JP2009079863A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 並列に接続されている蒸発圧力が異なる複数台の蒸発器を同時に運転し、温度の異なる複数室を同時に冷却することができるマルチサイクルの冷凍装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 圧縮機2と、凝縮器3と、第1膨張弁4および第2膨張弁5を介して互いに並列に接続される複数台の低温側蒸発器6および高温側蒸発器7とを順次冷媒回路8により接続して構成したマルチサイクル9の冷凍装置1において、圧縮機2として中間ポート2Cを備えた圧縮機2を用い、低温側蒸発器6の吸入側冷媒回路8Aを圧縮機2の吸入ポート2Aに接続するとともに、高温側蒸発器7の吸入側冷媒回路8Bを圧縮機2の中間ポート2Cに接続した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、それぞれ膨張弁を介して互いに並列に接続される複数台の低温側蒸発器および高温側蒸発器を備え、温度が異なる複数室の冷却に用いられるマルチサイクルの冷凍装置に関するものである。
冷凍車両や輸送用コンテナ等に適用される輸送用冷凍装置においては、冷蔵室と冷凍室等のように温度の異なる2室を同時に冷却しなければならないものがある。この場合、圧縮機と、凝縮器と、低温側膨張弁および高温側膨張弁を介して互いに並列に接続される複数台の低温側蒸発器および高温側蒸発器とを冷媒回路により接続して構成したマルチサイクルの冷凍装置が用いられる。
上記のようなマルチサイクルの冷凍装置では、圧縮機は1台で、並列に接続された2つの蒸発器に対して別々の膨張弁により異なる圧力に減圧された冷媒を流通させても、蒸発器の出口側が同じ圧縮機の同じ吸入ポートに接続されるため、2つの蒸発器の出口側圧力が同じ圧力になってしまう。このため、2つの蒸発器の蒸発圧力を独立して個別に制御することができず、各蒸発器により冷却される温度の異なる複数の室をそれぞれ安定した温度に制御ができなかった。
そこで、冷却温度が異なる複数の室、例えば、−18℃に冷却される冷凍室と0℃に冷却される冷蔵室の冷却に供されるマルチサイクルの冷凍装置では、低温側蒸発器および高温側蒸発器をそれぞれ独立した蒸発圧力に制御し、互いに異なる温度で運転できるようにするため、低温側蒸発器および高温側蒸発器を所定時間間隔で交互に運転し、それぞれの室を上記の設定温度に制御する方法を採っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−180751号公報(表1および段落0042)
しかしながら、冷蔵室や冷凍室内の冷却温度を設定温度に対して高精度で制御する必要がある輸送用冷凍装置にあって、短い時間間隔であるとはいえ、複数台の蒸発器を交互に運転しなければならないため、プルダウン時間が長くなってしまうという問題がある。また、負荷変動が激しく両室共にサーモオン/オフを繰り返すような場合、交互運転では温度変動幅が大きくなってしまう可能性があり、こうした点から温度制御性について、改善すべき課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、並列に接続されている蒸発圧力が異なる複数台の蒸発器を同時に運転し、温度の異なる複数室を同時に冷却することができるマルチサイクルの冷凍装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の冷凍装置は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる冷凍装置は、圧縮機と、凝縮器と、第1膨張弁および第2膨張弁を介して互いに並列に接続される複数台の低温側蒸発器および高温側蒸発器とを順次冷媒回路により接続して構成したマルチサイクルの冷凍装置において、前記圧縮機として中間ポートを備えた圧縮機を用い、前記低温側蒸発器の吸入側冷媒回路を前記圧縮機の吸入ポートに接続するとともに、前記高温側蒸発器の吸入側冷媒回路を前記圧縮機の中間ポートに接続したことを特徴とする。
本発明によれば、低温側蒸発器の吸入側冷媒回路を圧縮機の吸入ポートに接続するとともに、高温側蒸発器の吸入側冷媒回路を圧縮機の中間ポートに接続しているため、低温側蒸発器および高温側蒸発器をそれぞれ第1膨張弁および第2膨張弁により独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することができる。従って、温度が異なる複数室の冷却に用いられるマルチサイクルの冷凍装置に適用することにより、その温度制御性を高め、低温側蒸発器および高温側蒸発器を交互運転するものに比べ、低温側および高温側を共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上記の冷凍装置において、前記凝縮器の出口側で分流され、第3膨張弁を経て減圧された液冷媒を蒸発させることにより前記低温側蒸発器に流通される液冷媒に過冷却を与える中間冷却器を備え、該中間冷却器を流通した前記分流冷媒を前記圧縮機の中間ポートに導くエコノマイザ回路を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、エコノマイザ回路を機能させて低温側蒸発器をエコノマイザ運転することにより、その冷却能力を増大することができると同時に、低温側蒸発器および高温側蒸発器をそれぞれ独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することができる。従って、エコノマイザ効果により冷却性能および成績係数(COP)の向上を図ることができるとともに、低温側および高温側を共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上記の冷凍装置において、前記圧縮機の中間ポートに接続された前記高温側蒸発器用の冷媒回路と、前記中間冷却器を備えた前記エコノマイザ回路とを共用化し、この共用回路に前記第3膨張弁、前記中間冷却器、および前記高温側蒸発器を順次配設したことを特徴とする。
本発明によれば、第3膨張弁により分流冷媒を減圧して中間冷却器を機能させ、低温側蒸発器をエコノマイザ運転することにより、低温側蒸発器の冷却能力を増大することができると同時に、第3膨張弁の開度調整により、高温側蒸発器の温度を制御し、高精度に温度制御することができる。従って、エコノマイザ効果により冷却性能および成績係数(COP)の向上を図ることができるとともに、低温側および高温側を共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。また、高温側蒸発器用冷媒回路とエコノマイザ回路とを共用化することにより、エコノマイザ回路を備えたマルチサイクルの冷媒回路を簡素に構成することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上記の冷凍装置において、前記凝縮器の出口側から前記第3膨張弁および前記中間冷却器をバイパスして前記高温側蒸発器に冷媒を導く第4膨張弁を備えたバイパス回路を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、エコノマイザ回路を使用しない場合や高温側蒸発器が能力不足に陥る可能性がある場合、第3膨張弁を閉じることによって、凝縮器の出口側からバイパス回路を介して液冷媒を高温側蒸発器に導入し、第4膨張弁を用いて高温側蒸発器における温度を制御することができる。これにより、高温側蒸発器用冷媒回路とエコノマイザ回路とを共用化した場合において発生が懸念される高温側蒸発器の能力不足等の問題を解消することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上記の冷凍装置において、前記低温側蒸発器へと冷媒を導く液冷媒回路の前記中間冷却器の出口側から前記高温側蒸発器に冷媒を導く第5膨張弁を備えた冷媒回路を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、エコノマイザ回路を使用しない場合時や高温側蒸発器が能力不足に陥る可能性がある場合、第3膨張弁を閉じることによって、中間冷却器の出口側の液冷媒回路から冷媒回路を介して液冷媒を高温側蒸発器に導入し、第5膨張弁を用いて高温側蒸発器における温度を制御することができる。これにより、高温側蒸発器用冷媒回路とエコノマイザ回路とを共用化した場合において発生が懸念される高温側蒸発器の能力不足等の問題を解消することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上記の冷凍装置において、前記第2膨張弁および前記高温側蒸発器を備えた前記高温側蒸発器用の冷媒回路と、前記第3膨張弁および中間冷却器を備えた前記エコノマイザ回路とを互いに独立した並列回路とし、両回路を共に前記圧縮機の中間ポートに接続したことを特徴とする。
本発明によれば、高温側蒸発器用冷媒回路とエコノマイザ回路とを互いに独立した並列回路とし、両回路を共に圧縮機の中間ポートに接続しているため、低温側蒸発器をエコノマイザ運転しながら、その影響を受けずに高温側蒸発器を独立に温度制御することができる。従って、エコノマイザ効果を十分に得ながら、低温側蒸発器および高温側蒸発器をそれぞれ独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転して、低温側および高温側共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上記の冷凍装置において、前記高温側蒸発器用の冷媒回路を、前記中間冷却器の出口側において前記低温側蒸発器へと冷媒を導く液冷媒回路に接続したことを特徴とする。
本発明によれば、高温側蒸発器用冷媒回路を中間冷却器の出口側において低温側蒸発器へと冷媒を導く液冷媒回路に接続しているため、低温側蒸発器のエコノマイザ運転時に中間冷却器で過冷却された冷媒を高温側蒸発器に導入することができる。この場合、高温側蒸発器においても冷却性能を向上させることができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上述のいずれかの冷凍装置において、前記高温側蒸発器の出口側と前記圧縮機の中間ポートとを接続する吸入側冷媒回路に切替弁を介して前記圧縮機の吸入ポートに連通される低圧冷媒回路を接続し、前記高温側蒸発器の出口側を前記圧縮機の中間ポートまたは吸入ポートのいずれかに選択的に切り替え接続可能としたことを特徴とする。
本発明によれば、切替弁を介して高温側蒸発器の出口側を圧縮機の吸入ポート側に連通するように切り替え接続することにより、高温側蒸発器を低温側蒸発器と同様の蒸発圧力に制御し、同じ温度で同時運転することが可能となる。従って、複数室を異なる温度に冷却する場合に限らず、複数室を同じ温度に冷却する場合にも適用でき、マルチサイクルの冷凍装置の使用範囲を拡大することができる。
さらに、本発明の冷凍装置は、上述のいずれかの冷凍装置において、前記低温側蒸発器および前記高温側蒸発器の入口側冷媒回路間および出口側冷媒回路間にそれぞれ切替弁により構成されるブリッジ回路を設け、低温側と高温側とを切り替え可能としたことを特徴とする。
本発明によれば、低温側蒸発器および高温側蒸発器の入口側と出口側とに設けたブリッジ回路を切り替えることにより、低温側蒸発器を高温側蒸発器として、また高温側蒸発器を低温側蒸発器としてそれぞれ切り替え使用することができる。従って、被冷却物の都合等により低温側室と高温側室とを切り替えて使用したい場合等にも、それに対応することが可能であり、マルチサイクルの冷凍装置の使用範囲を更に拡大することができる。
