JP2009088398A - 円盤体の求心方法 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

【課題】2つのセンサーで円盤体に形成された切欠きがどの位置にあっても正確に求心できる円盤体の求心方法を提供すること。
【解決手段】搬送路中に置いた円盤体(3)のエッジを検出する2つの求心センサー(5)を、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ第1載置台(1)と第2載置台(6)の間で搬送される前記円盤体の搬送基準軸に対して偏心させて配置し、前記2つの求心センサーが得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から作られる4つの三角形から、長い対角線を含む2つの三角形を選択し、前記2つの三角形の各辺の長さから3点が前記円盤体の外周上にある円周三角形を判定し、前記円周三角形から前記円盤体の中心を検出する。
【選択図】 図17

Description

本発明は、オリフラ(Orientation Flat)やノッチ(Notch)などの切り欠きを外周に持つ半導体ウエハ等の円盤体の中心を、搬送路中に配置したセンサーからの情報で求め、載置台の所定の位置に該ウエハを載置する円盤体の求心方法に関する。
ICあるいは磁気ヘッド製造においては、シリコンやガリウム砒素結晶を素材として半導体ウエハを使用する。この半導体ウエハは、円周に結晶の方向や位置決めのためのオリフラやノッチなどの切り欠きを有する薄い円盤状のものである。
こうしたウエハをIC製造装置、たとえばパターンを露光する露光装置のステージ上、あるいは、ウエハを回転させながらウエハ表面に光を当て、表面の欠陥部を観察するマクロ検査装置のテーブルに載せる際に、ウエハをステージまたはテーブルの所定の位置に、例えばステージの回転軸とウエハの中心とが合致するように載置する必要がある。
従来は、ウエハをステージに載置しウエハの外周を一対のチャックにより両側から挟み込むことにより、ウエハの中心をステージの回転中心に一致させるようにしている。
このウエハの位置決め方法では、ウエハをステージに載置してチャックで挟み込むため、ウエハとステージの載置面の間でスリップが生じてウエハ裏面に傷が発生したり、IC製造では最も嫌う塵埃が発生しウエハに付着したりし、欠陥の発生の原因となっていた。
こうした背景から、最近ではウエハのエッジをセンサーで検出してウエハ中心ずれを求め、この中心ずれ量に基づいてウエハを製造装置や検査装置のステージ上の回転中心位置に非接触で載置するようにしている。
一般に、こうした求心手段はカセット(ウエハの収納箱)からウエハを取り出してステージに搬送する際に、ラフに求心が行われるプリアライメントと、一時載置台または製造装置や検査装置のステージ上で行われる精密センタリングとの2段階で行われる。ウエハの中心位置合わせが2段階で行われる理由は、ウエハ上に設けられたアライメントマークによる高精度の求心を行なう際に、高倍率の顕微鏡の視野内にアライメントマークを一致させることが困難なため、顕微鏡の視野内にアライメントマークを取り込める程度にラフにウエハの求心を行なう必要があるためである。
カセット内にあるウエハは、カセット内の基準位置に対し、カセットの開口方向に±5mm程度、開口方向とは直角に±1mm程度偏心して置かれている。開口方向に±5mmというのは、ウエハがカセットの中で開口に向かって自由な位置を取れるからであり、直角に±1mmというのは、カセットの開口がウエハ径に対し2mmほど広いからである。ただし、ウエハにオリフラと呼ばれる大きな切り欠きがあると、ウエハはカセット内での自由度がまし、±3mm程度になる。
このように大きな偏心をもって置かれているウエハを、製造装置や検査装置のステージ上で要求される求心精度数10μmに1回の求心動作で位置決めすることは困難である。検査装置では、一時載置台が一般にウエハを回転させながらウエハ表面の異常(欠陥)を観察するマクロ観察台として使用されることが多く、この場合の求心精度は回転に大きなブレがなく検査に支障がない程度で、かつ、ウエハをカセットに収納するときにカセットの開口部と干渉しないラフな求心精度でよい。このプリアライメントの求心精度は、ウエハの偏芯量0.5mm程度あれば十分である。このような理由から、求心動作は、カセットから取り出されたウエハに対して搬送途中でラフに行われるプリアライメントと、検査装置のステージ上に載置する際に行われる精密センタリング(アライメント)の2段階に分けて行われている。
従来、このようなプリアライメントを行なう方法としては、以下に示すものがある。
特許文献1に記載の発明は、円盤体の基準位置に対して8個のセンサーを同心円上に配して、6個のセンサーに対してウエハをXおよびY軸方向にそれぞれ移動させ、ウエハの外周の情報から求心するものである。よって、原理的にはX軸方向の中心軸上の両端対向位置に一対のセンサーを配置し、この一対の各センサーの両側に45度の間隔でセンサーを配置し、その6個のセンサーの上で、円盤体を2軸に移動させるものである。
特許文献2に記載の発明は、円盤体の基準位置に対して4個のセンサーを同心円上に配置し、オリフラやノッチを含まない3点のセンサーからのエッジ情報に基づいて円の方程式よりウエハの中心ずれ量を求め、このずれ量に応じてウエハの中心位置を調整するものである。
特許文献3に記載の発明は、ウエハの搬送路中に一対のセンサーを配置し、これらのセンサー上を通過したウエハの前後4箇所のエッジ情報から中心ずれ量を求めているが、切り欠きのない円盤体に対して考慮されていないため、切り欠きがセンサーで検出された際にウエハの中心ずれ量を正確に求めることができない。
特許文献4に記載された発明は、ウエハの搬送路中に一対のセンサーを搬送軸に対して同距離に配置し、これらのセンサー上を通過したウエハの前後4箇所のエッジ情報に基づき、4箇所のエッジ情報の3点を選択した4組の組み合わせを作り、各組の3点のエッジ情報に基づいて円の方程式により中心座標を求め、これら4つの円の半径が最大である円を選ぶことによりオリフラやノッチを含まない円の中心を求めることができ、オリフラなどの切り欠きがある円盤体に対応できるものである。
特許文献5に記載された発明は、円盤体の搬送アームに2つのセンサーを配置して、この搬送アームを左右方向に3回移動させ、各移動位置にて搬送アームを進退させてカセット内に収納された円盤体の半周側の5つの位置情報を得た後、任意の2点を円周上の点と仮定して円盤体の中心位置を幾何学的座標計算により求める。5点のエッジ情報から10個のウエハの中心位置が求められるが、少なくても3つの中心座標が同じなら、この点を中心とするものである。
特開平3−138957号 特開2000−164680号 特開2000−12657号 特許2611251号:特開平1−57104号 特開平8−97269号
上述した特許文献1の従来技術は、6個のセンサーの上で円盤体をX軸に沿って右方向に移動させてX座標データを測定し、更にX軸に沿って左方向に移動させてX座標データを測定した後、右方向に円盤体を前回の移動量の半分だけ戻すことでX方向の位置決めを行い、同様にしてY軸方向に対してもY軸方向の位置決めを行っている。このように、円盤体をX軸方向に3回、Y軸方向に3回の合計6回移動させなければ回転ステージの中心に円盤体の中心を位置決めすることができないため、位置決めに時間を要するとともに、円盤体の半径に公差がある場合には、正確に位置決めを行なうことができなくなる。また、6個のセンサーを円盤体の外円に正確に配置する必要があるため、各センサーの取り付け位置の調整が煩雑になるとともに、6個のセンサーを必要とすることから低価格化を図ることが困難となっている。
特許文献2の従来技術は、4個のセンサーで検出された円盤体の4点のエッジ情報から3点を選んだ4通りのXY座標データを検出し、これらの4通りのXY座標データのうちオリフラの影響が含まれていない3通りのXY座標データで求めた円盤体の中心座標を使用してプリアライメントしている。どこにオリフラが含まれるか分からないため、4通りのXY座標データに対して円盤体の中心ずれ量を計算しなければならず、位置決めに時間を要するという問題がある。また、4つのセンサーは、回転中心に対してXY方向に対称に配置され、オリフラに対して考慮されていないため、正確に円盤体の中心を求めることができないという問題があった。
