JP2009081013A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】挿入導入弁の低温時の作動性を確保できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】掃気導入弁42には、掃気時のカソードガスが導入されるプランジャシャフト44の周囲の領域(ガス通路S1)と、プランジャシャフト44が挿通されるコア部材46の軸穴部46a(ガス通路壁部)との間を遮断するシール部材50が設けられている。シール部材50は、リップシール構造であり、シャフト44aとシール部材50とが接触する可動範囲に撥水コーティングが施されている。また、プランジャシャフト44は、開弁時にガス通路S1側の方向に移動するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池のアノード極を掃気する手段を備えた燃料電池システムに関する。
燃料電池システムでは、燃料電池のアノード極に水素が供給され、カソード極に空気が供給されることで、水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電が行われる。また、燃料電池システムでは、燃料電池のカソード極において水が生成されるが、この生成水が電解質膜を介してカソード極からアノード極に透過することがある。このため、燃料電池システムが氷点下に至るような低温環境下で使用された場合、運転停止中に透過した生成水が凍結するという問題があった。そこで、このような凍結を防止するために、運転停止時にカソード極とともにアノード極に空気を導入して生成水を系外に排出するという技術が提案されている。アノード極に空気を導入する手段としては、カソード極側とアノード極側とを接続する配管および掃気導入弁を設け、掃気時に掃気導入弁を開いて排水する技術が知られている。
ところで、従来の掃気導入弁においては、通常、アノード極側の圧力の方がカソード極側の圧力より高いことから、その差圧力(アノード極−カソード極)がシート(閉弁)する方向に作用するように、弁体とこれに連結しているプランジャがアノード極側に位置するように設置されている。
しかし、前記のような構造の場合、燃料電池システムの運転停止時にアノード極から拡散する残留水分によって可動体であるプランジャとそのプランジャを支持するガイドとの隙間に水分が浸入して付着して、氷点下時に氷結してプランジャが動かず、掃気導入弁が機能しなくなるという問題があった。そこで、その対策として、凍結が発生するプランジャをドライな環境であるカソード極側に位置するように配置して作動性を確保するものが提案されている(特許文献1参照)。
特願2007−131367号(図2)
しかしながら、燃料電池システムの運転停止時に燃料電池や加湿器が多量の水分を保有している場合には、運転停止中にカソード側において水蒸気が掃気導入弁にまで拡散し、雰囲気が低温(例えば、氷点下)になることで結露、凍結して、挿入導入弁を作動さようとしてもプランジャやシャフトが凍結ロックして動かなくなるという問題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、挿入導入弁の低温時の作動性を確保できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、燃料電池のアノード極を、カソード極へ導入するカソードガスによって掃気するアノード掃気手段を備えた燃料電池システムであって、前記アノード掃気手段は、前記カソードガスを前記アノード極に導入する掃気導入弁と、前記掃気導入弁を開閉可能に制御する掃気導入弁制御装置とを有し、前記掃気導入弁には、この掃気導入弁の可動するプランジャシャフトにおける前記カソードガスのガス通路側の領域と、前記プランジャシャフトにおけるガス通路壁部側の領域との間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、燃料電池システムの運転停止中に燃料電池などから水蒸気が掃気導入弁にまで拡散したとしても、シール部材によってプランジャシャフトとこれを支持するガイド部分との間に水蒸気が浸入することがなくなるので、氷点下時における掃気導入弁の作動性を確保できる。なお、プランジャシャフトとは、シャフトとプランジャとが一体になったものを意味している。
請求項2に係る発明は、少なくとも前記プランジャシャフトの可動範囲において、前記シール部材が接触する前記プランジャシャフトに撥水コーティングを施したことを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、シール部材とプランジャシャフトとの摺動抵抗を軽減できる。なお、撥水コーティングを掃気導入弁閉弁時のプランジャシャフトに対してガス通路側に延長して施すことにより、表面張力によって付着する水分を軽減でき、プランジャシャフトとシール部材が凍結してロックするのをより確実に防止できる。
