JP2009087296A - 硬貨処理機 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理効率を向上することができる硬貨処理機の提供。
【解決手段】搬送手段26が、繰出機構12から繰り出された硬貨を硬貨通路19の上流側で搬送する第1の搬送ベルト27と、第1の搬送ベルト27を駆動する第1の駆動手段33と、第1の搬送ベルト27から送出された硬貨を、識別手段48および硬貨選別部50に搬送する第2の搬送ベルト28と、第2の搬送ベルト28を駆動する第2の駆動手段43とを有しており、第1の搬送ベルト27の位置の硬貨通路19に設けられて硬貨を計数する導入計数手段47と、単一金種の硬貨を計数して所定の指定枚数取り出す計数モードの実行時に、導入計数手段47によって所定の繰出枚数の硬貨を計数したタイミングに基づいて、第2の駆動手段43による第2の搬送ベルト28の駆動を維持し且つ第1の駆動手段33による第1の搬送ベルト27の駆動を停止させる制御手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬貨処理機に関し、特にその処理効率の向上に関する。
硬貨処理機には、硬貨を識別し計数して単一金種の硬貨のみを予め指定された所定の指定枚数だけ払い出す計数モードを実行可能なものがある。この種の硬貨処理機においては、回転円盤に投入された、基本的に単一金種からなる硬貨を回転円盤から一枚ずつ繰り出し、繰り出された硬貨を繰り出された順番に並べて硬貨通路に沿って搬送ベルトにより搬送しつつ、硬貨通路に設けられた識別部において識別計数し、この識別結果に基づいて、下流側の硬貨選別部において、単一金種の計数対象硬貨と、それ以外の硬貨とに選別するようになっている。このような硬貨処理機において、所定の指定枚数の計数対象硬貨を所定の選別孔に落下させた後に、残りの硬貨を停止させる等、硬貨通路上の硬貨の所定位置から下流側への移動を停止させる場合には、硬貨選別部手前のストッパを硬貨通路内に突出させて停止させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3408963号公報
上記のように硬貨選別部手前のストッパを硬貨通路内に突出させて硬貨を停止させるものでは、停止後、回転円盤からストッパまでの間の硬貨通路に多くの硬貨が残留することになってしまう。このように多くの硬貨が硬貨通路に残留すると、例えば、搬送ベルトを逆回転させて回転円盤に戻す場合に処理に時間がかかる等、処理効率が低下してしまうことがあった。
したがって、本発明は、処理効率を向上することができる硬貨処理機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、投入された硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出機構と、該繰出機構から繰り出された硬貨を繰り出された順番に並べて移送可能な硬貨通路と、該硬貨通路に沿って設けられ、前記繰出機構から前記硬貨通路内へ繰り出された硬貨を上方より押圧しながら該硬貨通路に沿って搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記硬貨通路内を搬送される硬貨を金種識別する識別手段と、前記搬送手段によって前記硬貨通路内を搬送される硬貨を前記識別手段の識別結果に基づいて選別する硬貨選別部と、を備えた硬貨処理機において、前記搬送手段は、前記繰出機構から繰り出された硬貨を前記硬貨通路の上流側で搬送する第1の搬送ベルトと、該第1の搬送ベルトを駆動する第1の駆動手段と、前記第1の搬送ベルトから送出された硬貨を、該第1の搬送ベルトよりも下流側で前記識別手段および前記硬貨選別部に搬送する第2の搬送ベルトと、該第2の搬送ベルトを駆動する第2の駆動手段とを有しており、前記第1の搬送ベルトの位置の前記硬貨通路に設けられて硬貨を計数する導入計数手段と、単一金種の硬貨を計数して所定の指定枚数取り出す計数モードの実行時に、前記導入計数手段によって所定の繰出枚数の硬貨を計数したタイミングに基づいて、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動を維持し且つ前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を停止させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記制御手段は、前記計数モードの実行時に、前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を停止させた以降に前記導入計数手段によって硬貨が検知された場合に、前記第1の駆動手段により前記第1の搬送ベルトを、硬貨を前記繰出機構側に戻す方向に回転させることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を前記識別手段よりも下流側で計数する搬送計数手段を有しており、前記計数モードの実行時に、前記硬貨選別部は、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を、前記識別手段の識別結果および前記搬送計数手段の計数結果に基づいて、該搬送計数手段よりも下流側の取出選別部およびリジェクト選別部に振り分けることを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記計数モードの実行時に、前記硬貨選別部は、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を、前記搬送計数手段の識別結果に基づいて、前記指定枚数まで前記取出選別部に、前記指定枚数を超える分を前記取出選別部よりも下流側の前記リジェクト選別部に振り分けることを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項3または4に係る発明において、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を前記取出選別部と該取出選別部よりも下流側の前記リジェクト選別部との間で計数するリジェクト計数手段を有しており、前記制御手段は、前記計数モードの実行時に、前記搬