JP2009084547A - ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子およびそれからなる型内成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低い加熱成形圧であっても成形可能であり、得られる型内発泡成形体の表面の粒子間隙が少ないため表面美麗性に優れ、さらに寸法収縮性に優れたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供すること。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡剤、水、分散剤、分散助剤を含んでなる分散液を耐圧容器内に入れて、所定の温度まで加熱し、加圧下のもと、容器内混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気下に放出して得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子において、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を構成するポリプロピレン系樹脂組成物が、(A)融点145℃以下であり、且つメルトフローレートが2.00g/10min以上であるポリプロピレン系樹脂100重量部、(B)エチレンおよび/またはプロピレンを主モノマーとして重合された、分子量が1500〜25000であるポリオレフィンオリゴマー1〜10重量部、を含んでなる、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、緩衝包装材、通函、断熱材、自動車のバンパー芯材などに用いられるポリプロピレン系樹脂発泡成形体の製造に好適に使用し得るポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子およびそれからなる型内発泡成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、型内発泡成形体の長所である形状の任意性、軽量性、断熱性などの特徴をもつ。また同様の型内発泡成形体と比較しても、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体と比較すると、耐薬品性、耐熱性、圧縮後の歪回復率に優れており、またポリエチレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体と比較すると、寸法精度、耐熱性、圧縮強度が優れている。これらの特徴により、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、自動車内装部材、自動車バンパー用芯材をはじめ、断熱材、緩衝包装材など様々な用途に用いられている。
一方、近年型内発泡成形体においても外観が重要視されるものが増えてきている。これは使用者の目に触れる場所に使用される一般緩衝包材、自動車内装部材、通い箱と言った用途に多く、型内発泡成形体に通常求められる剛性、軽量性、断熱性などの物性に加え、良好な外観が求められる。型内発泡成形体はその製法上、粒子間の隙間や粒子の亀甲模様が見られるが、外観を重視する製品にはこれらを嫌うものも多い。粒子間の隙間を目立たなくさせるためには、一般に型内発泡成形時に予め予備発泡粒子内の空気圧を0.18MPa以上、好ましくは2.0MPa以上加圧し、尚且つ、成形機の加熱蒸気圧力を高くし、粒子同士の融着を促進させるなどの方法が採られる。これらの技術から分かるように、粒子間の間隙が目立たない外観が良好な型内発泡成形体、すなわち表面美麗性の高い型内発泡成形体を得るためには、型内発泡成形時の成形加熱蒸気圧力を粒子間の融着に必要となる圧力より高くする必要がある。
しかし、成形加熱蒸気の圧力を高くすることは加熱蒸気の多量消費に繋がり、ユーティリティコストが高くなる、あるいは、成形タイムサイクルが長くなり成形加工コストが高くなる、といった課題がある。また、耐圧仕様の高い成形機や金型を用いる必要が生じ、ユーティリティコストに加え、設備コストが高くなるといった問題がある。
また、予備発泡粒子内の空気圧が0.18MPa以下に低下した場合などは、顕著に予備発泡粒子間の融着不良や成形体の表面美麗性が低下するといった問題があった。
表面外観と機械的物性の優れた型内成形体を得るためにポリプロピレン系樹脂にテルペン系樹脂や石油樹脂を含有させたポリプロピレン系樹脂を予備発泡粒子の基材とする技術が開示されているが(特許文献1、2)、テルペン系樹脂や石油樹脂はポロプロピレン系樹脂と相溶性が低く溶融混練性が悪かったり、結晶性樹脂であるポリプロピレン系樹脂に非晶性樹脂を混合することによる樹脂強度が低下し、成形体の寸法収縮率が大きくなるといった問題があった。
特許文献3には、樹脂の成形加工性を改良することを目的にポリプロピレン系樹脂にポリオレフィンワックスを添加した熱可塑性樹脂組成物が開示されているが、ポリプロピレン系樹脂の押出し発泡シートの成形加工性について言及されているものの、ポリプロピレン系樹脂の予備発泡粒子の型内発泡成形に関する成形性や、さらに成形体の表面美麗性や寸法収縮率などについては何ら記載がない。
さらに、ポリプロピレン系樹脂にワックス類を含有させたポリオレフィン系発泡粒子の技術が示されているが(特許文献4)、型内発泡成形体の表面美麗性や低圧での成形性および寸法収縮率を制御するための基材ポリプロピレン系樹脂の特性とワックスの種類や配合制御などについて何ら開示がない。
特開昭59−68340号公報 特開2005−8850号公報 特開2004−59867号公報 特開平3−86737号公報
本発明の目的は、低い加熱成形圧であっても成形可能であり、得られる型内発泡成形体の表面の粒子間隙が少ないため表面美麗性に優れたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供することにある。さらには、寸法収縮率の少ない型内発泡成形体を得ることができるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を提供することにある。
