JP2009084772A - かつら - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも薄膜に人毛からなる毛材を植毛した部分を備えたかつらにおいて、つむじの中心には植毛されておらず、つむじを中心とする複数の系統に分けられた毛流が形成されて、全体として渦巻き状のつむじを形成しており、毛材はキューティクルが毛先端側を開くように毛材の方向が揃えられており、毛材の基端は薄膜を貫通し屈折して固定されているかつら。
【選択図】 図7
Description
U字状やV字状に植毛した場合には、植え方に伴って先端側が開く方向となるので、隣り合う毛が相反する方向に傾くことになる。1本毎にコントロールすることも困難であり、隣接した毛が近接した箇所から生え出ているように見えるので、生え方自体に不自然さが見られ、また、植毛密度調整は、U字状あるいはV字状の植毛間隔を大きくする必要がありこれも不自然さの要因の一つとなる。毛の方向や傾きを整える場合は表面側からパーマネントなどの技術を施している。
特許文献1(特開2006−152523号公報)には、植設穴を形成した薄膜にU字状に毛材を挿通して固定したものであって、毛材の本数や長さを変化させて植設することが開示されている。特許文献2(特開2005−364375号公報)には、薄膜に人工毛材をU字状に植設し、熱線に当てて曲げクセを付けることが開示されている。特許文献3(特開2006−483215号公報)には、表面側に薄膜を設けたネットベースのネットに毛材をU字状とした屈曲部を結びつけたかつらが開示されている。特許文献4(特許2881400号公報)には、網目状のネットに毛材を植設したかつらであって、分け目部分に密目にしたネット部材に毛材を植設した部分植毛を設けたかつらが開示されている。
定が得られるが、一カ所から2本毛が生えているように見えるので、植毛密度の調整する設間隔は自然の頭髪に比較して倍近くとることとなり、微妙な配設が難しいという問題がある。一方、一本ずつの植設方法は、密度の設定は自由にできるが溶融した小塊による毛抜け防止や輪状にして結わえ付ける等の手段によっているが、溶融小塊は熱可塑性樹脂製の毛材に適用できるが、人毛を原料とする毛材には適用できない。輪状に結わえることは大変手間がかかる。毛髪の傾斜は、表面側からセットすることが多く、根元を自然な生え方にすることは困難であった。特に、U字状やV字状に植設した場合は、表側から植毛された毛に傾斜を付与せざるを得ないので、植毛された根元が自然な生え方に見せることは困難であった。そして、これらの方法では、自然人の頭髪が備えているつむじを中心とする毛の流れを毛材の植設によって方向付けるとは困難であった。
本願発明は、人毛を原料とする毛材を用いて、つむじを中心とする毛流に沿った傾斜を付与した植毛を備えたかつらを開発し、提供することである。
(1)少なくとも薄膜に人毛からなる毛材を植毛した部分を備えたかつらにおいて、
つむじの中心には植毛されておらず、つむじを中心とする複数の系統に分けられた毛流が形成されて、全体として渦巻き状のつむじを形成しており、毛材はキューティクルが毛先端側を開くように毛材の方向が揃えられており、毛材の基端は薄膜を貫通し屈折して固定されていることを特徴とするかつら。
(2)薄膜を貫通した毛材の基端部の屈折は、表面側の傾斜方向とは逆向きであることを特徴とする(1)記載のかつら。
(3)毛流は、植毛配列と傾斜及び/又は密度からなることを特徴とする(1)又は(2)記載のカツラ。
(4)複数の毛流は4つであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のかつ
ら。
(5)毛流の形成は、少なくともつむじ部と分け目部に形成されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のかつら。
