JP2009087465A - 光ディスク装置およびレーザパワー制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソフトウェア方式のレーザパワー制御においてレーザ光源のレーザ出力を不必要に停止させることなくレーザ光源を確実に保護する。
【解決手段】光ディスク装置は光ディスクにレーザ光を照射するレーザダイオードLDのレーザ出力をモニタするモニタダイオードMDと、モニタダイオードMDから得られるモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことをデグリッジにより検出したときに出力停止モードを設定する検出部33と、出力停止モードの設定に伴ってレーザダイオードLDのレーザ出力を停止させるスイッチ部35と、モニタ信号と第1基準値よりも小さい第2基準値との比較結果として得られる差を低減する駆動信号をレーザダイオードLDに供給するコントローラCNTとを備える。コントローラCNTは比較結果を位相補償するイコライザ機能をデジタルフィルタとして実現するソフトウェア方式である。
【選択図】図2
【解決手段】光ディスク装置は光ディスクにレーザ光を照射するレーザダイオードLDのレーザ出力をモニタするモニタダイオードMDと、モニタダイオードMDから得られるモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことをデグリッジにより検出したときに出力停止モードを設定する検出部33と、出力停止モードの設定に伴ってレーザダイオードLDのレーザ出力を停止させるスイッチ部35と、モニタ信号と第1基準値よりも小さい第2基準値との比較結果として得られる差を低減する駆動信号をレーザダイオードLDに供給するコントローラCNTとを備える。コントローラCNTは比較結果を位相補償するイコライザ機能をデジタルフィルタとして実現するソフトウェア方式である。
【選択図】図2
Description
本発明は、ソフトウェア方式でレーザパワーをデジタル制御する光ディスク装置およびレーザパワー制御方法に関する。
近年、光ディスク装置では、処理のデジタル化がデジタルICの集積度の飛躍的な進歩に伴って急速に進展している。このデジタル化は処理ハードウェアをデジタルICとして集積できるため、コストの低減において有利である。例えばピックアップのフォーカスサーボやトラッキングサーボは既にデジタル化されている。しかし、自動レーザパワー制御(APC)用フィードバックループでは、デジタル化が進展していない。この主な理由は、ソフトウェアを実行することにより動作するソフトウェア方式のコントローラがサーボに必要とされるイコライザ特性を実現するデジタルフィルタとして介在し、このコントローラが暴走する危険を払拭できないためである。このコントローラの暴走は例えばウォッチドックタイマー等により検出可能である。しかしながら、レーザ光源となるレーザダイオードはフォーカスやトラッキングサーボのアクチュエータと違って、コントローラの暴走が発生すると瞬間的に破壊されてしまう。このため、コントローラの暴走を検出できても、レーザダイオードを保護することはできない。
従来、誤って流れる過電流からレーザダイオードを保護する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、レーザダイオード、読出定電流回路、および書込定電流回路がレーザダイオードの保護回路に設けられる。この保護回路は、読出時に読出入力信号により読出定電流回路からレーザダイオードに読出定電流を供給し、書込時に書込入力信号により読出定電流に書込定電流回路からの書込定電流を重畳させてレーザダイオードに供給する。読出定電流回路とレーザダイオードとの間には、スイッチ素子および制限抵抗が並列に接続される。スイッチ素子は、読出時のレーザダイオードの発光量が所定量以上となった場合、あるいは読出入力信号の電流値または電圧値が所定値以上になった場合に制限抵抗を介して読出定電流をレーザダイオードに供給するためにオフされる。この制御は、出荷前の製造段階において生じるレーザダイオードの破壊を確実に回避するために行われる。
特開平5−94633号公報
しかしながら、特許文献1の技術はレーザダイオードの保護を最優先しているため、ノイズが一時的にレーザダイオードのモニタ出力に混入した場合でも保護回路が機能してレーザダイオードのレーザ出力を停止させる。レーザ出力が一時的なノイズ混入の度に停止するレーザパワー制御では、光ディスクに対する記録再生を継続的に行うことが困難である。