本発明は、上記課題に鑑みて鋭意検討した結果、所定のポリプロピレン系樹脂に特定のポリオレフィンオリゴマーを含有させた樹脂を基材樹脂として用いることで、基材樹脂の樹脂強度を大きく損なうことなく、さらに該基材樹脂をポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子とすることにより、低い加熱成形圧であっても成形可能であり、得られる型内発泡成形体の表面の粒子間隙が少なく、さらに、特定のポリオレフィンオリゴマーを使用することで、寸法収縮率も小さい型内発泡成形体が得られることを見出し、発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡剤、水、分散剤、分散助剤を含んでなる分散液を耐圧容器内に入れて、所定の温度まで加熱し、加圧下のもと、容器内混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気下に放出して得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子において、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を構成するポリプロピレン系樹脂組成物が、(A)融点145℃以下であり、且つメルトフローレートが2.00g/10min以上であるポリプロピレン系樹脂100重量部、(B)エチレンおよび/またはプロピレンを主モノマーとして重合された、分子量が1500〜25000であるポリオレフィンオリゴマー1〜10重量部、を含んでなる、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
好ましい態様としては、
(1)(B)成分であるポリオレフィンオリゴマーの融点が、(A)成分であるポリプロピレン系樹脂の融点より3℃以上高く、前記ポリプロピレン系樹脂組成物が、(A)成分100重量部に対して(B)成分を3重量部以上10重量部以下含んでなる、
(2)前記ポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレートが4.0g/10min以上である、
(3)ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の内圧が0.18MPa、加熱成形圧が0.28MPa(ゲージ圧)の条件の型内成形において、融着率60%以上の型内発泡成形体が得られることを特徴とする、
前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
本発明の第2は、前記記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体に関する。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、比較的低圧の加熱成形圧であっても成形可能であり、得られた型内発泡成形体の表面の粒子間隙が少なく、表面美麗性に優れた型内発泡成形体が得られる。
さらには寸法精度に優れた型内発泡成形体を得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、該ポリプロピレン系樹脂粒子を構成するポリプロピレン系樹脂が、(A)融点145℃以下であり、且つメルトフローレートが2.00g/10min以上であるポリプロピレン系樹脂100重量部、(B)エチレンおよび/またはプロピレンを含んでなり、分子量が、1500〜25000であるポリオレフィンオリゴマー1〜10重量部、を含んでなるものである。
本発明において、(A)成分であるポリプロピレン系樹脂とは、モノマーとしてプロピレンが50mol%以上含まれる樹脂である。プロピレン以外に使用し得る共重合成分としては、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどの炭素数2または4〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]−4−ドデセンなどの環状オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル単量体などが挙げられる。これらのうち、エチレン、1−ブテンを使用することが耐寒脆性向上、安価等という点で好ましい。
また、本発明のポリプロピレン系樹脂は融点が145℃以下である。好ましくは、143℃以下である。ここで言う融点は、示差走査熱量計を用いて、試料5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する事により樹脂粒子を融解し、その後10℃/minで220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minで40℃から220℃まで昇温したときに、2回目の昇温時に得られるDSC曲線における融解ピーク温度である。融点が145℃より高い場合、低い加熱成形圧では、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子間の融着が不十分となる。
さらに、本発明のポリプロピレン系樹脂は、230℃におけるメルトフローレート(以下、MFRと表記する場合がある)が、2.00g/10min以上である。好ましくは、3.50g/10min以上25.0g/10min以下である。本発明に言うMFRの測定は、JIS−K7210記載のMFR測定器を用い、オリフィス2.0959±0.005mmφ、オリフィス長さ8.000±0.025mm、荷重2160g、230±0.2℃の条件下で測定したときの値である。MFRが2g/10minより小さい場合には、型内発泡成形体の表面の粒子間隙が小さくならない。
本発明の(B)成分であるポリオレフィンオリゴマーは、エチレンおよび/またはプロピレンを主モノマーとしてとして重合されたものであり、さらに1−ブテン等がコモノマーとして共重合されていてもよい。
