JP2009081481A - 自動写真作成装置および自動写真作成方法 - Google Patents

自動写真作成装置および自動写真作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転送可能な画像データ量の上限内で合成画像を数多く圧縮による画質劣化を抑えた状態で転送できる自動写真作成装置を提供する。
【解決手段】本装置では、送信すべき合成画像が利用者により選択され(S881)初期圧縮率で圧縮保存される(S882)。その合計データ量が上限量を超えても(S884)、1つの選択画像の圧縮率を1上げることにより(S885)上限量以下となれば(S885〜S888)送信され(S889)、また初期圧縮率での合計量が上限量を超えないとしても(S884)1つの選択画像の圧縮率を1下げることにより(S890)上限量を超える場合(S890〜S893)直前に戻して(S894)送信される(S889)。このことにより最終的な合計データ量は上限量以下の近傍値となるので上限内で可能な限り画質劣化を抑えて多くの合成画像を転送できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像または当該撮影画像に基づき生成される合成画像を写真として出力する自動写真作成装置に関し、より詳細には、当該撮影画像または合成画像を写真の他に画像データとして外部に出力する自動写真作成装置に関する。
従来より、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真として出力する遊戯用写真作成装置が知られている。このような遊戯用写真作成装置は、遊戯性または娯楽性が高いことから、撮影画像と合成すべき画像(以下「付加画像」という)を、利用者の嗜好に応じて、予め用意された多種多様な背景画像および前景画像から選択したり、タッチペンやライトペン等のペン型入力手段を用いて利用者が自由に描いたりできるように構成されているものが多い。利用者によるこのような行為は、撮影画像に対してなされるため、「落書き」と呼ばれる。
こうして撮影画像に落書きすることにより得られる合成画像または撮影画像は、写真として出力されるだけでなく、近年ではその画像データを通信回線を介して所定のサーバにアップロードする(転送する)よう構成された従来の自動写真作成装置がある。
例えば、上記合成画像を所定の通信インターフェース部によりインターネット経由で接続された画像蓄積用のサーバ に含まれる所定記憶部に記憶させる従来の自動写真作成装置がある(特許文献1を参照)。この従来の自動写真作成装置は、上記サーバに記憶された上記合成画像を公開してランキングを行ったり、利用者にダウンロードさせたりすることができるので、装置の遊戯性または娯楽性を高めることができる。
特開2007−67565号公報
しかし、上記従来の自動写真作成装置では、上記アップロードに際して所定の通信費用が必要となることが多い。このことから、アップロード可能な画像データ量には制限が設けられていることがある。したがって、この制限によって利用者はその所望する数多くの合成画像をアップロードすることができない場合がある。
また、上記のようにアップロード可能な画像データ量には制限が設けられていることから、上記画像データは、所定の画像圧縮方式により比較的高い圧縮率で上記合成画像を圧縮することにより生成されることが多い。なおこの画像圧縮には、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等が知られている。このように圧縮率は高い値で固定されていることが多いので、利用者はその所望する数少ない(典型的には1枚の)合成画像をより低い圧縮率で、すなわち圧縮による画質劣化を抑えた状態で圧縮しアップロードすることはできない。
そこで本発明の目的は、転送可能な画像データ量の制限内で、所望する合成画像が数多い場合であってもデータ転送することができるとともに、圧縮による画質劣化を抑えた状態でデータ転送することができる自動写真作成装置を提供することである。
第1の発明は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
所定の画像圧縮方式に基づく複数の圧縮レベルのうちの所定の圧縮レベルで、前記撮影画像および前記合成画像の少なくとも一方を含む複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成する画像圧縮手段と、
前記画像圧縮手段により生成される複数の画像データの合計量を算出するデータ合計量算出手段と、
前記データ合計量算出手段により算出された合計量が予め定められた上限データ量以下の近傍値である場合、前記画像圧縮手段により生成される複数の画像データを装置外部に送信する送信手段と、
前記データ合計量算出手段により算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には前記圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には前記圧縮レベルをより小さな値に変更する圧縮レベル変更手段と
を備え、
前記画像圧縮手段は、前記圧縮レベル変更手段により前記圧縮レベルが変更される場合には、変更された圧縮レベルで前記複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成し、
前記データ合計量算出手段は、前記圧縮レベル変更手段により前記圧縮レベルが変更される場合には、前記画像圧縮手段により生成される複数の画像データの合計量を再び算出することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記圧縮レベル変更手段は、前記データ合計量算出手段により算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には、前記複数の画像に対応する複数の圧縮レベルのうち前記複数の画像から選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には、前記複数の画像から選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより小さな値に変更することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、
前記圧縮レベル変更手段は、前記データ合計量算出手段により算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には、前記複数の画像にそれぞれ付される所定の優先順位の低い画像から高い画像までの順に1つ選択して、選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には、前記複数の画像にそれぞれ付される所定の優先順位の高い画像から低い画像までの順に1つ選択して、選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより小さな値に変更することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、
前記画像圧縮手段は、前記優先順位が高いほど小さな値となるよう、前記複数の画像にそれぞれ対応する圧縮レベルの初期値を設定することを特徴とする。
第5の発明は、第3の発明において、
前記優先順位を決定するための前記利用者による操作を受け付ける入力手段をさらに備えることを特徴とする。
第6の発明は、第5の発明において、
前記入力手段は、前記送信手段により送信されるべき複数の画像データに対応する複数の画像を順に1つずつ決定するための操作を受け付けることにより、当該操作の順番を前記優先順位を決定するための操作として受け付けることを特徴とする。
第7の発明は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力ステップとを備える自動写真作成方法であって、
所定の画像圧縮方式に基づく複数の圧縮レベルのうちの所定の圧縮レベルで、前記撮影画像および前記合成画像の少なくとも一方を含む複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成する画像圧縮ステップと、
前記画像圧縮ステップにおいて生成される複数の画像データの合計量を算出するデータ合計量算出ステップと、
前記データ合計量算出ステップにおいて算出された合計量が予め定められた上限データ量以下の近傍値である場合、前記画像圧縮ステップにおいて生成される複数の画像データを装置外部に送信する送信ステップと、
前記データ合計量算出ステップにおいて算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には前記圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には前記圧縮レベルをより小さな値に変更する圧縮レベル変更ステップと
を備え、
前記画像圧縮ステップでは、前記圧縮レベル変更ステップにおいて前記圧縮レベルが変更される場合には、変更された圧縮レベルで前記複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成し、