請求項3に係る発明は、前記プランジャシャフトは、前記アノード掃気手段によって前記カソードガスを前記アノード極に導入するときに、前記ガス通路側の方向に移動することを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、開弁時に、プランジャシャフトに付着した氷などがシール部材に乗り上げるようなことがなくなるので、シール部材の漏れや異常摩耗を引き起こすことを防止できる。
請求項4に係る発明は、前記カソードガスを加湿して前記カソード極に導入する加湿器を備え、前記掃気導入弁は、前記加湿器をバイパスしたバイパス路に設けられ、前記掃気導入弁が閉弁しているときに前記プランジャシャフトが前記カソードガス雰囲気中に曝されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、燃料電池システムの運転停止中に燃料電池のカソード極側に残留する水分の拡散は加湿器で遮断され、加湿器に残留する水分の拡散は加湿器上流の空気流入口から拡散する乾燥したカソードガス(空気)によって緩和される。
請求項5に係る発明は、前記掃気導入弁の弁体は、前記プランジャシャフトの天地方向に対して上方に設けられ、前記シール部材は、前記プランジャシャフトの天地方向に対して下方に設けられていることを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、プランジャシャフトに付着した水は下方へ伝い流れ、シール部材によってプランジャシャフトとガス通路壁部との間の隙間に水が流れ込まなくなるので、凍結による掃気導入弁の作動不良を防止できる。
請求項6に係る発明は、前記掃気導入弁は、前記プランジャシャフトの進出により開弁し、前記プランジャシャフトの後退により閉弁し、前記掃気導入弁の弁体には、前記掃気導入弁の少なくとも閉弁時に、前記アノード極側のガス圧が閉弁方向に作用する第1受圧部と、開弁方向に作用する第2受圧部とを設けたことを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、発電時において通常はアノード極側のガス圧がカソード極側のガス圧より高い状態にあるので、その差圧力によって弁体がガスをシールする方向に作用させることが可能になる。その結果、弁体に設けるスプリング力の軽減が可能になり、掃気導入弁を開弁させるのに過大な推力が不要になる。
本発明によれば、挿入導入弁の低温時の作動性を確保できる燃料電池システムを提供できる。
図1は本実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図、図2は本実施形態の燃料電池システムに用いられる掃気導入弁の構造を示す断面図、図3はプランジャシャフトの撥水コーティングの領域を示す模式図であり、(a)は閉弁時、(b)は開弁時、図4は掃気導入弁の動作を示す断面図であり、(a)は開弁時、(b)は閉弁時、図5は掃気導入弁の作用を示す模式図であり、(a)は閉弁時、(b)は開弁時、(c)は比較例である。なお、本実施形態の燃料電池システムは、例えば燃料電池自動車、船舶、航空機、家庭用の定置式電源などに適用できる。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池10、アノード系20、カソード系30、アノード掃気系40、ECU(制御部)100などを備えて構成されている。
前記燃料電池10は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜11を、触媒を含むアノード極12と、触媒を含むカソード極13とで挟んで構成した膜電極接合体(MEA;Membrane Electrode Assembly)を有し、さらに膜電極接合体を導電性のセパレータ14,15で挟んで構成して単セルを構成し、この単セルを厚み方向に複数直列に接続して積層した構造を有している。また、セパレータ14には、アノード極12と対向する面に水素(燃料ガス)が流通するアノード流路14aが形成され、セパレータ15には、カソード極13と対向する面に空気(酸化剤ガス)が流通するカソード流路15aが形成されている。なお、図1は、説明の便宜上、単セルの状態を模式的に図示している。
前記アノード系20は、燃料電池10に対して水素を供給し、かつ、燃料電池10から水素を排出する系であり、水素タンク21、遮断弁22、レギュレータ23、エゼクタ24、排出弁25、配管26a〜26fなどを含んで構成されている。
前記水素タンク21は、例えば、アルミニウム合金により形成され、その内部に高純度の水素ガスを高圧で貯留するタンク室(図示せず)を有し、そのタンク室の周囲をCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)や、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化プラスチック)等で形成されたカバー(図示せず)で被覆して構成されている。
前記遮断弁22は、例えば電磁作動式のものであり、水素タンク21の出口近傍に設けられ、配管26aを介して水素タンク21と接続されている。