具体的には、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−1−ブテンランダム共重合、エチレン−ブテンブロック共重合体等が挙げられ、基材樹脂であるプロピレン系樹脂との相溶性の観点から、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体が望ましい。さらに、本発明のポリオレフィンオリゴマーは無水マレイン酸等によって変性されたものであってもよい。これらのうち、モノマーとしてプロピレンが50mol%以上含まれるものが(A)成分であるポリプロピレン系樹脂に添加した際の相溶性や強度保持の観点からさらに好ましい。
さらに本発明で使用するポリオレフィンオリゴマーの分子量は1500〜25000であり、好ましくは2000〜20000である。ポリオレフィンオリゴマーの分子量は粘度平均分子量(Mv)の値である。分子量が1500未満の場合には、ポリプロピレン系樹脂との溶融混練性が不安定になる。分子量が25000を超える場合は、型内発泡成形体の表面の粒子間隙が小さくならない。
本発明のポリオレフィンオリゴマーの使用量はポリプロピレン系樹脂100重量部に対して1〜10重量部であり、好ましくは、2〜7重量部である。ポリオレフィンオリゴマーの添加量が1重量部未満では、型内発泡成形体の表面の粒子間隙が小さくなる効果が不十分である。10重量部より多い場合は、ポリプロピレン系樹脂組成物の強度が低下する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物においてポリプロピレン系樹脂とポリオレフィンオリゴマーを混合することは、これらは類似の結晶性樹脂であるため、得られるポリプロピレン系樹脂の強度が大きく低下することなく、且つ、基材樹脂の溶融流動特性を改善できる。
さらに本発明の(B)成分であるポリオレフィンオリゴマーの融点が(A)成分であるポリプロピレン系樹脂の融点より3℃以上であることが好ましく、より好ましくは5℃以上である。ここで言う融点は上記の示差走査熱量計を用いる方法で測定し、融解ピークが複数ある場合はその平均値とした。
(B)成分であるポリオレフィンオリゴマーの融点が(A)成分であるポリプロピレン系樹脂の融点より3℃以上であれば、それらからなるポリプロピレン系樹脂組成物の強度が向上し、型内発泡成成形体の寸法収縮率が小さくなる傾向がある。(B)成分のポリオレフィンオリゴマーの量が(A)成分100重量部に対して3重量部未満である場合は寸法収縮の改良効果が小さい傾向がある。
本発明の(A)成分のポリプロピレン系樹脂および(B)成分のポリオレフィンオリゴマーを含有するポリプロピレン系樹脂組成物はメルトフローレート(MFR)が4.0g/10min以上であることが好ましい。MFRの測定は前記記載と同様の方法で行う。一般的には、ポリオレフィンオリゴマーの添加によりMFRを上げることができるため、ポリプロピレン系樹脂組成物のMFRは、例えば、ポリプロピレン系樹脂のMFRや、ポリオレフィンオリゴマーの添加量によって調整することが出来る。ポリプロピレン系樹脂組成物のMFRが4.0g/10minより小さい場合は型内発泡成形体の表面の粒子間隙低減に十分な効果が得られない場合がある。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は無架橋の状態が好ましいが、パーオキサイドや放射線により架橋させても良い。また、ポリプロプレン系樹脂組成物としての特性が失われない範囲で、ポリプロピレン系樹脂と混合使用可能な他の熱可塑性樹脂、例えば低密度ポリエチレン、直鎖状密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテン、アイオノマー等を混合使用しても良い。
上記のポリプロピレン系樹脂組成物は、通常、予備発泡に利用されやすいようにあらかじめ押出機、ニーダー、バンバリミキサー、ロール等を用いて溶融し、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の形状のポリプロピレン系樹脂粒子とすることが出来る。ポリプロピレン系樹脂粒子の平均粒重量は、好ましくは0.5〜3.0mg、より好ましくは0.5〜2.0mg、更に好ましくは0.5〜1.5mgになるように成形加工される。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィンオリゴマーの他、界面活性剤型もしくは高分子型の帯電防止剤、顔料、難燃性改良材、導電性改良材等を必要により加えてもよく、そのような場合、これらは、通常、樹脂粒子の製造過程において溶融した樹脂中に添加することが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を製造するに当たり、使用する発泡剤に特に制限はなく、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の脂肪族炭化水素;空気、窒素、二酸化炭素等の無機ガス;水等が例示でき、これらは単独でも2種以上を併用しても使用することが出来る。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡剤、水、分散剤、分散助剤を含んでなる分散液を耐圧容器内に入れて、所定の温度まで加熱し、加圧下のもと、容器内混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気下に放出して得られるものである。具体的には、ポリプロピレン系樹脂粒子を、発泡剤、水、分散剤、分散助剤と共に耐圧容器内で分散させ、容器内混合物を、好ましくはポリプロピレン系樹脂粒子の融点−25℃以上融点+25℃以下の範囲、更に好ましくは融点−10℃以上融点+10℃以下の範囲の温度に加熱するとともに発泡剤を含浸させ、容器内の温度、圧力を一定に保持しながら、加圧下で、ポリプロピレン系樹脂粒子と水との混合物を容器内よりも低圧雰囲気下に放出することによりポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を製造する。
ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子製造時に使用する耐圧容器には特に制限はなく、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子製造時における容器内圧力、容器内温度に耐えられるものであればよく、例えばオートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
本発明で使用することが出来る分散剤としては、例えば、第三リン酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、アルミノ珪酸塩、硫酸バリウム等の無機系分散剤が挙げられる。
本発明で使用することが出来る分散助剤としては例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、n−パラフィンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。これらの中でも、分散剤と分散助剤の組み合わせとしては、第三リン酸カルシウムとドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの組み合わせが好ましい。
分散剤や分散助剤の使用量は、その種類や、用いるポリプロピレン系樹脂の種類と使用量によって異なるが、通常、水100重量部に対して分散剤0.2〜3重量部であることが好ましく、分散助剤0.001〜0.1重量部であることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂粒子は、水中での分散性を良好なものにするために、通常、水100重量部に対して20〜100重量部使用するのが好ましい。
以上の製造方法により得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率は、好ましくは5倍以上50倍以下であり、さらに好ましくは7倍以上45倍以下である。また、一段目の発泡で5倍以上35倍以下の一段発泡予備発泡粒子を製造し、該予備発泡粒子を耐圧密閉容器内に入れて窒素、空気などを0.1〜0.6MPa加圧含浸させる加圧処理により一段発泡予備発泡粒子内の圧力を常圧よりも高くした後、該発泡粒子をスチーム等で加熱して更に発泡させることにより、一段発泡予備発泡粒子以上の発泡倍率の二段発泡予備発泡粒子を得ても良い。
ここで予備発泡粒子の発泡倍率は、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm)を求め、発泡前のポリプロピレン系樹脂粒子の密度d(g/cm)から次式により求めたものである。
発泡倍率=d×v/w
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、図1に示すように、示差走査熱量計法による測定によって得られるDSC曲線において2つの融解ピークを有している。DSC曲線の低温側ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解開始ベースラインへの接線で囲まれる熱量である低温側の融解ピーク熱量Qlと、DSC曲線の高温側ピークと、低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解終了ベースラインへの接線で囲まれる熱量である高温側融解ピーク熱量Qhから算出した、高温側の融解ピークの比率Qh/(Ql+Qh)×100(以下、DSC比と略す)が13%以上50%以下であることが好ましく、より好ましくは18%以上40%以下の範囲である。DSC比が当該範囲であると、表面美麗性の高い型内発泡成形体が得られやすい。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形に用いる場合には、イ)そのまま用いる方法、ロ)あらかじめ予備発泡粒子中に空気等の無機ガスを圧入し、発泡能を付与する方法、ハ)予備発泡粒子を圧縮状態で金型内に充填し成形する方法、など従来既知の方法が使用しうる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子から型内発泡成形体を成形する方法としては、たとえばあらかじめ予備発泡粒子を耐圧容器内で空気加圧し、粒子中に空気を圧入することにより発泡能を付与し、これを閉鎖しうるが密閉し得ない成形型内に充填し、水蒸気などを加熱媒体として0.2〜0.4MPa(ゲージ圧)程度の加熱水蒸気圧で3〜30秒程度の加熱時間で成形しポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子同士を融着させ、このあと成形金型を水冷により型内発泡成形体取り出し後の型内発泡成形体の変形を抑制できる程度まで冷却した後、金型を開き、型内発泡成形体を得る方法などが挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子は、上記いずれの方法によっても型内発泡成形体とすることが出来るが、低い加熱成形圧で成形が出来る点に特徴を有している。具体的には、該予備発泡粒子の内圧を0.18MPa、加熱成形圧が0.28MPa(ゲージ圧)の条件の型内発泡成形において、融着率60%以上の型内発泡成形体を得ることが出来る。評価する金型としては、縦300mm×横400mm×厚み20mmの金型が用いうる。
なお、ここで言う融着率とは、得られたポリプロピレン系樹脂発泡成形体を、カッターナイフで発泡成形体の厚み方向に約3mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部から発泡成形体を破断し、破断面を観察して、破断面を構成する発泡粒子数に対する破壊された発泡粒子の割合を言う。