前記データ合計量算出ステップでは、前記圧縮レベル変更ステップにおいて前記圧縮レベルが変更される場合には、前記画像圧縮ステップにおいて生成される複数の画像データの合計量を再び算出することを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明に記載の自動写真作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
第9の発明は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像若しくは当該撮影画像を含まない所定の画像を出力する出力手段とを備える自動画像作成装置であって、
赤外線を含む光、電波、または音波を使用した無線通信方式または有線通信方式の少なくとも2つの通信規格を採用する、前記画像のデータを装置外部に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明において、
前記送信手段は、携帯電話回線またはPHS回線におけるデータ通信規格、赤外線通信規格、無線または有線LAN規格、USB規格、IEEE1394規格、およびブルートゥース規格のうち少なくとも2つの規格を採用することを特徴とする。
第11の発明は、第9または第10の発明において、
前記送信手段は、所定の携帯端末からの要求に応じて蓄積された前記画像データを当該携帯端末に送信する装置外部のインターネットサーバへ前記画像データを送信することを特徴とする。
第12の発明は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
赤外線を含む光、電波、または音波を使用した無線通信方式または有線通信方式の少なくとも1つを採用した、前記画像のデータを装置近傍の所定の携帯端末へ直接送信する第1の送信手段と、
前記携帯端末を含む所定の携帯端末からの要求に応じて蓄積された前記画像データを当該携帯端末に送信する装置外部のインターネットサーバへ、前記第1の送信手段により送信されない画像データのみを送信する第2の送信手段と
を備えることを特徴とする。
第13の発明は、第12の発明において、
前記画像のうち前記第1の送信手段によって送信されるべき画像データに対応する画像を決定するための前記利用者による操作を受け付ける入力手段をさらに備えることを特徴とする。
第14の発明は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力ステップとを備える自動写真作成方法であって、
赤外線を含む光、電波、または音波を使用した無線通信方式または有線通信方式の少なくとも1つを採用した、前記画像のデータを近傍の所定の携帯端末へ直接送信する第1の送信ステップと、
前記携帯端末を含む所定の携帯端末からの要求に応じて蓄積された前記画像データを当該携帯端末に送信する外部インターネットサーバへ、前記第1の送信ステップにおいて送信されない画像データのみを送信する第2の送信ステップと
を備えることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、データ合計量算出手段により算出された合計量が上限データ量を超える場合には圧縮レベルがより大きな値に変更され、この合計量が上限データ量以下の近傍値未満の場合には圧縮レベルがより小さな値に変更されるので、所望する合成画像が数多い場合であっても転送可能な画像データ量の制限内となるよう圧縮レベルを大きく変更することによりデータ転送することができ、また所望する合成画像が数少ない場合であっても転送可能な画像データ量の制限内で圧縮レベルを小さく変更することにより、圧縮による画質劣化を抑えた状態でデータ転送することができる。
上記第2の発明によれば、合計量が上限データ量を超える場合には1つの選択画像に対応する圧縮レベルがより大きな値に変更され、合計量が上記近傍値未満の場合には、1つの選択画像に対応する圧縮レベルがより小さな値に変更されるので、全ての圧縮レベルが変更される場合に比べて送信される画像データの合計データ量を上限データ量以下の近傍値に近づけることができ、より数多い画像をより画質劣化を抑えた状態でデータ転送することができる。
上記第3の発明によれば、合計量が上限データ量を超える場合には、複数の画像にそれぞれ付される所定の優先順位の低い画像から高い画像までの順に1つ選択されて、選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルがより大きな値に変更され、合計量が上記近傍値未満の場合には、所定の優先順位の高い画像から低い画像までの順に1つ選択されて、選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルがより小さな値に変更されるので、優先順の高い画像であるほど、圧縮レベルが下げられやすくまた上げられにくくなるので、優先順の高い画像であるほど画像圧縮による画質劣化を防ぐことができる。
上記第4の発明によれば、優先順位が高いほど小さな値となるよう、対応する圧縮レベルの初期値が設定されるので、結果的に優先順の高い画像であるほど圧縮率が小さくなり、優先順の高い画像であるほど結果的に画像圧縮による画質劣化を防ぐことができる。
上記第5の発明によれば、優先順位を決定するための利用者による操作が受け付けられるので、利用者の重視する優先順位の高い合成画像を画質劣化を抑えた状態でデータ転送することができる。
上記第6の発明によれば、送信されるべき複数の画像を順に1つずつ決定するための操作を受け付けることにより、当該操作の順番を優先順位を決定するための操作として受け付けるので、利用者に優先順位を別個に設定するための操作を要求する必要がなく、例えば時間制限が設けられる場合であっても利用者の操作を簡単にすることができる。
上記第7の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果を自動写真作成方法において奏することができる。
上記第8の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果を自動写真作成プログラムにおいて奏することができる。
上記第9の発明によれば、出力手段から出力される例えば写真シールなどの媒体ではなく、撮影したまたは作成した画像のデータを携帯電話などの受信端末で受け取ることができ、また2つ以上の通信規格が使用されるので、利用者が使用したいまたは使用可能な通信規格を適宜選択することができる。
上記第10の発明によれば、撮影したまたは作成した画像のデータを携帯電話などの受信端末で受け取ることを一般的な通信規格を使用することにより簡単に実現することができる。
上記第11の発明によれば、撮影したまたは作成した画像のデータを携帯電話などの受信端末でインターネットサーバから好きなときに簡単に受け取ることができる。
上記第12の発明によれば、第1の送信手段で例えば利用者が把持する携帯電話等の端末装置に直接通信するとともに、第1の送信手段により送信されない画像データのみを送信する第2の送信手段によって送信するので、典型的には有料となるインターネットサーバへのデータ送信を使用する回数またはデータ通信量を少なくすることができ、装置の運用費用を安価にすることができる。また、近年の携帯電話等の携帯端末のほとんどに備えられているインターネットを介した通信機能を利用することにより、直接送信ができない場合であっても画像データを利用者に確実に提供することができる。
上記第13の発明によれば、典型的には有料のデータ通信を使用して送信される画像データ数(データ量)を少なくすることができるので、装置の運用費用を安価にすることができる。また、利用者は自らが選択した画像を携帯電話等の携帯端末で直ちに見ることができる。
上記第14の発明によれば、上記第12の発明と同様の効果を自動写真作成方法において奏することができる。
以下、本発明の一実施形態につき添付図面を参照して説明する。
<1. 全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置(遊戯用写真作成装置)の外観を示す図であり、より詳細には図1(a)はこの自動写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は上から見た外観平面図である。また、図2は、この自動写真作成装置の第1の本体部3を前から(被写体としての利用者Uから)見た外観図である。以下、これらの図を参照して、本実施形態に係る自動写真作成装置の全体構成について説明する。
この自動写真作成装置は、利用者Uが入る撮影室2と、利用者Uを撮影し背景画像および前景画像の選択を受け付ける第1の本体部3と、利用者による落書きを受け付け撮影画像に合成した合成画像を生成するとともに当該合成画像を所定のサーバにアップロード(データ転送)する第2の本体部4とを備えている。なお、利用者Uは1人以上であればよいが、説明の便宜のため図1(a)には、撮影室2に入っている1人の利用者と、第2の本体部4を使用することにより落書きを行っている2人の利用者とが示されている。なお、各利用者により行われる撮影、落書き、およびアップロード等の詳しい内容については後述する。