特許文献3の従来技術も特許文献2と同様に、4つのセンサーは、回転中心に対してXY方向に対称に配置され、オリフラに対して考慮されていないため、正確に円盤体の中心を求めることができないという問題があった。
特許文献4の従来技術は、2つのセンサーを搬送軸に対して同距離に対称に配置し、4つのセンサーで検出された円盤体の4点のエッジ情報から異なる3点の組み(三角形)を4つ作り、それぞれの外接円の半径を計算し、最も大きい半径を持った三角形の3点を円盤体の円周上にある三角形と判断し、この三角形の外接円の中心を円盤体の中心と判断している。しかし、後述するように一番大きい半径を持つ組は、真のウエハの中心ではない場合があり、正確に円盤体の中心を求めることができないという問題があった。
特許文献5の従来技術は、円盤体の半周の情報しか得られないので、求心誤差が大きくなる。また、半径公差を考慮しないことから、円周上の2点であっても、中心が一致しないというアルゴリズム上の誤りがあり、正確に円盤体の中心を求めることができないという問題があった。このように円盤体に半径交差がある場合は、円盤体の半分より小さい円周からエッジ情報を得ているために、計算に用いる円周上の2点間隔が短いことも誤差を大きくする原因となっている。また、アームを3回も円盤体下に動かす作業が必要で、位置決めに時間を要するという問題があった。
以下に、特許文献4の誤りについて、図19乃至図21を用いて説明する。
図19に、円周に切り欠きを持つ基準半径がR0の基準円盤体(ウエハ)に、2本の間隔が既知である平行な線が横断しており、そのうちの短い横断長側(図19では下側)が切り欠き(オリフラ)にかかっている状態を示す。2つのセンサーを結ぶ直線に対して直角に円盤体が搬送基準軸に沿って搬送され、円盤体がセンサーを横切る際に、各センサーから円盤体上を移動する平行線との4つの交点でエッジ情報(座標)が得られる。
図20において、一方の平行線に切り欠きがかかったとして、長い対角線を含む二つの三角形ΔacdとΔab’dにおいて、二つの三角形の外接円を考え、その半径を計算する。その後、2つの外接円半径の差をとって、その性質を検討する。
1)円周上に切り欠きがない場合をまず考える。
計算の前に、図19中の三角形や点の性質に付いてまとめると
・Δabdの外接円中心oは線分abとdbの垂直2等分線の交点である。
・ΔaoiとΔboiは合同三角形で、その斜辺はΔabdの外接円の半径である。
・点iは線分abの中点であり、かつ、2つのセンサー間を2等分する線fg上にあり、点b’の移動につれて、移動量のその1/2だけ、線fg上を移動する。
・点k’は短い横断長の2等分点であり、点b’の移動につれて、点k’は、点b’の移動量の1/2だけ下側の横断線上を移動する。つまり、im=i’m’である。
・ΔapdとΔahbは合同であり、ΔiomとΔahbは相似である。その比は
Δiom:Δahb=bh:im
である。
以上を考慮して外接円の半径ao(=R0)を計算する。
0iの辺afは
ai=(L0/2)/cosθ L0=センサー間距離
aoiの辺oiは
oi=I0/cosθ L0=線分im
直角三角形の性質を利用すると、
0 2=(al)2+(oi)2={(L0/2)/cosθ]2+[I0/cosθ]2
=(1/cosθ)2*[(L0/2)2+I0 2]
ここで、K2=[(L0/2)2+I0 2]とおくと、下記(7−1)式が求められる。
0=K/cosθ …(7−1)
次に、切り欠きがかかって、点bが点b′に移動したとき、Δab′dの外接円半径a−ob′は
ai′=(L0/2)/cos(θ+θ″)
i″−ob′=i′m′/cos(θ+θ″)
となる。
同様にして、下記(7−2)式が求められる。
R′2=(ai′)2+(i″−ob′)2
ここで、im=i′m′=Ioであるから、
R′2=[l/cos(θ+θ″)]2*[(L0/2)2+I0 2]
=[K/cos(θ+θ″)]2
R′=K/cos(θ+θ″) …(7−2)
図20は長い横断長に切り欠きがかかった図である。θ″が負となることだけを注意すれば、同様な計算で
R′=K/cos(θ+θ″) …(7−3)
が得られる。
そこで、θ″の方向について、時計回りを正、反時計回りを負とすると(7−2)、(7−3)の式は
R′=K/cos(θ+θ″) …(7−4)
で統一できる。
次に、R′の変位量だけを取り出すために、
0−R′=△R
を計算する。
△R=R0−R′=[K−K/cos(θ+θ″)]
=K[(1/cosθ)−1/cos(θ+θ″)] …(7−5)
2)図21のグラフの説明
図21に式(7−5)のグラフを示す。
横軸は(θ+θ″)で、縦軸はΔRである。ΔRが正の場合、式(7−5)から切り欠き三角形の外接円半径はR0より短いことを意味する。短い横断長側に切り欠きがある場合は、θ″は正であり、θ″が大きくなるにつれて、R″はR0より長くなる(グラフでは負)。長い横断長側に切り欠きがある場合は、θ″は負であり、θ″が小さくなるにつれてR′は短くなり、θ″=−θのとき一番短くなる。それ以後、R′は長くなりはじめ、θ″が−2θを越えるとR0より長くなる。つまり、θ″=0と−2θでR0=R′が成立する結果となる。
結果として、切り欠き上の点を含む三角形の外接円半径は、切り欠きの状態によって、搬送される円盤体の半径より大きくなったり、小さくなったり、ある時は、同じになったりする。これが、外接半径をみて3点が円周上にある三角形を同定できない理由であり、従来方法の誤りの根拠である。
本発明の目的は、2つのセンサーで円盤体に形成された切欠きがどの位置にあっても正確に求心できる円盤体の求心方法を提供することにある。
上記の課題を解決し目的を達成するために、本発明の円盤体の求心方法は以下の如く構成されている。
本発明の円盤体の求心方法は、第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれ、円周に切り欠きを有し、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ前記第1載置台と前記第2載置台の間で搬送される前記円盤体の搬送基準軸に対して偏心させて配置し、前記2つの求心センサーが得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から作られる4つの三角形から、長い対角線を含む2つの三角形を選択し、前記2つの三角形の各辺の長さから3点が前記円盤体の外周上にある円周三角形を判定し、前記円周三角形から前記円盤体の中心を検出する。
また、本発明の円盤体の求心方法は、第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれ、円周に切り欠きを持ち、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ前記第1載置台と前記第2載置台の間で搬送される前記円盤体の搬送基準軸に対して対称の位置に配置し、前記第2載置台上に前記円盤体が搬送されて停止したときに、前記円盤体の外周位置を検出する第2のセンサーを、前記2つの求心センサーのいずれかに前記切り欠きがかかったとき前記第2のセンサーには前記切り欠きがかからない位置に置き、前記2つの求心センサーが得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から作られる4つの三角形から、長い対角線を含む2つの三角形を選択し、各々の前記三角形から前記円盤体の中心を計算した上で、前記円盤体を第2載置台上に搬送し、前記第2のセンサーでいずれの中心が正しいかを選択する。
