JP2009082633A - 両面接着型icタグ付設マット - Google Patents

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Abstract

【目的】ICタグの付設コストの低減を可能とし、かつ耐久性を持たせてICタグを取り付けを可能とした両面接着型ICタグ付設マットを提供することを目的とする。
【構成】本実施形態では、両面が柔軟性素材からなる柔軟面である扁平ICタグ6を用い、両面接着シート10の裏側接着剤層13をゴムラバー1の裏面4に貼着し、扁平ICタグ6の裏側面を柔軟性のある面を外方に向けて両面接着シート10の表側接着剤層14に貼着している。従って、ICタグをマット内に埋設することなく扁平ICタグ6の柔軟性外面をマット外方に向けて露出させた状態で付設することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、商品管理用データキャリアとしてICタグを取り付けた、レンタル用に好適なマットに関し、特に両面接着材によりICタグを付設した両面接着型ICタグ付設マットに関するものである。
レンタル用マット等には、品質管理や在庫管理における商品管理を行うために、特許文献1及び2に示されるように、データキャリアをマット内に設けている。この種のデータキャリアにはランドリー用ICタグが使用されている。
レンタル用マットの場合、ユーザでの使用後に回収され、回収マットを洗濯して再利用されるため、マット洗濯が繰り返し行われる。このため、従来のランドリー用ICタグには洗浄耐久性が求められる。そこで、特許文献1及び2に示されるようなハードパッケージ構造のICタグが使用され、しかもマット内部に収設されて強固に保護している。
特開平6−327542号公報 特開2000−279312号公報
従来のマットにおいては、マットに露出する状態でICタグを付着させると、そのハードパッケージにより床面を傷つけたり、歩行者の加重や荷物の衝突によりタグが剥がれ落ちるおそれがある。このため、ICタグが露出しないようにマット内部にICタグを埋め込んで収設していた。
従来のタグ埋め込み型マットの場合、特許文献1及び2に示されるようにマット基材にICタグを埋め込み、それを閉塞するように未加硫ゴムを被着し、その未加硫ゴムを加硫して封着していた。しかしながら、このような加硫接着方法によるICタグの埋め込みマットにおいては、IC保護用補強部材(ケブラー繊維)の部品点数が増えたり(特許文献1参照)、加硫処理工程にエネルギー費用や、作業コスト等の製造コストを要してしまう問題が生じていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ICタグの付設コストの低減を可能とし、かつ耐久性を持たせてICタグを取り付けを可能とした両面接着型ICタグ付設マットを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、マット基材の基材面の所定箇所にICタグを取り付けたマットにおいて、前記ICタグは両面又は片面が柔軟性素材からなる柔軟面である扁平ICタグからなり、両面接着シートの裏側接着面を前記基材面の前記所定箇所に貼着し、前記扁平ICタグは前記柔軟面を外方に向けてその裏側面を前記両面接着シートの表側接着面に貼着されることを特徴とする両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記表側接着面及び前記裏側接着面が前記扁平ICタグより大きな接着面積を有し、前記扁平ICタグの外周縁の外方に前記表側接着面の外延部が延在する両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第3の形態は、前記第2の形態において、前記表側接着面の前記外延部には接着剤が塗着されていない両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第4の形態は、第1又は第2の形態において、前記基材面の前記所定箇所が浅い凹部からなり、前記凹部の底面に前記両面接着シートの前記裏側接着面を貼着し、前記扁平ICタグを前記凹部に収容して前記表側接着面に貼着した両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第5の形態は、第4の形態において、前記外延部が前記扁平ICタグの外周縁から上方に折曲されて前記凹部の最上開口端で前記基材面と面一に設けられる両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第6の形態は、第4の形態において、前記外延部が前記扁平ICタグの外周縁から上方に折曲され、更に前記凹部の最上開口端で前記基材面側に折曲されて前記基材面に貼着される両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第7の形態は、第4、第5又は第6の形態において、前記扁平ICタグの上面が前記凹部から上方に突出する場合、前記基材面からの突出高さが前記扁平ICタグの厚みの1/2以下になるように、前記扁平ICタグを前記凹部に収設した両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第8の形態は、第4、第5又は第6の形態において、前記扁平ICタグの上面が前記基材面と面一になるように、前記扁平ICタグを前記凹部に収設した両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第9の形態は、第1〜第8のいずれかの形態において、前記扁平ICタグは外周部に上方に向かって先細りのテーパ面を形成した断面略台形状に形成され、前記扁平ICタグの底面を前記両面接着シートの前記表側接着面に貼着した両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第10の形態は、第9の形態において、前記扁平ICタグの一部が突出した状態で前記凹部に収容し、その突出部分の外周部に前記テーパ面を形成した両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第11の形態は、第1〜第10のいずれかの形態において、前記マット基材が合成ゴム又は合成樹脂からなる両面接着型ICタグ付設マットである。
本発明の第1の形態によれば、両面又は片面が柔軟性素材からなる柔軟面である扁平ICタグからなるICタグを用い、両面接着シートの裏側接着面をマット基材の基材面の所定箇所に貼着し、前記扁平ICタグの裏側面を前記柔軟面を外方に向けて前記両面接着シートの表側接着面に貼着したので、ICタグをマット内に埋設することなく前記柔軟面をマット外方に向けて露出させた状態で付設することができる。従って、ICタグの付設に必要な作業は前記両面接着シートによる簡易な貼着作業だけとなるので、従来の加硫工程における加熱に要するエネルギ費用を全く必要とせず、ICタグの付設コストを大幅に低減でき、しかも前記扁平ICタグの柔軟性素材により、反復洗浄に耐え、更に歩行者の加重や荷物の通過の外力や衝撃力を吸収して、タグの剥がれが防止できる耐久性を有し、低コスト化を実現した両面接着型ICタグ付設マットを提供することができる。
本発明に係る扁平ICタグは、少なくとも片面が柔軟性素材からなる柔軟面を形成したタグパッケージ構造を具備すればよい。タグパッケージ構造形態として、例えば、ICタグの電子部品及びアンテナ部材を弾性合成樹脂により内包して、全体に柔軟性を帯びさせたフルソフトパッケージ、あるいは、電子部品及びアンテナ部材を弾性合成樹脂でソフトモールドし、そのパッケージ面のひとつに硬質合成樹脂により外被形成した2重モールドパッケージを用いることができる。
本発明に係るマット基材には、マット弾性を具備させる合成ゴム又は合成樹脂を使用することができる。前記両面接着シートには、紙やテフロン(登録商標)、PET、ビニール等のシート材の両面に、マット基材あるいはタグパッケージの素材(ゴム又は樹脂)との接着性に優れた接着剤を塗布した接着シートを使用する。
前記両面接着シートを用いてマット基材とICタグパッケージ面のそれぞれを接着する場合、各接合面における接着力が異なるので、各接合面に応じた接着剤を塗布した両面接着シートを使用するのが好ましい。しかし、かかる複合種接着剤シートは汎用両面接着シート製品の使用が困難となりコストアップを招来する。このため、市販品の単一種接着剤シートを用いると、両面側における接着力の不均衡が生ずる。例えば、ICタグとの接着力がマット基材の接着力より大きい場合には、ICタグが両面接着シートより剥がれにくいが、マット基材からシートとともに剥離するおそれがある。そこで、本発明の第2の形態によれば、前記表側接着面及び前記裏側接着面が前記扁平ICタグより大きな接着面積を有し、前記扁平ICタグの外周縁の外方に前記表側接着面の外延部が延在するので、前記外延部による接着作用により、前記両面接着シートの前記マット基材の基材面に対する接着力を補強でき、上記接着力の不均衡によるICタグの剥離を防止して、耐久性に優れた両面接着型ICタグ付設マットを得ることができる。
本発明の第3の形態によれば、前記表側接着面の前記外延部には接着剤が塗着されていないので、外部に露出した前記表側接着面に塵埃が付着せず、ICタグをクリーンな状態を維持しながら、上記接着力の不均衡によるICタグの剥離を防止して、耐久性に優れた両面接着型ICタグ付設マットを得ることができる。前記外延部における接着剤の除去はアルコール類等を用いた接着剤の払拭により簡易に行うことができる。
本発明の第4の形態によれば、前記基材面の前記所定箇所が浅い凹部からなり、前記凹部の底面に前記両面接着シートの前記裏側接着面を貼着し、前記扁平ICタグを前記凹部に収容して前記表側接着面に貼着したので、前記扁平ICタグを前記凹部に収設して、外部からの衝撃等の影響を低減でき、より耐久性に富んだ両面接着型ICタグ付設マットを得ることができる。前記扁平ICタグの前記凹部への収設は、外部からの衝撃を避けるために、前記柔軟面が前記基材面より多く突出させないのが好ましく、また、前記基材面より内部に入り込めると塵埃が溜まるので前記柔軟面と前記基材面を面一にするのが好ましい。
本発明の第5の形態によれば、前記外延部が前記扁平ICタグの外周縁から上方に折曲されて前記凹部の最上開口端で前記基材面と面一に設けられるので、前記凹部内面全体にわたって前記裏側接着面を接着して接着力を補強し、かつ前記外延部を前記凹部より露出させずに床面等との接触を避けることができ、前記両面接着シートが前記外延部より剥がれるのを防止して前記扁平ICタグを強固に接着保持することができる。
本発明の第6の形態によれば、前記外延部が前記扁平ICタグの外周縁から上方に折曲され、更に前記凹部の最上開口端で前記基材面側に折曲されて前記基材面に貼着されるので、前記裏側接着面による接着力をより補強して、かつ前記外延部を前記凹部より露出させずに床面等との接触を避けることができ、前記両面接着シートが前記外延部より剥がれるのを防止して前記扁平ICタグをより強固に接着保持することができる。
本発明の第7の形態によれば、前記扁平ICタグの上面が前記凹部から上方に突出する場合、前記基材面からの突出高さが前記扁平ICタグの厚みの1/2以下になるように、前記扁平ICタグを前記凹部に収設したので、洗浄工程においての外力はICタグを剥離に導くことはない。更に前記扁平ICタグの突出部分が歩行者の荷重や荷物の通過の外力ならびに衝撃力を吸収して、タグにピール力(即ち、剥離方向への力)を与えず、剥離防止効果を高めた両面接着型ICタグ付設マットを実現することができる。しかも、かかる前記扁平ICタグの上面の突出量の設定により、前記扁平ICタグの一部が突出させても剥離防止効果を維持できるので、浅い前記凹部を使用でき、前記凹部の加工作業が極めて簡易に済み、加工時間・コストの低減を実現できる。
本発明の第8の形態によれば、前記扁平ICタグの上面が前記基材面と面一になるように、前記扁平ICタグを前記凹部に収設したので、外部からの衝撃を避けることができ、また、前記基材面より内部に前記扁平ICタグを埋めたときと比べても塵埃の堆積のおそれも生じない両面接着型ICタグ付設マットを得ることができる。
本発明の第9の形態によれば、前記扁平ICタグは外周部に上方に向かって先細りのテーパ面を形成した断面略台形状に形成され、前記扁平ICタグの底面を前記両面接着シートの前記表側接着面に貼着したので、前記扁平ICタグの上部に加わる、歩行者の脚部(つま先等)や荷物等との接触による衝撃力を緩和でき、剥離防止効果の大きい両面接着型ICタグ付設マットを実現することができる。
本発明の第10の形態によれば、前記扁平ICタグの一部が突出した状態で前記凹部に収容し、その突出部分の外周部に前記テーパ面を形成したので、前記扁平ICタグの一部が前記基材面より突出させても、前記扁平ICタグの突出部分に加わる洗浄工程においての外力や、歩行者の荷重や荷物の通過の外力ならびに衝撃力を前記テーパ面の形成により緩和でき、剥離防止効果の大きい両面接着型ICタグ付設マットを実現することができる。しかも、前記扁平ICタグの一部が突出せても剥離防止効果が維持されるので、浅い前記凹部に収容でき、前記凹部の加工作業が極めて簡易に済み、加工時間・コストの低減を実現できる。
