JP2009079245A - 真空蒸着装置 - Google Patents
真空蒸着装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009079245A JP2009079245A JP2007248473A JP2007248473A JP2009079245A JP 2009079245 A JP2009079245 A JP 2009079245A JP 2007248473 A JP2007248473 A JP 2007248473A JP 2007248473 A JP2007248473 A JP 2007248473A JP 2009079245 A JP2009079245 A JP 2009079245A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blowing
- reactant
- vapor deposition
- pipe
- oxygen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
【課題】 被蒸着フィルムの幅方向における反応物質の吹出し量を均一にすると共に蒸着材料蒸気の流れの乱れを抑制して、高品質の蒸着を可能とする。
【解決手段】 蒸着材料蒸気の流れの中に酸素を吹き込むための吹出し孔28を多数備えた酸素吹出し管27の内部を複数の仕切り29a、29b、29cによって複数の吹出し領域27a〜27dに分割し、各吹出し領域の長さを短くすることで、各吹出し孔28からの酸素吹出し量の均一化を図り、しかも各吹出し領域には、管端に配置した酸素給送具31a、31d及び管内に挿入した酸素給送用内管32b、32cを介して酸素を給送する構成とすることで、酸素給送用の配管を有効蒸着領域の外に配置し、蒸発した蒸着材料の流れを乱さないようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】 蒸着材料蒸気の流れの中に酸素を吹き込むための吹出し孔28を多数備えた酸素吹出し管27の内部を複数の仕切り29a、29b、29cによって複数の吹出し領域27a〜27dに分割し、各吹出し領域の長さを短くすることで、各吹出し孔28からの酸素吹出し量の均一化を図り、しかも各吹出し領域には、管端に配置した酸素給送具31a、31d及び管内に挿入した酸素給送用内管32b、32cを介して酸素を給送する構成とすることで、酸素給送用の配管を有効蒸着領域の外に配置し、蒸発した蒸着材料の流れを乱さないようにする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、合成樹脂フィルム等の被蒸着フィルムに、アルミ(Al)、酸化シリコン(SiO)等の蒸着材料を蒸着させるための真空蒸着装置の技術分野に属するものである。
食品等の物を包装あるいは収納するために、従来から各種の合成樹脂フィルムが使用されており、また、ガスバリア性を高めるため、合成樹脂フィルムにアルミニウム箔を積層したり、アルミニウムを蒸着させたりして形成した積層樹脂フィルムも多く使用されている。しかし、アルミニウムを用いた積層樹脂フィルムは、マイクロ波を透過させないので、電子レンジ等で使用することができないという問題がある。そこで、ガスバリア性は確保しながら、マイクロ波を透過させることを可能とするため、合成樹脂フィルムに金属酸化物をコーティングした積層樹脂フィルムが開発され、使用されている。この積層樹脂フィルムにコーティングする金属酸化物としては、酸化アルミ(AlOX )が最も適しており、多く使用されている。しかも、この酸化アルミがコーティングされた積層樹脂フィルムは廃棄処理時に分別する必要がないので、廃棄処理作業が簡単になり、環境上もきわめて有効となっている。このような酸化アルミを合成樹脂フィルムにコーティングする方法として、従来、一般に真空での物理蒸着による真空蒸着法が採用されている。