撮影室2は、略直方体形状であって、第1の本体部3は、内部に入る利用者Uから見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置される。なお、撮影室2左右両側面の一部には、それぞれ利用者Uが出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者Uから見て後ろの面である背面には電動ロールカーテン装置25が備えられている。この電動ロールカーテン装置25にはクロマキー合成処理のための単一の色(ここでは青色または緑色)が付されたロールカーテンが収納されており、撮影の開始とともに当該ロールカーテンが展開され終了とともに巻き取られる。
第1の本体部3は、利用者Uを撮影する撮影手段としてのカメラ10と、当該カメラ10上方の適宜の位置に配置され閃光を発する照明手段としてのフラッシュ11と、当該カメラ10下方に配置されており、利用者Uに対して撮影のための操作画面などを提供する液晶ディスプレイおよび当該操作画面を覆う操作位置検出用の透明シートからなる液晶タッチパネル20とを備える。
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、撮影室2内の利用者Uを撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。
液晶タッチパネル20は、上述の操作画面などを提供する表示手段として機能するほか、撮影のための操作手段など、利用者Uによる各種操作を受け付ける操作手段として機能する。なお、液晶タッチパネル20は、利用者Uの指などにより操作されるが、図示されないタッチペン等により操作されてもよく、また例えば上記透明シートを含まない静電誘導方式の操作位置検出機能を有する液晶パネルなどであってもよい。
また第1の本体部3は、コンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および第2の本体部4と通信を行うためのネットワークアダプタなどを内蔵している。さらに、第1の本体部3は、前面下方にコイン投入口26を、側面に写真シールの取出口28をそれぞれ備えている。さらにまた、第1の本体部3は、本自動写真作成装置の動作中は常時点灯される複数の照明装置を備えている。これら複数の照明装置のうち上部照明装置12L,12Rは撮影室2の天井近傍に左右それぞれ備えられ、前面照明装置13L,13Rはカメラ10の左右にそれぞれ備えられ、下部照明装置14は、液晶タッチパネル20下方に備えられている。
第2の本体部4は、第1の本体部3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および第1の本体部3等と通信を行うためのネットワークアダプタなどを内蔵しているほか、液晶タッチパネル20と同様に操作位置検出機能を有する2つの液晶パネル(液晶タッチパネル)42a,42bおよびこれらを操作するために使用される2組4つのタッチペン41a,41bと、合成画像を写真シール(または写真カード)として出力するネットワークプリンタ35と、合成画像を所定のサーバ装置へアップロードするための無線通信を行うPHS(Personal Handy-phone System)端末装置45とを備えている。
PHS端末装置45は、装置外部のPHS無線基地局の通信装置と所定の方式で無線通信(典型的には無線によるパケット通信)を行うことにより、このPHS無線基地局装置を介してインターネットに接続される各種サーバと相互に通信が可能となっている。ここでのPHS端末装置45は、上記合成画像を圧縮した画像データを所定の画像蓄積サーバへ送信する。この詳しい動作については後述する。
図1に示されるように第2の本体部4には、2つの液晶パネル(液晶タッチパネル)42a,42bおよび2つのタッチペン41a,41bのそれぞれ2組が設けられており、これらのうちの1方の組が設けられている領域を落書きブースAと呼び、他方の組が設けられている領域を落書きブースBと呼ぶ。ここで図1(a)において手前に見える第2の本体部4の一部は落書きブースAであり、その反対側(図では裏側)の部分は落書きブースBである。
利用者は、第1の本体部3および撮影室2において撮影を行った後、第2の本体部4における(落書きブースAまたは落書きブースBの)液晶タッチパネル42a,42bおよびタッチペン41a,41bのいずれかを使用することにより撮影画像に対して落書きを行い、作成された合成画像をネットワークプリンタ35から印刷出力するとともに、PHS端末装置45から所定の画像蓄積サーバへ送信する。次に、これらの機能的構成について詳しく説明する。
<2. 機能的構成>
図3は、本実施形態に係る自動写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。この自動写真作成装置100は、PHS基地局装置である無線基地部200へ上述した画像データを典型的にはデータパケットの形で無線送信する。無線基地部200は図示されない周知の通信装置を介して図示されないインターネットに接続されており、このインターネットを介して上記画像データを画像サーバ装置である画像サーバ部300に送信する。この画像サーバ部300は、受け取った画像データを蓄積するとともに利用者等の要求に応じて利用者等により使用される端末装置に画像データを送信する。またこの画像サーバ部300は、この画像データを所定の参加者に公開することにより参加者によるランキングなどを行ってもよい。
この自動写真作成装置100は、機能的には、第1の本体部3に対応する撮影部52、第1の表示・操作部54、I/O制御部56、照明部58、第1の通信部62、および第1の制御部60と、第2の本体部4に対応する第2の通信部72、第2および第3の表示・操作部74,76、無線通信部80、および第2の制御部70と、ネットワークプリンタ35に相当する出力部65とから構成されており、ネットワークアダプタである第1および第2の通信部62,72とネットワークプリンタ35とはLAN(Local Area Network)6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
この構成において、撮影部52は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(この画像は「スルー画像」と呼ばれる)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部60に入力されて、その内部のメモリにスルー画像データとして一時的に記憶される。
第1の表示・操作部54は、液晶タッチパネル20に相当し、撮影画像に合成されるべき背景画像および前景画像を選択する操作や、出力されるべき写真を決定するための利用者Uの操作、撮影メニューの選択操作等を受け付け、これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部60に入力される。ここで、利用者Uを撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部54に利用者Uのための案内が表示され、その後の第1の制御部60からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にフラッシュ11から閃光が放たれる。そのとき、利用者Uの撮影画像を表す信号として撮影部52から出力される画像信号が第1の制御部60に入力され、第1の制御部60内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
照明部58は、第1の本体部3における上部照明装置12L,12R、前面照明装置13L,13R、および下部照明装置14と、フラッシュ11とに相当し、第1の制御部60からの指示に基づきI/O制御部56によって点灯/消灯および調光が制御される。
I/O制御部56は、第1の本体部3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部60からの指示に基づき、照明部58を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部60へ転送する。
第1の制御部60は、第1の本体部3に内蔵され、CPUや、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置などを含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。撮影された画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部54に表示される。さらに、当該合成画像に対する操作信号に基づき上記画像データの一部を書き換えることにより、当該合成画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部54に表示される。こうして撮影および合成画像の生成が終了すると、生成された合成画像は利用者Uの操作入力に応じて適宜選択された後、第1の通信部62を介して、第2の本体部4に対応する第2の制御部70へ送信される。
