JP2009079104A - ブロック共重合体組成物、その製造方法および樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリ乳酸を含有し、汎用樹脂と同程度の耐熱性を有する樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドにおいて、リン系化合物を含むポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂セグメントをもつブロック共重合体を相溶化剤として添加することにより、ブレンド時の温度に耐えうる相溶化剤とすることができ、これまで不可能だったポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドを可能にし、石油原料の使用量を抑えた汎用樹脂を提供することができる。
【選択図】なし
【解決手段】ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドにおいて、リン系化合物を含むポリ乳酸セグメントとポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂セグメントをもつブロック共重合体を相溶化剤として添加することにより、ブレンド時の温度に耐えうる相溶化剤とすることができ、これまで不可能だったポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドを可能にし、石油原料の使用量を抑えた汎用樹脂を提供することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、高い耐熱性をもつ、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブロック共重合体、及び、該ブロック共重合体を、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドにおいて、相溶化剤として用い、高い耐熱性、高い透明性、高い溶融加工性などを有する樹脂組成物およびその成形品に関するものである。
近年、環境問題に対する意識が高まる中で、石油資源を原料としない樹脂が注目されている。中でもポリ乳酸は、とうもろこしなどから製造されるラクチドを出発原料としており、比較的コストが安く、融点もおよそ170℃であり、溶融成形可能な非石油原料樹脂として期待されている。
しかし、ポリ乳酸は、通常使用されている汎用ポリマーと比較すると、耐熱性や耐衝撃性などの機械特性は充分でない。そのため、プラスチック材料としての使用を考えた場合、耐衝撃性が低いことや、結晶化が遅いことから起因する実用的成形条件における成形タイムサイクルが長いことや、実用上耐熱性が不十分であることなどの問題を有していた。
このような背景のもと、上記の問題点を解決するために、ポリ乳酸とポリブチレンサクシネートやポリカプロラクトン、その他ガラス転移温度の低い脂肪族ポリエステルなどをブレンドして衝撃性を改良する試みや、セルロースなどのガラス転移温度の高い樹脂とブレンドすることで耐熱性を改良する検討がなされている。
しかし、上記改良でも、汎用樹脂と比べると衝撃性、耐熱性はまだまだ十分ではなく、さらなる特性向上が期待されている。
一方、近年、ポリ乳酸と耐熱性、機械特性の高い汎用樹脂をブレンドする検討がなされている。
これは、ポリ乳酸を汎用樹脂とブレンドして使用することにより、主として石油原料由来の汎用樹脂の使用量を抑えることにより、石油原料の使用量が抑えられ、さらに廃棄時の炭酸ガスの発生や燃焼熱を低下させることができる、新たな環境負荷低減手法として着目されている。
しかし、ポリ乳酸と汎用樹脂とのブレンドを行う際、ポリ乳酸と汎用樹脂との分散性が十分でなく、耐熱性や機械特性を向上させるには至らないことが知られている。
これまでに、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドとして、ポリ乳酸とポリ(メチルメタクリレート)とのブレンドに関する方法が開示されている(特許文献1)。
本手法は、ブレンドする際に、ポリ(メチルメタクリレート)の分子量をある範囲に制御することにより実施されるものであるが、本手法は、ポリ(メチルメタクリレート)特有のものであり、汎用性に乏しい。
一方、2種類以上のポリマーをブレンドする際に添加剤として相溶化剤を加えることが広く知られている(非特許文献1)。中でも、非相溶系のポリマーをブレンドする際には、ブロックポリマーが有効であることが知られている。
この考えを元に、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドを行うには、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブロックポリマーを相溶化剤として用いればよいことが容易に推測できる。
しかし、実際に上記ブロックポリマーを相溶化剤として用いブレンドした場合、これらのブロックポリマーがブレンド時に、熱分解を起こしてしまい、ブレンドできないことが知られていた。
特に、ポリ乳酸セグメントと脂肪族ポリエステルセグメントを持つブロック共重合体などでは、その現象は著しく、これまで知られている上記ブロックポリマーでは高々220℃程度の耐熱性しかなかった(特許文献2、3、4)。
これは、ブロック共重合体に含まれる金属成分が加熱時に分解助剤となっているためであると考えられる。
特開2005−171204号公報
特開平9−59356号公報
特表2005−533148号公報
特開平9−100344号公報
プラスチックの相溶化剤と開発技術(株式会社 シー・エム・シー 1992年 発刊 82ページ)
本発明は、ポリ乳酸と汎用樹脂とのブレンド時の相溶性を向上させるための新規相溶化剤を開発することおよび本新規相溶化剤を用いたポリ乳酸と汎用樹脂をブレンドした環境低負荷な樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントとのブロック共重合体を金属触媒を用いて反応した際、その反応終了後にリン系化合物を添加することで得られたブロック共重合体がこれまでにない耐熱性を有し、ポリ乳酸と汎用樹脂とのブレンドを可能とする相溶化剤、およびそれらのブレンドした樹脂組成物を見いだした。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
1.ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントからなるブロック共重合体、および一般式(1)または(2)(R1、R2、R3は、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フェノキシ基、水酸基のいずれかを表し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。また、Xは、酸素原子または硫黄原子を示す。)で表されるリン系化合物を配合してなることを特徴とするブロック共重合体組成物。
1.ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントからなるブロック共重合体、および一般式(1)または(2)(R1、R2、R3は、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フェノキシ基、水酸基のいずれかを表し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。また、Xは、酸素原子または硫黄原子を示す。)で表されるリン系化合物を配合してなることを特徴とするブロック共重合体組成物。