図3は、酸化アルミを真空蒸着により合成樹脂フィルムに蒸着させて積層樹脂フィルムを製造するための製造装置の1例を模式的に示す図、図4(a)は図3に示す製造装置に設けている真空蒸着装置の概略断面図、(b)は(a)のA−A線における概略断面図である。図中、1は積層樹脂フィルムの製造装置、2は巻取りローラに巻かれた合成樹脂フィルムからなる被蒸着フィルム、3は真空蒸着装置、4は酸化アルミを蒸着する位置で被蒸着フィルム2をガイドする真空蒸着装置3のコーティングローラ、5はアルミを収容し、上方に蒸発させるための坩堝、6は、アルミ蒸気と反応する酸素を供給するための酸素吹出し管、7は巻取りローラに巻かれ、酸化アルミが蒸着されて製品となった積層樹脂フィルム、8は内部を真空雰囲気にすることの可能な真空チャンバーである。酸素吹出し管6はコーティングローラ4と坩堝5との間に配置されており、酸素を下向きに吹き出す多数の吹出し孔を備えており、その吹出し孔に対向する位置にはV字状のガイド部材9が設けられ、吹き出された酸素を分散させてアルミ蒸気中に吹き出すようになっている。
この積層樹脂フィルムの製造装置1においては、原材料の被蒸着フィルム2に酸化アルミを真空蒸着するに当たって、まず被蒸着フィルム2をコーティングーローラ4の方へ送ると共に、坩堝5を加熱して坩堝5内のアルミを蒸発させる。蒸発したアルミは被蒸着フィルムに蒸着するようになる。その場合、同時に外部から酸素を酸素吹出し管6に給送して吹出し孔からアルミ蒸気中に吹き込み、アルミに酸化反応を起こさせる。そして、この酸化反応を起こしたアルミ蒸気がコーティングローラ4にガイドされている被蒸着フィルム2に蒸着され、酸化アルミの蒸着層が形成される。このとき、アルミは酸化反応を起こしているので、効果的に被蒸着フィルム2に蒸着されるようになる。
ところで、従来の真空蒸着装置3においては、1本の酸素吹出し管6により、酸素をアルミ蒸気中に吹き込むようにしているため、酸素吹出し管6は被蒸着フィルム2の幅よりも長く設定されている。被蒸着フィルム2の幅は、通常、約2m程度に設定されており、従って、酸素吹出し管6はそれ以上の長さにされている。
しかしながら、1本の長い酸素吹出し管6に形成した多数の吹出し孔から酸素を吹き出す場合、多数の吹出し孔を同一径、同一ピッチで形成しておいても各吹出し孔からの酸素吹出し量は均一でなく、吹出し孔の位置によって異なってしまう。このように、各吹出し孔の酸素吹出し量にばらつきがあると、アルミと酸素との反応がばらついてしまい、酸素吹出し量が多いところでは酸素反応過多になり、また、酸素吹出し量が少ないところでは酸素反応不足となる。そして、酸化アルミが被蒸着フィルムに蒸着された際、被蒸着フィルム2の幅方向において酸素反応の異なった酸化アルミが蒸着されるようになる。このため、酸素反応過多の酸化アルミが蒸着されたところでは、酸素反応過多により積層樹脂フィルムにおけるバリア値が低下してしまい、また、酸素反応不足の酸化アルミが蒸着されたところでは、酸素反応不足により積層樹脂フィルムに着色ムラが生じてしまう。
そこで、この問題を解決するため、本出願人は先に、従来の単一の酸素吹出し管6を用いる代わりに、図5に示すように、複数個に分割した構造の酸素吹出し管6a、6b、6c、6dを用い、それらを直線状に並べて配置し、それぞれの中央位置に、酸素給送管10、11、12、13を接続し、それぞれの酸素吹出し管6a、6b、6c、6dに所定量の酸素を送り込む構成とした真空蒸着装置3Aを開発した(特許文献1参照)。この真空蒸着装置3Aでは、分割した酸素吹出し管6a、6b、6c、6dの長さを短くできるので、各吹出し孔からの吹出し量が均一になり、被蒸着フィルム2の幅方向における酸素吹出し量のばらつきを小さく抑制でき、酸素反応むらの少ない酸化アルミ蒸着を行うことができるという効果を有している。
しかしながら、この真空蒸着装置にも更に改良すべき点のあることが判明した。すなわち、この真空蒸着装置では、複数の酸素吹出し管6a、6b、6c、6dのそれぞれの中央位置に酸素給送管10、11、12、13を接続しているが、これらの酸素給送管10、11、12、13は、蒸着すべきアルミ蒸気の流れる領域内に配置されるため、蒸気の流れを乱すこととなり、これによって酸化反応にむらを生じ、蒸着の品質を低下させていた。また、複数の酸素吹出し管6a、6b、6c、6dを真空蒸着装置内の所定位置に配置するためには取り付け構造が必要であるが、その取り付け構造も蒸気の流れの中に位置するためやはり蒸気の流れを乱し、蒸着の品質を低下させていた。
特開平11−335819号公報
