JP2009088601A - 音声再生装置、プログラム及びスピーカの配置制御方法 - Google Patents

音声再生装置、プログラム及びスピーカの配置制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピーカの位置設定を容易に行う。
【解決手段】複数のスピーカにより音声再生を行う音声再生装置は、制御部による制御の下、複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、移動前に計測された各スピーカ相互間の距離と、移動後に計測された各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、音声再生装置、プログラム及びスピーカの配置制御方法に関する。
従来からL(Left)用スピーカ、R(Right)用スピーカ、サブウーファー等の複数のスピーカを用いて音声再生を行う音声再生装置が知られている。一般に、ステレオ再生の場合の最適リスニングポジションを得るためのスピーカ再生は、L用スピーカ、R用スピーカ、リスニングポジションが正三角形をなすように配置する必要がある。
このため、各スピーカの配置やリスニングポジションを割り出すためには、L用スピーカ、R用スピーカ、リスニングポジションの相互の距離を巻き尺などで計測する必要があった。このような配置に関する技術として、特許文献1、2には、リスニングポジションを知らせるためにリモコンを用いる方法などが開示されている。この特許文献1、2の方法によれば、リモコンを用いることで鑑賞者をリスニングポジションに導くことができた。
特開平6−233377号公報 特開平9−93690号公報
しかしながら、上記従来技術では、リスニングポジションを割り出すためのリモコンを用意する必要があり、リモコンを操作しての配置作業は手間がかかるものであった。
本発明は上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、スピーカの配置設定を容易に行う技術を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数のスピーカにより音声再生を行う音声再生装置において、
前記各スピーカを移動させる移動手段と、
前記各スピーカの相対距離を計測する計測手段と、
前記移動手段により前記複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、前記計測手段により計測された当該移動前の各スピーカ相互間の距離と、前記計測手段により計測された当該移動後の各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行う制御手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記各スピーカはマイクを備え、
前記計測手段は、前記いずれか一のスピーカから再生される音声を前記他のスピーカに備えられたマイクで集音することで、各スピーカの相対距離を計測する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記計測手段によりスピーカから再生される音声は、可聴帯域外の周波数で発声される。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、
前記複数のスピーカは、右音声の再生を行う第1スピーカと、左音声の再生を行う第2スピーカと、リスニングポジションで再生を行う第3スピーカと、を含み、
前記制御手段は、前記第1、第2、第3スピーカのうちのいずれかのスピーカの移動に係る制御を、当該いずれかのスピーカと他のスピーカとの距離が、当該他のスピーカ間の距離と等距離となるように行う。
請求項5に記載の発明は、
複数のスピーカにより音声再生を行い、前記各スピーカを移動させる移動手段及び前記各スピーカの相対距離を計測する計測手段を有する音声再生装置のコンピュータを、
前記移動手段により前記複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、前記計測手段により計測された当該移動前の各スピーカ相互間の距離と、前記計測手段により計測された当該移動後の各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行うように機能させるためのプログラムである。
請求項6に記載の発明は、