前記レギュレータ23は、配管26bを介して遮断弁22と接続され、水素タンク21から供給された高圧の水素ガスを所定の圧力に減圧する機能を有している。
前記エゼクタ24は、配管26cを介してレギュレータ23と接続され、燃料電池10のアノード流路14aの出口から排出された未反応の水素を、配管26e,26f,26dを介して燃料電池10のアノード流路14aの入口に戻して再循環させるための真空ポンプの一種である。
前記排出弁25は、例えば電磁作動式のものであり、配管26eに設けられている。この排出弁25は、例えば定期的に開弁されることによって、循環経路(アノード流路14a、配管26d〜26f)内に蓄積された不純物を排出して、水素濃度の低下を防止している。なお、不純物とは、カソード極13から固体高分子電解質膜11を透過した空気に含まれる窒素や、生成水などを意味している。
前記カソード系30は、空気(酸素)を燃料電池10のカソード極13に供給し、かつ、カソード極13からカソードオフガスを排出する系であり、エアコンプレッサ31、加湿器32、背圧制御弁33、配管34a〜34dなどを備えて構成されている。
前記エアコンプレッサ31は、モータにより駆動されるスーパーチャージャなどで構成され、外部に連通する空気流入口31aから取り込んで圧縮した空気を燃料電池10のカソード極13に向けて供給する機能を有している。
前記加湿器32は、カソードオフガスに含まれる水分を回収して、燃料電池10に供給されるカソードガス(空気)を加湿する機能を有している。この加湿器32は、例えば、複数の水透過性の膜を束ねてケースに収容した中空糸膜モジュールを備え、中空糸膜の内側と外側のうちの一側にエアコンプレッサ31からの空気を流通させ、他側に燃料電池10のカソード流路15aの出口から排出されたカソードオフガス(湿潤な空気や生成水など)を流通させることにより、エアコンプレッサ31から供給されるカソードガスを加湿するようになっている。
なお、加湿される前のカソードガスの入口となる加湿器32のカソードガス導入口32aは、配管34aを介してエアコンプレッサ31と接続されている。また、加湿されたカソードガスの出口となる加湿器32のカソードガス排出口32bは、配管34bを介して燃料電池10のカソード流路15aの入口と接続されている。また、カソードオフガスが導入される加湿器32のカソードオフガス導入口32cは、配管34cを介して燃料電池10のカソード流路15aの出口と接続されている。また、カソードオフガスが排出される加湿器32のカソードオフガス排出口32dは、配管34dを介して後記する背圧制御弁33と接続されている。
前記背圧制御弁33は、例えばバタフライ弁で構成され、カソード系30内の圧力を適宜調節する機能を有している。
前記アノード掃気系40は、バイパス配管41、掃気導入弁42などを備えて構成されている。
前記バイパス配管41は、エアコンプレッサ31から取り込んだ空気を、燃料電池10のアノード極12に導入する流路であり、一端(上流側)が加湿器32の上流側の配管34aと接続され、他端(下流側)が燃料電池10のアノード流路14aの入口に接続された配管26dと接続されている。すなわち、バイパス配管41は、加湿器32をバイパスした空気(カソードガス、掃気ガス)をアノード極12に供給するようになっている。
前記掃気導入弁42は、バイパス配管41の途中に設けられ、燃料電池システム1の運転停止時におけるアノード掃気時に開弁することにより、エアコンプレッサ31からの空気をアノード極12に供給できるようになっている。また、掃気導入弁42は、後記するECU(掃気導入弁制御装置)100によって開閉制御される。なお、本実施形態では、前記したバイパス配管41と掃気導入弁42とECU100とで、アノード掃気手段が構成されている。
図2に示すように、掃気導入弁42は、筐体43、プランジャシャフト44、弁体45、コア部材46、ソレノイド47、スプリング48,49、シール部材50などで構成されている。なお、図2は、掃気導入弁42が閉弁している状態を示している。
前記筐体43は、エアコンプレッサ31からの掃気ガスとしてのカソードガスが導入される掃気ガス導入口43aと、前記カソードガスが排出される掃気ガス排出口43bとを有している。掃気ガス導入口43aは、上流側のバイパス配管41と接続され、カソード極13側の配管34a(図1参照)と連通するように構成されている。掃気ガス排出口43bは、下流側のバイパス配管41と接続され、アノード極12側の配管26d(図1参照)と連通し、前記掃気ガス導入口43aより天地方向上部に位置するように構成されている。また、筐体43の内部には、後記する弁体45が接することで閉弁し、離れることで開弁する弁座43cが設けられている。
前記プランジャシャフト44は、棒状のシャフト44aの基端部に、鉄などの磁性体で形成されたプランジャ44bが固定されて構成されている。このプランジャシャフト44は、天地方向上部に後記する弁体45が取り付けられ、シャフト44aの上部が、後記するコア部材46から突出して、空気が流通するガス通路S1側の領域に露出するように配置されている。なお、筐体43やコア部材46によって囲まれるプランジャシャフト44が露出する周囲の領域が、掃気導入弁42におけるガス通路S1側の領域に相当する。