本発明によると、高温側蒸発器の吸入側冷媒回路を圧縮機の中間ポートに接続した構成の採用により、低温側蒸発器および高温側蒸発器をそれぞれ独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することが可能となるため、温度が異なる複数室の冷却に用いられるマルチサイクルの冷凍装置に適用することにより、その温度制御性を高めることができ、低温側蒸発器および高温側蒸発器を交互運転するものに比べ、低温側および高温側共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態にかかるマルチサイクルの冷凍装置1の冷凍サイクル図が示されている。本実施形態にかかる冷凍装置1は、圧縮機2と、凝縮器3と、第1膨張弁(膨張弁1)4および第2膨張弁(膨張弁2)5を介して互いに並列に接続される複数台の低温側蒸発器6および高温側蒸発器7とを冷媒回路8により接続して構成したマルチサイクル9を備えている。
圧縮機2には、低圧の冷媒ガスを吸入する吸入ポート2Aと、吸入した低圧冷媒ガスを高温高圧状態に圧縮し、それを圧縮機2から冷媒回路8側に吐出する吐出ポート2Bの他に、中間圧の冷媒ガスを圧縮途中の冷媒ガス中に吸い込む中間ポート2Cを備えた構成の圧縮機2が用いられる。このような中間ポート2Cを備えた圧縮機2は、特に新しいものではなく、エコノマイザ用のガスインジェクションポートを備えた圧縮機として広範に使用されている公知のものであってよい。
本実施形態の冷凍装置1においては、上記構成の圧縮機2に対して、低温側蒸発器6の出口側に接続されている吸入側冷媒回路8Aを圧縮機2の吸入ポート2Aに接続するとともに、高温側蒸発器7の出口側に接続されている吸入側冷媒回路8Bを圧縮機2の中間ポート2Cに接続することによって、マルチサイクル9を構成している。
以上説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
圧縮機2で圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、凝縮器3に送られ、凝縮液化される。この高圧液冷媒は、凝縮器3の出口側で低温側蒸発器6へと冷媒を導く冷媒回路8Cと高温側蒸発器7へと冷媒を導く冷媒回路8Dに分流され、両回路に並行して流通される。冷媒回路8Cに流通された高圧液冷媒は、第1膨張弁(膨張弁1)4により低圧状態に減圧された後、低温側蒸発器6に流入し、低温側蒸発器6が設置されている冷凍室内の空気と熱交換して蒸発ガス化され、吸入側冷媒回路8Aを介して圧縮機2の吸入ポート2Aに吸入される。これによって、低温側蒸発器6が設置されている冷凍室は、例えば、−18℃に冷却される。
一方、冷媒回路8Dに流通された高圧液冷媒は、第2膨張弁(膨張弁2)5により第1膨張弁4よりも高い中間圧に減圧された後、高温側蒸発器7に流入し、高温側蒸発器7が設置されている冷蔵室内の空気と熱交換して蒸発ガス化され、吸入側冷媒回路8Bを介して圧縮機2の中間ポート2Cに吸入される。これによって、高温側蒸発器7が設置されている冷蔵室は、例えば、0℃に冷却される。
本実施形態では、上記したように、低温側蒸発器6の出口に接続されている吸入側冷媒回路8Aと、高温側蒸発器7の出口に接続されている吸入側冷媒回路8Bとを、圧縮機2の異なる圧力の吸い込みポート、すなわち吸入ポート2Aと中間ポート2Cとに接続しているため、低温側蒸発器6の蒸発圧力と高温側蒸発器7の蒸発圧力とをそれぞれ第1膨張弁4と第2膨張弁5とにより異なる圧力で個別に制御することが可能となる。つまり、低温側蒸発器6の蒸発圧力を第1膨張弁(膨張弁1)4により冷凍領域の温度が得られる低圧圧力に制御し、高温側蒸発器7の蒸発圧力を第2膨張弁(膨張弁2)5により冷蔵領域の温度が得られる中間圧圧力に制御して同時運転することができる。
そして、第1膨張弁(膨張弁1)4および第2膨張弁(膨張弁2)5の開度を調節することにより、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7での蒸発温度を制御し、低温側蒸発器6が設置された冷凍室および高温側蒸発器7が設置された冷蔵室の温度をそれぞれの設定温度に対して高精度に制御することができる。
従って、冷凍室と冷蔵室等にように温度が異なる複数の室を同時に冷却しなければならないマルチサイクルの冷凍装置に適用して、その温度制御性を高めることができるとともに、低温側蒸発器および高温側蒸発器を交互に運転するものに比べ、低温側および高温側を共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、エコノマイザ回路13を備えたマルチサイクルとしている点が異なっている。その他の点は、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。図2には、本実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)が示されている。
本実施形態では、凝縮器3の出口側から高温側蒸発器7へと冷媒を導く冷媒回路8Dに設けた第3膨張弁(膨張弁2)11の下流側と、低温側蒸発器6へと冷媒を導く冷媒回路8Cとの間に、両冷媒回路内の冷媒/冷媒同士を熱交換する二重管熱交換器等により構成されるエコノマイザ用の中間冷却器12を設けている。
上記中間冷却器12は、凝縮器3の出口側で分流された液冷媒を、第3膨張弁(膨張弁2)11により減圧し、その冷媒の蒸発潜熱により冷媒回路8C内を流通する液冷媒に過冷却を付与するものであり、中間冷却器12で冷媒回路8C内の液冷媒に過冷却を付与して蒸発した冷媒を圧縮機2の中間ポート2Cに導くことによりエコノマイザ回路13を構成している。本実施形態では、高温側蒸発器7用の冷媒回路8Dとエコノマイザ回路13とを共用化して1つの回路とするとともに、高温側蒸発器7用の膨張弁と中間冷却器12用の膨張弁とを共用化して1つの第3膨張弁(膨張弁2)11としている。