本発明の第11の形態によれば、前記マット基材が合成ゴム又は合成樹脂からなるので、前記両面接着シートによる簡易な貼着作業だけでICタグをマット内に埋設することなく付設することができ、ICタグの付設コストを大幅に低減することができる。合成ゴムには、NBR(ニトリルブタジエンラバー)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)を使用でき、また、より弾性のあるスポンジ形態のNBR発泡材を使用してもよい。合成樹脂としてはウレタン樹脂等を使用することができる。
以下、本発明に係る両面接着型ICタグ付設マットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る両面接着型ICタグ付設マットの縦断面部分図である。このマットはマット基材のゴムラバー1と、ゴムラバー1の表面に接合された基布2と、基布2に植設された多数のパイル3からなる。基布2及び多数のパイル3はマット原反と呼ばれ、これには芝状シート、スポンジシート、不織布シート、布状シート等が使用される。ゴムラバー1には、NBR、NBR発泡材、EPDM等の合成ゴムあるいは合成樹脂を使用することができる。
ゴムラバー1の裏面4には、商品管理用の非接触式データキャリアとして扁平ICタグ6が付設されている。扁平ICタグ6は、直径約10mm、厚さ0.5mm〜1.5mmの薄板状に柔軟性樹脂によりモールドされた円板状ICタグである。扁平ICタグ6のモールド9はエラストマー又は熱硬化ゴム材からなり、タグ全体が自由に撓むフレキシブルタグ構造となっている。モールド9内部に、電子部品モジュール7及びアンテナ部材8が被覆されて保護収容されている。
扁平ICタグ6の付設は両面接着シート1を用いて以下の手順で行われる。まず、ゴムラバー1の裏面4のタグ取り付け箇所に対して接着前処理5が行われる。接着前処理5には、表面研磨による物理的前処理、プライマー処理等の化学的前処理があり、これらを併用することもできる。表面研磨の場合には、ベルト式サンダー、小型のルーターやカップブラシ等を使用してラバー面に微細凹凸を形成する。プライマー処理の場合には、ゴム可溶性の下塗り剤をタグ取り付け箇所に塗布して両面接着シート10の接着剤と融合しやすくさせる。両面接着シート1はシート12の両面に接着剤層13、14を有する。
裏面4のタグ取り付け箇所に接着前処理5を施した後、両面接着シート10の裏側接着面をその取り付け箇所に貼着し、また扁平ICタグの一面11を外方に向けてその裏側面を両面接着シート10の表側接着面に貼着して、扁平ICタグ6の付設が行われる。
本実施形態では、両面が柔軟性素材からなる柔軟面である扁平ICタグ6を用い、両面接着シート10の裏側接着剤層13をゴムラバー1の裏面4に貼着し、扁平ICタグ6の裏側面を柔軟性のある面を外方に向けて両面接着シート10の表側接着剤層14に貼着している。従って、ICタグをマット内に埋設することなく扁平ICタグ6の柔軟性外面をマット外方に向けて露出させた状態で付設することができる。また、ICタグの付設に必要な作業は上記接着前処理5と両面接着シート10による簡易な貼着作業だけとなるので、従来のタグ埋設用加硫工程における加熱に要するエネルギ費用を全く必要とせず、ICタグの付設コストを大幅に低減でき、しかも扁平ICタグ6の柔軟性により、反復洗浄に耐え、更に歩行者の加重や荷物の衝突の外力を吸収して、タグの剥がれが防止できる耐久性を有し、低コスト化を実現することができる。具体的な実施効果でいえば、従来のタグ埋設用加硫方式のタグ付設の場合、1時間にタグ16枚の処理能力であったが、本実施形態では、1時間にタグ61枚の処理能力に向上させることが可能になる。
本実施形態においては、両面接着シート1の接着剤層13、14の接着剤が同じ単一種接着剤シートを用いている。このため、扁平ICタグ6との接着力がゴムラバー1の裏面4との接着力より大きい場合には、ICタグが両面接着シート10より剥がれにくいが、ゴムラバー1の裏面4からシートとともに剥離するおそれがある。この剥離を防止するために、裏側の接着剤層13の接着面が扁平ICタグ6底面より大きな接着面積を有する両面接着シート10を使用している。即ち、両面接着シート10は、接着前処理5を施した、略矩形のタグ取り付け箇所に対応した矩形形状を有し、その長さW1は扁平ICタグ6の幅W2より数10%大きく、その外周縁の外方に表側シートの外延部15が延在する。外延部15による接着作用により、両面接着シート10のゴムラバー1の裏面4に対する接着力を補強でき、両面における接着力の不均衡もしくは、接着性の悪いゴムラバー材質によるICタグの剥離を防止して、耐久性に優れた両面接着型ICタグ付設マットを実現することができる。各接合面に応じた接着剤を塗布した両面接着シートを使用しなくて済むので、市販の単一種接着剤シートを用いて安価に扁平ICタグ6を貼着することができる。
