JP2018206597A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】アノードセパレータによりアノード入口近傍及びアノード出口近傍での膜電極接合体の乾燥を抑制する燃料電池を提供する。【解決手段】アノード流路は、アノードガス拡散層16aに接触したリブ24と、アノードガス拡散層16aに接触しない溝23とを有し、アノード流路は、アノード入口からアノード出口の順に、上流域A、中流域B、及び下流域Cを含み、上流域Aは、アノード出口よりもアノード入口の近くに位置し、かつカソード入口よりもカソード出口の近くに位置し、下流域Cは、アノード入口よりもアノード出口の近くに位置し、かつカソード出口よりもカソード入口の近くに位置し、単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積は、中流域よりも上流域及び下流域のそれぞれでの方が大きい、燃料電池。【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池では、膜電極ガス拡散層接合体がアノードセパレータ及びカソードセパレータにより挟持されている。また、アノードセパレータのアノード入口近傍での膜電極接合体の乾燥を抑制するために、アノードセパレータのアノードガス流路の幅を、アノード出口側よりもアノード入口側で狭くする場合がある(例えば特許文献1参照)。
特開2009−064772号公報
アノード入口近傍のみならずアノード出口近傍でも膜電極接合体が乾燥する可能性があり、アノード出口近傍での膜電極接合体の乾燥が進行すると、燃料電池の発電性能が低下する可能性がある。また、カソードセパレータのカソード流路のアノード出口近傍での幅等を変更することにより、アノード出口近傍での膜電極接合体の乾燥を抑制することも考えられる。しかしながら、一般的にカソードガスはアノードガスよりも多くの流量を必要とし、カソード流路の幅等を変更することによりカソードガスの圧力損失が増大して、燃料電池の発電性能に影響を与える可能性がある。
そこで本発明は、アノードセパレータによりアノード入口近傍及びアノード出口近傍での膜電極接合体の乾燥を抑制する燃料電池を提供することを目的とする。
上記目的は、アノードガス拡散層及びカソードガス拡散層の間に膜電極接合体が位置する膜電極ガス拡散層接合体と、前記アノードガス拡散層に接したアノードセパレータと、前記カソードガス拡散層に接したカソードセパレータと、を備え、前記アノードセパレータ及びカソードセパレータのそれぞれは、アノード入口、アノード出口、カソード入口、及びカソード出口を有し、前記アノード入口は、前記カソード入口よりも前記カソード出口の近くに位置し、前記アノード出口は、前記カソード出口よりも前記カソード入口の近くに位置し、前記アノードセパレータは、前記アノード入口から前記アノード出口へアノードガスを案内するアノード流路を有し、前記カソードセパレータは、前記カソード入口から前記カソード出口へカソードガスを案内するカソード流路を有し、前記アノード流路は、前記アノードガス拡散層に接触したリブと、前記アノードガス拡散層に接触しない溝とを有し、前記アノード流路は、前記アノード入口から前記アノード出口の順に、上流域、中流域、及び下流域を含み、前記上流域は、前記アノード出口よりも前記アノード入口の近くに位置し、かつ前記カソード入口よりも前記カソード出口の近くに位置し、前記下流域は、前記アノード入口よりも前記アノード出口の近くに位置し、かつ前記カソード出口よりも前記カソード入口の近くに位置し、単位面積当たりの前記アノードセパレータと前記アノードガス拡散層との接触面積は、前記中流域よりも前記上流域及び下流域のそれぞれでの方が大きい、燃料電池によって達成できる。
アノードセパレータによりアノード入口近傍及びアノード出口近傍での膜電極接合体の乾燥を抑制する燃料電池を提供できる。
図1は、燃料電池を構成する複数積層された単セルがそれぞれ備えるアノードセパレータの正面図である。 図2A〜図2Cは、上流域、中流域、及び下流域のそれぞれでの単セル2の断面図である。 図3Aは、第1変形例のアノードセパレータの正面図であり、図3Bは、第2変形例のアノードセパレータの正面図である。
図1は、燃料電池を構成する複数積層された単セルがそれぞれ備えるアノードセパレータ40aの正面図である。燃料電池は、反応ガスとしてカソードガスと称される酸化剤ガス(例えば酸素)とアノードガスと称される燃料ガス(例えば水素)との供給を受けて発電する固体高分子型燃料電池である。
