本発明の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。図1に示す本実施形態に係る紙葉類処理装置11は、投入された紙葉類Sに対して所定の処理を行うものである。具体的に、紙葉類処理装置11は、紙葉類Sとしての図2に示す処理対象紙幣S(a)を処理対象として識別処理を行うものであり、処理対象紙幣S(a)を識別し金種別に計数して合計金額等を算出する処理を行うものである。
図1に示す紙葉類処理装置11は、図2に示すように複数枚の処理対象紙幣S(a)が厚さ方向に連続的に集積されて一纏めにされてなる区分部B(a)を、複数連続して処理可能となっている。その際に、各区分部B(a)の境界を判断するため、言い換えれば各区分部B(a)を区分けするために紙葉類Sである仕切りカードS(b)が用いられる。
ここで、各区分部B(a)は、処理対象紙幣S(a)をバッチ処理単位毎に纏めたものである。区分部B(a)は、上記のように複数枚の処理対象紙幣S(a)が厚さ方向に連続的に集積されて一纏めにされてなる場合が多いが、一枚のみの処理対象紙幣S(a)からなる場合もある。
図2に示すように、一のバッチ処理単位の複数枚の処理対象紙幣S(a)からなる区分部B(a)と、他のバッチ処理単位の複数枚の処理対象紙幣S(a)からなる区分部B(a)との境界を判断するために仕切りカードS(b)が用いられる。また、一のバッチ処理単位の一枚の処理対象紙幣S(a)からなる区分部B(a)と、他のバッチ処理単位の一枚の処理対象紙幣S(a)からなる区分部B(a)との境界を判断するためにも仕切りカードS(b)が用いられる。更に、一のバッチ処理単位の一枚の処理対象紙幣S(a)からなる区分部B(a)と、他のバッチ処理単位の複数枚の処理対象紙幣S(a)からなる区分部B(a)との境界を判断するためにも仕切りカードS(b)が用いられる。よって、紙葉類処理装置11は、少なくとも一枚の処理対象紙幣S(a)と、この少なくとも一枚の処理対象紙幣S(a)と重ねて配置される仕切りカードS(b)とで構成される紙葉類群Gが少なくとも二つ一緒にセット可能であり、これら少なくとも二つの紙葉類群Gを連続的に処理可能となっている。
図1に示すように、紙葉類処理装置11は、その右側面の下部に設けられて右側方に開口する投入口12と、同じく右側面の上下方向中間部に設けられて右側方だけ、又は右側方及び前方に亘って開口するリジェクト部13と、投入口12及びリジェクト部13の左方に配置されて装置前面に開口する複数(具体的には12カ所)の集積部14とを有している。
投入口12には、紙葉類Sが上下方向に集積された状態でセットされることになり、投入口12は、セットされた紙葉類Sを最下のものから一枚ずつ分離し繰り出して紙葉類処理装置11内に取り込む。紙葉類処理装置11の内部には、投入口12から取り込まれた紙葉類Sを搬送する搬送部21と、搬送部21で搬送中の紙葉類Sを識別し、そのうちの処理対象紙幣S(a)の金種等を識別しつつ計数する識別部22とが設けられている。
搬送部21は、識別部22よりも下流側の部分が識別部22の識別結果に基づいて紙葉類Sをリジェクト部13及び複数の集積部14に択一的に振り分ける。搬送部21は、各部を結ぶように適宜分離して配置されて紙葉類Sを搬送する搬送路25と、搬送路25の各分岐位置に設けられて紙葉類Sを振り分ける複数の振分部26とを有している。
リジェクト部13は、投入口12で紙葉類処理装置11内に取り込まれた処理対象紙幣S(a)のうち、識別部22で正常紙幣以外と識別されたリジェクト処理対象紙幣S(a)を含む紙葉類Sを紙葉類処理装置11外に取り出し可能に排除するものである。リジェクト部13は、搬送部21から繰り出される紙葉類Sを繰り出し順(言い換えれば投入口12の取り込み順)に下から上に集積させる。
複数の集積部14は、投入口12で紙葉類処理装置11内に取り込まれた処理対象紙幣S(a)のうち、識別部22で正常と識別された正常処理対象紙幣S(a)を紙葉類処理装置11外に取り出し可能に集積させるものである。複数の集積部14は、いずれも搬送部21から繰り出された処理対象紙幣S(a)を繰り出し順(言い換えれば投入口12の取り込み順)に下から上に集積させる。
紙葉類処理装置11の前面には、操作入力を受け付けるとともに情報表示を行う操作表示部31が設けられている。また、紙葉類処理装置11の内部には、各部を制御する制御部32と、識別の基準となるマスタデータや識別計数結果のデータ等を記憶する記憶部33とが設けられている。
投入口12は、上述したように紙葉類処理装置11の右側面に右側方に開口するように設けられており、水平に対して若干左下がりに傾斜して配置される底部40と、底部40の奥側位置から底部40に対して垂直に延出して配置される壁部41と、底部40の幅方向の一端縁部から底部40に対して垂直に延出する図3に示す壁部42と、底部40の幅方向の他端縁部から底部40に対して垂直に延出する壁部43とを有している。壁部42と壁部43とは平行に配置されており、これらに対して壁部41は垂直に配置されている。壁部42は紙葉類処理装置11における前側に配置され、壁部43は紙葉類処理装置11における後側に配置されている。投入口12には、紙葉類Sが、図4に示すように底部40上に、壁部42,43間に配置され、少なくとも壁部41に当接するように載置される。
投入口12には、長方形状の紙葉類Sが、長辺が壁部41に沿い、短辺が壁部42,43に沿うようにしてセットされる。言い換えれば、紙葉類Sは、その長手方向(長辺方向)が、投入口12の長手方向(幅方向)である壁部42,43同士を結ぶ方向と一致し、短手方向(短辺方向)が壁部41に垂直をなすようにして、投入口12にセットされる。投入口12は、壁部42,43間の長さが、図2に示す処理対象紙幣S(a)の最も長さの長いものとほぼ同じ長さであり、処理対象紙幣S(a)の最も長さの長いものの長さよりも若干長くなっている。図1に示すように、投入口12は、底部40の上方に設けられて壁部41に沿って昇降するビルプレス45を有しており、ビルプレス45は、底部40上に載置された紙葉類Sを底部40に向けて押圧する。