外延部15の表面は接着剤の除去処理がアルコール類等を用いた接着剤の払拭により施されており、外延部15が接着剤が塗着されていないので、外部に露出していても塵埃が付着せず、扁平ICタグ6をクリーンな状態を維持しながら、上記接着力の不均衡によるICタグの剥離を防止することができる。
図2は本発明の別のICタグ付設状態を実施したマットを示す縦断面部分図である。図2において、図1と同一部材については同じ符号を付している。本実施形態においては、マット基材のゴムラバー25の裏面28側に、扁平ICタグ6の取り付け箇所に浅い凹部26を形成している。凹部26の形成は前記表面研磨により行う。凹部26の底面及び側面に沿わせて両面接着シート20のシート21裏側の接着剤面22を貼着する。扁平ICタグ6は凹部26に収容するとともに両面接着シート20のシート21表側の接着剤面23に貼着している。
本実施形態によれば、扁平ICタグ6を凹部26に収設して貼着しているので、外部からの衝撃等の影響を低減でき、より耐久性に富んだ両面接着型ICタグ付設マットを得ることができる。なお、両面接着シート20の凹部26への貼着には、前記実施形態の接着前処理5と同様に、接着前処理27を実施するのが好ましい。マットラバー材との関係での具体的耐久性でいえば、従来のタグ埋設用加硫方式のタグ付設の場合、NBRの場合には洗浄を50回程度繰り返すとタグの剥離が起こり、NBR発泡材の場合には2回程度で、EPDMでは直ぐに脱落してしまい使用できなかったが、本実施形態の凹部26収設方式によれば、NBR及びNBR発泡材については、洗浄を100回以上繰り返してもタグの剥離が全く起こらず、EPDMでも50回程度まで使用できることになった。
図2の場合、両面接着シート20の外延部24を凹部26より露出させずに床面等との接触を避けてもよいが、接着力を増強するために、両面接着シート20の外延部24を扁平ICタグ6の外周縁から上方に折曲し、更に凹部26の最上開口端でラバー裏面28側に折曲して裏面28に貼着している。従って、両面接着シート20のシート21裏側の接着剤面22による接着力をより補強して両面接着シート20が外延部24より剥がれるのを防止して扁平ICタグ6をより強固に接着保持することができる。
図2の実施形態においては、扁平ICタグ6の上面が凹部26から上方に突出している。この場合、扁平ICタグ6の突出部分が歩行者の荷重や荷物の通過の外力ならびに衝撃力を吸収して、タグにピール力を与えない為、ラバー裏面28からの突出高さが扁平ICタグ6の厚みTの1/2以下になるように、つまり、両面接着シート20の厚さは極薄であり、その厚さを無視すれば凹部26の深さDを厚みTの1/2以上とするのが好ましい。
図5は、弾性扁平物体50の貼着状態におけるピール力を説明する説明図である。厚さTの扁平物体50は床面52に接着剤53により接着されているとし、また床面52より扁平物体50の中心までの高さをH(〜T/2)とする。図5の(5A)に示すように、扁平物体50の端部に、高さHより高い位置に外力Fが加わったときには、扁平物体50は床面に接着されており、上部側が弾性変形51する。このため、変形面には外力Fの垂直分力Fn、水平分力Fpが作用しても、扁平物体50には剥離力が働かず床面52からの剥離は生じない。(5B)に示すように、外力Fが扁平物体50の中心まで下がっても、扁平物体50の端部が弾性変形するだけで剥離は生じない。しかし、外力Fが扁平物体50の中心より下方に加わると、扁平物体50の端部下部に弾性変形が生ずる。このときは、外力Fの垂直分力Fnが鉛直分力Fn1と水平分力Fn2に分岐して、鉛直分力Fn1が剥離力として扁平物体50に作用する。従って、図2の実施形態では、かかる剥離に対するピール力が生ずるように、扁平ICタグ6のラバー裏面28からの突出高さを扁平ICタグ6の厚みTの1/2以下にして、歩行者の脚部(つま先等)や荷物等とマットが接触したときにピール力を維持するようにしている。
外部からの衝撃を避けるためには、扁平ICタグ6の上面がラバー裏面28と面一になるように、扁平ICタグ6を凹部26に収設するのが好ましいが、上記ピール力の観点から求めた、扁平ICタグ6の上面の突出量の適切な設定により、扁平ICタグ6の一部を突出させても剥離防止効果を維持できるので、浅い凹部26を使用することが可能となり、しかも、凹部26の加工作業が極めて簡易に済み、加工時間・コストの低減を実現できる利点を得ることができる。