アノードセパレータ40aは、略矩形状に形成され、その中央にアノードガスが流通するアノードガス流路41が形成されている。また、アノードガス流路41周辺には、アノードガスが供給されるアノード入口a1及び排出されるアノード出口a2、カソードガスが供給されるカソード入口c1及び排出されるカソード出口c2、冷媒が供給される冷媒入口w1及び排出される冷媒出口w2が形成されている。アノード入口a1及び冷媒出口w2は、アノードセパレータ40aの短辺の一方側に短手方向SDに並んで形成されている。冷媒入口w1及びアノード出口a2は、アノードセパレータ40aの短辺の他方側に短手方向SDに並んで形成されている。
カソード入口c1は、アノードセパレータ40aの長辺の一方側に長手方向LDに2つ並んで形成されている。カソード出口c2は、アノードセパレータ40aの長辺の他方側に長手方向LDに2つ並んで形成されている。2つのカソード入口c1の合計の開口面積、及び2つのカソード出口c2の合計の開口面積のそれぞれは、アノード入口a1及びアノード出口a2の各開口面積よりも大きく形成されており、カソードガスの流量はアノードガスの流量よりも大きい。図1に示すように、アノード入口a1はカソード入口c1よりもカソード出口c2の近くに位置し、アノード出口a2はカソード出口c2よりもカソード入口c1の近くに位置する。
アノードガス流路41は、アノードセパレータ40a内での略矩形状の領域内に蛇行した所謂サーペンタイン型の流路であり、アノードガスをアノード入口a1からアノード出口a2へと案内する。図1には、アノードガスの流通方向が実線の矢印で示している。アノードガス流路41は、アノード入口a1から離れ冷媒入口w1に向けて2の長辺と略平行に略直線状に延び、次に冷媒入口w1の近傍で屈曲し、冷媒入口w1から離れ冷媒出口w2に向けて2の長辺と略平行に略直線状に延び、冷媒出口w2の近傍で屈曲し、冷媒出口w2から離れアノード出口a2に向けて2の長辺と略平行に直線状に延びている。また、アノードガス流路41は、アノード入口a1側からアノード出口a2側に順に上流域A、中流域B、及び下流域Cを有する。上流域Aは、アノード入口a1から略直線状に延びた領域内に形成されている。長手方向LDのアノードガス流路41の長さをLとした場合に、アノードガス流路41の長手方向LDでの上流域Aの長さは例えば0.2〜0.4L内に設定されており、アノードガス流路41の長手方向LDでの下流域Cの長さは例えば0.25〜0.5Lに設定されている。即ち、上流域A及び下流域Cはそれぞれアノード入口a1及びアノード出口a2近傍に位置している。ここで、上述したようにアノード入口a1及びアノード出口a2はそれぞれカソード出口c2及びカソード入口c1近傍に位置している。このため上流域Aは、アノード出口a2よりもアノード入口a1の近くに位置し、かつカソード入口c1よりもカソード出口c2の近くに位置している。下流域Cは、アノード入口a1よりもアノード出口a2の近くに位置し、かつカソード出口c2よりもカソード入口c1の近くに位置している。
カソードセパレータ20cには、カソードガスをカソード入口c1からカソード出口c2へ案内する、後述するカソードガス流路21が、短手方向SDに沿って略直線状に延びている。図1には、カソードガスの流通方向が点線の矢印で示している。
図2A〜図2Cは、上流域A、中流域B、及び下流域Cのそれぞれでの単セル2の断面図である。図2A〜図2Cは、それぞれ上流域A、中流域B、及び下流域Cでの後述するアノードガス流路41での溝及びリブが延びた方向に直交する断面図である。換言すれば、図2A〜図2Cは、カソードガス流路21での溝23及びリブ24が延びた方向に平行な断面図である。
単セル2は、膜電極ガス拡散層接合体10(以下、MEGA(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)と称する)と、MEGA10を挟持するアノードセパレータ40a及びカソードセパレータ20cとを含む。MEGA10は、アノードガス拡散層16a及びカソードガス拡散層16cと、膜電極接合体(以下、MEA(Membrane Electrode Assembly)と称する)11とを有している。MEGA10は、アノードガス流路41及びカソードガス流路21に挟持されるように配置されるが、アノード入口a1、アノード出口a2、カソード入口c1、カソード出口c2、冷媒入口w1、及び冷媒出口w2には重ならない。