送計数手段によって計数された硬貨の枚数と、前記リジェクト計数手段によって計数された硬貨の枚数との差分である差分枚数が前記指定枚数に達しない場合、前記導入計数手段が前記指定枚数と前記差分枚数との差の枚数の硬貨を計数するまで、停止させた前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を行うことを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項3または4に係る発明において、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を前記取出選別部と該取出選別部よりも下流側の前記リジェクト選別部との間で計数するリジェクト計数手段を有しており、前記制御手段は、前記計数モードの実行時に、前記搬送計数手段によって前記繰出枚数の硬貨が計数され、且つ前記リジェクト計数手段によって硬貨が計数された場合に、前記導入計数手段が前記リジェクト計数手段によって計数された枚数の硬貨を計数するまで、停止させた前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を行うことを特徴としている。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に係る発明において、前記制御手段は、前記計数モードの実行中に、前記繰出枚数を前記識別手段の識別結果に基づいて変更することを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、単一金種の硬貨を計数して所定の指定枚数取り出す計数モードの実行時に、制御手段が、第1の駆動手段による第1の搬送ベルトの駆動および第2の駆動手段による第2の搬送ベルトの駆動を行う。すると、繰出機構から一枚ずつ繰り出された、基本的に単一金種からなる硬貨が第1の搬送ベルトによって硬貨通路の上流側で搬送され、その際に導入計数手段によって計数され、第1の搬送ベルトから送出されて、第2の搬送ベルトによって識別手段および硬貨選別部に向けて搬送されることになる。そして、制御手段は、第1の搬送ベルトの位置の硬貨通路に設けられた導入計数手段によって所定の繰出枚数の硬貨を計数したタイミングに基づいて、第2の搬送ベルトの駆動を維持し且つ第1の駆動手段による第1の搬送ベルトの駆動を停止させることになって、それ以上の第2の搬送ベルトへの硬貨の送出を規制する。これにより、第2の搬送ベルトの位置にあった硬貨がすべて硬貨選別部で選別された後は、硬貨通路内に残留する硬貨が、第1の搬送ベルトの範囲内にある硬貨のみとなる。したがって、硬貨通路内に残留する硬貨を少なくすることができ、例えば、残留する硬貨を繰出機構側に戻す場合に処理に時間がかかること等がなく、処理効率を向上することができる。
請求項2に係る発明によれば、計数モードの実行時において、第1の駆動手段による第1の搬送ベルトの駆動を停止させた以降に導入計数手段によって硬貨が検知された場合に、制御手段が、第1の駆動手段により第1の搬送ベルトを、硬貨を繰出機構側に戻す方向に回転させることで、硬貨を繰出機構側に戻すことができる。
請求項3に係る発明によれば、計数モードの実行時に、第2の駆動手段による第2の搬送ベルトの駆動により硬貨通路を搬送される硬貨を識別手段よりも下流側の搬送計数手段が計数することになり、硬貨選別部は、識別手段の識別結果および搬送計数手段の計数結果に基づいて、搬送計数手段よりも下流側の取出選別部およびリジェクト選別部に振り分ける。よって、例えば所定の指定枚数までの硬貨を取出選別部に、識別異常の硬貨および所定の指定枚数を超える硬貨をリジェクト選別部に振り分けることができる。
請求項4に係る発明によれば、計数モードの実行時に、硬貨選別部は、第2の駆動手段による第2の搬送ベルトの駆動により硬貨通路を搬送される硬貨を、搬送計数手段の識別結果に基づいて、所定の指定枚数まで取出選別部に、所定の指定枚数を超える分を取出選別部よりも下流側のリジェクト選別部に振り分けることになるため、所定の指定枚数の硬貨を取出選別部に案内し、所定の指定枚数を超える硬貨をリジェクト選別部に案内することができる。
請求項5に係る発明によれば、計数モードの実行時に、制御手段が、搬送計数手段によって計数された硬貨の枚数と、リジェクト計数手段によって計数された硬貨の枚数との差分である差分枚数が前記指定枚数に達しない場合、導入計数手段が前記指定枚数と前記差分枚数との差の枚数の硬貨を計数するまで、第1の駆動手段による第1の搬送ベルトの駆動を行うため、取出選別部に選別されずリジェクト選別部に選別された分の硬貨を第1の搬送ベルトから第2の搬送ベルトに追加して送出することができる。
請求項6に係る発明によれば、計数モードの実行時に、制御手段が、搬送計数手段によって所定の繰出枚数の硬貨が計数され、且つリジェクト計数手段によって硬貨が計数された場合に、導入計数手段がリジェクト計数手段によって計数された枚数の硬貨を計数するまで第1の駆動手段による第1の搬送ベルトの駆動を行うため、取出選別部に選別されずリジェクト選別部に選別された分の硬貨を第1の搬送ベルトから第2の搬送ベルトに追加して送出することができる。
請求項7に係る発明によれば、制御手段が、計数モードの実行中に、第1の駆動手段による第1の搬送ベルトの駆動を停止させる判断基準となる所定の繰出枚数を識別手段の識別結果に基づいて変更するため、識別手段でリジェクト硬貨と判断された枚数の硬貨分を追加して繰り出させてから第1の駆動手段による第1の搬送ベルトの駆動を停止させることができる。
本発明の一実施形態の硬貨処理機を図面を参照して以下に説明する。
硬貨処理機10には、その上面に、操作者によりバラ硬貨が投入される投入口11が設けられており、この投入口11の下側に、投入口11に投入されたバラ硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出機構12が設けられている。この繰出機構12は、投入口11に投入されたバラ硬貨を受け入れるとともに鉛直軸回りに回転可能に設けられた回転円盤13と、この回転円盤13の側方にあって回転円盤13の回転により生じる遠心力によって外側に移動する硬貨を通過させることにより一枚ずつ分離して繰り出す分離部14と、回転円盤13を駆動する繰出モータ15(図2参照)とを有している。