複数のスピーカにより音声再生を行い、前記各スピーカを移動させる移動手段及び前記各スピーカの相対距離を計測する計測手段を有する音声再生装置におけるスピーカの配置制御方法であって、
前記移動手段により前記複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、前記計測手段により計測された当該移動前の各スピーカ相互間の距離と、前記計測手段により計測された当該移動後の各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行う。
本発明によれば、スピーカの配置設定を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明の範囲は以下の実施の形態に限定されない。
先ず、音声再生装置の構成について説明する。図1に示すように、音声再生装置100は、音源機器1、コントローラー2、スピーカシステム3を有する構成である。音源機器1は、CD、DVD(Digital Versatile Disk)、MD(MiniDisc)などの記憶媒体から読み出した音声信号や、有線又は無線の送信信号を受信した音声信号などを、USB(universal serial bus)などの通信インターフェイスを介したデジタル音声信号としてコントローラー2へ出力する。
コントローラー2は、デコーダ21、変復調回路22、送受信回路23、制御部24、操作・表示部25、記憶部26、アンテナ27などを有する構成である。
デコーダ21は、DSP(Digital Signal Processor)などによりマルチチャンネルのデコードに対応したデコーダであり、音源機器1から入力されるデジタル音声信号を識別し、当該デジタル音声信号に応じたマルチチャンネルにデコードする。具体的には、フロント(右)、フロント(左)で音声再生する2チャンネルの音声信号、フロント(右)、フロント(左)、サブウーファーで音声再生する音声信号、当該音声信号にセンター、リア(右)、リア(左)で音声再生を行う音声信号を含む5.1チャンネルのサラウンド信号等の音声信号に応じて各チャンネルの信号にデコードする。
変復調回路22は、送受信回路23を介して各チャンネルに対応するスピーカへ送信するため、マルチチャンネルにデコードされた音声信号の各々を変調する。また、変復調回路22は、送受信回路23で受信された各スピーカからの送信信号を復調する。
送受信回路23は、制御部24の制御の下、スピーカシステム3との間でアンテナ27を介した無線通信を行う。具体的には、送受信回路23は、変復調回路22により変調された各スピーカの音声信号を当該各スピーカへ送信する。また、送受信回路23は、制御部24から各スピーカに対して出力される制御信号を送信し、当該各スピーカからの送信信号を受信する。
制御部24は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有する(いずれも特に図示しない)。制御部24は、RAMの所定領域を作業領域とし、CPUとROMや記憶部26に予め格納された各種制御プログラム及び設定データとの協働により、コントローラー2の動作を統括制御する。
操作・表示部25は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面及び操作キーなどを備えている。操作・表示部25は、制御部24から出力される制御信号に基づいて表示画面上に各種情報や操作画面を表示する。また、操作・表示部25は、操作キーの操作に基づいた操作信号を制御部24へ出力する。記憶部26は、半導体メモリ等であり、プログラムデータや各種設定データを記憶する。
スピーカシステム3は、フロント(左)スピーカ3a、フロント(右)スピーカ3b、サブウーファー3cなどの複数のスピーカを有する。コントローラー2と上述した各スピーカとは無線通信により互いに通信可能に接続される。スピーカシステム3は、上述した各スピーカにおいて、コントローラー2から無線で送信される音声信号に基づいた音声再生を行うことで、マルチチャンネルの音声再生が可能となっている。
ここで、各スピーカの詳細について図2〜図6を参照して説明する。フロント(左)スピーカ3a、フロント(右)スピーカ3b、サブウーファー3cの各スピーカ(以下、3つのスピーカを指し示す場合は単に「各スピーカ」とする)における機能的構成は図2に示すとおりである。なお、各スピーカの機能的構成は略同一であるため、以下の説明では統一した符号を付して説明する。図2に示すように、各スピーカは、制御部31、移動部32、計測部33、送受信回路34、アンテナ35、音声再生部36を有する構成である。
