JP2009080375A - 消去装置及び画像の消去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、乾燥した紙であっても高い消去性能を得るために、水分の消去装置外への揮散を防止する消去装置において、消去のための加熱後の冷却過程で、消去装置の筐体に発生する結露によって紙が汚損することを防止することを目的としている。
【解決手段】 筐体内に紙を収容する紙収容容器に、紙を加熱する加熱器と、水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備し、さらに筐体上部に水蒸気調節具によって排出されない水蒸気を積極的に結露させる結露部を設けることによって結露した水が、紙を汚損することを防止する。水蒸気結露部に代えて、筐体内にエアーカーテンを形成してもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に電子写真、プリンター、複写機、FAX、熱転写記録、筆記具あるいは印刷に用いることのできる消去可能な材料で形成した文字、図形、画像などを、消去するための装置及びその方法に関する。
地球環境の保護及び二酸化炭素による地球温暖化を防止するためには、森林保護が非常に重要である。その反面、木材は重要な工業材料の一つでもある。森林保護を両立するためには木材資源を効率よく利用できる技術が望まれている。
木材から取れるパルプ繊維で作る紙は、離解、脱墨した後、再生紙として再利用することができる。これは木材資源を効率よく使用するための好例であった。しかし、再生に要する多大なエネルギーは、発電施設において二酸化炭素の発生を代償にして得たものである。また、再生過程で発生する工業廃水は、再生に必要であった薬品や、紙から取り除いたインクなどを含むので、環境汚染を回避するための無害化処理に多大な労力を必要としている。我々は木材資源を効率よく利用できるように更なる技術躍進が求められている。
近年、画像形成と消去の機能を併せ持つリライタブルペーパーが提案されている。
紙表面に特殊な塗工層を持っており、加熱温度や冷却速度を適切にコントロールすることで、画像の書換を可能にしている。技術的には100回以上の書換が可能であるため、従来のように解離、脱墨などを介さなくても紙を再利用できる。しかし、特殊な塗工層を有するため、書換性能が劣化した後にリライタブルペーパー自体を再生するには、従来以上の労力とエネルギーが必要になってしまう欠点がある。また、技術的には100回以上の書換が可能だが、通常はシワや折れ曲がりなどで紙が痛んでしまうため、実用上の書換回数は少なくなってしまう。
このような書換可能な画像形成に用いる呈色性化合物は、顕色剤との相互作用が増大すると発色状態となり、相互作用が減少すると消色状態になることによって、書換を可能にしていることが知られている。
本願発明の発明者らは、呈色性化合物及び顕色剤を含有する組成系に消色材(例えばステロール類、環式アルコール類、糖類など)を加えることで、室温付近で発色状態が安定すると共に、熱や溶媒の処理で、長期に渡って消色状態を固定する画像形成材料、画像消去プロセス及び画像消去装置を開発した(特許文献1参照)。
上記画像消去装置は、画像の消去効率を上げるために、画像を形成した多数枚の紙を、画像形成装置の中に収容し、加熱して数時間130℃程度に加熱することによって画像を安定的に消去することができる。
このような画像消去システムにおいて、消去可能トナーの消去性能は紙の水分量に応じて変化する特性を有している。図12に紙の水分量に対する消去性能の変化を示す。呈色性化合物、顕色材、非極性バインダーを含有する画像形成材料として、呈色性化合物にBlue203(山田化学)を用いたトナーを用い画像を形成した。複写機(型番NX810リコー)で印字した紙を、調湿した後にe-blue用消去装置(型番TMD-HE01 東芝)で消色したときの結果である。この消去装置の温度制御は、加熱温度が140℃で2時間加熱するようプログラムされている。図12のグラフの横軸が、紙の含水率であり、縦軸が消去性能である。消去性能は消去前の画像の光学濃度に対する消去後の画像光学濃度の割合である。なお、ここで言う画像の光学濃度とは、紙面上に印刷したベタ画像の光学濃度から、紙面自体の光学濃度を除いた値である。また、光学濃度は反射率の逆数の常用対数を求めた値であり、ミノルタ製色彩色差計CR300(粉体測定セルを利用)を利用して測定した。消去性指数が、0.06を下回ると、ほぼ完全に消去されたものと判断することができる。図12のグラフにおいて、5種の曲線は、相異なる5種の呈色性化合物を用いた場合の消去性能を示すグラフであり、いずれの化合物を用いた場合でも、湿度が2から8%程度でもっとも消去性能が優れていることがわかる。