投入口12は、底部40上にセットされた紙葉類Sのうちの最下の紙葉類Sを搬送部21に向けて蹴り出す蹴出ローラ51と、蹴出ローラ51で蹴り出された紙葉類Sを紙葉類処理装置11の内部に取り込んで搬送部21に受け渡す取込ローラ52と、取込ローラ52で取り込む紙葉類Sを一枚ずつに分離する分離ローラ53とを有している。投入口12は、図2に示す少なくとも一枚の処理対象紙幣S(a)と、処理対象紙幣S(a)と重ねて配置される仕切りカードS(b)とからなる紙葉類群Gを紙葉類処理装置11の内部に取り込む。
投入口12は、上記の紙葉類処理装置11の右側面に右側方に開口するように設けられていることから、その幅方向が紙葉類処理装置11の前後方向に一致している。図3に示すように、取込ローラ52は、投入口12の幅方向の略中央部に設けられており、この取込ローラ52と外周面同士が接触する図1に示す分離ローラ53も投入口12の幅方向の略中央部に設けられている。
紙葉類処理装置11には、図3に示すように、投入口12の近傍位置に、紙葉類Sの取り込みの有無を検出する取込センサ55(検出部)が設置されている。取込センサ55は、投入口12よりも投入口12の幅方向に垂直な搬送方向の奥側(下流側)に設けられており、図1に示す搬送路25を移動する紙葉類Sが通過する位置に設けられている。図3に示すように、取込センサ55は、取込ローラ52との干渉を避けるため、投入口12の幅方向の中央部に対して、この幅方向に所定距離変位した位置に配置されている。具体的に、取込センサ55は、投入口12の幅方向の中央部よりもこの幅方向において壁部43側に所定距離ずれて配置されている。
取込センサ55は、投入口12から取り込まれた紙葉類Sを間に通過させるように配置された発光素子と受光素子とを有する光透過型のセンサである。取込センサ55は、発光素子の発光光を受光素子が受光する透光状態にあると取込センサ55の位置に紙葉類Sがないことを検出し、発光素子の発光光を受光素子が受光しない遮光状態にあると取込センサ55の位置に紙葉類Sがあることを検出する。取込センサ55は、壁部42,43間に配置されて取り込まれる仕切りカードS(b)及び全金種の処理対象紙幣S(a)を検出可能な位置に設けられており、よって、投入口12からの紙葉類群Gの取り込みを検出する。
仕切りカードS(b)は、長方形状であり、その長手方向の長さが、処理対象紙幣S(a)の最も長さが長いものの長さと同等で、壁部42,43間の長さより若干短くなっている。よって、仕切りカードS(b)は、処理対象紙幣S(a)と同等の長さ又は若干長い長さとなっている。投入口12には、仕切りカードS(b)が、長辺が壁部41に沿い、短辺が壁部42,43に沿うようにしてセットされる。更に、投入口12には、仕切りカードS(b)が、壁部41及び壁部43に当接するようにしてセットされる。投入口12は、いずれも紙葉類Sである仕切りカードS(b)及び処理対象紙幣S(a)をそれぞれの短手方向に沿って壁部41側に搬送して紙葉類処理装置11の内部に取り込むことになり、搬送部21も、仕切りカードS(b)及び処理対象紙幣S(a)をそれぞれの短手方向に沿って搬送する。
仕切りカードS(b)には、最も面積が広い主面部61に四つの識別孔群62a,62b,62c,62dが形成されている。ここで、主面部61の長手方向は仕切りカードS(b)の長手方向と一致し、主面部61の長手方向長さは仕切りカードS(b)の長手方向長さと一致する。主面部61の短手方向は仕切りカードS(b)の短手方向と一致し、主面部61の短手方向長さは仕切りカードS(b)の短手方向長さと一致する。
識別孔群62a〜62dは同形状をなしており、いずれも主面部61の短手方向に並んで二つ設けられた貫通孔63で構成されている。仕切りカードS(b)は、その短手方向に沿って移動するように搬送されるため、仕切りカードS(b)の短手方向に並んで設けられた二つの貫通孔63は、搬送方向に沿って並んでいるとも言える。すべての貫通孔63は、仕切りカードS(b)の一方の主面部61からその裏の図6に示す主面部64に貫通しており、よって、主面部64にも、識別孔群62a〜62dが形成されている。
図3に示すように、すべての識別孔群62a〜62dを構成する八つの貫通孔63は、同一の矩形状、具体的には長方形状をなしており、すべての貫通孔63は、長手方向を主面部61の長手方向に一致させている。また、同一の識別孔群を構成する二つの貫通孔63は、主面部61の長手方向の位置を互いに一致させている。すべての識別孔群62a〜62dは、それぞれを構成する二つの貫通孔63の主面部61の短手方向の間隔が所定の等間隔となっている。
一つの識別孔群62aは、主面部61の長手方向の中央部よりも一側に変位し且つ短手方向の中央部よりも一側に変位して形成されており、他の一つの識別孔群62bは、主面部61の長手方向の中央部よりも他側に変位し且つ短手方向の中央部よりも他側に変位して形成されている。更に他の一つの識別孔群62cは、主面部61の長手方向の中央部よりも他側に変位し且つ短手方向の中央部よりも一側に変位して形成されており、更に他の一つの識別孔群62dは、主面部61の長手方向の中央部よりも一側に変位し且つ短手方向の中央部よりも他側に変位して形成されている。つまり、識別孔群62a〜62dは、仕切りカードS(b)の主面部61の搬送部21による搬送方向(以下、搬送方向と称す)に直交する第一方向(以下、搬送直交方向と称す)の中央部からこの方向に変位した位置に形成されている。また、識別孔群62a〜62dは、仕切りカードS(b)の主面部61の搬送直交方向(長手方向)の一方に二つの識別孔群62a,62dが形成されると共に、他方に二つの識別孔群62b,62cが形成されている。
識別孔群62a,62cは、主面部61の短手方向の位置を合わせて長手方向に並んでおり、識別孔群62b,62dも、主面部61の短手方向の位置を合わせて長手方向に並んでいる。識別孔群62a,62dは、主面部61の長手方向の位置を合わせて短手方向に並んでおり、識別孔群62b,62cも、主面部61の長手方向の位置を合わせて短手方向に並んでいる。
これら識別孔群62a〜62dは、最も近い主面部61の短辺との距離L1がいずれも同じになっており、最も近い主面部61の長辺との距離L2がいずれも同じになっている。