また、本実施形態においては、高温側蒸発器7の出口側と圧縮機2の中間ポート2Cとを接続する吸入側冷媒回路8Bに電磁弁(SV2)14を設置するとともに、この電磁弁(SV2)14の入口側と吸入側冷媒回路8Bとを電磁弁(SV1)15を備えた低圧冷媒回路16により接続し、電磁弁(SV2)14および電磁弁(SV1)15のオン/オフ切り替えにより高温側蒸発器7の出口側を圧縮機2の中間ポート2Cまたは吸入ポート2Aのいずれかに選択的に切り替え接続可能としている。
以上説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
図2(B)に示されるように、低温側蒸発器6を設置した冷凍室側の設定温度(SP)を−18℃、高温側蒸発器7を設置した冷蔵室側の設定温度(SP)を0℃としている。まず、プルダウン運転時、電磁弁(SV1)15をオン(開)、電磁弁(SV2)14をオフ(閉)、第1膨張弁(膨張弁1)4をオン、第3膨張弁(膨張弁2)11をオン、低温側蒸発器6のファン(図示省略)をオン、高温側蒸発器7のファン(図示省略)をオンとして運転を開始する。この場合、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7の出口側は、共に圧縮機2の吸入ポート2Aに連通接続され、同じ蒸発圧力(低圧圧力)となり、低温側(冷凍室側)および高温側(冷蔵室側)は、共に通常サイクルにより運転される。
低温側蒸発器6と高温側蒸発器7を共に通常サイクルとしてプルダウン運転すると、設定温度(SP)が高い冷蔵室側の方が先に設定温度(0℃)に到達する。この時、電磁弁(SV1)15がオフ(閉)、電磁弁(SV2)14がオン(開)、高温側蒸発器7のファン(図示省略)がオフとされるため、高温側(冷蔵室側)の冷却運転は停止される(ただし、冷媒は流れる)。この場合、第3膨張弁(膨張弁2)11オン、電磁弁(SV2)14がオン(開)とされてエコノマイザ回路13が機能するため、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転により、高性能(高能力)、高効率(高COP)で運転される。
冷却運転の停止により冷蔵室の温度が上昇し、設定温度(0℃)+1℃になると、高温側蒸発器7のファン(図示省略)がオンされ、電磁弁(SV2)14が既にオン(開)されているため、高温側蒸発器7の出口側が圧縮機2の中間ポート2Cに連通された状態で高温側(冷蔵室側)は通常サイクルにより運転が再開される。この場合、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7は、それぞれ第1膨張弁(膨張弁1)4および第3側膨張弁(膨張弁2)11により独立した蒸発圧力に個別に制御される。これにより、低温側蒸発器6と高温側蒸発器7を、互いに異なる温度で同時運転することができる。
上記した低温側蒸発器6および高温側蒸発器7の同時運転時、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転とされ、中間冷却器10において第3側膨張弁(膨張弁2)11により減圧された冷媒の一部が蒸発されるため、高温側蒸発器7が能力不足になる可能性がある。この場合、第3膨張弁(膨張弁2)11の開度を大きくし、高温側蒸発器7への冷媒循環量を増加することにより、高温側蒸発器7の冷却能力が増大されるように制御する。以上によって、高温側(冷蔵室側)を設定温度(0℃)+1℃の範囲で高精度に温度制御することができる。
また、プルダウン運転により、低温側(冷凍室側)が設定温度(−18℃)に到達すると、電磁弁(SV1)15がオン(開)、電磁弁(SV2)14がオフ(閉)、第1膨張弁(膨張弁1)4がオフ、低温側蒸発器6のファン(図示省略)がオフとされ、低温側(冷凍室側)の冷却運転は停止される。この場合、第3膨張弁(膨張弁2)11がオン、電磁弁(SV2)14がオフ(閉)とされるため、高温側蒸発器7は通常サイクルで継続運転される。
冷却運転の停止により冷凍室の温度が上昇し、設定温度(−18℃)+1℃になると、電磁弁(SV1)15がオフ(閉)、電磁弁(SV2)14がオン(開)、第1膨張弁(膨張弁1)4がオン、低温側蒸発器6のファン(図示省略)がオンとされ、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転により運転が再開される。この場合、高温側蒸発器7の出口側は圧縮機2の中間ポート2Cに連通され、高温側蒸発器7は通常サイクルによって運転されるため、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7は、それぞれ第1膨張弁(膨張弁1)4および第3膨張弁(膨張弁2)11により独立した蒸発圧力に個別に制御される。これにより、低温側蒸発器6と高温側蒸発器7を、互いに異なる温度で同時運転することができる。
上記した低温側蒸発器6および高温側蒸発器7の同時運転時、低温側蒸発器6が能力不足になる可能性がある。この場合、第3膨張弁(膨張弁2)11の開度を小さくし、中間冷却器12および高温側蒸発器7への冷媒循環量を絞ることによって、低温側蒸発器6の冷却能力が増大されるように制御する。以上により、低温側(冷凍室側)を設定温度(−18℃)+1℃の範囲で高精度に温度制御することができる。
従って、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様に、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7をそれぞれ第1膨張弁4(膨張弁1)および第3膨張弁11(膨張弁2)により独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することができるため、低温側(冷凍室側)および高温側(冷蔵室側)を共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。また、低温側蒸発器6による冷却運転をエコノマイザ運転とすることができるため、その効果により高性能化、高COP化を図ることができる。また、高温側蒸発器7用の冷媒回路8Dとエコノマイザ回路13、ならびに第3膨張弁(膨張弁2)11をそれぞれ共用化しているため、エコノマイザ回路13を備えたマルチサイクル9を簡素にかつ低コストで構成することができる。
