JP3138391U - 養生マット - Google Patents

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Abstract

【課題】落下物による衝撃に耐えるとともにナイフ等の鋭利な道具によって損傷しにくくて、床材や壁材などが傷まないように確実に保護することができる養生マットを提供する。
【解決手段】ポリエチレンフォーム2の上にポリ塩化ビニルシート3を積層してプラスチック積層体1を形成し、ポリ塩化ビニルシート3の外周端部に金属素材含有接着テープ4を貼着する。
【選択図】図3

Description

本考案は、建築工事で使用する養生マットに関する。詳しくは、床材や壁材や建具や家具やドアや各種内装材などが傷まないように、それらの部材の上に敷くための養生マットであって、この養生マットの上で建物の仕上げ施工をするための養生マットに関する。
従来、建物の仕上げ施工をする際に、床などが汚れたり、傷まないように、床などの上にクラフト紙等の養生シートを敷いて、この養生シートの上で作業をするということが一般的に行われている。また、この養生シートの上に合板等の補助材を敷いて、この補助材の上で作業が行われる場合もある。さらに、補助材を敷き、その補助材の上に養生シートを敷いて、その養生シートの上で作業が行われることもある。
しかしながら、養生シートだけでは機械的強度が弱いために、この養生シートの上を歩いたり、養生シートの上に梯子を据え付けたりすると、破れて、床などが傷むことがあった。また、この養生シートの上にハンマー等の道具を落とすと、この道具の落下による衝撃で床などが窪むことがある。さらに、この養生シートの上に合板等の補助材を敷き、この上で作業をすると、合板は一般に養生シートより厚くて機械的強度が大きいから、床などは傷みにくい。従って、養生シートを敷くだけのときより好ましいが、合板の上を歩いたり、合板の上で作業をすると、合板の表面が汚れる。また、合板の上にハンマー等の道具を落としたりすると、合板が傷むので、数回使用するだけで合板を交換する必要がある。しかも、合板は一般に高価であるから、施工コストが高くなるという問題もある。
また、合板の上に養生シートを敷くと、合板が移動し難くて好ましいが、養生シートが破れて合板が表面に出ると、この部分の合板が傷みやすい。従って、使用回数は合板だけのときより多くなるが、それでも高価な合板を使用することによる施工コストの上昇は避けられない。
そこで、移動し難く、機械的強度の大きい補助材と養生シートを使用する比較的安価な建物内の施工方法として、特許文献1には、図5(a)(b)(c) に示すように、床材の上に敷かれた化粧床材21の上に、ポリエチレンシート22とポリエチレン樹脂発泡シート23とからなる補助材24を、ポリエチレンシート22を上側にして敷き、この補助材24の上に、中芯厚紙からなる紙25と、この紙25の上に一面に薄く塗布されたポリエチレン樹脂26と、このポリエチレン樹脂26で接着された複数本のポリプロピレン樹脂製紐27とからなる養生シート28を敷き、この養生シート28の周囲の縁部を粘着テープ29で化粧床材21の上に貼り付け、養生シート28と隣接する養生シート28とを粘着テープ29で繋ぎ合わせ、この養生シート28の上で壁や天井の仕上げ施工をする方法が開示されている(以下、従来技術1という)。
従来技術1によれば、補助材と養生シートからなる2重構造材の上で施工するので、ハンマー程度の重量の道具が養生シート上に落下しても、床面が損傷する可能性は低くなることが期待できる。ところが、施工に際しては、ハンマー以外にも様々な道具が使用される。例えば、材料の端面を揃えるためにナイフ等の鋭利な道具が使用されるとき、ナイフ等の鋭利な道具によって補助材および養生シートを確実に損傷しないように施工することは容易でない。そのため、従来技術1の施工方法では、ナイフ等の鋭利な道具によってそれら補助材と養生シートが簡単に切断されてしまい、床面が傷んでしまう。
また、貼り付け及び剥離が容易に行える養生材料として、特許文献2には、図6に示すように、織物、不織布、紙、プラスチックの中から選ばれた支持体31の片面に弾性フォーム層32をコーティングし、この弾性フォーム層32を保護するプラスチックフィルム33を弾性フォーム層32に貼り合わせ、支持体31の反対面に両面粘着テープ34を貼り合わせた構造の養生材料が開示されている(以下、従来技術2という)。
従来技術2によれば、弾性フォーム層32がクッション材の役目をするので、 ハンマー程度の重量の道具が養生材料上に落下しても、床面が損傷する可能性が低くなることは期待できる。ところが、施工時にナイフ等の鋭利な道具が使用されると、従来技術1と同様に、その養生材料が簡単に切断されてしまい、床面が傷んでしまう。