また、本発明の円盤体の求心方法は、第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれた、円周に切り欠きを持ち、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ前記第1載置台と前記第2載置台の間で搬送される前記円盤体の搬送基準軸付近に一方の前記求心センサーを配置し、前記2つの求心センサーが得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から長い対角線を含む2つの三角形を選択した上で、前記搬送基準軸付近に置いた一方の前記求心センサーから得た前記円盤体のエッジ位置情報により前記切り欠きの位置を判断し、前記円盤体の中心を検出する。
また、本発明の円盤体の求心方法は、第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれ、円周に切り欠きを持ち、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ搬送基準軸に対して対称の位置に配置するとともに、前記2つの求心センサーから離れた位置に前記円盤体のエッジを検出する3つ目の求心センサーを配置し、前記対称の位置に配置した前記2つの求心センサーのエッジ位置情報が作る四角形の対角線から前記円盤体の直径を求めた上で、前記対称の位置に配置された前記2つの求心センサーのそれぞれと前記3つ目の求心センサーで得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から作られる4角形の対角線から前記円盤体の直径を求め、前記対称の位置に配置された前記2つの求心センサーが作る4角形で、長い対角線を含む2つの三角形から3点が円周上にある円周三角形を判定し求心する。
本発明によれば、2つのセンサーで円盤体に形成された切欠きがどの位置にあっても正確に求心できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[本発明の基本原理]
発明の原理を説明するにあたり、説明に必要な定義を図1により説明する。
円周に切り欠きを持つ基準半径がR0の基準円盤体の中心が基準搬送路上にある状態を図1に示す。円盤体が搬送基準軸に沿って搬送され、搬送基準軸に対して直角に線上に置かれた2つのセンサーを通過するとき、搬送方向に対してセンサーからは円盤体の前後4つのエッジ情報(座標)が得られる。
この図1における諸元を以下の様に定義する。
・基準円盤体:半径が基準半径R0の円盤体(半導体ウエハ)。
・円周三角形:3点が円周上にある三角形。
・切り欠き三角形:3点のうち、1点が切り欠き上にある三角形。
・基準円周三角形:半径R0で、3点が円周上にある三角形。
・原点(X0,Y0):搬送基準軸に設けた、例えば装置の原点(センサーなど)。
・X軸:円盤体が搬送される方向をX軸とする。円盤体は図面上、左から右に移動するものとし、座標系は右方向を正とする。
・Y軸:X軸に対して直角方向をY軸、上方を正とする。
・a,b,c,d:平行線と円周との交点。
・a′b′:切り欠きにかかった場合の平行線と円周(切り欠き)との交点。
・対角線:4点からなる4角形の対角線、図ではad,bc。
平行線が切り欠きと交わる場合はad,b′c。
・H:平行線が円盤体を横切る横断長(図ではac,bd)。
平行線が切り欠きと交わる場合の横断長(図ではac,b′d)。
・H:平行線が円盤体を横切る長い横断長(図では上側)。
・H:平行線が円盤体を横切る短い横断長(図では下側)。
・h:横断線長の基準長からの変化分の1/2。
1/2の表現は紛らわしいが、円盤の半径を単位として表すことが多いため、このようにしている。
・S:エッジ間隔で円盤体の前側、及び後ろ側2つのエッジのX方向距離。
・S1:円盤体に対して進行方向前側のエッジ間隔。
・S2:円盤体に対して進行方向後側のエッジ間隔。
・s:基準エッジ間隔からの変化分。
・T:対角線のX方向長さ(対角長のX軸成分で対角線長Xと呼ぶ)。
・t:基準対角線のX方向長さの基準長さからの変化分。
・θ、θ″:短い横断長と円盤との交点から長い横断線の交点を見込む角度。
(図では∠hba 横断線が切り欠きと交わる場合は∠h′b′a)
・θθ:円盤体中心からセンサーと円盤体の交点を見込む角度。
・切り欠き幅:円盤体外周上の切り欠き(弦)の長さ(図ではb′b)。
・L0:平行線間距離。
・R0:基準円盤体の半径。
・ΔR:円盤体半径の基準円盤体半径との差(公差)
・δ:搬送基準軸に対して直角方向の円盤体の偏芯量(ここでは上方に正とする)。
・σ:搬送基準軸方向の円盤体の偏芯量(ここでは右に正とする)。
・ρ:切り欠きによる横断長のケラレ量(切り欠き長さと呼ぶ)。
・β:偏芯量による横断長の変化係数。
・ε:円盤体の直径の公差が横断長を変化させる係数。
・ωε:半径変位ΔRに伴う2つの横断長変化係数の比。
・添え字0:基準となる諸寸法を表す。
・添え字:上側のセンサーから得られる値、ここでは長横断長側センサーから得られる値。
・添え字:下側のセンサーから得られる値、ここでは短横断長側センサーから得られる値。
・添え字m:測定値。
・添え字c:計算値。
・添え字o:切り欠きのない円盤体や円周三角形の値を表す。
・添え字1,2:諸寸法の前側と後側、及び追い番を表す。
次に、以上のように定義した上で、発明の原理を説明する。
(1)円に内接する三角形の各辺の長さ
直径に公差(2△R)を持った円盤体の性質について説明する。
1−1)
図2は、切り欠きのない円盤体で、半径が基準半径よりΔRだけ異なる円盤体が移動軸上を偏芯しないで移動した時の性質を示す図である。この時の、三角形の横断長H、エッジ間隔S、対角線長X、成分Tの関係を示す。
a)横断長(上)
=H上0+2△Rε ε=1/cosθ:△RによるHの変化係数
b)横断長(下)
=H下0+2△Rε ε=1/cosθ:△RによるHの変化係数
c)エッジ間隔
S=S0+△Rε−△Rε
d)対角線長X成分
T=T0+△Rε+△Rε
注)
ΔRによるH、Hの変化係数ε、εについて、図3の様にセンサーの配置が26.56°と45°の場合では、円盤体が最大偏芯範囲内(3mm程度)で移動したとしてもθ、θと共に±3度程度しか変化しない。このため、これを定数として扱ってよい。本発明では重要な性質である。
1−2)
図4は、基準半径を持つ円盤体が円盤体移動軸上を偏芯δして移動したときの性質を示す図である。この時の三角形の横断長H、エッジ間隔S、対角長X、成分Tの関係を示す。なお、ここでは、偏芯(δ)が小さいとして近似式で表す。
a)横断長(上)
=H上0+2δβ β=tanθ:δによるHの変化係数
b)横断長(下)
=H下0−2δβ β=δtanθ:δによるHの変化係数
c)エッジ間隔
S=S0+δβ+δβ=S0+δ(β+β
d)対角線長X成分
T=T0+δβ−δβ=T0+δ(β−β
1−3)
直径に公差(2△R)を持った円盤体が円盤体移動軸上を幅芯(δ)して移動したときの性質について説明する。図は複雑になるので割愛するが、この場合は、半径公差と偏芯をもった場合の和と考えて良い。
この時の三角形の横断長H、エッジ間隔S、対角線長X、成分Tの関係を示す。
a)横断長(上)
=H上0+2δβ+2△Rε
−H上0=2h
とおくと
2h=2δβ+2△Rε
=δβ+△Rε上 …(12−1)
この式(12−1)で、βが0の時、具体的には、センサーの一つが搬送基準軸上にあって切り欠きがこのセンサーにかからないときは、
=△Rε
となり、△Rが測定できる。
この性質を後述する第3の構成で利用する。
式(12−1)は、後述の式(12−7)を利用すると、
=s*β/(β+β)+△Rε上 …(12−2)
となる。
b)横断長(下)
=H下0−2δβ+2△Rε
−H下0=2h
とおくと
2h=−2δβ+2△Rε
=−δβ+△Rε下 …(12−3)
となる。同様に、式(12−7)から
=−s*β/(β+β)+△Rε下 …(12−4)
となる。
c)エッジ間隔
S=S0+δβ+δβ+△Rε−△Rε
S−S0=s
とおくと
s=δβ+δβ+△Rε−△Rε=δ(β+β)+△R(ε−ε)
…(12−5)
となる。
ここで、(ε−ε)が小さいとき、
s=δ(β+β) …(12−6)
が成立し、偏芯量δが求められる。
δ=s/(β+β) …(12−7)
この式は、本アルゴリズム全般にわたる求心法の基本である。(ε−ε)による誤差は、図3の構成では、
ε=1.12 ε=1.41であり、△R=0.10とすると
△R(ε−ε)=−0.029