制御部31は、制御IC(Integrated Circuit)などであり、コントローラー2からの制御信号に基づいて自スピーカの各部の動作を統括制御する。
移動部32は、図3〜図5に示すような自スピーカを移動可能に支持する車輪321、322、323、当該各車輪を駆動させるステッピングモーター(特に図示しない)等を有している。具体的には、車輪321、322、323は、図5(a)、図5(b)に示すように、各スピーカの筐体37底面において略正三角形を成すように設けられている。また、車輪321は軸321aにより、車輪322は軸322aにより、車輪323は軸323aにより各軸周りに回動可能となっている。
この車輪321、322、323の駆動は、制御部31の制御の下で駆動するステッピングモーター等により制御される。同様に、制御部31の制御の下で駆動するステッピングモーター等により各車輪の軸周りの回動も制御されている。即ち、移動部32は、制御部31の制御の下、自スピーカの移動位置を自在に調整可能となっている。
具体的には、スピーカを直進移動させる場合は、図5(a)に示すように、各車輪を同一方向へ回動させ、当該各車輪を回転駆動させる。この際に、移動部32は、制御部31の制御の下でこの各車輪の回転駆動量を制御することで、スピーカの直進移動量を調節可能となっている。
また、スピーカを回転移動させる場合は、図5(b)に示すように、各車輪を回転方向へ回動させ、当該各車輪を回転駆動させる。この際に、移動部32は、制御部31の制御の下でこの車輪の回転駆動量を制御することで、スピーカの回転量(回転角)を調整可能となっている。
移動部32の変形例としては、例えば、図6に示すように、各スピーカの筐体37底面において、各車輪が予め同一方向へ固定されており、制御部31の制御の下で駆動するステッピングモーター(特に図示しない)等により回転量が制御されるターンテーブル324を有する構成であってもよい。このターンテーブル324は、制御部31の制御の下で駆動するステッピングモーター等により鉛直方向に移動可能となっている。このため、移動部32は、図6(b)、図6(c)に示すように、各車輪によるスピーカの支持と、ターンテーブル324による支持とを切り替え可能である。
この変形例において、スピーカを直進移動させる場合は、図6(b)に示すように、ターンテーブル324を鉛直方向上向きに移動させ、各車輪によりスピーカを支持させて、当該車輪を回転駆動させる。また、スピーカを回転移動させる場合は、図6(c)に示すように、ターンテーブル324を鉛直方向下向きに移動させ、ターンテーブル324によりスピーカを支持させて、当該ターンテーブル324を回転駆動させる。なお、移動部32は、自スピーカの移動方向と移動距離の制御が可能であれば、特に上述した方法に限定されない。
計測部33は、制御部31の制御の下、外部の音声を集音する無指向性のマイクを有し、このマイクにより集音された外部の音声に基づいて距離測定を行う。この計測部33により集音された音声信号は制御部31、送受信回路34へ出力される。具体的には、計測部33は、音声再生部36により発せられるテストトーンを集音する。
計測部33は、図3に示すように、フロント(左)スピーカ3a、フロント(右)スピーカ3bにおいては外部に設置されている。また、図4に示すように、サブウーファー3cにおいては筐体37の内部に設置されたスピーカユニット36bと兼用となっている。なお、サブウーファー3cにおけるスピーカユニット36bと計測部33との切替は、制御部31の制御の下で切替可能な切替スイッチ(特に図示しない)で行われる。
計測部33とスピーカユニット36bの兼用又は非兼用については、特に本実施の形態に限定するものではない。例えば、全てのスピーカに専用の計測部33を備える構成であってもよい。なお、マイクと兼用できるスピーカは周波数特性が広いものである。よって、全てのスピーカを周波数特性の広いものを用いることで当該全てのスピーカでマイクとして兼用することも可能である。このようにスピーカとマイクとを兼用することで、装置のコストを削減することができる。
