JP2009083304A - 壁装用化粧シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層、非発泡樹脂層及び装飾層が順に形成されている壁装用化粧シートであって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)前記非発泡樹脂層は、カルボキシル基含有樹脂を含み、
(3)前記装飾層は、単層又は多層からなり、カルボキシル基含有樹脂及びオキサゾリン基含有樹脂を含む水性組成物からなる層を少なくとも有する
ことを特徴とする壁装用化粧シート。
【選択図】なし
Description
1.紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層、非発泡樹脂層及び装飾層が順に形成されている壁装用化粧シートであって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)前記非発泡樹脂層は、カルボキシル基含有樹脂を含み、
(3)前記装飾層は、単層又は多層からなり、カルボキシル基含有樹脂及びオキサゾリン基含有樹脂を含む水性組成物からなる層を少なくとも有する
ことを特徴とする壁装用化粧シート。
2.前記装飾層は、180℃以上で熱処理されている、上記項1に記載の壁装用化粧シート。
3.前記水性組成物は、カルボキシル基含有樹脂10〜30重量%及びオキサゾリン基含有樹脂0.2〜4重量%を含む、上記項1又は2に記載の壁装用化粧シート。
4.前記水性組成物は、カルボキシル基含有樹脂100重量部に対してオキサゾリン基含有樹脂を2重量部以上含む、上記項1又は2に記載の壁装用化粧シート。
5.前記水性組成物は、カルボキシル基含有樹脂の溶液又はエマルションとオキサゾリン基含有樹脂の溶液とを混合する工程を含む方法により得られる、上記項1〜4のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
6.紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層が形成されている、上記項1〜5のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
7.シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、上記項1〜6のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
本発明の壁装用化粧シートは、紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層、非発泡樹脂層及び装飾層が順に形成されている壁装用化粧シートであって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)前記非発泡樹脂層は、カルボキシル基含有樹脂を含み、
(3)前記装飾層は、単層又は多層からなり、カルボキシル基含有樹脂及びオキサゾリン基含有樹脂を含む水性組成物からなる層を少なくとも有することを特徴とする。
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていても良い。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を好適に用いることができる。非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定でないが、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等を用いることができる。特に、樹脂成分としてEVAを含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。例えば、EVA、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に用いることができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。本発明では、非発泡樹脂層は、カルボキシル基含有樹脂を含む。
本発明シートは、非発泡樹脂層Aのおもて面に装飾層を有する。本発明では、装飾層は、単層又は多層からなり、カルボキシル基含有樹脂及びオキサゾリン基含有樹脂を含む水性組成物からなる層を少なくとも有する。
オキサゾリン基含有樹脂としては、下記一般式(1)で示されるオキサゾリン基を有するものであれば良く、特に限定されない。
このようなオキサゾリン基含有樹脂は、公知又は市販のものを使用することができる。また、公知の製法によって得られるものも使用することができる。例えば、単量体として付加重合性オキサゾリンを1種又は2種以上含む原料を重合することによって得られる重合体をオキサゾリン基含有樹脂として用いることができる。この場合、前記のカルボキシル基含有ビニルモノマーと重合可能な単量体も必要に応じて用いることができる。
上記の付加重合性オキサゾリンとしては、例えば2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等の少なくとも1種が挙げられる。
本発明シートは、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、シート最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面コート層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明シートの製造方法は特に限定されない。例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、シリンダー温度130℃、ダイス温度130℃にてi)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み10μ/100μ/10μになるように製膜し、裏打紙面上に前記iii)層が配置されるように積層した。i)層上より電子線(200KV 5Mrad)を照射し、最表面層を架橋させた。次に、前記i)層上にコロナ放電処理を行い、さらにグラビア印刷機により絵柄印刷として水性アクリル系樹脂からなるインキで柄層(塗工量2g/m2)を印刷した。さらに、絵柄層上に表面層(OP層:塗工量2g/m2)を下記組成のOP層用インキで形成することにより、印刷物を作製した。次いで、得られた印刷物をギアオーブン(東洋精機製)で220℃にて35秒間加熱し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させ、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁紙を得た。
(OP層用インキの組成)
・カルボキシル基含有アクリルエマルジョン(酸価31mgKOH/g、固形分38重量%):50重量部
・オキサゾリン基含有樹脂(「エポクロスWS700」日本触媒製):10重量部
・水:14重量部
・イソプロピルアルコール:4重量部