また、上述したソフトウェア方式のコントローラが暴走した場合には、レーザ出力を停止させるためにこのコントローラを利用できないため、独立なハードウェアの保護回路によってレーザ出力を停止させることになる。しかし、レーザ出力が実際に停止した場合、この停止状態から復帰させるためにコントローラの電源を再投入したり、外部のホストデバイスからの信号によりコントローラをリセットしたりする必要が生じ、多大な時間の浪費となる。
本発明の目的はソフトウェア方式のレーザパワー制御においてレーザ光源のレーザ出力を不必要に停止させることなくレーザ光源を確実に保護することができる光ディスク装置およびレーザパワー制御方法を提供することにある。
本発明の第1観点によれば、光ディスクにレーザ光を照射するレーザ光源のレーザ出力をモニタするモニタ部と、モニタ部から得られるモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことをデグリッジにより検出したときに出力停止モードを設定する検出部と、出力停止モードの設定に伴ってレーザ光源のレーザ出力を停止させる出力停止回路と、モニタ信号と第1基準値よりも小さい第2基準値との比較結果として得られる差を低減する駆動信号をレーザ光源に供給するコントローラ部とを備え、コントローラ部は比較結果を位相補償するイコライザ機能をデジタルフィルタとして実現するソフトウェア方式である光ディスク装置が提供される。
本発明の第2観点によれば、光ディスクにレーザ光を照射するレーザ光源のレーザ出力をモニタすることにより得られるモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことを検出したときに出力停止モードを設定し、出力停止モードの設定に伴ってレーザ光源のレーザ出力を停止させ、モニタ信号と第1基準値よりも小さい第2基準値との比較結果として得られる差を低減する駆動信号をレーザ光源に供給し、比較結果を位相補償するイコライザ機能をデジタルフィルタとしてソフトウェア方式のコントローラ部により実現するレーザパワー制御方法が提供される。
これら光ディスク装置およびレーザパワー制御方法では、レーザ光源のレーザ出力をモニタすることにより得られるモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことを検出したときに出力停止モードが設定され、出力停止モードの設定に伴ってレーザ光源のレーザ出力が停止する。例えば静電ノイズ等の混入によりモニタ信号が一時的に上昇して第1基準値を超えても、これが上述の一定期間内に解消した場合には、出力停止モードが設定されない。すなわち、レーザ光源のレーザ出力が不必要に停止されることが避けられる。また、ソフトウェア方式のコントローラ部が暴走した場合には、モニタ信号の上昇が上述の一定期間内に解消しないため、確実にレーザ光源を破壊から保護することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係る光ディスク装置について添付図面を参照して説明する。
図1はこの光ディスク装置の構成を示す。ディスクはディクスモータ11に回転自在に装着される。ディスクモータ11には、周波数ジェネレータFGが設けられる。周波数ジェネレータFGは、通常、固定子の界磁コイルの起電圧、またはローターのマグネットの回転角を検出するホール素子の出力を利用して回転角に応じた信号を発生する。ここでは、1回転に18個程度のパルスがディスクモータ11の回転角信号として周波数ジェネレータFGから出力され、ディスクモータ制御部12を介してコントローラCNTに供給される。コントローラCNTは周波数ジェネレータFGからの回転角信号と内部の基準周波数とを比較し、この比較結果の誤差信号でディスクモータ11を所定の回転方向と回転数に設定するようディスクモータ制御部12を制御する。
ピックアップ13はディスクの情報記録面に対向するように設けられ、ディスクの半径方向に移動自在に図示しない摺動軸に支持され、リードスクリュー14によって移動される。ステップモータ15はピックアップ13の送りモータで、回転軸にはリードスクリュー14が直結されている。位置検出スイッチ16はピックアップ13のホーム位置に配置され、ピックアップ13がディスクの内周側に移動して位置検出スイッチ16に接触したときにピックアップ13がホーム位置に到達したことを検出する。この位置検出スイッチ16はピックアップ13の位置を初期設定するために利用される。ピックアップ13のホーム位置は例えばディスク半径=25mmに設定される。コントローラCNTはスイッチ16がピックアップ13を検出したときにドライバ22を制御してステップモータ15を移動させる。この場合、ステップモータ15は1回転毎に3mmの割合でピックアップ13を移動させる。