MEA11は、電解質膜12と、電解質膜12の一方の面及び他方の面のそれぞれに形成されたアノード触媒層14a及びカソード触媒層14c(以下、触媒層と称する)とを含む。電解質膜12は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜であり、例えばフッ素系のイオン交換膜である。触媒層14a及び14cは、例えば白金(Pt)などを担持したカーボン担体とプロトン伝導性を有するアイオノマとを含む触媒インクを、電解質膜12に塗布することにより形成される。
アノードガス拡散層16a及びカソードガス拡散層16cは、ガス透過性及び導電性を有する材料、例えば炭素繊維や黒鉛繊維などの多孔質の繊維基材で形成されている。アノードガス拡散層16a及びカソードガス拡散層16cは、それぞれ触媒層14a及び14cに接合されている。
カソードセパレータ20c及びアノードセパレータ40aのそれぞれは、導電性の金属板をプレス成型することにより、反応ガスが流通する流路と冷媒が流通する流路とが表裏一体に形成されているが、これに限定されず、例えば、カーボン粒子を圧縮してガス不透過とした緻密質カーボン等のカーボン製部材であってもよい。
カソードセパレータ20cにも、アノードセパレータ40aと同様に、アノード入口a1、アノード出口a2、カソード入口c1、カソード出口c2、冷媒入口w1、及び冷媒出口w2が形成されている。カソードセパレータ20cには、カソード入口c1からカソード出口c2に向けて互いにほぼ平行に延びた溝23及びリブ24が、長手方向LDに交互に複数設けられている。溝23及びリブ24は、金属板がプレス加工されて形成されている。リブ24はカソードガス拡散層16cに接触した凸状であるが、溝23はカソードガス拡散層16cには接触していない凹状である。カソードガスは、MEA11とカソードセパレータ20cとの間を流れる。尚、冷媒は、隣接した単セル2同士の間を流れる。
図2Aに示すように、アノードセパレータ40aのアノードガス流路41の上流域Aには、長手方向LDに互いに略平行に延びた溝43a及びリブ44aが、短手方向SDに交互に複数設けられている。同様に、図2Bに示すように、アノードガス流路41の中流域Bには、長手方向LDに互いに略平行に延びた溝43b及びリブ44bが、短手方向SDに交互に複数設けられている。図2Cに示すように、アノードガス流路41の下流域Cには、長手方向LDに互いに略平行に延びた溝43c及びリブ44cが、短手方向SDに交互に複数設けられている。ここで、リブ44a〜44cは互いに連続したリブを示し、溝43a〜43cは互いに連続した溝を示している。従って、上流域A、中流域B、及び下流域Cのそれぞれにおいて、溝及びリブの数は同じである。リブ44a〜44cはアノードガス拡散層16aに接触した凸状であり、溝43a〜43cはアノードガス拡散層16aには接触しない凹状である。
リブ44aのリブ幅W44aは、溝43aの溝幅W43aよりも広く形成されている。リブ44bのリブ幅W44bは、溝43bの溝幅W43bと略同じに形成されている。リブ44cのリブ幅W44cは、溝43cの溝幅W43cよりも広く形成されている。ここで、リブ幅W44a〜W44cのうち、リブ幅W44cが最も広く、リブ幅W44bが最も狭い。溝幅W43a〜W43cのうち、溝幅W43cが最も狭く、溝幅W43bが最も広い。また、溝幅W43bはリブ幅W44bとほぼ同じである。上流域A内において溝幅W43a及びリブ幅W44aはそれぞれ一定である。同様に、中流域B内において溝幅W43b及びリブ幅W44bはそれぞれ一定であり、下流域C内において溝幅W43c及びリブ幅W44cはそれぞれ一定である。また、一対の隣接する溝及びリブの幅方向でのピッチ間隔は、上流域A、中流域B、及び下流域Cのそれぞれで同じである。即ち、溝幅W43a及びリブ幅W44aの合計と、溝幅W43b及びリブ幅W44bの合計と、溝幅W43c及びリブ幅W44cの合計とは略同じである。
ここで、一般的にアノード入口近傍及びアノード出口近傍でのMEAは乾燥しやすい。アノード入口近傍でのMEAが乾燥しやすい理由は以下による。アノード入口には、アノードガスとして一般的に湿度の低い水素ガスが流入するからである。また、アノードガスと共にアノードオフガスも燃料電池内に導入する構成の場合には、一般的に発電効率の低下を抑制する観点からアノードオフガスよりも多くの流量のアノードガスをアノード入口から導入させるからである。