屈折角度は160〜90°の範囲である。
(7)毛材はキューティクルが毛先端側を開く方向とし、毛材の基端を薄膜に突き刺して貫通させ、薄膜から突き抜けた部分を屈折して毛材を薄膜に固定し植毛することによってかつらのつむじを形成する方法であって、つむじ中心には植毛せず、毛流及び植毛角度に応じて薄膜に植毛してかつらのつむじを形成する方法。
(8)人毛からなる毛材を薄膜に植毛したかつらの製造方法であって、作成対象の毛流を
デザイン用台紙に記入して毛流が表示された植毛用デザイン台紙を作成し、透明又は半透の薄膜の表面又は裏面に前期植毛用デザイン用台紙を添え、前記薄膜に毛材の基端側を突き刺し、突き刺されて薄膜裏面に貫通した基端部を該基端部を毛材の表面側の傾斜方向とは逆方向及び/又は同方向にに曲折し、毛材全体の曲折又は部分的に曲折が終了した後植毛用デザイン台紙全体あるいは一部を薄膜から剥離しあるいは剥離せずに、裏面側に合成樹脂製皮膜を形成することを特徴とする植毛かつらの製造方法。
(9)多数の穴が形成された中空の頭骨型材に薄膜を載置して、該薄膜に人毛からなる毛材を植毛してつむじが形成されたかつらの製造方法であって、毛流が表示された植毛用デザイン台紙を薄膜に密着させ、植毛用デザイン台紙に表示された毛流にしたがって人毛からなる毛材の基端部を前期薄膜に貫通させ、頭骨型材に設けられた穴から毛材の先端側が引き出され、かつ、貫通した毛材の基端部を上方に向けた状態に設定し、前期状態において、毛材の基端部を所定の方向に屈折させ、合成樹脂皮膜を形成することを特徴とする植毛かつらの製造方法。
(10)頭骨型材に設けられた穴から毛材の先端側が引き出され、かつ、貫通した毛材の基端部を上方に向けた状態に設定する手段は、頭骨型材の凸側表面に薄膜を載置する場合は、内面側から頭骨型材に形成された多数の穴を利用して薄膜に毛材の基端部を貫通させることを特徴とする(9)記載の植毛かつらの製造方法。
(11)頭骨型材に設けられた穴から毛材の先端側が引き出され、かつ、貫通した毛材の基端部を上方に向けた状態に設定する手段は、頭骨型材の凹部裏面に薄膜を載置する場合は、凹部裏面を上方に向けてセットし、凸面側から頭骨型材に形成された多数の穴を利用して薄膜に毛材の基端部を貫通させることを特徴とする(9)記載の植毛かつらの製造方法。
(12)毛材は、あらかじめ所定角度に屈折クセが付与された屈折毛材であることを特徴とする(6)〜(11)のいずれかに記載された植毛かつらの製造方法。
(13)毛流が表示されたかつら製造用のデザイン台紙。
(14)基端部を屈折した植毛用毛材。屈折角度は160〜90°である。
1.本請求項1に係る発明によって得られるかつらは、人毛を素材とする毛材のキューティクルを自然の毛髪の方向に揃えて基端部を薄膜に突き刺し、毛流に沿った傾斜を付与した植毛を施したことにより、より自然なかつらが得られる。特に、つむじの中心に毛材が植設しないことにより、つむじ部の肌色が見えて自然性を強調することができる。つむじの中心に植毛されていると、つむじの中心部の肌が明確にならない。一本ずつ、キューティクルの方向を自然の毛髪と同方向に揃えて植えることにより、毛同士の絡みを少なくすることができ、櫛通り、セットが容易となる。また、基端部を裏面側から曲折することにより、表面側に立ち上がった毛材が自然な向きになるように植毛することが可能となった。毛流によってつむじ部分は渦巻き状に植毛されているので、洗髪後にセットがとれても、自然な渦巻き状になる。
7.本請求項7に係る発明は、つむじ中心には植毛せずに、各毛材の向き植毛角度を調整することにより、毛流を表現し、その毛流の中心がつむじ中心となるように形成したつむじ部分の形成方法である。刺し植による裏面側の折り曲げ方向及び折り曲げ強さによって表面側の毛材の向きは立ち上がり角度を設定しているので、つむじ部を上面から見ても自然の毛髪に類似させることができる。