そして、画像形成に用いる紙の出荷時の水分は6%前後であるが、プリンターなどの画材を熱で定着させる方法で画像を形成すると、紙が乾燥してしまうので、消去性能は悪化する。また、冬場の乾燥した時期は紙を乾燥させてしまうので、さらに消去性能が悪化してしまう。さらに、印字を消去するための熱消去でも紙が乾燥するので、次に消去するときに消去性能が悪化してしまう。
このような、乾燥した紙であっても、熱消去で蒸発する水分を最小限にすることで消去性能を改善できる。すなわち、画像を加熱消去する場合、およそ130℃の温度で数時間加熱するが、その際に紙中に含まれる水分が蒸発するが、この水蒸気を消去装置外に排出することなく、装置内に閉じこめることによって、以後の消去性能の低下を防止することが可能となる。
この手段によって、過剰の水蒸気が紙の周囲に存在させることとした場合、画像の熱消去完了後に、紙を含めて消去装置内を冷却する過程で、雰囲気中に存在する水分が、冷却され、特に金属部品に結露した水滴が紙に滴り落ちてしまうことが発生する。
具体的には、図11に従来の消去装置の構成例を示す。図11(a)は、消去装置の正面図、図11(b)は消去装置の側面図、図11(c)は、図11(a)の装置をA−A’で切断した断面図である。図11(b)において、点線は、消去装置の蓋部分を開いた図である。図11からわかるように装置内部は可動部を有しているため、その潤滑油,ホコリ、さらにはサビを含んだ水滴になるので、紙表面に付着するとシミになる問題がある。また、水蒸気をロスしない構造、つまり紙周囲を閉塞空間にしてしまうと、冷媒(空冷の場合は空気)を紙に接触させて熱交換できないので、冷却効率が悪くなる。これら問題を起こさないで乾燥した紙であっても高い消去性能が得られる消去装置が求められていた。
特開平11−316527号公報
本発明は、これら従来の消去可能な画像記録材料の消去装置の問題点を改善するためになされたものであり、乾燥した紙であっても高い消去性能を得るために、水分の消去装置外への揮散を防止する消去装置において、消去のための加熱後の冷却過程で、消去装置の筐体に発生する結露によって紙が汚損することを防止することを目的としている。
本発明は上記問題点に基づきなされたもので、第一の発明は、紙を収容する紙収容容器に、紙を加熱する加熱器と、水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備する消去可能な画像の消去装置において、水蒸気調節具によって排出されない水蒸気を積極的に結露させる結露部を有することを特徴とする消去装置を提供するものである。
第二の発明は、紙を収容する紙収容容器に、紙を加熱する加熱器と、水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備する消去可能な画像消去装置において、水蒸気調節具によって排出されない水蒸気の結露を防止するエアーカーテンを形成することを特徴とする消去装置を提供するものである。
第三の発明は、水蒸気調整具で水蒸気の排出量を調節するために、紙収容容器の紙投入方向を印刷面に平行な方向とすることを特徴とする画像の消去装置を提供するものである。
第四の発明は、紙収容容器と蒸気調節具の水蒸気の流路において、脱臭器を具備することと、脱臭後の水蒸気が紙収容容器に循環できる流路を有することを特徴とする消去可能な画像の消去装置を提供するものである。
第五の発明は、筐体と、前記筐体内に配置され、消去可能画像を有する紙を収容する紙収容容器と、前記紙を加熱する加熱器と、前記筐体中に存在する水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備し、前記筐体が、前記筐体中に存在する水蒸気を結露させる結露部を有する消去装置を用いて、消去可能な画像を消去する方法であって、
前記紙収容容器に、画像を形成している紙を収容し、加熱器によって加熱し、所定の時間経過後に水蒸気調節具を操作して前記筐体内部の上記を排出する際に、前記水蒸気調整具が、前記紙を加熱しているときの前記水蒸気の排出量よりも、前記紙を冷却しているときの排出量を大きくすることを特徴とする画像の消去方法を提供するものである。
以上説明したように、本発明によれば従来の消去可能な画像記録材料の問題点を改善して、処理紙の汚損等を防止できる紙資源の再利用を可能にするので、工業的価値は大なるものがある。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態の消去装置について説明する。図1が本実施の形態の消去装置の断面図である。
