JP2007207571A - 燃料電池 - Google Patents

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優 小田
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Abstract

【課題】簡単且つ経済的な構成で、反応ガスの圧損を良好に調整することができ、排水性の向上を図るとともに、所望の発電性能を確保することを可能にする。
【解決手段】第2金属セパレータ20の面20aには、第2シール部材56が一体化されるとともに、前記第2シール部材56には、入口流路機能部60及び出口流路機能部62が一体化される。入口流路機能部60及び出口流路機能部62は、第1平面部に接触して連結通路63a、63bを形成する受け部64a、64bと、少なくとも1つの前記連結通路63a、63bに設けられ、酸化剤ガスの流れ状態に応じて該連結通路63a、63bを開閉可能な可倒性薄膜部66a、66bとを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、電解質を一対の電極間に配設した電解質・電極構造体と金属セパレータとを積層する発電セルを備え、前記発電セルには、反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔が積層方向に貫通して設けられる内部マニホールド型の燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)を、セパレータによって挟持することにより発電セルとして構成されている。
発電セルにおいて、セパレータの面内には、カソード側電極に対向して酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路(反応ガス流路)と、アノード側電極に対向して燃料ガスを流すための燃料ガス流路(反応ガス流路)とが設けられている。
一方、セパレータの周縁部には、前記セパレータの積層方向に貫通して、燃料ガス流路に連通する反応ガス連通孔である燃料ガス供給連通孔及び燃料ガス排出連通孔と、酸化剤ガス流路に連通する反応ガス連通孔である酸化剤ガス供給連通孔及び酸化剤ガス排出連通孔とが形成されている。
通常、反応ガス流路と反応ガス連通孔とは、反応ガスを円滑かつ均等に流すために平行溝部等を有する連結流路を介して連通している。例えば、特許文献1に開示されている固体高分子型燃料電池スタックでは、図8に示すように、セパレータ1の面内に蛇行する反応ガス、例えば、酸化剤ガス流路2が形成されている。この酸化剤ガス流路2は、セパレータ1の周縁部に積層方向に貫通した酸化剤ガス供給用貫通孔3と酸化剤ガス排出用貫通孔4とに連通している。セパレータ1には、パッキン5が配置されており、このセパレータ1の面内で貫通孔3、4と酸化剤ガス流路2とを連通するとともに、他の貫通孔をこれらからシールしている。
貫通孔3、4と酸化剤ガス流路2とを連通する連結流路6a、6bには、この連結流路6a、6bを覆ってシール受け部材であるSUS板7が配置されている。SUS板7は、長方形状に構成されており、それぞれ2箇所に耳部7a、7bが設けられるとともに、各耳部7a、7bは、セパレータ1に形成された段差部8に嵌合している。
しかしながら、上記の特許文献1では、セパレータ1の連結流路6a、6bにそれぞれSUS板7が装着されており、前記SUS板7の装着作業が煩雑である。特に、数十〜数百の発電セルが積層される場合には、SUS板7の装着作業がさらに煩雑で且つ時間のかかるものとなってしまうとともに、コストが大幅に高騰するという問題がある。
しかも、連結流路6a、6bを覆ってSUS板7が装着されるために、この連結流路6a、6bの寸法を、前記SUS板7の幅寸法より小さく設定することができない。従って、電極部面積率が低下して燃料電池全体の小型化及び軽量化を図ることが困難である。
そこで、本出願人は、この種の問題を解決するために、特許文献2に開示された内部マニホールド型燃料電池を提案している。この燃料電池は、電解質・電極構造体と一対の金属セパレータとを積層する発電セルを備え、前記電解質・電極構造体と前記金属セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、前記発電セルには、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔が設けられている。そして、一方の金属セパレータの両面には、外周縁部を覆って第1シールが一体化され、且つ、他方の金属セパレータの両面には、外周縁部を覆って第2シールが一体化されるとともに、前記第1及び第2シール間には、該第1及び第2シールが互いに接触した状態で、反応ガス流路と反応ガス連通孔とを連通させる流路機能部が形成されている。
これにより、専用の金属板(例えば、SUS板)等が不要になって、金属板等の装着工程が削減され、燃料電池の組立工程が大幅に簡素化されるとともに、所望のシール機能を確保することが可能になるという効果が得られる。
特開2001−266911号公報(図1) 特開2004−335179号公報(図3)
