JP2009082967A - 象嵌鋳造品及び象嵌鋳造品の象嵌方法 - Google Patents

象嵌鋳造品及び象嵌鋳造品の象嵌方法 Download PDF

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Hiromichi Kobayashi
洋道 小林
Sanae Kobayashi
早苗 小林
Kunimitsu Yamasako
国光 山迫
Kenji Sumitani
賢二 隅谷
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Abstract

【課題】象嵌材の母材への定着が良く、良好な象嵌を施した象嵌鋳造品を、熟練した彫金技術を伴うことなく比較的容易に得ることのできる象嵌鋳造品の提供。
【解決手段】母材1の象嵌溝に象嵌材3が象嵌されてなる象嵌鋳造品であって、象嵌溝には複数の微細凹部が形成され、象嵌溝内からこれら複数の微細凹部内にかけて、象嵌材が一体的に充填されてなる。微細凹部は、象嵌溝の溝側面に形成された点状傷又は線状傷からなる。母材は、ロストワックス法によって鋳造されてなり、象嵌材は、象嵌形状に予め成型された成型地金が、成型ワックスに接着されることで鋳型内に固定され、熱溶融した母材がこの鋳型内に充填されることで象嵌される。
【選択図】図1

Description

本発明は、象嵌を施した象嵌鋳造品及び象嵌鋳造品の象嵌方法に関する。
ロストワックス法(蝋型鋳造)による象嵌鋳造品の製作は、造形用ワックスによる原型の制作、埋没材への原型の埋没、脱蝋および鋳型焼成、地金を流し込む鋳造、並びに象嵌鋳造品の取り出し、研磨による仕上げといった各工程で行われる。こうしてできる象嵌鋳造品に象嵌を施す方法として、従来、彫金によって溝を形成し、底に金槌等を用いて象嵌材となる型取りした純金等の板材、線材を埋め込んでいくという、京象嵌の方法がある。
一方、レーザーエッチングを用いた機械的な象嵌加工法として、ワークの表面に樹脂剤を塗布した後にレーザービームによって表面処理を施し、このワークをメッキ槽に入れてメッキ材を付着させ、その後に先に塗布しておいた樹脂剤を取り除き、改めてもう一度樹脂液を薄く塗布して被膜を設け、焼き付けて象嵌加工を行う方法が開示される(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−25864号公報
しかしながら上記京象嵌の方法は、彫金による埋め込み作業等において、熟練した彫金技術が必要であり、象嵌鋳造品を容易に得ることが困難であった。
また前記レーザーエッチングによる象嵌加工法は、機械的なエッチングや単純なメッキ槽への浸漬を行うことで、比較的容易な製造方法となるものの、象嵌材と母材の間に隙間が生じる等、象嵌材の母材への定着性に問題があった。定着が不安定であると、制度の良い象嵌を施すことができない。
そこで本発明は、象嵌材の母材への定着が良く、良好な象嵌を施した象嵌鋳造品を、熟練した彫金技術を伴うことなく比較的容易に得ることのできる象嵌鋳造品の提供を課題とする。
本発明は上記課題を解決すべく以下(1)〜(7)の手段を講じている。
(1)すなわち、本発明の象嵌鋳造品は、母材1の象嵌溝2に象嵌材3が象嵌されてなる象嵌鋳造品であって、象嵌溝2には複数の微細凹部21が形成され、象嵌溝2内からこれら複数の微細凹部21内にかけて、象嵌材3が一体的に充填されてなることを特徴とする。
(2)前記象嵌鋳造品において、微細凹部21は、象嵌溝2の溝側面に形成された点状凹部21a又は線状凹部21bからなることが好ましい。