前記弁体45は、第1受圧部45aと第2受圧部45bとを有し、前記プランジャシャフト44の先端に固定されている。第1受圧部45aは、アノード側(アノード極12側)の気体に接する部分全体であり、第2受圧部45bは、カソード側(カソード極13側)の気体に接する部分全体である。また、弁体45は、前記弁座43cが当接する当接部45c1や、先端部(上端部)45c2などが弾性部材45cで形成されている。なお、弁体45の形状は、一例であり、本実施形態に限定されるものではない。
前記コア部材46は、その一部がガス通路S1の一部を構成し、プランジャシャフト44のシャフト44aが摺動可能に挿通される軸穴部46aを有している。なお、プランジャシャフト44(シャフト44a)が挿通されるコア部材46の軸穴部46aが、掃気導入弁42におけるガス通路壁部側の領域に相当する。
前記ソレノイド(コイル)47は、プランジャシャフト44の基端側の周囲に設けられ、通電(ON)することにより、プランジャシャフト44が天地方向上側に向かって押されて開弁し、非通電(OFF)とすることにより、後退して閉弁するようになっている。
前記スプリング48は、プランジャ44bの下端と筐体43との間に設けられ、プランジャ44b(弁体45)を開弁方向(図示上方向)に付勢するように構成されている。
前記スプリング49は、弁体45と筐体43との間に設けられ、弁体45を閉弁方向(図示下方向)に付勢するように構成されている。
このように本実施形態では、筐体43の天地方向の略中央に掃気ガス導入口43aに連通するガス通路S1が設けられ、弁座43cを挟んで掃気ガス導入口43aの上側に掃気ガス排出口43bが設けられ、弁体45で仕切られた空間のカソード極13側にプランジャシャフト44の一部(上部)が位置するように構成されている。
前記シール部材50は、天然ゴムや合成ゴムなどの弾性材料で形成され、コア部材46にかけて凹構造を持たないリップシール構造のものである。このシール部材50は、貫通孔50aを有するリング形状であり、プランジャシャフト44を貫通孔50aに挿通した状態で、コア部材46に固着されている。また、シール部材50の上端部にはリップ部50bが形成されており、このリップ部50bがコア部材46の上面から突出するように配置されて、プランジャシャフト44の周面を押圧することで気密性が確保されるようになっている。これにより、ガス通路S1内の水蒸気などがプランジャシャフト44(シャフト44a)と軸穴部46aとの隙間に浸入するのを防止できるようになっている。
また、図3(a)および(b)に示すように、プランジャシャフト44のシャフト44aの表面には、フッ素樹脂などの撥水剤によって撥水コーティングR(ドットで示した部分)が施されている。この撥水コーティングRを施す領域は、少なくともプランジャシャフト44の可動範囲Q、すなわち、シャフト44aとシール部材50とが摺動する範囲である。なお、本実施形態における撥水コーティングRは、閉弁時において、摺動する範囲(可動範囲Q)に加えて、ガス通路S1側(天地方向上側)に延長して施されている。
前記ECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)100は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、各種回路などで構成され、掃気導入弁制御装置を備えて構成されている。なお、この掃気導入弁制御装置は、アノード掃気開始時に掃気導入弁42を開弁し、アノード掃気終了時に掃気導入弁42を閉弁するように制御する。また、ECU100は、遮断弁22、排出弁25、エアコンプレッサ31、背圧制御弁33、掃気導入弁42と接続され、遮断弁22、排出弁25および掃気導入弁42をそれぞれ適宜開閉し、エアコンプレッサ31のモータの回転速度を適宜調節し、背圧制御弁33の弁開度を適宜調節する。
次に、本実施形態の燃料電池システム1の動作について図4(適宜、図1)を参照して説明する。まず、燃料電池システム1の運転中においては、ECU100によって、遮断弁22が開かれており、これにより燃料電池10のアノード極12に水素タンク21から減圧された水素が供給される。また、ECU100によって、エアコンプレッサ31が駆動されており、燃料電池10のカソード極13に加湿器32で加湿された空気(酸素)が供給される。これにより、燃料電池10内のアノード極12では、触媒の作用により水素から電子が離れて外部負荷(図示せず)を通ってカソード極13に移動することで発電が行われる。また、カソード極13では、触媒の作用により透過した水素イオンと、外部負荷を移動してきた電子と、空気中の酸素との反応により水が生成される。なお、生成水は、加湿器32に供給された後に系外(外部)に排出される。