無視可能な数値である。
d)対角線長X
T=T0+δβ−δβ+△Rε+△Rε
T−T0=t
とおくと
t=δβ−δβ+△Rε+△Rε=δ(β−β)+△R(ε+ε)
…(12−8)
となる。
同様に(12−7)式を用いると
t=(h+h) …(6−3−9)
=s(β−β)/(β+β)+△R(ε+ε) …(12−9)
となる。
この式(12−9)で、(β−β)=0のとき(センサーは搬送基準軸に対称に配置されている)
t=△R(ε+ε) …(12−10)
となり、円盤体の外径公差が測定できる。後述する第4の構成での求心に利用する。
また、長い対角線長Xはρのない確実な円盤の円周情報である。この理由から、本発明の求心法では三角形が円周三角形であるか否かへの判断の検証に用いる。
1−4)
二つの対角線長Xの差
切り欠きを持つ円盤体では、その2つの対角線長Xの差は
|T−T|=ρ …(12−11)
である。
注)横断長に切り欠きがかかると、ρが上側と下側の横断長のどちらにあるか判断できないため、ある場合とない場合の2つの場合を想定して実測値と比較することで、円周三角形か否かを判断せざるを得ない。
1−5)
、h、tとsの関係
式(12−2)、式(12−4)、式(12−9)の式の関連を考える。
3つの辺h、h、tはs関係式で表されており、この関係を図5と図6に示す。
分かり易くするために、センサーの配置を図3とする。センサーの配置が26.56°と45°の場合であり、ΔR=±0.1とする。
β=δtanθ=0.5δ θ=26.56°
β=δtanθ=1.0δ θ=45°
1/cosθ=1.12 ε=△R×1.12
1/cosθ=1.41 ε=△R×1.41
なる。
、h、t、sの各式は
=s*β/(β+β)+△Rε=s/3±0.11
=−sβ/(β+β)+△Rε=−2s/3±0.14
t=s(β−β)/(β+β)+△R(ε+ε)=−s/3±0.25
s=δ(β+β)+△R(ε−ε)=1.5δ−0.029
となる。
これらの相関に付いてグラフを図5に示す。
実線は基準円盤の場合、点線は公差ΔRを考慮したものである。グラフの意味は3点が円周上にある三角形の3辺の長さに対する相関を示す。つまり、円盤体に切り欠きがなければ、sとΔRが決まると3辺の長さの組み合わせが1つ決まる。
図5で円盤体直径に公差をもたない円周三角形の長い横断長と対角線長Xと短い横断長は点a、b、cの組であり、最大公差をもつ場合は点d、f、hの組、最小公差の場合は点e、g、lの組となる。
このことは、円周三角形であれば、δとΔRがわかると3辺の長さは必然的に決まることも意味する。本発明による3点が円周上にある三角形の同定と中心座標の算出はこの根拠による。もっとも、このグラフはδが小さいとして近似値計算をしてある。よって、実際には、様々なδとt、s、hの組み合わせをあらかじめ計算して表を作っておき、測定時にその都度計算しなくても、この表を参照することにより、他の辺の長さを想定したり、中心を見つけたりすれば、プログラムが簡単になる。
1−6)
切り欠き長さρとグラフの関係
図5において、切り欠き長さρのかかった長い横断長をもつ三角形では、エッジ間隔sはρ分小さくなり、かつ横断長の1/2であるhはρ/2小さくなる。
一方、短い横断長をもつエッジ間隔sはρ分大きくなり、横断長の1/2であるhはρ/2小さくなる。例として、最大公差をもつ円周三角形を取り上げると、エッジ間隔sに対する横断長は点dであるが、切り欠きρがあると、hはρ/2小さい点dmとなる。このときのエッジ間隔sはρ分小さいsmとなる。ρが大きくなるにつれ、dmは円周三角形の値であるd2から離れて行き、ついには公差の範囲外になってしまう。これを利用するのが後述する第1の構成である。
ここでの注意点は、h=s*β/(β+β)=1/2となったときである。この時、β=βとなっており、つまり、センサーは搬送基準軸に対称に配置されている。
ここで、ρが横断長にかかったとしても、dmはd2に移動するだけで常に範囲内にとどまる。よって、この時は、δとΔRがわかると3辺の長さは必然的に決まる定理は通用しない。後述する本発明の第1の構成はこのようなセンサー構成への対応策である。
1−7)△Rεと△Rεの関係
にかかる△Rεとhにかかる△Rεの比は近似的に一定で、△Rεがわかると△Rεを計算できる。また、tにかかる△R(β+β)も同じく計算できる。
△Rε=(β)*△Rε
△R(ε+ε)=(1+ε)*△Rε
この式は後述する第1構成での三角形の判別に用いる。
本発明は、オリフラやノッチ等の切り欠きを円周にもった円盤体、例えば半導体ウエハを、搬送経路中に置いた2つのセンサー上で1軸方向に搬送するとき、このセンサーから得られる円盤体エッジの位置情報から、円盤体の中心位置を見つけるアルゴリズムに関するものである。
本発明の実施の形態における円盤体の搬送基準軸とセンサーの関係を図7〜図10に示す。第1〜3の構成はセンサーが2つのものであり、本発明の基本構成である。第4の構成は、第1〜3の構成を応用したものであり、3つのセンサーを配したうえで2つのセンサーでの求心法を利用したものである。
図7 第1の構成:2つの求心センサーを偏心させて配置したもの
図8 第2の構成:2つの求心センサーを偏心させないで配置したもの
図9 第3の構成:2つの求心センサーの一方を搬送基準軸上に配置したもの
図10 第4の構成:偏芯しない2つの求心センサーと該2つの求心センサーの1つと偏芯させて配置した3個目の求心センサーを配置したもので、第1と第2の構成を合わせたものである。
求心アルゴリズムの基本は、2つの求心センサーが検出する4つエッジから作られる四辺形において、2つの対角線のうち長い対角線を一辺とした三角形の性質を利用し、円周上の3点からなる三角形(以下、円周三角形)を判別し、円の中心を計算することである。
上記の基本的な考え方に基づき、2つのセンサーの搬送軸に対する配置毎に、最適なアルゴリズムを提案するとともに、センサーの数を増やした場合も加えて提案する。
[センサー構成]
1)第1の構成
図7に示すように、カセット100に収納された円盤体(半導体ウエハ)101を回転載置台110に搬送する搬送路中に、円盤体101のエッジを検出する2つの求心センサー(第1のセンサー)102,103を、そのセンサー間隔Lsを円盤体101の切り欠き(オリフラ)幅Wよりも大きくとり、かつ搬送基準軸に対して偏芯させて配置する。各第1のセンサー102,103と搬送基準軸との偏芯量は、エッジ間隔Sの2倍より、最大切り欠き長さを短くなるように配置する。最適な偏芯量は、エッジ間隔と最大切り欠き長さがほぼ同じ長さになるのがよい。104は、回転載置台110に載置された円盤体101の外周位置を検出する第2のセンサーである。
この第1の構成のセンサー偏心について、以下に詳細に説明する。
特許文献4の誤りについて、図19乃至図21を用いて説明したように、外接半径をみて3点が円周上にある三角形を同定できない理由である。第1の構成での制限条件は、このような条件が発生しない範囲を規定しなければならない。
図11は、θ″=−2θの時の4点が平行四辺形を作る場合の各三角形の曲率中心を示す図である。円周三角形△bodの曲率中心Obodは、Obod=Oabcである。
図11からわかるように、4点で作られる4角形が平行四辺形となるとき、対角線を同じにする2つの三角形は合同となる。この2つの三角形の外接円は、中心の位置は異なるが、その半径は等しい(以後、平行四辺形の原理)。よって、平行四辺形ができない制限条件の範囲は、エッジ間隔の2倍より最大切り欠き長さが小さくなればよい。これが第1の構成のセンサーの偏芯条件である。第1の構成は、同様の理由で、−2δで円周三角形とこの三角形に合同の切り欠き三角形ができることによる三角形の判別不能が発生するので、これを防ぐために、第1の構成ではエッジ間隔と最大切り欠き長さがほぼ等しい様にするのがよい。
また、平行四辺形の判定は、以下の方法によっても可能である。
切り欠きのない円盤体が、その最大許容偏芯量で移動しても、一方の横断長が必ず長くなるように求心センサーを配置した上で、長い側の横断長が他方の横断長と等しいか短い場合に、長い側の横断長に切り欠きがあると判断すればよいので、上述した制限条件での構成と同じようになる。