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、アルミ蒸気などの蒸着材料蒸気に反応する酸素などの反応物質を吹き出す反応物質吹出し手段を備えた真空蒸発装置において、反応物質を被蒸着フィルムの幅方向に均一に吹き出すことを可能としながら、蒸気の流れを乱すことを抑制し、蒸着品質を向上させることのできる真空蒸着装置を提供することを課題とする。
上記した課題を解決するため、本願請求項1に係る発明は、蒸着材料を収容し、蒸着材料を上方に向かって蒸発させる蒸着材料容器と、この蒸着材料容器の上方に配設され、前記蒸着材料容器から蒸発した蒸着材料が蒸着する位置で被蒸着フィルムをガイドするガイド手段と、前記蒸着材料容器と前記ガイド手段との間に配設され、蒸発した蒸着材料に反応する反応物質を吹き出す反応物質吹出し手段とを備えた真空蒸発装置において、前記反応物質吹出し手段が、前記被蒸着フィルムの幅方向に、蒸着幅を越える長さに渡って延設された反応物質吹出し管と、該反応物質吹出し管の内部を前記被蒸着フィルムの幅方向に3個以上の吹出し領域に分割する仕切り手段と、前記反応物質吹出し管に、前記吹出し領域のそれぞれから反応物質を吹き出すことができるように形成された吹出し孔と、前記反応物質吹出し管の両端にそれぞれ接続され、両端に位置する吹出し領域に反応物質を給送する反応物質給送具と、前記反応物質吹出し管の端部から該反応物質吹出し管内に挿入され、前記反応物質吹出し管の中間領域に位置する吹出し領域に反応物質を給送する反応物質給送用内管を有することを特徴としている。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る真空蒸着装置において、前記反応物質吹出し管が前記仕切り手段によって4個の吹出し領域に分割されており、中間領域に位置する2個の吹出し領域にそれぞれ反応物質を給送する2個の反応物質給送用内管が、前記反応物質吹出し管の両端から挿入されていることを特徴としている。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る真空蒸着装置において、前記反応物質給送具及び反応物質給送用内管はそれぞれ、給送管を介して一つの共通なマニホールド管に接続され、該マニホールド管を介して反応物質が給送される構成であることを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に係る真空蒸着装置において、前記マニホールド管と前記反応物質給送具及び反応物質給送用内管のそれぞれを連結する給送管のそれぞれに、該給送管内を流れる反応物質の流量を調整する流量調整弁が設けられていることを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る真空蒸着装置において、更に、前記給送管のそれぞれに、該給送管内を流れる反応物質の流量を測定する流量計が設けられていると共に、該流量計の測定結果に基づいて、前記流量調整弁を制御する制御装置が設けられていることを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか1項に係る真空蒸着装置において、前記被蒸着フィルムは合成樹脂フィルムであり、また前記蒸着材料はアルミニウムであり、更に前記反応物質は酸素であることを特徴としている。
このように構成された本発明の真空蒸着装置では、反応物質を吹き出すための反応物質吹出し管の内部を複数の吹出し領域に分割し、それぞれに反応物質を給送し、吹き出させる構成としたことにより、各吹出し領域の長さを短くして、各吹出し孔からの吹出し量を均一にでき、従って、被蒸着フィルムの幅方向における反応物質吹出し量を均一とすることができ、しかも、各吹出し領域への反応物質の給送は、反応物質吹出し管の両端に接続した反応物質給送具と反応物質吹出し管内に挿入された反応物質給送用内管を介して行う構成としたことで、各吹出し領域へ反応物質を給送するために使用する手段は、蒸着される蒸気の流れる領域の外側に配置されており、従って、これらが蒸気の流れを乱すことがない。このため、蒸着材料と反応物質との反応がきわめて均一に行われ、被蒸着フィルムへの蒸着材料の蒸着は、被蒸着フィルムの幅方向にきわめて均一に行われ、高品質の蒸着層を得ることができる。