以上により、識別孔群62a,62dは、主面部61において、これらに近い側の短辺(図3における右側の短辺)から、これらから遠い側の短辺(図3における左側の短辺)に向けて所定の距離L1ずれた位置に配置されている。識別孔群62b,62cは、主面部61のこれらに近い側の短辺(図3における左側の短辺)から、これらから遠い側の短辺(図3における右側の短辺)に向けて、識別孔群62a,62dとこれらに近い側の短辺との距離と同じ所定の距離L1ずれた位置に配置されている。
また、識別孔群62a,62cは、主面部61において、識別孔群62a,62cに近い側の長辺(図3における上側の長辺)から、これらから遠い側の長辺(図3における下側の長辺)に向けて所定の距離L2ずれた位置に配置されている。識別孔群62b,62dは、主面部61のこれらに近い側の長辺(図3における下側の長辺)から、これらから遠い側の長辺(図3における上側の長辺)に向けて、識別孔群62a,62cとこれらに近い側の長辺との距離と同じ所定の距離L2ずれた位置に配置されている。
更に、主面部61の長手方向の一方の識別孔群62a,62dと他方の識別孔群62c,62bとは、主面部61の長手方向の中央部に対して対称に形成されている。加えて、主面部61の短手方向の一方の識別孔群62a,62cと他方の識別孔群62d,62bとは、主面部61の短手方向の中央部に対して対称に形成されている。
識別孔群62a〜62dと、それぞれに最も近い主面部61の短辺との間の長手方向の長さは、取込センサ55とこれに近い側の投入口12の幅方向の端部である壁部43との間の、この幅方向の長さと同じ長さになっている。主面部61の長手方向である搬送直交方向の一方の識別孔群62a,62dと、これらに近い側の主面部61のこの搬送直交方向の一方の端部との間のこの搬送直交方向の長さ、及び、この搬送直交方向の他方の識別孔群62b,62cと、これらに近い側の主面部61のこの搬送直交方向の他方の端部との間のこの搬送直交方向の長さは、取込センサ55とこれに近い側の投入口12の幅方向の端部である壁部43との間のこの幅方向の長さと同じ長さになっている。
以上により、仕切りカードS(b)が投入口12から取り込まれると、取込センサ55は、仕切りカードS(b)の識別孔群62a〜62d以外の身の部分で遮光状態になると共に識別孔群62a〜62dのうち、仕切りカードS(b)の長手方向の位置が取込センサ55と合う二つのそれぞれ二カ所の貫通孔63で透光状態となる。つまり、取込センサ55は、紙葉類群Gを構成する紙葉類Sの有無及び紙葉類Sの識別孔群62a〜62dの有無を透光/遮光によって検出する。
ここで、紙葉類Sが投入口12の壁部42,43間にセットされた状態から取り込まれる場合に、制御部32は、取込センサ55が、紙葉類Sの遮光による検出開始後の所定の監視時間内に識別孔群62a〜62dのうちの一つを透光により検出したか否かで、紙葉類Sが仕切りカードS(b)であるか処理対象紙幣S(a)であるかを識別する。ここで、上記の監視時間は、例えば、識別孔群62aに近い側の仕切りカードS(b)の長辺と、識別孔群62aのこの長辺から遠い側の貫通孔63との間の最大距離よりも長く、この長辺と識別孔群62dのこの長辺に近い側の貫通孔63との間の最小距離よりも短い所定長さを、投入口12による取り込みの搬送速度で割った値となっている。
例えば、図4に示すように、主面部61が鉛直方向上側を向き、識別孔群62a,62cが識別孔群62b,62dよりも壁部41に近くなる向きで仕切りカードS(b)が投入口12に配置されると、取込センサ55は、壁部41に近く壁部43に近い識別孔群62aを、この仕切りカードS(b)の遮光による検出開始後、監視時間内に生じる二回の透光によって検出することになる。
また、図5に示すように、主面部61が鉛直方向上側を向き、識別孔群62b,62dが識別孔群62a,62cよりも壁部41に近くなる向きで仕切りカードS(b)が投入口12に配置されると、取込センサ55は、壁部41に近く壁部43に近い識別孔群62bを、この仕切りカードS(b)の遮光による検出開始後、監視時間内に生じる二回の透光によって検出することになる。
また、図6に示すように、主面部64が鉛直方向上側を向き、識別孔群62a,62cが識別孔群62b,62dよりも壁部41に近くなる向きで仕切りカードS(b)が投入口12に配置されると、取込センサ55は、壁部41に近く壁部43に近い識別孔群62cを、この仕切りカードS(b)の遮光による検出開始後、監視時間内に生じる二回の透光によって検出することになる。
また、図7に示すように、主面部64が鉛直方向上側を向き、識別孔群62b,62dが識別孔群62a,62cよりも壁部41に近くなる向きで仕切りカードS(b)が投入口12に配置されると、取込センサ55は、壁部41に近く壁部43に近い識別孔群62dを、この仕切りカードS(b)の遮光による検出開始後、監視時間内に生じる二回の透光によって検出することになる。
制御部32は、取込センサ55の検出状態が、紙葉類Sの最短の取り込み間隔に相当する所定時間以上の透光状態から遮光状態になると紙葉類Sの取り込み開始を検出することになり、この紙葉類Sの取り込み開始検出後の監視時間内に透光、遮光、透光、遮光のパターンの状態変化が生じると、この紙葉類Sを仕切りカードS(b)と識別する。紙葉類Sの取り込み開始検出後の監視時間内に透光、遮光、透光、遮光のパターンの状態変化が生じなければ、この紙葉類Sを処理対象紙幣S(a)と識別する。即ち、制御部32は、取込センサ55が、投入口12からの取り込み及び識別孔群62a〜62dの一つを検出した紙葉類Sを仕切りカードS(b)と判定し、取込センサ55が、投入口12からの取り込みを検出し、識別孔群62a〜62dの一つを検出しなかった紙葉類Sを処理対象紙幣S(a)と識別する。
制御部32は、投入口12にセットされた複数の紙葉類群Gを、それぞれ紙葉類群G毎に区分けして、それぞれの区分部B(a)を複数の集積部14に振り分ける。また、制御部32は、各紙葉類群Gを、仕切りカードS(b)と、処理対象紙幣S(a)とに区分けして、仕切りカードS(b)をリジェクト部13に、処理対象紙幣S(a)を集積部14に搬送する。