以上、第1の構成での搬送基準軸に関する2つの求心センサーの配置条件を述べた。
2)第2の構成
図8に示すように、円盤体101の搬送経路中に円盤体101のエッジを検出する2つの求心センサー(第1のセンサー)102,103を、その間隔Lsを円盤体101の切り欠き幅Wよりも大きく、かつ、センサー102,103を搬送軸に対して対称の位置に配置する。また、105,106は回転載置台110に載置された円盤体101外周位置を検出する第2のセンサーである。これらの第2のセンサー105,106は、上記第1のセンサー102,103のいずれかに円盤体101の切り欠き(オリフラ、ノッチ)がかかったとしても、第2のセンサー105,106には円盤体101の切り欠きがかからない位置に配置する。
この第2の構成を説明するために必要な切り欠き三角形の外接円中心の軌跡について図12を用いて説明する。図12でΔabbとΔimoは相似であり、その大きさの比は、線分hbと線分imの比である。このとき、im/hb=λとおく。次に、△ha′bと△i′m′Oaはまた相似であり、その大きさの比はやはりλ(Im=I′m′)である。
これを前提として、円盤体に切り欠きが発生したとすると、Δabdの外接中心Oa′はX方向に切り欠きの深さの1/2(=ρ/2)分−側に移動し、Y方向にはλ*ρ分−側へ移動する。よって、Oを原点に曲率中心座標の軌跡をx,yで表すと
−x=ρ/2 故にρ=−2x
y=−λ×ρ
y=λ×2x
となる。
同様に、短横断長側に切り欠きがある場合では
y=−λ×2x
となる。つまり、軌跡は点Oを起点とした直線となる。
本発明の第2の構成を説明する場合に必要となる部分は、2つの三角形の外接円中心の座標は、X,Y座標とも同一の値をとることはなく、つまり、X座標が同じでY座標が異なるようなことは発生せず、この2つの中心が正しいかどうかを判別する場合は、XまたはYのどちらかの値がわかればよい点である。
3)第3の構成
図9に示すように、円盤体101の搬送経路中に円盤体101のエッジを検出する2つの求心センサー(第1のセンサー)102,103を、その間隔Lsを円盤体101の切り欠き幅Wよりも大きくとり、かつ、一方の第1のセンサー102を基準搬送軸付近に配置する。104は、回転載置台110に載置された円盤体101の外周位置を検出する第2のセンサーである。
4)第4の構成
図10に示すように、円盤体101の搬送経路中に円盤体101のエッジを検出する2つの求心センサー(第1のセンサー)102,103を、その間隔Lsを円盤体101の切り欠き幅Wよりも大きく、かつ、センサー102,103を搬送軸に対して対称の位置に配置する。さらに、第1のセンサー102,103のどちらか一方に対して基準搬送軸3から離れる方向に3つ目の求心センサー(第1のセンサー)107を配置する。
[求心アルゴリズム]
本求心法のベースとなる原理について説明する。
円盤体101に第1のセンサー102,103が通過する2本の平行線を引き、その4つの交点から作られる4つの三角形(全て円周三角形)の3辺、横断長・エッジ間隔・対角線長X成分、及び2つの横断長は一定の関係にあるとの原理をベースにしている。
本実施の形態は、従来技術の基本的なアルゴリズムの間違いを立証した上で、円盤体の公差を無視する事による求心誤差による不具合の解消と、正確で簡単な新しいアルゴリズムを提案する。これにより、従来技術での正しく求心できない不具合と、計算の煩雑さを解消し、かつ、2つの求心センサーだけで求心が可能な低価格の装置を提案する。また、求心センサーが2つの場合のアルゴリズムを利用し、さらに簡便で精度のよい方法を、センサーを増やして提案する。
以下、第1〜4の構成に対するアルゴリズムを詳細に説明する。
1)全アルゴリズムにおける共通事項
本項は本実施の形態の各アルゴリズムに共通な処理であり、4つの三角形から長い対角線を含む2つの三角形に絞り込む方法と4つのエッジが全て円周上にある時の求心法に関する説明である。
(1)4つのエッジが作る四辺形で、2つの対角線長Xの差がある範囲内の場合、双方の三角形を円周三角形として、求心作業に入る。
この範囲の設定は、求める求心精度と測定誤差などを考えて行うが、図3の様に第1のセンサー102,103の配置が26.56°と45°の場合では、ρ=0.6とすると、X軸で0.15、Y軸で0.2程度の精度となる。
対角線長Xが等しい場合としていないのは、測定誤差や計算の簡略さを考慮しての理由である。
(2)4つのエッジが作る四辺形で、2つの対角線長Xの差が範囲外の場合、長い方の対角線の端点は2つとも必ず円盤体の円周にあることを利用し、この辺を含む2つの三角形を求心に用いる三角形とする。この場合、どちらかの三角形が円周三角形で、他方は切り欠き三角形である。
(3)選ばれた2つの三角形について各判定処理によって1つの三角形のみが円周三角形と判断されたら、この三角形から求心し、共に円周三角形と判断された場合は、円盤体中心は2つの三角形から算出される2つの中心の平均値とする。
2)第1の構成に対するアルゴリズム1
2−1.第1の構成での判別方法1
前処理で選択された2つの三角形それぞれで、測定される三角形3辺の情報、すなわち、エッジ間隔・横断長・対角線長Xから2つを選び、1つを円周三角形の値として他方の長さを計算し、計算値と実測値との差が許容値以内なら、この三角形を円周三角形であると判断する。
この場合、円盤体の半径公差による変位の少ないエッジ間隔を基準に、横断長もしくは対角線長Xを対象とするのがよい。
a.エッジ間隔と横断長の組による判別
2つの三角形それぞれで、エッジ間隔から基準円盤体の横断長を計算し、実測横断長との差を取り、差がある範囲(ΔRε)にあるときは、この三角形を円周三角形と判断し求心する方法を図5によって説明する。
円盤体の△RMAXが0.1mmで、上側の横断長に切り欠きρがある場合、hは、ρ/2小さくなり、図5中の点dの長さから点dの長さになる。一方、エッジ間隔は切り欠きのかからないときのsから測定値のsm上にρだけ小さくなる。
円周三角形の判別は、まず、sm上が円周三角形の値と考えてhbcを求める。図5中、d−e間で、sm上が円周三角形の値であった場合、h上cの取れる範囲となる。
そこで、測定値がこの範囲にあれば、この三角形は円周三角形と判断する。ここで、ρが小さい場合、dはd−e間に存在するため、円周三角形と判断してしまう。この判断ミスを発生させるρの値について考える。
図13にdとeが一致する条件を示す。わかりやすくするために、代数的な一般式は考えず幾何学図として計算すると、図13から
ρ/2=△RMAXε+ρ/3+△RMAXε
ρ=12△RMAXε=12×0.1×1.1=1.32
このρから偏芯量δを求めると、
ρ={2/3}×ρ=0.88
となる。つまり、横断長が1.32mm短くなっても(δが0.88小さくなっても)、この三角形を円周三角形と判断する。
次に、円盤体のΔRMINが−0.1mmで、下側の横断長に切り欠きがρがある場合、横断長/2(h)は、ρ/2小さくなり、エッジ間隔sm下はρ大きくなる。
同様に、図から幾何学的にρをΔRの符号を考慮しないで計算する。
ρ=12△RMINε=12×0.1×0.14=1.68
δ=ρ/1.5=1.12
よって、切り欠きによって横断長が1.68mm大きくなっても、この三角形を円周三角形と判断することになる。誤差について述べると、切り欠きが上にあれば下は円周三角形、下に切り欠きがあれば、上は円周三角形である。よって、切り欠き三角形側に誤差がでても、円周三角形に誤差はでない。
円盤体の求心法は、一方のみの三角形が円周三角形なら、中心のX座標はその三角形の横断長の1/2、Y座標はエッジ差sから算出される値δとなり、誤差の発生はない。2つとも円周三角形と判断された時は、中心のX座標は2つの横断長端点の座標の平均値、Y座標は2つ求められるδの平均値であるので、予想される最大誤差は
X方向=1.68/4=0.42
Y方向=1.12/2=0.56
となる。この誤差は、最初に目標にしたものより大きい。
そこで、図4の様に第1のセンサー102,103の配置を換えると
β=0.25 β=1.0
△Rε=±0.10 △Rε=±0.14
(△RMAXは0.1、△RMINε=−0.1とする)