すなわち、得られた積層樹脂フィルムにおいては、バリア値が均一かつ高性能に保持されるようになると共に、着色むらが生じることもない。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、積層樹脂フィルムの製造装置1に設けた本発明の実施の形態に係る真空蒸着装置23を模式的に示すもので、(a)は図4(a)、図5と同様の概略断面図、(b)は(a)におけるB−B線に沿う概略断面図である。なお、前述の従来装置と同じ構成要素には同じ符号を付して示し、詳細な説明は省略する。図1(a)に示す真空蒸着装置23も、図3に示す、酸化アルミを真空蒸着により合成樹脂フィルムからなる被蒸着フィルムに蒸着させて積層樹脂フィルムを製造するための製造装置1において、真空蒸着装置3に代えて用いられる。
図1において、真空蒸着装置23は、蒸着材料であるアルミを収容し、アルミを上方に向かって蒸発させる蒸着材料容器を構成する坩堝5と、この坩堝5の真上に配設され、坩堝5から蒸発した蒸着材料が蒸着される被蒸着フィルム2をガイドするガイド手段を構成するコーティングローラ4と、坩堝5から蒸発した蒸着材料(アルミ)に反応する反応物質として酸素を吹き出す反応物質吹出し手段26等を備えている。
図2は反応物質吹出し手段26を示す概略断面図であり、図面を分かりやすくするため、管径を管長に比べて拡大して示している。図1、図2において、反応物質吹出し手段26は、被蒸着フィルム2の幅方向に蒸着幅を越える長さに渡って延設された反応物質吹出し管(以下、酸素吹出し管という)27を備えている。すなわち、この酸素吹出し管27は、真空蒸着装置23における有効蒸着領域(所望の蒸着幅での蒸着を行うのに必要な蒸気の流れる領域)の全域を越えて配置される長さを有している。酸素吹出し管27の、有効蒸着領域内に位置する部分には、一定直径の多数の吹出し孔28が一定ピッチで形成されている。酸素吹出し管27の内部は、仕切り29a、29b、29cによって4個の吹出し領域27a、27b、27c、27dに分割されている。ここで、吹出し領域27a、27b、27c、27dの長さL(両端の吹出し領域27a、27dについては有効蒸着領域内に位置する領域の長さ)は、等しくなるように設定している。この構成により、各吹出し領域27a、27b、27c、27dに同一流量で酸素を給送することで、各吹出し領域27a、27b、27c、27dの各吹出し孔28は一定流量で酸素を吹き出すことができ、従って、酸素吹出し管27は有効蒸着領域内に酸素をきわめて均一に吹き出すことができる。この酸素吹出し管27は、図1(b)に示すように、吹出し孔28が下向きとなるように取り付けられており、酸素吹出し管27にはその吹出し孔28に対向するようにV字状のガイド部材9が取り付けられている。従って、各吹出し孔28から吹き出された酸素はガイド部材9に衝突し、このガイド部材9によって上方へガイドされ且つ拡散してアルミ蒸気中に吹き出され、このアルミと効果的に反応するようになっている。
図1、図2において、酸素吹出し管27の両端には、両端に位置する吹出し領域27a、27dに反応物質を給送する反応物質給送具(以下、酸素給送具という)31a、31dが取り付けられている。また、酸素吹出し管27の端部領域には、酸素吹出し管27の端部から挿入され、酸素吹出し管27の中間領域に位置する吹出し領域27b、27cに反応物質を給送する反応物質給送用内管(以下、酸素給送用内管という)32b、32cが設けられている。これらの酸素給送具31a、31d及び酸素給送用内管32b、32cはそれぞれ、給送管15a、15b、15c、15dを介して、一つの共通なマニホールド管14に接続されると共に、このマニホールド管14は酸素供給源(図示せず)に接続されている。更に、給送管15a、15b、15c、15dには、それぞれを流れる酸素の流量を調整する流量調整弁16a、16b、16c、16dと、それぞれを流れる酸素の流量を測定する流量計17a、17b、17c、17dが設けられており、各流量計17a、17b、17c、17dの測定結果に基づいて、それぞれに組み合わせられている流量調整弁16a、16b、16c、16dを制御する制御装置(図示せず)も設けられている。なお、流量調整弁16a、16b、16c、16dとして手動調整可能なものを用い、流量計17a、17b、17c、17dによる測定結果に基づいて手動調整する構成としてもよい。