上記の構成要素の他、第1の本体部3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に第1の本体部3に設けられており、第1の制御部60は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者Uに所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書きなど、本自動写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部やその検出結果に基づく第1の制御部60による制御動作は、従来の自動写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
なお、制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが制御装置内に補助記憶装置として内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本自動写真作成装置の起動のための所定操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、制御装置内のCPUによって実行される。これにより、制御装置による上記各部の制御処理が実現される。
第2の制御部70は、第2の本体部4に内蔵され、第1の制御部60と同様に、CPUや、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置などを含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。なお、このプログラムも典型的には上記DVD−ROMによって提供される。
また、第2の制御部70は、第1の制御部60から送られてきた合成画像に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき上記画像データの一部を書き換えることにより、当該合成画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像は対応する第2または第3の表示・操作部74,76に表示される。上記のような画像合成が終了すると、当該合成画像は出力部65に送信される。なお、出力部65が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送信される。また、出力部65による出力中に当該合成画像などは、後述するアップロード処理においてアップロード可能となるよう、所定の操作画面とともに対応する第2または第3の表示・操作部74,76に表示される。
無線通信部80は、第2の本体部4に内蔵されるPHS端末装置に相当し、第2の制御部70により作成され選択される合成画像を画像データとしてPHS方式の無線通信方式で無線基地部200へ送信する。ここでこのデータ通信ではデータ(パケット)量に応じた所定の料金がかかるので、アップロードできる画像データの量には上限が設けられている。なお、この上限が設定される理由は、典型的には料金による制約に基づくものであるが、これに限られず、例えばデータ転送速度が遅いことによるアップロード時間の制約や、画像蓄積サーバにおいて蓄積可能なデータ量の上限による制約に基づくものなどであってもよく、特に制約の理由は問われない。また、無線通信部80は、画像データの送信が可能であれば、電話線や光ファイバーなどを使用した周知の通信回線に接続することにより通信を行う構成であってもよい。
出力部65は、第1の本体部3に内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、第2の制御部70から受け取った利用者Uの落書きに応じて画像処理された上記撮影画像データの表す画像を写真シール(または写真カード)として出力する。出力された写真シール等は、第1本体部3の側面に設けられた取出口28から取り出される。
<3. 動作>
<3.1 第1の制御動作>
上述のように本実施形態における第1の制御部60および第2の制御部70の動作は、それらの内部のCPUが上記所定プログラムを実行することにより実現される。ここで、以下では第1の制御部60により行われる制御動作を第1の制御動作といい、第2の制御部70により行われる制御動作を第2の制御動作という。
図4は、このようにして実現される第1の制御部60および第2の制御部70による制御動作の手順を示すフローチャートである。本実施形態では、コイン投入口26に所定のコインが投入されると、本自動写真作成装置の撮影に関連する制御動作である第1の制御動作は、以下のようになされる。
まず、第1の制御部60は、装置の初期化処理、すなわち各ハードウェアの初期化や、設定値として第1の制御部60に記憶されるデータの初期化処理を行い、さらに利用者Uによるモード選択およびメニュー選択の操作入力を受け付ける(ステップS10)。
次に、第1の制御部60は、例えば10枚程度の付加画像を適宜選択し、選択された付加画像を第1の表示・操作部54に表示することにより、表示された10枚程度の付加画像から撮影画像に合成すべき1枚の付加画像を決定するための利用者Uによる操作入力を受け付けるフレーム等選択処理を行う(ステップS20)。なお、ここで第1の制御部60は、利用者の第1の表示・操作部54に対する操作入力により選択された付加画像である背景画像に対して周知のクロマキー処理を行うことにより、あたかも撮影対象となる利用者の像が上記背景となるべき付加画像に対して貼り付けられたような遊戯性または娯楽性の高い合成画像が得られる。
続いて、第1の制御部60は、上記ステップS20において得られた合成画像を表示して、利用者Uを撮影するための撮影処理を行う(ステップS30)。ここで、このステップS20における付加画像の合成および本ステップS30における合成により得られる画像の表示は、液晶タッチパネル20にリアルタイムで表示される。すなわちステップS20の合成処理をステップS30においても行うことにより、撮影画像の取得以前にも連続的に得られる撮影部(カメラ)52からの撮影画像に相当する取得画像に対して、上記合成画像をリアルタイムで合成して表示する。
このように合成画像を表示した後に、第1の制御部60は利用者Uを撮影するための撮影処理を行う。この撮影処理において、第1の制御部60は、撮影開始を利用者に第1の表示・操作部54の画面で知らせ、数秒程度の予め決められた時間の経過後に撮影部(カメラ)52に撮影信号(シャッター信号)を送る。これにより、撮影部52のシャッター動作と同期して照明部(フラッシュ)70が閃光を放ち、第1の制御部60がキャプチャ処理を開始する。すなわち、第1の制御部60は、照明部(フラッシュ)70からの閃光で照らされた利用者Uの撮影画像を表す信号として撮影部52から出力される画像信号を受け取り、メモリまたは補助記憶装置内に撮影画像の画像ファイルとして格納する。なお、所定の撮影時間の間、実際には10回程度上記キャプチャ処理が実行され、撮影画像が画像ファイルとして一時的に保存される。
次に、第1の制御部60は、予め定められた回数(例えば10回程度)の撮影が行われることにより撮影が終了したか、撮影時間を示すタイマがタイムアウトとなることにより撮影が終了したか、または撮影時間の経過前であっても、第1の表示・操作部54に対して撮影処理の終了を指示する操作が行われることにより撮影が終了したか否かを判定する(ステップS40)。撮影が終了した場合、処理は次のステップS50に進む。撮影が終了しない場合には、ステップS20の処理に戻り、撮影が終了するまで上記処理が繰り返される(S40→S20→S30→S40)。
撮影が終了した場合、第1の制御部60は、複数回の撮影により取得された撮影画像それぞれに所望の付加画像が合成された複数の合成画像を第1の表示・操作部54に(一覧的に)表示することにより、表示された複数の合成画像から後述する落書きを行うための1枚(または2〜4枚程度)の合成画像を決定するための利用者Uによる操作入力を受け付ける画像選択処理を行う(ステップS50)。
次に第1の制御部60は、ステップS50において利用者により選択された合成画像を第1の通信部62からネットワーク6を介して接続される第2の通信部72へ送信する画像送信処理を行う(ステップS60)。
続いて第1の制御部60は、上記合成画像に対する落書きを行うべき落書きブースAまたは落書きブースBへの移動を利用者に促す案内表示を第1の表示・操作部54に表示することにより、利用者への案内処理を行う(ステップS70)。なお、撮影が終了したときに落書きブースA,Bがともに使用中となることがないよう、各落書きブースにおける落書き時間は撮影時間の2倍に設定されているので、撮影が終了したときには落書きブースA,Bのいずれかが必ず使用されていない状態となっている。したがって、上記合成画像に対する落書きを行うべきブースは、他の利用者により現在落書きが行われていない(使用中でない)落書きブースが選択される。
そうして上記ステップS70における案内処理が終了すると、図4の左側に示される一連の処理(第1の制御動作)は終了され、所定の金額に相当するコインが新たにコイン投入口26に投入されるまで当該一連の処理は実行待ち状態となる。この実行待ち状態において、所定の金額に相当するコインが新たに投入されると、上記と同様の処理(ステップS10〜S70)が実行される。
<3.2 第2の制御動作>
次に、以上のような第1の制御動作の他、第1の制御部60により第2の制御部70に対して(上記ステップS70において)合成画像が送信されると、本自動写真作成装置の落書きに関連する制御動作である第2の制御動作は、以下のようになされる。