繰出機構12の分離部14の側方には、繰出機構12の分離部14から繰り出される硬貨を両側の一段高いガイド壁16,17の間の通路面18で案内する硬貨通路19が水平に配置されている。ガイド壁16,17の間隔つまり通路面18の幅は、繰出機構12から繰り出された硬貨を繰り出された順番に並べて移送可能な幅となっている。硬貨通路19は、分離部14に接続されて回転円盤13の略接線方向に延出する第1直線部21と、この第1直線部21の分離部14とは反対側から、第1直線部21に対して略直交方向に延出する第2直線部22と、この第2直線部22の第1直線部21とは反対側から、第2直線部22に対し略直交方向に延出する第3直線部23とを有している。
硬貨通路19の上方には、硬貨通路19に沿って搬送機構(搬送手段)26が設けられている。この搬送機構26は、繰出機構12から硬貨通路19内へ繰り出された硬貨を上方より押圧しながら硬貨通路19に沿って搬送するものであり、回転円盤13から繰り出された硬貨を硬貨通路19の第1直線部21の上流側で搬送する平面視直線状の導入側ベルト(第1の搬送ベルト)27と、この導入側ベルト27から送出された硬貨を第1直線部21から第2直線部22、さらには第3直線部23の第2直線部22側の一部まで搬送する平面視コ字状の上流側搬送ベルト(第2の搬送ベルト)28と、この上流側搬送ベルト28から硬貨を受け取って第3直線部23の第2直線部22とは反対側の残りの一部で搬送する平面視直線状の下流側搬送ベルト29とを有している。
導入側ベルト27は、ゴム等の弾性を有する高摩擦部材からなる無端状のもので、一対のプーリ31,32で両端部が保持されている。そして、一方のプーリ32が導入側駆動モータ(第1の駆動手段)33の駆動軸に固定されており、その結果、導入側ベルト27は、この導入側駆動モータ33で駆動されて回転する。勿論、他方のプーリ31が導入側駆動モータ33の駆動軸に固定されていても良い。なお、導入側ベルト27、上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29に加えて、プーリ31,32、導入側駆動モータ33、プーリ36,37、プーリ40,41および搬送駆動モータ43も、搬送機構26を構成する。
上流側搬送ベルト28は、ゴム等の弾性を有する高摩擦部材からなる無端状のもので、一対のプーリ36,37で両端部が保持されるとともに二カ所の屈曲部がそれぞれ上下のプーリ38および上下のプーリ39で保持されている。また、下流側搬送ベルト29も、同様に高摩擦部材からなる無端状のもので一対のプーリ40,41で両端部が保持されている。また、上流側搬送ベルト28の下流側のプーリ37と、下流側搬送ベルト29の上流側のプーリ40とは同軸に固定されている。そして、一つのプーリ41が搬送駆動モータ(第2の駆動手段)43の駆動軸に固定されており、上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29は、この搬送駆動モータ43で駆動されて同期回転する。勿論、他のプーリ36,37,40のいずれが搬送駆動モータ43の駆動軸に固定されていても良い。なお、導入側ベルト27、上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29に加えて、プーリ31,32、導入側駆動モータ33、プーリ36〜41および搬送駆動モータ43によって搬送機構26が構成される。
硬貨通路19の第1直線部21には、繰出機構12の近傍であって搬送方向における導入側ベルト27の位置に、硬貨を検知する硬貨検知センサ(導入計数手段)47が通路面18に設けられている。硬貨検知センサ47は、例えば光学式のセンサであり、通路面18上を移動する硬貨の通過を検知することによって、通過する硬貨の数を計数可能なカウントセンサとなっている。
硬貨通路19の第1直線部21には、搬送方向における上流側搬送ベルト28の位置に、上流側搬送ベルト28によって硬貨通路19内を搬送される硬貨の画像(あるいは材質)を検出することによって、硬貨の真偽および金種を識別するとともに計数するCCDカメラ等を含む識別部(識別手段)48が、通路面18の一部を構成するように配置されている。
硬貨通路19の第2直線部22には、搬送方向における上流側搬送ベルト28の位置に、上流側搬送ベルト28によって硬貨通路19内を搬送される硬貨を、識別部48の識別結果等に基づいて選別するための上流側硬貨選別部(硬貨選別部)50が設けられている。この上流側硬貨選別部50は、取出選別部51と、取出選別部51よりも下流側にあるリジェクト選別部52とを有している。
取出選別部51は、指定された単一金種の硬貨を計数して所定の指定枚数取り出す計数モードの実行時に、この計数対象の単一金種の硬貨を所定の指定枚数まで硬貨通路19から排除し、また、金種混合の硬貨を金種別に計数し分類して収納する収納モードの実行時には硬貨を硬貨通路19から排除しない。リジェクト選別部52は、計数モードの実行時に、識別不能硬貨を含む計数対象以外の硬貨および所定の指定枚数を超える計数対象の金種の硬貨を硬貨通路19から排除し、また収納モードの実行時に識別不能硬貨を硬貨通路19から排除する。
取出選別部51は、硬貨通路19の通路面18を貫通するように形成された選別孔54と、この選別孔54を開閉するシャッタ55と、シャッタ55を開閉駆動するソレノイド56とを有しており、シャッタ55が開作動されることによって硬貨を選別孔54から落下させる。この選別孔54は、図示略のシュートを介して、機外に臨む位置に設けられた図示略の取出口に連通しており、落下した硬貨を機外に取出可能となるように取出口に案内する。
リジェクト選別部52は、硬貨通路19の通路面18を貫通するように形成された選別孔57と、この選別孔57を開閉するシャッタ58と、シャッタ58を開閉駆動するソレノイド59とを有しており、シャッタ58が開作動されることによって硬貨を選別孔57から落下させる。この選別孔57は、図示略のシュートを介して、機外に臨む位置に設けられた図示略のリジェクト口に連通しており、落下した硬貨を機外に取出可能となるようにリジェクト口に案内する。