8.本請求項8に係る発明は、人毛を原料とする毛材を1本植して毛流を形成する具体的なかつらの製造方法を提供する。特に、植毛用デザイン用台紙を用いることにより、突き刺し工程を容易にすることができる。
10.本請求項10に係る発明は、頭骨型材の凸側表面に薄膜を載置する場合は、頭骨型材の内側から穴を通して刺し植することにより、基端部を表面側に露出することができ、刺し植した状態で屈折及び合成樹脂皮膜を形成して、植毛状態を固定し、外してから反転して毛先側を表面に出すことができる。この場合、頭骨型材と薄膜の間に植毛用デザイン台紙を配置すると、植毛後に頭骨型材から外した状態において、植毛用デザイン台紙を引き抜くことができる。
11.本請求項11に係る発明は、頭骨型材の裏面凹側表面に薄膜を載置する場合は、凹面側を上に向け、穴を通して外側から刺し植することにより、基端部を凹面側に露出することができ、刺し植した状態で屈折及び合成樹脂皮膜を形成して、植毛状態を固定し、内側に引き抜いて外すとそのまま毛先側を表面に出すことができる。この場合、頭骨型材と薄膜の間に植毛用デザイン台紙を配置すると、植毛後に頭骨型材から外した状態において、植毛用デザイン台紙を引く抜くことができる。
13.本請求項13に係る発明は、毛材の植設を容易にする毛流が表示されたかつら製造用のデザイン台紙を提供する。
薄膜から突き出た基端部側を屈折して、毛先側に屈折が生じないように、多数の穴あきの頭骨型材を用い、毛先端側が穴から下向きになるようにセットした状態とし、薄膜から突き出た基端部側を加熱したアイロンや鏝等を利用して、頭骨型材に押し付けて屈折処理を施し、その状態で更に合成樹脂を塗布して屈折及び方向を固定するものである。特に、頭蓋骨を模した多数の穴あき頭骨型材を利用することにより、植毛箇所に応じた屈折角度を設定することが容易となる。
したがって、つむじ中心に植毛することなく毛流によってつむじを形成したかつらを提供でき、自然の頭髪により近いかつらとなる。
本願発明のかつらは、つむじを中心とする毛流を形成する植毛部分は、薄膜に毛材を刺し植植毛するものであり、他の部分はメッシュ状の基材を組み合わせても良い。
本願発明のかつらは、つむじ部を含む部分かつらあるいは全かつらに適用できる。一般的には、部分かつらに適用される。
頭髪は毛の生えている向きや傾斜が特徴付けられていて、隣接する毛同士が一定の方向に向く毛の流れが見られる。例えば、(1)フロント方向の毛の流れ、(2)右耳方向の流れ、(3)左耳方向の毛流れ、(4)左襟足方向の毛流れ、(5)右襟足方向の毛流れの5の方向の毛流がある(図1(a)参照)。また、頭髪の地肌から20〜90°の角度をもって発毛していることが分かる(図2参照)。頭の形は頭頂部は平坦から緩傾斜であり、側頭部から後頭部にかけては傾斜が大きくなっている(図1(b)参照)。発毛角度もこれらの頭の場所によって異なっており、主に頭頂部で大きく、周辺部では小さくなっている。頭髪全体は、これらの毛の流れと発毛角度によって形成される毛流を備えている。特に、渦巻き状のつむじは毛流が明確で、各自の個性を表している。本願発明では、つむじを明確に構成したかつらを提供し、装着者の個性を表現できる。つむじ中心GPと顎の先端と耳上とは直線状に位置している(図1(b)参照)のが普通であって、これらの毛流の中心につむじが形成されていることが多い。本発明者はこの本来のつむじに沿った毛の流れを表すかつらの実現を希求している。
研究過程において、つむじの形や頭髪の毛の向きなどに個性があるが、つむじを中心に基本的に4タイプに分けることができることに気付いた。この基本4タイプを基礎に、各装着者の個性に合わせて微修正を加えることにより作成対象のかつらを設計することが容易になる。また、基本パターンがあると、製作担当者も作業を標準化ができるので容易になる。