アノード出口近傍でのMEAが乾燥しやすい理由は以下による。アノード出口近傍よりも上流側での発電反応により水素の多くは既に消費されているため、アノード出口近傍では水素量が低下しており、これに伴い水素に保持される生成水の量も低下しているからである。また、アノード出口近傍にあるカソード入口から導入されるカソードガスは湿度が低いため、カソード入口近傍でのMEAは乾燥しやすく、これに伴ってアノード入口近傍でのMEAも乾燥しやすいからである。
また、一般的にアノード出口近傍の方がアノード入口近傍よりも乾燥しやすい。この理由は以下による。例えばアノードガスと共にアノードオフガスも燃料電池内に導入する構成の場合には、アノードガスよりも湿度の高いアノードオフガスがアノード入口から導入される。また、アノード入口近傍のカソード出口には、生成水がカソードガスによって運ばれてくるからである。これに対してアノード出口近傍では、上述したように水素量が低いため水素により保持される生成水量も少ない。また、アノード出口近傍のカソード入口から導入されるカソードガスも乾燥状態にあり、プロトンに随伴して生成水がアノード側からカソード側に移動するからである。また、燃料電池への供給前にカソードガスを加湿する構成が採用されていない場合には、特にアノード出口近傍の方がアノード入口近傍よりも乾燥しやすい。
本実施例では、図2A及び図2Cに示したように、溝幅W43a及びW43cのそれぞれは溝幅W43bよりも狭く、リブ幅W44a及びW44cのそれぞれはリブ幅W44bよりも広い。このため、単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積は、中流域Bよりも上流域A及び下流域Cのそれぞれの方が大きい。ここで、単位面積当たりとは、少なくともリブ44aに接触する部分と溝43aにより接触しない部分との双方を含む、アノードガス拡散層16aの、MEA11とは反対側の面の面積である。上流域A及び下流域Cでのそれぞれでの単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積は、中流域Bでの単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積のおよそ1.1〜2.5倍程度である。このため、上流域A及び下流域Cでは、発電反応によって生成された生成水がMEA11からアノードガス拡散層16aを介して溝43a及び43c内に排出されることが抑制されている。換言すれば、アノードガス拡散層16aによる保水性が確保されている。従って、アノード入口a1近傍とアノード出口a2近傍でのMEA11の乾燥が抑制されている。
また、溝幅W43aは溝幅W43cよりも広く、リブ幅W44aはリブ幅W44cよりも狭い。即ち、単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積は、上流域Aよりも下流域Cの方が大きい。このため下流域Cでは、生成水がMEA11からアノードガス拡散層16aを介して溝43c内に排出されることがより抑制される。この理由は、上述したように下流域Cはカソード入口c1の近傍に位置し、かつ一般的にセル内を流通するカソードガスの流量はアノードガスの流量よりも大きくカソード入口c1近傍でのカソードガスの流速が比較的速いため、カソード入口c1近傍、即ちアノード出口a2近傍でのMEA11がより乾燥しやすいからである。このため、上記構成によりアノード出口a2近傍でのMEA11の乾燥が抑制されている。
また、上述したように単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積は、中流域Bよりも上流域A及び下流域Cのそれぞれの方が大きいため、アノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積が確保されている。これにより、アノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの間の電気抵抗が低減され、発電性能の低下が抑制されている。
尚、アノード入口a1近傍とアノード出口a2近傍でのMEA11の乾燥を抑制するために、アノード入口a1近傍とアノード出口a2近傍でのカソードガス流路21の溝幅及びリブ幅を変更して、アノード入口a1近傍とアノード出口a2近傍での単位面積当たりのカソードセパレータ20cとカソードガス拡散層16cとの接触面積を増大させることが考えられる。しかしながらリブ幅が拡大すると、カソードガスの圧力損失の増大やカソードガスの拡散性が低下して発電性能が低下する可能性がある。本実施例では、上述したアノードセパレータ40aを採用することにより、カソードセパレータ20cのカソードガス流路21の溝幅及びリブ幅を変更することなく、アノード入口a1近傍とアノード出口a2近傍でのMEA11の乾燥を抑制できる。このため、カソードガスの圧力損失の増大やカソードガスの拡散性の低下を抑制しつつ、アノード入口a1近傍とアノード出口a2近傍でのMEA11の乾燥を抑制できる。