図3に示すように、主面部61には、識別孔群62a,62cと識別孔群62b,62dとの間となる短手方向の中央位置に、他との識別のための数値や文字等の識別情報を表すバーコード等の識別表示部71が印刷されている。言い換えれば、主面部61の短手方向の中央部に識別表示部71が形成されていることから、各識別孔群62a〜62dは、主面部61の短手方向の中央部からずれた位置に形成されている。ここでは、識別孔群62a〜62dは、主面部61の長手方向において、識別表示部71と位置が重なるように配置されている。一枚の仕切りカードS(b)においては、主面部61に印刷された識別表示部71と同じものが、図6に示す主面部64にも識別孔群62a,62cと識別孔群62b,62dとの間となる短手方向の中央位置に印刷されている。
図3に示すように、仕切りカードS(b)は、識別孔群62a,62dと識別孔群62b,62cとの間の部分が、取込ローラ52及び分離ローラ53に接触しつつこれらの間を通過するようになっている(図3に示す二点鎖線間が取込ローラ52及び分離ローラ53の通過範囲を示す)。言い換えれば、各識別孔群62a〜62dは、主面部61,64の長手方向の中央部を取込ローラ52及び分離ローラ53が通過するので、主面部61,64の長手方向の中央部からずれた位置に形成されている。
本実施形態に係る紙葉類処理装置11では、一つの紙葉類群Gにおいて区分部B(a)のそれぞれの集積方向(厚さ方向)両外側のうちの一方である区分部B(a)の集積方向の前側(投入口12へのセット状態での下側)の直前位置のみに、直後位置の区分部B(a)を識別するための仕切りカードS(b)が配置されるようになっている。つまり、区分部B(a)のそれぞれの始端を識別するためのスタートカードとして仕切りカードS(b)が使用される。なお、これに限らず、区分部B(a)のそれぞれの集積方向の後側(投入口12へのセット状態での上側)の直後位置のみに、直前位置の区分部B(a)の終端を識別するためのエンドカードとして仕切りカードS(b)が配置されるようにしても良い。或いは、区分部B(a)のそれぞれの集積方向の前後両側に区分部B(a)のそれぞれの始端及び終端を識別するためのスタートカード及びエンドカードとして二枚の仕切りカードS(b)が配置されるようにしても良い。
紙葉類処理装置11では、各区分部B(a)を識別処理するにあたり、操作者の操作表示部31への操作入力に基づいて、各区分部B(a)と、仕切りカードS(b)の識別表示部71との一対一の対応関係を記憶部33に記憶する設定処理を行う。その後、操作者が、識別表示部71を有する仕切りカードS(b)を対応する区分部B(a)の投入口12による集積方向前側に配置するようにして、これらを投入口12にセットする。このとき、複数の区分部B(a)を一度に処理可能であり、その場合、複数の区分部B(a)のそれぞれの投入口12による集積方向前側に、一対一で対応する仕切りカードS(b)を配置して、投入口12にセットする。
そして、処理開始の操作指示入力が操作表示部31に入力されると、制御部32は、投入口12の蹴出ローラ51及び取込ローラ52を、投入口12の紙葉類Sを搬送部21に向けて繰り出す取り込み方向に駆動するとともに、搬送部21を駆動する。すると、最下の紙葉類Sが蹴出ローラ51で取込ローラ52側に蹴り出され、取込ローラ52及び分離ローラ53で一枚ずつに分離されて搬送部21側に取り込まれ、搬送部21で搬送される。投入口12によって取り込まれた紙葉類Sは、まず、搬送部21に受け渡される前に取込センサ55によって検出されることになる。制御部32は、取込センサ55が、遮光により投入口12からの取り込みを検出し、この取り込みの検出開始後の監視時間内に識別孔群62a〜62dの一つを二回の透光により検出した紙葉類Sを、仕切りカードS(b)と識別する一方、遮光により投入口12からの取り込みを検出し、この取り込みの検出開始後の監視時間に二回の透光が発生せず識別孔群62a〜62dのいずれも検出しなかった紙葉類Sを処理対象紙幣S(a)と識別する。
以下、異なる二枚の仕切りカードS(b)を、第1の仕切りカードS(b)、第2の仕切りカードS(b)として区別し、他の構成についても同様に区別して説明する。
投入口12に、第1の仕切りカードS(b)と第1の区分部B(a)とで構成される第1の紙葉類群G上に、第2の仕切りカードS(b)と第2の区分部B(a)とで構成される第2の紙葉類群Gが重ねて配置されると共に、第1の仕切りカードS(b)及び第2の仕切りカードS(b)が、投入口12の壁部41及び壁部43に当接するようにして配置され、搬送部21で搬送されると、第1の仕切りカードS(b)はその第1の識別表示部71が識別部22で読み取られることになる。制御部32は、識別部22で読み取り後の第1の仕切りカードS(b)を搬送部21及び振分部26によってリジェクト部13に搬送させる。
そして、この第1の仕切りカードS(b)に続いて搬送される処理対象紙幣S(a)を、第1の仕切りカードS(b)の第1の識別表示部71が表す第1の識別情報に対応する第1の区分部B(a)を構成する処理対象紙幣S(a)として、順次識別部22によって識別させて計数させる。制御部32は、第1の区分部B(a)を構成する処理対象紙幣S(a)のうち、識別部22の識別結果から正常紙幣と識別された正常処理対象紙幣S(a)を、搬送部21及び振分部26によってこの第1の区分部B(a)に対応する第1の集積部14に集積させることになり、正常紙幣以外と識別されたリジェクト処理対象紙幣S(a)を、搬送部21及び振分部26によってリジェクト部13に搬送させる。
取込センサ55が、第1の仕切りカードS(b)の次の第2の仕切りカードS(b)を検出すると、制御部32は、蹴出ローラ51及び取込ローラ52を停止させて、投入口12による、紙葉類群Gを構成する紙葉類Sの取り込みを一旦停止させる。このとき、紙葉類Sである第2の仕切りカードS(b)は、取込ローラ52と分離ローラ53との間で停止する。制御部32は、取り込み停止時に搬送部21を停止させることはなく、第1の区分部B(a)を構成する処理対象紙幣S(a)の識別部22による識別、正常処理対象紙幣S(a)の第1の集積部14への搬送、及びリジェクト処理対象紙幣S(a)のリジェクト部13への搬送を継続する。