=[β/(β+β)]×s+△RMAXε=s/5±0.10
=−[β/(β+β)]×s+△RMINε=-4s/5±0.14
前記構成と同じく幾何学的に計算する。
上側の横断長に切り欠きがある場合、
ρ=(20/3)*△RMAXε=0.67
δ=0.67/1.25=0.54
下側の横断長に切り欠きがある場合、
ρ=(20/3)*△RMINε=0.93
δ=0.93/1.25=0.74
よって、最大誤差は下側の横断長に切り欠きがある場合の値から
X方向=0.93/4=0.23
Y方向=0.74/2=0.37
となる。
この判定方法は、以下の特徴を持つ。
イ)求心センサーの一つが搬送基準軸上にある時に最も敏感である。
図14はβが0の時のグラフである。この時、
ρ=4△Rε=0.4
ρ=4△RMINε=0.56
となる。
ロ)2つの三角形で、その円周三角形の判断範囲(感度)に差がある。
上側の三角形に切り欠きがある場合は、半径公差ΔRがMaxの時、判断感度が甘く、逆に下側の三角形に切り欠きがある場合は、半径公差ΔRがMinの時、判断感度が甘く、ミスが発生しやすい特徴がある。図13で説明する。
半径公差−0.1の点eに切り欠きρがかかると、実測値は点eとなる。つまり、切り欠きがわずかでもかかれば、判定範囲から直ぐにはずれることがわかる。同様に、下の三角形に切り欠きがある場合、半径公差が+0.1の点hは、実測値はhとなり、範囲から直ぐにはずれる。
b.エッジ間隔と対角線長Xの組による判別
対角線長X成分は、実際に搬送される円盤体の円周上の2点間隔を表しているので、エッジ間隔から基準円盤体の対角線長を計算して、実測値と比較することもできる。
精度については
β=0.5 β=1.0の構成で
ρ=6(△Rε+△Rε)=6×(0.11+0.14)=1.6
であり、a.項で述べたエッジ間隔と横断長の組による判別と大差は生じない。
2−2.第1の構成での判別方法2
本判別法は、2つの三角形で、測定されるエッジ間隔sと横断長hから半径公差による変位量△Rε上cを計算した上で、対角線長Xの長さを推定し、実測値と一致している方を円周三角形と判断し求心する。この方法は、切り欠きを含まない真の円周上の2点の情報である長い対角線長Xを利用し、円周三角形を判断するもので、測定誤差がなければ、正確な判断が可能である。
図15で、上の三角形に切り欠きρがあり、ΔRはMaxだった場合、測定値は、
横断長h=点d
対角長X成分t=点fm
エッジ間隔=点s
である。
この時、計算される半径公差は同様に幾何学計算をして
△Rε上c=ρ/2−△Rε−ρ/5=3ρ/10−△Rε
となる。
よって、対角線長Xに含まれる半径公差の推定値は、1−7)△Rεと△Rεの関係の説明から
△R(ε上c+ε下c)=[(ε+ε)/ε]*(3ρ/10−△Rε)
となる。
測定値fと計算値gの差(F)は、
F=△R(ε上c+ε下c)−[3ρ/5−△R(ε+ε)]
=1.2ρ/10
となる。この式の重要な点は、測定できないΔRの項を含まないことである。一方、上側の三角形に切り欠きがない場合は、F=0となる。よって、明快な判断が可能となる。
次に、下側の三角形から同様に計算(途中の計算は省略)すると、
F=0.9ρ/10
となる。切り欠きがない場合は、当然、同様にF=0となる。
よって、この方法を用いて円周三角形を判断する場合は、感度の良い上側三角形のみで行ってもよいが、2つの三角形で計算を行い、そのうちのFが0の三角形を選べばよい。測定誤差などを考慮した場合は、ある範囲を設定すればよい。ところで、本方式の計算値Fは小さな値で判定が困難と思われるが、ρがしっかり測定できれば、後は計算上、小さい値となっているだけで、判断に支障はない。
2−3.第1の構成での判別方法3
本判別法は、三角形が切り欠き三角形であれば、その横断長に切り欠き長さρを足せば円周三角形になることと、その相手となる三角形は必ず円周三角形であることを利用して判別する。つまり、三角形が切り欠き三角形だったとすると、測定横断長にρを加え、相手の三角形の横断長を計算する。この時の相手側の三角形は円周三角形であるので、計算した値と測定値が一致する。三角形が円周三角形だったとすると、横断長にρを足した三角形から相手側の三角形の横断長を計算すると、実測値と異なる結果となることを利用する。
図16では、上が円周三角形、下が切り欠き三角形を示している。この時の測定値は、横断長がe、エッジ間隔がs上m、下の横断長がim、エッジ間隔がs下m(=s)である。上の横断長にρを加えると、横断長とエッジ間隔はそれぞれ、e、sとなる。この2つの値から、下側の横断長を計算し、実測値との差をとると、
△Rε上c=ρ/2−ρ/5−△Rε=3ρ/10−△Rε
△Rε下c=(ε)△Rε上c
F=ρ/2+△Rε−(4ρ/5−△Rεc)
となる。これを整理すると、F=1.2ρ/10となる。この結果は判別方法2と同じ結果となる。
3)第2の構成でのアルゴリズム
本アルゴリズムは、求心センサー(第1のセンサー)102,103の偏芯がないことにより、長い対角線長から円盤体の公差を測定でき、これを利用するものである。ところが、平行四辺形の発生や検知ができないために、前処理で選択された2つの三角形について求心し、一方の中心が正しいとして搬送し、回転載置台110に載置した円盤体101のエッジを検出できる第2のセンサー105,106で正しいか判断するものである。
手順は、
(1)共通前処理を行う。
(2)長い対角線長Xから円盤体の半径公差を測定する。
(12−10)式から
△R(ε+ε)=t−s(β−β)/(β+β)
ここで、2つの求心センサーが搬送基準軸と偏芯しないことから、β=β、ε=0.25、ε=1.0、ε=1.4、ε=1.4とすると、
△R=t/(ε+ε)=1/2.8
(3)2つの三角形それぞれについて、後述する求心方法に従い、求心する。
2つのsに付いて、Y方向座標をδ=s/(β+β)、δ=s/(β+β)で求める。X方向座標は、2つの三角形で横断長の1平均値の座標として求める。
(4)一方の中心位置を正しいとして、円盤体(ウエハ)101を回転載置台110に搬送し停止させる。そのとき、第2のセンサー105,106により円盤体101が回転載置台110に置かれた位置が正しいか判断する。
この第2のセンサー105,106は、円盤体101がこの第2のセンサー105,106の受光面を遮蔽することによる光量変化から、どれくらいの半径の円盤体が搬送されてきたか、判断することができるようになっている。
(5)第1のセンサー102,103から円盤体101の半径が計算された値と一致していない場合は、他の三角形の中心位置に円盤体101を移動させ、中心位置を確認する。
(6)確認終了後、搬送アームは円盤体101を回転載置台110に乗せる。
[本アルゴリズムの詳しい説明]
・この発明の実施の形態のポイントは、円盤体101の搬送基準軸に対して対称に第1のセンサー102,103が配置されていると、長い対角線長から円盤体101の変位量(公差)を測定できる点である。
・よって、円盤体101が回転載置台110に正確に載せられた時の円盤体101の外周(Y方向)位置を知ることができる。
・そこで、あらかじめ計算した一方の三角形の中心が正しいとして、円盤体110を回転載置台110に搬送し、第2のセンサー105,106で外周位置を検出する。
・この第2のセンサー105,106は、基準円盤体が正しく回転載置台110上に載せられたときの受光光量を原点として、半径公差ΔRの変化に伴う光量の変化量があらかじめ入力されており、計算されたΔRに対して、光量が適当かどうか判断できる機能を持たせてある。
・正しければ、装置は次の動きに移るが、正しくない場合は、もう一方の三角形の中心が回転載置台110の中心になるよう円盤体101を移動させる。
ただし、第2のセンサー105,106の配置は、求心センサー102,103に円盤体101の切り欠きがかかっても、この第2のセンサー105,106にはかからないという配置上の制限が加わる。
・この第2のセンサー105,106は、円盤体101の切り欠き方向を見つけるために、一般の装置に取り付けられている切り欠き方向を検出するセンサーを利用することもできる。