硬貨通路19の第2直線部22における取出選別部51の上流側位置には、硬貨を検知する硬貨検知センサ(搬送計数手段)60が通路面18に設けられている。硬貨検知センサ60は、例えば光学式のセンサであって、検知した硬貨を落下させる際の、取出選別部51のソレノイド56の駆動タイミングを計るためのものであり、また、上流側搬送ベルト28の駆動によって通路面18上を移動する硬貨の通過を検知することにより、通過する硬貨の数を計数可能となっている。
硬貨通路19の第2直線部22における取出選別部51とリジェクト選別部52との間位置には、硬貨を検知する硬貨検知センサ(リジェクト計数手段)62が通路面18に設けられている。硬貨検知センサ62は、例えば光学式のセンサであって、検知した硬貨を落下させる際の、リジェクト選別部52のソレノイド59の駆動タイミングを計るためのものである。しかも、硬貨検知センサ62は、上流側搬送ベルト28の駆動によって通路面18上を移動する硬貨の通過を検知することによって、通過する硬貨の数を計数可能となっている。つまり、硬貨検知センサ62は、取出選別部51とこれよりも下流側のリジェクト選別部52との間で硬貨を計数可能となっている。
第3直線部23には、収納モードにおいて硬貨を金種別に選別する金種別選別部65が設けられている。この金種別選別部65は、上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29によって搬送される硬貨を金種別に選別して落下させる、金種数と同数の選別孔66a〜66fを有しており、これら選別孔66a〜66fは、硬貨径の小さいものから順に硬貨を落下させるように配置されている。つまり、最小幅の選別孔66aが1円硬貨を、これよりも幅の広い選別孔66bが50円硬貨を、これよりも幅の広い選別孔66cが5円硬貨を、これよりも幅の広い選別孔66dが100円硬貨を、これよりも幅の広い選別孔66eが10円硬貨を、これよりも幅の広い選別孔66fが500円硬貨をそれぞれ落下させる。選別孔66a〜66fから落下した硬貨は、図示せぬ一時貯留部に各金種別に一時貯留され、その後の承認操作で図示せぬ収納部に各金種別に収納される。なお、各選別孔66a〜66fのそれぞれの直前位置には硬貨検知センサ67a〜67fが対応配置され、硬貨検知センサ67a〜67fのうち隣り合う前後のものをそれぞれ通過した硬貨数の差が、選別孔66a〜66fのうち、その間に位置するものに選別された枚数として計数されるように構成されている。
図2に示すように、繰出モータ15、導入側駆動モータ33、搬送駆動モータ43、硬貨検知センサ47、識別部48、ソレノイド56、ソレノイド59、硬貨検知センサ60、硬貨検知センサ62および硬貨検知センサ67a〜67fは、制御部(制御手段)70に接続されている。また、制御部70には、操作者に対して表示を行う表示部71および操作者による操作入力を受け付ける操作部72が接続されている。
次に、制御部70による制御内容を各モード別に説明する。
「計数モード」
単一金種の硬貨を計数して所定の指定枚数取り出す計数モードを実行する場合、操作者によって、基本的には計数対象の単一金種の複数の硬貨が投入口11に投入されることになり、この状態で、操作者によって操作部72に計数モードの選択指定操作、計数対象の金種の指定操作、計数枚数である所定の指定枚数(例えば100枚)の指定操作および処理開始の入力が順次なされる。すると、制御部70は、繰出モータ15、導入側駆動モータ33、搬送駆動モータ43をすべて正転させる。これにより、硬貨は、繰出機構12の正回転する回転円盤13から分離部14によって一枚ずつ分離されて硬貨通路19の通路面18上に繰り出され、硬貨通路19によって繰り出された順番に並んだ状態で、まず正回転する導入側ベルト27により搬送され、導入側ベルト27から送出されて、正回転する上流側搬送ベルト28に受け渡されて、この上流側搬送ベルト28によって、識別部48および上流側硬貨選別部50に向けて搬送される。
上記のように搬送される硬貨は、まず、導入側ベルト27による搬送中に、導入側ベルト27の位置で硬貨検知センサ47によって検知されることになり、制御部70は、この硬貨検知センサ47による検知に基づいて、硬貨通路19に導入された硬貨の枚数を計数する。
次に、硬貨は、上流側搬送ベルト28による搬送中に、識別部48によって検出されることになり、制御部70は、この識別部48による検出に基づいて、硬貨が指定金種の計数対象硬貨であるか否かを判断する。
また、硬貨は、上流側搬送ベルト28による搬送中、次に、硬貨検知センサ60によって検知されることになり、このとき、制御部70は、硬貨検知センサ60で検知された硬貨が、上記した識別部48の識別結果から計数対象硬貨である場合には、この硬貨が取出選別部51の選別孔54に落下可能なタイミングで、ソレノイド56を駆動してシャッタ55を開く。すると、この計数対象硬貨が選別孔54から落下して取出口に案内される。一方、硬貨検知センサ60で検知された硬貨が計数対象硬貨でない場合には、この硬貨が取出選別部51の選別孔54に落下可能なタイミングでソレノイド56の駆動を停止する。すると、この計数対象でない硬貨は、硬貨検知センサ62で検知されることになり、制御部70は、硬貨検知センサ62で硬貨を検知すると、この硬貨がリジェクト選別部52の選別孔57に落下可能なタイミングで、ソレノイド59を駆動してシャッタ58を開く。すると、この計数対象でない硬貨が選別孔57から落下してリジェクト口に案内される。なお、計数対象硬貨が連続する場合には、基本的にこれら硬貨が選別孔54に落下するまでソレノイド56の駆動状態を維持し、また、計数対象でない硬貨が連続する場合には、これら硬貨が選別孔54を通過するまでソレノイド56の駆動停止状態を維持し、且つこれら硬貨が選別孔57に落下するまでソレノイド59の駆動状態を維持する。
以上のようにして、繰出機構12から繰り出された硬貨が、識別部48の識別結果に基づいて順次、取出選別部51およびリジェクト選別部52に選択的に落下させられることになる。
その際に、制御部70は、今回の計数モードの実行により、導入側ベルト27の位置に設けられた硬貨検知センサ47によって計数された硬貨が、所定の繰出枚数に達したか否かを判断する。そして、所定の繰出枚数に達した場合には、この所定の繰出枚数目の硬貨が、硬貨検知センサ47の検知のタイミングに基づいて搬送速度から割り出される、導入側ベルト27から上流側搬送ベルト28に受け渡されるタイミングであって、しかも、後の硬貨が導入側ベルト27から上流側搬送ベルト28に受け渡される前のタイミングで、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動および繰出モータ15による繰出機構12の正回転駆動を停止させる。