さらに、特許文献3には、合成ゴム20重量部乃至80重量部と、粘着付与剤および合成ゴムの老化防止剤を含む粘着剤組成物が、溶剤もしくはプロセスオイルを一切使用せずに支持基体に塗工された塗装養生用粘着テープが開示されている(以下、従来技術3という)。この従来技術3に係るテープは、単なる塗装養生用粘着テープであって、養生材料および床面などが損傷しないように保護することはできない。
特開平9−279854号公報 特開平7−216758号公報 特開2005−290315号公報
本考案は従来技術の有する上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、建物内で施工する際に床材や壁材などの上に敷くための養生マットであって、落下物による衝撃に耐えるとともにナイフ等の鋭利な道具によって損傷しにくくて、床材や壁材などが傷まないように確実に保護することができる養生マットを提供することにある。
上記目的を達成するために本考案の養生マットの要旨は、プラスチック発泡体の上にプラスチックシートを積層してプラスチック積層体を形成し、上記プラスチックシートの外周端部に金属素材含有接着テープを貼着したことを特徴としている。
金属素材含有接着テープとしては、粘着テープの粘着層に金属素材を貼着し、該金属素材に両面粘着テープを貼着した構造を有するものを使用することができる。
金属素材としては、金網、金属の針金、または金属の平板などを使用することができる。
本考案は上記のように構成されているので、次のような効果を奏する。
プラスチック発泡体が衝撃を緩和するクッションのような作用をするので、落下物による衝撃に耐えて床材や壁材などが傷まないように確実に保護することができる。また、金属素材含有接着テープによってナイフ等の鋭利な道具による養生マット端部の損傷を避けることができる。従って、床面などが損傷することはない。
以下に本考案を実施するための最良の形態について説明する。
(1)プラスチック発泡体
プラスチック発泡体は衝撃を緩和するクッションの役目をするものであり、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、塩化ビニルフォーム、ビスコーススポンジ、ゴムフォーム、EVAフォーム、ABSフォーム、ポリアミドフォーム、アクリルフォームなどの熱可塑性樹脂フォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ユリアフォーム、シリコンフォーム、エポキシフォームなどの熱硬化性樹脂フォームのいずれのものも使用することができる。この中では、衝撃吸収性が非常に優れ、繰り返し衝撃に対する吸収性が特に大きくて、加工性に優れているポリエチレンフォームを好ましく用いることができる。
また、プラスチック発泡体の発泡倍率は、発泡体の強度、被着体との密着性の点からみて、2ないし10倍程度が好ましく、プラスチック発泡体の厚さは、被着体との密着性の点からみて、3mmないし10mm程度が好ましい。
(2)プラスチックシート
プラスチックシートはプラスチック発泡体の表面保護を図る役目をするものであるが、厚くなりすぎると施工時の作業性が低下することがあるので、その厚さは1mmないし3mm程度が好ましい。
具体的には、ポリ塩化ビニルシート、ポリカーボネートシート、ポリエチレンシート、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリプロピレンシート、ポリブタジエンシートなどの熱可塑性プラスチックシートを好ましく用いることができるが、これ以外の熱可塑性プラスチックシートを用いることもできる。
(3)粘着テープ
粘着テープとは、基材フィルムの片面に粘着剤を塗布し、もう一方の面に剥離剤を塗布したテープであり、セロハンテープ、クラフト紙粘着テープ、布粘着テープ、ポリ塩化ビニルテープ、アセテートテープ、フィラメント補強テープなどを好ましく用いることができる。
(4)両面粘着テープ
両面粘着テープとは、基材フィルムの両面に粘着剤を塗布したテープであり、市販されているいずれの両面粘着テープも使用することができる。
(5)金属素材
金属素材はナイフ等の鋭利な道具による損傷から養生マットを保護する機能を果たすものであり、金網、金属の針金、金属の平板などを好ましく用いることができるが、上記機能を果たすことができるものであれば、他の金属素材を用いることもできる。
以下に本考案の実施例を図面を参照しながら説明するが、本考案は下記実施例に限定されるものではなく、本考案の技術的範囲を逸脱しない範囲において、適宜変更や修正が可能である。
