JP2004292747A - 水性インキ組成物、これを用いて得られる化粧紙及び化粧材 - Google Patents

水性インキ組成物、これを用いて得られる化粧紙及び化粧材 Download PDF

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克行 植木
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智彦 岡
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Abstract

【課題】保存性の良好な水性インキ組成物を得ること。また、耐汚染性が優れた建装材用の化粧紙、及び化粧材を得ること。
【解決手段】酸価10〜300mgKOH/gの水性樹脂と、水性樹脂の酸基量の0.01〜0.50倍等量の官能基を有する硬化剤を含有する水性インキ組成物。硬化剤の官能基がオキサゾリン基を含有する水性インキ組成物。pHが7以上である水性インキ組成物。基材上に、水性インキ組成物による印刷模様層、その上面にトップコート層が形成された化粧紙。化粧紙を用いて得られる化粧材。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保存性の良好な水性インキ組成物、及び耐汚染性の優れる建装材用の化粧紙並びに化粧材に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷模様層が印刷紙上に形成された従来の水性インキ組成物は、高酸価のアクリル樹脂やウレタン樹脂などを中和し塩の形にして水可溶性としたり、水溶性でない樹脂を使用する際はエマルション等のディスパージョンの形にして水に分散して使用してきた。
【0003】
しかしながら、高酸価樹脂を中和した樹脂は塩であるため、乾燥した塗膜においても水可溶性であることが多い。これに起因して耐薬品性等いわゆる建材物性の性能、特に耐アルカリ性の性能が劣っていた。また、高建材物性を得るために高分子量の樹脂をエマルションやハイドロゾルタイプとしたり、樹脂骨格中にエチレンオキサイド等の水溶化物を導入して水溶化した樹脂による水性インキ組成物が行われていた。しかし、前述の中和した水溶性樹脂よりも建材物性の性能は優れているものの未だ不充分であった(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−115076号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この様な状況から、水溶性樹脂を主体とした、印刷適性が良好で建材物性が優れる薄紙化粧紙が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、酸価10〜300mgKOH/gの水性樹脂と、水性樹脂の酸基量の0.01〜0.50倍等量の官能基を有する硬化剤を含有する水性インキ組成物である。
【0007】
第2の発明は、硬化剤の官能基がオキサゾリン基を含有する第1の発明に記載の水性インキ組成物である。
第3の発明は、pHが7以上である第1または第2の発明に記載の水性インキ組成物である。
【0008】
第4の発明は、基材上に、第1〜第3の発明いずれか記載の水性インキ組成物による印刷模様層、その上面にトップコート層が形成された化粧紙である。
第5の発明は、第4の発明に記載の化粧紙を用いて得られる化粧材である。
【0009】
本発明の原理は、水性樹脂を使用したインキは樹脂が乾燥した後も酸基を持つため水溶性があり、耐酸性試験や耐アルカリ性試験、耐シンナー性試験等の建材物性に劣るが、印刷時及び乾燥時に水性樹脂の酸基を、酸基と反応性を有する硬化剤により架橋、高分子量化することにより水への不溶化が図られる。従って、建材物性の向上が達成される。
【0010】
また更に、硬化剤の反応基にオキサゾリン基を用い、pH7以上の水性インキ組成物は、例えば反応基にアジリジニル基やカルボジイミド基などの官能基を有する硬化剤を使用した水性インキ組成物に比べて、水性インキ組成物の経時粘度変化が小さく、印刷時の粘度管理が容易になる。
【0011】
【発明の実施の態様】
本発明の化粧紙の基材としては30〜50g/mの薄紙の化粧紙原紙が好ましく用いられる。
本発明において、水性インキ組成物で用いられる水性樹脂としては、酸基を有する樹脂であれば特に制約はない。例としてアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アミノ酸系樹脂等が挙げられる。なかでも建材物性の比較的良好なアクリル樹脂及びウレタン樹脂がより好ましい。