(3)前記(1)(2)いずれかの象嵌鋳造品において、母材1は、ロストワックス法によって鋳造されてなり、象嵌材3は、象嵌形状に予め成型された成型地金31が、成型ワックス40に接着されることで鋳型10内に固定され、熱溶融した母材1がこの鋳型10内に充填されることで象嵌されたものであることが好ましい。ここで用いられる地金には、象嵌溝2の微細凹部21に対応した微細凸部311が予め一体的に突出形成されてなる。この微細凸部311を有した地金が、鋳型10内に突出するように固定されることによって、鋳造された母材1には微細凹部21から象嵌溝2内にかけて、象嵌材3が一体的に充填される。
(4)前記(3)の象嵌鋳造品の製造方法は、象嵌形状に成型した成型地金31を、成型ワックス40に貼付ける地金貼付け工程と、地金貼付け工程によって貼り付けた成型地金31と成型ワックス40とを共に耐火石膏内に埋没させる埋没工程と、その後の脱蝋工程、鋳型10焼成工程、及び不活性化ガスを用いた真空加圧によって母材1を鋳造する鋳造工程と、脱型した地金及び母材1を共に研磨する研磨工程とを順に具備する。
ここで、地金貼り付け工程において、貼り付けた成型地金31と成型ワックス40との隙間に充填用の液体ワックスをしみこませると、余分な隙間が充填され、精度の高い象嵌溝2が形成される。充填用の液体ワックスは、水性タイプ又はアルコールタイプ(カルナウバロウ、セラック等)を使用する。
また前記(3)の象嵌鋳造品において、地金は、成型ワックス40に保持固定するための保持棒312を有してなることが好ましい。
(5)或いは、前記(1)(2)いずれかの象嵌鋳造品において、象嵌材3は、母材1よりも低い融点の地金からなるとともに、象嵌材3の融点よりも低く且つ母材1の融点よりも高い溶融温度で加熱溶融されながら、点状又は線状凹部21bの形成された象嵌溝2内に流し込まれて形成されたものであることが好ましい。なお、この加熱溶融は、高周波レーザーによって地金を高周波振動させて行うことが好ましい。
(6)前記(5)の象嵌鋳造品の製造方法として、母材1を、象嵌溝2を含まない全体成型形状として鋳造する鋳造工程と、この母材1に所定形状の象嵌溝2を形成する象嵌溝形成工程と、象嵌溝2内に微細凹部21を形成する凹部形成工程と、形成した象嵌溝2及び微細凹部21に、棒状の地金を先端から順に加熱溶融しながら流盛して象嵌する加熱象嵌工程と、加熱象嵌工程において上部に余分に流盛された地金を研磨する研磨工程とを順に具備する。
また象嵌鋳造品の製造方法において、研磨工程の後に、母材1と象嵌材3の表面を着色材で一緒に着色する着色工程を具備するものでも良い。この場合、母材1と象嵌材3の発色効果が異なるものとすることで、位置の着色工程によって、象嵌模様を簿材に対して浮色させることができる。
前記象嵌鋳造品の製造方法の加熱象嵌工程において、形成した象嵌溝2及び微細凹部21内に、加熱によって気化するフラックスを塗布してから地金を流し込むことが好ましい。
(7)或いは前記(5)の象嵌鋳造品の製造方法として、母材1を、象嵌溝2を含まない全体成型形状として鋳造する鋳造工程と、この母材1に所定形状の象嵌溝2を形成する象嵌溝2形成工程と、象嵌溝2内に微細凹部21を形成する凹部形成工程と、形成した象嵌溝2及び微細凹部21に、地金粉末とバインダーと水とを混練した粘土状の混練材を押し込んで象嵌する混練材象嵌工程と、混練材象嵌工程によって象嵌された混練材を乾燥させ、その後焼成する乾燥・焼成工程とを順に具備するものとしても良い。この場合、加熱溶融による加熱象嵌工程ではなく、地金粉末とバインダーと水とを混練した粘土状の混練材を溝内に押し込むため、混練材の量を調節して余分な混練材の押し込みを削減することができ、また押し込みによって確実に混練材の充填をすることができる。
上記手段を講じることで、象嵌材3の母材1への定着が良く、かつ精度の良い良好な象嵌を施した象嵌鋳造品を容易に得ることができる。
以下、本発明の最良の形態例を、各実施例として示す各図と共に説明する。図1および2は実施例1の、図3は実施例2の象嵌鋳造品を示す。また図4ないし図8はそれぞれ、実施例1ないし5の象嵌鋳造品の製造工程を示す断面説明図である。
