JPH06336816A - 建築用床材 - Google Patents
建築用床材Info
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- JPH06336816A JPH06336816A JP15160493A JP15160493A JPH06336816A JP H06336816 A JPH06336816 A JP H06336816A JP 15160493 A JP15160493 A JP 15160493A JP 15160493 A JP15160493 A JP 15160493A JP H06336816 A JPH06336816 A JP H06336816A
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- Japan
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- floor
- base material
- decorative board
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 接着剤を用いることなく床下地の床面形状に
応じて馴染み変形が可能な直張り建築用床材を提供す
る。 【構成】 適度の曲げ弾性を有する可撓性基材3上に木
質化粧板1を積層一体化してなる床材であって、木質化
粧板1の剛性に可撓性基材3の自重が打ち勝つように構
成して、床下地上に床材を接着剤を介することなく載置
した場合、床材全体が床下地の床面形状に応じて馴染み
変形して全面密着させるように構成している。
応じて馴染み変形が可能な直張り建築用床材を提供す
る。 【構成】 適度の曲げ弾性を有する可撓性基材3上に木
質化粧板1を積層一体化してなる床材であって、木質化
粧板1の剛性に可撓性基材3の自重が打ち勝つように構
成して、床下地上に床材を接着剤を介することなく載置
した場合、床材全体が床下地の床面形状に応じて馴染み
変形して全面密着させるように構成している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合板やパーティクルボー
ドよりなる床下地、RC造りのコンクリート床下地、或
いはOA床等のような平坦な床下地上に接着剤を用いる
ことなく直置きしながら施工するのに適した建築用床材
に関するものである。
ドよりなる床下地、RC造りのコンクリート床下地、或
いはOA床等のような平坦な床下地上に接着剤を用いる
ことなく直置きしながら施工するのに適した建築用床材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、床下地上に床材を施工する場
合、長方形状のムク材や合板フローリング材の下面に不
陸の吸収や接着性、防音性の向上を図る目的で繊維状や
シート状のクッション材を貼着してなる床板を用い、こ
の床板を床下地上に接着剤によって貼着する方法が広く
採用されているが、接着剤の塗布作業等に煩雑さが生じ
るばかりでなく、床材を床下地上に一体に固着させると
張り替えが困難になるという問題点がある。
合、長方形状のムク材や合板フローリング材の下面に不
陸の吸収や接着性、防音性の向上を図る目的で繊維状や
シート状のクッション材を貼着してなる床板を用い、こ
の床板を床下地上に接着剤によって貼着する方法が広く
採用されているが、接着剤の塗布作業等に煩雑さが生じ
るばかりでなく、床材を床下地上に一体に固着させると
張り替えが困難になるという問題点がある。
【0003】このため、接着剤を用いることなく床下地
上に直貼りしても捲れや剥がれの生じない床材が提案さ
れている。このような床材としては、図 に示すよう
に、薄肉の弾性シートC上に、下面に長さ方向に複数の
切溝Bを設けて可撓性を付与された化粧板基材Aを一体
に積層してなる構造のものが開発されている。
上に直貼りしても捲れや剥がれの生じない床材が提案さ
れている。このような床材としては、図 に示すよう
に、薄肉の弾性シートC上に、下面に長さ方向に複数の
切溝Bを設けて可撓性を付与された化粧板基材Aを一体
に積層してなる構造のものが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、緩やかな曲面を有する床下地上に施工する場合に
は、床材基板である化粧板基材Aの下面に多数の切溝B