まず、第1の制御部60から合成画像を受信した第2の制御部70は、当該合成画像を受け取るとともに受信が終了するまで利用者に対する所定の案内を第2または第3の表示・操作部74,76に表示する(ステップS82)。ここで、上記案内は、上記合成画像に対する落書きを行うべき落書きブースA,Bに備えられる第2または第3の表示・操作部74,76に表示されるが、選択される落書きブースAまたは落書きブースBは、他の利用者により現在落書きが行われていない(使用中でない)落書きブースであることは前述したとおりである。ここでは説明の便宜のため、落書きブースBが選択されるものとする。
受信が終了すると続いて第2の制御部70および第3の表示・操作部76による落書き処理が行われる(ステップS84)。この落書き処理では、第2の制御部70により落書き処理のために予め決められた時間(以下「落書き時間」という)が設定され、この落書き時間内に利用者は液晶タッチパネル42bを使用することにより落書きを行う。具体的には、液晶タッチパネル42bに撮影画像および落書きのための各種アイコン等、例えば、仮想的な落書きペンの太さや色などを選択可能にするため表示されるペン先アイコンやスタンプ画像を選択可能にするため表示されるスタンプアイコン等が表示され、これらに対する利用者による操作が受け付けられる。すなわち利用者は、液晶タッチパネル42bでこれらの各種アイコン等のうちの1つを選択する(すなわちタッチペン41bを使用することにより表示されたアイコン上にカーソルを動かして確定させる)操作や、表示画面上の所望の位置を指定する操作などを行うことにより、仮想的な落書きを行う。
以上の落書き処理(ステップS84)は落書き時間を示すタイマがタイムアウトとなることにより落書きが終了したか、または落書き時間の経過前であっても、落書き処理の終了を指示する操作が行われることにより終了する。なお、実際には所定の時点(例えば終了60秒前)において撮影室2で次の利用者が撮影を行っていない(または少なくとも行おうとしていない)場合にはタイマが所定時間だけ(例えば最初の時点まで)巻き戻された後に再び減算が開始される。
こうして落書き処理が終了すると、出力すべき写真シールに複数の撮影画像(またはこれを含む合成画像)を適宜配置するレイアウト処理が行われる。このレイアウト処理では、予め定められた制限時間内で撮影画像をどのように配置するかを決定するための操作を受け付けることにより、所定の位置に撮影画像または合成画像が配された画像であって写真シール等を印刷するための合成画像が生成される。その後、処理は次のステップS86に進む。
次にステップS86における印刷処理では、上記ステップS84における落書き処理により生成された合成画像(より詳細には適宜の位置および大きさに撮影画像がレイアウトされ種々の落書きが行われ、さらにフレーム画像や背景画像等の付加画像がクロマキー合成された合成画像)が出力される。すなわち、第2の制御部70は、落書き等をされた合成画像を出力部65に送信しその出力を指示する。これにより、出力部65としてのネットワークプリンタ35は、その合成画像を写真シールとして出力する。
最後に第2の制御部70は、上記ステップS86において行われる印刷の待ち時間(例えば1〜2分程度)内にまたは次の利用者により利用される時点までに上記合成画像を無線基地部200へ適宜送信するアップロード処理を行う(ステップS88)。例えば、第2の制御部70は、画像サーバ部300へアップロードすべき合成画像を選択するよう利用者に促す案内を第3の表示・操作部76に表示し、当該案内に応じて利用者により行われる選択操作に基づき選択された複数(実際には1枚以上)の合成画像を所定の画像圧縮方式により圧縮して無線基地部200へ適宜送信する。以下、図5を参照してこのアップロード処理について詳しく説明する。
図5は、このアップロード処理の詳しい手順を示すフローチャートである。図5に示されるステップS881において、第2の制御部70は、前述したように第3の表示・操作部76に所定の案内を表示し、当該案内に応じて利用者により行われる合成画像の選択操作を受け付ける。例えばここでの案内表示では、作成された合成画像が全て表示されるとともに、アップロードしたい画像を(実際には1つであってもよいが)複数選択させる表示が行われる。なおここでは、選択される画像が少ないほど画質が良好になることが併せて表示されることが好ましい。
次にステップS882において、第2の制御部70は、ステップS881において選択された各画像に対して予め定められる初期圧縮率でそれぞれ所定の画像圧縮を行い、圧縮された画像データを所定の記憶部(例えばハードディスク装置など)に保存する。ここで上記画像圧縮はJPEG方式であって、予め10段階の圧縮率(圧縮レベル)が選択可能であるものし、ここでは上記初期圧縮率(圧縮レベル)を示す値として「5」(レベル5)が選択されているものとする。
ここで圧縮率とは、一般的には圧縮前のデータ量に対する圧縮後のデータ量の割合を指すが、JPEG方式における画像圧縮は、画像の態様等により圧縮後のデータ量を正確に予測することが困難であり、圧縮前に設定される圧縮率は(圧縮後の)実際の圧縮率とずれを生じることが知られている。そこで、一般的なJPEG方式において、この圧縮率は、複数のレベル(例えば最高圧縮、高圧縮、通常圧縮、低圧縮、最低圧縮などの5段階のレベル)で定められることが多い。このことから本実施形態ではこの圧縮前に設定される圧縮率を圧縮レベルともいい、実際の圧縮率が圧縮前には不明(または算出が困難)であることを前提とする。
続いてステップS883において、第2の制御部70は、ステップS882において圧縮され保存された画像データの合計データ量を計算する。なお一般的に1つの画像に対応する画像データは1つのデータファイルとして保存されるので、そのデータ量は容易に知ることができる。
次にステップS884において、第2の制御部70は、ステップS883において算出された合計データ量が所定の上限データ量を超えたか否かを判定する。判定の結果、上限データ量を超える場合(ステップS884においてYesの場合)、ステップS885の処理に進み、上限データ量以下である場合(ステップS884においてNoの場合)、ステップS890の処理に進む。なお、上限データ量については前述したとおりである。
続いてステップS885において、第2の制御部70は、ステップS881において利用者により選択された複数の合成画像から所定の基準に基づき1つを選択し、選択された画像(以下「選択画像」という)に対応して設定される圧縮率を1だけ上げる。例えば当該圧縮率が初期圧縮率から変化していない場合、圧縮率は1だけ上げられて「6」(レベル6)となる。
ここで、複数の合成画像から1つの画像を選択する基準には様々なものが考えられその基準に特に限定はないが、例えば圧縮の効果を大きくするため、複数の合成画像のうち最も画像データの大きいものから小さいものまでの順に1つ選択される構成であってもよい。具体的には、利用者により(画像データの大きい順に)画像A、画像B、および画像Cの3つが選択されるとする。最初にステップS885における処理が行われるとき、最初に最も画像データの大きい画像Aが選択され、選択された画像Aに対応する圧縮率が1だけ上げられる処理が行われる。そうして続く一連の後述する処理および前述した一連の処理が終了し、次にステップS885における処理が行われるとき、次に画像データの大きい画像Bが選択され、選択された画像Bに対応する圧縮率が1だけ上げられる処理が行われる。その後、ステップS885における処理が再び行われるとき、最後に画像データの最も小さい画像Cが選択され、選択された画像Cに対応する圧縮率が1だけ上げられる処理が行われる。こうして全ての画像A〜Cが選択された後、さらにステップS885における処理が行われるときには、最初に戻って最も画像データの大きい画像Aが選択され、選択された画像Aに対応する圧縮率が1だけ上げられる処理が行われるといった動作が繰り返される。なお、上記複数の合成画像に優先順位を付す構成については、本実施形態の変形例として詳しく後述する。
次にステップS886において、第2の制御部70は、ステップS885において変更された圧縮率で対応する選択画像を圧縮し、所定の記憶部に上書き保存する。例えば、ステップS885において画像Aが選択される場合、ステップS882において初期圧縮率で圧縮され保存され、または前回のステップS886において保存された画像Aのデータファイルを破棄し、今回のステップS886において圧縮される画像Aのデータファイルを上記記憶部に保存する(すなわち上書き保存する)。
続いてステップS887において、第2の制御部70は、ステップS886において圧縮され保存された画像データを含んで保存されている全ての画像データの合計データ量を計算する。
次にステップS888において、第2の制御部70は、ステップS887において算出された合計データ量が所定の上限データ量以下であるか否かを判定する。判定の結果、上限データ量以下である場合(ステップS888においてYesの場合)、続くステップS889の処理に進み、上限データを超える場合(ステップS888においてNoの場合)、ステップS885の処理に戻って上記処理を繰り返し行う(S888→S885→…→S888)。