・体質顔料(アクリルビーズ)16重量部
・シリコン6重量部
なお、上記組成では、カルボキシル基含有アクリルエマルジョン固形分100重量部に対してオキサゾリン基含有樹脂固形分が13.2重量部であった。
前記オキサゾリン基含有樹脂を4.6重量部(カルボキシル基含有アクリルエマルジョン固形分100重量部に対してオキサゾリン基含有樹脂の固形分が6.0重量部)としたほかは、実施例1と同様にして印刷物を作製した。次いで、得られた印刷物をギアオーブン(東洋精機製)で220℃にて35秒間加熱した。
前記オキサゾリン基含有樹脂を0重量部としたほかは、実施例1と同様にして印刷物を作製した。次いで、得られた印刷物をギアオーブン(東洋精機製)で220℃にて35秒間加熱した。
実施例1と同様にして印刷物を作製した。次いで、得られた印刷物をギアオーブン(東洋精機製)で160℃にて35秒間加熱した。
実施例1と同様にして印刷物を作製した。次いで、得られた印刷物をギアオーブン(東洋精機製)で100℃にて35秒間加熱した。
前記オキサゾリン基含有樹脂の代わりにイソシアネート化合物(「AQ100」日本ポリウレタン製、固形分100%)を5重量部(カルボキシル基含有アクリルエマルジョン固形分100重量部に対してイソシアネート化合物の固形分が26重量部)を配合し、5時間経過後に塗工し、OP層を形成したほかは、実施例1と同様にして印刷物を作製した。次いで、得られた印刷物をギアオーブン(東洋精機製)で220℃にて35秒間加熱した。
脱脂綿に市販のアルカリ性住宅用合成洗剤(「マジックリン」花王製)を染み込ませ、1500g荷重でOP層の上から100回ラビングした後の塗膜の状態を目視で確認した。塗膜に外観上の変化がなかったものを「◎」、若干の艶変化が認められる程度のものを「○」、柄層が50%取れたものを「△」、柄層が全部取れたものを「×」と評価した。その結果を表1に示す。
アクリル系樹脂からなる原反を最表層がEVAからなる原反に変えた以外は実施例1と同様にして印刷物を作製した。次いで、得られた印刷物をギアオーブン(東洋精機製)で220℃にて35秒間加熱した。
市販の青インク(パイロット製)を脱脂綿に染み込ませ、これを塗膜上に24時間放置した。その後水洗し、塗膜の状態を目視にて観察した。塗膜に汚れが残らないものを「○」、やや汚れが残る程度のものを「△」、汚れが濃く残るものを「×」と評価した。その結果を表1に示す。
市販のニチバン製産業用セロテープ(登録商標)を、製品表面に貼り付け、強剥離にて耐セロテープ(登録商標)密着試験実施。そのときの、製品表面が、概観変化なし「○」、柄剥離のものを「×」としてその結果を表1に示す。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、シリンダー温度130℃、ダイス温度130℃にてi)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み10μ/100μ/10μになるように製膜し、裏打紙面上に前記iii)層が配置されるように積層した。次に、前記i)層上にコロナ放電処理を行い、さらにグラビア印刷機によりプライマー処理として水性アクリルウレタン系樹脂からなる柄用プライマー(塗工量2g/cm2)をコートした。その上に絵柄印刷として水性アクリル系樹脂からなるインキで柄層(塗工量2g/m2)を印刷した。その後、下記組成(プライマー組成)からなる電離放射線硬化型樹脂用プライマーを塗工し、プライマー層を形成した。
(プライマー組成)
・カルボキシル基含有ポリエステル系ウレタンエマルジョン(酸価20mgKOH/g、固形分44重量%):66重量部
・オキサゾリン基含有樹脂(「エポクロスWS700」日本触媒製、固形分25重量%):7重量部
・イソプロピルアルコール:3重量部
・水:10重量部
・ヘキシルジグリコール1重量部
・シリカ:3重量部
なお、上記組成では、カルボキシル基含有アクリルエマルジョン固形分100重量部に対してオキサゾリン基含有樹脂固形分が6.2重量部であった。
前記オキサゾリン基含有樹脂を2.3重量部(カルボキシル基含有アクリルエマルジョン固形分100重量部に対してオキサゾリン基含有樹脂の固形分が2.0重量部)としたほかは、実施例3と同様にして印刷物を作製した。次いで、ギアオーブン(東洋精機製)で220℃にて35秒間加熱した。
前記オキサゾリン基含有樹脂を0重量部としたほかは、実施例3と同様にして印刷物を作製した。次いで、ギアオーブン(東洋精機製)で220℃にて35秒間加熱した。
脱脂綿にエタノールを染み込ませ、1500g荷重で塗膜を100回ラビングした後の塗膜の状態を目視で確認した。塗膜に外観上の変化がなかったものを「5」、若干の艶変化が認められたものを「4」、柄層が一部取れたがなお柄層が維持されているものを「3」、柄層のほとんどが取れたものを「2」、柄層が全部取れたものを「1」と評価した。その結果を表2に示す。
市販のアルカリ性住宅用合成洗剤(「マジックリン」花王製)を脱脂綿に染み込ませ、これを塗膜上に1時間放置した。その後塗膜の状態を目視にて観察した。柄層の脱色がないものを「○」、脱色があるものを「×」と評価した。その結果を表2に示す。
Claims (7)
- 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層、非発泡樹脂層及び装飾層が順に形成されている壁装用化粧シートであって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)前記非発泡樹脂層は、カルボキシル基含有樹脂を含み、
(3)前記装飾層は、単層又は多層からなり、カルボキシル基含有樹脂及びオキサゾリン基含有樹脂を含む水性組成物からなる層を少なくとも有する
ことを特徴とする壁装用化粧シート。 - 前記装飾層は、180℃以上で熱処理されている、請求項1に記載の壁装用化粧シート。
- 前記水性組成物は、カルボキシル基含有樹脂10〜30重量%及びオキサゾリン基含有樹脂0.2〜4重量%を含む、請求項1又は2に記載の壁装用化粧シート。
- 前記水性組成物は、カルボキシル基含有樹脂100重量部に対してオキサゾリン基含有樹脂を2重量部以上含む、請求項1又は2に記載の壁装用化粧シート。
- 前記水性組成物は、カルボキシル基含有樹脂の溶液又はエマルションとオキサゾリン基含有樹脂の溶液とを混合する工程を含む方法により得られる、請求項1〜4のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
- 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層が形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
- シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、請求項1〜6のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
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