【0012】
水溶性樹脂中の酸基とは、水溶化時にR−及びH+に電離する酸、いわゆるブレンステッド酸であれば特に制限はない。本発明における酸基は後述の硬化剤と反応することにより性能を発現するため、酸基はブレンステッド酸が必要である。具体的にはカルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。ポリマーへの導入が簡単であり反応性に富むことからカルボン酸がより好ましい。
【0013】
水溶性樹脂の酸価は酸価10〜300mgKOH/g(樹脂固形分)であり、好ましくは100〜250mgKOH/gの範囲である。
酸価が10mgKOH/g未満では、硬化剤と反応する場合に官能基量が少ないため耐汚染性が発現しにくい。また、樹脂の組成や骨格の条件にもよるが、酸価が小さい樹脂は一般的に水溶化が困難となる傾向がある。
【0014】
また、酸価が300mgKOH/g(樹脂固形分)より大きいと、硬化剤と反応する場合に未反応の官能基が多く残り、硬化後の水への不溶化が不充分で耐汚染性が発現しにくい傾向がある。また、酸価が高くなると、樹脂中の酸価を持たせるための成分、例えば(メタ)アクリル酸や無水マレイン酸等の比率が多くなり、建材物性を保持するための他の成分の比率が相対的に少なくなるため、結果として硬化剤と反応しても目的の建材物性が得られない傾向がある。
【0015】
水溶性樹脂は、重量平均分子量3000〜1000000が好ましく、重量平均分子量5000〜300000の範囲が特に好ましい。重量平均分子量3000未満では、硬化剤と反応する場合において充分な分子量が得られず、溶剤や水等に可溶性のままとなる。そのため、溶剤や水を含む耐汚染性試験において満足な結果が得られない傾向がある。重量平均分子量が1000000より大きいと、水性インキ組成物の粘度が非常に高くなり、塗工が困難となったり、塗工を容易とするために希釈剤を多く加え粘度を下げることになり、性能を発現するのに充分な塗布量を得ることができない傾向がある。
【0016】
本発明における水性インキ組成物中の水性樹脂の形態は、水溶性またはエマルションやハイドロゾルタイプなどのディスパージョンである。何れの形態の樹脂を使用しても目的とする建材物性には特に影響はないが、高分子量樹脂をディスパーションタイプとして用いたときには、樹脂が印刷時に乾燥すると高分子量樹脂は不溶性であるが故に再度水に分散や溶解することが難しい。このような場合、連続印刷時に経時でインキの塗布量、すなわち印刷柄濃度が変化する不都合が考えられるので留意する必要がある。
【0017】
本発明で用いられる樹脂は水性であるため、樹脂中に例えばエチレンオキサイド等の水溶性を高める部位を有さない樹脂に対しては、酸基を中和し塩の形とすることで水溶性を高めることができる。
【0018】
酸が塩の形でなくても水溶性である樹脂に対しては、必ずしも酸を中和し塩の形にする必要はない。また、樹脂の水溶化のために中和が必要な樹脂に対しても必ず全ての酸基を中和する必要はなく、必要に応じて添加される硬化剤との反応性により、中和の程度すなわちpHを調整することが好ましい。
【0019】
酸を中和する中和剤には塩基性化合物が用いられる。具体例としてアンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノー2−メチル−1−プロパノール等の有機アミン類、水酸化カリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類等が挙げられる。
【0020】
水性インキ組成物における樹脂と硬化剤の反応性を高めるには、アンモニア等の揮発性の高い塩基性化合物を使用することが好ましい。しかし、水性インキ組成物の保存条件によっては、中和塩基性化合物が雰囲気中へ揮散し易くなり、結果として水性インキ組成物の粘度安定性を損なうことにもなる。逆に、無機アルカリ類や揮発性の小さい有機アミン類を使用すると、水性インキ組成物の粘度安定性は向上するが、酸と硬化剤の反応性は乏しくなる。
樹脂の酸を中和する塩基化合物の種類と中和量は、その条件に合わせて選択する必要がある。
【0021】
特に、樹脂の塩基にカルボン酸、硬化剤の反応基にオキサゾリン基を用いる水性インキ組成物でpH7未満である場合、水性インキ組成物は化粧原紙に塗布後、速やかに反応し耐汚染性能を発現する。
一方、水性インキ組成物がpH7以上の場合、塗布後に反応の為に若干の熱量を必要とする。その反面、水性インキ組成物におけるカルボン酸とオキサゾリン基の反応は非常に緩慢となる。すなわち、水性インキ組成物自体の経時における粘度の上昇が大変小さいため、粘度安定性を高める効果がある。