2.ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントからなるブロック共重合体100質量部に対し、前記リン系化合物を0.001〜2質量部配合してなる1記載のブロック共重合体組成物。
3.前記リン系化合物が、リン酸、トリメチルリン酸、トリフェニルリン酸、およびトリブチルリン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1または2記載のブロック共重合体組成物。
4.室温から20℃/分で昇温したときの250℃における質量減少が1質量%以下である1〜3のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
5.ブロック共重合体のポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂セグメントが一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントであることを特徴とする1から4のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
3.前記リン系化合物が、リン酸、トリメチルリン酸、トリフェニルリン酸、およびトリブチルリン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1または2記載のブロック共重合体組成物。
4.室温から20℃/分で昇温したときの250℃における質量減少が1質量%以下である1〜3のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
5.ブロック共重合体のポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂セグメントが一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントであることを特徴とする1から4のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
(xは1以上10以下の整数を表す)
6.一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントのxが2〜6(但し、xは整数)であることを特徴とする5記載のブロック共重合体組成物。
7.ブロック共重合体のポリ乳酸セグメントと一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントの質量比が20/80〜80/20質量部(ただしポリ乳酸セグメントと脂肪族ポリエステルセグメントの合計は100質量部)であることを特徴とする5または6記載のブロック共重合組成物。
8.ブロック共重合体の質量平均分子量が5千以上かつ30万以下であることを特徴とする1から7のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
9.ポリ乳酸とポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂とのブロック共重合体を製造する際に、重合終了後、前記リン系化合物を添加することを特徴とする1から8いずれか1項記載のブロック共重合体の製造方法。
10.(A)+(B)を100質量部として、ポリ乳酸(A)99〜1質量部、ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)1〜99質量部、および1から8のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物0.1〜20質量部とを配合してなる樹脂組成物。
11.ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂およびポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする10記載の樹脂組成物。
12.10または11記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
6.一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントのxが2〜6(但し、xは整数)であることを特徴とする5記載のブロック共重合体組成物。
7.ブロック共重合体のポリ乳酸セグメントと一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントの質量比が20/80〜80/20質量部(ただしポリ乳酸セグメントと脂肪族ポリエステルセグメントの合計は100質量部)であることを特徴とする5または6記載のブロック共重合組成物。
8.ブロック共重合体の質量平均分子量が5千以上かつ30万以下であることを特徴とする1から7のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
9.ポリ乳酸とポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂とのブロック共重合体を製造する際に、重合終了後、前記リン系化合物を添加することを特徴とする1から8いずれか1項記載のブロック共重合体の製造方法。
10.(A)+(B)を100質量部として、ポリ乳酸(A)99〜1質量部、ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)1〜99質量部、および1から8のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物0.1〜20質量部とを配合してなる樹脂組成物。
11.ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂およびポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする10記載の樹脂組成物。
12.10または11記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントからなるブロック共重合体に前記特定のリン系化合物を配合することにより、ブロック共重合体を製造する際の再沈殿工程が不要となり、生産性の向上が図れ、ブロック共重合体組成物の耐熱性も向上させることができ、このブロック共重合体組成物を、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂と共に溶融混合することで、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂との相溶性が向上し、高い耐熱性、高い機械物性、高い溶融加工性、高い成形性を有しかつ石油原料使用量を減らした樹脂組成物が得られ、それを成形することで特性を保持しつつ実用性に優れた環境低負荷の成形品を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物に含まれるブロック共重合体は、ポリ乳酸セグメントと、ポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントからなるブロック共重合体である。ポリ乳酸セグメントとは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる単量体成分とするポリマーである。また、本ポリ乳酸セグメントには、乳酸以外の他の単量体成分を含んでいてもよい。他の単量体成分としては、例示するならばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオ−ル、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセタン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。