・また、第2のセンサーは一つでも良いところが特徴である。なぜなら、求められる2つの中心座標はX又はY方向で、同じ数値を取り得ないからである。この証明は、外接三角形の中心項の切り欠きの量に伴う円盤体中心の軌跡で述べた。第2のセンサー105,106は、X軸上又はY軸上が望ましい。
なお、前処理で即求心できる場合は、第2のセンサー105,106を用いない。なぜなら、円盤体101の切り欠きがこの第2のセンサー105,106にかかっている場合があるからである。
本アルゴリズムの特徴は、第2載置台上で円盤体の中心を確実に確認できることである。
4)第3構成でのアルゴリズム
本アルゴリズムは、円盤体101の基準搬送軸付近に置いた求心センサー(第1のセンサー)102からの円盤体101の外周情報は円盤体101が偏芯して搬送されたとしても、ほとんど変化しないことを利用する。この第1のセンサー102に切り欠きがかからない場合、円盤体101の直径を知ることができることを利用し、この横断長が直径公差内にあれば、この辺を含む三角形は円周三角形と考え、この辺と、長い対角長を含む三角形を円周三角形として求心する。公差外であれば、他の横断長と長い対角長を持つ三角形を円周三角形として求心する。
これらの2つの求心動作を共通前処理として行い、基準搬送路付近にある長い側の横断長を測定する。この時、この値が外径公差内にあれば、この横断長を含む三角形が円周三角形であるとして求心する。この値が外径公差内になければ、他方の三角形が円周三角形であるとして求心する。
本アルゴリズムの特徴としては、円周三角形の判断が非常に簡単で、かつ小さな切り欠き量であっても、確実に円周三角形が判断できるので、求心誤差は小さくなる。
5)第4の構成でのアルゴリズム
搬送基準軸に対して偏芯しない2つの第1センサー102,103に加え、もう1つの第1のセンサー107を図10に示すように配置することで、計算の簡単さと同定の正確さを増すことができる。この場合、円盤体101の半径変位量(ΔR)を偏芯しない2つの第1のセンサー102,103(第2の構成)で測定し、円周三角形の判定と求心は、偏芯しない2つの第1のセンサー102,103の1つと、3つ目の第1のセンサー107で行なう。以下、センサーの組を、偏芯しない第1のセンサー102,103の組を第1の組、第1のセンサー102と偏芯した第1のセンサー107の組を第2の組と称す。
2つの組のそれぞれに於いて、センサー(102,103)、(102,107)が得る4つのエッジからなる四角形の対角線を比較し、長さが等しい、あるいは範囲内の組があれば、その四角形から求心する。
また、双方の四角形の対角線長さが異なった場合は、第2の組の長い対角線から半径変位量を計算する。(第2の組のセンサー102,107の配置は図1とする。)
△R=t/(ε+ε)=t/2.8
第2の組の長い対角線を含む2つの三角形で、エッジ間隔と計算されたΔRから、その横断長又は対角線長Xを計算し、測定された横断長又は対角線長Xと比較し、等しい長さの三角形を円周三角形と判断し求心する。
本アルゴリズムの特徴としては、センサーが3つとなるが、判別法は第1の構成に比べ簡単であり、装置の構成やタクトは第2の構成に勝る。
以上に述べた本発明の実施の形態の各アルゴリズムは、2つの三角形を選択するまでが共通であり、それ以後、円周三角形を見つける部分が異なる。また、見つけた後の求心方法も共通である。求心法として、以下の3通りの方法がある。
求心法1:4つのエッジが作る四角形の対角線が等しいか、許容範囲にある場合
求心法2:選択した2つの三角形が双方円周三角形と判断された場合
求心法3:選択された2つの三角形のうち、1つが円周三角形と判断された場合
以下、それぞれの求心方法について説明する。
1)求心法1
(1)座標頂点は搬送基準軸上に任意に設定し、4つのエッジの座標を得る。
点a(Xa、Ya)、点b(Xb、Yb)、点c(Xc、Yc)、点d(Xd、Yd)
(2)円盤体の中心座標は、
X0=(Xa+Xb+Xc+Xd)/4
Y0=(s+s)/[2(β+β)]
=Xa−Xb−s
=Xd−Xc−s
2)求心法2
求心法1と同様
3)求心法3
例えば、図1で、三角形abcが円周三角形と判断された場合は、
X0=(Xa+Xc)/2
Y0=(s)/(β+β)
=Xa−Xb−s
本実施の形態は、2つの求心作業の内、主にプリアライメントに用いられる求心手段に関する。もちろん、測定精度と位置決め精度を高めれば、本求心法を用いて精密センタリング(アライメント)も可能である。
以上に述べた本実施の形態では、従来提案されていた発明について、そのアルゴリズムの誤りを指摘した上で、ウエハの搬送経路においた2つの求心センサーの搬送基準軸に対する偏芯量と対応したアルゴリズムを提案した。偏芯量は3種類に分類され、それぞれ異なるアルゴリズムを用いるが、本実施の形態において、長い対角線を含む2つの三角形を求心の対象としていること、及び、円に内接する三角形の3辺の性質を利用していることは共通である。
第1の構成は、三角形の横断長とエッジ間隔及び対角線長Xを用いて、実測値と予測値との合致度をみることによって、円周三角形を見つけ、求心するものである。
第2の構成は、長い対角線から円盤体の直径を測定し、かつ、2つの三角形のそれぞれについて中心を求めておき、第2のセンサーで正しい方を判定するものである。
第3の構成は、搬送基準軸上に置いた求心センサーから、この横断線に切り欠きがあるか否かを判断して求心するものである。
本実施の形態の効果は、何よりも2つの求心センサーにより正確に求心でき、原価が安く、配置が簡単等があげられる。また、第4の構成は、第1と2の構成を利用したもので、より求心精度を高めることができる。
本発明の優位点は、2つの求心センサーだけで、簡単に円盤体の求心ができ、精度の高い求心ができることである。
なお、本発明は上記各実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。
[実施例]
1)装置構成
図17に本発明の円盤体の求心法が採用可能な市販されているウエハ自動搬送機と顕微鏡を組み合わせた平面図を示す。図18は2つの求心センサーとウエハ、及びカセットの関係図である。
以下、構成部品を説明する。
符号1:第1載置台(カセット台)であり、カセットを載置して、図示しない制御装置で制御されるモータにより上下動を行なうエレベータ装置
符号2:カセット 25枚程度のウエハを収納するスロットをもったウエハ収納器
符号3:ウエハ 破線は第2載置台に載せられた時の想像図である。
符号4:搬送アーム ウエハを図示しない吸着部で把持し、ウエハをカセットから取り出し、第2載置台へ運び、検査後はウエハを第2載置台からカセットに収納する。かつ、ウエハを第2載置台上に運んだときに、制御装置からの指令で、第2載置台中心にウエハ中心を移動させる。図示の2方向に移動可能となっている。
符号5:ウエハのエッジ位置を読むための求心センサー1及び2、図17では発光側と受光側からなる透過型センサー
符号6:第2載置台 モータによる回転、上昇機能と手動によるあおり機能を有する。回転機能はウエハのオリフラの検出とマクロ検査に使用され、あおり機能はウエハ表面の検査時に使用される。マクロ台と呼ばれる
符号7:顕微鏡ステージに設けられた第3載置台 ウエハはここに載せられ、対物レンズによるミクロ検査が行われる。
符号8:ウエハを第2、第3載置台間で載せ換える反転載せ換えアーム
符号9:ウエハのオリフラを検出する透過型センサー
符号10:ウエハのエッジを検出し、正しい位置に載置されたかを検出する透過型センサー 本実施の形態の第2の構成時のみに装備される。
符号11:顕微鏡ステージ
符号12:顕微鏡
以上のような構成を持つウエハ自動搬送機においてウエハは以下の手順で搬送される。
(1)まず、カセット台がモータによって動くエレベータ装置により上昇し、カセットの最下段のウエハの取り出し位置に停止する。
(2)搬送アームが動き出し、最下段のウエハの下に入り込み、カセット内の指定位置に停止する。
(3)カセット台が下降し、カセット内のウエハを搬送アームに載せかえ、最下段スロットのほぼ中間位置に停止する。
(4)アームでのウエハ吸着が開始され、吸着後、搬送アームは第2載置台に向けて引き出される。
(5)ウエハが2つのセンサーを横切る時、ウエハの円周エッジ座標が取り込まれる。