そして、第1の区分部B(a)を構成する処理対象紙幣S(a)がすべて第1の集積部14及びリジェクト部13のいずれかに搬送されて、搬送部21上に処理対象紙幣S(a)がなくなったと判定すると、制御部32は、第1の仕切りカードS(b)と第1の区分部B(a)とからなる第1の紙葉類群Gの処理が終了したと判定して、蹴出ローラ51及び取込ローラ52を再駆動して、これらの間に停止していた第2の紙葉類群Gの第2の仕切りカードS(b)を搬送部21に受け渡す。すると、第2の仕切りカードS(b)は搬送部21で搬送され、その第2の識別表示部71が識別部22で読み取られることになる。制御部32は、識別部22で読み取り後の第2の仕切りカードS(b)を搬送部21及び振分部26によってリジェクト部13に搬送させる。
そして、この第2の仕切りカードS(b)に続いて搬送される処理対象紙幣S(a)を、第2の仕切りカードS(b)の第2の識別表示部71が表す第2の識別情報に対応する第2の区分部B(a)を構成する処理対象紙幣S(a)として、順次識別部22によって識別させて計数させる。制御部32は、第2の区分部B(a)を構成する処理対象紙幣S(a)のうち、識別部22の識別結果から正常紙幣と識別された正常処理対象紙幣S(a)を、搬送部21及び振分部26によってこの第2の区分部B(a)に対応する第2の集積部14に集積させることになり、正常紙幣以外と識別されたリジェクト処理対象紙幣S(a)を、搬送部21及び振分部26によってリジェクト部13に搬送させる。
このようにして、制御部32は、第1の仕切りカードS(b)を含む第1の紙葉類群Gと、第2の仕切りカードS(b)を有する第2の紙葉類群Gとを区分けする。
以上を適宜繰り返すことで、投入口12に紙葉類Sがなくなったことを、取込センサ55の透光状態が所定時間連続することで検知すると、制御部32は、各集積部14へ集積させた区分部B(a)の正常処理対象紙幣S(a)の識別及び計数の集計結果に基づく例えば合計金額を、各集積部14の識別と対応付けて操作表示部31に表示させる。
上記の紙葉類処理装置11によれば、少なくとも一枚の処理対象紙幣S(a)と仕切りカードS(b)とを有する紙葉類群Gを投入口12が取り込むと、取込センサ55は、投入口12からの紙葉類群Gの取り込みを検出すると共に、仕切りカードS(b)の主面部61,64に搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔63で構成される識別孔群62a〜62dの一つを検出する。そして、制御部32は、取込センサ55が取り込み及び識別孔群62a〜62dの一つを検出した紙葉類Sを仕切りカードS(b)と判定し、取込センサ55が取り込みを検出し識別孔群62a〜62dのいずれも検出しなかった紙葉類Sを処理対象紙幣S(a)と判定して、紙葉類群Gを区分けする。このように、取込センサ55は、仕切りカードS(b)の主面部61,64に搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔63で構成される識別孔群62a〜62dの一つの有無を検出できれば良いことから、仕切りカードS(b)と処理対象紙幣S(a)とを識別するための構成の低コスト化が図れる。したがって、コスト増を抑制することができる。しかも、仕切りカードS(b)と処理対象紙幣S(a)とを識別するための構成を簡素化及び小型化することもできる。
また、紙葉類処理装置11によれば、仕切りカードS(b)の主面部61,64の搬送方向に直交する搬送直交方向の中央部からこの方向に変位した位置に形成された識別孔群62a,62dと仕切りカードS(b)の主面部61,64のこれらに近い側の搬送直交方向の端部との間の搬送直交方向の長さと、識別孔群62b,62cと仕切りカードS(b)の主面部61,64のこれらに近い側の搬送直交方向の端部との間の搬送直交方向の長さとが、投入口12の幅方向の中央部に対してこの幅方向に変位した位置に配置された取込センサ55と投入口12の幅方向のこれに近い側の端部との間のこの幅方向の長さと同じ長さであるため、取込センサ55で識別孔群62a〜62dの一つを良好に検出することができる。
また、紙葉類処理装置11によれば、仕切りカードS(b)には、搬送直交方向の一方に二つの識別孔群62a,62dが形成されると共に他方に二つの識別孔群62b,62cが形成され、搬送直交方向の一方の識別孔群62a,62dと仕切りカードS(b)の主面部61,64のこれらに近い側の搬送直交方向の一方の端部との間の搬送直交方向の長さ及び搬送直交方向の他方の識別孔群62b,62cと仕切りカードS(b)の主面部61,64のこれらに近い側の搬送直交方向の他方の端部との間の搬送直交方向の長さが、取込センサ55と投入口12の幅方向の端部との間のこの幅方向の長さと同じ長さであるため、仕切りカードS(b)の投入の向き(表裏及び天地)に関わらずに、取込センサ55によって識別孔群62a〜62dの一つを検出することができる。よって、仕切りカードS(b)の投入の向きをそろえる必要がないので、作業性が良い。
また、紙葉類処理装置11によれば、制御部32は、取込センサ55で取り込み及び識別孔群62a〜62dの一つが検出されることで紙葉類Sを仕切りカードS(b)と判定すると、この判定に基づいて、紙葉類群Gの取り込みを一時停止するため、仕切りカードS(b)の前後の処理対象紙幣S(a)つまり区分けが異なる処理対象紙幣S(a)の取り込み間隔をあけることができる。よって、ジャム発生時等において区分けが異なる処理対象紙幣S(a)を良好且つ容易に分けることができる。しかも、取込センサ55が投入口12の近傍に設置されているため、紙葉類Sを仕切りカードS(b)と判定して紙葉類群Gの取り込みを一時停止すると、仕切りカードS(b)よりも下流側の紙葉類Sを投入口12に残すことができる。よって、区分けが異なる処理対象紙幣S(a)が紙葉類処理装置11内で混在することを抑制できる。