この実施の形態の消去装置は、筐体と、前記筐体内に配置され、消去可能画像を有する紙を収容する紙収容容器と、前記紙を加熱する加熱器と、前記筐体中に存在する水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備する消去可能な画像の消去装置で、前記筐体が、前記筐体中に存在する水蒸気を結露させる結露部を有するものである。
上記実施の形態の消去装置において、結露部は、外気と水蒸気を熱交換できる構造であれば特に制約されない。さらに、凝集した水分を回収するために回収機構を有することが好ましい。この水分の回収機構は、結露を受け入れるトレーのような容器とすることができる。
さらに具体的に、本実施の形態の消去装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態の消去装置の断面図である。
図1において、消去装置100は、画像消去に必要な部材を収容する筐体101からなっており、この筐体101は、図11に示すように筐体本体1101aと、この筐体本体1101aにヒンジ機構1109を用いて開閉可能に設けられた筐体蓋体1101bとからなっている。図1に示すように、この筐体101内部には、主として、画像が形成されており、これを消去するための紙が収容される紙収容容器102が配置されており、この紙収容容器102は、スプリング111,112によって筐体本体101に固定されている。
前記紙収容容器102の上部及び下部には、紙を加熱するための加熱器103が配置されている。そして、この上部加熱器103の上には、断熱材108が配置されており、筐体101上部の過熱を防止できるようになっている。
さらに筐体101の上部である筐体蓋体の上面106において、筐体101内の水蒸気が冷却され凝縮して生成する水滴を集めるためのトレー107が配置されている。上記トレー107及び断熱材108は、結合部材115,116によって、筐体101の上部に固定されている。前記トレー107に集められた水滴は、フレキシブルチューブによって、筐体下部に配置されているタンク110に集められるようになっている。
そして、筐体101には、水蒸気調節具104が接続されており、これによって、筐体101内の湿度を調整することができるようになっている。
水蒸気調節具104は、筐体101内部の水蒸気を導入し筐体101の外部に排出するためのものであり、その排出量を調整する機能を有するものを使用することができる。具体的にはニードルバルブ,ストップバルブなどの弁を利用できる。弁の開口率は紙の水分量または、周囲の気温、湿度を考慮して手動で開閉する。さらにセンサーと組み合わせることで自動的に開口率を調整してもよい。センサーは、紙の抵抗値から計算する水分計、紙収容容器内部を測定する湿度計、または圧力計などが利用できる。
上記消去装置100において、筐体蓋体上面である天板106及びトレー107のような水分回収機構で、本願発明の結露部015を構成している。
(消去方法)
上記構造の消去装置を用いて、画像が形成されている紙を消去するに当たって、紙収容容器に紙を収容し、紙収容容器から排出される水蒸気の量を水蒸気調節具で調節する場合、水蒸気調節具によって排出されない水蒸気を積極的に結露させる結露部を具備することによって、水蒸気が紙収容容器内に結露した水滴が紙表面に付着することを防止することができる。
水蒸気の結露は、熱消去が完了した後、紙を冷却する際に起こる。結露は熱伝導率の高い金属部品で発生し、底部に向かって滴り落ちたり流れ落ちたりする。シミは冷却過程だけでなく、冷却完了後に紙収容容器から紙を取り出すときにも発生する。紙を取り出す動作は金属部品を振動させ、大量の雫を落下させるからである。また、振動だけでなく、紙収容容器を開閉するための可動によっても蓄積した水が流れ落ちてくる。
紙収容容器は紙を収容して水蒸気の流出を防止する構造であれば特に制約されない。紙を加熱する加熱器の位置は紙収容容器内部に制限されない。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。
この実施例は第一の発明を用いた例である。図1にその基本構成を示す。紙を収容する紙収容容器に、紙を加熱する加熱器と、水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備する消去可能な画材の消去装置において、水蒸気を積極的に結露させる部位を設けている。
図2と同様に、消去可能な画材で形成された紙を収容するために、紙収容容器は上下分割構造になっており、上部を開閉して紙の出し入れを行うことができる。また上部のヒーターは紙収容容器上部と連動して移動する。水蒸気調節具としてはニードルバルブを利用している。ニードルバルブの開閉は室内(紙の利用環境)の湿度を参考にして調整する。