従って、カソードセパレータ20cの形状に制約を受けずに、MEA11の乾燥を抑制できる。このため、例えば、カソードセパレータ20cの代わりに、少なくともMEA11側の面が平坦なカソードセパレータを採用し、多孔質の繊維基材で形成されたカソードガス拡散層16cの代わりに、または多孔質の繊維基材で形成されたカソードガス拡散層16cと少なくともMEA11側の面が平坦なカソードセパレータとの間に、例えば切り曲げ加工により形成されたエキスパンドメタル、ラス加工により形成されたラスカットメタル、発泡焼結体等の金属多孔質体を採用してもよい。尚、上記の趣旨は、リブ幅及び溝幅が変更されたカソードセパレータの採用を否定するものではない。発電性能に影響を与えない範囲で、カソードセパレータのリブ幅を変更して、アノード入口a1及びアノード出口a2の少なくとも一方の近傍での単位面積当たりのカソードセパレータとカソードガス拡散層16cとの接触面積を増大させてもよい。
尚、本実施例では単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積は上流域Aよりも下流域Cでの方が大きいが、これに限定されない。例えば、単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積が中流域Bよりも上流域A及び下流域Cのそれぞれの方が大きい限り、接触面積は上流域Aと下流域Cとで同程度であってもよいし、上流域Aの方が下流域Cよりも大きくてもよい。例えば、リブ幅W44aはリブ幅W44cと同じであってもよいし、リブ幅W44aはリブ幅W44cより広くてもよい。
また、溝幅W43a、W43b、及びW43cを一定にし、リブ幅W44a及びW44cのそれぞれがリブ幅W44bよりも広くしてもよい。また、長手方向LDでの上流域A及び下流域Cの長さは同じであってもよいし、上流域Aの方が下流域Cよりも長くてもよいし、下流域Cの方が上流域Aよりも長くてもよい。
上流域A内において溝幅W43a及びリブ幅W44aはそれぞれ一定であるとしたがこれに限定されない。例えば、上流域A内において、溝幅W43a及びリブ幅W44aが溝43a及びリブ44aの長さ方向に異なっていてもよい。同様に下流域C内において、溝幅W43c及びリブ幅W44cが溝43c及びリブ44cの長さ方向に異なっていてもよい。また、単位面積当たりのアノードセパレータ40aとアノードガス拡散層16aとの接触面積が中流域Bよりも上流域A及び下流域Cのそれぞれの方が大きい限り、中流域B内において溝幅W43b及びリブ幅W44bが溝43b及びリブ44bの長さ方向に異なっていてもよい。
次に、複数の変形例について説明する。尚、以下の複数の変形例について、上記実施例と類似の構成については、類似の符号を付することにより重複する説明は省略する。図3Aは、第1変形例でのアノードセパレータ40aaの正面図である。第1変形例では、上述した実施例でのアノードセパレータ40aの代わりにアノードセパレータ40aaが採用され、上述した実施例でのカソードセパレータ20cの代わりに形状が異なるカソードセパレータが採用されている点以外は、同一の部材が採用されているものとして説明する。
図3Aに示すように、略矩形状であるアノードセパレータ40aaの短辺の一方側に、アノード入口a1a、カソード出口c2a、及び冷媒入口w1aが短手方向SDに並んで形成されている。同様に、アノードセパレータ40aaの短辺の他方側に、冷媒出口w2a、カソード入口c1a、及びアノード出口a2aが短手方向SDに並んで形成されている。アノード入口a1a及びカソード出口c2aは隣接しており、アノード出口a2a及びカソード入口c1aは隣接している。即ち、アノード入口a1aは、カソード入口c1aよりもカソード出口c2aの近くに位置し、アノード出口a2aは、カソード出口c2aよりもカソード入口c1aの近くに位置している。アノードガス流路41aの上流域Aaは、アノード出口a2aよりもアノード入口a1aの近くに位置し、かつカソード入口c1aよりもカソード出口c2aの近くに位置している。アノードガス流路41aの下流域Caは、アノード入口a1aよりもアノード出口a2aの近くに位置し、かつカソード出口c2aよりもカソード入口c1aの近くに位置している。また、略矩形状のアノードガス流路41aの長手方向LDでの長さLaに対して、上流域Aaは例えば0.2〜0.4Laであり、下流域Caは例えば0.25〜0.5Laである。