図1は、本考案の養生マットを構成するプラスチック積層体1の斜視図である。図1において、プラスチック積層体1は、ポリエチレンフォーム(厚さが5mmで、エムケイ産業株式会社製の商品名B−470)2の上面に両面粘着テープを貼着してポリ塩化ビニルシート(厚さが2mmで、オカモト株式会社製の商品名スーパーフィルムインタック)3が積層された構造である。
図2(a)は、本考案の養生マットを構成する金属素材含有接着テープ4の断面図である。図2(a)において、金属素材含有接着テープ4は、布粘着テープ(コーナン商事株式会社製の商品名カラー粘着テープ)5の粘着層に、図2(b)に示すような金網6を貼着し、さらに、金網6に両面粘着テープ(株式会社ニトムズ製の商品名厚手両面テープS)7を貼着し、両面粘着テープ7の下面に剥離紙8が貼着された構造を有している。
図3は、本考案の養生マット9の使用状態の一例を示す概略図であり、完成直前のマンションの台所のカウンター10の上面に両面粘着テープを貼着して、その上に図1に示すプラスチック積層体1を載置し、さらに、図2(a)に示す金属素材含有接着テープ4の剥離紙8を剥離して、両面粘着テープ7側をプラスチック積層体1のポリ塩化ビニルシート3の外周端部の必要な箇所に貼着した状態を示している。この場合、プラスチック積層体1の平面寸法をカウンター10より小さくして、プラスチック積層体1から外側にはみ出るように金属素材含有接着テープ4を貼着することもできる。11は床面である。
この場合、壁面12には一般にクロスと称されているインテリア材料が貼着されることが多く、壁面12とカウンター10の境界線13からはみ出た余分なクロスはナイフ等の鋭利な道具で切断除去される。このとき、ナイフ等の鋭利な道具を境界線13に正確に沿わせて忠実に余分なクロスを切断除去することは必ずしも容易ではない。そのため、ナイフ等の鋭利な道具が養生マット9の端部上を走ることもある。しかし、本考案の養生マット9の端部には金属素材含有接着テープ4が貼着されているので、ナイフ等の鋭利な道具が誤って養生マット9の端部上を走っても、金属素材含有接着テープ4で保護されてプラスチック積層体1が切断されるようなことはなく、もちろん、カウンター10が傷つくことはない。
さらに、本考案の養生マット9はポリエチレンフォーム2を備えているので、ハンマーなどが養生マット9上に落下しても、その落下に伴う衝撃はポリエチレンフォーム2が吸収するので、カウンター10が傷つくことはない。
なお、金属素材含有接着テープ4の幅Wや長さは、上記効果を発揮するように、実際の台所のカウンターの大きさに合わせて、あるいは施工場所の状況に応じて定めるのが好ましい。もちろん、本考案の養生マットは、台所のカウンター以外にも、床材や壁材や建具や家具やドアなど様々な部材を仕上げ施工時の損傷から保護するために使用できることは言うまでもない。
さらに、本考案の養生マットは、使用箇所で必要とされる大きさに適宜切断することにより繰り返し使用することが可能である。
図4は、本考案の養生マット14を、実際の完成直前のマンションの台所のカウンター15に使用した状態を示す写真である。この場合、プラスチック積層体内に埃やゴミが入らないように、黒色のポリ塩化ビニルテープ16がプラスチック積層体の外周に貼着されている。
本考案の養生マットを構成するプラスチック積層体1の斜視図である。 図2(a)は本考案の養生マットを構成する金属素材含有接着テープ4の断面図、図2(b)は金網の平面図である。 本考案の養生マット9の使用状態の一例を示す概略図である。 本考案の養生マット14を、実際の完成直前のマンションのカウンター15に使用した状態を示す写真である。 図5(a)は従来技術1の補助材の断面図、図5(b)は従来技術1の養生シートの断面図、図5(c)は従来技術1の施工状態を示す説明図である。 従来技術2の養生材料の側面図である。
符号の説明
1 プラスチック積層体
2 ポリエチレンフォーム
3 ポリ塩化ビニルシート
4 金属素材含有接着テープ
5 布粘着テープ
6 金網
7 両面粘着テープ
8 剥離紙
9 養生マット
10 台所のカウンター
11 床面
12 壁面
13 境界線
14 養生マット
15 台所のカウンター
16 ポリ塩化ビニルテープ

Claims (3)

  1. プラスチック発泡体の上にプラスチックシートを積層してプラスチック積層体を形成し、上記プラスチックシートの外周端部に金属素材含有接着テープを貼着した構造を有することを特徴とする養生マット。
  2. 金属素材含有接着テープは、粘着テープの粘着層に金属素材を貼着し、該金属素材に両面粘着テープを貼着した構造を有することを特徴とする請求項1記載の養生マット。
  3. 金属素材は、金網、金属の針金、または金属の平板であることを特徴とする請求項1または2記載の養生マット。
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