【0022】
水性樹脂における酸基と反応性を有する硬化剤の官能基としては、エポキシ基、オキサゾリン基、アジリジニル基、カルボジイミド基、シラノール基、アルコキシリル基、アミノ基、水酸基、メルカプト基等が挙げられる。1分子中にこれらの官能基が1種、または2種以上の存在することが必要である。
【0023】
硬化剤における、水性樹脂の酸基と反応性を有する官能基の量は、前記水性樹脂の酸基量の0.01〜0.50倍等量であることが好ましい。官能基の量が0.01等量より少ない場合は、水性インキ組成物中での水性樹脂の酸基と硬化剤の官能基の架橋密度が疎になり、更に目的の耐汚染性が悪化することが考えられる。官能基の量が0.50倍等量より多い場合は、水性樹脂の分子間架橋が過剰になりインキ層が剛直となる。そのため、トップコートとの密着性が悪化することから、耐汚染性の悪化に繋がる。
【0024】
硬化剤における官能基の量によって硬化剤の添加量は左右されるが、硬化剤における好ましい官能基価は、固形分で30〜500mgKOH/gの範囲である。30mgKOH/g未満では、樹脂酸基と反応する量が少ないため耐汚染性が発現しにくい場合がある。官能基価が500mgKOH/gより大きい場合、小さい分子に多数の官能基が付加していることになり、樹脂酸基と反応する場合に未反応の官能基が多く残りやすく、耐汚染性が発現しにくい傾向がある。
【0025】
硬化剤の骨格としては特に制限はない。例えばペンタエリスリトールやトリメチロールプロパン、ソルビトール、グリセロール、レゾルシノール、ビスフェノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の比較的低分子量である骨格が挙げられる。これらの骨格に反応性官能基があっても良く、高分子量のアクリル樹脂やウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂等に反応性官能基が組み込まれていてもよい。
【0026】
硬化剤は、その種類も色々あるため、一概に適正分子量は定められない。水性樹脂と硬化剤を組み合わせる毎に充分な検証を行う必要がある。但し、分子量が約500以下になると、その添加量にもよるが、得られた化粧紙に粘着性が残り化粧紙同士が接着する場合がある。一方、分子量が10000以上と大きい時は、樹脂の酸に対する硬化剤の官能基が少なくなり、目的の性能が落ちたり、水性インキ組成物の粘度が高くなり、樹脂の分子量が大きい場合と同じ不具合が生じる場合がある。
【0027】
上記成分を配合し常法により混練して水性インキ組成物が得られる。
水性インキ組成物には、必要に応じて水以外の有機溶剤を含むことができる。水と可溶であれば有機溶剤の種類に特に制限はない。具体的には、水を任意の量で混合できるメタノール、エタノール、イソプルピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールのアルコール類や、プロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコール類が挙げられる。
【0028】
また、水性インキ組成物には上記の他、銅フタロシアニングリーン、銅フタロシアニンブルー、酸化チタン、カーボンブラック等の有機または無機顔料、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、アルミナ、気相法シリカ、湿式法シリカ、有機処理シリカ、アルミナ処理シリカ、クレー等の体質顔料、その他必要な添加剤等を添加することができる。
【0029】
本発明において、化粧紙原紙に水性インキ組成物を常法により塗布した後、水やその他の媒体を揮発、乾燥するに必要な熱量以外に、必要に応じて更に酸基と硬化剤中の官能基とを反応させるために熱量が加えられる。反応に必要な熱量とは、その目的とする性能や水性インキ組成物の組成により様々であるが、例えば300℃以上の高温では化粧紙原紙が劣化したり、0℃未満の低温では樹脂の酸基と硬化剤の反応基の反応が進まないことから0〜300℃が好ましく、より好ましくは40〜250℃の範囲である。水性インキ組成物の塗布後、化粧紙に熱を与える時間としては、あまり長時間では生産性が落ち、短過ぎると反応が充分に進まないことになる。与える熱の温度と時間は、その印刷条件により検証し決定する必要がある。
【0030】