続いてステップS889において、第2の制御部70は、記憶部に保存されている全ての画像データを無線通信部80から無線基地部200へ送信する。ここで記憶部に保存されている全ての画像データは、初期圧縮率で圧縮すればその合計データ量が上限データ量を超えるとしても(S882〜S884)、所定の選択画像の圧縮率を1上げることにより(S885)、より大きな圧縮率で選択画像が圧縮された結果、その合計データ量が上限データ量以下となっている(S885〜S888)。したがって、最終的なその合計データ量は上限データ量以下の近傍値となっていることがわかる。
また、ステップS884において保存された画像データの合計データ量が上限データ量以下である場合、ステップS890において、第2の制御部70は、ステップS881において利用者により選択された1つの選択画像に対応して設定される圧縮率を(ステップS885における処理とは逆に)1だけ下げる。例えば当該圧縮率が初期圧縮率から変化していない場合、圧縮率は1だけ下げられて「4」(レベル4)となる。なお、ここでの1つの画像を選択する基準は、ステップS885において前述したとほぼ同様であるが、ステップS885における場合とは異なり(逆となり)、複数の合成画像のうち最も画像データの小さいものから大きいものまでの順に1つ選択される。すなわち最初にステップS890における処理が行われるとき、最初に最も画像データの小さい画像Cが選択され、次にステップS890における処理が行われるとき、次に画像データの小さい画像Bが選択され、その後、ステップS890における処理が行われるとき、最後に画像データの最も大きい画像Aが選択される、といった動作が繰り返されることになる。
次にステップS891において、第2の制御部70は、ステップS890において変更された圧縮率で対応する選択画像を圧縮し、既に記憶部に保存されている選択画像を記憶部の所定の待避領域に待避保存した後に、上書き保存する。例えば、ステップS890において画像Aが選択される場合、ステップS882において初期圧縮率で圧縮され保存され、または前回のステップS891において保存された画像Aのデータファイルを待避領域に一旦待避保存し、今回のステップS891において圧縮される画像Aのデータファイルを上記記憶部に上書き保存する。なお、待避保存される画像データファイルはここでは1つであるものとし、次に画像データファイルが待避保存される場合にはそれ以前に待避保存されていた画像データファイルは破棄される。
続いてステップS892において、第2の制御部70は、ステップS891において圧縮され保存された画像データを含んで保存されている全ての画像データの合計データ量を計算する。
次にステップS893において、第2の制御部70は、ステップS892において算出された合計データ量が所定の上限データ量を超えるか否かを判定する。判定の結果、上限データ量を超える場合(ステップS893においてYesの場合)、続くステップS894の処理に進み、上限データ以下の場合(ステップS893においてNoの場合)、ステップS890の処理に戻って上記処理を繰り返し行う(S893→S890→…→S893)。
続いてステップS894において、第2の制御部70は、ステップS891において所定の待避領域に待避保存されている画像データを読み出して記憶部に上書き保存する。例えば、ステップS890において画像Aが選択される場合、ステップS890において1つ下げられた圧縮率でステップS891において保存された画像Aのデータファイルを破棄し、待避領域に待避保存されている(ステップS890において)圧縮率が1つ下げられていない直前の画像Aのデータファイルを上記記憶部に上書き保存する。
その後前述したステップS889の処理に進み、記憶部に保存されている全ての画像データが無線通信部80から無線基地部200へ送信される。ここで記憶部に保存されている全ての画像データは、初期圧縮率で圧縮すればその合計データ量が上限データ量を超えないとしても(S882〜S884)、所定の選択画像の圧縮率を1下げることにより(S890)、より小さい圧縮率で選択画像が圧縮された結果、その合計データ量が上限データ量を超える場合(S890〜S893)、圧縮率を下げる直前の上限データ量を超えない圧縮率で圧縮された画像データに戻すことにより(S894)、最終的なその合計データ量は上限データ量以下の近傍値となっていることがわかる。
以上のように、上記ステップS881〜S894の処理によって、算出された合計データ量が上限データ量を超える場合には圧縮レベルをより大きな値に変更し、合計データ量が上記近傍値未満の場合には圧縮レベルをより小さな値に変更することにより、送信される画像データの合計データ量を上限データ量以下の近傍値とすることができる。
そうして上記ステップS88におけるアップロード処理が終了すると、図4に示す第2の制御動作に係る一連の処理は終了され、第1の制御部60により(上記ステップS60において)合成画像が送信されるまで第2の制御動作に係る一連の処理は実行待ち状態となる。この実行待ち状態において、第1の制御部60により合成画像が送信されると、上記と同様の処理(ステップS82〜S88)が実行される。
ここで、上記一連の処理は、説明の便宜のため、落書きブースBに備えられる第3の表示・操作部76に表示される例で説明したが、上記一連の処理中にさらに(使用中でない)落書きブースAが選択され、落書きブースAに備えられる第2の表示・操作部74に表示されることが可能である。すなわち、上記一連の処理は落書きブースA,Bそれぞれにおいて同時に(並列的に)実行可能である。このような並列的な処理は一般的なコンピュータ装置によって容易に実現可能であるので詳しい説明は省略する。
<4. 効果>
上記のように本実施形態によれば、所望する合成画像が数多い場合であっても転送可能な画像データ量の制限内となるよう圧縮率を大きく変更することによりデータ転送することができ、また所望する合成画像が数少ない場合であっても転送可能な画像データ量の制限内で圧縮率を小さく変更することにより、圧縮による画質劣化を抑えた状態でデータ転送することができる自動写真作成装置を提供することができる。
<5. 変形例>
上記実施形態では、算出された合計データ量が上限データ量を超える場合には圧縮レベルをより大きな値に変更し、合計データ量が上記近傍値未満の場合には圧縮レベルをより小さな値に変更することを前述したステップS881〜S894の処理によって実現するが、これらの処理以外の処理によって実現する構成であってもよい。例えば、(ステップS882において設定されるような)初期圧縮率を非常に小さく(例えば「1」)に設定し、選択画像の圧縮率を徐々に上げて(ステップS885など)、保存画像の合計データ量が上限データ量以下となった場合に(ステップS888など)保存画像を送信する(ステップS889)構成であってもよい。また逆に、例えば初期圧縮率を非常に大きく(例えば「10」)に設定し、選択画像の圧縮率を徐々に下げて(ステップS890など)、保存画像の合計データ量が上限データ量を超えた場合に(ステップS893など)、圧縮率を変更する直前の状態に戻した後に(ステップS894)保存画像を送信する(ステップS889)構成であってもよい。
上記実施形態では、利用者により選択された画像から所定の基準に基づき1つを選択して圧縮率を1上げ(S885)または1下げる(S890)構成であるが、2つ以上が同時に選択されてもよい。また、圧縮率を上げる画像と圧縮率を下げる画像とが同時に選択されてもよい。例えば、画像データ量が大きい画像の圧縮率を上げるとともに、画像データ量が小さい画像の圧縮率を下げる構成であってもよい。
上記実施形態では、選択画像を選択する所定の基準として、複数の合成画像のうち最も画像データの大きいものから小さいものまでの順に1つ選択する例を説明したが、例えば上記複数の合成画像に対して利用者の操作(指示)により優先順位が付される構成であってもよい。具体的には、送信されるべき合成画像が利用者により選択される際に各画像に対してそれぞれ優先順位を付す利用者の操作を受け付ける構成であってもよい。この構成では、ステップS885においては複数の合成画像のうち最も優先順位の低いものから高いものまでの順に1つ選択され、ステップS890においては最も優先順位の高いものから低いものまでの順に1つ選択される。このように、優先順の高い画像であるほど、圧縮率が下げられやすくまた上げられにくくなるので、優先順の高い画像であるほど画像圧縮による画質劣化を防ぐことができ、利用者の重視する優先順位の高い合成画像を画質劣化を抑えた状態でデータ転送することができる。
また、上記優先順位は、利用者の直接的な操作に基づき各画像に対してそれぞれ付されるのではなく、送信されるべき合成画像を選択する利用者による操作の順番を優先順位を決定するための操作として受け付けることにより自動的に付される構成であってもよい。すなわち、送信されるべき合成画像を利用者が選択する際、1つずつ画像を選択する操作が行われることが多いので、この操作において最初に選択された合成画像を最も優先順位が高いものとし、次に選択された合成画像を次に優先順位が高いものとし、最後に選択された合成画像を最も優先順位が低いものとする。このように、利用者の選択操作の順番を優先順位に合致させるよう自動的に優先順位を決定する。そうすれば、利用者に優先順位を別個に設定するための操作を要求する必要がないので、時間制限が設けられる本装置における利用者の操作を簡単にすることができる。