ピックアップ13は内部にレーザ光源である3個のレーザダイオードLD(半導体レーザ)および単一のモニタダイオードMDを有する。これら半導体レーザの波長はCD,DVD,およびHD−DVDにそれぞれ対応した780nm,650nm,405nmに設定される。3個の半導体レーザは同時に発光しないため、モニタダイオードMDは3個のレーザダイオードLDに対して共用される。また、自動パワー制御(APC)回路24も3個のレーザダイオードLDに対して共用され、各レーザダイオードLDの出力が一定になるようにレーザダイオードLDに流れる電流を制御する。また、APC回路24は各レーザダイオードLDの出力を変化させたり、各レーザダイオードをオンオフさせたりするためにコントローラCNTによってソフトウェア方式で制御される。
レーザ光は、回折格子により3ビームに分割され、ピックアップ13内の光学部品を介して対物レンズで集光され、ディスクの情報記録面にスポットを形成するように照射される。この回折格子は、CD,DVD,およびHD−DVD用のレーザダイオードLD毎に設けられる。情報記録面において、DVD用のスポットサイズは0.94μm程度であり、HD−DVD用のスポットサイズは0.55μm程度である。ここでは、メインビームのみについて説明し、主に記録において3ビームを使用するDPP(Differential pushpull)の詳細については説明を省略する。
ディスクで反射されたレーザ光は、対物レンズに戻り、図示しない内部の光学部品を介して8分割のディテクタに入射する。フォーカスエラー信号は非点収差方式であり、トラッキングエラー信号はDPP方式を採用している。ディテクタはピックアップ内部のICにより入射光の電流電圧変換を行い、この変換結果の信号を所定のヘッドアンプ17に出力する。
対物レンズは、バネにより支持され、レーザ光の光軸方向(フォーカス方向)と、ディスクの半径方向(トラック方向)に移動自在に支持される。ここでは、コイルおよびマグネットが対物レンズをフォーカス方向およびトラック方向にそれぞれ駆動するために設けられている。コイルは可動部に割当てられ、マグネットは固定部に割当てられる。これら2方向の動作部は2軸アクチュエータと呼ばれる。フォーカスコイルはドライバ20から出力されるフォーカス駆動信号により駆動され、トラッキングコイルはドライバ21から出力されるトラッキング駆動信号により駆動される。ドライバ20および21はサーボアンプ18および19にそれぞれ接続されている。サーボアンプ18はコントローラCNTの制御によりヘッドアンプ17からのフォーカスエラー信号に対応してフォーカス駆動信号を発生する。サーボアンプ19はコントローラCNTの制御によりヘッドアンプ17からのトラッキングエラー信号に対応してトラッキング駆動信号を発生する。
コントローラCNTは図示しないCD,DVD,HD−DVD復調器およびアドレスデコーダにより、ヘッドアンプ17から情報信号として得られる高周波(RF)信号、その他の信号からディスクアドレス情報を取得する。ステップモータ22の制御において、コントローラCNTは2相の正弦波状信号を生成し、これら信号を電力増幅してステップモータ22に出力する。
図2は図1に示すAPC回路24の構成をさらに詳細に示す。このAPC回路24はI−V変換部32、検出部33、電源リセット部34、スイッチ部35、A/D変換器36、D/A変換器37を有する。コントローラCNTはAPC回路24と協力して動作する。I−V変換部32はモニタダイオードMDからのモニタ信号を電流電圧変換するもので、差動アンプA1,A2および抵抗R1〜R5、基準電源V1により構成される。コントローラCNTはモニタ信号と第1基準値よりも小さい第2基準値との比較結果として得られる差を低減する駆動信号をレーザドライバ31に供給し、この駆動信号に対応する電流をレーザダイオードLDに流す。
検出部33はモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことをデグリッジにより検出したときに出力停止モードを設定するものであり、デグリッジ用ローパスフィルタ38、ラッチ回路39、比較器CP、基準電源V2で構成される。ラッチ回路39は出力停止モードを設定するためにローパスフィルタ38のデグリッジ結果をラッチするもので、NAND回路ND1,ND2を組み合わせたRSフリップフロップとして構成される。スイッチ部35および遅延用ローパスフィルタ40は出力停止モードの設定に伴ってレーザ光源のレーザ出力を停止させる出力停止回路を構成する。ここで、遅延用ローパスフィルタ40はレーザドライバ31に供給される駆動信号をデグリッジの基準となる一定期間よりも長い時間遅延させるために設けられている。
コントローラCNTは比較結果を位相補償するイコライザ機能をデジタルフィルタとして実現するソフトウェア方式である。電源リセット部34はトランジスタTR、キャパシタC1、アンプBF、抵抗R7,R8、AND回路AD1、および増幅器BFを含み、出力停止モードにおいてラッチ回路39およびコントローラCNTに対するリセット信号を発生する。このリセット信号はコントローラCNTに設けられるウォッチドックタイマー機能により暴走時を除いて無効にされる。