これに対して、U字状やV字状に植毛した場合には、従来技術に記載されるように1本毎にコントロールすることも困難であり、近接した生え方や隣接する毛先の方向が違うなど生え方自体に不自然さが見られ、また、広い間隔に植毛密度調整も不自然さの要因の一つとなる(図4(c)参照)。パーマネントによって毛の方向や傾きを整える他はない。
本発明では、人毛を毛材として使用する。人毛は、色、形、断面形状、太さ、癖毛などによって様々であり、かつら着用者の希望や個性に合わせて組み合わせて用いられる。人毛の構成は、タンパク質の1種のケラチンが主成分であり、硬軟ある内の硬質のケラチンが主成分である。断面構造は中心部がメデュラ(毛髄質)、外側がキューティクル(毛表皮)、中間がコルテックス(毛皮質)となっている(図4(a)参照)。キューティクルは半透明の鱗状の形をしており、根元から毛先の方向へ少しずつずれながら重なっている。キューティクルは毛のツヤや光の反射に影響し、自然の頭髪では根元側から毛先に向かって開く状態で重なっており、根元側から毛先へ向かって櫛通りがよい状態に揃っている。毛先から根元に向かっては逆撫で状態となるので、キューティクルを揃えることが重要である。
本発明で用いる毛材としては、基端部をあらかじめ予備的に屈折加工した屈曲毛材を用いることができる。例えば、図4(b)に示される屈曲を形成した毛材である。屈曲の程度は各種準備し、毛流のデザインにしたがって、適当な屈曲毛材を植設することができる。
1.装着者の個性に合わせてつむじデザイン41を中心に毛流デザイン台紙40を作成し、装着する頭部の形状に適合する薄膜30と重ね合わせて準備する(図5参照)。
2.植毛する毛材20を準備し、キューティクルが同一方向に向くように植毛する毛材の方向を揃える。
3.多数の穴53が設けられた頭骨型材50を準備し、作業台54にセットする(図6(a)(b)参照)。
4.透明あるいは半透明薄膜30と毛流デザイン台紙40を重ね、頭骨型材50に固定する。
5.デザインに合わせて毛材20を突き刺し、刺し植する。
例えば、頭骨材型材50の上に毛流デザイン台紙40と薄膜30が重ねて載置された状態において、毛材20を下方から穴53を通して突き刺して、基端部21を引き出して刺し植する。刺し植はデザインされた毛流に応じて、垂直刺し植43あるいは斜め刺し植44とする(図6(d)参照)。
例えば、図6(d)に示す模式図では、穴53を通して毛材20が刺し植されているので、刺し植過程で既に、毛先側22が穴53から引き出された状態となっている。高温に加熱された小さなこて先等を毛材の基端部21に押し当てて、毛流に合わせて屈折加工45を施す。頭骨型材50が受け面となり基端部側に屈折処理行うことができ、毛先側には折れグセがつかないので、自然な頭髪の発毛状態を表すことができる。屈折加工は刺し植途中に部分ずつ行うことも、全体に行うこともできる。図6(d)に示すように下方から毛流デザインに合わせて刺し植すると、デザインに応じて、適宜部分的に屈折加工を施すことができるので、精緻製あるいは個性の強い特異な毛流デザインを実現することが容易となる(図6(d)参照)。なお、この模式図とは逆に上から下に向けて刺し植しても良く、その場合は、刺し植終了後反転して、穴53から毛先22を引き出す作業が必要となる。
7.折り曲げ加工した後に薄膜裏面に合成樹脂を塗布する。
この樹脂塗布は、部分的に行うこともできる。また、上記5に記載するように、屈折処理を随時行うような場合には、屈折加工に即して仮留め処理として、軽い接着処理を行うこともできる。
8.塗布した合成樹指表面を加熱加圧して基端部の固定を確実にして、植毛を完成する。 例えば、過熱加圧は小型のアイロンのようなものを使用して、裏面から見たつむじの渦の方向に、合わせて渦を巻くように行うことにより、基端部の方向を設定させて固定するのに有用である。
<薄膜>