さらに、電磁弁(SV2)14および電磁弁(SV1)15のオン/オフ切り替えにより高温側蒸発器7の出口側を圧縮機2の中間ポート2Cまたは吸入ポート2Aのいずれかに選択的に切り替え接続可能としているため、最大能力が必要なプルダウン時、高温側蒸発器7の出口側を圧縮機2の吸入ポート2Aに接続し、高温側蒸発器7を低温側蒸発器6と同じ蒸発圧力にして運転することができる。これにより、プルダウン時、高温側(冷蔵室側)を急速冷却し、プルダウン時間を短縮することができる。また、この機能を利用することにより、複数の室を異なる温度に冷却する冷凍装置としての使用に限らず、複数の室を同じ温度に冷却する冷凍装置としても使用できるため、冷凍装置の使用範囲を拡大することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図3を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第2実施形態に対して、第3膨張弁(膨張弁2)11および中間冷却器12をバイパスするバイパス回路22を設けている点が異なっている。その他の点は、第1および第2実施形態と同様であるので説明は省略する。図3には、本実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)が示されている。
本実施形態では、エコノマイザ回路13の第3膨張弁(膨張弁2)11および中間冷却器12に対して、第4膨張弁(膨張弁3)21を備えたバイパス回路22を設けた構成としている。
上記のように、第4膨張弁(膨張弁3)21を備えたバイパス回路22を設けることにより、図3(B)に示すように、プルダウン運転時、電磁弁(SV1)15をオン(開)、電磁弁(SV2)14をオフ(閉)、第1膨張弁(膨張弁1)4をオン、第3膨張弁(膨張弁2)11をオフ、第4膨張弁(膨張弁3)21をオン、低温側蒸発器6のファン(図示省略)をオン、高温側蒸発器7のファン(図示省略)をオンとして運転を開始することができる。この場合、低温側蒸発器6と高温側蒸発器7の出口側は、共に圧縮機2の吸入ポート2Aに接続され、同じ蒸発圧力(低圧圧力)となり、低温側(冷凍室側)および高温側(冷蔵室側)は、共に通常サイクルにより運転される。また、第3膨張弁(膨張弁2)11がオフとされ、高温側蒸発器7には、第4膨張弁(膨張弁3)21を介して個別に冷媒が供給されるため、高温側蒸発器7の冷却性能を改善することができる。
プルダウン運転によって、高温側(冷蔵室側)が設定温度(0℃)に到達すると、電磁弁(SV1)15がオフ(閉)、電磁弁(SV2)14がオン(開)、第3膨張弁(膨張弁2)11がオン、第4膨張弁(膨張弁3)21がオフ、高温側蒸発器7のファン(図示省略)がオフとされるため、高温側の冷却運転は停止される(ただし、冷媒は流れる)。この場合、第3膨張弁(膨張弁2)11がオン、電磁弁(SV2)14がオン(開)とされてエコノマイザ回路13が機能するため、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転により、高性能(高能力)、高効率(高COP)で運転される。
冷却運転の停止により冷蔵室の温度が上昇し、設定温度(0℃)+1℃になると、上記の停止状態から高温側蒸発器7のファン(図示省略)がオンされることにより高温側(冷蔵室側)は通常サイクルにより運転が再開される。この場合、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転が継続され、高温側蒸発器7には、中間冷却器12を経た冷媒がエコノマイザ回路13を介して供給される。従って、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7を、それぞれ第1膨張弁(膨張弁1)4および第3側膨張弁(膨張弁2)11により独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することができる。
上記の高温側冷却運転において能力不足が生じた場合、第3側膨張弁(膨張弁2)11がオフ、第4膨張弁(膨張弁3)21がオンとされ、高温側の冷却能力が増大されるとともに、低温側蒸発器6のエコノマイザ運転が解除され、低温側は通常サイクルとされる。以上によって、高温側(冷蔵室側)を設定温度(0℃)+1℃の範囲で高精度に温度制御することができる。この際、電磁弁(SV1)15および電磁弁(SV2)14は、いずれがオン(開)またはオフ(閉)であってもよいが、まず電磁弁(SV1)15をオフ(閉)、電磁弁(SV2)14をオン(開)とし、更に高温側冷却運転の能力不足が改善しない場合、電磁弁(SV1)15をオン(開)、電磁弁(SV2)14をオフ(閉)に切り替えることが考えられる。
一方、プルダウン運転により、低温側(冷凍室側)が設定温度(−18℃)に到達すると、電磁弁(SV1)15がオン(開)、電磁弁(SV2)14がオフ(閉)、第1膨張弁(膨張弁1)4がオフ、第3側膨張弁(膨張弁2)11がオフ、低温側蒸発器6のファン(図示省略)がオフとされ、低温側(冷凍室側)の冷却運転は停止される。この場合、第4膨張弁(膨張弁3)21がオン、電磁弁(SV1)15がオン(開)とされるため、高温側蒸発器7は通常サイクルで継続運転される。