レーザダイオードLDで発光した光の一部は、モニタダイオードMDに入射し、モニタ信号として出力される。このモニタ信号はI−V変換部32で電流電圧変換され、レーザ出力に比例した電圧になる。この電圧はA/D変換器36でデジタルデータに変換される。このデジタルデータは基準1と比較され、その誤差信号をデジタルフィルタで構成されるイコライザ(EQ)で周波数特性について補正され増幅される。こうして得られたデータはD/A変換器37でアナログ信号に変換される。この間のデジタル信号処理はコントローラCNTがソフトウェアを実行することにより行われる。アナログ信号はアナログスイッチ部35を介してローパスフィルタ40に入力され、このローパスフィルタ40の出力信号がレーザドライバ31に入力される。レーザダイオードLDには、レーザドライバ31に入力された信号に対応した電流が流れ、基準1に応じたレーザ出力がレーザダイオードLDから得られる。
他方、I−V変換部32からのモニタ信号は基準2とコンパレータCPで比較され、ノイズ除去のデグリッジがローパスフィルタ38で行われ、ラッチ回路39がこのデグリッジの結果を保持する。ノイズの原因としては、静電気や電源ノイズがある。商用電源を使用する機器では、電源から入り込むノイズの時間幅は最大1μsec程度である。このため、ローパスフィルタ38は2μsecのノイズまで除去するデグリッジを行うように構成されている。従って、モニタ信号が基準2を超えて2μsec以上継続すると、ラッチ回路39のRSフリップフロップがセットされる。このとき、出力イネーブル信号OENがLレベルになり、スイッチ部35をオフさせる。従って、ローパスフィルタ40の入力レベルがゼロとなる。ローパスフィルタ40の応答時定数はデグリッジの応答よりも遅くなるように200μsecに設定されている。
この光ディスク装置では、ラッチの解除は2通りある。1つはコントローラCNTが暴走してレーザ出力が過大になった場合である。この場合には、コントローラCNTが暴走していることを監視するウォッチドックタイマーにより電源リセット部34を介してラッチ回路39をリセットしている。もう1つはコントローラCNTが暴走していない場合にラッチ回路39がノイズの混入によってセットしてしまう場合である。この場合、コントローラはINP入力によりラッチ回路39の状態を認識し、OTP出力によりラッチ回路39をリセットする。ここでは、APC回路24が正常にレーザ出力を制御している。このため、コントローラCNTはD/A変換器37の出力を一旦ゼロにしてからラッチ回路39のリセットを行う。
図3はレーザパワー制御の流れを示す。電源オンされると、電源リセットがステップS1でHRSTN信号をLに設定することにより行われる。次にD/A変換器37の出力がLに設定され、これによりレーザダイオードLDを点灯させないように初期設定をする。ステップS3では、ラッチ解除がOTN信号をLにして行われ、スイッチ部35がA/D変換器37の出力をローパスフィルタ40に接続する。ステップST5では、コントローラCNTがプログラムをROMからワークRAMに読み出して実行することによりAPC制御を開始する。ステップS6では、A/D変換器36の出力と基準1との比較が行われる。ここで、A/D変換器36の入力はレーザ出力に依存した信号であり、基準1は予めROMに格納された基準値である。ステップS7では、誤差信号のイコライジングおよび増幅を行って、その結果がD/A変換器37に出力される。ステップS5〜S7はコントローラCNTのソフトウエア処理である。ステップS8では、D/A変換器37の出力によりレーザダイオードLDの電流が制御される。ステップS9では、モニタダイオードMDによりレーザ出力が検出される。ステップS10では、モニタダイオードMDからのモニタ信号が電流電圧変換される。この電流電圧変換の結果はA/D変換器36でデジタルデータに変換され、ステップS6で使用されるA/D変換器36の出力を変更する。他方、ステップS11では、電流電圧変換の結果が基準2より大きいかチェックされる。大きくない場合には、ステップS9が実行される。大きい場合には、ステップS12でデグリッジの一定期間よりも長いかどうかチェックされる。長くない場合には、ステップS11が実行される。長い場合には、ステップS13でラッチ回路39が出力停止モードとしてセットされる。これにより、ステップS13でOTN信号がLに設定され、ステップS15で、スイッチ部35がローパスフィルタ40の入力をLに設定する。レーザダイオードLDはこうしてオフすることになる。