上記他の単量体成分の共重合量は、全単量体成分に対し、好ましくは、0〜30モル%であり、より好ましくは0〜10モル%である。
本発明のブロック共重合体のポリ乳酸セグメントの単量体成分である乳酸成分は、光学純度が高いものを用いることが好ましい。具体的に例示するならば、ポリ乳酸セグメントの総乳酸成分の内、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることがより好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが更に好ましい。この範囲のものを用いることにより、耐熱性の高い、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントからなるブロック共重合体を得ることができる。
本発明で用いられるブロック共重合体のポリ乳酸セグメントの分子量については、特に制限はないが、通常質量平均分子量が1000以上のものが好ましい。さらに好ましくは質量平均分子量が5000以上、より好ましくは1万以上である。上限としては30万以下であることが好ましい。ここでいう質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した標準ポリスチレンからの換算分子量をもとにした計算値である。
次に本発明のブロック共重合体の、ポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントとは、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、環状オレフィン系樹脂、アクリロニトリル・ブタンジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂およびポリエーテルイミド樹脂などが挙げられ、1種または2種以上併用してもよい。
なかでも、耐熱性、成形性、流動性および機械特性の点で、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましい。これらは1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
その中でもより好ましい態様は、ポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントがポリエステル樹脂セグメントである態様である。
ここでいうポリエステル樹脂とは、(1)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、ジオールから得られるポリエステル、(2)ヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体、(3)ラクトン、から選択された一種以上を主構造単位とする重合体または(1)〜(3)の共重合体である。
上記(1)中でいうジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタンなどの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。
上記(1)でいうエステル形成性誘導体としては、上記カルボン酸部分が、アルキルエステル、酸ハライド、アルキルアミドに変換されたものをいう。
また、上記(1)中でいうジオールを例示するならば、炭素数2〜20の脂肪族グリコールであり、より具体的に例示するならば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられる。
(1)でいう、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体を構造単位とする重合体を具体的に例示するならば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリプロピレンイソフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンイソフタレート、ポリへキシレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリエチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/サクシネート、ポリプロピレンテレフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/サクシネート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリエチレンテレフタレート/セバケート、ポリプロピレンテレフタレート/セバケート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/セバケートなどの芳香族ポリエステル樹脂、ポリエチレンオキサレート、ポリプロピレンオキサレート、ポリブチレンオキサレート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルグリコールアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリエチレンサクシネート/アジペート、ポリプロピレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペートなどの脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
また、上記(2)でいうヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
また、上記(3)でいうラクトンとしては、イプシロンカプロラクトン、ガンマバレロラクトン、デルタバレロラクトン、ガンマブチロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセタン−2−オン、クマリンなどが挙げられる。
ポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントの特に好ましい態様は、一般式(3)で示される構造をもつポリエステル樹脂セグメントである。
式中Xは、1以上10以下の整数であり、好ましくは2以上6以下の整数である。本発明のブロック共重合体のポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントの分子量は、特に制限はないが、通常質量平均分子量が1000以上のものが用いられる。好ましくは5000以上、さらに好ましくは1万以上である。上限としては30万以下であることが好ましい。