ところで、燃料電池10の発電時には、燃料電池10のカソード極13で生成された水が固体高分子電解質膜11を透過してアノード極12に移動することがある。このため、燃料電池システム1の運転が停止された後、残留した生成水が凍結すると判断される場合には、掃気を実行する。すなわち、ECU100によって掃気導入弁42および排出弁25が開弁されるとともにエアコンプレッサ31からカソードガスが、バイパス配管41を介してアノード極12に供給される。なお、このとき掃気導入弁42では、ソレノイド47がONされると、プランジャシャフト44のプランジャ44bが天地方向上側に移動することで弁体45が上方に押されて図4(a)に示す状態になり、カソードガスが図4(a)の矢印で示すように流れるようになる。
これにより、アノード極12の表面を含むアノード流路14a、配管26d〜26fなどに残留している生成水が吹き飛ばされて、排出弁25を通って系外に排出される。なお、このとき系外に高濃度の水素が排出されないように、排出弁25から排出された水素は、カソード極13から排出されたカソードオフガスなどで希釈して排出されるようになっている。アノード掃気終了後は、ECU100によって、掃気導入弁42および排出弁25が閉じられ、エアコンプレッサ31の駆動が停止される。なお、掃気処理はアノード極12側のみではなく、カソード極13側も別々または同時に行なわれる。
また、アノード掃気終了後の運転停止時においては、燃料電池10の内部(MEAの内部)に多量の水分が残留していると、その残留した生成水が燃料電池10から掃気導入弁42まで拡散することがある。しかし、本実施形態では、シール部材50によって、シャフト44aとコア部材46の軸穴部46aとの隙間(摺動部)や、プランジャ44bとこれをガイドするガイド部との隙間に水蒸気が浸入することがないので、氷点下時における作動性が確保される。
また、本実施形態によれば、シール部材50がリップシール構造でコア部材(保持部)にかけて凹構造を持たないので、シール部材50廻りに水が溜まらず、氷点下時における作動性を確保可能となる。
また、本実施形態によれば、図3に示すように、プランジャシャフト44の可動範囲Qに撥水コーティングが施されているので、プランジャシャフト44とシール部材50との摺動抵抗を軽減できる。さらに、本実施形態では、撥水コーティングが可動範囲Qに対してガス通路S1側に延びて形成されているので、掃気導入弁42の閉弁時に表面張力によってプランジャシャフト44に付着する水分を軽減することができ、プランジャシャフト44とシール部材50とが凍結ロックするのを防止することが可能になる。
また、本実施形態によれば、図5(a),(b)に示すように、掃気導入弁42が閉弁状態から開弁状態に移行する場合において、プランジャシャフト44の可動範囲Qが開弁時にガス通路S1側に移動するように構成されているので、掃気導入弁42の閉弁時にプランジャシャフト44に付着している氷や霜が(図5(a)参照)、プランジャシャフト44が開弁時にシール部材50に乗り上げることがなく(図5(b)参照)、シール部材50の漏れや異常な摩耗を引き起こすのを防止できる。これに対して、図5(c)の比較例で示すように、図5(a)の状態において、プランジャシャフト44がガス通路S1側とは反対方向(図示下方向)に作動した場合には、プランジャシャフト44に付着した氷や霜がシール部材50に乗り上げたり、プランジャシャフト44とシール部材50との間に噛み込んだりして、シール部材50の漏れや異常な摩耗を引き起こすおそれがある。
また、本実施形態によれば、掃気導入弁42の閉弁時に、プランジャシャフト44がカソードガス雰囲気に曝されるように構成されているので(図4(b)参照)、燃料電池システム1の運転停止中に燃料電池10内部からの水分の拡散は加湿器32で遮断され、加湿器32に残留する水分の拡散は加湿器32上流の空気流入口31aから拡散する乾燥したカソードガス(空気)によって緩和される。よって、掃気導入弁42まで拡散する水蒸気を低減できるので、掃気導入弁42の氷点下時における作動性をより確実に確保できる。
また、本実施形態によれば、掃気導入弁42の弁体45がプランジャシャフト44の天地方向上方に設けられ、シール部材50がプランジャシャフト44の天地方向下方に設けられているので、プランジャシャフト44に付着した水は下方へ伝い流れ、シール部材50によってプランジャシャフト44と軸穴部46a(ガス通路壁部)との間に流れ込むことがないので、掃気導入弁42の氷点下時における作動不良を防止できる。
また、本実施形態では、プランジャシャフト44が弁体45を押し出すことで開弁する構造とし、発電時には通常アノード極12側のガス圧Pa(図4(b)参照)がカソード極13側のガス圧Pc(図4(b)参照)よりも高い状態に制御され、その差圧(Pa−Pc>0)によって弁体45がシール(遮断)される方向に作用するので、高いガス遮断能力もしくはシール性を確保するために必要なスプリング49のバネ力を小さなものにすることが可能になる。これにより、掃気導入弁42を開弁する際にプランジャシャフト44を小さい推力で駆動させることができるようになり、掃気導入弁42の小型化が可能になる。