を設けて可撓性を持たせていても床材がその剛性によっ
て水平状態に載置されるだけで、該床材に外力を加える
ことにより始めて切溝Bを介して床下地面に沿うように
撓むものであり、その上、このように撓ませても化粧板
基材Aが復元力により床下地から浮きあがって床仕上げ
面の美観が損なわれるばかりでなく、その上を歩行した
際に床鳴り現象が発生することになる。このような問題
点は、切溝の深さを大きくすることによってなくするこ
とができるが、そうすると、床材全体の強度が低下して
折損したり、下面に貼着した弾性シートが伸縮して破断
するという問題点がある。
ば、緩やかな曲面を有する床下地上に施工する場合に
は、床材基板である化粧板基材Aの下面に多数の切溝B
を設けて可撓性を持たせていても床材がその剛性によっ
て水平状態に載置されるだけで、該床材に外力を加える
ことにより始めて切溝Bを介して床下地面に沿うように
撓むものであり、その上、このように撓ませても化粧板
基材Aが復元力により床下地から浮きあがって床仕上げ
面の美観が損なわれるばかりでなく、その上を歩行した
際に床鳴り現象が発生することになる。このような問題
点は、切溝の深さを大きくすることによってなくするこ
とができるが、そうすると、床材全体の強度が低下して
折損したり、下面に貼着した弾性シートが伸縮して破断
するという問題点がある。
【0005】さらに、化粧板基材A自体に捩れや歪みが
生じていると、その下面に貼着している弾性シートCも
その捩れや歪みに応じて変形し、該弾性シートCが不陸
を吸収するために設けられているにも拘わらず、その下
面を床下地面に全面的に密着させることが困難となって
床下地との間に部分的な隙間が発生し、上記のような床
鳴りが生じる虞れがあるばかりでなく隣接する床材同士
の接合端面間に段差や目隙が生じて精度のよい施工がで
きなくなるという問題点がある。本発明はこのような問
題点を全面的に解消し得る建築用床材の提供を目的とす
るものである。
生じていると、その下面に貼着している弾性シートCも
その捩れや歪みに応じて変形し、該弾性シートCが不陸
を吸収するために設けられているにも拘わらず、その下
面を床下地面に全面的に密着させることが困難となって
床下地との間に部分的な隙間が発生し、上記のような床
鳴りが生じる虞れがあるばかりでなく隣接する床材同士
の接合端面間に段差や目隙が生じて精度のよい施工がで
きなくなるという問題点がある。本発明はこのような問
題点を全面的に解消し得る建築用床材の提供を目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の建築用床材は、自重による馴染み性と曲げ弾
性を有する可撓性基材の上面に木質化粧板を積層一体化
してなる建築用床材であって、上記木質化粧板には、そ
の下面に小間隔毎に互いに平行な側端面間に亘って連通
する適宜深さの切溝が多数設けられて、これらの切溝を
介して可撓性を付与されていると共に、該可撓性基材の
比重と厚みとの積を木質化粧板の比重の厚みとの積より
も大きくして重心を可撓性基材内に位置させた構造とし
ている。
に本発明の建築用床材は、自重による馴染み性と曲げ弾
性を有する可撓性基材の上面に木質化粧板を積層一体化
してなる建築用床材であって、上記木質化粧板には、そ
の下面に小間隔毎に互いに平行な側端面間に亘って連通
する適宜深さの切溝が多数設けられて、これらの切溝を
介して可撓性を付与されていると共に、該可撓性基材の
比重と厚みとの積を木質化粧板の比重の厚みとの積より
も大きくして重心を可撓性基材内に位置させた構造とし
ている。
【0007】
【作用】木質化粧板に反りや捩れが生じている場合、木
質化粧板自体の剛性によってその反りや捩れ状態は保持
されるが、その下面に積層一体化した可撓性基材の比重
と厚みとの積が木質化粧板のそれよりも大きくしている
ので、木質化粧板の剛性に可撓性基材の自重が打ち勝っ
て木質化粧板が可撓性基材の馴染み変形に追随すること
になる。即ち、床材全体が外力により強制的に床下地面
に沿うように形状補正を行うことなく、床板自体が床下
地面に応じた形状の自己補正機能を備えている。
質化粧板自体の剛性によってその反りや捩れ状態は保持
されるが、その下面に積層一体化した可撓性基材の比重
と厚みとの積が木質化粧板のそれよりも大きくしている
ので、木質化粧板の剛性に可撓性基材の自重が打ち勝っ
て木質化粧板が可撓性基材の馴染み変形に追随すること
になる。即ち、床材全体が外力により強制的に床下地面
