JP2009081061A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】流体流路を構成する複数の分岐流路溝に流体を均一且つ確実に供給することができ、流量分配の均一性を向上させるとともに、所望の発電性能を確保することを可能にする。
【解決手段】酸化剤ガス流路32は、1つの酸化剤ガス入口連通孔20aに連通する入口流路溝34a〜34dと、1つの酸化剤ガス出口連通孔20bに連通する出口流路溝36a〜36dと、各入口流路溝34a〜34dからそれぞれ複数本に分岐されて第1セパレータ16の面内を延在し、且つ各出口流路溝36a〜36dに合流される複数組の分岐流路溝38a〜38dとを有する。入口流路溝34b、34c及び出口流路溝36b、36cには、それぞれ酸化剤ガスの流量を調整するための流量調整機構40a、40bが設けられる。
【選択図】図3
【解決手段】酸化剤ガス流路32は、1つの酸化剤ガス入口連通孔20aに連通する入口流路溝34a〜34dと、1つの酸化剤ガス出口連通孔20bに連通する出口流路溝36a〜36dと、各入口流路溝34a〜34dからそれぞれ複数本に分岐されて第1セパレータ16の面内を延在し、且つ各出口流路溝36a〜36dに合流される複数組の分岐流路溝38a〜38dとを有する。入口流路溝34b、34c及び出口流路溝36b、36cには、それぞれ酸化剤ガスの流量を調整するための流量調整機構40a、40bが設けられる。
【選択図】図3
Description
本発明は、電解質の両側にそれぞれ電極を設ける電解質・電極接合体が、セパレータに挟持されるとともに、積層方向に貫通して少なくとも反応ガス又は冷却媒体である流体を流す流体入口連通孔及び流体出口連通孔と、セパレータ面方向に沿って前記流体を流す流体流路とを有する燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(MEA)を、セパレータによって挟持した単位セルを備えている。この種の燃料電池は、通常、所定の数の単位セルを積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
上記の燃料電池では、セパレータの面内に、アノード側電極に燃料ガスを流すための燃料ガス流路(流体流路)と、カソード側電極に酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路(流体流路)とが設けられている。さらに、各発電セル毎又は複数の発電セル毎に、冷却媒体を流すための冷却媒体流路(流体流路)がセパレータの面方向に沿って設けられている。
この種の燃料電池は、セパレータの積層方向に貫通する流体入口連通孔及び流体出口連通孔、具体的には、酸化剤ガス入口連通孔、酸化剤ガス出口連通孔、燃料ガス入口連通孔、燃料ガス出口連通孔、冷却媒体入口連通孔及び冷却媒体出口連通孔が、前記燃料電池の内部に設けられる、所謂、内部マニホールドを構成する場合がある。
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池では、図10に示すように、本体部1及びスペーサ2を備えており、積層方向に貫通して第1貫通孔3a、3b、第2貫通孔4a、4b及び第3貫通孔5a、5bが上下に設けられている。第1貫通孔3a、3bは、案内空間6a、6bに連通するとともに、この案内空間6a、6bに突出してフィン状の案内部7a、7bが設けられている。
案内空間6a、6bの間には、反応部(空間)8が矢印方向の流れ方向を有して形成されている。第1貫通孔3aから案内空間6aに導入された、例えば、水素ガスは、この案内空間6aに突出する案内部7aに案内されて反応部8に供給されている。そして、この反応部8で反応に供された水素ガスは、案内部7bの案内作用下に案内空間6bを移動して、第1貫通孔3bに排出されている。