また、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の内圧は、例えば耐圧容器内で、1〜48時間、室温〜80℃の温度条件下、空気、窒素等の無機ガスによって0.1〜1.0MPa(ゲージ圧)加圧することによって調整できる。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例、比較例で用いたプロピレン系樹脂を表1に、ポリオレフィンオリゴマーを表2に示す。
〔融点の測定〕
セイコーインスツルメンツ(株)製のDSC6200型示差走査熱量計を用いて、ポリプロピレン系樹脂粒子5〜6mgを10℃/minの昇温速度で40℃から220℃まで昇温する事により樹脂粒子を融解し、その後10℃/minで220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、さらに10℃/minで40℃から220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線から、2回目の昇温時の融解ピーク温度を融点として求めた。
〔ポリプロピレン系樹脂組成物の曲げ弾性率〕
ポリプロピレン系樹脂粒子を70℃にて3時間乾燥させた後、35t射出成形機を用い、シリンダー温度200℃、金型温度30℃にて厚み6.4mmバー(幅12mm、長さ127mm)を作製して、ASTM D790に従い曲げ試験を行い、曲げ弾性率を求めた。
〔予備発泡粒子の発泡倍率〕
嵩体積約50cmのポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の重量w(g)およびエタノール水没体積v(cm)を求め、発泡前の樹脂粒子の密度d(g/cm)から次式により求めた。
発泡倍率=d×v/w
〔融着性評価〕
得られたポリプロピレン系樹脂発泡成形体を、カッターナイフで発泡成形体の厚み方向に約3mmの切り込みを入れた後、手で切り込み部から発泡成形体を破断し、破断面を観察して、破断面を構成する発泡粒子数に対する破壊された発泡粒子の割合を求めて以下の判定とした。
60%以上・・・○
60%未満・・・×
〔表面性評価〕
得られたポリプロピレン系樹脂発泡成形体の表面を観察し、10cm当たりの粒子間の1mm以上の陥没や間隙の平均個数を求めて以下の判定とした。
100箇所未満・・・○
100箇所以上・・・×
[寸法収縮率]
得られたポリプロピレン系樹脂発泡成形体の長手寸法を測定し、金型寸法(400mm)に対する収縮率を算出した。(B)成分を添加しない場合の寸法収縮率に対する収縮率の減少を求めて以下の判定とした。
±0.2%以上・・・○
±0.2%未満・・・△
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂として、融点142.0℃、MFR=6.14/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−1)100重量部を使用し、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が2900のエチレン−ブテン共重合体オリゴマー(B−1)2重量部、セル造核剤としてタルク0.01重量部をドライブレンドした後、50mm単軸押出機(大阪精機工作(株)製20VSE−50−28型)内で溶融混練した。得られた溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、一粒の重量が1.2mg/粒のポリプロピレン系樹脂粒子を得た。
得られたポリプロピレン系樹脂粒子100重量部、水300重量部、分散剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業社製)2.0重量部、分散助剤としてアルキルスルホン酸ナトリウム0.04重量部を容量4.5Lの耐圧オートクレーブ中に仕込み、攪拌下、発泡剤としてイソブタンを25重量部添加した。オートクレーブ内容物を昇温し、135.2℃の発泡温度まで加熱した。その後、30分間保持した後、オートクレーブ下部のバルブを開き、4.0mmφの開口オリフィスを通して、オートクレーブ内容物を大気圧下に放出してポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の発泡倍率は30倍、DSC比は22%であった。
得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を、pH=1の塩酸水溶液で洗浄した後、75℃で乾燥し、ダイセン株式会社製ポリオレフィン発泡成形機KD−345を用い、縦300mm×横400mm×厚み21mmの金型に、あらかじめ予備発泡粒子内部の空気圧力が0.18MPaになるように調整したポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、0.28MPa(ゲージ圧)の水蒸気で厚み方向に5%圧縮して加熱成形させることにより、ポリプロピレン系樹脂発泡成形体を得た。得られた発泡成形体は1時間室温で放置した後、75℃の恒温室内で3時間養生乾燥を行い、再び室温に取出してから室温で1時間放置した後の粒子間の融着性と発泡成形体の表面状態を観察した。結果を表3に示す。
(実施例2)
実施例1において、ポリオレフィンオリゴマーを、分子量が2900のエチレン−ブテン共重合体オリゴマー(B−1)5重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(実施例3)
ポリプロピレン系樹脂として、融点142.0℃、MFR=6.14/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−1)100重量部を使用し、分子量が10000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−2)5重量部、セル造核剤としてホウ酸亜鉛(富田製薬(株)製2335)0.1重量部をドライブレンドした後、50mm単軸押出機(大阪精機工作(株)製20VSE−50−28型)内で溶融混練した。得られた溶融混練樹脂を円形ダイよりストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザーで切断し、一粒の重量が1.2mg/粒のポリプロピレン系樹脂粒子を得た。