に沿うように形状補正を行うことなく、床板自体が床下
地面に応じた形状の自己補正機能を備えている。
【0008】従って、この床材を床下地上に敷設した時
に、床材全体が床下地面の形状に応じて馴染み変形し、
床下地面の不陸を吸収すると共に床下地面からの浮き上
がり現象がなくなって床鳴りを生じさせることなく良好
な歩行が可能となり、また、床材同士の端面が正確に接
合して精度のよい施工が可能になるものである。
に、床材全体が床下地面の形状に応じて馴染み変形し、
床下地面の不陸を吸収すると共に床下地面からの浮き上
がり現象がなくなって床鳴りを生じさせることなく良好
な歩行が可能となり、また、床材同士の端面が正確に接
合して精度のよい施工が可能になるものである。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面について説明すると、
1は一定幅と長さを有する長方形状の木質化粧板で、3
〜7プライの合板、パーティクルボード、MDF等の比
重が0.5 〜0.9 の木質板1aの上面に薄い突板やWPC
板、或いは樹脂化粧シートよりなる表面化粧層1bを一体
に設けてなるものであり、この木質化粧板1の下面に
は、鋸等の切削具によって長さ方向に10〜100mm 間隔毎
に幅方向に貫通する切溝2が刻設されている。切溝2の
深さは、木質化粧板1の下面から上面に向かって該木質
化粧板1の厚みの1/3以上となるように切削され、曲
げ剛性は残存する2/3の厚さの3乗、即ち、8/27以
下に低減され、これらの切溝2、2・・によって木質化
粧板1に可撓性を付与していると共に軽量化を図ってい
る。
1は一定幅と長さを有する長方形状の木質化粧板で、3
〜7プライの合板、パーティクルボード、MDF等の比
重が0.5 〜0.9 の木質板1aの上面に薄い突板やWPC
板、或いは樹脂化粧シートよりなる表面化粧層1bを一体
に設けてなるものであり、この木質化粧板1の下面に
は、鋸等の切削具によって長さ方向に10〜100mm 間隔毎
に幅方向に貫通する切溝2が刻設されている。切溝2の
深さは、木質化粧板1の下面から上面に向かって該木質
化粧板1の厚みの1/3以上となるように切削され、曲
げ剛性は残存する2/3の厚さの3乗、即ち、8/27以
下に低減され、これらの切溝2、2・・によって木質化
粧板1に可撓性を付与していると共に軽量化を図ってい
る。
【0010】この木質化粧板1の大きさは特に限定され
ないが、一例を挙げると、短辺方向の長さが50〜300mm
、長辺方向の長さが600 〜1800mm、厚みが3〜9mmの
長方形板に形成されている。なお、上記切溝2の深さを
余り深くすると、その切溝2から木質化粧板1が折損す
る虞れが生じるので、木質化粧板1の厚みの3/4以下
にしておくことが好ましい。
ないが、一例を挙げると、短辺方向の長さが50〜300mm
、長辺方向の長さが600 〜1800mm、厚みが3〜9mmの
長方形板に形成されている。なお、上記切溝2の深さを
余り深くすると、その切溝2から木質化粧板1が折損す
る虞れが生じるので、木質化粧板1の厚みの3/4以下
にしておくことが好ましい。
【0011】3は自重にて垂れ下がる適度の曲げ弾性を
有する可撓性基材で、その上面に接着剤4によって上記
木質化粧板1を一体に積層接着させて床材Fを形成して
いる。この接着剤4としては、ポリウレタン、ビニルウ
レタン、酢酸ビニル、エチレン酢ビ、アクリル樹脂など
のように、硬化後においても柔軟性を有する接着剤が使
用される。
有する可撓性基材で、その上面に接着剤4によって上記
木質化粧板1を一体に積層接着させて床材Fを形成して
いる。この接着剤4としては、ポリウレタン、ビニルウ
レタン、酢酸ビニル、エチレン酢ビ、アクリル樹脂など
のように、硬化後においても柔軟性を有する接着剤が使
用される。
【0012】また、上記可撓性基材3の種類は特に限定
されないが塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレ
ンやブチルなどの合成ゴム系樹脂、ポリエステル樹脂、
或いは各種再利用プラスチック等を使用でき、これらの
樹脂に炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カーボンブ
ラック、金属粉、或いは金属酸化物粉等の重量粉を適宜
混入して、可撓性基材3の比重を上記木質化粧板1より
も大きい1.0 以上、好ましくは木質化粧板1の比重の1.