本発明はこの種の流路機能部を有する燃料電池に関するものであり、簡単且つ経済的な構成で、反応ガスの圧損を良好に調整することができ、排水性の向上を図るとともに、所望の発電性能を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質を一対の電極間に配設した電解質・電極構造体と一対の金属セパレータとを積層する発電セルを備え、前記電解質・電極構造体と前記金属セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、前記発電セルには、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔が設けられる内部マニホールド型の燃料電池に関するものである。
金属セパレータは、反応ガス流路と反応ガス連通孔との間に流路機能部を備え、前記流路機能部は、電解質・電極構造体に向かって突出し、前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔とを連通する複数の連結通路を形成する凸状受け部と、少なくとも1つの前記連結通路に設けられ、反応ガスの流れ状態に応じて該連結通路を開閉可能な柔軟性遮蔽部材とを有している。
また、金属セパレータには、前記金属セパレータの外周縁部を覆ってシール部材が一体化されるとともに、前記シール部材には、凸状受け部及び柔軟性遮蔽部材が一体に成形されることが好ましい。
本発明では、反応ガス連通孔から連結通路に供給される反応ガスが小流量(一定流量以下)であると、柔軟性遮蔽部材が設けられた連結通路が閉塞されている。このため、連結通路全体の流量が削減され、反応ガスの圧損が増加して排水性を有効に確保することができる。
一方、反応ガス連通孔から連結通路に供給される反応ガスが大流量(一定流量以上)であると、柔軟性遮蔽部材に倒れ等の変形が惹起し、この柔軟性遮蔽部材が設けられた連結通路が部分的に開放される。従って、反応ガスの圧損が高くなり過ぎることを有効に防止することが可能になる。
これにより、簡単且つ経済的な構成で、反応ガスの圧損を良好に調整することができ、排水性の向上を図るとともに、所望の発電性能を確保することが可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池10を構成する発電セル12の要部分解斜視説明図であり、図2は、複数の前記発電セル12を矢印A方向に積層してスタック化された前記燃料電池10の要部断面説明図である。
図2及び図3に示すように、燃料電池10は、複数の発電セル12を矢印A方向に積層するとともに、積層方向両端にエンドプレート14a、14bが配置される。エンドプレート14a、14bは、図示しないタイロッドを介して固定されることにより、積層されている発電セル12には、矢印A方向に所定の締め付け荷重が付与される。なお、タイロッドに代えて、燃料電池10全体を箱状のケーシングに収容する構成を採用してもよい。
図1に示すように、発電セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)16が、第1及び第2金属セパレータ18、20に挟持されている。第1及び第2金属セパレータ18、20は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板により構成されている。
発電セル12の矢印B方向(図1中、水平方向)の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔32b、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔34bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
発電セル12の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔32a、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印C方向に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体16は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜36と、前記固体高分子電解質膜36を挟持するアノード側電極38及びカソード側電極40とを備える。アノード側電極38は、カソード側電極40よりも小さな表面積を有している。
アノード側電極38及びカソード側電極40は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成された電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜36の両面に形成されている。
第1金属セパレータ18の電解質膜・電極構造体16側の面18aには、例えば、矢印B方向に蛇行しながら鉛直上方向に延在する酸化剤ガス流路(反応ガス流路)42が設けられる(図1及び図4参照)。
図5に示すように、第2金属セパレータ20の電解質膜・電極構造体16側の面20aには、後述するように、燃料ガス入口連通孔34aと燃料ガス出口連通孔34bとに連通し、矢印B方向に蛇行しながら鉛直上方向(矢印C方向)に延在する燃料ガス流路(反応ガス流路)44が形成される。