なお、この時点では、制御部70は、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29の正回転駆動状態はそのまま維持することになる。また、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動を停止させた以降に硬貨検知センサ47によって硬貨が検知された場合に、導入側駆動モータ33により導入側ベルト27を、硬貨を繰出機構12側に戻す方向に、少なくとも硬貨検知センサ47によって硬貨が検知されない状態となるまで逆回転させて停止させる。具体的には、導入側ベルト27によって移送可能な硬貨をすべて繰出機構12内に戻すことができる所定時間逆回転させる。
ここで、上記の所定の繰出枚数は、初期値が操作部72に指定入力された所定の指定枚数とされ、その後、導入側駆動モータ33により導入側ベルト27の正回転駆動を停止させる前に、識別部48によって計数対象ではない硬貨が検出された場合は、検出された計数対象ではない硬貨の数を所定の指定枚数あるいは更新後の所定の繰出枚数に加算した値を新たな所定の繰出枚数として更新する。つまり、所定の繰出枚数≧所定の指定枚数であり、例えば、所定の指定枚数=100枚=所定の繰出枚数の初期状態から、導入側駆動モータ33の停止前に計数対象ではない硬貨が1枚検出されると、所定の繰出枚数=100+1=101枚となり、導入側駆動モータ33の停止前に計数対象ではない硬貨がさらに1枚検出されると、所定の繰出枚数=101+1=102枚となる。
そして、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動の停止以後、識別部48で識別される硬貨がすべて計数対象硬貨である場合、制御部70は、所定の繰出枚数目の硬貨が、硬貨検知センサ60で検知された後、取出選別部51の選別孔54に確実に落下するタイミングで、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28の正回転駆動を停止させる。
また、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動の停止以後、識別部48を通過する硬貨に計数対象硬貨でない硬貨が含まれている場合、今回の計数モードにおいて、硬貨検知センサ60によって計数された硬貨の枚数と、硬貨検知センサ62によって計数された硬貨の枚数との差分である差分枚数(取出選別部51から取出口に案内される所定の指定枚数となるべき枚数)が、上記した所定の指定枚数に達しない状態のまま、所定の繰出枚数目の硬貨が硬貨検知センサ60によって検知され、これが計数対象硬貨でない硬貨の場合、さらに硬貨検知センサ62によって検知されることになる。
このため、制御部70は、この所定の繰出枚数目の硬貨が、硬貨検知センサ60によって検知され、これが計数対象硬貨でない硬貨の場合、さらに硬貨検知センサ62によって検知されるタイミングで、所定の指定枚数と差分枚数との差の枚数(以下算出枚数)を算出する。そして、制御部70は、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29の正回転駆動状態は維持したまま、硬貨検知センサ47が算出枚数の硬貨を計数するまで、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動および繰出モータ15による繰出機構12の正回転駆動を再開させる。そして、硬貨検知センサ47が、算出枚数の硬貨を計数すると、制御部70は、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動および繰出モータ15による繰出機構12の正回転駆動を停止させる。このときも、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動を停止させた以降に硬貨検知センサ47によって硬貨が検知された場合に、導入側駆動モータ33により導入側ベルト27を、硬貨を繰出機構12側に戻す方向に、少なくとも硬貨検知センサ47によって硬貨が検知されない状態となるまで逆回転させて停止させる。
そして、上記と同様に、制御部70は、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動によって繰り出され識別部48で識別される硬貨がすべて計数対象硬貨である場合、導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動によって繰り出され硬貨検知センサ60で計数される硬貨の枚数が算出枚数となり、算出枚数目の硬貨が取出選別部51の選別孔54に確実に落下するタイミングで、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28の正回転駆動を停止させる。
また、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動によって繰り出され識別部48で識別される硬貨に計数対象硬貨でない硬貨が含まれている場合、導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動によって繰り出された硬貨の、硬貨検知センサ60によって計数された枚数と、硬貨検知センサ62によって計数された枚数との差の枚数が、上記した算出枚数に達しない状態のまま、算出枚数目の硬貨が硬貨検知センサ60によって計数され、さらにこれが計数対象硬貨でない硬貨の場合には硬貨検知センサ62によって計数されることになるため、制御部70は、その後、上記と同様にして、不足する枚数の硬貨を繰出機構12によって追加して繰り出すとともに導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動を再開して搬送する。
このようにして、一の計数モードの実行時に、硬貨検知センサ60によって計数された硬貨の枚数と、硬貨検知センサ62によって計数された硬貨の枚数との差分である差分枚数が、上記した所定の指定枚数に達するまで上記を必要に応じて繰り返す。