5 倍以上の高比重基材に形成することにより、上記木質
化粧板1の曲げヤング係数がばらついても可撓性基材3
の自重で確実に曲げ弾性を付与できる。
されないが塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレ
ンやブチルなどの合成ゴム系樹脂、ポリエステル樹脂、
或いは各種再利用プラスチック等を使用でき、これらの
樹脂に炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カーボンブ
ラック、金属粉、或いは金属酸化物粉等の重量粉を適宜
混入して、可撓性基材3の比重を上記木質化粧板1より
も大きい1.0 以上、好ましくは木質化粧板1の比重の1.
5 倍以上の高比重基材に形成することにより、上記木質
化粧板1の曲げヤング係数がばらついても可撓性基材3
の自重で確実に曲げ弾性を付与できる。
【0013】さらに、この可撓性基材3の厚みを3〜10
mmに設定すると共にこの厚みと上記比重との積を、上記
木質化粧板1の厚みと比重との積よりも大にして、重心
が可撓性基材3内に位置させた床材Fを構成しているも
のである。
mmに設定すると共にこの厚みと上記比重との積を、上記
木質化粧板1の厚みと比重との積よりも大にして、重心
が可撓性基材3内に位置させた床材Fを構成しているも
のである。
【0014】この床材Fの長辺側の両側端部には全長に
亘って雌雄実部5、6が形成されてある。雄実部5の構
造としては、木質化粧板1の一側端部をその下層部を残
してL字状に切欠く一方、可撓性基材3の一側端部をそ
の上層部を残して逆L字状に切欠くことによって上半部
には木質化粧板1の薄片部5aを有し、下半部には可撓性
基材3の薄片部5bを有する構造に形成され、上半薄片部
5aには上記切溝2が露出してなるものである。また、雌
実部6は、床材Fの他端面中央部を断面コ字状の条溝形
状に削成して、上方の突出壁6aが木質化粧板1により、
下方の突出壁6bが可撓性基材3により夫々形成された構
造となっている。そして、この雌実部6の上側突出壁6a
の下面にも上記切溝2が露出している。
亘って雌雄実部5、6が形成されてある。雄実部5の構
造としては、木質化粧板1の一側端部をその下層部を残
してL字状に切欠く一方、可撓性基材3の一側端部をそ
の上層部を残して逆L字状に切欠くことによって上半部
には木質化粧板1の薄片部5aを有し、下半部には可撓性
基材3の薄片部5bを有する構造に形成され、上半薄片部
5aには上記切溝2が露出してなるものである。また、雌
実部6は、床材Fの他端面中央部を断面コ字状の条溝形
状に削成して、上方の突出壁6aが木質化粧板1により、
下方の突出壁6bが可撓性基材3により夫々形成された構
造となっている。そして、この雌実部6の上側突出壁6a
の下面にも上記切溝2が露出している。
【0015】なお、床材Fの短片側の両端部にも上記と
同じ構造を有する雌雄実部が形成され、床下地D上に敷
設する際に、床材F、Fが雌雄実部5、6を嵌合させる
ことによって施工されるものである。この際、雄実部5
の下層部には可撓性基材3からなる薄片部5aが設けられ
ている一方、雌実部6の下側突出壁6bも可撓性基材3か
ら形成されているので、床材Fに多少の変形歪み等が生
じていても、薄片部5aと突出壁6bとがその歪み形状に応
じて弾性変形しながら密接し、目隙やずれ等が生じない
精度のよい施工が可能となるものである。
同じ構造を有する雌雄実部が形成され、床下地D上に敷
設する際に、床材F、Fが雌雄実部5、6を嵌合させる
ことによって施工されるものである。この際、雄実部5
の下層部には可撓性基材3からなる薄片部5aが設けられ
ている一方、雌実部6の下側突出壁6bも可撓性基材3か
ら形成されているので、床材Fに多少の変形歪み等が生
じていても、薄片部5aと突出壁6bとがその歪み形状に応
じて弾性変形しながら密接し、目隙やずれ等が生じない
精度のよい施工が可能となるものである。
【0016】また、上記のように、可撓性基材3の厚み
と比重との積を、木質化粧板1の厚みと比重との積より
も大にして、重心が可撓性基材3内に位置させているの
で、木質化粧板1の剛性に対して可撓性基材3の自重が
打ち勝ち、木質化粧板1に反りや捩れが生じていても、
図2に示すように、床下地D上に床材Fを敷設した場
合、可撓性基材3がその自重によって床下地Dの表面形
状に応じて馴染み変形しながら密着し、その馴染み変形
に追随して木質化粧板1が変形することになる。即ち、
木質化粧板1の剛性よりも可撓性基材3の馴染み力が大
きいために、木質化粧板自体はその反りや捩れを床下地