結露部位は天板を介して外気と水蒸気が熱交換できる構造になっている。結露した水滴は、結露部位の下部に設置したトレーに回収される。さらにトレーはドレンタンクとフレキシブルパイプで連結されているので、トレー内部の液滴をドレンタンクに収容可能である。これにより、紙収容容器の開閉を行ってもトレーから水滴が流出することがない。
(画像形成材料)
以下本実施の形態において用いることのできる画像形成材料について説明する。本消去装置において、消去可能な画像形成材料は、前記特許文献1に記載されているように、呈色性化合物と、顕色剤と、消去剤とから主としてなるものであり、さらにこれに加えて、帯電制御剤、ワックス、外部添加剤、可塑剤などを添加することも出来る。以下これらの材料について説明する。
(呈色性化合物)
本発明で用いることのできる消去可能な画材の呈色性化合物としては、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類等の電子供与性有機物が挙げられる。具体的には、クリスタルバイオレットラクトン(CVL)、マラカイトグリーンラクトン、2−アニリノ−6−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−メチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、3−[4−(4−フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、2−アニリノ−6−(N−メチル−N−イソブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、2−アニリノ−6−(ジブチルアミノ)−3−メチルフルオラン、3−クロロ−6−(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2−クロロ−6−(ジエチルアミノ)フルオラン、7−(N,N−ジベンジルアミノ)−3−(N,N−ジエチルアミノ)フルオラン、3,6−Bis(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、3−ジエチルアミノベンゾ[a]−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−キシリジノフルオラン、3−(4−ジエチルアミノ−2−エソキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタライド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3−ジエチルアミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン、3,3−Bis(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタライド、3,6−ジメチルエソキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メソキシ−7−アミノフルオラン、DEPM、ATP,ETAC、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリーンカルビノール、N−(2、3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8’−メトキシ−N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、3,6−ジ−p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオラン−フェニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メチルフルオラン等が例示される。これらは1種または2種以上を混合して用いることが可能である。呈色性化合物を適宜選択すれば多様な色の発色状態が得られることからカラー対応も容易である。
(顕色剤)