つまり、紙葉類処理装置11に内蔵された識別部22によって仕切りカードS(b)と処理対象紙幣S(a)とを識別して各紙葉類群Gを区分けすると、例えば、ジャム等によって紙葉類処理装置11が停止した場合に異なる区分部B(a)の処理対象紙幣S(a)が混在しないように、前の区分部B(a)の処理が完了するまで、次の区分部B(a)の処理対象紙幣S(a)の取り込みを一時停止するように制御しても、識別部22によって仕切りカードS(b)と処理対象紙幣S(a)とを識別しているので、実際には投入口12と識別部22との間の搬送路25内には次の区分部B(a)の一部の処理対象紙幣S(a)が存在してしまう。これにより、異なる複数の区分部B(a)の処理対象紙幣S(a)が混在する恐れがある。これに対して、投入口12の近傍で仕切りカードS(b)と処理対象紙幣S(a)とを識別して、各紙葉類群Gを区分けすることができるため、紙葉類処理装置11内(搬送部21内)で、異なる区分部B(a)の処理対象紙幣S(a)が混在することを抑制できる。
また、既存の紙葉類処理装置に、投入口の紙葉類の取り込みを検出する取込センサが設けられていれば、ハード構成を変更することなく、ソフトの改修及び仕切りカードS(b)の作成だけで上記紙葉類処理装置11とすることができる。
上記の仕切りカードS(b)によれば、少なくとも一枚の処理対象紙幣S(a)と重ねられて紙葉類処理装置11に配置されて投入口12から取り込まれると、取込センサ55に、搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔63で構成される識別孔群62a〜62dの一つを検出させて紙葉類処理装置11に紙葉類群Gを区分けさせる。このように、搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔63で構成される識別孔群62a〜62dの一つの有無を取込センサ55に検出させるため、処理対象紙幣S(a)と識別させるための構成の低コスト化が図れる。したがって、紙葉類処理装置11のコスト増を抑制できる。しかも、処理対象紙幣S(a)と識別させるための構成を簡素化及び小型化することもできる。
また、仕切りカードS(b)によれば、搬送方向に直交する搬送直交方向の中央部からこの方向に変位した位置に形成された識別孔群62a,62dとこれらに近い側の主面部61,64の搬送直交方向の端部との間の搬送直交方向の長さ、及び、搬送方向に直交する搬送直交方向の中央部からこの方向に変位した位置に形成された識別孔群62b,62cとこれらに近い側の主面部61,64の搬送直交方向の端部との間の搬送直交方向の長さが、投入口12の幅方向の中央部に対してこの幅方向に変位した位置に配置された取込センサ55とこれに近い側の投入口12の幅方向の端部との間のこの幅方向の長さと同じ長さであるため、識別孔群62a〜62dの一つを取込センサ55に良好に検出させることができる。
また、仕切りカードS(b)によれば、搬送直交方向の一方に二つの識別孔群62a,62dが形成されると共に他方に二つの識別孔群62b,62cが形成され、搬送直交方向の一方の識別孔群62a,62dとこれらに近い側の主面部61,64の搬送直交方向の一方の端部との間の搬送直交方向の長さ、及び、搬送直交方向の他方の識別孔群62b,62cとこれらに近い側の主面部61,64の搬送直交方向の他方の端部との間の搬送直交方向の長さが、取込センサ55とこれに近い側の投入口12の幅方向の端部との間のこの幅方向の長さと同じ長さであるため、投入の向き(表裏及び天地)に関わらずに、識別孔群62a〜62dの一つを取込センサ55に検出させることができる。よって、投入の向きをそろえる必要がないので、作業性が良い。
以上に述べた実施形態は、以下の変更が可能である。
一つの紙葉類群Gにおいて仕切りカードS(b)を区分部B(a)の前と後の両方にセットするようにしても良い。この場合、第1の紙葉類群Gとして一枚目の第1の仕切りカードS(b)、第1の区分部B(a)、二枚目の第1の仕切りカードS(b)をこの順に重ね、次に、第2の紙葉類群Gとして一枚目の第2の仕切りカードS(b)、第2の区分部B(a)、二枚目の第2の仕切りカードS(b)をこの順に重ねることを、紙葉類群Gの数に応じて行う。制御部32は、一枚目の第1の仕切りカードS(b)の検出後、第1の区分部B(a)が検出され、その後、二枚目の第1の仕切りカードS(b)が取込センサ55で検出されると、二枚目の第1の仕切りカードS(b)の直後の紙葉類Sを蹴出ローラ51が蹴り出す前に投入口12による取り込みを一旦停止させて、一枚目の第1の仕切りカードS(b)、第1の区分部B(a)、二枚目の第1の仕切りカードS(b)を、それぞれ集積部14及びリジェクト部13の対応するものに搬送する。その後、投入口12の取り込みを再開させて、一枚目の第2の仕切りカードS(b)の検出後、第2の区分部B(a)が検出され、その後、二枚目の第2の仕切りカードS(b)が取込センサ55で検出されると、第2の仕切りカードS(b)の直後の紙葉類Sを蹴出ローラ51が蹴り出す前に投入口12による取り込みを一旦停止させる。以上の制御を適宜繰り返す。
一つの紙葉類群Gにおいて仕切りカードS(b)を区分部B(a)の後のみにセットするようにしても良い。この場合、第1の紙葉類群Gとして、第1の区分部B(a)、第1の仕切りカードS(b)をこの順に重ね、次に、第2の紙葉類群Gとして第2の区分部B(a)、第2の仕切りカードS(b)をこの順に重ねることを、紙葉類群Gの数に応じて行う。制御部32は、第1の区分部B(a)が検出され、その後、第1の仕切りカードS(b)が取込センサ55で検出されると、第1の仕切りカードS(b)の直後の紙葉類Sを蹴出ローラ51が蹴り出す前に投入口12による取り込みを一旦停止させて、第1の区分部B(a)、第1の仕切りカードS(b)を、それぞれ集積部14及びリジェクト部13の対応するものに搬送する。その後、投入口12の取り込みを再開させて、第2の区分部B(a)の検出後、第2の仕切りカードS(b)が取込センサ55で検出されると、第2の仕切りカードS(b)の直後の紙葉類Sを蹴出ローラ51が蹴り出す前に投入口12による取り込みを一旦停止させる。以上の制御を適宜繰り返す。