薄膜は合成樹脂製の透明性のフィルムであり、かつらのベースとなる。加熱されたこて等が接触するので、耐熱性を備えている。熱硬化性合成樹脂製が好ましい。厚さは、0.05〜0.2mm程度であって特に限定されることはない。形状は頭の形に沿った湾曲状にしていることが好ましい。ポリウレタン樹脂やシリコン系樹脂フィルムが使用される。植毛用デザイン台紙の記入にしたがって刺し植するのでデザインが見えるように透明あるいは半透明である。表面側は皮膚感を表現するためにスキン仕上げが好ましい。薄膜の大きさはつむじ部分を構成する毛流を形成する大きさを備えている。頭全表面を覆う大きさとするか、つむじ部と分け目部の大きさとするか作成するかつらの設計にしたがって設定することができる。
デザイン型紙は、透明フィルムなどに、刺し植箇所を点状に記入して着用するユーザーに合わせた毛流を記入する。毛流は、前記した5つの基本毛流毎に色分けして分かり易いように工夫することができる。例えば、装着者に適するつむじデザイン41を行い、全体植毛を構成して毛流デザイン台紙40を作成する(図5参照)。
頭骨型材50は、頭蓋骨を模した形状の湾曲部材であって、全面に多数の穴53が開けられている。材質は、金属製、合成樹脂製であり、透明あるいは透けて見えるようにする。メッシュ状あるいはパンチングにすることも可能である。
作成するかつらの大きさ(装着者の大きさ)に合わせて、複数の大きさを準備する。また、つむじ部を含む部分カツラ用のお椀型形状あるいは全頭カツラ用の頭髪部全体をカバーする形状とする。
この頭骨型材は、薄膜とデザイン用台紙を載せて固定し、毛材を刺し植する用途に用いられるから、植毛密度を満足できるように穴が開けられている必要がある。また、突き出した毛材の基端部を高熱のアイロンなどを推し当てて、屈折させるので、耐熱性及び十分な強度が必要である。
裏面塗布樹脂は、ポリウレタン系樹脂やシリコン系樹脂などを使用することができる。皮膚の色に着色すると人工皮膚感の創出に有効である。
かつらの植毛デザイン全体の例を図7に示す。図7は、本発明のつむじデザインDパターンを利用した例である。つむじを中心に渦巻き状に植毛指示が、(1)フロント方向の毛の流れ、(2)右耳方向の流れ、(3)左耳方向の毛流れ、(4)左襟足方向の毛流れ、(5)右襟足方向の毛流れの5の方向の毛流が曲線状に示されている。この図は、カラー表示することにより、毛流区分が明確になり、作業性が正確で容易となる。また、本発明でも植毛後に装着者の希望に合わせて調髪、整髪されるが、洗髪後には、この毛流が現れるので、自然な頭髪状態に近い表現となる。これに対して、図8に示す従来例では、つむじ中心を植毛基点として表示され、この中心点から放射状に植毛指示が示され、前頭、側頭、後頭に向けた植毛が指示されている。このような指示図に基づく植毛は、植毛後に整髪して形を制御される。このような状態では、洗髪後に素早く、整髪する必要がある。
この例は、植毛する前に毛材の基端部を屈折処理して、クセ付けをした毛材を用いる例である。あらかじめ屈折処理した毛材であるL形毛材71を図9に示す。L形毛材71の折り角θは、頭髪の発毛に合わせて各種の角度としてL形毛材71a・・・・71zを準備することができる。これを植毛デザインにしたがって、刺し植すると植毛角度と方向性の設定が容易となる。
20 毛材
21 基端部
22 先端側
30 薄膜
31 接着層
40 毛流デザイン台紙
41 つむじデザイン
42 刺し植途中
43 垂直刺植
44 斜刺植
45 屈折
50 頭骨型材
51 作業テーブル
52 設置穴
53 穴
54 台
61 Dパターン全体デザイン例
70 毛材
71 L形毛材
72 基端部
73 毛髪部
74 接着剤
75 折り曲げ冶具
75a 固定台
75b 角度付固定台
75c 可動台
76 加熱接着
100 従来植毛指示図例
GP つむじ中心
Claims (14)
- 少なくとも薄膜に人毛からなる毛材を植毛した部分を備えたかつらにおいて、