また、顕色剤としては、フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩類、ベンゾフェノン類、スルホン酸、スルホン酸塩、リン酸類、リン酸金属塩類、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステル金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して用いる。この中でも特に好適な材料を具体的に記載すると、没色子酸、及び没色子酸メチル、没色子酸エチル、没色子酸n−プロピル、没色子酸i−プロピル、没色子酸ブチルなど没色子酸エステル、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルなどジヒドロキシ安息香酸及びソノエステル、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,6−ジヒドロキシアセトフェノン、3,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノンなどヒドロキシアセトフェノン類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4‘−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4‘−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4‘−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどヒドロキシベンゾフェノン類、2,4’−ビフェノール、4,4’−ビフェノールなどビフェノール類、4−[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4−[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,6−ビス[(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール、4,4‘−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(ベンゼン−1,2,3−トリオール)]、4,4‘−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビス(1,2−ベンゼンジオール)]、4,4’,4‘’−エチリデントリスフェノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレントリス−p−クレゾールなど多価フェノール類が挙げられる。
(消去剤)
本実施の形態で用いる消去剤は、上記呈色性化合物および顕色剤のいずれか一方と優先的に相溶性を示す材料であり、画像形成材料が高温に加熱された場合、この消去剤が、呈色性化合物もしくは顕色剤と優先的に相溶することによって画像形成材料を無職化するものである。
かかる消去剤としては、ステロール化合物、コール酸、リトコール酸、テストステロン、コルチゾン、ヒドロキシル基含有脂環式化合物などを挙げることが出来る。
(帯電制御剤)
消去可能トナー用の帯電制御剤としては、消去した際に帯電制御剤の色が残らないことが必要であるため、無色または透明であることが必須である。そこで一般に使われる帯電制御剤のうち、負帯電の材料としてはオリエント化学のE−84(サリチル酸亜鉛化合物)、日本化薬のN−1、N−2、N−3(ともにフェノール系化合物)、藤倉化成のFCA−1001N(スチレン−スルホン酸系樹脂)などが、正帯電の材料としては保土谷化学のTP−302(CAS#116810−46−9)、TP−415(同116342−25−2)、オリエント化学のP−51(4級アミン化合物)、AFP−B(ポリアミンオリゴマー)、藤倉化成のFCA−201PB(スチレン−アクリル四級アンモニウム塩系樹脂)などの化合物が好適な材料として例示される。
(ワックス類)
消去可能トナーにおいては、必要に応じて、定着性を制御するためのワックス類などを配合してもよい。本発明に用いるワックス類としては、高級アルコール、高級ケトン、高級脂肪族エステルからなる呈色性化合物を発色することがない成分で構成されていることが好ましく、酸価で規定するならば10以下が良い。また、これらは、重量平均分子量が102〜105、さらには102〜104のものが好ましく用いられる。このような範囲であるならば、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリブチレン、低分子量ポリアルカンなどを用いることもできる。これらの添加量は、0.1〜30重量部、さらには0.5〜15重量部が好ましく用いられる。尚、ヒートロール定着用トナーは、添加量が5重量部以内でヒートロールからの離型性能を付与するために添加されるものであり、圧力定着用トナーは、主成分がこのワックスで、マイクロカプセル構造の芯の部分になる。
(外部添加剤)