面の表面形状に応じて矯正されるものである。従って、
床材全体が、外力を加えることなく、床下地面の形状に
対応する自己順応機能を備えているものである。
と比重との積を、木質化粧板1の厚みと比重との積より
も大にして、重心が可撓性基材3内に位置させているの
で、木質化粧板1の剛性に対して可撓性基材3の自重が
打ち勝ち、木質化粧板1に反りや捩れが生じていても、
図2に示すように、床下地D上に床材Fを敷設した場
合、可撓性基材3がその自重によって床下地Dの表面形
状に応じて馴染み変形しながら密着し、その馴染み変形
に追随して木質化粧板1が変形することになる。即ち、
木質化粧板1の剛性よりも可撓性基材3の馴染み力が大
きいために、木質化粧板自体はその反りや捩れを床下地
面の表面形状に応じて矯正されるものである。従って、
床材全体が、外力を加えることなく、床下地面の形状に
対応する自己順応機能を備えているものである。
【0017】木質化粧板1の剛性は、曲げヤング係数と
比重との因子によって決定され、同様に可撓性基材3の
重量もその比重と厚さ因子との相関関係によって決定さ
れるが、通常、汎用の木質化粧板はその曲げヤング係数
が30〜200 ×103Kg/cm3=であって比重が0.5 〜0.9 とい
う物性を有しているため、木質化粧板の自重による等分
布荷重だけではその反りや捩れを矯正することができな
いが、その下面に重量の大なる可撓性基材3を一体に設
けることによって全体の重心を可撓性基材3内に位置さ
せ、床材に馴染み性、即ち、載置面に応じた自己順応機
能を備えさせることができるものである。
比重との因子によって決定され、同様に可撓性基材3の
重量もその比重と厚さ因子との相関関係によって決定さ
れるが、通常、汎用の木質化粧板はその曲げヤング係数
が30〜200 ×103Kg/cm3=であって比重が0.5 〜0.9 とい
う物性を有しているため、木質化粧板の自重による等分
布荷重だけではその反りや捩れを矯正することができな
いが、その下面に重量の大なる可撓性基材3を一体に設
けることによって全体の重心を可撓性基材3内に位置さ
せ、床材に馴染み性、即ち、載置面に応じた自己順応機
能を備えさせることができるものである。
【0018】さらに、木質化粧板1にはその下面から上
面に向かって適宜深さの切溝2を長さ方向に所望間隔毎
に設けているので、この切溝2を有する木質化粧板部分
の曲げ剛性が残存する厚さの3乗に低減されて極めて小
さくなる一方、該切溝下方部の可撓性基材3による自重
が相対的に増大して一層良好な自己順応機能を発揮する
ものである。なお、以上の実施例においては、長方形状
の床材について説明したが、短冊形状の複数枚の床材を
雁行状に並設、一体化してなる形状の建築用床材であっ
ても、本発明の上記構成を具備させることができる。
面に向かって適宜深さの切溝2を長さ方向に所望間隔毎
に設けているので、この切溝2を有する木質化粧板部分
の曲げ剛性が残存する厚さの3乗に低減されて極めて小
さくなる一方、該切溝下方部の可撓性基材3による自重
が相対的に増大して一層良好な自己順応機能を発揮する
ものである。なお、以上の実施例においては、長方形状
の床材について説明したが、短冊形状の複数枚の床材を
雁行状に並設、一体化してなる形状の建築用床材であっ
ても、本発明の上記構成を具備させることができる。
【0019】次に、本発明の具体的な実施例と比較例に
ついて述べる。 〔実施例〕長さ910mm 、幅91mmで、表面に1.2mm のナラ
材化粧単板を積層した厚さ5.5mmの4プライ合板(比重
0.65) の木質化粧板の裏面に15mm間隔で深さ2.5mm の切
溝を設け、一液性ウレタン接着剤を用いて4mm厚さの炭
酸カルシウム混入再生塩ビ(比重1.8mm)を積層一体化
し、四辺を雌雄実加工した床材を得た。 〔実施例2〕木質化粧板として表面に1.2mm のナラ材化
粧単板を使用し、厚さ10mmの5プライ合板(比重0.7)を
用い、切溝深さを7.5mm とした他は実施例1と同様とし
た。 〔比較例1〕木質化粧板として表面に0.3mm のナラ材化
粧単板を使用し、表面材を含めて厚さ9mmの6プライ合
板(比重0.7)を用い、切溝深さを6.5mm とし、3mm厚で
比重1.6 の可撓性基材を用いた他は、実施例1と同様と
した。
ついて述べる。 〔実施例〕長さ910mm 、幅91mmで、表面に1.2mm のナラ
材化粧単板を積層した厚さ5.5mmの4プライ合板(比重
0.65) の木質化粧板の裏面に15mm間隔で深さ2.5mm の切
溝を設け、一液性ウレタン接着剤を用いて4mm厚さの炭
酸カルシウム混入再生塩ビ(比重1.8mm)を積層一体化