送受信回路34は、制御部31の制御の下、コントローラー2との間でアンテナ35を介した無線通信を行う。具体的には、送受信回路34は、前述したコントローラー2から送信される各スピーカの音声信号を受信する。また、送受信回路34は、コントローラー2から各スピーカに対して送信される制御信号を受信し、制御部31から出力される信号や計測部33により集音された音声信号をコントローラー2へ送信する。
音声再生部36は、送受信回路34で受信された音声信号を増幅するアンプ36aと、永久磁石、ボイスコイル、当該ボイスコイルが接続された振動板などを有する(いずれも特に図示しない)スピーカユニット36bと、を有する。スピーカユニット36bは、図3、図4に示すように、筐体37の内部に設けられている。なお、スピーカユニット36bの設置位置は、特に本実施の形態に限定するものではなく、筐体37の外部に設けられるものであってもよい。
音声再生部36は、送受信回路34で受信した音声信号を増幅して音声再生を行う。また、音声再生部36は、コントローラー2から送信された制御信号に基づいて制御部31が出力するテスト用の音声信号によりテストトーンを発する。
この音声再生部36が発するテストトーンは、可聴帯域(20〜20000Hz程度)の音声であってもよいが、可聴帯域を越えた超音波であってよい。この場合は、ユーザーにテストトーンによる不快感を与えることがない。
なお、サブウーファー3cはリスニングポジションに設置されるスピーカである。サブウーファー3cは、図4に示すように、筐体37の上部に天板の上にクッションなどが設けられたクッション38を有している。ユーザーは、このリスニングポジションに設置されたサブウーファー3cのクッション38に腰掛けて音声再生装置100による音楽鑑賞を行う。
次に、コントローラー2の制御部24がプログラムを順次実行することで各部を制御して行う音声再生装置100の動作について説明する。図7に示すように、処理が開始されると、操作・表示部25の操作指示や記憶部26の設定情報などに基づいて移動対象のスピーカが設定される(ステップS11)。
次いで、各スピーカ間の距離を測定する測定処理が行われる(ステップS12)。この測定処理が開始されると、図8に示すように、フロント(左)スピーカ3aからテストトーンが出力され、当該テストトーンをフロント(右)スピーカ3b及びサブウーファー3cの計測部33で計測することで、そのテストトーンが計測されるまでの時間差によりフロント(左)スピーカ3aとフロント(右)スピーカ3b及びフロント(左)スピーカ3aとサブウーファー3cとの間の距離が計測される(ステップS21)。
次いで、フロント(右)スピーカ3bからテストトーンが出力され、当該テストトーンをフロント(左)スピーカ3a及びサブウーファー3cの計測部33で計測することで、フロント(右)スピーカ3bとフロント(左)スピーカ3a及びフロント(右)スピーカ3bとサブウーファー3cとの間の距離が計測される(ステップS22)。
次いで、サブウーファー3cからテストトーンが出力され、当該テストトーンをフロント(左)スピーカ3a及びフロント(右)スピーカ3bの計測部33で計測することで、サブウーファー3cとフロント(左)スピーカ3a及びサブウーファー3cとフロント(右)スピーカ3bとの間の距離が計測されて(ステップS22)、測定処理が終了する。
なお、上述した測定処理では、各スピーカ間の距離がそれぞれ2回ずつ計測されるが、いずれをスピーカ間の距離値として採用してよく、2回の平均値をスピーカ間の距離値としてもよい。また、ステップS21〜S23の処理を複数回行うことで、各スピーカ間の距離値を複数取得し、その平均値を各スピーカ間の距離値としてもよい。このように複数回測定を行ってその平均値を距離値とすることで、当該距離値の測定精度を高めることができる。
次いで、ステップS11により設定された移動対象のスピーカがROMなどに設定された所定の距離だけ移動され(ステップS13)、前述したステップS12と同様に各スピーカ間の距離を測定する測定処理が行われる(ステップS14)。なお、ステップS13におけるスピーカの移動方向は任意の方向であってよい。
次いで、各スピーカ相互間の距離で示される当該各スピーカの相対的な位置関係が予め設定された位置関係となるように、ステップS12により移動前に測定された各スピーカ間の距離と、ステップS13による移動距離と、ステップS14により移動後に測定された各スピーカ間の距離と、に基づいて、移動対象のスピーカの回転角、移動距離の算出が行われる(ステップS15)。
具体的には、ステップS15では、各スピーカ相互間の距離が等距離となり、各スピーカの位置関係が正三角形となるように、移動対象のスピーカの回転角、移動距離の算出が行われる。
