマッピングもガマットクリッピングも行わないという意味である。
(b1)背景色および文字色がプリンタのガマット内の場合には、背景色および文字色に対して共に何の処理も行わない。
(b2)背景色がガマット内かつ文字色がガマット外の場合であって、色相差が一番大きい場合には、背景色に対しては何の処理も行わず(ガマット内のため)、文字色に対してのみガマットクリッピングを行う。
(b3)背景色がガマット内かつ文字色がガマット外の場合であって、明度差が一番大きい場合には、背景色に対しては何の処理も行わず(ガマット内のため)、文字色に対してのみ明度重視のガマットマッピングを行う。
(b4)背景色がガマット内かつ文字色がガマット外の場合であって、彩度差が一番大きい場合には、背景色に対しては何の処理も行わず(ガマット内のため)、文字色に対してのみ彩度重視のガマットマッピングを行う。
(b5)背景色がガマット外かつ文字色がガマット内の場合には、背景色に対してはガマットクリッピングを行い、文字色に対しては何の処理も行わない(ガマット内のため)。
(b6)背景色および文字色が共にガマット外の場合であって、色相差が一番大きい場合には、背景色および文字色に対して共にガマットクリッピングを行う。
(b7)背景色および文字色が共にガマット外の場合であって、明度差が一番大きい場合には、背景色および文字色に対して共に明度重視のガマットマッピングを行う。
(b8)背景色および文字色が共にガマット外の場合であって、彩度差が一番大きい場合には、背景色および文字色に対して共に彩度重視のガマットマッピングを行う。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
図11は、図5に示した色補正部32の他の例を示す概略のブロック図である。同図に示す色補正部50は、オブジェクトデータ判定部51、CIELAB変換部52、LUT選択部53および色変換処理部54を備えている。このように、色補正部50は、図1に示した処理選択部43に代えてLUT選択部53を備える一方、リアルタイムで処理を行うガマットマッピング・クリッピング部44を備えていない。このために、メモリ55には、明度重視のガマットマッピング、彩度重視のガマットマッピング、およびガマットクリッピングを用いて作成されたそれぞれのルックアップテーブル(色補正テーブル)があらかじめ格納されている。なお、これらルックアップテーブルは、処理対象となる画像データが変わるごとに、ROM(図示せず)などに保存されているLUTデータ部から読み出されてメモリ55にセットされるものであってもよい。
上記構成の色補正部50において、オブジェクトデータ判定部51では、データ計算部31より受け取ったオブジェクトのデータから、画像データの注目画素がどのオブジェクトなのかを判定する。CIELAB変換部52は、データ計算部31から受け取った画像データを、CIEのL*a*b*空間へ変換する。LUT選択部53は、オブジェクトデータ判定部51での判定結果、およびCIELAB変換部52の出力信号(CIEのL*a*b*空間へ変換後の画像データ)より、メモリ55に格納されているルックアップテーブルのうち、注目画素の処理に使用するルックアップテーブルを選択する。色変換処理部54は、メモリ55にアクセスし、LUT選択部53により選択されたルックアップテーブルを使用して、CIEのL*a*b*空間からプリンタの色空間への色変換処理を行う。
上記の処理において、LUT選択部53は、前述の図7および図8の手法もしくは図9および図10の手法により、画像データに対して行うべきガマットマッピングもしくはガマットクリッピングを選択する。その後、LUT選択部53は、選択した処理に対応するルックアップテーブル(色補正データ)を選択する。
このように、本実施の形態の構成では、LUT選択部53での選択結果に基づいてガマットマッピングおよびガマットクリッピングを行わないので、色補正部50において迅速な処理が可能となる。したがって、本実施の形態の構成は、処理速度を重視するプリンタや複合機に好適である。
本実施の形態においては、上記ルックアップテーブルの代わりにICCプロファイルを利用しても同様の機能を得ることができる。ICCプロファイルとはICC(International Color Consortium)が規定しているフォーマット仕様に基づいた色情報データファイルである。
ICCプロファイルを利用した構成において、ICCプロファイルは、ガマットマッピングおよびガマットクリッピングを異ならせた色補正用のデータを保持しており、ユーザーは、それら異なるガマットマッピングおよびクリッピングの結果の色補正データを利用することができる。これら色補正データの種類(マッチング方式の種類)には、「知覚的」、「彩度」および「色域を維持」と呼ばれるものがある。
「知覚的」と呼ばれるマッチング方式は、写真や自然画像の描画に適したものであり、明度重視のガマットマッピングを行っている。「彩度」と呼ばれるマッチング方式は、グラフィックなどの描画に適したものであり、彩度重視のガマットマッピングを行っている。「色域を維持」と呼ばれるマッチング方式は、ガマット内のデータは忠実に描画し、ガマット外のデータは最も近いガマット外郭にクリッピングしている。
すなわち、図11に示した構成において明度重視のガマットマッピングを行ったルックアップテーブルを選択するような場合、本実施の形態においてはICCプロファイルの「知覚的」と呼ばれるマッチング方式を選択して処理を行う。同様に、図11に示した構成において彩度重視のガマットマッピングを行ったルックアップテーブルを選択するような場合、本実施の形態においてはICCプロファイルの「彩度」と呼ばれるマッチング方式を選択して処理を行う。また、図11に示した構成においてガマットクリッピングを行ったルックアップテーブルを選択するような場合、本実施の形態においてはICCプロファイルの「色域を維持」と呼ばれるマッチング方式を選択して処理を行う。
<プログラムおよび記憶媒体>
本発明はコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、文字に対して適切な色を生成する画像処理方法を記録するものとすることもできる。この結果、上記画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
なお、本実施の形態では、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable read only memory)、EEPROM(Electrically Erasable read only memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置およびコンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのモデムなどが備えられる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、ページ記述言語で記述された印刷データに対するプリンタでの色補正処理や色空間変換処理、およびプリンタが接続されたホストでの印刷データの生成の際の色補正処理や色空間変換処理を好適に行うような用途にも適用できる。