尚、ステップS11に関し、基準2は実施形態において抵抗で設定しているようにハードウエアーで構成するのが基本であるが、ソフトウエアで設定してもかまわない。ただし、ソフトウエアが暴走していないことを確認し、その時に設定し、ソフトウエアで書き換える場合には、暴走していないことを確認してから書き換える保護システムが組まれていることが必要である。
図4はレーザパワー制御において得られる信号の波形を示す。
リセット状態は、電源+Bが投入されると、C1の両端電圧VC1は、R8との時定数で上昇し、バッファーBFの入力スレッシュ電圧を上回ると出力RSTNがLからHに反転する。RSTNがLの場合は、リセット状態で、そのRSTNをHRSTNで受けたコントローラは、ハードリセット状態になり、DOをゼロとして、D/A出力がゼロとなる。EN2がHとし、OENをLとし、SWをGに接続する。このことで、VIはゼロとなりレーザダイオード電流はゼロとなる。このことからMDに光入力が無いためVMDは0Vである。基準2よりもVMDTが低いため、CL信号はHとなる。AD1信号は、LのためND2出力は、Hとなる。したがって、ND1出力EN1は、Lとなる。リセット時、OTPはHになるように設定している。
コントローラリセット解除は、RSTNがHになると、コントローラのHRSTN(ハードリセット入力)がHとなり、ROMからプログラムをワーキングRAMにロードし、所定のプログラムをスタートする。EN2をLにし、OENをHにして、SWをCTSに接続する。DAOはLであるため、レーザダイオードLDは点灯しない。
レーザダイオードLDオン/APC動作について、コントローラは、EN2をLにし、OENをHにし、SWをCTSに接続する。レーザダイオードLDの出力に応じたVMD信号は、A/Dにより常時デジタルデータ化され、コントローラへ、DIとして与えられる。基準1は、ROMに格納していた固定値である。コントローラは、DIと基準1とを比較し、その誤差信号をEQ(イコライザ)し、増幅したデータをDOとして出力する動作をソフトウェア処理する。なお、EQは一般的にはLPF(1次のローパスフィルタ)である。この動作は、レーザダイオードLDの出力に応じたVMDと基準1の値を同じになるように負帰還した制御ループを構成している。
なお、この制御ループの応答時間を支配しているのは、各ローパスフィルタである。すなわち、応答時間は、LPF>LPF40>LPF38のように標準的には設定する。タイミングチャートのレーザダイオードLDオンからDAO、VI、がAPCループの応答により順次上昇し、レーザダイオードLD電流を増加する。レーザダイオードLDが発光するとモニタダイオードMDにその光が入り、VMD、VMDTが上昇し、基準1とVMDが一致した時点で安定する。
レーザダイオードLDの保護動作については、タイミングチャートのHU時点で、ソフトが暴走したと仮定し、DO出力はフルビットのHを出力したとする。T2期間で、VMDTが上昇する。この時定数は、LPF40で支配される。VMDTが基準2を越した瞬間(T2時点)で、CLがLになり、ND1出力EN1がHになり、OENがLになる。こ動作で、SWがGに接続され、VIの上昇は、停止し、ゼロに向かって下降する。この動作は、レーザダイオードLDの出力が基準2で破壊しないように設定すれば、レーザダイオードLDの破壊を防止できることになる。
ノイズ誤動作の防止については、ESD(静電放電)や雷などのノイズで、レーザダイオードLDの保護動作が行われてしまうと、商品性が落ちるため誤動作防止が必要である。ESDノイズは、図5のように大体60ns位の幅が想定される。したがって、1μs位のノイズに応答しないような検出にすればよい。この場合は、ローパスフィルタ38で行う。
レーザダイオードLDの保護動作からの復帰については、ノイズなどでレーザダイオードLDの保護動作が行われた場合には、コントローラは、EN1を監視していて、EN2をHとし、OTPを瞬間Lにし、ND1出力であるEN1をLにする。コントローラCNTが暴走している場合は、ウオッチドックタイマーが動作し、OTSを一定時間だけHとし、TRをオンすることにより、CLを放電させ、RSTNをLにし、上述のリセットと同じ動作をさせて復帰する。
本実施形態によれば、レーザダイオードLDのレーザ出力をモニタすることにより得られるモニタ信号が基準2を越える状態が一定期間に渡って継続したことを検出したときに出力停止モードが設定され、出力停止モードの設定に伴ってレーザダイオードLDのレーザ出力が停止する。例えば静電ノイズ等の混入によりモニタ信号が一時的に上昇して基準2を超えても、これが上述の一定期間内に解消した場合には、出力停止モードが設定されない。すなわち、レーザダイオードLDのレーザ出力が不必要に停止されることが避けられる。また、ソフトウェア方式のコントローラ部CNTが暴走した場合には、モニタ信号の上昇が上述の一定期間内に解消しないため、確実にレーザ光源を破壊から保護することができる。