本発明の象嵌鋳造品は基本的に、象嵌溝2が形成された母材1と、この母材1の象嵌溝2に象嵌された象嵌材3とから構成される。そして象嵌溝2には複数の微細凹部21が形成され、象嵌溝2内からこれら複数の微細凹部21内にかけて、象嵌材3が一体的に充填されてなる。
実施例1の象嵌鋳造品において、微細凹部21は、象嵌溝2の溝側面の深さ3分の一よりも下方の位置にて略水平あるいは斜め下方を向いて形成された点状凹部21aと、象嵌溝2の溝底面にて略垂直にかつ中央が両端よりわずかに大きく形成された線状凹部21bとからなる(図2)。このほか、線状凹部21bのみ、点状凹部21aのみであってもよいし、図4のように溝側面にのみ形成したものでも良い。
実施例1の象嵌鋳造品において、母材1は、ロストワックス法によって鋳造されてなる。象嵌材3は、象嵌形状に予め成型された成型地金31が、成型ワックス40に接着されることで鋳型10内に固定され、熱溶融した母材1がこの鋳型10内に充填されることで象嵌されたものである。ここで用いられる地金には、象嵌溝2の微細凹部21に対応した微細凸部311が予め一体的に突出形成されてなる。この微細凸部311を有した地金が、鋳型10内に突出するように固定されることによって、鋳造された母材1には微細凹部21から象嵌溝2内にかけて、象嵌材3が一体的に充填される。
(第一の製造方法)
実施例1の象嵌鋳造品は、ロストワックス法による第一の製造方法によって製造される(図4)。第一の製造方法は、象嵌形状に成型した成型地金31を、成型ワックス40に貼付ける地金貼付け工程(図4(b))と、地金貼付け工程によって貼り付けた成型地金31と成型ワックス40とを共に耐火石膏内に埋没させる埋没工程と、その後の成型ワックス40の脱蝋工程及び脱蝋後の鋳型を焼成する鋳型焼成工程(図4(d))と、及び不活性化ガスを用いた真空加圧によって母材1を鋳造する鋳造工程(図4(e))と、脱型した地金及び母材1を共に研磨する研磨工程(図4(f))とを順に具備する。
地金貼り付け工程において貼り付ける成型地金31には、予めその両側部下方付近に、側方の略水平方向を向いた複数の微細凸部311を形成してなる。また第一の製造方法の地金貼り付け工程においては、第一の製造方法のように、予め成型ワックス40に略成型地金形状の窪み穴40h(但し、穴側面及び底面は平坦であり微細凹部21が形成されていないもの)を形成しておき、この窪み穴40hに成型地金31を嵌入させる。このとき微細凸部311が窪み穴40hの側部へ突入し、窪み穴40hに微細凹部21が形成される。窪み穴40へ成型地金31が嵌入した状態において、微細凸部311が窪み穴40hの側部へ嵌入した状態となる(図4(c))。
また地金貼り付け工程において、窪み穴40hの穴側面及び穴底と、貼り付ける成型地金40の側面及び底面の、少なくともいずれかあるいは図4のように両方に、接着剤5を塗布しておく(図4(a)(b))。これによって地金の貼り付け位置がずれることなく、より確実な成型地金31の貼り付けを行うことができる。接着剤5には天然ゴムラテックス等の水系接着剤、あるいはアクリル樹脂系等、溶剤系接着剤を用いることができる。
ここで、地金貼り付け工程の前後において、貼り付ける前の成型地金31と成型ワックス40との間、或いは図4(c)のように、貼り付けた後の成型地金31と成型ワックス40との隙間に充填用のワックス液6をしみこませるワックス液浸漬手順を具備する。本手順によって、余分な隙間が充填され、精度の高い象嵌溝2が形成される。充填用の液体ワックスは、水性タイプ又はアルコールタイプ(カルナウバロウ、セラック等)を使用する。
なお地金貼付け工程の前のワックス液浸漬手順においては、予め成型ワックス40に略地金形状の窪み穴40hを形成しておき、この窪み穴40hの穴側面及び穴底にワックス液6を塗布するものとしている(図4(a)(b)の接着剤5をワックス液6に変えた状態)。