「収納モード」
金種混合の硬貨を計数して金種別に分類して出金可能に収納する収納モードを実行する場合、操作者によって、基本的には金種混合の硬貨が投入口11に投入されることになり、この状態で、操作者によって操作部72に収納モードの選択指定操作および処理開始の入力が順次なされると、制御部70は、繰出モータ15、導入側駆動モータ33、搬送駆動モータ43をすべて正転させる。これにより、硬貨は、繰出機構12の正回転する回転円盤13から分離部14によって一枚ずつ分離されて硬貨通路19の通路面18上に繰り出され、硬貨通路19によって繰り出された順番に並んだ状態で、まず正回転する導入側ベルト27により搬送され、導入側ベルト27から送出されて、正回転する上流側搬送ベルト28に受け渡されて、この上流側搬送ベルト28によって、識別部48および上流側硬貨選別部50に向けて搬送される。
上記のように搬送される硬貨は、まず、導入側ベルト27による搬送中に、導入側ベルト27の位置で硬貨検知センサ47によって検知されることになり、次に、上流側搬送ベルト28による搬送中に、識別部48によって検出されることになり、制御部70は、この識別部48による検出に基づいて、硬貨の真偽および金種を識別する。
硬貨は、上流側搬送ベルト28による搬送中、次に、硬貨検知センサ60によって検知されることになり、次に、硬貨検知センサ62で検知されることになる。制御部70は、硬貨検知センサ62で硬貨を検知すると、識別部48の識別結果から、この硬貨が真硬貨であるか否かを判断し、真硬貨でない偽硬貨である場合、リジェクト選別部52の選別孔57に落下可能なタイミングで、ソレノイド59を駆動してシャッタ58を開く。すると、この偽硬貨が選別孔57から落下してリジェクト口に案内される。
また、制御部70は、真硬貨については、リジェクト選別部52のシャッタ58を閉状態とすることによって、上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29によって金種別選別部65に搬送する。すると、金種別選別部65は、搬送されてきた硬貨を金種別の選別孔66a〜66fに選別落下させて図示略の一時貯留部に金種別に一時貯留させる。そして、繰出機構12のすべての硬貨が、リジェクト選別部52および金種別選別部65のいずれかで選別されると、識別部48による金種別の計数結果と、選別孔66a〜66fに対応して設けられた硬貨検知センサ67a〜67fによる金種別の計数結果との一致を確認して、計数結果を表示部71に表示させる。これを見た操作者により、操作部72に承認操作が入力されると、制御部70は、図示略の一時貯留部に金種別に一時貯留された硬貨を図示略の収納部に金種別に収納させる。
なお、この収納モードにおいて、硬貨検知センサ47は、硬貨の残留を検知する残留センサとなる。
以上に述べた本実施形態の硬貨処理機10によれば、単一金種の硬貨を計数して所定の指定枚数取り出す計数モードの実行時に、制御部70が、繰出機構12の繰出モータ15による回転円盤13の駆動、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の駆動および搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29の駆動を行う。すると、繰出機構12から一枚ずつ繰り出された、基本的に単一金種からなる硬貨が導入側ベルト27によって硬貨通路19の通路面18の上流側で搬送され、その際に硬貨検知センサ47によって計数され、導入側ベルト27から送出されて、上流側搬送ベルト28で識別部48および上流側硬貨選別部50に向けて搬送されることになる。そして、制御部70は、導入側ベルト27の位置の硬貨通路19に設けられた硬貨検知センサ47によって所定の繰出枚数の硬貨を計数したタイミングに基づいて、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29の駆動を維持し且つ導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の駆動および駆動モータ15による駆動機構12の駆動を停止させることになって、それ以上の上流側搬送ベルト28への硬貨の送出を規制する。これにより、上流側搬送ベルト28の位置にあった硬貨がすべて上流側硬貨選別部28で選別された後は、硬貨通路19内に残留する硬貨が、導入側ベルト27の範囲内にある硬貨のみとなる。したがって、硬貨通路19内に残留する硬貨を少なくすることができ、例えば、残留する硬貨を繰出機構12側に戻す場合に処理に時間がかかること等がなく、処理効率を向上することができる。
また、計数モードの実行時において、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の駆動を停止させた以降に硬貨検知センサ47によって硬貨が検知された場合に、制御部70が、導入側駆動モータ33により導入側ベルト27を、硬貨を繰出機構12側に戻す方向に回転させることで、硬貨を繰出機構12側に戻すことができる。
また、計数モードの実行時に、制御部70が、硬貨検知センサ60によって計数された硬貨の枚数(例えば100枚)と、硬貨検知センサ62によって計数された硬貨の枚数(例えば2枚)との差分である差分枚数(例えば98枚)が所定の指定枚数(例えば100枚)に達しない場合には、硬貨検知センサ47が所定の指定枚数と差分枚数との差の算出枚数(例えば2枚)の硬貨を計数するまで、停止させた導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の駆動および繰出モータ15による繰出機構12の駆動を行うため、取出選別部51で選別されずリジェクト選別部52で選別された分の硬貨を導入側ベルト27から上流側搬送ベルト28に追加して送出することができる。