これらのセグメントの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い測定することができる。
また、本発明のブロック共重合体は、室温から20℃/分で昇温したときの250℃における質量減少が1質量%以下であることが好ましい。ここで質量減少は、熱質量分析(TGA)にて、室温から400℃へ20℃/分で昇温したとき、250℃到達時点での質量減少量の測定前のサンプル質量に対する割合であり、質量減少を測定するサンプルは、約1mgから10mgの範囲で測定を行う。
本発明で用いられるブロック共重合体は、上記で説明したポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントとがブロック共重合したものである。
この際、ブロック共重合体の分子量は、特に制限はないが、質量平均分子量が5000以上30万以下が好ましく、さらに好ましくは8000以上50000以下である。
ここでいう質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した標準ポリスチレンからの換算分子量をいう。
本発明でいうブロック共重合体では、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントの比が、質量比で20/80〜80/20であることが好ましく、より好ましくは30/70〜70/30の比であり、さらに好ましくは40/60〜60/40の比である。(ただし、ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントの合計を100質量部とする。)
ここでいう各セグメントの質量比は、核磁気共鳴測定(NMR)から算出することができる。NMRにより、ポリマー末端基のピークとポリ乳酸セグメントの特徴的成分およびポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントの特徴的成分のピークの積分比から求める。例えば、ポリ乳酸とポリカプロラクトンのブロック共重合体では、5.16ppm付近に存在するポリ乳酸セグメントの主成分メチン基との面積と4.07ppm付近に存在するポリカプロラクトンの主成分メチレン基との面積からブロック共重合体の組成比を求めることができる。この分子量および共重合組成比の範囲であれば、本発明の主たる目的であるポリ乳酸(A)とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)とのブレンド時の分散性を向上させ、樹脂組成物の衝撃特性などの機械特性や、耐熱性を向上させることが出来る。
ここでいう各セグメントの質量比は、核磁気共鳴測定(NMR)から算出することができる。NMRにより、ポリマー末端基のピークとポリ乳酸セグメントの特徴的成分およびポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントの特徴的成分のピークの積分比から求める。例えば、ポリ乳酸とポリカプロラクトンのブロック共重合体では、5.16ppm付近に存在するポリ乳酸セグメントの主成分メチン基との面積と4.07ppm付近に存在するポリカプロラクトンの主成分メチレン基との面積からブロック共重合体の組成比を求めることができる。この分子量および共重合組成比の範囲であれば、本発明の主たる目的であるポリ乳酸(A)とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)とのブレンド時の分散性を向上させ、樹脂組成物の衝撃特性などの機械特性や、耐熱性を向上させることが出来る。
次に、本発明におけるブロック共重合体の製造方法を示す。
本発明のブロック共重合体の製造方法としては、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂とラクチドを出発原料とし、既知の重合触媒を用い、ポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂からポリ乳酸セグメントを伸長させることで製造することができる。
この時使用される開環重合触媒としては、例えば、錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウムなどの金属及びその誘導体が挙げられる。
上記金属の誘導体としては、金属アルコキシド、カルボン酸塩、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が挙げられる。
具体的には、塩化錫、臭化錫、ヨウ化錫、酢酸錫、プロピオン酸錫、酪酸錫、吉草酸錫、ヘキサン酸錫、ヘプタン酸錫、2−エチルヘキシル酸錫、オクチル酸錫、ノナン酸錫、デカン酸錫、ドデカン酸錫、トリデカン酸錫、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、酸化鉛、炭酸鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、塩化アルミニウム、アルコキシアルミニウム、酸化アルミニウムなどが挙げられ、好ましくは、塩化錫、臭化錫、ヨウ化錫、酢酸錫、吉草酸錫、ヘキサン酸錫、ヘプタン酸錫、2−エチルヘキシル酸錫、オクチル酸錫、ノナン酸錫、デカン酸錫、ドデカン酸錫、トリデカン酸錫であり、特に好ましくは、2−エチルヘキシル酸錫、オクチル酸錫である。
開環重合触媒の添加量は、ポリ乳酸セグメントの原料であるラクチドとポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂セグメントとの総質量100質量部に対して0.001〜2質量部が好ましく、特に好ましくは、0.001〜1質量部である。
原料であるラクチドは、特に純度など限定されることなく、工業的に入手できるものを使用する。純度は高いほうが好ましいが、若干の不純物が含まれているのが通常であり、これらが含まれていてもかまわない。
ブロック性が高く、分子量の高いブロック共重合体を製造するためには、原料であるラクチド及びポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂中の水分を出来る限り取り除くことが好ましい。
また、該脂肪族ポリエステルをラクチドに完全に融解させた後、ブロック共重合に供することが好ましい。特に開環重合法で製造する際は、水分を取り除くことが重要となる。
重合温度は、原料であるポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂が溶融する温度で行うのが好ましい。原料であるポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂により異なるが、通常60〜300℃であり、好ましくは80〜140℃、より好ましくは100〜140℃である。
上記温度範囲で溶融しないポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂を原料として重合する時は、溶媒を使用してもよい。