このように、この実施の形態に係る真空蒸着装置23においては、酸素吹出し管27の内部を複数の吹出し領域27a、27b、27c、27dに分割し、それぞれに酸素を、給送管15a、15b、15c、15dを介して給送し、酸素吹出し管27から吹き出させる構成としたことにより、各吹出し領域における長さLが、図4に示す従来例で用いた吹出し管6における長さに比べて1/4と、短くなり、このため、各吹出し領域において各吹出し孔28からの酸素吹出し量が均一となる。従って酸素吹出し管27からの酸素吹出し量が、被蒸着フィルム2の幅方向に均一となり、アルミと酸素との反応のばらつきが解消されるようになる。
特に、各給送管15a、15b、15c、15dにおける酸素給送量を流量計17a、17b、17c、17dで測定し、その測定結果に基づいて、各吹出し領域27a、27b、27c、27dからき吹出し量が均一となるように、各流量調整弁16a、16b、16c、16dを制御若しくは調整することで、各吹出し孔28からの酸素吹出し量をより一層高度に均一にすることができる。
更に、酸素吹出し管27の内部の複数の吹出し領域27a、27b、27c、27dに対する酸素給送を、酸素吹出し管27の両端に配置した酸素給送具31a、31d及び管内に配置した酸素給送用内管32b、32cを介して行う構成としたことにより、坩堝5から蒸発したアルミ蒸気の流れる領域には、単に1本の酸素吹出し管27とその下側に設けたガイド部材9〔図1(b)参照〕が存在するのみであり、図5に示す従来例のように、酸素給送管10、11、12、13の一部が存在することはなく、このため、アルミ蒸気の流れを乱すことがなく、アルミ蒸気は被蒸着フィルム2の幅方向にはきわめて均一に流れることとなる。
このように、酸素吹出し管27から被蒸着フィルム2の幅方向に関して極めて均一に酸素が吹き出され、且つ、アルミ蒸気も乱されることなく均一に流れることにより、アルミと酸素との反応がきわめて均一に行われ、酸化反応したアルミ蒸気が被蒸着フィルム2に均一に蒸着する。これにより、被蒸着フィルム2には、その幅方向において酸素反応の均一な酸化アルミが均一に蒸着されるようになり、バリア値を均一且つ高性能に保持できると共に着色むらを解消することができるようになる。
上記した反応物質吹出し手段26は、蒸着幅の広い真空蒸着装置23に用いるのにきわめて好適である。本発明を限定するものではないが、具体的な一つの使用例を示す。
・酸素吹出し管27の内径:10mm、有効長さ(有効蒸着領域の長さ):2240mm、吹出し孔28の内径:0.8mm、ピッチ:40mm
・被蒸着フィルムの有効幅:2100mm
・被蒸着フィルムに蒸着される酸化アルミ膜の厚み:200〜230オングストローム
・酸化アルミ膜の形成速度(被蒸着フィルムの送り速度):600m/min
・必要酸素量:14000cc/min
・酸素吹出し孔の1個当たりの流量:250cc/min
・酸素吹出し管27の内径:10mm、有効長さ(有効蒸着領域の長さ):2240mm、吹出し孔28の内径:0.8mm、ピッチ:40mm
・被蒸着フィルムの有効幅:2100mm
・被蒸着フィルムに蒸着される酸化アルミ膜の厚み:200〜230オングストローム
・酸化アルミ膜の形成速度(被蒸着フィルムの送り速度):600m/min
・必要酸素量:14000cc/min
・酸素吹出し孔の1個当たりの流量:250cc/min
なお、前記した実施の形態では、酸素吹出し管27内を4個の吹出し領域27a、27b、27c、27dに分割するものとしているが、分割個数はこれに限らず、例えば、両端領域と中間領域の3個に分割してもよい。また、前記の実施の形態では、4個の吹出し領域27a、27b、27c、27dを同じ長さとしているが、これに限らず、異なる長さとしてもよく、その場合には各吹出し領域への酸素給送量を調整することで、酸素吹出し量を、被蒸着フィルムの幅方向に均一とすることができる。
更に、蒸着材料もアルミに限定されることはなく、SiOを始め、合成樹脂フィルムに蒸着できるものであればどのようなものでもよく、また、吹出し管から吹き出される反応物質も酸素に限定されることはなく、蒸着材料に反応させる必要があるものであればどのようなものでもよい。