(6)指定のアルゴリズムに従って、ウエハの中心座標が算出される。
(7)搬送アームは、算出された座標を基に、ウエハの移動方向(X方向)中心を載置台の回転中心上に合致させ停止する。
(8)次に、搬送アームは算出されたウエハの移動方向に対して直角方向(Y方向)に動き、ウエハのY方向中心を載置台の回転中心に合致させ停止する。第2の構成では、ここで、エッジ検出センサーがウエハが正しい位置に載せられたかを検出し、間違っていた場合は、もう一つの中心位置にウエハを移動させる。
(9)搬送アームが下降し、第2載置台はウエハを受け取り、吸着を開始する。
(10)第2載置台が回転し、センサー8によりウエハのオリフラが検出され、オリフラを指定の位置にして第2載置台は回転を停止する。
(11)搬送アームが上昇し、載置台からウエハを受け取り、吸着を開始する。
(12)ウエハを吸着してから、反転載せ換えアームが上昇/反転/下降し、ウエハを第3載置台に載せる。2枚目の搬送以降は、同時に、第3載置台にあったウエハを第2載置台に同時に載せ換える。
(13)第2載置台上でウエハは再び回転させられ、カセットへの収納に適するようにオリフラ方向を一定にして停止する。
(14)ウエハは上昇してきた搬送アームに載せ換えられ、カセットに向けて動き出す。
(15)(4)〜(10)の作業の間に、カセット台は戻ってきたウエハの収納高さに停止している。
(16)カセットのスロットにウエハが入り込むと、カセット台が上昇しウエハを搬送アームからカセットに移し替える。
(17)この後、搬送アームはカセットから引き抜かれる。
本装置では、以上のようにウエハはカセットと第2載置台と他の装置との間を搬送される。第2の構成の場合は、第2載置台上でカセットから引き出されたウエハが停止したとき、センサーがウエハの円周位置を検出し、その位置が制御装置からのデータと合致しているか判断する。この判断が異なっていたときは、もう1つの中心位置にウエハを移し替える指令を出す。
2つのエッジ検出用のセンサー間隔は、6インチ−8インチウエハ共、切り欠き幅が50mm程度であり、60mm以上であればよい。
本発明の原理の説明に必要な定義を示す図。 本発明の原理に係る半径が基準半径よりΔRだけ異なる円盤体が移動軸上を偏芯しないで移動した時の性質を示す図。 本発明の原理に係る半径が基準半径よりΔRだけ異なる円盤体が移動軸上を偏芯しないで移動した時の性質を示す図。 本発明の原理に係る基準半径を持つ円盤体が円盤体移動軸上を偏芯δして移動したときの性質を示す図。 本発明の原理に係るグラフ。 本発明の原理に係る表。 本発明の実施の形態に係る円盤体の搬送基準軸とセンサーの関係を示す図。 本発明の実施の形態に係る円盤体の搬送基準軸とセンサーの関係を示す図。 本発明の実施の形態に係る円盤体の搬送基準軸とセンサーの関係を示す図。 本発明の実施の形態に係る円盤体の搬送基準軸とセンサーの関係を示す図。 本発明の実施の形態に係る各三角形の曲率中心を示す図。 本発明の実施の形態切り欠き三角形の外接円中心の軌跡を示す図。 本発明の原理に係るグラフ。 本発明の原理に係るグラフ。 本発明の原理に係るグラフ。 本発明の原理に係るグラフ。 本発明の実施例に係るウエハ自動搬送機と顕微鏡を組み合わせた平面図。 本発明の実施例に係る2つの求心センサーとウエハ、及びカセットの関係図。 従来技術の誤りを示す図。 従来技術の誤りを示す図。 従来技術の誤りを示す図。
符号の説明
1…第1載置台 2…カセット 3…ウエハ 4…搬送アーム 5…透過型センサー 6…第2載置台 7…第3載置台 8…反転載せ換えアーム 9…透過型センサー 10…透過型センサー 11…顕微鏡ステージ 12…顕微鏡

Claims (4)

  1. 第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれ、円周に切り欠きを有し、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、
    搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ前記第1載置台と前記第2載置台の間で搬送される前記円盤体の搬送基準軸に対して偏心させて配置し、前記2つの求心センサーが得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から作られる4つの三角形から、長い対角線を含む2つの三角形を選択し、前記2つの三角形の各辺の長さから3点が前記円盤体の外周上にある円周三角形を判定し、前記円周三角形から前記円盤体の中心を検出することを特徴とする円盤体の求心方法。
  2. 第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれ、円周に切り欠きを持ち、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、
    搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ前記第1載置台と前記第2載置台の間で搬送される前記円盤体の搬送基準軸に対して対称の位置に配置し、前記第2載置台上に前記円盤体が搬送されて停止したときに、前記円盤体の外周位置を検出する第2のセンサーを、前記2つの求心センサーのいずれかに前記切り欠きがかかったとき前記第2のセンサーには前記切り欠きがかからない位置に置き、前記2つの求心センサーが得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から作られる4つの三角形から、長い対角線を含む2つの三角形を選択し、各々の前記三角形から前記円盤体の中心を計算した上で、前記円盤体を第2載置台上に搬送し、前記第2のセンサーでいずれの中心が正しいかを選択することを特徴とする円盤体の求心方法。
  3. 第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれた、円周に切り欠きを持ち、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、
    搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ前記第1載置台と前記第2載置台の間で搬送される前記円盤体の搬送基準軸付近に一方の前記求心センサーを配置し、前記2つの求心センサーが得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から長い対角線を含む2つの三角形を選択した上で、前記搬送基準軸付近に置いた一方の前記求心センサーから得た前記円盤体のエッジ位置情報により前記切り欠きの位置を判断し、前記円盤体の中心を検出することを特徴とする円盤体の求心方法。
  4. 第1載置台上の基準位置に対して搬送方向及びその直交方向に所定量以内の偏芯で置かれ、円周に切り欠きを持ち、基準半径に対して公差を有する円盤体を、1軸方向に搬送し、搬送途中に置いた求心センサーから得る前記円盤体のエッジ位置情報を用いて前記円盤体の中心を求め、この求心された情報に従って第2載置台の指定位置に前記円盤体を載せる装置における円盤体の求心方法であり、
    搬送路中に置いた前記円盤体のエッジを検出する2つの求心センサーを、その間隔を前記切り欠きの幅よりも大きくとり、かつ搬送基準軸に対して対称の位置に配置するとともに、前記2つの求心センサーから離れた位置に前記円盤体のエッジを検出する3つ目の求心センサーを配置し、前記対称の位置に配置した前記2つの求心センサーのエッジ位置情報が作る四角形の対角線から前記円盤体の直径を求めた上で、前記対称の位置に配置された前記2つの求心センサーのそれぞれと前記3つ目の求心センサーで得る前記円盤体の4つのエッジ位置情報から作られる4角形の対角線から前記円盤体の直径を求め、前記対称の位置に配置された前記2つの求心センサーが作る4角形で、長い対角線を含む2つの三角形から3点が円周上にある円周三角形を判定し求心することを特徴とする円盤体の求心方法。
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