使用する溶媒の具体的な例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−トリデカン、シクロヘキサン、シクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、2,6−ジクロロトルエン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルスルホキシド、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、トリメチルリン酸等の極性溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジグライム、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒の中から少なくとも1種類から選ばれる溶媒を用いて実施することが可能である。
重合の反応時間は、反応温度、溶媒の使用量により異なるが、1時間〜100時間、好ましくは、1時間〜50時間、より好ましくは、1時間〜24時間である。
本発明で用いるブロック共重合体を製造する際に使用される反応容器は特に限定されるものではないが、ミキサー型反応器、塔型反応器および押出し機型反応器などを用いることができる。また、これらの反応器は2種以上組み合わせて使用することができる。
各工程の反応圧力は、特に限定されるものではなく、減圧、常圧および加圧いずれの条件でもよい。
また、各工程においては、反応系内をできる限り乾燥状態にすることが好ましい。
また原料であるラクチドやポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂を乾燥させたり、脱窒素雰囲気下で反応を行うなどが、得られるブロック共重合体の高分子量化や高いブロック率達成のために有効である。
ポリ乳酸セグメントの質量平均分子量、およびポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂セグメントの質量平均分子量は、最終的に得られるブロックポリマーの質量平均分子量が前述の範囲であれば、特に制限はないが、各セグメントの分子量が小さくなると、相溶化剤としての効果が小さくなり、その結果、最終的に得られる樹脂組成物の分散性、耐熱性、機械特性が低下し、ブロックポリマーを製造する際の製造時の取り扱いも悪くなる。
それぞれのセグメントの質量平均分子量は、1000以上のものが最も好ましく、より好ましくは5000以上、さらに好ましくは10000以上である。
更に、重合終了後、金属触媒を失活させることが本発明の最も肝要な部分である。金属触媒を失活させるために、重合終了後、触媒失活剤として、リン系化合物を使用する。
このとき使用されるリン系化合物としては、一般式(1)または(2)(R1、R2、R3は、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フェノキシ基、水酸基を表し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。また、Xは、酸素原子、硫黄原子を示す。)で表されるリン系化合物を使用する。
具体的なリン酸系化合物としては、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルが挙げられ、ホスホン酸系化合物としては亜リン酸、亜リン酸のナトリウム塩、亜リン酸のカリウム塩、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、トリルホスホン酸、キシリルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アントリルホスホン酸、2−カルボキシフェニルホスホン酸、3−カルボキシフェニルホスホン酸、4−カルボキシフェニルホスホン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスホン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,3,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスホン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、メチルホスホン酸ジエチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸ジエチルエステル、フェニルホスホン酸ジフェニルエステル、ベンジルホスホン酸ジメチルエステル、ベンジルホスホン酸ジエチルエステル、ベンジルホスホン酸ジフェニルエステル、リチウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ナトリウム(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、マグネシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、カルシウムビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)、ジエチルホスホノ酢酸、ジエチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチル等が挙げられ、ホスフィン酸系化合物としては次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、メチルホスフィン酸、エチルホスフィン酸、プロピルホスフィン酸、イソプロピルホスフィン酸、ブチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、トリルホスフィン酸、キシリルホスフィン酸、ビフェニリルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジプロピルホスフィン酸、ジイソプロピルホスフィン酸、ジブチルホスフィン酸、ジトリルホスフィン酸、ジキシリルホスフィン酸、ジビフェニリルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アントリルホスフィン酸、2−カルボキシフェニルホスフィン酸、3−カルボキシフェニルホスフィン酸、4−カルボキシフェニルホスフィン酸、2,3−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,6−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,4−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、3,5−ジカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,4−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,3,6−トリカルボキフェニルホスフィン酸、2,4,5−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、2,4,6−トリカルボキシフェニルホスフィン酸、ビス(2−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(4−カルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3−ジカルボキルシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,6−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(3,5−ジカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,4−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,3,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(2,4,5−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、およびビス(2,4,6−トリカルボキシフェニル)ホスフィン酸、メチルホスフィン酸メチルエステル、ジメチルホスフィン酸メチルエステル、メチルホスフィン酸エチルエステル、ジメチルホスフィン酸エチルエステル、エチルホスフィン酸メチルエステル、ジエチルホスフィン酸メチルエステル、エチルホスフィン酸エチルエステル、ジエチルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸メチルエステル、フェニルホスフィン酸エチルエステル、フェニルホスフィン酸フェニルエステル、ジフェニルホスフィン酸メチルエステル、ジフェニルホスフィン酸エチルエステル、ジフェニルホスフィン酸フェニルエステル、ベンジルホスフィン酸メチルエステル、ベンジルホスフィン酸エチルエステル、ベンジルホスフィン酸フェニルエステル、ビスベンジルホスフィン酸メチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸エチルエステル、ビスベンジルホスフィン酸フェニルエステルが挙げられ、これらのいずれか1種または2種であることが好ましい。
更に異物抑制、色調改善および触媒失活能が高いという利点から、リン酸、トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリブチルリン酸、およびトリフェニルリン酸から選ばれる少なくとも1種のリン酸系化合物が好ましい。
リン系化合物の添加量は、ポリ乳酸セグメントの原料であるラクチドとポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂セグメントとの総質量100質量部に対して0.001〜2質量部が好ましく、さらに好ましくは、0.001〜1質量部である。リン系化合物の添加量が0.001質量部以下であると、触媒を十分に失活させることができない。また2質量部以上であると、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドの際に着色してしまう。
リン系化合物の添加量を0.001〜2質量部とすることで、塩酸などの酸で金属触媒を失活させる再沈殿工程が不要となり、またリン系化合物がポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドの際に悪影響を及ぼすことも無くなり、効率化が図れる。
以上のようにして、本発明のブロック共重合体組成物を製造すれば、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂とのブレンドの際に有効な、ブロック共重合体組成物となり、ポリ乳酸とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂の分散性が顕著に向上し、機械的特性や耐熱性が顕著に向上する。
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、(A)+(B)を100質量部として、ポリ乳酸(A)99〜1質量部に対し、ポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂(B)1〜99質量部、および上記で製造した、ブロック共重合体組成物0.1〜20質量部とを配合してなる樹脂組成物である。
ポリ乳酸(A)とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)の配合量は(A)/(B)が99/1〜1/99質量部であり、好ましくは80/20〜20/80質量部、より好ましくは70/30〜30/70質量部である。
ポリ乳酸(A)とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)のみを上記組成範囲で単に溶融混練して配合しても、樹脂組成物中の、両ポリマーの分散状態は粗大分散となり、ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)の種類によっては溶融配合が不可能となる。
一方、ポリ乳酸(A)とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)に対し、前述のブロック共重合体組成物をポリ乳酸(A)とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)100質量部に対して0.1〜20質量部配合することにより、ブロック共重合体組成物がポリ乳酸(A)とポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)を相溶させるための相溶化剤として作用することにより、樹脂組成物中の両ポリマーの分散性が顕著に向上し、その結果、樹脂組成物の機械物性や耐熱性などの特性を向上できることを見出した。
本発明樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、天然繊維、有機繊維、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトおよび白土など)、酸化防止剤(ヒンダートフェノール系、アミン系、ホスファイト系、チオエステル系など)、紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系など)、赤外線吸収剤、有機顔料(シアニン系、スチルベン系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリノン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、クノフタロン系など)、無機顔料、蛍光増白剤、滑剤、離形剤、難燃剤(リン系、ブロム系など)、抗菌剤、制電剤、核化剤、撥水剤、防カビ剤、消臭剤、ブロッキング防止剤などを添加することができる。
その他、天然由来の有機充填剤として、籾殻、木材チップ、おから、古紙粉砕材、衣料粉砕材などのチップ状のもの、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナッツ繊維などの植物繊維もしくはこれらの植物繊維から加工されたパルプやセルロース繊維および絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダなどの動物繊維などの繊維状のもの、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質、澱粉などの粉末状のものを配合することができる。