上記の特許文献1では、第1貫通孔3a、3bと反応部8との間に、バッファ部としての案内空間6a、6bが設けられている。このため、案内空間6a、6bに案内部7a、7bが設けられていても、第1貫通孔3aから導入される水素ガスを、反応部8の幅方向全域に対して均一に供給することは困難である。従って、反応部8内の流量分布にばらつきが生じ易く、ガス分配が不均一になって発電反応の低下や、燃料利用率の低下等が惹起するという問題がある。さらに、バッファ部を廃止して複数本の流路溝を直接連通孔に接続する構造も考えられるが、複数本の流路溝に分配されるガスが不均一になるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、流体流路を構成する複数の分岐流路溝に流体を均一且つ確実に供給することができ、流量分配の均一性を向上させるとともに、所望の発電性能を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質の両側にそれぞれ電極を設ける電解質・電極接合体が、セパレータに挟持されるとともに、積層方向に貫通して少なくとも反応ガス又は冷却媒体である流体を流す流体入口連通孔及び流体出口連通孔と、セパレータ面方向に沿って前記流体を流す流体流路とを有する燃料電池に関するものである。
流体流路は、1つの流体入口連通孔に連通する複数本の入口流路溝と、1つの流体出口連通孔に連通する複数本の出口流路溝と、各入口流路溝からそれぞれ複数本に分岐されて前記セパレータの面内を延在し、且つ各出口流路溝に合流される複数組の分岐流路溝とを有し、少なくとも前記入口流路溝又は前記出口流路溝には、流体の流量を調整するための流量調整機構が設けられている。
また、流量調整機構は、少なくとも1本の入口流路溝の途上又は少なくとも1本の出口流路溝の途上に設けられる絞り部を備えることが好ましい。
さらに、流量調整機構は、少なくとも1本の入口流路溝又は少なくとも1本の出口流路溝の開口断面積を、他の入口流路溝又は他の出口流路溝の開口断面積よりも小さく設定して構成されることが好ましい。
さらにまた、流量調整機構は、少なくとも1本の入口流路溝又は少なくとも1本の出口流路溝を、第1流路部と第1流路部よりも開口断面積が小さな第2流路部とに分割するとともに、前記第1流路部の流路長と前記第2流路部の流路長との割合を設定して構成されることが好ましい。
また、分岐流路溝は、溝本数の多い多数側分岐流路溝と、溝本数の少ない少数側分岐流路溝とを有し、前記多数側分岐流路溝に流量調整機構が設けられることが好ましい。
本発明によれば、1つの流体入口連通孔から複数本の入口流路溝に導入された流体は、各入口流路溝に連通する複数本の分岐流路溝に分流してセパレータの面内を流れた後、出口流路溝に合流して1つの流体出口連通孔に排出されている。
その際、少なくとも入口流溝又は出口流路溝では、流体の流量が調整されるため、複数組の分岐流路溝に流通する前記流体の流量を均一化させることができる。これにより、流体流路内で流速のばらつきが惹起されることがなく、湿度の変化や圧力損失の変化を阻止して効率的且つ良好な発電性能を維持することが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10の分解斜視説明図であり、図2は、前記燃料電池10の断面説明図である。
燃料電池10は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)14が、第1セパレータ16と第2セパレータ18とに挟持される。第1及び第2セパレータ16、18は、例えば、カーボンセパレータで構成されているが、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属セパレータにより構成してもよい。
燃料電池10の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス(反応ガス)、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔(流体入口連通孔)20a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔(流体入口連通孔)22a、及び燃料ガス(反応ガス)、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔(流体出口連通孔)24bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
燃料電池10の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔(流体入口連通孔)24a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔(流体出口連通孔)22b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔(流体出口連通孔)20bが、矢印C方向に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体14は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜26と、前記固体高分子電解質膜26を挟持するカソード側電極28及びアノード側電極30とを備える。固体高分子電解質膜26は、カソード側電極28及びアノード側電極30よりも大きな表面積に設定される。