図1及び図6に示すように、第1金属セパレータ18の面18bと第2金属セパレータ20の面20bとの間には、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体出口連通孔32bとに連通する冷却媒体流路46が形成される。この冷却媒体流路46は、矢印B方向に直線状に延在する。
図1及び図4に示すように、第1金属セパレータ18の面18a、18bには、この第1金属セパレータ18の外周縁部を周回して、第1シール部材50が一体化される。第1シール部材50は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材を使用する。
第1シール部材50は、第1金属セパレータ18の面18aに一体化される第1平面部52と、前記第1金属セパレータ18の面18bに一体化される第2平面部54とを備える。第2平面部54は、第1平面部52よりも長尺に構成される(図2及び図4参照)。
図2に示すように、第1平面部52は、電解質膜・電極構造体16の外周端部から外部に離間した位置を周回する一方、第2平面部54は、カソード側電極40に所定の範囲にわたって重合する位置を周回する。図4に示すように、第1平面部52は、酸化剤ガス入口連通孔30a及び酸化剤ガス出口連通孔30bを酸化剤ガス流路42に連通して形成される一方、第2平面部54は、冷却媒体入口連通孔32a及び冷却媒体出口連通孔32bを冷却媒体流路46に連通して形成される。
第2金属セパレータ20の面20a、20bには、図5に示すように、この第2金属セパレータ20の外周縁部を周回して、第2シール部材56が一体化される。この第2シール部材56は、第2金属セパレータ20の外周端部に近接して面20aに設けられる外側シール58aを備え、この外側シール58aから内方に所定の距離だけ離間して内側シール58bが設けられる。
外側シール58a及び内側シール58bは、先端先細り形状(リップ形状)、台形状又は蒲鉾形状等、種々の形状に選択可能である。外側シール58aは、第1金属セパレータ18に設けられている第1平面部52に接触する一方、内側シール58bは、電解質膜・電極構造体16を構成する固体高分子電解質膜36に直接接触する(図2参照)。
図5に示すように、外側シール58aは、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体出口連通孔32b、燃料ガス出口連通孔34b、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体入口連通孔32a及び酸化剤ガス出口連通孔30bを囲繞する。内側シール58bは、燃料ガス流路44を囲繞するとともに、前記内側シール58bと外側シール58aとの間には、電解質膜・電極構造体16の外周端部が配置される。
第2金属セパレータ20の面20bには、外側シール58aに対応する外側シール58cと、内側シール58bに対応する内側シール58dとが設けられる(図6参照)。外側シール58c及び内側シール58dは、上記の外側シール58a及び内側シール58bと同様の形状を有している。
図5に示すように、外側シール58aは、酸化剤ガス入口連通孔30aと酸化剤ガス流路42とを連通させる入口流路機能部60と、酸化剤ガス出口連通孔30bと前記酸化剤ガス流路42とを連通させる出口流路機能部62とを備える。
入口流路機能部60は、外側シール58aを矢印C方向に沿って断続的に切り欠くとともに、矢印B方向に延在し、第1平面部52に接触して酸化剤ガス用の連結通路63aを形成する複数の凸状受け部64aと、少なくとも1つの前記連結通路63aに設けられ、酸化剤ガスの流れ状態に応じて該連結通路63aを開閉可能な可倒性薄膜部(柔軟性遮蔽部材)66aとを備える。
凸状受け部64a及び可倒性薄膜部66aは、第2シール部材56に一体に成形される。この可倒性薄膜部66aは、酸化剤ガス流路42に供給される酸化剤ガスの流量が一定流量以上になると、倒れ等の変形が生じて連結通路63aを開放可能である。この一定流量は、燃料電池10の発電状態等に基づいて予め設定されており、該一定流量を閾値として連結通路63aを開閉するように、可倒性薄膜部66aの膜厚さ等が設定されている。
出口流路機能部62は、同様に外側シール58aを部分的に切り欠くとともに、矢印B方向に延在し、第1平面部52に接触して酸化剤ガス用の連結通路63bを形成する複数の凸状受け部64bと、少なくとも1つの前記連結通路63bに設けられ、酸化剤ガスの流れ状態に応じて該連結通路63bを開閉可能な可倒性薄膜部(柔軟性遮蔽部材)66bとを備える。
入口流路機能部60の凸状受け部64aと外側シール58cのシール重合部68とは、第2金属セパレータ20の両面20a、20bで互いに重なり合っている。シール重合部68とは、第2金属セパレータ20を挟んで外側シール58aの凸状受け部64aに重なり合う外側シール58cの一部分をいう。凸状受け部64aは、シール重合部68と交差する方向に延在し且つ前記シール重合部68の幅寸法よりも長尺に構成されており、前記凸状受け部64aと前記シール重合部68とは、積層方向の荷重に対して積層方向のシール変形量が略同一に設定される。
出口流路機能部62は、上記の入口流路機能部60と同様に構成されており、第2金属セパレータ20の両面20a、20bで互いに重なり合う各凸状受け部64bと外側シール58cのシール重合部70とは、積層方向の荷重に対して積層方向のシール変形量が略同一に設定される(図5参照)。