各識別孔群62a〜62dを、それぞれ三つ以上の貫通孔63で構成しても良い。つまり、各識別孔群62a〜62dは、それぞれが少なくとも二つ設けられた貫通孔63で構成されていれば良い。各識別孔群62a〜62dを、それぞれ三つ以上の貫通孔63で構成することよって、より確実に仕切りカードS(b)と処理対象紙幣S(a)とを識別することができる。
各識別孔群62a〜62dを構成する貫通孔63は、仕切りカードS(b)の長手方向における取込センサ55との位置ずれを吸収するために、長方形に形成されることが好ましいが、取込センサ55によって検出可能であれば、円形状、正方形、他の多角形等、如何なる形状に形成されるようにしても良い。
仕切りカードS(b)の主面部61,64には、四つの識別孔群62a〜62dが形成されることが好ましいが、取込センサ55によって検出可能であれば、識別孔群62a〜62dのうちの少なくとも一つが形成されていれば良い。
識別孔群62a〜62dは、図3〜図7に示すように、仕切りカードS(b)の長手方向において、識別表示部71と位置が重なるように配置されているが、これに限定されるものではなく、図8に示すように、取込センサ55の位置によっては、仕切りカードS(b)の長手方向において識別表示部71と位置が重ならないように配置することになる。この場合、図9に示すように、仕切りカードS(b)の主面部61の短手方向の中央部に、二つの識別孔群62e,62fを形成しても良い。この場合も、少なくとも一つの識別孔群を形成すれば良い。
図10に示すように、取込ローラ52を投入口12の幅方向の中央部からこの幅方向にずれた位置に設け、取込センサ55を、投入口12の幅方向の中央部とこの幅方向の位置を合わせて配置して、仕切りカードS(b)の主面部61の長手方向の中央部に、二つの識別孔群62g,62hを形成しても良い。つまり、二つの識別孔群62g,62hを、仕切りカードS(b)の主面部61の搬送直交方向の中央部に形成しても良い。これにより、仕切りカードS(b)の投入の向きに関わらずに、取込センサ55によって識別孔群62g,62hを検出することができる。よって、仕切りカードS(b)の投入の向き(表裏及び天地)をそろえる必要がないので、作業性が良い。この場合も、少なくとも一つの識別孔群を形成すれば良い。つまり、主面部61の短手方向の中央部よりも搬送方向先側に一つのみの識別孔群を形成したり、主面部61の短手方向の中央部よりも搬送方向後側に一つのみの識別孔群を形成したり、主面部61の短手方向の中央部よりも搬送方向先側及び後側それぞれに識別孔群を形成したりすることが可能である。
制御部32は、取込センサ55によって仕切りカードS(b)が検出された場合に、これに基づいて、紙葉類Sの取り込みを一時停止することが好ましいが、このような一時停止をしなくても良い。
仕切りカードS(b)は、上記のように、短手方向を搬送方向とすることに限定されるものではなく、長手方向を搬送方向とするようにしても良い。この場合、図11に示すように、識別孔群62a〜62dのそれぞれが貫通孔63を仕切りカードS(b)の長手方向(搬送方向)に所定の間隔をあけて並設する構成となる。この場合も、上記の変更を適宜採用することができる。
投入口12は、図4等に示すように、紙葉類処理装置11の右側面に右側方に開口するように設けられることに限定されるものではなく、図12に示すように、紙葉類処理装置11の右側面に右側方及び前方に亘って開口するように設けられるようにしても良い。つまり、投入口12は、壁部42が無いように設けられるようにしても良い。このように投入口12が紙葉類処理装置11の右側面に右側方及び前方に亘って開口して壁部42が無い場合であっても、壁部42が有る場合と同様に、投入口12に仕切りカードS(b)が壁部41及び壁部43に当接するようにしてセットされることで、壁部42が有る場合と同様に、取込センサ55で識別孔群62a〜62dの一つを良好に検出することができる。また、装置前面から紙葉類Sを投入口12にセットできるので、右側方だけに開口している場合よりも作業性が良い。更に、底部40又は壁部41に、投入口12の幅方向に移動可能であって、仕切りカードS(b)の壁部43と当接する端部とは反対側の端部と当接して位置決めする位置決め部が設けられるようにしても良い。これにより、紙葉類処理装置11の右側面に右側方及び前方に亘って開口して壁部42が無い場合であっても、仕切りカードS(b)をより確実に位置決めすることができ、取込センサ55で識別孔群62a〜62dの一つをより良好に検出することができる。
投入口12には、図4及び図12に示すように、仕切りカードS(b)が壁部41及び壁部43と当接するようにして配置されることが好ましいが、貫通孔63が投入口12の幅方向に対して所定の長さを有し、仕切りカードS(b)が投入口12に配置された際に取込センサ55に対する投入口12の幅方向の位置ずれに対応することができるので、図13に示すように、仕切りカードS(b)の端部と壁部43との間に投入口12の幅方向に対して隙間を有するようにして、投入口12に仕切りカードS(b)が配置されるようにしても良い。
取込センサ55は、投入口12の幅方向の中心部に対して壁部43側に変位した位置に配置されている場合を例に説明してきたが、勿論、投入口12の幅方向の中心部に対して壁部42側に変位した位置に配置されるようにしても良い。
以上の実施形態では、紙葉類処理装置11が、紙幣を入金する紙幣入金装置である場合を例にとり説明したが、紙幣を入金及び出金する紙幣入出金装置であっても良い。硬貨及び紙幣を入金する貨幣入金装置であっても良く、硬貨及び紙幣を入金及び出金する貨幣入出金装置であっても良い。また、処理対象紙葉類として、紙幣以外の証券や金券等、他の種々の紙葉類Sを処理する紙葉類処理装置にも適用可能である。
少なくとも一枚の処理対象紙葉類と、前記処理対象紙葉類と重ねて配置され、搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔で構成される識別孔群が主面部に少なくとも一つ形成された仕切りカードとを有する紙葉類群を取り込む投入口と、前記投入口からの前記紙葉類群の取り込みを検出すると共に前記識別孔群を検出する検出部と、前記検出部が前記取り込み及び前記識別孔群を構成する少なくとも二つの貫通孔を検出した紙葉類を前記仕切りカードと判定し、前記検出部が前記取り込みを検出して前記識別孔群を構成する少なくとも二つの貫通孔を検出しなかった紙葉類を前記処理対象紙葉類と判定して、前記紙葉類群を区分けする制御部とを備えることを特徴とする。