カソード側電極28及びアノード側電極30は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜26の両面に形成される。
第1セパレータ16の電解質膜・電極構造体14に向かう面16aには、酸化剤ガス流路(流体流路)32が設けられる。酸化剤ガス流路32は、図3に示すように、1つの酸化剤ガス入口連通孔20aに連通する複数本、例えば、4本の入口流路溝34a〜34dと、1つの酸化剤ガス出口連通孔20bに連通する複数本、例えば、4本の出口流路溝36a〜36dとを有する。
入口流路溝34aから複数本、例えば、3本の分岐流路溝38aに分岐されるとともに、3本の前記分岐流路溝38aは、第1セパレータ16の面内を矢印B方向に延在して出口流路溝36aに合流する。入口流路溝34b、34cからそれぞれ複数本、例えば、5本の分岐流路溝38b、38cが分岐されており、それぞれ5本の前記分岐流路溝38b、38cは、矢印B方向に延在して各出口流路溝36b、36cに合流する。
同様に、入口流路溝34dから複数本、例えば、3本の分岐流路溝38dが分岐され、3本の前記分岐流路溝38dは、矢印B方向に延在した後、出口流路溝36dに合流する。
入口流路溝34a〜34dの中、溝本数の多い多数側分岐流路溝38b、38cに連通する前記入口流路溝34b、34cには、酸化剤ガスの流量を調整するための流量調整機構40aが設けられる。出口流路溝36a〜36dの中、多数側分岐流路溝38b、38cに連通する前記出口流路溝36b、36cには、酸化剤ガスの流量を調整するための流量調整機構40bが設けられる。
流量調整機構40aは、入口流路溝34b、34cの一部に流路幅を狭めて構成される絞り部42aを備える。流量調整機構40bは、同様に、出口流路溝36b、36cの一部を幅狭に構成される絞り部42bを備える。
図4に示すように、第2セパレータ18の電解質膜・電極構造体14に向かう面18aには、燃料ガス流路(流体流路)44が設けられる。燃料ガス流路44は、1つの燃料ガス入口連通孔24aに連通する複数本、例えば、4本の入口流路溝46a〜46dと、1つの燃料ガス出口連通孔24bに連通する複数本、例えば、4本の出口流路溝48a〜48dとを有する。
入口流路溝46aと出口流路溝48aとには、複数本、例えば、3本の分岐流路溝50aが連通し、入口流路溝46bと出口流路溝48bとには、複数本、例えば、5本の分岐流路溝50bが連通する。入口流路溝46cと出口流路溝48cとには、複数本、例えば、5本の分岐流路溝50cが連通し、入口流路溝46dと出口流路溝48dとには、複数本、例えば、3本の分岐流路溝50dが連通する。
分岐流路溝50a〜50dは、矢印B方向に延在して第2セパレータ18の面内に延在する。溝本数の多い多数側分岐流路溝50b、50cに連通する入口流路溝46b、46cには、流量調整機構52aが設けられるとともに、多数側分岐流路溝50b、50cに連通する出口流路溝48b、48cには、流量調整機構52bが設けられる。流量調整機構52aは、入口流路溝46b、46cの一部に設けられる絞り部54aを備える一方、流量調整機構52bは、出口流路溝48b、48cの一部に設けられる絞り部54bを備える。
図1及び図5に示すように、第2セパレータ18の面18bには、冷却媒体流路(流体流路)56が設けられる。冷却媒体流路56は、1つの冷却媒体入口連通孔22aに連通する複数本、例えば、4本の入口流路溝58a〜58dと、1つの冷却媒体出口連通孔22bに連通する複数本、例えば、4本の出口流路溝60a〜60dとを有する。入口流路溝58a〜58dと出口流路溝60a〜60dとは、それぞれ複数本の分岐流路溝62a〜62dに連通する。
分岐流路溝62a、62dは、例えば、3本に設定される一方、分岐流路溝62b、62cは、例えば、5本に設定される。溝本数の多い多数側分岐流路溝62b、62cに連通する入口流路溝58b、58cには、流量調整機構64aを構成する絞り部66aが設けられるとともに、多数側分岐流路溝62b、62cに連通する出口流路溝60b、60cには、流量調整機構64bを構成する絞り部66bが設けられる。