本発明の薄紙化粧紙は、上記水性インキ組成物を塗布することにより、従来の技術で得られる薄紙化粧紙と比較して格段に建材物性が向上するが、本発明の技術では向上しない耐摩耗性や薄紙印刷紙の光沢の調整等、他の建材物性を得ることを目的に、水性インキ組成物より成る印刷模様層の上面に、トップコート層を塗布するのが好ましい。
【0031】
トップコートの樹脂系としては特に制限はなく、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アミノ酸系樹脂等が挙げられる。また、これらは水性でも油性であっても特に問題にならない。
【0032】
トップコートには高い建材物性が必要となることが多いため、一般にはトップコート樹脂に対して硬化剤を加えて反応させる形態が選ばれる。反応の種類としてはカルボン酸+アジリジニル基、水酸基+メラミン、カルボン酸+カルボジイミド基、カルボン酸+ヒドラジド基、カルボン酸+エポキシ基、カルボン酸+オキサゾリン基、水酸基+イソシアネート基等が挙げられる。
【0033】
また、紫外線や電子線等のエネルギー線で反応硬化させる、官能基同士の反応系でないトップコートも一般に広く利用できる。反応の種類としてはラジカル型とカチオン型が挙げられる。
【0034】
トップコート組成物の塗工方法としては、グラビア印刷、グラビアリバース印刷、グラビアオフセット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、ロールコーター、コンマコーター、スプレーコーター、ファウンテンコーター等が挙げられる。
【0035】
【実施例】
以下、具体例を用いて本発明を更に詳細に説明する。尚、部とは重量部、%とは重量%を示す。
説明中におけるトップコート組成物の詳細は以下の通りである。
トップコート組成物A;3官能のアクリレートモノマーを50部、5官能のアクリレートモノマーを40部、2官能のウレタンアクリレートオリゴマーを10部含有する組成物
【0036】
トップコート組成物B;3官能のアクリレートモノマーを45部、5官能のアクリレートモノマーを40部、2官能のウレタンアクリレートオリゴマーを10部、チバガイギー社製光開始剤ダロキュアー1173を4部、片末端シリコーンアクリレート1部を含有する組成物
【0037】
トップコート組成物C;メチルメタクリレート、スチレン、n−ブチルアクリレート、アクリル酸をラジカル共重合した平均分子量10000、酸価150mgKOH/g、固形分25%の水溶性アクリル樹脂100部及び、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]15部を含有する組成物
【0038】
[実施例1]
水溶性アクリル樹脂(モートン(株)製、固形分25%、酸価171mgKOH/g)50部、硬化剤としてオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(日本触媒(株)製、固形分40%、官能基価252mgKOH/g)1部、顔料5部、水44部を配合し混練してpH8.0の水性インキ組成物を得た。
これを坪量30g/mの薄紙化粧紙原紙にグラビア印刷機により柄模様を印刷し、170℃、30秒間乾燥した。その柄模様層の上面にトップコート組成物Aをグラビア印刷機により固形分で20g/m塗布し、40kGy吸収線量(日新ハイボルテージ(株)製電子線照射装置)を照射、硬化させ、薄紙化粧紙を得た。
【0039】
[実施例2]
実施例1で得られた水性インキ組成物において、オキサゾリン基を有する水溶性樹脂(日本触媒(株)製、固形分25%、官能基価252mgKOH/g)を10部用いた以外は他の成分と配合量は同じとし、98%酢酸水溶液でpH6.5に調整した水性インキ組成物を得た。
これを坪量30g/mの薄紙化粧紙原紙にグラビア印刷機により柄模様を印刷し、100℃、10秒の条件で乾燥後、80℃、3日間養生した。その柄模様層の上面にトップコート組成物Bをバーコーターにて固形分で4g/m塗布し、UV照射装置(ウシオ(株)製、高圧水銀ランプ120W/cm、コンベア速度10m/min)にて硬化させて薄紙化粧紙を得た。
【0040】
[実施例3]
ネオレッツR960(ゼネカ(株)製、水溶性ウレタン樹脂、固形分33%、酸価30mgKOH/g)70部、硬化剤としてオキサゾリン基を有する樹脂エマルション(固形分40%、51mgKOH/g)10部、顔料5部、イソプロピルアルコール5部、水10部を配合し混練してpH7.8の水性インキ組成物を得た。
これを坪量30g/mの薄紙化粧紙原紙にグラビア印刷機により柄模様を印刷し、200℃、30秒間乾燥した。その柄模様層の上面に水性トップコート組成物Cを、グラビア印刷機により固形分で10g/m塗布し、150℃10秒間乾燥後、80℃で1日養生して薄紙化粧紙を得た。