し、四辺を雌雄実加工した床材を得た。 〔実施例2〕木質化粧板として表面に1.2mm のナラ材化
粧単板を使用し、厚さ10mmの5プライ合板(比重0.7)を
用い、切溝深さを7.5mm とした他は実施例1と同様とし
た。 〔比較例1〕木質化粧板として表面に0.3mm のナラ材化
粧単板を使用し、表面材を含めて厚さ9mmの6プライ合
板(比重0.7)を用い、切溝深さを6.5mm とし、3mm厚で
比重1.6 の可撓性基材を用いた他は、実施例1と同様と
した。
【0020】上記実施例1、2及び比較例1で得た床材
を、接着剤を用いずにコンクリートスラブ上に各40枚
(一坪)を載置したところ、実施例1、2の床材は浮き
上がりや床鳴りはなかったが、比較例の床材には浮き上
がりや床鳴りが生じた。なお、実施例1と比較例1の床
材についてスパン80cmで支持して自重での撓みを測定し
たところ、前者が41mm、後者が9mmでこの差が床なじみ
性の差である。
を、接着剤を用いずにコンクリートスラブ上に各40枚
(一坪)を載置したところ、実施例1、2の床材は浮き
上がりや床鳴りはなかったが、比較例の床材には浮き上
がりや床鳴りが生じた。なお、実施例1と比較例1の床
材についてスパン80cmで支持して自重での撓みを測定し
たところ、前者が41mm、後者が9mmでこの差が床なじみ
性の差である。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明の建築用床材によれ
ば、平行な側端面間に亘って連通する適宜深さの切溝を
下面に小間隔毎に複数条設けることによりこれらの切溝
を介して可撓性を付与された木質化粧板と、上面にこの
木質化粧板を一体に積層した曲げ弾性を有する可撓性基
材とからなる建築用床材において、可撓性基材の比重と
厚みとの積を木質化粧板の比重の厚みとの積よりも大き
くして重心を可撓性基材内に位置させているものである
から、木質化粧板に反りや捩れが生じていても、可撓性
基材の自重によってその反りや捩れを矯正することがで
きるものである。
ば、平行な側端面間に亘って連通する適宜深さの切溝を
下面に小間隔毎に複数条設けることによりこれらの切溝
を介して可撓性を付与された木質化粧板と、上面にこの
木質化粧板を一体に積層した曲げ弾性を有する可撓性基
材とからなる建築用床材において、可撓性基材の比重と
厚みとの積を木質化粧板の比重の厚みとの積よりも大き
くして重心を可撓性基材内に位置させているものである
から、木質化粧板に反りや捩れが生じていても、可撓性
基材の自重によってその反りや捩れを矯正することがで
きるものである。
【0022】従って、この床材を床下地上に敷設した場
合、床下地面に不陸や湾曲面等が生じていても、可撓性
基材がその床面形状に応じて馴染み変形すると共に木質
化粧板がその馴染み変形に順応して可撓性基材と一体的
に変形し、上方より外力を加えることなく床下地面の不
陸等を確実に吸収することができると共に、床下地面か
らの浮き上がり現象もなくなって床鳴り等を生じさせる
ことなく良好な歩行が可能となるものである。
合、床下地面に不陸や湾曲面等が生じていても、可撓性
基材がその床面形状に応じて馴染み変形すると共に木質
化粧板がその馴染み変形に順応して可撓性基材と一体的
に変形し、上方より外力を加えることなく床下地面の不
陸等を確実に吸収することができると共に、床下地面か
らの浮き上がり現象もなくなって床鳴り等を生じさせる
ことなく良好な歩行が可能となるものである。
【0023】さらに、接着剤を用いることなく床下地面
に床材を直置きするだけで、上記のように床材全体を床
下地の床面形状に応じた馴染み変形を行わせることがで
きるので、その施工が簡単であって作業能率が著しく向
上するばかりでなく、馴染み変形によって床材同士の接
合端面を正確に接合させることができて目隙や段差等の
生じない精度のよい施工が可能となり、安定した美麗な
床仕上面を形成することができる。また、床材張り替え
時においては、床下地からの床材の取り外しが容易とな
って張り替え施工も能率よく行えるものである。
に床材を直置きするだけで、上記のように床材全体を床
下地の床面形状に応じた馴染み変形を行わせることがで
きるので、その施工が簡単であって作業能率が著しく向
上するばかりでなく、馴染み変形によって床材同士の接
合端面を正確に接合させることができて目隙や段差等の
生じない精度のよい施工が可能となり、安定した美麗な
床仕上面を形成することができる。また、床材張り替え
時においては、床下地からの床材の取り外しが容易とな
って張り替え施工も能率よく行えるものである。
【図1】本発明床材の一部を断面した斜視図、