また、制御部70が、計数モードの実行中に、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の停止前において、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の駆動を停止させる判断基準となる所定の繰出枚数を識別部48の識別結果に基づいて変更するため、識別部48によってリジェクト選別部52からリジェクト口に案内されるリジェクト硬貨と判断された枚数の硬貨分を、追加して上流側搬送ベルト28に繰り出させてから導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の駆動および繰出モータ15による繰出機構12の駆動を停止させることができる。したがって、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の再駆動の回数を抑制することができる。
なお、計数モードの実行時に、例えば、上記した所定の繰出枚数の初期値として所定の指定枚数(例えば100枚)に予め所定の余裕枚数(例えば1枚)を加算した値(例えば101枚)を設定するようにしても良い。つまり、所定の指定枚数にリジェクト分を加味して繰出機構12および導入側ベルト27から上流側搬送ベルト28に硬貨を繰り出すのである。この場合、上流側硬貨選別部50は、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28の駆動により硬貨通路19を搬送される硬貨を、識別部48の識別結果および硬貨検知センサ60の計数結果に基づいて、硬貨検知センサ60よりも下流側の取出選別部51およびリジェクト選別部52に振り分ける。つまり、上流側硬貨選別部50は、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28の駆動により硬貨通路19を搬送される硬貨を、識別部48および硬貨検知センサ60の識別結果に基づいて、例えば、計数対象硬貨を所定の指定枚数(例えば100枚)まで取出選別部51に、計数対象硬貨の所定の指定枚数を超える分(例えば1枚)を取出選別部51よりも下流側のリジェクト選別部52に振り分けることになる。
このように構成すれば、所定の指定枚数の硬貨を取出選別部51に案内し、所定の指定枚数を超える硬貨をリジェクト選別部52に案内することができる。勿論、高速で導入側ベルト27が駆動されることから、所定の繰出枚数に余裕枚数を加味しておかなくても、所定の繰出枚数(例えば100枚)を超えた硬貨(例えば101枚)が、導入側ベルト27から上流側搬送ベルト28に渡ってしまうことがあり、この場合も、多く渡った分の硬貨(例えば1枚)を、同様の制御を行ってリジェクト選別部52に振り分けることになる。
また、上記実施形態においては、識別部48の識別結果に基づいて上記した所定の繰出枚数を変更するようにしたが、変更せずに所定の繰出枚数を常に所定の指定枚数として制御しても良い。この場合、識別部48を通過する硬貨に計数対象硬貨でない硬貨が含まれている場合の制御を以下のように変更する。
つまり、制御部70が、今回の計数モードにおいて、識別部48を通過する硬貨に計数対象硬貨でない硬貨が含まれている場合、硬貨検知センサ60によって所定の指定枚数(例えば100枚)の硬貨が計数され、且つ硬貨検知センサ62によって何枚かの硬貨が計数されることになり、硬貨検知センサ62によって計数されたリジェクト枚数(例えば2枚)を除く枚数(例えば98枚)の硬貨のみが取出選別部51から取出口に案内され、取出口に案内される硬貨が所定の指定枚数(例えば100枚)に対して不足する。このため、この場合に、制御部70は、所定の指定枚数目(例えば100枚目)の硬貨が硬貨検知センサ60によって計数され、これが計数対象硬貨でない硬貨の場合、さらに硬貨検知センサ62によって計数されるタイミングで、リジェクト枚数(例えば2枚)を割り出し、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28および下流側搬送ベルト29の正回転の駆動状態は維持したまま、硬貨検知センサ47が、リジェクト枚数(例えば2枚)の硬貨を計数するまで、停止させた導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動および繰出モータ15による繰出機構12の正回転駆動を再開させる。そして、硬貨検知センサ47が、このリジェクト枚数の硬貨を計数すると、制御部70は、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動および繰出モータ15による繰出機構12の正回転駆動を停止させる。このときも、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動を停止させた以降に硬貨検知センサ47によって硬貨が検知された場合に、導入側駆動モータ33により導入側ベルト27を、硬貨を繰出機構12側に戻す方向に、少なくとも硬貨検知センサ47によって硬貨が検知されない状態となるまで逆回転させて停止させる。
そして、上記と同様に、制御部70は、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動により繰り出され識別部48で識別される硬貨がすべて計数対象硬貨である場合、導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動により繰り出され硬貨検知センサ60で計数される硬貨の枚数がリジェクト枚数となり、リジェクト枚数目の硬貨が取出選別部51の選別孔54に確実に落下するタイミングで、搬送駆動モータ43による上流側搬送ベルト28の正回転駆動を停止させる。
また、導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動により繰り出され識別部48で識別される硬貨に計数対象硬貨でない硬貨が含まれている場合、導入側ベルト27の正回転駆動の、直前の再開作動により繰り出され硬貨検知センサ60によって計数される硬貨の枚数がリジェクト枚数となり、リジェクト枚数目の硬貨が計数対象硬貨でない硬貨であった場合にこれを硬貨検知センサ62で計数するタイミングで、制御部70は、硬貨検知センサ62によって新たに計数された硬貨の枚数を新たなリジェクト枚数として、上記と同様にして不足する枚数の硬貨を追加して繰り出し搬送する。
このようにして、一の計数モードの実行時に、硬貨検知センサ60によって計数された硬貨の枚数と、硬貨検知センサ62によって計数された硬貨の枚数との差分である差分枚数が、上記した所定の指定枚数に達するまで上記を必要に応じて繰り返す。