なお、第1セパレータ16の面16bは、平坦状であってもよく、あるいは、第2セパレータ18の面18bと同様に、冷却媒体流路56が形成されていてもよい。
図1及び図3に示すように、第1セパレータ16の面16a、16bの外周縁部には、ガスケット等の第1シール部材70が設けられる。この第1シール部材70は、面16a側で酸化剤ガス入口連通孔20a及び酸化剤ガス出口連通孔20bを酸化剤ガス流路32に連通する一方、面16b側で冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bを冷却媒体流路56に連通する。
図1及び図4に示すように、第2セパレータ18の面18a、18bの外周縁部には、ガスケット等の第2シール部材72が設けられる。この第2シール部材72は、面18a側で燃料ガス入口連通孔24a及び燃料ガス出口連通孔24bを燃料ガス流路44に連通する一方、面18b側で冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bを冷却媒体流路56に連通する。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔22aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、図3に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aから第1セパレータ16の入口流路溝34a〜34dに導入される。酸化剤ガスは、入口流路溝34a〜34dに沿って移動した後、前記入口流路溝34a〜34dに連通する複数組の分岐流路溝38a〜38dに分配供給される。さらに、酸化剤ガスは、各分岐流路溝38a〜38dに沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体14のカソード側電極28に供給される。
一方、燃料ガスは、図4に示すように、燃料ガス入口連通孔24aから第2セパレータ18の入口流路溝46a〜46dに導入される。燃料ガスは、入口流路溝46a〜46dに沿って移動した後、前記入口流路溝46a〜46dに連通する複数組の分岐流路溝50a〜50dに分配供給される。さらに、燃料ガスは、分岐流路溝50a〜50dに沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体14のアノード側電極30に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体14では、カソード側電極28に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極30に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
各分岐流路溝38a〜38dに沿って流動する酸化剤ガスは、図3に示すように、出口流路溝36a〜36dに合流した後、酸化剤ガス出口連通孔20bに排出される。また、各分岐流路溝50a〜50dに沿って流動する燃料ガスは、図4に示すように、出口流路溝48a〜48dに合流した後、燃料ガス出口連通孔24bに排出される。
また、冷却媒体は、図5に示すように、冷却媒体入口連通孔22aから第1セパレータ16と第2セパレータ18との間に形成された冷却媒体流路56に導入される。冷却媒体は、先ず、冷却媒体流路56を構成する入口流路溝58a〜58dに沿って移動した後、前記入口流路溝58a〜58dに連通する複数組の分岐流路溝62a〜62dに分配供給される。冷却媒体は、各分岐流路溝62a〜62dに沿って矢印B方向に移動し、電解質膜・電極構造体14の発電面を冷却した後、前記分岐流路溝62a〜62dに連通する出口流路溝60a〜60dに合流して冷却媒体出口連通孔22bに排出される。
この場合、第1の実施形態では、図3に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aに入口流路溝34a〜34dの一端が連通するとともに、前記入口流路溝34a〜34dの他端部には、それぞれ所定本数の分岐流路溝38a〜38dが連通している。分岐流路溝38a〜38dは、矢印B方向に延在した後、それぞれ所定本数ずつ出口流路溝36a〜36dに合流するとともに、前記出口流路溝36a〜36dは、酸化剤ガス出口連通孔20bに連通している。