ここで、ステップS15で行われる移動対象のスピーカの回転角、移動距離の算出について、図9、図10を参照して説明する。このステップS15で行われる算出は、三辺の長さが判明している三角形における各頂点の角度の算出方法(以下、単に「角度算出」という)、二辺の長さとその辺がなす挟角が判明している三角形における他の辺の長さの算出方法(以下、単に「辺算出」という)等を用いて行われる。
先ず、上述した角度算出、辺算出について簡単に説明する。図9に示すように、三角形ABCにおいて、辺AC、AB、BCの長さがa、b、cと判明している場合の頂点Cのなす角θの角度算出について説明する。
頂点Aから辺BCへ垂線を引いてその交点と頂点Cとの間をxとすると、当該xの長さは、三平方の定理によりx=(c+a−b)/2cである。よって、算出すべきθは、θ=cos−1(x/a)=cos−1((c+a−b)/2ac)である。同様に、頂点Bのなす角θ’は、θ’=cos−1((b+c−a)/2bc)である。
図9に示すように、三角形ABCにおいて、辺AC、CBの長さがa、cであり、その挟角である頂点Cのなす角θが判明している場合の辺ABの長さbを算出する辺算出を説明する。前述したとおりxはx=(c+a−b)/2cである。cosθ=x/a=(c+a−b)/2acであるので、b=a+c−2ac・cosθと変形することができる。よって、算出すべきbはその平方根から算出することができる。
次に、移動対象スピーカの移動軌跡を例示して移動対象スピーカの回転角、移動距離の算出を説明する。図10では、フロント(左)スピーカ3aが地点L、サブウーファー3cが地点Cに配置されており、移動対象のフロント(右)スピーカ3bが地点R1、R2の順に移動して各スピーカ相互間の距離が等距離となる地点R3へ移動する軌跡を示している。
フロント(右)スピーカ3bでは、地点R1にある時にステップS12により各スピーカ相互間の距離(l1、l2、l3)が計測される。次いで、フロント(右)スピーカ3bは、ステップS13により所定の距離(l4)移動され、地点R1から地点R2へ移動される。フロント(右)スピーカ3bでは、地点R2にある時にステップS14により各スピーカ相互間の距離(l1、l5、l6)が計測される。
フロント(右)スピーカ3bが地点R2から地点R3へ移動するための移動距離であるl7は、地点C、R2、R3を頂点とする三角形において、距離がl1である地点R3、Cの辺と、距離がl6である地点R2、Cの辺と、その辺の挟角α2と、により前述した辺算出で算出される。なお、α2は、α2=α1−60°により、α1から算出される。α1は、地点C、L、R2を頂点として各辺が(l1、l5、l6)の三角形における地点Cのなす角であるため、前述した角度算出により算出される。
また、フロント(右)スピーカ3bが地点R2から地点R3へ移動するための地点R1から地点R2への軌跡に対する回転角は、地点R1、R2、Lのなす角β1と、地点L、R2、R3のなす角β2と、の和で算出される。β1は、地点R1、R2、Lを頂点として各辺が(l4、l5、l2)の三角形における地点R2のなす角であるため、角度算出により算出される。また、β2は、地点L、R2、R3を頂点として各辺が(l5、l7、l1)の三角形における地点R2のなす角であるため、角度算出により算出される。
図7に戻ってステップS15の続きを説明する。ステップS15に次いで、そのステップS15の算出結果に基づいた回転角で移動対象スピーカが回転され(ステップS16)、同様に算出結果に基づいた移動距離でスピーカが移動されて(ステップS17)終了する。
上述した処理を行うことで、図10に示すように、移動対象であるフロント(右)スピーカ3bは、例えば地点R1から地点R2へ移動された後、地点R1から地点R2の移動の軌跡に対して(β1+β2)回転され、距離がl7だけ移動される。このため、音声再生装置100では、移動対象であるフロント(右)スピーカ3bを各スピーカ相互間の距離が等距離となる地点R3へ配置することができる。
以上のように、複数のスピーカ(フロント(左)スピーカ3a、フロント(右)スピーカ3b、サブウーファー3c)により音声再生を行う音声再生装置(音声再生装置100)において、前記各スピーカを移動させる移動手段(移動部32)と、前記各スピーカの相対距離を計測する計測手段(例えば音声再生部36、計測部33)と、前記移動手段により前記複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、前記計測手段により計測された当該移動前の各スピーカ相互間の距離と、前記計測手段により計測された当該移動後の各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行う制御手段(制御部24)と、を備える構成である。