図6に示すように、第2金属セパレータ20の面20bには、冷却媒体入口連通孔32aと冷却媒体流路46とを連通する入口流路機能部72と、冷却媒体出口連通孔32bと前記冷却媒体流路46とを連通する出口流路機能部74とが設けられる。入口流路機能部72は、外側シール58c及び内側シール58dを構成して矢印C方向に断続的に設けられるとともに、矢印B方向に延在する複数の受け部76を備える。
出口流路機能部74は、同様に、外側シール58c及び内側シール58dを構成して矢印C方向に断続的に設けられるとともに、矢印B方向に延在する複数の受け部78を備える。受け部76、78は、第2平面部54に接触して、各受け部76、78間に冷却媒体用の連通路が形成される。
入口流路機能部72は、面20aの外側シール58a及び内側シール58bを構成するシール重合部80a、80bと、第2金属セパレータ20を介装して重なり合っている。入口流路機能部72を構成する各受け部76とシール重合部80a、80bとは、積層方向の荷重に対して積層方向のシール変形量が略同一に設定される。
同様に、出口流路機能部74を構成する各受け部78は、第2金属セパレータ20の両面20a、20bで外側シール58a及び内側シール58bのシール重合部82a、82bと重なり合っている。受け部78とシール重合部82a、82bとは、積層方向の荷重に対して積層方向のシール変形量が略同一に設定される。
図6に示すように、面20bでは、燃料ガス入口連通孔34a及び燃料ガス出口連通孔34bの近傍に、入口流路機能部84及び出口流路機能部86が設けられる。入口流路機能部84は、矢印C方向に配列され、第2平面部54に接触して燃料ガス用の連結通路87aを形成する複数の凸状受け部88aと、少なくとも1つの前記連結通路87aに設けられ、燃料ガスの流れ状態に応じて該連結通路87aを開閉可能な可倒性薄膜部(柔軟性遮蔽部材)90aとを一体に備える。
出口流路機能部86は、同様に矢印C方向に配列され、第2平面部54に接触して燃料ガス用の連結通路87bを形成する複数の凸状受け部88bと、少なくとも1つの前記連結通路87bに設けられ、燃料ガスの流れ状態に応じて該連結通路87bを開閉可能な可倒性薄膜部(柔軟性遮蔽部材)90bとを一体に備える。
各凸状受け部88aは、第2金属セパレータ20を挟んで外側シール58a及び内側シール58bのシール重合部92a、92bと重なり合っている。各凸状受け部88bは、同様に第2金属セパレータ20を挟んで外側シール58a及び内側シール58bのシール重合部94a、94bと重なり合っている。
入口流路機能部84とシール重合部92a、92b、及び出口流路機能部86とシール重合部94a、94bは、それぞれ積層方向の荷重に対して積層方向のシール変形量が略同一に設定され、具体的には、入口流路機能部72と同様の構成を有している。入口流路機能部84及び出口流路機能部86の近傍には、内側シール58dの外方に位置して、それぞれ複数の供給孔部96及び排出孔部98が形成される。供給孔部96と排出孔部98は、第2金属セパレータ20の面20aで内側シール58bの内方にかつ燃料ガス流路44の入口側と出口側とに貫通形成される(図5参照)。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、燃料ガス入口連通孔34aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス入口連通孔30aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔30aから第1金属セパレータ18の酸化剤ガス流路42に導入され(図3参照)、矢印B方向に蛇行しながら鉛直上方向に移動して電解質膜・電極構造体16を構成するカソード側電極40に供給される。一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔34aから供給孔部96を通って第2金属セパレータ20の燃料ガス流路44に導入され(図2参照)、矢印B方向に蛇行しながら鉛直上方向に移動して電解質膜・電極構造体16を構成するアノード側電極38に供給される。
従って、各電解質膜・電極構造体16では、カソード側電極40に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極38に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、アノード側電極38に供給されて消費された燃料ガスは、排出孔部98を通り燃料ガス出口連通孔34bに沿って矢印A方向に排出される。同様に、カソード側電極40に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口連通孔30bに沿って矢印A方向に排出される。
また、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体は、第1及び第2金属セパレータ18、20間の冷却媒体流路46に導入された後、矢印B方向に流通する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体16を冷却した後、冷却媒体出口連通孔32bから排出される。