【0041】
[実施例4]
ジョンクリルJ−61J(ジョンソンポリマー(株)製水溶性アクリル樹脂、固形分31%、酸価195mgKOH/g)50部、エポキシ基含有硬化剤(長瀬産業(株)製、固形分100%、官能基価336mgKOH/g)2部、顔料10部、水38部を配合し混練してpH8.5の水性インキ組成物を得た。
これを坪量30g/mの薄紙化粧紙原紙にグラビア印刷機により柄模様を印刷し、200℃30秒間乾燥した。その後、実施例1と同じ条件でトップコート層を形成して薄紙化粧紙を得た。
【0042】
[比較例1]
実施例1で用いられた水性インキ組成物において、オキサゾリン基含有硬化剤を除いたpH8.0の水性インキ組成物を用い、同様の条件で柄模様を形成し、同様の条件にてトップコートを塗布して、薄紙化粧紙を得た。
【0043】
[比較例2]
実施例2で用いられた水性インキ組成物において、オキサゾリン基含有硬化剤を除いたpH6.5の水性インキ組成物を用い、同様の条件で柄模様を形成し、同様の条件にてトップコートを塗布して、薄紙化粧紙を得た。
【0044】
[比較例3]
実施例3で用いられた水性インキ組成物において、オキサゾリン基含有硬化剤を除いたpH7.8の水性インキ組成物を用い、同様の条件で柄模様を形成し、同様の条件にてトップコートを塗布して、薄紙化粧紙を得た。
これを用い、実施例3と同じ条件で薄紙化粧紙を得た。
【0045】
[比較例4]
実施例4で用いられた水性インキ組成物において、エポキシ基含有硬化剤を除いたpH8.3の水性インキ組成物を用い、同様の条件で柄模様を形成し、同様の条件にてトップコートを塗布して、薄紙化粧紙を得た。
【0046】
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られたインキ組成物及び薄紙化粧紙において、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
[耐汚染性]
1.耐酸性
薄紙化粧紙を5%酢酸水溶液でひたひたに浸して時計皿で覆い、6時間静置した。薄紙化粧紙を取り出してその表面を脱脂綿で拭き取った後の表面状態を観察し、未処理のものと比較した。
【0047】
2.耐アルカリ性
浸漬溶液として1%炭酸ナトリウム水溶液を用い、1.耐酸性の試験と同様に行った。
3.耐シンナー性
浸漬溶液として酢酸エチル/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール/トルエン=30/30/10/30の溶液を用い、1.耐酸性の試験と同様に行った。
【0048】
[インキ組成物のポットライフ]
インキ組成物を配合した直後の粘度と、1ヶ月間40℃にて保存した後の粘度を測定し、粘度の安定性を評価した。
【0049】
【表1】
Figure 2004292747
【0050】
【発明の効果】
本発明の水性インキ組成物は、酸価10〜300mgKOH/gの水性樹脂と、水性樹脂の酸基量の0.01〜0.50倍等量の官能基を有する硬化剤を含有するので、印刷及び乾燥の際に、水性樹脂の酸基が、酸基と反応性を有する硬化剤の官能基により架橋、高分子量化されることにより水への不溶化が図られる。よって水性インキ組成物による印刷模様層面の建材物性が向上する。硬化剤の官能基が、オキサゾリン基を含有する場合は建材物性が更に向上する。
【0051】
硬化剤の官能基がオキサゾリン基であり、水性インキ組成物のpHが7以上である場合、本発明の水性インキ組成物における経時の粘度変化が小さく保存安定性(ポットライフ)が良好である。
【0052】
従って、基材上に、本発明の水性インキ組成物による印刷模様層、その上面にトップコート層が形成された本発明の化粧紙、及びこの化粧紙を用いて得られる本発明の化粧材の表面は、従来製品より耐汚染性が向上している。よって、品質の優れた化粧紙及び化粧材を提供することが出来る。

Claims (5)

  1. 酸価10〜300mgKOH/gの水性樹脂と、水性樹脂の酸基量の0.01〜0.50倍等量の官能基を有する硬化剤を含有する水性インキ組成物。
  2. 硬化剤の官能基がオキサゾリン基を含有する請求項1に記載の水性インキ組成物。
  3. pHが7以上である請求項1または2に記載の水性インキ組成物。
  4. 基材上に、請求項1〜3いずれか記載の水性インキ組成物による印刷模様層、その上面にトップコート層が形成された化粧紙。
  5. 請求項4に記載の化粧紙を用いて得られる化粧材。
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