また象嵌鋳造品の製造方法において、研磨工程の後に、母材1と象嵌材3の表面を着色材で一緒に着色する着色工程を具備する。この場合、母材1と象嵌材3の発色効果が異なるものとすることで、位置の着色工程によって、象嵌模様を簿材に対して浮色させることができる。
第一の象嵌鋳造品において、成型地金31は、成型ワックス40に保持固定するための保持棒312を有してなる。この保持棒312は地金貼り付け工程およびワックス液浸漬手順の際に、成型地金31の貼り付けや角度調節を容易なものとする。また、鋳型焼成工程によって鋳型10内に埋め込まれることで、成型地金31の位置ずれを防ぐものとしている。保持棒312は鋳造後(図4(e))に切断するものとしている。
なお図4に示す湯道型ワックス4Sは、成型ワックス40及びワックス液6が流出する湯道10Sを形成するためのものであり、象嵌面(図4の上面)と異なる裏面等に形成されることが好ましい。
実施例2の象嵌鋳造品において、象嵌形状は細幅の縁取り形状である。微細凹部21は、象嵌溝2の溝側面に形成された点状凹部21a及び溝底面に形成された線状凹部21bとからなる(図3)ものとしているが、線状凹部21bのみ、点状凹部21aのみであってもよいし、図5のように溝側面にのみ形成したものでも良い。
(第二の製造方法)
実施例2の象嵌鋳造品は、ロストワックス法による第二の製造方法によって製造される(図5)。第二の製造方法は、象嵌形状に成型した成型地金31を、成型ワックス40に貼付ける地金貼付け工程と、地金貼付け工程によって貼り付けた成型地金31と成型ワックス40とを共に耐火石膏内に埋没させる埋没工程と、その後の脱蝋工程、鋳型10焼成工程、及び不活性化ガスを用いた真空加圧によって母材1を鋳造する鋳造工程と、脱型した地金及び母材1を共に研磨する研磨工程とを順に具備する。
第二の製造方法においては、成型ワックス40に予め窪み穴或いは貫通孔を設けず、成型ワックス40に成型地金31を貫通させることで、成型地金31を成型ワックス40に貼り付ける地金貼り付け工程を行い、本工程によって、成型ワックス40と成型地金31とを象嵌溝2内並びに微細凹部21及び微細凸部311で嵌合形成するものとしている。
また第二の製造方法においては、複数の保持棒312がひとつの保持板313によって固定され、手元部分で一体的に構成される。この場合、鋳造工程の後に脱型することで保持棒312及び保持板313が埋まったままとなり、脱型時に象嵌材3と分離される。
また第二の製造方法においては、成型ワックス40と貫通によって貼り付けた成型地金31とを、ともに溶液状のワックス液6内に浸漬させることで、ワックス液浸漬手順としている(図5(c))このとき湯道型ワックス4Sを保持することで容易にワックス液6に浸漬することができる。特記しないその他の製造方法およびその他の構造については実施例1及び第一の製造方法と同様である。
実施例3の象嵌鋳造品において、象嵌材3は、母材1よりも低い融点の地金からなるとともに、象嵌材3の融点よりも低く且つ母材1の融点よりも高い溶融温度で加熱溶融されながら、点状又は線状凹部21bの形成された象嵌溝2内に流し込まれて形成されたものである。
実施例3の象嵌鋳造品は、バーナー加熱溶融した地金のハンダ付けによる加熱象嵌工程を含む、第三の製造方法によって製造される(図6)。第三の製造方法においては、母材1の象嵌領域に象嵌溝2を形成する象嵌溝2形成工程(図6(a))と、前工程によって形成した象嵌溝2の溝側面又は溝底面に微細凹部21を形成する微細凹部21形成工程(図6(b))と、前工程までで形成した象嵌溝2及び微細凹部21に、加熱によって揮発するフラックス液7を塗布するフラックス液塗布工程(図6(c))と、その後フラックス液7を塗布した象嵌溝2及び微細凹部21に、棒状地金30を先端から順に加熱溶融しながら流盛して象嵌する加熱象嵌工程と、加熱象嵌工程において上部に余分に流盛された象嵌材3を研磨する研磨工程とを順に具備する。