本発明の一実施形態における画像処理装置が備える色補正部の概略の構成を示すブロック図である。 ホスト装置とこれに接続された、図1の色補正部を備える高級機タイプのプリンタを示す概略のブロック図である。 図2に示したプリンタが備える印刷データ生成部の構成を示す概略のブロック図である。 図3に示した画像生成部の従来の構成を示す概略のブロック図である。 図3に示した画像生成部の実施の形態における構成を示す概略のブロック図である。 図6(a)は図4に示した色補正部が行う明度重視のガマットマッピングの説明図、図6(b)は同彩度重視のガマットマッピングの説明図、図6(c)は同ガマットクリッピングの説明図である。 図1に示した処理選択部の処理選択動作の一例を示すフローチャートである。 図7に示した処理選択動作を詳細に示す説明図である。 図1に示した処理選択部の処理選択動作の他の例を示すフローチャートである。 図9に示した処理選択動作を詳細に示す説明図である。 本発明の他の実施形態における色補正部の概略の構成を示すブロック図である。 ホスト装置とこれに接続された従来の高級機タイプのプリンタを示す概略のブロック図である。 ホスト装置とこれに接続された従来の低級機タイプのプリンタを示す概略のブロック図である。
符号の説明
1 プリンタ(画像出力装置、画像形成装置)
11 印刷データ生成部
12 画像生成部
32 色補正部
41,51 オブジェクトデータ判定部(色情報取得手段)
42,52 CIELAB変換部
43 処理選択部(色域判定手段、色属性算出手段、色補正処理選択手段)
44 ガマットマッピング・クリッピング部(色補正処理実行手段)
45,54 色変換処理部(色補正処理実行手段)
46 メモリ
53 LUT選択部

Claims (9)

  1. 画像データを可視化して出力する画像出力装置へ供給するための画像データに対して画像処理を施す画像処理装置において、
    画像データが文字に属するものか文字の背景に属するものかを示す、前記画像データの属性情報を参照して、前記画像データから文字の色および文字の周辺に存在する背景の色を取得する色情報取得手段と、
    前記文字の色と前記背景の色との各々について前記画像出力装置の色再現領域内と色再現領域外との何れの領域に存在するかを判定する色域判定手段と、
    前記文字の色と前記背景の色との色相の差、明度の差および彩度の差を算出する色属性算出手段と、
    前記色域判定手段により前記色再現領域外に存在すると判定された前記文字の色および前記背景の色に対する処理として、前記色属性算出手段での算出結果に基づき、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは前記色再現領域外に存在する色を前記色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理を選択する色補正処理選択手段と、
    前記色補正処理選択手段にて選択された処理を前記画像データに対して行う色補正処理実行手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記色補正処理選択手段は、前記色相の差、前記明度の差および前記彩度の差である三つの色属性の差をこれら三者ごとに設定された閾値と比較し、色属性の差が前記閾値よりも大きい一つの色属性に基づいて、前記選択動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記色補正処理選択手段は、前記三つの色属性の差と閾値とを比較する動作を予め設定された優先順位に従って行い、色属性の差が閾値よりも大きいという比較結果が最初に得られた色属性に基づいて、前記選択動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記色補正処理選択手段は、前記色相の差、前記明度の差および前記彩度の差である三つの色属性の差のうち、差が最大の色属性に基づいて、前記選択動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記色補正処理実行手段は、前記複数の色域圧縮処理としての明度重視のガマットマッピング処理および彩度重視のガマットマッピング処理、並びに前記色域クリッピング処理が可能であり、
    前記色補正処理選択手段は、色相に基づいて処理を選択する場合には前記色域クリッピング処理を選択し、明度に基づいて処理を選択する場合には前記明度重視のガマットマッピング処理を選択し、彩度に基づいて処理を選択する場合には前記彩度重視のガマットマッピング処理を選択することを特徴とする請求項2または4に記載の画像処理装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 画像データを可視化して出力する画像出力装置へ供給するための画像データに対して画像処理を施す画像処理方法において、
    画像データが文字に属するものか文字の背景に属するものかを示す、前記画像データの属性情報を参照して、前記画像データから文字の色および文字の周辺に存在する背景の色を取得する色情報取得工程と、
    前記文字の色と前記背景の色との各々について前記画像出力装置の色再現領域内と色再現領域外との何れの領域に存在するかを判定する色域判定工程と、
    前記文字の色と前記背景の色との色相の差、明度の差および彩度の差を算出する色属性算出工程と、
    前記色域判定工程により前記色再現領域外に存在すると判定された前記文字の色および前記背景の色に対する処理として、前記色属性算出工程での算出結果に基づき、予め定められている複数の色域圧縮処理のうちの一つの処理、あるいは前記色再現領域外に存在する色を前記色再現領域の外縁の色に置き換える色域クリッピング処理を選択する処理選択工程と、
    前記処理選択工程にて選択された処理を前記画像データに対して行う色変換処理工程とを備えていることを特徴とする画像処理方法。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置の前記の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  9. 請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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