第1変形例でのカソードセパレータには、カソード入口c1aからカソード出口c2aにカソードガスを案内するカソードガス流路が形成されている。カソードガス流路は、アノードガス流路41aと同様にサーペンタイン型の流路である。従って、カソードガスの流通方向は、アノードガスの流通方向と略逆方向である。尚、図3Aには、実線の矢印でアノードガスの流通方向を示し、点線の矢印でカソードガスの流通方向を示している。
第1変形例においても上記実施例と同様に、単位面積当たりのアノードセパレータ40aaとアノードガス拡散層16aとの接触面積は、中流域Baよりも上流域Aa及び下流域Caのそれぞれの方が大きい。これにより、アノード入口a1a近傍とアノード出口a2a近傍でのMEA11の乾燥が抑制されている。また、単位面積当たりのアノードセパレータ40aaとアノードガス拡散層16aとの接触面積は上流域Aaよりも下流域Caの方が大きいため、よりアノード出口a2a近傍でのMEA11の乾燥が抑制される。また、アノードセパレータ40aaとアノードガス拡散層16aとの接触面積が確保されているので、アノードセパレータ40aaとアノードガス拡散層16aとの間の電気抵抗が低減され、発電性能の低下が抑制されている。
図3Bは、第2変形例でのアノードセパレータ40abの正面図である。第2変形例では、上述した実施例でのアノードセパレータ40aの代わりにアノードセパレータ40abが採用され、上述した実施例でのカソードセパレータ20c及び第1変形例でのカソードセパレータの代わりに形状が異なるカソードセパレータが採用されている点以外は、同一の部材が採用されているものとして説明する。
図3Bに示すように、略矩形状であるアノードセパレータ40abの短辺の一方側に、アノード入口a1b、冷媒入口w1b、及びカソード出口c2bが短手方向SDに並んで形成されている。同様に、アノードセパレータ40abの短辺の他方側に、カソード入口c1b、冷媒出口w2b、及びアノード出口a2bが短手方向SDに並んで形成されている。アノード入口a1b及びカソード出口c2bは冷媒入口w1bを介して隣接しており、アノード出口a2b及びカソード入口c1bは冷媒出口w2bを介して隣接している。即ち、アノード入口a1bは、カソード入口c1bよりもカソード出口c2bの近くに位置し、アノード出口a2bは、カソード出口c2bよりもカソード入口c1bの近くに位置している。
アノードガス流路41bは、アノードガスをアノード入口a1bからアノード出口a2bに案内するが、上流側から順に分配部42a、平行部42b、及び集合部42cを有している。分配部42aは、アノード入口a1bから平行部42bに向けて拡大するように延びている。平行部42bは長手方向LDに略平行に延びている。集合部42cは、平行部42bからアノード出口a2bに縮小するように延びている。アノードガス流路41bの上流域Ab、中流域Bb、及び下流域Cbは、それぞれ分配部42a、平行部42b、及び集合部42cに対応している。従って、上流域Abは、アノード出口a2bよりもアノード入口a1bの近くに位置し、かつカソード入口c1bよりもカソード出口c2bの近くに位置している。下流域Cbは、アノード入口a1bよりもアノード出口a2bの近くに位置し、かつカソード出口c2bよりもカソード入口c1bの近くに位置している。尚、分配部42a及び集合部42cのそれぞれでのリブ及び溝の数は、平行部42bでのリブ及び溝の数と同じであるが、平行部42bでのリブ及び溝の数よりも少なくてもよい。
第2変形例でのカソードセパレータには、カソード入口c1bからカソード出口c2bにカソードガスを案内するカソードガス流路が形成されている。カソードガス流路は、アノードガス流路41bと同様に、カソード入口c1bから中央部にまで拡大するように延び、中央部では長手方向LDに略平行に延び、中央部からカソード出口c2bに縮小するように延びている。従って、カソードガス流路の中央部では、カソードガスの流通方向はアノードガスの流通方向とは逆方向になる。尚、図3Bには、実線の矢印でアノードガスの流通方向を示し、点線の矢印でカソードガスの流通方向を示している。