微細凹部形成工程は、象嵌溝2の側面又は底面に高周波レーザーによって傷をつけることで行う(図6(b))。加熱溶融は、高周波レーザーによって地金を高周波振動させて行う(図6(d))。
また象嵌鋳造品の製造方法において、研磨工程の後に、母材1と象嵌材3の表面を着色材で一緒に着色する着色工程を具備する。この場合、母材1と象嵌材3の発色効果が異なるものとすることで、位置の着色工程によって、象嵌模様を簿材に対して浮色させることができる。
前記象嵌鋳造品の製造方法の加熱象嵌工程において、形成した象嵌溝2及び微細凹部21内に、加熱によって気化するフラックス液7を塗布するフラックス液塗布工程を経てから棒状地金30を流し込むことで、溝内及び微細凹部内へ象嵌材を均一にいきわたらせ、かつ象嵌材の定着を良好なものとしている。特記しないその他の製造方法およびその他の構造については実施例1と同様である。
実施例4の象眼鋳造品は図7に示す第四の製造方法によって製造される。第四の製造方法において、微細凹部21形成工程は、象嵌溝2の側面又は底面にキリ等の鋭利刃物によって傷をつけることで行う(図7(b))。また加熱溶融工程は、高周波レーザーによって地金を高周波振動させて行う(図7(d))。特記しないその他の製造方法およびその他の構造については実施例3と同様である。
実施例5の象眼鋳造品は図8に示す第五の製造方法によって製造される。第五の製造方法においは加熱溶融工程工程の代わりに、地金粉末とバインダーと水とを混練した粘土状の混練材を押し込んで象嵌する混練材象嵌工程を具備し、その後、混練材象嵌工程によって象嵌された混練材を乾燥させ、その後焼成する乾燥・焼成工程とを順に具備する。
具体的には、第五の象嵌鋳造品の製造方法として、母材1を、象嵌溝2を含まない全体成型形状として鋳造する鋳造工程と、この母材1に所定形状の象嵌溝2を形成する象嵌溝2形成工程(図8(a))と、象嵌溝2内に微細凹部21を形成する凹部形成工程(図8(b))と、形成した象嵌溝2及び微細凹部21に、地金粉末とバインダーと水とを混練して得た粘土状の混練材32を押し込んで象嵌する混練材象嵌工程(図8(c))と、混練材象嵌工程によって象嵌された混練材32を乾燥させ、その後焼成する乾燥・焼成工程(図8(d))とを順に具備するものとしている。実施例5では乾燥・焼成工程の後に象嵌材3が隆盛するように象嵌面を形成しておき、象嵌面を研磨することで表面仕上げを行う研磨工程を経ている(図8(d))。
この場合、加熱溶融による加熱象嵌工程ではなく、地金粉末とバインダーと水とを混練した粘土状の混練材32を溝内に押し込むため、混練材32の量を調節して余分な混練材の押し込みを削減することができ、またフラックスや接着剤5の塗布の手間を省くことができる。また加熱しないため安全であり、また押し込みによって確実に混練材の充填をすることができる。
混練材32は、地金の金属粉を結合材としてのバインダー樹脂及び水で延ばし、水性の金属粘土としたものである。乾燥・焼成工程は温風乾燥(例えば500W温風で10分〜15分以上)、電気炉による乾燥(例えば150℃で10分以上)のほか、24時間以上の自然乾燥によるものとすることができる。焼成による収縮率の長さは7〜10%或いはそれ以下であることが好ましい。焼成後は、99%以上の高純度の地金の象嵌材3となる。
特記しないその他の製造方法およびその他の構造については実施例3と同様である。