このため、音声再生装置は、いずれかのスピーカを各スピーカ相互間の距離が所定の距離となるように配置することができ、スピーカの配置設定を容易に行うことができる。例えば、スピーカが二次電池で駆動する場合であって、いずれかのスピーカの充電を所定の充電場所で行った場合、その充電場所から音声再生を行う時の配置位置への当該スピーカ移動を、ユーザーの手を煩わすことなく行うことができ、便利である。
また、音声再生装置では、前記各スピーカはマイクを備え、前記計測手段は、前記いずれか一のスピーカから再生される音声を前記他のスピーカに備えられたマイクで集音することで、各スピーカの相対距離を計測する構成である。このため、音声再生装置は、各スピーカにマイクを備えるだけで、各スピーカの相対距離を計測することができる。
また、音声再生装置では、前記計測手段によりスピーカから再生される音声は、可聴帯域外の周波数で発声される構成である。このため、音声再生装置は、ユーザーに不快感を与えることなく各スピーカの相対距離の計測を行うことができる。
また、音声再生装置では、前記複数のスピーカは、右音声の再生を行う第1スピーカ(フロント(右)スピーカ3b)と、左音声の再生を行う第2スピーカ(フロント(左)スピーカ3a)と、リスニングポジションで再生を行う第3スピーカ(サブウーファー3c)と、を含み、前記制御手段は、前記第1、第2、第3スピーカのうちのいずれかのスピーカの移動に係る制御を、当該いずれかのスピーカと他のスピーカとの距離が、当該他のスピーカ間の距離と等距離となるように行う構成である。このため、音声再生装置は、いずれかのスピーカを、全てのスピーカ間の距離が等距離となるように配置することができる。
なお、上述した実施の形態における記述は、一例を示すものであり、これに限定するものではない。上述した実施の形態における構成及び動作に関しては、適宜変更が可能である。
例えば、各スピーカの相対距離の測定は、いずれかのスピーカから再生されるテストトーンを、他のスピーカに設けられたマイクで集音して行う構成を例示したが、送受信回路34の無線通信により各スピーカとの間で送受信される信号の位相差などから距離を算出する構成や、リモコンなどで使用される赤外線通信により距離を算出する構成などであってもよく、特に実施の形態に限定するものではない。
また、移動対象スピーカの回転角、移動距離の算出については、ステップS12、S14で測定される各スピーカ相互間の距離とステップS13の移動距離とにより、他の三角関数などを用いて算出してもよく、前述した算出方法に限定されない。
また、本実施の形態では、各スピーカの移動に係る制御をコントローラー2側で行う構成を例示したが、スピーカシステム3のうちのいずれかのスピーカの制御部31が他のスピーカを制御して行う構成であってもよい。
また、本実施の形態では、いずれかのスピーカを全てのスピーカ間の距離が等距離となる配置位置へ移動させ、各スピーカの配置関係が正三角形となる構成を例示したが、各スピーカ相互間の距離などを指定することで一意に定まる配置位置へいずれかのスピーカを移動させるものであればいずれであってもよい。例えば、3つのスピーカの相対位置を一意に定まるように指定するには、三角形の合同条件と同様、三辺相等、二辺夾角相等、一辺両端角相等を満たすように相互間距離又は角度を設定すればよい。
また、本実施の形態では、スピーカシステム3はフロント(左)スピーカ3a、フロント(右)スピーカ3b、サブウーファー3cを有する形態を例示したが、更にセンタースピーカ、リア右スピーカ、リア左スピーカを有し、5.1チャンネルのサラウンド再生を行う構成であってもよい。この場合も、いずれかのスピーカの移動制御を、当該スピーカの移動軌跡と、他の少なくとも2つのスピーカとの相互間の距離とに基づいて、指定された配置位置へ移動させることができる。