冷却運転の停止により冷凍室の温度が上昇し、設定温度(−18℃)+1℃になると、電磁弁(SV1)15がオフ(閉)、電磁弁(SV2)14がオン(開)、第1膨張弁(膨張弁1)4がオン、第3側膨張弁(膨張弁2)11がオン、第4膨張弁(膨張弁3)21がオフ、低温側蒸発器6のファン(図示省略)がオンとされ、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転により運転が再開される。この場合、高温側蒸発器7の出口側は圧縮機2の中間ポート2Cに連通され、高温側蒸発器7は通常サイクルによって運転されるため、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7は、それぞれ第1膨張弁(膨張弁1)4および第3膨張弁(膨張弁2)11により独立した蒸発圧力に個別に制御される。これにより、低温側蒸発器6と高温側蒸発器7を、互いに異なる温度で同時運転することができる。
上記の低温側冷却運転において能力不足が生じた場合、第3側膨張弁(膨張弁2)11の開度を小さくし、中間冷却器12および高温側蒸発器7への冷媒循環量を絞ることによって、低温側蒸発器6の冷却能力が増大されるように制御する。以上により、低温側(冷凍室側)を設定温度(−18℃)+1℃の範囲で高精度に温度制御することができる。
しかして、本実施形態によっても、上記した第1および第2実施形態と同様に、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7を、それぞれ第1膨張弁4(膨張弁1)および第3膨張弁11(膨張弁2)により独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することができるため、低温側(冷凍室側)および高温側(冷蔵室側)を共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。また、低温側蒸発器6による低温側の冷却運転をエコノマイザ運転とすることができるため、その効果によって高性能化、高COP化を図ることができる。また、高温側のプルダウン運転を含む冷却運転の一部を第4膨張弁(膨張弁3)21を備えたバイパス回路22を用い、エコノマイザ回路13の影響を受けずに実施できるため、その際の冷却性能および温度制御性を改善することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第2および第3実施形態に対して、第5膨張弁(膨張弁3)31を備えた冷媒回路32を設けている点が異なる。その他の点は、第1ないし第3実施形態と同様であるので説明は省略する。図4には、本実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)が示されている。
本実施形態では、上記第3実施形態のバイパス回路22に代え、中間冷却器12の出口側液冷媒回路8Cから高温側蒸発器7に冷媒を導く第5膨張弁(膨張弁3)31を備えた冷媒回路32を設けた構成としている。
しかして、本実施形態によると、図4(B)に示すように、第5膨張弁(膨張弁3)31を備えた冷媒回路32が上記した第3実施形態の第4膨張弁(膨張弁3)21を備えたバイパス回路22と同様の動作をする。従って、本実施形態によっても、上記第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1ないし第4実施形態に対して、高温側蒸発器7用の冷媒回路8Dとエコノマイザ回路13とを互いに独立した並列回路としている点が異なる。その他の点は、上記第1ないし第4実施形態と同様であるので説明は省略する。図5には、本実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)が示されている。
本実施形態では、凝縮器3の出口側において分流された冷媒を第2膨張弁(膨張弁3)5および高温側蒸発器7を経て圧縮機2の中間ポート2Cに導く高温側蒸発器7用の冷媒回路8Dと、凝縮器3の出口側において分流された冷媒を第3膨張弁(膨張弁2)11および中間冷却器12を経て圧縮機2の中間ポート2Cに導くエコノマイザ回路13とを互いに独立した並列回路により構成している。なお、冷媒回路8Dにおける高温側蒸発器7の出口側は、上記第2ないし第4実施形態と同様に、電磁弁(SV2)14および電磁弁(SV1)15を介して圧縮機2の中間ポート2Cおよび吸入ポート2Aのいずれかに選択的に切り替え接続可能とされている。
本実施形態においては、図5(B)に示されるように、プルダウン運転時、電磁弁(SV1)15をオン(開)、電磁弁(SV2)14をオフ(閉)、第1膨張弁(膨張弁1)4をオン、第3膨張弁(膨張弁2)11をオフ、第2膨張弁(膨張弁3)5をオン、低温側蒸発器6のファン(図示省略)をオン、高温側蒸発器7のファン(図示省略)をオンとして運転を開始することができる。この場合、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7の出口側は、共に圧縮機2の吸入ポート2Aに接続され、同じ蒸発圧力(低圧圧力)となり、低温側(冷凍室側)および高温側(冷蔵室側)は、共に通常サイクルにより運転される。
プルダウン運転によって、高温側(冷蔵室側)が設定温度(0℃)に到達すると、電磁弁(SV1)15がオフ(閉)、第3膨張弁(膨張弁2)11がオン、第2膨張弁(膨張弁3)5がオフ、高温側蒸発器7のファン(図示省略)がオフとされるため、高温側の冷却運転は停止される。この場合、第3膨張弁(膨張弁2)11がオンとされてエコノマイザ回路13が機能するため、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転により、高性能(高能力)、高効率(高COP)で運転される。