また、本発明で使用するポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリグリコール酸、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ酪酸、ポリ4−ヒドロキシ吉草酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトンなどのポリ乳酸以外の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とするポリエステル重合体、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートまたはポリブチレンサクシネートなどの脂肪族多価カルボン酸および脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体、ポリブチレンアジペートテレフタレートなどの脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸および脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体などを使用することができ、2種類以上の混合物であっても良い。軟質熱可塑性樹脂(例えばエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体、ポリエステルエラストマーおよびポリアミドエラストマーなど)などの少なくとも1種以上を配合することも可能である。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で熱硬化性樹脂(例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂およびエポキシ樹脂など)などの少なくとも1種以上をさらに含有させることができる。
本発明の樹脂組成物は、相溶性または混和性に優れ溶融混練可能であることから、例えば、ポリ乳酸(A)、ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)およびブロック共重合体組成物および必要に応じてその他の添加剤を予めブレンドした後、樹脂組成物が流動し始める温度以上において、1軸または2軸押出機で、均一に溶融混練する方法が好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸単独、あるいはポリ乳酸とその他樹脂だけを配合したものとは、全く異なる独特の特性を持つ組成物であり、機械物性、耐熱性、溶融加工性に優れるため、射出成形や押出成形などの方法によって、各種成形品に加工し利用することができる。射出成形する場合の金型温度としては、結晶化の観点から、30℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましく、70℃以上がさらに好ましく、試験片の変形の観点から、140℃以下が好ましく、120℃以下がさらに好ましく、110℃以下がさらに好ましい。
また、成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、フィルム、繊維、シートなどとして利用できる。またフィルムとしては、未延伸、一軸延伸、二軸延伸、インフレーションフィルムなどの各種フィルムとして、繊維としては、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維として利用することができる。また、これらの物品は、電気・電子部品、建築部材、土木部材、農業資材、自動車部品、日用品など各種用途に利用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって規定されるものではない。ここで、実施例中の部数は、特に断りのない限り質量部を示す。
また、各種物性は、以下の機器を用い測定した。詳細な分析条件は以下の通りである。
(定性分析、ブロック共重合体組成比算出)
核磁気共鳴測定(NMR):日本電子社製:AL−400を用い、1H―NMR測定を行い、そのスペクトルピーク値から定性分析を、また面積積分値からブロック共重合組成比の算出を行った。
核磁気共鳴測定(NMR):日本電子社製:AL−400を用い、1H―NMR測定を行い、そのスペクトルピーク値から定性分析を、また面積積分値からブロック共重合組成比の算出を行った。
具体的には、ポリ乳酸とポリカプロラクトンのブロック共重合体では、5.16ppm付近に存在するポリ乳酸セグメントの主成分メチン基との面積と4.07ppm付近に存在するポリカプロラクトンの主成分メチレン基との面積からブロック共重合体のモル組成比を求め、それぞれの共重合組成の質量組成比を求めた。
(分子量測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、標準ポリスチレンによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:島津製作所社製 LC−10Aシリーズ
カラム:昭和電工社製KL−806+KL−804
移動相:THF
流速:1.0ml/min
検出:示差屈折率計。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用い、標準ポリスチレンによる校正曲線と対比させて分子量を算出した。
装置:島津製作所社製 LC−10Aシリーズ
カラム:昭和電工社製KL−806+KL−804
移動相:THF
流速:1.0ml/min
検出:示差屈折率計。
(質量減少の測定)
熱質量分析法(セイコーインスツルメント社製 TMA100)を用い、質量減少の測定を行った。
熱質量分析法(セイコーインスツルメント社製 TMA100)を用い、質量減少の測定を行った。
温度条件は、下記の通りである。
スタート時:室温
昇温速度 :20℃/min
終了温度 :400℃
サンプル量:約5mg程度を精秤した。質量減少の測定は付属のソフトを用いて算出した。
スタート時:室温
昇温速度 :20℃/min
終了温度 :400℃
サンプル量:約5mg程度を精秤した。質量減少の測定は付属のソフトを用いて算出した。
実施例1.ブロック共重合体合成
乾燥させた反応容器(4つ口フラスコ)にポリカプロラクトンジオール(アルドリッチ社製)100グラム、L−ラクチド(ピューラック製)120グラムを入れて系内を窒素置換した。窒素雰囲気下、反応容器を140℃まで加熱し、ポリカプロラクトンジオール、L−ラクチドを溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ(アルドリッチ社製)4グラムを脱水トルエン(関東化学株式会社製)8mLに溶した溶液をシリンジで加え、140℃で4時間攪拌を行った。反応終了後、トリフェニルリン酸2グラムを加え、室温まで冷却させ、ポリ乳酸とポリカプロラクトンのブロック共重合体を220g得た。質量平均分子量 Mw=10800。ブロック共重合体のポリ乳酸とポリカプロラクトンのモル組成比:66/34(NMRより算出)。質量組成比:55/45。得られたブロック共重合体を上記熱質量分析を行った結果、250℃における質量減少0.3%、300℃における質量減少4.3%であった。
乾燥させた反応容器(4つ口フラスコ)にポリカプロラクトンジオール(アルドリッチ社製)100グラム、L−ラクチド(ピューラック製)120グラムを入れて系内を窒素置換した。窒素雰囲気下、反応容器を140℃まで加熱し、ポリカプロラクトンジオール、L−ラクチドを溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ(アルドリッチ社製)4グラムを脱水トルエン(関東化学株式会社製)8mLに溶した溶液をシリンジで加え、140℃で4時間攪拌を行った。反応終了後、トリフェニルリン酸2グラムを加え、室温まで冷却させ、ポリ乳酸とポリカプロラクトンのブロック共重合体を220g得た。質量平均分子量 Mw=10800。ブロック共重合体のポリ乳酸とポリカプロラクトンのモル組成比:66/34(NMRより算出)。質量組成比:55/45。得られたブロック共重合体を上記熱質量分析を行った結果、250℃における質量減少0.3%、300℃における質量減少4.3%であった。