図3は、外周部に上方に向かって先細りのテーパ面を形成した断面略台形状に形成されたパッケージ構造の扁平ICタグ6を使用した実施形態を示す。図3において図1及び2と同一部材には同じ符号を付している。図3の(3A)に示すように、扁平ICタグ6のモールド部分の上部外周にはテーパ面29が形成されている。(3B)はこの扁平ICタグ6を凹部26に収設して接着した状態を示す。扁平ICタグ6の一部がラバー裏面28より突出させても、扁平ICタグ6の突出部分に加わる、歩行者の脚部(つま先等)や荷物等との接触による衝撃力をテーパ面29の形成により緩和でき、剥離防止効果の大きい両面接着型ICタグ付設マットを実現することができる。
既に述べたように、外部からの衝撃を避けるためには、扁平ICタグ6の上面がラバー裏面28と面一になるように、扁平ICタグ6を凹部26に収設するのが好ましいが、円筒扁平状の扁平ICタグ6を収設した場合、扁平ICタグ6に柔軟性があるため、凹部26と僅かの隙間に外部の部材(つま先やキャスタ等)の荷重や衝撃により食い込んで剥離するおそれがある。この場合には、面一にする場合であっても、図4の(4A)に示すように、テーパ面31で面取りした略円板状のパッケージ構造の扁平ICタグ30を用いるのが好ましい。扁平ICタグ30は図1の場合と同様のフレキシブルタグ構造となっており、モールド35内部に、電子部品モジュール33及びアンテナ部材34が被覆されて保護収容されている。
(4B)に示すように、マット基材のゴムラバー41の裏面44側に、扁平ICタグ30の取り付け箇所に浅い凹部42(接着前処理43済み)を形成している。凹部42の底面及び側面に沿わせて両面接着シート36のシート37裏側の接着剤面38を貼着する。扁平ICタグ30は凹部42に収容するとともに両面接着シート36のシート37表側の接着剤面39に貼着している。両面接着シート36の外延部40の端部は凹部42より突出しない位置に貼着されている。扁平ICタグ30の上面32は外方に向けられ、裏面44と面一に位置している。図4の(4B)に示すように、凹部42に面一に収設し、凹部42内面とテーパ面31とで空間が広がっているが、扁平ICタグ30に柔軟性があるため、該空間に外部の部材(つま先やキャスタ等)の荷重や衝撃が加わっても、テーパ面32により剥離力として作用せず、扁平ICタグ30の貼着状態を安定に維持することができる。
本発明に係る扁平ICタグは、少なくとも片面が柔軟性素材からなる柔軟面を形成したタグパッケージ構造を具備すればよい。
図6はタグパッケージ構造形態として、電子部品モジュール61及びアンテナ部材62を柔軟性樹脂モールド64でソフトモールドパッケージし、そのパッケージ面のひとつを覆う硬質合成樹脂モールド63により外被形成した2重モールドパッケージを用いた扁平ICタグ60の実施形態を示す。図6において図1と同一部材には同じ符号を付している。2重モールドパッケージは柔軟性樹脂モールド64及び硬質合成樹脂モールド63を別々に形成してそれらを接合ないし接着結合させて形成される。図6の場合、硬質合成樹脂モールド63は、図3のように外周部にテーパ面を形成した断面略台形形状を有し、その中心部に収納部を備える。円形状柔軟性樹脂モールド64はその収納部に接着、収設されている。この場合、扁平ICタグ60の付設は、ゴムラバー1の裏面4の接着前処理5が施された箇所に貼着された両面接着シート65の表側接着層に、硬質合成樹脂モールド63の下面を貼着して行われる。本実施形態によれば、扁平ICタグ60の外部に突出した面が柔軟性のある樹脂モールド64面であり、かつその周囲を硬質合成樹脂モールド63によりカバーするソフト/ハードのパッケージ構造であるので、外部との接触に対し、また洗浄等の影響を受けても耐久性に富んだ柔軟性を具備した両面接着型ICタグ付設マットを実現することができる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明は、洗浄等の影響を受けても耐久性に富む柔軟性を具備した両面接着型ICタグ付設マットを実現することができ、特に、反復して洗浄が繰り返し行われるレンタル用マットに好適である。
本発明に係る両面接着型ICタグ付設マットの縦断面部分図である。 本発明の別のICタグ付設状態を実施したマットを示す縦断面部分図である。 断面略台形状に形成されたパッケージ構造の扁平ICタグ6を使用した実施形態を示す図である。 本発明に用いる別のパッケージ構造の扁平ICタグを使用した実施形態を示す図である。 図2の実施形態におけるピール力を説明するための図である。 本発明に用いる、皿に別のパッケージ構造の扁平ICタグを使用した実施形態を示す図である。