本発明の消去可能トナーにおいては、必要に応じて、流動性、保存性、耐ブロッキング性、感光体研磨性等を制御するための外部添加剤などを配合してもよい。外部添加剤としては、シリカ微粒子、金属酸化物微粒子、クリーニング助剤等が用いられる。シリカ微粒子としては、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム等があげられる。金属酸化物微粒子としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等があげられる。クリーニング助剤としては、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂微粉末等があげられる。これら外部添加剤は、疎水化などの表面処理が施されたものであってもよい(疎水化処理は、トナーに使う場合ほとんどが行われている。負帯電の場合は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤が使われる。また、正帯電の場合は、アミノシラン系、側鎖にアミンを有するシリコーンオイルなどの処理剤が使われる)。これら外部添加剤の添加量は、トナー100重量部に対して0.05〜5重量部。さらには、0.1〜3.0重量部が好ましい。また、一次粒子の個数平均粒径は、シリカ微粒子10〜20nmがよく用いられ、他に〜100nmの粒子も用いられる。シリカ以外の材料では、粒径が大きくなり、0.05〜3μmの個数平均径を持った粒子が用いられる。
(可塑剤)
本発明の消去可能トナーにおいては、必要に応じて可塑剤を添加してもよい。可塑剤としては、フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、セバシン酸誘導体、マレイン酸誘導体、フマル酸誘導体、トリメリット酸誘導体、クエン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール誘導体、ステアリン酸誘導体、スルホン酸誘導体、リン酸誘導体、グリセリン誘導体、パラフィン誘導体、ジフェニル誘導体が挙げられる。
(画像消去条件)
上記組成の消去可能画像形成材料を用いて形成した画像等は、130℃以上の温度で、2時間程度以上の時間加熱することによって、画像等を消去することが出来る。湿度は、2〜10%の範囲が好ましい。
[第1の実施の形態:変形例1]
本変形例は、前記第1の実施の形態において、結露部として、筐体の天板を利用していたものを、さらに熱交換を高めるために、天板にフィンを形成したものである。
図2に、この実施の形態の消去装置の断面図を示す。図2において、図1と同一の機能を有する部材にはついては、符号を省略している。図2の221が天板に形成したフィンである。このフィンは、天板106の上に設けてもよいし、天板106を貫通する形態で設けてもよい。この場合には、この結露部で生成した水滴が、フィンを伝わって落下するためスムーズに水滴を、水分回収機構であるトレーに回収することができる。
[第1の実施の形態:変形例2]
この変形例は、消去装置の断面図である図3に示すように、結露部を構成する天板106の下面に、突起構造321を形成することにより、熱交換効率を向上できると同時に、結露した水分の液滴形成を促進するものである。この構成とすることによって、水滴は自重により、前記第1の実施の形態の構造と比較して容易に落下し、回収トレーに収容できるようになる。
この突起構造321は、図3に示すように円錐状突起であってもよいし、棒状突起であってもよい。この突起の設置数は、多いほどよいが、コストアップの要因となる。
[第1の実施の形態:変形例3]
この変形例は、消去装置の断面図である図9に示すように、水分回収機構であるトレー907の底部を傾斜させ、トレー907に溜まった水分を、フレキシブルチューブ側に流れやすくし、これによって、水分の回収を容易にするものである。
[第1の実施の形態:変形例4]
上記第1の実施の形態及び変形例1〜3においては、水分回収機構として、トレーを用いる例を示したが、これに代えて、水分を吸収する吸収剤を用いてもよい。具体的には、ブロック状に形成した水分吸収剤を天板の下部近辺に配置することによって、実現することができる。
この変形例によれば、トレーのような水分を回収する機構を設ける必要がなくなる上、吸収剤に吸収された水分は、次に画像消去のための加熱時に再蒸発するので紙収容容器内の加湿に利用できる効果を有する。
[第2の実施の形態]
本実施の形態の消去装置は、天板における結露を防止する手段として、エアーカーテンを用いるものである。エアーカーテンの発生方法は特に制約されないが、消去装置の筐体側面に配置する逆止弁を利用できる。以下、消去装置の断面図である図4を用いて説明する。
図4において、図1と同等の部材についてはその符合付与及び説明を省略する。