上記実施形態では、ステップS882において利用者により選択される送信されるべき合成画像に対応する全ての初期圧縮率(圧縮レベル)が同じ値(ここではレベル5)が選択されるが、この値は各画像において異なっていてもよい。例えば、前述した優先順位が高いほど小さな値となるよう、送信されるべき複数の合成画像にそれぞれ対応する圧縮レベルの初期値を定めてもよい。具体的には、最も優先順位が高い画像Aに対応する初期圧縮レベルを「3」とし、次に優先順位が高い画像Bに対応する初期圧縮レベルを「5」とし、最も優先順位が低い画像Cに対応する初期圧縮レベルを「7」としてもよい。そうすれば、結果的に優先順の高い画像であるほど圧縮率が小さくなるので、優先順の高い画像であるほど結果的に画像圧縮による画質劣化を防ぐことができる。
<6. その他の変形例>
上記実施形態では、利用者の像を含む画像を出力する自動写真作成装置について説明したが、利用者の像を含まない画像を出力する自動写真作成装置(自動画像作成装置)であってもよい。例えば、自動写真作成装置(自動画像作成装置)は、デコメール(株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標)などの所定の規格に沿った画像や自由なイラスト画などを作成可能であってもよい。
また上記実施形態では、PHS基地局装置である無線基地部200へ画像データを典型的にはデータパケットの形で無線送信するように説明したが、赤外線を含む光、電波、または音波を使用した無線通信方式または有線通信方式を採用した送信手段により、所定の携帯端末、所定の基地局装置、または所定のインターネットサーバに上記画像データを送信するものであればよい。この場合、一般に広く普及しているIrDAなどの赤外線通信規格、無線または有線LAN規格、USB規格、IEEE1394規格、およびブルートゥース規格のうち少なくとも1つの規格が採用されることが好ましい。そうすれば安価に通信装置を備えることが可能となる。なお、これらの通信規格を採用する場合、必要に応じて対応する装置、例えば赤外線送受信装置や通信インタフェースカードなどを備える必要があることは言うまでもない。
また、本装置には一般的な通信規格のうちの2つ以上、特に上記に例示した規格のうち2つ以上が選択可能なように組み合わされて備えられることがさらに好ましい。そうすれば、利用者は、自らが好む通信規格の少なくとも1つを自由に選択して使用することが可能となり、または所持する携帯電話などの携帯端末において使用可能な通信規格を自動的にまたは利用者の選択に応じて適宜選択することが可能となる。一般的に、携帯電話等の携帯端末には2つ以上の通信規格が採用されていることが多く、携帯電話により利用される通信サービスの種類や携帯電話の種類等に応じて採用される通信規格が異なっていることもある。そこで、上記のような一般的な通信規格を2つ以上採用した自動写真作成装置であれば、市販の携帯電話を含む多くの携帯端末に簡単に画像データを送信することができる。また、これら複数の通信規格のうち異なる通信規格(典型的には赤外線通信規格と無線通信規格または異なる無線周波数の通信規格など)を同時に使用することにより、2つ以上の異なる携帯電話などの携帯端末へ同時に画像データを送信することもできる。さらに、2つ以上の通信規格を採用することにより、自動的にまたは利用者の選択に応じて選ばれた或る通信規格を使用した通信が失敗した場合であっても、(自動的にまたは利用者により選択された)他の通信規格を使用すれば通信可能である場合には、確実にまたは安定的に画像データを送信することが可能となる。
図6は、上記のような変形例に係る写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。このブロック図は図3の構成要素に加えて、第1および第2の赤外線通信部84,86と近距離無線通信部82が新たに備えられている。なお、図3に示される構成要素と同一の構成要素については装置の符号を付してその説明を省略する。第1および第2の赤外線通信部84,86は、赤外線送受信用のインタフェースカードおよび赤外線を発光しまた受光するための赤外線ポートに相当し、第2の制御部70により作成され選択される合成画像を画像データとしてIrDAなどの赤外線通信方式で利用者の携帯電話へ送信する。ここでこれらの赤外線ポートは携帯電話と対向する位置にあることが好ましいので、第2および第3の表示・操作部74,76に相当する液晶パネル等の近傍に設けられることが好ましい。このような位置関係は、本写真作成装置に赤外線ポート以外の携帯電話と対向する位置にあることが好ましい通信装置が備えられる場合にも同様である。また、これらの赤外線ポートなどの通信装置はネットワークプリンタ35から写真シートを外部に出力するための開口部(払い出し口)の近傍やその他の筐体外部(外部側表面)に設けられていてもよい。また、近距離無線通信部82はブルートゥース送受信装置に相当し、数メートル程度の範囲内で携帯電話等のブルートゥース通信規格に対応する携帯端末に画像データを送信することができる。この送受信装置は携帯電話と対向する位置にある必要はないので、適宜の位置に取り付けることができる。
ここで、図6に示した上記変形例のように、利用者が把持する携帯電話等の携帯端末との間で直接通信を行う第1および第2の赤外線通信部84,86および近距離無線通信部82と、無線基地部200を介して外部のインターネットサーバに送信する無線通信部80(ここではPHS端末装置)とを有する写真作成装置では、例えば利用者の選択に応じていずれかが選択されてもよいが、これらの選択は所定の優先順位に応じて各画像毎に自動的になされてもよい。
例えば、全ての画像について、赤外線通信部84,86または近距離無線通信部82により先に直接通信を行い、直接通信が成立しなかった場合にのみ無線通信部80により無線基地部200を介して外部のインターネットサーバに送信する構成であってもよい。このように直接通信を優先的に行い、この直接通信が成立しなかった場合にのみインターネットへ送信するのは、前述したようにPHS装置等によるデータ通信ではデータ(パケット)量に応じた所定の料金がかかるからである。この点直接通信は費用がかからず、インターネットサーバにおける蓄積可能なデータ量の上限による制約もない。よって、直接通信を優先的に行うのが妥当である。しかし、近年では携帯電話の種類も増加し、新旧の多様な携帯電話等の携帯端末が市販されているので、本変形例における写真作成装置において、現存する(過去の規格も含めた)全ての直接通信のための通信規格を実行可能な通信装置を備えることが極めて困難となっている。したがって、場合によっては写真作成装置に備えられる直接通信のための通信装置では、利用者の把持する携帯電話等の携帯端末と通信することができない場合がある。そこでその場合にも、近年の携帯電話等の携帯端末のほとんどに備えられているインターネットを介した通信機能を利用することにより、画像データを利用者に確実に提供することができる。また、有料のデータ通信を使用する回数を少なくすることができるので、装置の運用費用を安価にすることができる。
また以上のように全ての画像について自動的に直接通信を優先的に行うのではなく、利用者が選択した画像についてのみ赤外線通信部84,86または近距離無線通信部82により直接通信を行い、選択されなかった画像については、無線通信部80により無線基地部200を介して外部のインターネットサーバに送信する構成であってもよい。例えば、上記実施形態において説明した図4に示すアップロード処理(ステップS88)の詳しい処理内容に代えて、図5に示すステップS881において選択された画像を赤外線通信部84,86または近距離無線通信部82により利用者が把持する携帯電話等の携帯端末へ直接送信し、このステップS881において選択されなかった残りの画像についてステップS882以下の各処理を同様に行ってもよいし、圧縮等のこれらの各処理を行うことなく非圧縮のままで残りの画像をインターネットサーバに送信してもよい。このようにすれば、有料のデータ通信を使用して送信される画像データ数(データ量)を少なくすることができるので、装置の運用費用を安価にすることができる。また、利用者は自らが選択した画像を携帯電話等の携帯端末で直ちに見ることができる。
なお、上記直接通信は、赤外線通信部84,86または近距離無線通信部82に限定されるわけではなく、その他の無線通信方式を採用した通信部により行われてもよいし、有線LAN規格、USB規格、またはIEEE1394規格などの有線通信方式を採用した通信部により行われてもよい。
本発明の一実施形態に係る写真作成装置の側面図である。 上記実施形態に係る写真作成装置の本体部を示す正面図である。 上記実施形態に係る写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。 上記実施形態に係る写真作成装置における第1の制御部および第2の制御部による制御動作の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態におけるアップロード処理の詳しい手順を示すフローチャートである。 上記実施形態の変形例に係る写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
符号の説明
2 …撮影室
3 …第1の本体部
4 …第2の本体部
6 …LAN
10 …カメラ
11 …フラッシュ
12〜14 …照明装置
20,45 …液晶タッチパネル
35 …ネットワークプリンタ
41 …タッチペン
42 …液晶パネル