符号の説明
1 ゴムラバー
2 基布
3 パイル
4 裏面
5 接着前処理
6 扁平ICタグ
7 電子部品モジュール
8 アンテナ部材
9 モールド
10 両面接着シート
11 扁平ICタグの一面
12 シート
13 接着剤層
14 接着剤層
15 外延部
20 両面接着シート
21 シート
22 接着剤面
23 接着剤面
24 外延部
25 ゴムラバー
26 凹部
27 接着前処理
28 裏面
29 テーパ面
30 扁平ICタグ
31 テーパ面
32 上面
33 電子部品モジュール
34 アンテナ部材
35 モールド
36 両面接着シート
37 シート
38 接着剤面
39 接着剤面
40 外延部
41 ゴムラバー
42 凹部
43 接着前処理
44 裏面
50 扁平物体
51 弾性変形
52 床面
53 接着剤
60 扁平ICタグ
61 電子部品モジュール
62 アンテナ部材
63 合成樹脂モールド
64 樹脂モールド
65 両面接着シート
W1 長さ
W2 幅
F 外力
Fn 垂直分力
Fp 水平分力

Claims (11)

  1. マット基材の基材面の所定箇所にICタグを取り付けたマットにおいて、前記ICタグは両面又は片面が柔軟性素材からなる柔軟面である扁平ICタグからなり、両面接着シートの裏側接着面を前記基材面の前記所定箇所に貼着し、前記扁平ICタグは前記柔軟面を外方に向けてその裏側面を前記両面接着シートの表側接着面に貼着されることを特徴とする両面接着型ICタグ付設マット。
  2. 前記表側接着面及び前記裏側接着面が前記扁平ICタグより大きな接着面積を有し、前記扁平ICタグの外周縁の外方に前記表側接着面の外延部が延在する請求項1に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  3. 前記表側接着面の前記外延部には接着剤が塗着されていない請求項2に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  4. 前記基材面の前記所定箇所が浅い凹部からなり、前記凹部の底面に前記両面接着シートの前記裏側接着面を貼着し、前記扁平ICタグを前記凹部に収容して前記表側接着面に貼着した請求項1又は2に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  5. 前記外延部が前記扁平ICタグの外周縁から上方に折曲されて前記凹部の最上開口端で前記基材面と面一に設けられる請求項4に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  6. 前記外延部が前記扁平ICタグの外周縁から上方に折曲され、更に前記凹部の最上開口端で前記基材面側に折曲されて前記基材面に貼着される請求項4に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  7. 前記扁平ICタグの上面が前記凹部から上方に突出する場合、前記基材面からの突出高さが前記扁平ICタグの厚みの1/2以下になるように、前記扁平ICタグを前記凹部に収設した請求項4、5又は6に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  8. 前記扁平ICタグの上面が前記基材面と面一になるように、前記扁平ICタグを前記凹部に収設した請求項4、5又は6に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  9. 前記扁平ICタグは外周部に上方に向かって先細りのテーパ面を形成した断面略台形状に形成され、前記扁平ICタグの底面を前記両面接着シートの前記表側接着面に貼着した請求項1〜8のいずれかに記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  10. 前記扁平ICタグの一部が突出した状態で前記凹部に収容し、その突出部分の外周部に前記テーパ面を形成した請求項9に記載の両面接着型ICタグ付設マット。
  11. 前記マット基材が合成ゴム又は合成樹脂からなる請求項1〜10のいずれかに記載の両面接着型ICタグ付設マット。
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