第2変形例でも上記実施例と同様に、単位面積当たりのアノードセパレータ40abとアノードガス拡散層16aとの接触面積は、中流域Bbよりも上流域Ab及び下流域Cbのそれぞれの方が大きい。具体的には、平行部42bでのリブ幅よりも分配部42a及び集合部42cでのリブ幅の方が広く形成されている。これにより、アノード入口a1b近傍とアノード出口a2b近傍でのMEA11の乾燥が抑制されている。また、単位面積当たりのアノードセパレータ40abとアノードガス拡散層16aとの接触面積は上流域Abよりも下流域Cbの方が大きいため、よりアノード出口a2a近傍でのMEA11の乾燥が抑制される。更に、アノードセパレータ40abとアノードガス拡散層16aとの接触面積が確保されているので、アノードセパレータ40abとアノードガス拡散層16aとの間の電気抵抗が低減され、発電性能の低下が抑制されている。
第2変形例では単位面積当たりのアノードセパレータ40abとアノードガス拡散層16aとの接触面積が大きく形成された上流域Ab及び下流域Cbがそれぞれ分配部42a及び集合部42cに対応し、単位面積当たりのアノードセパレータ40abとアノードガス拡散層16aとの接触面積が小さく形成された中流域Bbが平行部42bに対応しているがこれに限定されない。例えば上流域Abは、分配部42a全体に加えて更に平行部42bの上流側の一部分をも含むように形成されていてもよいし、分配部42aの上流側の一部分のみを含むように形成されていてもよい。下流域Cbは、集合部42c全体に加えて更に平行部42bの下流側の一部分をも含むように形成されていてもよいし、集合部42cの下流側の一部分のみを含むように形成されていてもよい。中流域Bbは、平行部42bに加えて更に分配部42aの下流側の一部分を含むように形成されていてもよいし、平行部42bの上流側の一部分を含まないように形成されていてもよいし、集合部42cの上流側の一部分を含むように形成されていてもよいし、平行部42bの下流側の一部分を含まないように形成されていてもよい。
第2変形例では、分配部42a、平行部42b、及び集合部42cのそれぞれでのリブ及び溝の数が同じであるがこれに限定されない。例えば、分配部42a及び集合部42cでのそれぞれでのリブ及び溝の数が、平行部42bでのリブ及び溝の数よりも少なくてもよい。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
2 単セル
10 膜電極ガス拡散層接合体
11 膜電極接合体
16a アノードガス拡散層
20c カソードセパレータ
21 カソードガス流路
40a アノードセパレータ
41 アノードガス流路
43a〜43c 溝
44a〜44c リブ
W43a〜W43c 溝幅
W44a〜W44c リブ幅
a1 アノード入口
a2 アノード出口
c1 カソード入口
c2 カソード出口
A 上流域
B 中流域
C 下流域

Claims (1)

  1. アノードガス拡散層及びカソードガス拡散層の間に膜電極接合体が位置する膜電極ガス拡散層接合体と、
    前記アノードガス拡散層に接したアノードセパレータと、
    前記カソードガス拡散層に接したカソードセパレータと、を備え、
    前記アノードセパレータ及びカソードセパレータのそれぞれは、アノード入口、アノード出口、カソード入口、及びカソード出口を有し、
    前記アノード入口は、前記カソード入口よりも前記カソード出口の近くに位置し、
    前記アノード出口は、前記カソード出口よりも前記カソード入口の近くに位置し、
    前記アノードセパレータは、前記アノード入口から前記アノード出口へアノードガスを案内するアノード流路を有し、
    前記カソードセパレータは、前記カソード入口から前記カソード出口へカソードガスを案内するカソード流路を有し、
    前記アノード流路は、前記アノードガス拡散層に接触したリブと、前記アノードガス拡散層に接触しない溝とを有し、
    前記アノード流路は、前記アノード入口から前記アノード出口の順に、上流域、中流域、及び下流域を含み、
    前記上流域は、前記アノード出口よりも前記アノード入口の近くに位置し、かつ前記カソード入口よりも前記カソード出口の近くに位置し、
    前記下流域は、前記アノード入口よりも前記アノード出口の近くに位置し、かつ前記カソード出口よりも前記カソード入口の近くに位置し、
    単位面積当たりの前記アノードセパレータと前記アノードガス拡散層との接触面積は、前記中流域よりも前記上流域及び下流域のそれぞれでの方が大きい、燃料電池。
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