そして、入口流路溝34b、34cには、流量調整機構40aを構成する絞り部42aが設けられる一方、出口流路溝36b、36cには、流量調整機構40bを構成する絞り部42bが設けられている。ここで、入口流路溝34b、34cと出口流路溝36b、36cとに連通する分岐流路溝38b、38cの流路本数(例えば、5本)は、入口流路溝34a、34dと出口流路溝36a、36dとに連通する分岐流路溝38a、38dの流路溝本数(例えば、3本)よりも多数に設定されている。このため、酸化剤ガスは、分岐流路溝38a、38dよりも分岐流路溝38b、38cに流れ易くなっている。
従って、入口流路溝34b、34cと出口流路溝36b、36cとに絞り部42a、42bを設けることにより、圧損を付与することができ、前記分岐流路溝38a〜38dに流通する酸化剤ガスの流量を均一化させることが可能になる。これにより、酸化剤ガス流路32内で、酸化剤ガスの流速がばらつくことがなく、湿度の変化や圧力損失の変化を阻止し、効率的且つ良好な発電性能を維持することが可能になるという効果が得られる。
なお、第1の実施形態では、2つの流量調整機構40a、40bを備えているが、少なくともいずれか一方のみを用いてもよい。さらに、入口流路溝34a、34bの端部を、及び入口流路溝34c、34dの端部を、それぞれ1本に合流させて酸化剤ガス入口連通孔20aに連結してもよい。同様に、出口流路溝36a、36bの端部を、及び出口流路溝36c、36dの端部を、それぞれ1本に合流させて酸化剤ガス出口連通孔20bに連結してもよい。一方、燃料ガス流路44及び冷却媒体流路56においても同様である。さらにまた、以下に説明する第2及び第3の実施形態においても、同様に構成することができる。
また、図4に示すように、燃料ガス流路44は、上記の酸化剤ガス流路32と同様に、複数組の分岐流路溝50a〜50dを備えるとともに、入口流路溝46b、46cに流量調整機構52aが設けられる一方、出口流路溝48b、48cに流量調整機構52bが設けられている。
このため、それぞれ流路溝本数の異なる分岐流路溝50a、50d及び50b、50cに対して、燃料ガスを均一の流量で流通させることができ、効率的且つ良好な発電性能を維持することが可能になるという利点がある。
さらにまた、図5に示すように、冷却媒体流路56は、入口流路溝58a〜58dと出口流路溝60a〜60dとを有するとともに、前記入口流路溝58a〜58dと前記出口流路溝60a〜60dとは、それぞれ複数本の分岐流路溝62a〜62dに連通している。
その際、分岐流路溝62b、62cの流路本数(例えば、5本)は、分岐流路溝62a、62dの流路溝本数(例えば、3本)よりも多く設定されるとともに、入口流路溝58b、58c及び出口流路溝60b、60cには、流量調整機構64a、64bが設けられている。従って、冷却媒体は、流量調整機構64a、64bで圧損が付与されるため、それぞれ流路溝本数の異なる分岐流路溝62b、62cと62a、62dとに対して、均一の流量で流通することができる。
これにより、冷却媒体流路56全域にわたって冷却媒体の流量が均一化され、カソード側電極28及びアノード側電極30の電極面全面を均一且つ良好に冷却することができ、所望の発電性能を維持することが可能になるという効果が得られる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池80の分解斜視説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3の実施形態においても同様に、この詳細な説明は省略する。
燃料電池80は、電解質膜・電極構造体14が第1セパレータ82と第2セパレータ84とに挟持される。図7に示すように、第1セパレータ82の面16aには、酸化剤ガス流路(流体流路)86が設けられる。
酸化剤ガス流路86は、酸化剤ガス入口連通孔20aに連通する複数本、例えば、4本の入口流路溝88a〜88dと、酸化剤ガス出口連通孔20bに連通する複数本、例えば、4本の出口流路溝90a〜90dとを有する。入口流路溝88a〜88dと出口流路溝90a〜90dとは、それぞれ複数本の分岐流路溝38a〜38dに連通する。
入口流路溝88b、88cには、流量調整機構92aが設けられ、この流量調整機構92aは、入口流路溝88b、88cの開口断面積を入口流路溝88a、88dの開口断面積よりも小さく設定して構成される。出口流路溝90b、90cには、流量調整機構92bが設けられ、この流量調整機構92bは、前記出口流路溝90b、90cの開口断面積を出口流路溝90a、90dの開口断面積よりも小さく設定して構成される。