1 積層樹脂フィルムの製造装置
2 被蒸着フィルム
3、3A 真空蒸着装置
4 コーティングローラ
5 坩堝
6、6a、6b、6c、6d 酸素吹出し管
7 積層樹脂フィルム
9 ガイド部材
15a、15b、15c、15d 給送管
16a、16b、16c、16d 流量調整弁
17a、17b、17c、17d 流量計
23 真空蒸着装置
26 反応物質吹出し手段
27 酸素吹出し管
27a、27b、27c、27d 吹出し領域
28 吹出し孔
31a、31d 酸素給送具
32b、32c 酸素給送用内管
2 被蒸着フィルム
3、3A 真空蒸着装置
4 コーティングローラ
5 坩堝
6、6a、6b、6c、6d 酸素吹出し管
7 積層樹脂フィルム
9 ガイド部材
15a、15b、15c、15d 給送管
16a、16b、16c、16d 流量調整弁
17a、17b、17c、17d 流量計
23 真空蒸着装置
26 反応物質吹出し手段
27 酸素吹出し管
27a、27b、27c、27d 吹出し領域
28 吹出し孔
31a、31d 酸素給送具
32b、32c 酸素給送用内管
Claims (6)
- 蒸着材料を収容し、蒸着材料を上方に向かって蒸発させる蒸着材料容器と、この蒸着材料容器の上方に配設され、前記蒸着材料容器から蒸発した蒸着材料が蒸着する位置で被蒸着フィルムをガイドするガイド手段と、前記蒸着材料容器と前記ガイド手段との間に配設され、蒸発した蒸着材料に反応する反応物質を吹き出す反応物質吹出し手段とを備えた真空蒸発装置において、前記反応物質吹出し手段が、前記被蒸着フィルムの幅方向に、蒸着幅を越える長さに渡って延設された反応物質吹出し管と、該反応物質吹出し管の内部を前記被蒸着フィルムの幅方向に3個以上の吹出し領域に分割する仕切り手段と、前記反応物質吹出し管に、前記吹出し領域のそれぞれから反応物質を吹き出すことができるように形成された吹出し孔と、前記反応物質吹出し管の両端にそれぞれ接続され、両端に位置する吹出し領域に反応物質を給送する反応物質給送具と、前記反応物質吹出し管の端部から該反応物質吹出し管内に挿入され、前記反応物質吹出し管の中間領域に位置する吹出し領域に反応物質を給送する反応物質給送用内管を有することを特徴とする真空蒸着装置。
- 前記反応物質吹出し管が前記仕切り手段によって4個の吹出し領域に分割されており、中間領域に位置する2個の吹出し領域にそれぞれ反応物質を給送する2個の反応物質給送用内管が、前記反応物質吹出し管の両端から挿入されていることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着装置。
- 前記反応物質給送具及び反応物質給送用内管はそれぞれ、給送管を介して一つの共通なマニホールド管に接続され、該マニホールド管を介して反応物質が給送される構成であることを特徴とする請求項1又は2記載の真空蒸着装置。
- 前記マニホールド管と前記反応物質給送具及び反応物質給送用内管のそれぞれを連結する給送管のそれぞれに、該給送管内を流れる反応物質の流量を調整する流量調整弁が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の真空蒸着装置。
- 更に、前記給送管のそれぞれに、該給送管内を流れる反応物質の流量を測定する流量計が設けられていると共に、該流量計の測定結果に基づいて、前記流量調整弁を制御する制御装置が設けられていることを特徴とする請求項4記載の真空蒸着装置。
- 前記被蒸着フィルムは合成樹脂フィルムであり、また前記蒸着材料はアルミニウムであり、更に前記反応物質は酸素であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の真空蒸着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248473A JP2009079245A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 真空蒸着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007248473A JP2009079245A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 真空蒸着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009079245A true JP2009079245A (ja) | 2009-04-16 |