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、シール部材50に替えて、図6に示すシール部材60としてもよい。すなわち、このシール部材60は、シャフト44aに形成されたつば部44c、リング部61、シール部62およびコイルバネ63によって構成されている。リング部61は、シャフト44に挿通され、シャフト44aに沿って摺動可能に構成されている。シール部62は、ゴムなどの弾性材料によってリング状に形成され、リング部61の下面に突出して設けられている。コイルバネ63は、シャフト44aに挿通され、リング部61の上面と、つば部44cとの間に介装され、シール部62を備えたリング部61をコア部材46に向けて付勢するように作用している。なお、コイルバネ63のばね力は、前記スプリング49のばね力よりも弱く設定され、弁体45(図2参照)のシート性が確保されるように構成されている。
また、シール部材50,60に替えて、図7に示すシール部材70としてもよい。すなわち、このシール部材70は、シャフト44aに形成されたつば部44d、およびシール部71によって構成されている。シール部71は、ゴムなどの弾性材料によって蛇腹状に形成されたものであり、シャフト44aに挿通された状態において、上端がつば部44dに固定され、下端がコア部材46の上面に固定されている。なお、蛇腹によるばね力も、前記と同様に、スプリング49のばね力よりも弱く設定され、弁体45(図2参照)のシート性が確保されるように構成されている。
本実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図である。 本実施形態の燃料電池システムに用いられる掃気導入弁の構造を示す断面図である。 掃気挿入弁のプランジャシャフトに施される撥水コーティングの領域を示す模式図であり、(a)は閉弁時、(b)は開弁時である。 掃気導入弁の動作を示す断面図であり、(a)は閉弁時、(b)は開弁時である。 掃気導入弁の作用を示す模式図であり、(a)は閉弁時、(a)は開弁時、(c)は比較例である。 本実施形態におけるシール部材の変形例を示す断面図である。 本実施形態におけるシール部材の他の変形例を示す断面図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池
12 アノード極
13 カソード極
32 加湿器
40 アノード掃気手段
41 バイパス配管(バイパス路)
42 掃気導入弁
44 プランジャシャフト
45 弁体
45a 第1受圧部
45b 第2受圧部
46a 軸穴部(ガス通路壁部)
100 ECU(掃気導入弁制御装置)
50,60,70 シール部材
Q 可動範囲
R 撥水コーティング
S1 ガス通路

Claims (6)

  1. 燃料電池のアノード極を、カソード極へ導入するカソードガスによって掃気するアノード掃気手段を備えた燃料電池システムであって、
    前記アノード掃気手段は、前記カソードガスを前記アノード極に導入する掃気導入弁と、前記掃気導入弁を開閉可能に制御する掃気導入弁制御装置とを有し、
    前記掃気導入弁には、この掃気導入弁の可動するプランジャシャフトにおける前記カソードガスのガス通路側の領域と、前記プランジャシャフトにおけるガス通路壁部側の領域との間をシールするシール部材が設けられていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 少なくとも前記プランジャシャフトの可動範囲において、前記シール部材が接触する前記プランジャシャフトに撥水コーティングを施したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記プランジャシャフトは、前記アノード掃気手段によって前記カソードガスを前記アノード極に導入するときに、前記ガス通路側の方向に移動することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記カソードガスを加湿して前記カソード極に導入する加湿器を備え、
    前記掃気導入弁は、前記加湿器をバイパスしたバイパス路に設けられ、前記掃気導入弁が閉弁しているときに前記プランジャシャフトが前記カソードガス雰囲気中に曝されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記掃気導入弁の弁体は、前記プランジャシャフトの天地方向に対して上方に設けられ、前記シール部材は、前記プランジャシャフトの天地方向に対して下方に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記掃気導入弁は、前記プランジャシャフトの進出により開弁し、前記プランジャシャフトの後退により閉弁し、前記掃気導入弁の弁体には、前記掃気導入弁の少なくとも閉弁時に、前記アノード極側のガス圧が閉弁方向に作用する第1受圧部と、開弁方向に作用する第2受圧部とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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