このように、計数モードの実行時に、制御部70が、硬貨検知センサ60によって所定の指定枚数(繰出枚数)の硬貨が計数され、且つ硬貨検知センサ62によって硬貨が計数された場合に、硬貨検知センサ47が硬貨検知センサ62によって計数されたリジェクト枚数の硬貨を計数するまで、停止させた導入側駆動モータ33による導入側ベルト27の駆動および繰出モータ15による繰出機構12の駆動を行うため、取出選別部51に選別されずリジェクト選別部52に選別された硬貨の分を繰出機構12および導入側ベルト27から上流側搬送ベルト28に追加して送出することができる。
本発明の一実施形態の硬貨処理機の内部構成を示す平面図である。 本発明の一実施形態の硬貨処理機の制御系の要部構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 硬貨処理機
12 繰出機構
19 硬貨通路
26 搬送機構(搬送手段)
27 導入側ベルト(第1の搬送ベルト)
28 上流側搬送ベルト(第2の搬送ベルト)
33 導入側駆動モータ(第1の駆動手段)
43 搬送駆動モータ(第2の駆動手段)
47 硬貨検知センサ(導入計数手段)
48 識別部(識別手段)
50 上流側硬貨選別部(硬貨選別部)
51 取出選別部
52 リジェクト選別部
60 硬貨検知センサ(搬送計数手段)
62 硬貨検知センサ(リジェクト計数手段)
70 制御部(制御手段)

Claims (7)

  1. 投入された硬貨を一枚ずつ繰り出す繰出機構と、該繰出機構から繰り出された硬貨を繰り出された順番に並べて移送可能な硬貨通路と、該硬貨通路に沿って設けられ、前記繰出機構から前記硬貨通路内へ繰り出された硬貨を上方より押圧しながら該硬貨通路に沿って搬送する搬送手段と、該搬送手段によって前記硬貨通路内を搬送される硬貨を金種識別する識別手段と、前記搬送手段によって前記硬貨通路内を搬送される硬貨を前記識別手段の識別結果に基づいて選別する硬貨選別部と、を備えた硬貨処理機において、
    前記搬送手段は、前記繰出機構から繰り出された硬貨を前記硬貨通路の上流側で搬送する第1の搬送ベルトと、該第1の搬送ベルトを駆動する第1の駆動手段と、前記第1の搬送ベルトから送出された硬貨を、該第1の搬送ベルトよりも下流側で前記識別手段および前記硬貨選別部に搬送する第2の搬送ベルトと、該第2の搬送ベルトを駆動する第2の駆動手段とを有しており、
    前記第1の搬送ベルトの位置の前記硬貨通路に設けられて硬貨を計数する導入計数手段と、
    単一金種の硬貨を計数して所定の指定枚数取り出す計数モードの実行時に、前記導入計数手段によって所定の繰出枚数の硬貨を計数したタイミングに基づいて、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動を維持し且つ前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を停止させる制御手段とを備えたことを特徴とする硬貨処理機。
  2. 前記制御手段は、前記計数モードの実行時に、前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を停止させた以降に前記導入計数手段によって硬貨が検知された場合に、前記第1の駆動手段により前記第1の搬送ベルトを、硬貨を前記繰出機構側に戻す方向に回転させることを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理機。
  3. 前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を前記識別手段よりも下流側で計数する搬送計数手段を有しており、
    前記計数モードの実行時に、前記硬貨選別部は、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を、前記識別手段の識別結果および前記搬送計数手段の計数結果に基づいて、該搬送計数手段よりも下流側の取出選別部およびリジェクト選別部に振り分けることを特徴とする請求項1または2に記載の硬貨処理機。
  4. 前記計数モードの実行時に、前記硬貨選別部は、前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を、前記搬送計数手段の識別結果に基づいて、前記指定枚数まで前記取出選別部に、前記指定枚数を超える分を前記取出選別部よりも下流側の前記リジェクト選別部に振り分けることを特徴とする請求項3に記載の硬貨処理機。
  5. 前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を前記取出選別部と該取出選別部よりも下流側の前記リジェクト選別部との間で計数するリジェクト計数手段を有しており、
    前記制御手段は、前記計数モードの実行時に、前記搬送計数手段によって計数された硬貨の枚数と、前記リジェクト計数手段によって計数された硬貨の枚数との差分である差分枚数が前記指定枚数に達しない場合、前記導入計数手段が前記指定枚数と前記差分枚数との差の枚数の硬貨を計数するまで、停止させた前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の硬貨処理機。
  6. 前記第2の駆動手段による前記第2の搬送ベルトの駆動により前記硬貨通路を搬送される硬貨を前記取出選別部と該取出選別部よりも下流側の前記リジェクト選別部との間で計数するリジェクト計数手段を有しており、
    前記制御手段は、前記計数モードの実行時に、前記搬送計数手段によって前記繰出枚数の硬貨が計数され、且つ前記リジェクト計数手段によって硬貨が計数された場合に、前記導入計数手段が前記リジェクト計数手段によって計数された枚数の硬貨を計数するまで、停止させた前記第1の駆動手段による前記第1の搬送ベルトの駆動を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の硬貨処理機。
  7. 前記制御手段は、前記計数モードの実行中に、前記繰出枚数を前記識別手段の識別結果に基づいて変更することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の硬貨処理機。
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