Family
ID=40654223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007248473A Pending JP2009079245A (ja) | 2007-09-26 | 2007-09-26 | 真空蒸着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009079245A (ja) |
-
2007
- 2007-09-26 JP JP2007248473A patent/JP2009079245A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6121639B1 (ja) | 巻取式成膜装置及び巻取式成膜方法 | |
KR101204527B1 (ko) | 박막형성용 분자공급장치 | |
US20090304906A1 (en) | Evaporating apparatus, apparatus for controlling evaporating apparatus, method for controlling evaporating apparatus, method for using evaporating apparatus and method for manufacturing blowing port | |
US20040134428A1 (en) | Thin-film deposition device | |
KR102137181B1 (ko) | 증착 배열체, 증착 장치 및 그의 동작 방법들 | |
JP2009079245A (ja) | 真空蒸着装置 | |
JP6435325B2 (ja) | ガス供給を備えた蒸発装置 | |
JP6940589B2 (ja) | 堆積装置 | |
JPH11335819A (ja) | 真空蒸着装置 | |
US5348564A (en) | Method for manufacturing a hermetically coated optical fiber | |
CZ317694A3 (en) | Method of producing a coating on a glass substrate and apparatus for making the same | |
KR20080013447A (ko) | 액체 원료 기화 장치 | |
US20090217874A1 (en) | Film depositing apparatus | |
US11600468B2 (en) | Multi channel splitter spool | |
JP5924336B2 (ja) | 化学蒸着処理の原料ガス供給用ノズル | |
RU2766911C1 (ru) | Сопло с нагнетательным отверстием в виде прорези и способ силицирования стальной полосы с высоким содержанием кремния посредством сопла | |
JP5127372B2 (ja) | 蒸着装置 | |
JP2583392B2 (ja) | ハーメチックコート光ファイバの製造方法 | |
CN112567068B (zh) | 用于以含碳层对基底覆层的设备 | |
TWI839614B (zh) | 液體材料驟蒸發坩堝、蒸氣沉積設備及用於塗覆真空腔室內的基板的方法 | |
JP2009057614A5 (ja) | ||
JP2729112B2 (ja) | ハーメチックコート光ファイバの製造装置及び製造方法 | |
JP6403106B2 (ja) | 気相成長装置 | |
JP4489223B2 (ja) | 2波長の光線透過率による膜特性の制御されたAlOx膜の形成方法および装置 | |
JP3103685B2 (ja) | 成膜方法 |