【図2】その施工状態を示す一部拡大断面図、
【図3】従来の床材の一部縦断面図。
1 木質化粧板 2 切溝 3 可撓性基材 4 接着剤 5 雄実部 6 雌実部
Claims (1)
- 【請求項1】 平行な側端面間に亘って連通する適宜深
さの切溝を下面に小間隔毎に複数条設けることによりこ
れらの切溝を介して可撓性を付与された木質化粧板と、
上面にこの木質化粧板を一体に積層した曲げ弾性を有す
る可撓性基材とからなる建築用床材において、可撓性基
材の比重と厚みとの積を木質化粧板の比重の厚みとの積
よりも大きくして重心を可撓性基材内に位置させている
ことを特徴とする建築用床材。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15160493A JP3378300B2 (ja) | 1993-05-29 | 1993-05-29 | 建築用床材 |
US08/198,264 US5540025A (en) | 1993-05-29 | 1994-02-18 | Flooring material for building |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15160493A JP3378300B2 (ja) | 1993-05-29 | 1993-05-29 | 建築用床材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06336816A true JPH06336816A (ja) | 1994-12-06 |
JP3378300B2 JP3378300B2 (ja) | 2003-02-17 |
Family
ID=15522168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15160493A Expired - Lifetime JP3378300B2 (ja) | 1993-05-29 | 1993-05-29 | 建築用床材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3378300B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09328887A (ja) * | 1996-06-11 | 1997-12-22 | Tosoh Corp | 床材、置き敷き用床材及び床材の製造方法 |
EP0861602A1 (en) * | 1997-02-19 | 1998-09-02 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Label-type oxygen absorbing agent |
US5972452A (en) * | 1993-12-07 | 1999-10-26 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Sheet shaped oxygen absorbing member and method for manufacture thereof |
-
1993
- 1993-05-29 JP JP15160493A patent/JP3378300B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5972452A (en) * | 1993-12-07 | 1999-10-26 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Sheet shaped oxygen absorbing member and method for manufacture thereof |
JPH09328887A (ja) * | 1996-06-11 | 1997-12-22 | Tosoh Corp | 床材、置き敷き用床材及び床材の製造方法 |
EP0861602A1 (en) * | 1997-02-19 | 1998-09-02 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Label-type oxygen absorbing agent |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3378300B2 (ja) | 2003-02-17 |
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