その他各部の具体的な構成や使用方法を含めて上述した実施例に限定されるものでなく、例えば図7(b)、図6(b)の微細凹部21形成工程は、図6、図7の第三、第四の製造方法の微細凹部21形成工程の代わりに組み込んでもよく、またいずれの製造方法においても、ワックス液6、フラックス液7の塗布工程は、図4(c)、図5(c)或いは図6(c)のいずれの方法やその要素を組み込んでも良い。その各種工程や各要素の選択、組合せ、置換など、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形及び組み合わせが可能である。
本発明の実施例1の象嵌鋳造品の象嵌構造を示す斜視一部破断説明図である。 図1の実施例1の象嵌鋳造品の象嵌表面を示す斜視説明図である。 本発明の実施例2の象嵌鋳造品の象嵌表面を示す斜視説明図である。 本発明の実施例1の象嵌鋳造品の製造工程を示す断面説明図である。 本発明の実施例2の象嵌鋳造品の製造工程を示す断面説明図である。 本発明の実施例3の象嵌鋳造品の製造工程を示す断面説明図である。 本発明の実施例4の象嵌鋳造品の製造工程を示す断面説明図である。 本発明の実施例5の象嵌鋳造品の製造工程を示す断面説明図である。
符号の説明
1 母材
1S 湯道足
10 鋳型
10S 湯道
2 象嵌溝
21 微細凹部
21a 点状凹部
21b 線状凹部
3 象嵌材
31 成型地金
311 微細凸部
312 保持棒
32 混練材
40 成型ワックス
4S 湯道型ワックス
5 接着剤
6 ワックス液
7 フラックス液

Claims (7)

  1. 母材1の象嵌溝2に象嵌材3が象嵌されてなる象嵌鋳造品であって、
    象嵌溝2には複数の微細凹部21が形成され、象嵌溝2内からこれら複数の微細凹部21内にかけて、象嵌材3が一体的に充填されてなることを特徴とする象嵌鋳造品。
  2. 微細凹部21は、象嵌溝2の溝側面22に形成された点状傷21a又は線状傷21bからなる請求項1記載の象嵌鋳造品。
  3. 母材1は、ロストワックス法によって鋳造されてなり、象嵌材3は、象嵌形状に予め成型された成型地金31が、成型ワックス40に接着されることで鋳型10内に固定され、熱溶融した母材1がこの鋳型10内に充填されることで象嵌されたものである請求項1または2記載の象嵌鋳造品。
  4. 象嵌形状に成型した成型地金31を成型ワックス40に貼付ける地金貼付け工程と、成型地金31及び成型ワックス40を共に耐火石膏内に埋没させる埋没工程と、その後の脱蝋工程と、鋳型焼成工程と、不活性化ガスを用いた真空加圧によって母材1を鋳造する鋳造工程と、脱型した成型地金31及び母材1を共に研磨する研磨工程とを順に具備する請求項3記載の象嵌鋳造品の製造方法。
  5. 象嵌材3は、母材1よりも低い融点の地金からなるとともに、象嵌材3の融点3tよりも低く且つ母材1の融点1tよりも高い溶融温度で加熱溶融されながら、点状傷21a又は線状傷21bの形成された象嵌溝2内に流し込まれて形成されたものである請求項1または2記載の象嵌鋳造品。
  6. 母材1を、象嵌溝2を含まない包含成型形状として鋳造する鋳造工程と、この母材1に所定形状の象嵌溝2を形成する象嵌溝形成工程と、象嵌溝2内に微細凹部21を形成する凹部形成工程と、形成した象嵌溝2及び微細凹部21に、棒状地金30を先端から順に加熱溶融しながら流盛して象嵌する加熱象嵌工程と、加熱象嵌工程において上部に余分に流盛された象嵌地金32を研磨する研磨工程とを順に具備する請求項5記載の象嵌鋳造品の製造方法。
  7. 母材1を、象嵌溝2を含まない全体成型形状として鋳造する鋳造工程と、この母材1に所定形状の象嵌溝2を形成する象嵌溝形成工程と、象嵌溝2内に微細凹部21を形成する凹部形成工程と、形成した象嵌溝2及び微細凹部21に、地金粉末とバインダーと水とを混練した粘土状の混練材32を押し込んで象嵌する混練材象嵌工程と、混練材象嵌工程によって象嵌された混練材32を乾燥させ、その後焼成する乾燥・焼成工程とを順に具備する請求項5記載の象嵌鋳造品の製造方法。
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