図4において、消去装置の筐体側面に逆止弁421を設け、筐体外部からの空気を導入し、その気流によって、処理するための紙から発生する水蒸気が天板に接近することを防止して、結露を防ぐものである。
水蒸気の結露は、加熱消去が終了した後、冷却する過程で生じる。冷却する過程で、水蒸気調節具で排出する水蒸気量を増やすことで、逆止弁からは流入するガスの流れを形成することができる。このときのガス流によって、エアーカーテンの効果が得られる。
すなわち、水蒸気調節具を開口して水蒸気調節具から筐体内部の空気が外部に排出すると同時に逆止弁421から外部の空気を導入され、エアーカーテンが安定して形成される。
[第2の実施の形態:変形例]
この変形例は、上記第2の実施の形態において、逆止弁からの空気の流入が十分ではない場合に、強制的にファンなどで空気を圧入してエアーカーテンを安定して形成するものである。
この消去装置について、消去装置の断面図である図5に示す。図5に示すように、送風機522を、逆止弁521に近接して設け、逆止弁からの空気の流入を補助している。
[第3の実施の形態]
前記各実施の形態においては、紙収容容器としてトレー状の容器を用い、紙は紙収容容器の上方から配置・取り出しを行う例を示したが、紙収容容器の側面から紙の配置・取り出しを行うこともできる。
この実施の形態について、消去装置の断面図である図6を用いて説明するが、図6において、図1と同一の機能を有する部材について、符合の付与及び詳細な説明は省略する。
この装置は、図6に示すように、筐体101の側面に開口を形成し、この開口から紙収容容器621を送入・取り出し可能にするものである。紙収容容器であるトレーの端部623は、筐体に設けた開口の蓋体を兼ねることが好ましい。この場合、トレーの端部623は、筐体に設けた開口を覆被する程度の大きさとし、筐体の開口端部との間にパッキンなどのシール部材622を介在させるようにすることが好ましい。これによって、開口部と紙収容容器の接触面からの水蒸気の流出を防ぐことができる。
この装置によれば、消去装置への紙の投入・排出は、トレーの出し入れによって行うことが可能となり、操作が容易になる。また、この構成は紙収容容器の開口部が最小限になるので水蒸気のリークも最小限にできる上、図11の構成のように結露部位が斜めにならないので、上部に溜まった水滴が流れ出ない利点もある。
この装置において、トレーの出し入れに連動して紙加熱用の加熱器は上下移動可能とすることが好ましい。
[第4の実施の形態]
本発明の消去装置によって、消去可能な画像を処理する際に、処理する紙は高温に加熱されるため、紙に含まれる臭気成分が揮散し、消去装置の操作者に不快感を与えることがあり得る。本実施の形態は、消去装置から排出される気体出口である水蒸気調節具に脱臭装置を配置し、臭気成分を除去するものである。
この装置の断面図を図7に示す。図7において、図1と同一の機能を有数部材については、符合の付与及び詳細な説明を省略する。
図7において、脱臭器721を、筐体101と水蒸気調節具722との間に配置し、筐体101からの水蒸気を脱臭器721と、水蒸気調節具722とを経由して筐体外に排出するようになっている。この脱臭器721は、筐体と水蒸気が自由に流通することができるように設置すると好ましい。これによって、水蒸気が多数回脱臭器と接触することになり、脱臭効率が向上する。従って小型の脱臭器を採用することが可能になる。
[第5の実施の形態]
上記各実施の形態においては、水蒸気調節具の操作は、消去装置が配置されている雰囲気に含まれる水蒸気量等を考慮して手動で操作する例を示した。本実施の形態においては、水蒸気調節具の操作を自動で行うものである。
本実施の形態の消去装置の断面図を図8に示す。図8において、図1と同一の機能を有する部材については、その符合の付与及び詳細な説明を省略する。
この実施の形態の装置は、紙収容容器102の下部に、紙の含水率を測定できる水分計821を具備している。この水分計821で測定される水分量の結果を受けて、水蒸気調節具104の開度は自動的に調整される。紙は水分が高いほど電気抵抗が低下する特徴を持っているので、水分計は抵抗値を測定して水分を求めることができる。図12からわかるように、消去に最適な水分量6%を維持するように、水分量が6%未満のときは水蒸気調節具を閉じ、反対に6%以上では水蒸気調節具を開いて、水蒸気を積極的に排出する。これによって、きめ細かく水蒸気量を制御することができ、画像消去効率を向上させることが可能になる。水分計の制御及び水蒸気調節具の制御は、筐体内部に配置する制御回路によって行うことができる。
[第6の実施の形態:画像の消去方法]
以下、上記第1の実施の形態で説明した消去装置を用いて画像を消去する方法について説明する。