45 …PHS端末装置
52 …撮影部(カメラ)
54 …第1の表示・操作部(液晶タッチパネル)
56 …I/O制御部(I/O制御装置)
58 …照明部(フラッシュ、照明装置)
60 …第1の制御部(制御装置)
62,72 …第1および第2の通信部(ネットワークアダプタ)
65 …出力部(ネットワークプリンタ)
70 …第2の制御部(制御装置)
74,76 …第2および第3の表示・操作部(液晶パネル等)
80 …無線通信部(PHS端末装置)
82 …近距離無線通信部(ブルートゥース送受信装置)
84,86 …第1および第2の赤外線通信部(赤外線ポート)
100…自動写真作成装置
200…無線基地部
300…画像サーバ部(画像サーバ装置)
U …利用者

Claims (14)

  1. 被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
    所定の画像圧縮方式に基づく複数の圧縮レベルのうちの所定の圧縮レベルで、前記撮影画像および前記合成画像の少なくとも一方を含む複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成する画像圧縮手段と、
    前記画像圧縮手段により生成される複数の画像データの合計量を算出するデータ合計量算出手段と、
    前記データ合計量算出手段により算出された合計量が予め定められた上限データ量以下の近傍値である場合、前記画像圧縮手段により生成される複数の画像データを装置外部に送信する送信手段と、
    前記データ合計量算出手段により算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には前記圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には前記圧縮レベルをより小さな値に変更する圧縮レベル変更手段と
    を備え、
    前記画像圧縮手段は、前記圧縮レベル変更手段により前記圧縮レベルが変更される場合には、変更された圧縮レベルで前記複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成し、
    前記データ合計量算出手段は、前記圧縮レベル変更手段により前記圧縮レベルが変更される場合には、前記画像圧縮手段により生成される複数の画像データの合計量を再び算出することを特徴とする、自動写真作成装置。
  2. 前記圧縮レベル変更手段は、前記データ合計量算出手段により算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には、前記複数の画像に対応する複数の圧縮レベルのうち前記複数の画像から選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には、前記複数の画像から選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより小さな値に変更することを特徴とする、請求項1に記載の自動写真作成装置。
  3. 前記圧縮レベル変更手段は、前記データ合計量算出手段により算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には、前記複数の画像にそれぞれ付される所定の優先順位の低い画像から高い画像までの順に1つ選択して、選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には、前記複数の画像にそれぞれ付される所定の優先順位の高い画像から低い画像までの順に1つ選択して、選択される1つの選択画像に対応する圧縮レベルをより小さな値に変更することを特徴とする、請求項2に記載の自動写真作成装置。
  4. 前記画像圧縮手段は、前記優先順位が高いほど小さな値となるよう、前記複数の画像にそれぞれ対応する圧縮レベルの初期値を設定することを特徴とする、請求項3に記載の自動写真作成装置。
  5. 前記優先順位を決定するための前記利用者による操作を受け付ける入力手段をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載の自動写真作成装置。
  6. 前記入力手段は、前記送信手段により送信されるべき複数の画像データに対応する複数の画像を順に1つずつ決定するための操作を受け付けることにより、当該操作の順番を前記優先順位を決定するための操作として受け付けることを特徴とする、請求項5に記載の自動写真作成装置。
  7. 被写体である利用者を含む像を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力ステップとを備える自動写真作成方法であって、
    所定の画像圧縮方式に基づく複数の圧縮レベルのうちの所定の圧縮レベルで、前記撮影画像および前記合成画像の少なくとも一方を含む複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成する画像圧縮ステップと、
    前記画像圧縮ステップにおいて生成される複数の画像データの合計量を算出するデータ合計量算出ステップと、
    前記データ合計量算出ステップにおいて算出された合計量が予め定められた上限データ量以下の近傍値である場合、前記画像圧縮ステップにおいて生成される複数の画像データを装置外部に送信する送信ステップと、
    前記データ合計量算出ステップにおいて算出された合計量が前記上限データ量を超える場合には前記圧縮レベルをより大きな値に変更し、前記合計量が前記近傍値未満の場合には前記圧縮レベルをより小さな値に変更する圧縮レベル変更ステップと
    を備え、
    前記画像圧縮ステップでは、前記圧縮レベル変更ステップにおいて前記圧縮レベルが変更される場合には、変更された圧縮レベルで前記複数の画像を圧縮することにより、前記複数の画像に対応する複数の画像データを生成し、
    前記データ合計量算出ステップでは、前記圧縮レベル変更ステップにおいて前記圧縮レベルが変更される場合には、前記画像圧縮ステップにおいて生成される複数の画像データの合計量を再び算出することを特徴とする、自動写真作成方法。
  8. 請求項7に記載の自動写真作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  9. 被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像若しくは当該撮影画像を含まない所定の画像を出力する出力手段とを備える自動画像作成装置であって、
    赤外線を含む光、電波、または音波を使用した無線通信方式または有線通信方式の少なくとも2つの通信規格を採用する、前記画像のデータを装置外部に送信する送信手段を備えることを特徴とする、自動画像作成装置。
  10. 前記送信手段は、携帯電話回線またはPHS回線におけるデータ通信規格、赤外線通信規格、無線または有線LAN規格、USB規格、IEEE1394規格、およびブルートゥース規格のうち少なくとも2つの規格を採用することを特徴とする、請求項9に記載の自動画像作成装置。
  11. 前記送信手段は、所定の携帯端末からの要求に応じて蓄積された前記画像データを当該携帯端末に送信する装置外部のインターネットサーバへ前記画像データを送信することを特徴とする、請求項9または請求項10に記載の自動画像作成装置。
  12. 被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
    赤外線を含む光、電波、または音波を使用した無線通信方式または有線通信方式の少なくとも1つを採用した、前記画像のデータを装置近傍の所定の携帯端末へ直接送信する第1の送信手段と、
    前記携帯端末を含む所定の携帯端末からの要求に応じて蓄積された前記画像データを当該携帯端末に送信する装置外部のインターネットサーバへ、前記第1の送信手段により送信されない画像データのみを送信する第2の送信手段と
    を備えることを特徴とする、自動写真作成装置。
  13. 前記画像のうち前記第1の送信手段によって送信されるべき画像データに対応する画像を決定するための前記利用者による操作を受け付ける入力手段をさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の自動写真作成装置。
  14. 被写体である利用者を含む像を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにおいて得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力ステップとを備える自動写真作成方法であって、
    赤外線を含む光、電波、または音波を使用した無線通信方式または有線通信方式の少なくとも1つを採用した、前記画像のデータを近傍の所定の携帯端末へ直接送信する第1の送信ステップと、
    前記携帯端末を含む所定の携帯端末からの要求に応じて蓄積された前記画像データを当該携帯端末に送信する外部インターネットサーバへ、前記第1の送信ステップにおいて送信されない画像データのみを送信する第2の送信ステップと
    を備えることを特徴とする、自動写真作成方法。
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