得られたポリプロピレン系樹脂粒子100重量部、水200重量部、分散剤としてカオリン(エンゲルハード社製ASP−170)0.75重量部、分散助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.018重量部を容量10Lの耐圧オートクレーブ中に仕込み、攪拌下、発泡剤として炭酸ガスを7重量部添加した。オートクレーブ内容物を昇温し、148.8℃の発泡温度まで加熱した後、さらに炭酸ガスを追加してオートクレーブ内圧を3.0MPa(ゲージ圧)とした。その後、30分間保持した後、オートクレーブ下部のバルブを開き、4.0mmφの開口オリフィスを通して、オートクレーブ内容物を大気圧下に放出して一段発泡予備発泡粒子を得た。得られた一段発泡予備発泡粒子の発泡倍率は15倍、融点ピークのDSC比は25%であった。得られた一段発泡予備発泡粒子内に空気含浸により0.37MPaの内圧を付与し、0.11MPa(ゲージ圧)の蒸気により加熱し、発泡倍率約30倍の発泡粒子を得た。結果を表3に示す。
得られたポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を、実施例1と同様に成形し、発泡成形体を得た。
(実施例4)
実施例1において、ポリオレフィンオリゴマーを、分子量が10000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−2)7重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(実施例5)
実施例3において、ポリプロピレン系樹脂として、融点144.1℃、MFR=7.00/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−2)100重量部を使用し、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が10000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−2)2重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例3と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(実施例6)
実施例5において、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が10000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−2)5重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例5と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(実施例7)
実施例5において、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が10000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−2)10重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例5と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(実施例8)
実施例1において、ポリプロピレン系樹脂として、融点137.3℃、MFR=5.20/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−3)100重量部を使用し、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が10000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−2)5重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(実施例9)
実施例8において、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が10000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−2)3重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例8と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(実施例10)
実施例8において、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が19000のプロピレン単独重合体オリゴマー(B−3)5重量部とし、表3記載の条件とした以外は、実施例8と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例2において、ポリプロピレン系樹脂として、融点137.9℃、MFR=1.96/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−4)100重量部を使用し、表4記載の条件とした以外は、実施例2と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表4に示す。
(比較例2)