冷却運転の停止により冷蔵室の温度が上昇し、設定温度(0℃)+1℃になると、上記の停止状態から電磁弁(SV2)14がオン(開)、第2膨張弁(膨張弁3)5がオン、高温側蒸発器7のファン(図示省略)がオンとされることにより高温側(冷蔵室側)は通常サイクルにより運転が再開される。この場合、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転が継続され、高温側蒸発器7には、冷媒回路8D、第2膨張弁(膨張弁3)5を介してエコノマイザ回路13とは独立に並行して冷媒が供給される。従って、高温側蒸発器7をエコノマイザ回路13の影響を受けずに個別に温度制御することができる。また、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7を、それぞれ第1膨張弁(膨張弁1)4および第2側膨張弁(膨張弁3)5により独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することができる。
上記の高温側冷却運転において能力不足が生じた場合、第3側膨張弁(膨張弁2)11がオフとされ、冷媒回路8Dへの冷媒循環量が増加されるため、高温側蒸発器7の冷却能力が増大されるとともに、低温側蒸発器6のエコノマイザ運転が解除されるため、低温側は通常サイクルとされる。以上によって、高温側(冷蔵室側)を設定温度(0℃)+1℃の範囲で高精度に温度制御することができる。この際、電磁弁(SV1)15および電磁弁(SV2)14は、何れがオン(開)またはオフ(閉)であってもよいが、まず電磁弁(SV1)15をオフ(閉)、電磁弁(SV2)14をオン(開)とし、更に高温側冷却運転の能力不足が改善しない場合、電磁弁(SV1)15をオン(開)、電磁弁(SV2)14をオフ(閉)に切り替えることが考えられる。
一方、プルダウン運転により、低温側(冷凍室側)が設定温度(−18℃)に到達すると、電磁弁(SV1)15がオン(開)、電磁弁(SV2)14がオフ(閉)、第1膨張弁(膨張弁1)4がオフ、第3側膨張弁(膨張弁2)11がオフ、低温側蒸発器6のファン(図示省略)がオフとされ、低温側(冷凍室側)の冷却運転は停止される。この場合、第2膨張弁(膨張弁3)5がオン、電磁弁(SV1)15がオン(開)とされるため、高温側蒸発器7は通常サイクルで継続運転される。
冷却運転の停止により冷凍室の温度が上昇し、設定温度(−18℃)+1℃になると、電磁弁(SV1)15がオフ(閉)、電磁弁(SV2)14がオン(開)、第1膨張弁(膨張弁1)4がオン、第3側膨張弁(膨張弁2)11がオン、第2膨張弁(膨張弁3)5がオン、低温側蒸発器6のファン(図示省略)がオンとされ、低温側蒸発器6はエコノマイザ運転により運転が再開される。この場合、高温側蒸発器7の出口側は圧縮機2の中間ポート2Cに連通され、高温側蒸発器7は通常サイクルによって運転されるため、低温側蒸発器6と高温側蒸発器7は、それぞれ第1膨張弁(膨張弁1)4および第3膨張弁(膨張弁2)11により独立した蒸発圧力に個別に制御される。これにより、低温側蒸発器6と高温側蒸発器7を、互いに異なる温度で同時運転することができる。また、高温側蒸発器7には、冷媒回路8D、第2膨張弁(膨張弁3)5を介してエコノマイザ回路13とは独立に並行して冷媒が供給されるため、エコノマイザ回路13の影響を受けずに個別に温度制御することができる。
上記の低温側冷却運転において能力不足が生じた場合、第2側膨張弁(膨張弁3)5がオフ(閉)、高温側蒸発器7のファン(図示省略)がオフとされ、中間冷却器12および低温側蒸発器6への冷媒循環量を増加することにより、低温側蒸発器6の冷却能力が増大されように制御する。以上によって、低温側(冷凍室側)を設定温度(−18℃)+1℃の範囲で高精度に温度制御することができる。
しかして、本実施形態によっても、上記第1ないし第4実施形態と同様、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7をそれぞれ第1膨張弁(膨張弁1)4および第2膨張弁(膨張弁3)により独立した蒸発圧力に個別に制御し、互いに異なる温度で同時運転することができるため、低温側(冷凍室側)および高温側(冷蔵室側)を共に安定した温度でかつ高精度に温度制御することができる。また、低温側蒸発器6による冷却運転をエコノマイザ運転とすることができるため、その効果により高性能化、高COP化を図ることができる。また、高温側蒸発器7には、冷媒回路8D、第2膨張弁(膨張弁3)5を介して冷媒を供給し、エコノマイザ回路13の影響を受けずに個別に温度制御することができるため、高温側蒸発器7の冷却性能および温度制御性を改善することができる。
なお、上記第5実施形態の変形例として、高温側蒸発器7に冷媒を導く高温側蒸発器7用の冷媒回路8Dを、中間冷却器12の出口側において冷媒回路8Cに接続した構成とすることができる。このような構成とすることにより、低温側蒸発器6のエコノマイザ運転時、中間冷却器12で過冷却された冷媒を高温側蒸発器7に供給することができる。これによって、通常サイクルで運転されている高温側蒸発器7の冷却性能を向上させることができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1ないし第5実施形態に対して、2つのブリッジ回路を設けた構成としている点が異なる。その他の点については、第1ないし第5実施形態と同様であるので説明は省略する。図6には、本実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図が示されている。
本実施形態では、低温側蒸発器6および高温側蒸発器7の入口側および出口側にそれぞれ4個の電磁弁41Aないし41Cにより構成されるブリッジ回路42A,42Bを設けた構成としている。