これにより、少なくとも一枚の処理対象紙葉類と仕切りカードとを有する紙葉類群を投入口が取り込むと、検出部は、投入口からの紙葉類群の取り込みを検出すると共に、仕切りカードの主面部に搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔で構成される識別孔群を検出する。そして、制御部は、検出部が取り込み及び識別孔群を検出した紙葉類を仕切りカードと判定し、検出部が取り込みを検出して識別孔群を検出しなかった紙葉類を処理対象紙葉類と判定して、紙葉類群を区分けする。このように、検出部は、仕切りカードの主面部に搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔で構成される識別孔群の有無を検出できれば良いことから、仕切りカードと処理対象紙葉類とを識別するための構成を低コスト化することができる。したがって、コスト増を抑制することができる。しかも、仕切りカードと処理対象紙葉類とを識別するための構成を簡素化及び小型化することもできる。
前記検出部は、前記投入口の幅方向の中央部に対して該幅方向に変位した位置に配置され、前記識別孔群は、前記仕切りカードの主面部の前記搬送方向に直交する第一方向の中央部から該第一方向に変位した位置に形成されることを特徴とする。
これにより、識別孔群が仕切りカードの主面部の搬送方向に直交する第一方向の中央部から該第一方向に変位した位置に形成されるため、検出部で識別孔群を良好に検出することができる。
前記識別孔群は、前記第一方向の一方に少なくとも一つ形成されると共に他方に少なくとも一つ形成されることを特徴とする。
これにより、仕切りカードには、識別孔群が第一方向の一方に形成されると共に他方に形成されるため、仕切りカードの投入の向きに関わらずに、検出部によって識別孔群を検出することができる。よって、仕切りカードの投入の向きをそろえる必要がないので、作業性が良い。
前記検出部は、前記投入口の幅方向の中央部と該幅方向の位置を合わせて配置され、前記識別孔群は、前記仕切りカードの主面部の前記搬送方向に直交する第一方向の中央部に形成されていることを特徴とする。
これにより、仕切りカードには、その搬送方向に直交する第一方向の中央部に識別孔群が形成されており、検出部が投入口の幅方向の中央部と該幅方向の位置を合わせて配置されているため、仕切りカードの投入の向きに関わらずに、検出部によって識別孔群を検出することができる。よって、仕切りカードの投入の向きをそろえる必要がないので、作業性が良い。
前記検出部は、前記投入口の近傍に設置されており、前記制御部は、紙葉類を前記仕切りカードと判定すると、当該判定に基づいて、前記紙葉類群の前記取り込みを一時停止することを特徴とする。
これにより、制御部は、検出部で取り込み及び識別孔群が検出されることで紙葉類を仕切りカードと判定すると、この判定に基づいて、紙葉類群の取り込みを一時停止するため、仕切りカードの前後の処理対象紙葉類つまり区分けが異なる処理対象紙葉類の取り込み間隔をあけることができる。よって、ジャム発生時等において区分けが異なる処理対象紙葉類を良好且つ容易に分けることができる。更に、検出部が投入口の近傍に設置されているため、紙葉類を仕切りカードと判定して紙葉類群の取り込みを一時停止すると、仕切りカードよりも下流側の紙葉類を投入口に残すことができる。よって、区分けが異なる処理対象紙葉類が装置内で混在することを抑制できる。
少なくとも一枚の処理対象紙葉類と重ねて配置され、搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔で構成される識別孔群が主面部に形成され、前記処理対象紙葉類と共に紙葉類群を構成し、前記識別孔群は、前記主面部の前記搬送方向に直交する第一方向の一方に少なくとも一つ形成されると共に他方に少なくとも一つ形成され、投入口と、前記投入口からの前記紙葉類群の取り込みを検出すると共に前記識別孔群を検出する検出部とを有する紙葉類処理装置の前記投入口から取り込まれると、前記検出部に前記識別孔群を構成する少なくとも二つの貫通孔を検出させて前記紙葉類処理装置に前記紙葉類群を区分けさせることを特徴とする。
これにより、少なくとも一枚の処理対象紙葉類と重ねられて紙葉類処理装置に配置されて投入口から取り込まれると、検出部に、搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔で構成される識別孔群を検出させて、紙葉類処理装置に紙葉類群を区分けさせる。このように、搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔で構成される識別孔群の有無を検出部に検出させるため、処理対象紙葉類と識別させるための構成を低コスト化することができる。したがって、紙葉類処理装置のコスト増を抑制することができる。しかも、処理対象紙葉類と識別させるための構成を簡素化及び小型化することもできる。
また、識別孔群が第一方向の一方に形成されると共に他方に形成されるため、投入の向きに関わらずに、識別孔群を検出部に検出させることができる。よって、投入の向きをそろえる必要がないので、作業性が良い。
少なくとも一枚の処理対象紙葉類と重ねて配置され、搬送方向に沿って並んで少なくとも二つ設けられた貫通孔で構成される識別孔群が主面部に形成され、前記処理対象紙葉類と共に紙葉類群を構成し、前記識別孔群は、前記主面部の前記搬送方向の一方に少なくとも一つ形成されると共に他方に少なくとも一つ形成され、投入口と、前記投入口からの前記紙葉類群の取り込みを検出すると共に前記識別孔群を検出する検出部とを有する紙葉類処理装置の前記投入口から取り込まれると、前記検出部に前記識別孔群を構成する少なくとも二つの貫通孔を検出させて前記紙葉類処理装置に前記紙葉類群を区分けさせることを特徴とする。