実施例2において、ポリプロピレン系樹脂として、融点146.7℃、MFR=6.30/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−5)100重量部を使用し、表4記載の条件とした以外は、実施例2と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例2において、ポリプロピレン系樹脂として、融点144.1℃、MFR=7.00/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−2)100重量部を使用し、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が2900のエチレン−ブテン共重合体オリゴマー(B−1)0.4重量部とし、表4記載の条件とした以外は、実施例2と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例1において、ポリプロピレン系樹脂として、融点144.1℃、MFR=7.00/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−2)100重量部を使用し、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が1000のエチレン単独重合体オリゴマー(B−4)10重量部とし、表4記載の条件とした以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂粒子を作製しようとした。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂との混練が困難であり、均一なポリプロピレン系樹脂粒子が得られなかった。
(比較例5)
実施例3において、ポリプロピレン系樹脂として、融点144.1℃、MFR=7.00/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体(A−2)100重量部を使用し、ポリオレフィンオリゴマーとして、分子量が29000のエチレン−プロピレン共重合体オリゴマー(B−5)5重量部とし、表4記載の条件とした以外は、実施例3と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表4に示す。
(比較例6)
実施例1において、ポリオレフィンオリゴマーに替えて石油樹脂(荒川化学(株)製、アルコンP−140)3重量部とし、表4記載の条件とした以外は、実施例1と同様にして、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を得、発泡成形体を得た。結果を表4に示す。
実施例では、いずれも成形体の融着性、表面性とも良好であり、実施例3、4、9および10では寸法収縮率も小さかった。比較例1および2では、ポリプロピレン系樹脂が本発明の範囲外であり、成形体の表面性や融着性が不十分であった。比較例3では、ポリオレフィンオリゴマーの添加量が本発明の範囲外であり、成形体の表面性および融着性が不十分であった。比較例4および5ではポリオレフィンオリゴマーが本発明の範囲外であり、ポリプロピレン系樹脂との混練が困難であったり、成形体の表面性が不十分であった。比較例6では本発明の範囲外の石油樹脂を添加しており、混練性が不安定であり、且つ、ポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率の低下も大きく、成形体の表面性が不十分であった。
表面の平滑性が良好で粒子間隙が少なく薄肉部の充填性といった表面美麗性に優れ、さらに寸法収縮性に優れた型内発泡成形体が得られ、且つ、比較的低圧の水蒸気圧で成型可能であり、成形機のユーティリティコスト低減や成形サイクルの短縮が可能であり、工業的に極めて有用である。
本発明のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子の示差走査熱量計法による測定によって得られたDSC曲線の一例である。DSC曲線の低温側ピークと低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解開始ベースラインへの接線で囲まれる熱量が低温側の融解ピーク熱量Ql、DSC曲線の高温側ピークと低温側ピークと高温側ピークの間の極大点からの融解終了ベースラインへの接線で囲まれる熱量が高温側融解ピーク熱量Qhである。

Claims (5)

  1. ポリプロピレン系樹脂粒子、発泡剤、水、分散剤、分散助剤を含んでなる分散液を耐圧容器内に入れて、所定の温度まで加熱し、加圧下のもと、容器内混合物を耐圧容器内よりも低圧雰囲気下に放出して得られるポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子において、前記ポリプロピレン系樹脂粒子を構成するポリプロピレン系樹脂組成物が、(A)融点145℃以下であり、且つメルトフローレートが2.00g/10min以上であるポリプロピレン系樹脂100重量部、(B)エチレンおよび/またはプロピレンを主モノマーとして重合された、分子量が1500〜25000であるポリオレフィンオリゴマー1〜10重量部、を含んでなる、ポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  2. (B)成分であるポリオレフィンオリゴマーの融点が、(A)成分であるポリプロピレン系樹脂の融点より3℃以上高く、前記ポリプロピレン系樹脂組成物が、(A)成分100重量部に対して(B)成分を3重量部以上10重量部以下含んでなる請求項1記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂組成物のメルトフローレートが4.0g/10min以上である請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子。
  4. ポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の内圧が0.18MPa、加熱成形圧が0.28MPa(ゲージ圧)の条件の型内成形において、融着率60%以上の型内発泡成形体が得られることを特徴とする請求項1〜3何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のポリプロピレン系樹脂予備発泡粒子を用いて得られる型内発泡成形体。
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