入口流路溝88b、88cは、入口流路溝88a、88dと同一の深さを有し、且つ幅狭に設定される。出口流路溝90b、90cは、同様に、出口流路溝90a、90dと同一の深さを有し、且つ幅狭に設定される。
第2セパレータ84の面18aには、燃料ガス流路94が設けられており、この燃料ガス流路94は、上記の酸化剤ガス流路86と同様に構成される。第2セパレータ84の面18bには、冷却媒体流路96が形成される。
冷却媒体流路96は、図8に示すように、冷却媒体入口連通孔22aに連通する入口流路溝98a〜98dと、冷却媒体出口連通孔22bに連通する出口流路溝100a〜100dとを有し、前記入口流路溝98a〜98dと前記出口流路溝100a〜100dとは、それぞれ所定本数の分岐流路溝62a〜62dに連通する。
入口流路溝98b、98cは、入口流路溝98a、98dよりも小さな開口断面積に設定されて流量調整機構102aを構成する。出口流路溝100b、100cは、出口流路溝100a、100dよりも小さな開口断面積(幅寸法)に設定されて流量調整機構102bを構成する。
このように構成される第2の実施形態では、図7に示すように、酸化剤ガス流路86を構成する入口流路溝88b、88cは、入口流路溝88a、88dよりも小さな開口断面積に設定されるとともに、出口流路溝90b、90cは、出口流路溝90a、90dよりも小さな開口断面積に設定されている。従って、流路本数が多い分岐流路溝38b、38cと流路本数の少ない分岐流路溝38a、38dとを流通する酸化剤ガスは、流量が均一化され、酸化剤ガス流路86全体に均一に流通することができる。
同様に、図8に示すように、冷却媒体流路96では、入口流路溝98b、98cは、入口流路溝98a、98dよりも小さな開口断面積に設定されるとともに、出口流路溝100b、100cは、出口流路溝100a、100dよりも小さな開口断面積に設定されている。このため、流路溝本数の多い分岐流路溝62b、62cと流路溝本数の少ない分岐流路溝62a、62dとを通流する冷却媒体は、流量が均一化されて発電面全面を均一に冷却することが可能になる。これにより、第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する第1セパレータ110の正面説明図である。
第1セパレータ110の面16aには、酸化剤ガス流路112が形成される。酸化剤ガス流路112は、酸化剤ガス入口連通孔20aに連通する入口流路溝114a〜114dと、酸化剤ガス出口連通孔20bに連通する出口流路溝116a〜116dとを有する。入口流路溝114a〜114dは、酸化剤ガス入口連通孔20aに連通する第1流路部118a〜118dと、前記第1流路部118a〜118dよりも開口断面積が小さく、且つそれぞれ分岐流路溝38a〜38dに連通する第2流路部120a〜120dとに分割構成される。
第1流路部118a〜118dの流路長と、第2流路部120a〜120dの流路長との割合が設定される。具体的には、第2流路部120b、120cは、第2流路部120a、120dに比べて大きな割合(長尺)に構成される。なお、入口流路溝114a〜114dの中、少なくとも1つを分割構成してもよい。以下、同様である。
出口流路溝116a〜116dは、酸化剤ガス出口連通孔20bに連なる第1流路部122a〜122dと、前記第1流路部122a〜122dよりも開口断面積が小さく、且つそれぞれ分岐流路溝38a〜38dに連なる第2流路部124a〜124dとに分割構成される。第1流路部122a〜122dの流路長と、第2流路部124a〜124dとの流路長との割合が設定されており、前記第2流路部124b、124cは、前記第2流路部124a、124dよりも長尺に構成される。
なお、図示していないが、燃料ガス流路及び冷却媒体流路は、上記の酸化剤ガス流路112と同様に構成される。
このように構成される第3の実施形態では、入口流路溝114a〜114dは、第1流路部118a〜118dと、前記第1流路部118a〜118dよりも開口断面積が小さい第2流路部120a〜120dとに分割されるとともに、それぞれの流路長の割合が設定されている。
同様に、出口流路溝116a〜116dは、第1流路部122a〜122dと、前記第1流路部122a〜122dよりも開口断面積が小さい第2流路部124a〜124dとに分割されるとともに、それぞれの流路長の割合が設定されている。従って、それぞれの分岐流路溝38a〜38dを通流する酸化剤ガスの流量を均一化することができ、上記の第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