上記のように、ブリッジ回路42A,42Bを設けた構成とし、その電磁弁41A,41Bをオン(開)、電磁弁41C,41Dをオフ(閉)とすることにより、低温側蒸発器6を低温側(冷凍室側)、高温側蒸発器7を高温側(冷蔵室側)として使用することができるほか、ブリッジ回路42A,42Bを切り替え、電磁弁41A,41Bをオフ、電磁弁41C,41Dをオンとすることにより、低温側蒸発器6を高温側(冷蔵室側)、高温側蒸発器7を低温側(冷凍室側)として使用することが可能となる。このため、例えば、被冷却物の都合等により低温側室と高温側室とを切り替えて使用したい場合等にも、それに対応することが可能となる。従って、マルチサイクルの冷凍装置の使用範囲を更に拡大することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、圧縮機2としては、圧縮室中に中間ポートを設けた構成の圧縮機を用いてもよいが、中間ポートを備えた2段圧縮機を用いてもよい。また、上記第2ないし第6実施形態では、高温側蒸発器7の出口側を2つの電磁弁14,15を用いて圧縮機2の中間ポート2Cと吸入ポート2Aとの選択的に切り替え接続可能としているが、この電磁弁14,15は1個の3方切替弁により代替することができる。さらに、本発明の冷凍装置は、輸送用冷凍装置に限らず、定置式等他用途の冷凍装置にも広く適用できることは云うまでもない。
本発明の第1実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図である。 本発明の第2実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)である。 本発明の第3実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)である。 本発明の第4実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)である。 本発明の第5実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図(A)とその動作状態説明図(B)である。 本発明の第6実施形態にかかる冷凍装置の冷凍サイクル図である。
符号の説明
1 冷凍装置
2 圧縮機
2A 吸入ポート
2C 中間ポート
3 凝縮器
4 第1膨張弁(膨張弁1)
5 第2膨張弁(膨張弁2)
6 低温側蒸発器
7 高温側蒸発器
8,8A,8B,8C,8D 冷媒回路
9 マルチサイクル
11 第3膨張弁(膨張弁2)
12 中間冷却器
13 エコノマイザ回路
14 電磁弁(SV2)(切替弁)
15 電磁弁(SV1)(切替弁)
16 低圧冷媒回路
21 第4膨張弁(膨張弁3)
22 バイパス回路
31 第5膨張弁(膨張弁3)
32 冷媒回路
41A,41B,41C,41D 電磁弁
42A,42B ブリッジ回路

Claims (9)

  1. 圧縮機と、凝縮器と、第1膨張弁および第2膨張弁を介して互いに並列に接続される複数台の低温側蒸発器および高温側蒸発器とを順次冷媒回路により接続して構成したマルチサイクルの冷凍装置において、
    前記圧縮機として中間ポートを備えた圧縮機を用い、前記低温側蒸発器の吸入側冷媒回路を前記圧縮機の吸入ポートに接続するとともに、前記高温側蒸発器の吸入側冷媒回路を前記圧縮機の中間ポートに接続したことを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記凝縮器の出口側で分流され、第3膨張弁を経て減圧された液冷媒を蒸発させることにより前記低温側蒸発器に流通される液冷媒に過冷却を与える中間冷却器を備え、該中間冷却器を流通した前記分流冷媒を前記圧縮機の中間ポートに導くエコノマイザ回路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記圧縮機の中間ポートに接続された前記高温側蒸発器用の冷媒回路と、前記中間冷却器を備えた前記エコノマイザ回路とを共用化し、この共用回路に前記第3膨張弁、前記中間冷却器、および前記高温側蒸発器を順次配設したことを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
  4. 前記凝縮器の出口側から前記第3膨張弁および前記中間冷却器をバイパスして前記高温側蒸発器に冷媒を導く第4膨張弁を備えたバイパス回路を設けたことを特徴とする請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記低温側蒸発器へと冷媒を導く液冷媒回路の前記中間冷却器の出口側から前記高温側蒸発器に冷媒を導く第5膨張弁を備えた冷媒回路を設けたことを特徴とする請求項3に記載の冷凍装置。
  6. 前記第2膨張弁および前記高温側蒸発器を備えた前記高温側蒸発器用の冷媒回路と、前記第3膨張弁および中間冷却器を備えた前記エコノマイザ回路とを互いに独立した並列回路とし、両回路を共に前記圧縮機の中間ポートに接続したことを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
  7. 前記高温側蒸発器用の冷媒回路を、前記中間冷却器の出口側において前記低温側蒸発器へと冷媒を導く液冷媒回路に接続したことを特徴とする請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 前記高温側蒸発器の出口側と前記圧縮機の中間ポートとを接続する吸入側冷媒回路に切替弁を介して前記圧縮機の吸入ポートに連通される低圧冷媒回路を接続し、前記高温側蒸発器の出口側を前記圧縮機の中間ポートまたは吸入ポートのいずれかに選択的に切り替え接続可能としたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の冷凍装置。
  9. 前記低温側蒸発器および前記高温側蒸発器の入口側冷媒回路間および出口側冷媒回路間にそれぞれ切替弁により構成されるブリッジ回路を設け、低温側と高温側とを切り替え可能としたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の冷凍装置。

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