まず、前記紙収容容器に、画像を形成している紙を収容する。この際、紙の量は、多数を同時に処理することが効率の点で好ましく、概ね数百枚を同時に投入することが好ましい。
筐体蓋体を閉じた後、加熱器を用いて、紙を加熱する。加熱温度及び加熱時間は、画像形成材料によって異なるが、概ね110℃以上、1時間以上の条件とすることができる。温度をあまりに上げすぎると、処理紙の品質を劣化させるため好ましくない。また、時間も長時間に渡る加熱を行うと、紙の劣化をまねくばかりではなく、エネルギーのロスにつながり好ましくない。
加熱時にも、筐体内部の水分量が、6%を上回る場合、水蒸気調節具を操作して、最適な水分量となるように、水蒸気を排出することが好ましい。
所定の時間加熱を行った後、水蒸気調節具を操作して、筐体内部の水蒸気を排出するとともに、加熱されている紙を冷却する。
この際に、前記水蒸気調整具からは水蒸気が排出されるが、前記紙を加熱しているときの前記水蒸気の排出量よりも、前記紙を冷却しているときの排出量を大きくすることが好ましい。
冷却時の排出量を増やすことによって、紙収容容器内の熱を排気して冷却効率を向上させる効果がある。さらに、紙収容容器内の結露量を低減する効果がある。外気を積極的に紙収容容器内に取り込んで、熱気の排出と、結露防止を加速させてもよい。排出量
のコントロールはヒーターの停止と連動させる方法、タイマーで制御する方法などが利用できる。
本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 本発明の消去装置の一例を示す断面図。 従来の消去装置を示す図。 画像を消去する際の水分量と消去性能の関係を示すグラフ。
符号の説明
100…消去装置
101…筐体
102…紙収容容器
103…加熱器
104…水蒸気調節具
105…結露部
106…天板(筐体結露部)
107…トレー
108…断熱材
109…ヒンジ機構
110…タンク
111…スプリング
112…スプリング
113…制御回路
114…取っ手
115…結合部材
116…結合部材
117…スイッチ
221…フィン
321…結露突起
421…逆止弁
521…逆止弁
522…送風機
621…紙収容容器
622…パッキン
721…脱臭器
722…水蒸気調節具
821…水分計
907…トレー
1101a…筐体本体
1101b…筐体蓋体
1109…ヒンジ機構
1114…取っ手
1116…スイッチ

Claims (5)

  1. 筐体と、前記筐体内に配置され、消去可能画像を有する紙を収容する紙収容容器と、前記紙を加熱する加熱器と、前記筐体中に存在する水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備する消去可能な画像の消去装置であって、
    前記筐体が、前記筐体中に存在する水蒸気を結露させる結露部を有することを特徴とする消去装置。
  2. 筐体と、前記筐体内に配置され、消去可能画像を有する紙を収容する紙収容容器と、前記紙を加熱する加熱器と、前記筐体中に存在する水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備する消去可能な画材の消去装置において、
    前記加熱器による加熱の結果発生する水蒸気が前記筐体上部に接触することを阻止するエアーカーテン形成手段を備えたことを特徴とする消去装置。
  3. 水蒸気調整具で水蒸気の排出量を調節するために、紙収容容器の紙投入方向を印刷面に平行な方向とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の消去可能な画材の消去装置。
  4. 前記紙収容容器と前記水蒸気調節具の水蒸気の流路において、脱臭器を具備することと、脱臭後の水蒸気が紙収容容器に循環できる流路を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の消去可能な画材の消去装置。
  5. 筐体と、前記筐体内に配置され、消去可能画像を有する紙を収容する紙収容容器と、前記紙を加熱する加熱器と、前記筐体中に存在する水蒸気の排出量を調整する水蒸気調節具を具備し、前記筐体が、前記筐体中に存在する水蒸気を結露させる結露部を有する消去装置を用いて、消去可能な画像を消去する方法であって、
    前記紙収容容器に、画像を形成している紙を収容し、加熱器によって加熱し、所定の時間経過後に水蒸気調節具を操作して前記筐体内部の上記を排出する際に、前記水蒸気調整具が、前記紙を加熱しているときの前記水蒸気の排出量よりも、前記紙を冷却しているときの排出量を大きくすることを特徴とする画像の消去方法。

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