つむじの中心には植毛されておらず、
つむじを中心とする複数の系統に分けられた毛流が形成されて、全体として渦巻き状のつむじを形成しており、
毛材はキューティクルが毛先端側を開くように毛材の方向が揃えられており、
毛材の基端は薄膜を貫通し屈折して固定されていること
を特徴とするかつら。 - 薄膜を貫通した毛材の基端部の屈折は、表面側の傾斜方向とは逆向きであることを特徴とする請求項1記載のかつら。
- 毛流は、植毛配列と傾斜及び/又は密度からなることを特徴とする請求項1又は2記載のカツラ。
- 複数の毛流は4つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のかつら。
- 毛流の形成は、少なくともつむじ部と分け目部に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のかつら。
- 人毛からなる毛材を薄膜に植毛する方法であって、
毛材はキューティクルが毛先端側を開く方向とし、毛材の基端を薄膜に突き刺して貫通させ、薄膜から突き抜けた部分を屈折して固定することを特徴とする人毛からなる毛材を薄膜に植毛する方法。 - 毛材はキューティクルが毛先端側を開く方向とし、毛材の基端を薄膜に突き刺して貫通させ、薄膜から突き抜けた部分を屈折して毛材を薄膜に固定し植毛することによってかつらのつむじを形成する方法であって、
つむじ中心には植毛せず、毛流及び植毛角度に応じて薄膜に植毛してかつらのつむじを形成する方法。 - 人毛からなる毛材を薄膜に植毛したかつらの製造方法であって、
作成対象の毛流をデザイン用台紙に記入して毛流が表示された植毛用デザイン台紙を作成し、
透明又は半透明の薄膜の表面又は裏面に前期植毛用デザイン用台紙を添え、
前記薄膜に毛材の基端側を突き刺し、
突き刺されて薄膜裏面に貫通した基端部を該基端部を毛材の表面側の傾斜方向とは逆方向及び/又は同方向にに曲折し、
毛材全体の曲折又は部分的に曲折が終了した後植毛用デザイン台紙全体あるいは一部を薄膜から剥離しあるいは剥離せずに、裏面側に合成樹脂製皮膜を形成することを特徴とする植毛かつらの製造方法。 - 多数の穴が形成された中空の頭骨型材に薄膜を載置して、該薄膜に人毛からなる毛材を植毛してつむじが形成されたかつらの製造方法であって、
毛流が表示された植毛用デザイン台紙を薄膜に密着させ、
植毛用デザイン台紙に表示された毛流にしたがって人毛からなる毛材の基端部を前期薄膜に貫通させ、
頭骨型材に設けられた穴から毛材の先端側が引き出され、かつ、貫通した毛材の基端部を上方に向けた状態に設定し、
前期状態において、毛材の基端部を所定の方向に屈折させ、合成樹脂皮膜を形成することを特徴とする植毛かつらの製造方法。 - 頭骨型材に設けられた穴から毛材の先端側が引き出され、かつ、貫通した毛材の基端部を上方に向けた状態に設定する手段は、
頭骨型材の凸側表面に薄膜を載置する場合は、内面側から頭骨型材に形成された多数の穴を利用して薄膜に毛材の基端部を貫通させることを特徴とする請求項9記載の植毛かつらの製造方法。 - 頭骨型材に設けられた穴から毛材の先端側が引き出され、かつ、貫通した毛材の基端部を上方に向けた状態に設定する手段は、
頭骨型材の凹部裏面に薄膜を載置する場合は、凹部裏面を上方に向けてセットし、凸面側から頭骨型材に形成された多数の穴を利用して薄膜に毛材の基端部を貫通させることを特徴とする請求項9記載の植毛かつらの製造方法。 - 毛材は、あらかじめ所定角度に屈折クセが付与された屈折毛材であることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載された植毛かつらの製造方法。
- 毛流が表示されたかつら製造用のデザイン台紙。
- 基端部を屈折した植毛用毛材。
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