この場合、本実施形態では、入口流路機能部60が、図5に示すように、第1平面部52に接触して連結通路63aを形成する複数の凸状受け部64aと、酸化剤ガスの流れ状態に応じて前記連結通路63aの少なくとも1つを開閉可能な可倒性薄膜部66aとを備えている。出口流路機能部62は、同様に第1平面部52に接触して酸化剤ガス用の連結通路63bを形成する複数の凸状受け部64bと、酸化剤ガスの流れ状態に応じて前記連結通路63bの少なくとも1つを開閉可能な可倒性薄膜部66bとを備えている。
可倒性薄膜部66a、66bは、具体的には、酸化剤ガス流路42に供給される酸化剤ガスの流量が一定流量以上になると、倒れ(変形)が生じるように、設定されている。このため、燃料電池10が搭載される車両(図示せず)の走行状態により、例えば、定速走行等の低出力走行時には、酸化剤ガス入口連通孔30aから酸化剤ガス流路42に供給される酸化剤ガスの流量が小流量(一定流量以下)となる。
従って、図5に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aから入口流路機能部60に酸化剤ガスが供給されると、少なくとも1つの連結通路63a、63bに設けられた可倒性薄膜部66a、66bは、前記連結通路63a、63bを閉塞して前記酸化剤ガスの流れが規制される。これにより、連結通路63a、63b全体を流れる酸化剤ガスの流量が削減され、前記酸化剤ガスの圧損が増加して排水性を有効に確保することができるという効果が得られる。
一方、燃料電池10を搭載する車両が、例えば、加速時等の高出力走行時には、酸化剤ガス入口連通孔30aから酸化剤ガス流路42に供給される酸化剤ガスの流量が大流量(一定流量以上)となる。
このため、図7に示すように、可倒性薄膜部66a、66bは、先端が倒れるように変形し、前記先端と第1平面部52との間に隙間100が形成される。従って、酸化剤ガスが隙間100を流れるため、連結通路63a、63b全体を流れる酸化剤ガスの流量が増加され、前記酸化剤ガスの圧損が高くなり過ぎることを良好に防止することができるという効果がある。
これにより、燃料電池10では、簡単且つ経済的な構成で、酸化剤ガスの圧損を良好に調整することができ、排水性の向上を図るとともに、所望の発電性能を確保することが可能になる。
なお、燃料ガス側の入口流路機能部84及び出口流路機能部86では、上記の酸化剤ガス側の入口流路機能部60及び出口流路機能部62と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部分解斜視説明図である。 前記燃料電池の要部断面説明図である。 前記燃料電池の他の部位の要部断面説明図である。 前記発電セルを構成する第1金属セパレータの正面説明図である。 前記発電セルを構成する第2金属セパレータの一方の面の正面説明図である。 前記発電セルを構成する第2金属セパレータの他方の面の正面説明図である。 前記発電セルに設けられる入口流路機能部及び出口流路機能部の動作説明図である。 特許文献1に開示されたシール構造の説明図である。
符号の説明
10…燃料電池 12…発電セル
16…電解質膜・電極構造体 18、20…金属セパレータ
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…冷却媒体入口連通孔 32b…冷却媒体出口連通孔
34a…燃料ガス入口連通孔 34b…燃料ガス出口連通孔
36…固体高分子電解質膜 38…アノード側電極
40…カソード側電極 42…酸化剤ガス流路
44…燃料ガス流路 46…冷却媒体流路
50、56…シール部材 52、54…平面部
58a、58c…外側シール 58b、58d…内側シール
60、72、84…入口流路機能部 62、74、86…出口流路機能部
63a、63b、87a、87b…連結通路
64a、64b、88a、88b…凸状受け部
66a、66b、90a、90b…可倒性薄膜部
100…隙間

Claims (2)

  1. 電解質を一対の電極間に配設した電解質・電極構造体と一対の金属セパレータとを積層する発電セルを備え、前記電解質・電極構造体と前記金属セパレータとの間に、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成されるとともに、前記発電セルには、積層方向に貫通して前記反応ガス流路に連通する反応ガス連通孔が設けられる内部マニホールド型の燃料電池であって、
    前記金属セパレータは、前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔との間に流路機能部を備え、
    前記流路機能部は、前記電解質・電極構造体に向かって突出し、前記反応ガス流路と前記反応ガス連通孔とを連通する複数の連結通路を形成する凸状受け部と、
    少なくとも1つの前記連結通路に設けられ、反応ガスの流れ状態に応じて該連結通路を開閉可能な柔軟性遮蔽部材と、
    を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記金属セパレータには、該金属セパレータの外周縁部を覆ってシール部材が一体化されるとともに、
    前記シール部材には、前記凸状受け部及び前記柔軟性遮蔽部材が一体に成形されることを特徴とする燃料電池。
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