尚、本発明は上述の実施形態に限定されず、発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変形可能である。
図6は記録時に適用したレザーパワー制御の例を示す。例えば色素系のメディアに記録する場合、図6に示すようにレーザドライバLDDのIRにリードパワーのAPCを行う。記録電流およびタイミングは電流をIN、タイミングをNENで制御する。LDDの記録チャネルは2〜3チャネルが使用されている。I−V変換部32の出力はサンプルホールド回路41によりリード出力時の値を選択して使用する。ここで、デグリッジはフリップフロップSR1,SR2により行っている。尚、OTP出力はEN1でゲーティングすることで、保護ラッチが働いている場合のみラッチ解除ができるようになる。
LD…レーザダイオード、MD…モニタダイオード、24…APC回路、32…I−V変換部、33…検出部、34…電源リセット部、35…スイッチ部、36…A/D変換器、37…D/A変換器、38…デグリッジ用ローパスフィルタ、39…ラッチ回路、40…遅延用ローパスフィルタ、CNT…コントローラ。
Claims (10)
- 光ディスクにレーザ光を照射するレーザ光源のレーザ出力をモニタするモニタ部と、前記モニタ部から得られるモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことをデグリッジにより検出したときに出力停止モードを設定する検出部と、前記出力停止モードの設定に伴って前記レーザ光源のレーザ出力を停止させる出力停止回路と、前記モニタ信号と前記第1基準値よりも小さい第2基準値との比較結果として得られる差を低減する駆動信号をレーザ光源に供給するコントローラ部とを備え、前記コントローラ部は前記比較結果を位相補償するイコライザ機能をデジタルフィルタとして実現するソフトウェア方式であることを特徴とする光ディスク装置。
- 前記出力停止回路は前記レーザ光源に供給される駆動信号を前記デグリッジの基準となる一定期間よりも長い時間遅延させるディレイ部を含むことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
- 前記検出部は前記出力停止モードを設定するためにデグリッジ結果をラッチするラッチ回路、並びに前記出力停止モードにおいて前記ラッチ回路および前記コントローラ部に対するリセット信号を発生する電源リセット回路を含み、前記リセット信号が前記コントローラ部に設けられるウォッチドックタイマー機能により暴走時を除いて無効にされることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
- 前記検出部は前記駆動信号に対するローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
- 前記ディレイ部は前記モニタ信号に対するローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
- 光ディスクにレーザ光を照射するレーザ光源のレーザ出力をモニタすることにより得られるモニタ信号が第1基準値を越える状態が一定期間に渡って継続したことを検出したときに出力停止モードを設定し、前記出力停止モードの設定に伴って前記レーザ光源のレーザ出力を停止させ、前記モニタ信号と前記第1基準値よりも小さい第2基準値との比較結果として得られる差を低減する駆動信号をレーザ光源に供給し、前記比較結果を位相補償するイコライザ機能をデジタルフィルタとしてソフトウェア方式のコントローラ部により実現することを特徴とするレーザパワー制御方法。
- 前記レーザ光源に供給される駆動信号を前記デグリッジの基準となる一定期間よりも長い時間遅延させることを特徴とする請求項6に記載のレーザパワー制御方法。
- 前記出力停止モードを設定するためにデグリッジ結果をラッチ回路によりラッチし、前記出力停止モードにおいて前記ラッチ回路および前記コントローラ部に対するリセット信号を電源リセット回路により発生し、前記リセット信号が前記コントローラ部に設けられるウォッチドックタイマー機能により暴走時を除いて無効されることを特徴とする請求項6に記載のレーザパワー制御方法。
- 前記駆動信号に対する遅延用にローパスフィルタを設けることを特徴とする請求項6に記載のレーザパワー制御方法。
- 前記モニタ信号に対するデグリッジ用にローパスフィルタを設けることを特徴とする請求項7に記載のレーザパワー制御方法。
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