10、80…燃料電池 14…電解質膜・電極構造体
16、18、82、84、110…セパレータ
20a…酸化剤ガス入口連通孔 20b…酸化剤ガス出口連通孔
22a…冷却媒体入口連通孔 22b…冷却媒体出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26…固体高分子電解質膜 28…カソード側電極
30…アノード側電極 32、86、112…酸化剤ガス流路
34a〜34d、46a〜46d、58a〜58d、88a〜88d、98a〜98d、114a〜114d…入口流路溝
36a〜36d、48a〜48d、60a〜60d、90a〜90d、100a〜100d、116a〜116d…出口流路溝
38a〜38d、50a〜50d、62a〜62d…分岐流路溝
40a、40b、52a、52b、64a、64b、92a、92b、102a、102b…流量調整機構
42a、42b、54a、54b、66a、66b…絞り部
44、94…燃料ガス流路 56、96…冷却媒体流路
118a〜118d、120a〜120d、122a〜122d、124a〜124d…流路部
16、18、82、84、110…セパレータ
20a…酸化剤ガス入口連通孔 20b…酸化剤ガス出口連通孔
22a…冷却媒体入口連通孔 22b…冷却媒体出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26…固体高分子電解質膜 28…カソード側電極
30…アノード側電極 32、86、112…酸化剤ガス流路
34a〜34d、46a〜46d、58a〜58d、88a〜88d、98a〜98d、114a〜114d…入口流路溝
36a〜36d、48a〜48d、60a〜60d、90a〜90d、100a〜100d、116a〜116d…出口流路溝
38a〜38d、50a〜50d、62a〜62d…分岐流路溝
40a、40b、52a、52b、64a、64b、92a、92b、102a、102b…流量調整機構
42a、42b、54a、54b、66a、66b…絞り部
44、94…燃料ガス流路 56、96…冷却媒体流路
118a〜118d、120a〜120d、122a〜122d、124a〜124d…流路部
Claims (5)
- 電解質の両側にそれぞれ電極を設ける電解質・電極接合体が、セパレータに挟持されるとともに、積層方向に貫通して少なくとも反応ガス又は冷却媒体である流体を流す流体入口連通孔及び流体出口連通孔と、セパレータ面方向に沿って前記流体を流す流体流路とを有する燃料電池であって、
前記流体流路は、1つの前記流体入口連通孔に連通する複数本の入口流路溝と、
1つの前記流体出口連通孔に連通する複数本の出口流路溝と、
各入口流路溝からそれぞれ複数本に分岐されて前記セパレータの面内を延在し、且つ各出口流路溝に合流される複数組の分岐流路溝と、
を有し、
少なくとも前記入口流路溝又は前記出口流路溝には、前記流体の流量を調整するための流量調整機構が設けられることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1記載の燃料電池において、前記流量調整機構は、少なくとも1本の前記入口流路溝の途上又は少なくとも1本の前記出口流路溝の途上に設けられる絞り部を備えることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1記載の燃料電池において、前記流量調整機構は、少なくとも1本の前記入口流路溝又は少なくとも1本の前記出口流路溝の開口断面積を、他の前記入口流路溝又は他の前記出口流路溝の開口断面積よりも小さく設定して構成されることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1記載の燃料電池において、前記流量調整機構は、少なくとも1本の前記入口流路溝又は少なくとも1本の前記出口流路溝を、第1流路部と前記第1流路部よりも開口断面積が小さな第2流路部とに分割するとともに、前記第1流路部の流路長と前記第2流路部の流路長との割合を設定して構成されることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記分岐流路溝は、溝本数の多い多数側分岐流路溝と、
溝本数の少ない少数側分岐流路溝と、
を有し、前記多数側分岐流路溝に前記流量調整機構が設けられることを特徴とする燃料電池。
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