本実施の形態に係る音声再生装置の機能的構成を示す概念図である。 各スピーカの機能的構成を示すブロック図である。 (a)は、フロント(左)スピーカ、フロント(右)スピーカの外観を示す外観図であり、(b)は、X−X方向の断面図である。 (a)は、サブウーファーの外観を示す外観図であり、(b)は、Y−Y方向の断面図である。 (a)は、各スピーカが直進移動する場合の車輪状態を示す概念図であり、(b)は、各スピーカが回転移動する場合の車輪状態を示す概念図である。 (a)は、移動部の変形例を示す各スピーカを底面方向から俯瞰した概念図であり、(b)は、移動部の変形例において各スピーカが直進移動する場合を示す概念図であり、(c)は、移動部の変形例において各スピーカが回転移動する場合を示す概念図である。 音声再生装置の動作を示すフローチャートである。 スピーカ間距離測定処理を示すフローチャートである。 三角形ABCを示す概念図である。 スピーカの移動を例示する概念図である。
符号の説明
100 音声再生装置
1 音源機器
2 コントローラー
3 スピーカシステム
3a フロント(左)スピーカ
3b フロント(右)スピーカ
3c サブウーファー
21 デコーダ
22 変復調回路
23 送受信回路
24 制御部
25 操作・表示部
26 記憶部
27 アンテナ
31 制御部
32 移動部
33 計測部
34 送受信回路
35 アンテナ
36 音声再生部
37 筐体
38 クッション部

Claims (6)

  1. 複数のスピーカにより音声再生を行う音声再生装置において、
    前記各スピーカを移動させる移動手段と、
    前記各スピーカの相対距離を計測する計測手段と、
    前記移動手段により前記複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、前記計測手段により計測された当該移動前の各スピーカ相互間の距離と、前記計測手段により計測された当該移動後の各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行う制御手段と、
    を備える音声再生装置。
  2. 前記各スピーカはマイクを備え、
    前記計測手段は、前記いずれか一のスピーカから再生される音声を前記他のスピーカに備えられたマイクで集音することで、各スピーカの相対距離を計測する請求項1に記載の音声再生装置。
  3. 前記計測手段によりスピーカから再生される音声は、可聴帯域外の周波数で発声される請求項2に記載の音声再生装置。
  4. 前記複数のスピーカは、右音声の再生を行う第1スピーカと、左音声の再生を行う第2スピーカと、リスニングポジションで再生を行う第3スピーカと、を含み、
    前記制御手段は、前記第1、第2、第3スピーカのうちのいずれかのスピーカの移動に係る制御を、当該いずれかのスピーカと他のスピーカとの距離が、当該他のスピーカ間の距離と等距離となるように行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の音声再生装置。
  5. 複数のスピーカにより音声再生を行い、前記各スピーカを移動させる移動手段及び前記各スピーカの相対距離を計測する計測手段を有する音声再生装置のコンピュータを、
    前記移動手段により前記複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、前記計測手段により計測された当該移動前の各スピーカ相互間の距離と、前記計測手段により計測された当該移動後の各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行うように機能させるためのプログラム。
  6. 複数のスピーカにより音声再生を行い、前記各スピーカを移動させる移動手段及び前記各スピーカの相対距離を計測する計測手段を有する音声再生装置におけるスピーカの配置制御方法であって、
    前記移動手段により前記複数のスピーカのうちのいずれかのスピーカを移動させ、前記計測手段により計測された当該移動前の各スピーカ相互間の距離と、前記計測手段により計測された当該移動後の各スピーカ相互間の距離と、当該移動の軌跡と、に基づいて、前記いずれかのスピーカの移動に係る制御を行うスピーカの配置制御方法。
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JP2013153482A (ja) * 2009-06-22 2013-08-08 Summit Semiconductor Llc ホームシアターシステムにおいてスピーカーを特定する方法
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