比較例1.ブロック共重合体合成
乾燥させた反応容器(4つ口フラスコ)にポリカプロラクトンジオール(アルドリッチ社製)150グラム、L−ラクチド(ピューラック製)180グラムを入れて系内を窒素置換した。窒素雰囲気下、反応容器を140℃まで加熱し、ポリカプロラクトンジオール、L−ラクチドを溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ(アルドリッチ社製)3グラムを脱水トルエン(関東化学株式会社製)6mLに溶した溶液をシリンジで加え、140℃で4時間攪拌を行った。反応終了後、室温まで冷却させ、得られた固体を400mLのクロロホルムに溶解させた。その後、このクロロホルム溶液を、0.1%塩酸を含むメタノール溶液に攪拌しながら沈殿させ、モノマーを完全に除去させ、ポリ乳酸とポリカプロラクトンのブロック共重合体を200g得た。収率60%。質量平均分子量 Mw=9800。ブロック共重合体のポリ乳酸とポリカプロラクトンのモル組成比:66/34(NMRより算出)。質量組成比:55/45。このブロック共重合体を再びクロロホルムに溶解させ、メタノール溶液に撹拌しながら沈殿させた。得られたポリマーを吸引濾過し、60℃にて加熱真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を上記熱質量分析を行った結果、250℃における質量減少0.8%、300℃における質量減少12.8%であった。
乾燥させた反応容器(4つ口フラスコ)にポリカプロラクトンジオール(アルドリッチ社製)150グラム、L−ラクチド(ピューラック製)180グラムを入れて系内を窒素置換した。窒素雰囲気下、反応容器を140℃まで加熱し、ポリカプロラクトンジオール、L−ラクチドを溶解させ、2−エチルヘキサン酸スズ(アルドリッチ社製)3グラムを脱水トルエン(関東化学株式会社製)6mLに溶した溶液をシリンジで加え、140℃で4時間攪拌を行った。反応終了後、室温まで冷却させ、得られた固体を400mLのクロロホルムに溶解させた。その後、このクロロホルム溶液を、0.1%塩酸を含むメタノール溶液に攪拌しながら沈殿させ、モノマーを完全に除去させ、ポリ乳酸とポリカプロラクトンのブロック共重合体を200g得た。収率60%。質量平均分子量 Mw=9800。ブロック共重合体のポリ乳酸とポリカプロラクトンのモル組成比:66/34(NMRより算出)。質量組成比:55/45。このブロック共重合体を再びクロロホルムに溶解させ、メタノール溶液に撹拌しながら沈殿させた。得られたポリマーを吸引濾過し、60℃にて加熱真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を上記熱質量分析を行った結果、250℃における質量減少0.8%、300℃における質量減少12.8%であった。
実施例2.樹脂組成物製造
ポリ乳酸(質量平均分子量20万、D−乳酸単位1%、融点175℃のポリ−L−乳酸、Nature Works製)1400グラム、ポリエチレンテレフタレート(東レ社製 T−60)600グラム、実施例1で合成したブロック共重合体50グラムをドライブレンドした後、40mmφ単軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。このとき、ブロック共重合体の分解による発泡は見られず、均質な樹脂組成物が得られた。
ポリ乳酸(質量平均分子量20万、D−乳酸単位1%、融点175℃のポリ−L−乳酸、Nature Works製)1400グラム、ポリエチレンテレフタレート(東レ社製 T−60)600グラム、実施例1で合成したブロック共重合体50グラムをドライブレンドした後、40mmφ単軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。このとき、ブロック共重合体の分解による発泡は見られず、均質な樹脂組成物が得られた。
比較例2.樹脂組成物製造
ポリ乳酸(質量平均分子量20万、D−乳酸単位1%、融点175℃のポリ−L−乳酸、Nature Works製)1400グラム、ポリエチレンテレフタレート(東レ社製 T−60)600グラム、実施例1で合成したブロック共重合体50グラムをドライブレンドした後、40mmφ単軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。このとき、ブロック共重合体の分解による発泡が見られた。
ポリ乳酸(質量平均分子量20万、D−乳酸単位1%、融点175℃のポリ−L−乳酸、Nature Works製)1400グラム、ポリエチレンテレフタレート(東レ社製 T−60)600グラム、実施例1で合成したブロック共重合体50グラムをドライブレンドした後、40mmφ単軸押出機のホッパーに供給し、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。このとき、ブロック共重合体の分解による発泡が見られた。
Claims (12)
- ポリ乳酸セグメントとポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂セグメントからなるブロック共重合体100質量部に対し、前記リン系化合物を0.001〜2質量部配合してなる請求項1記載のブロック共重合体組成物。
- 前記リン系化合物が、リン酸、トリメチルリン酸、トリフェニルリン酸、およびトリブチルリン酸から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載のブロック共重合体組成物。
- 室温から20℃/分で昇温したときの250℃における質量減少が1質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
- 一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントのxが2〜6(但し、xは整数)であることを特徴とする請求項5記載のブロック共重合体組成物。
- ブロック共重合体のポリ乳酸セグメントと一般式(3)で表される脂肪族ポリエステルセグメントの質量比が20/80〜80/20質量部(ただしポリ乳酸セグメントと脂肪族ポリエステルセグメントの合計は100質量部)であることを特徴とする請求項5または6記載のブロック共重合組成物。
- ブロック共重合体の質量平均分子量が5千以上かつ30万以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物。
- ポリ乳酸とポリ乳酸を除く熱可塑性樹脂とのブロック共重合体を製造する際に、重合終了後、前記リン系化合物を添加することを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のブロック共重合体の製造方法。
- (A)+(B)を100質量部として、ポリ乳酸(A)99〜1質量部、ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)1〜99質量部、および請求項1から8のいずれか1項記載のブロック共重合体組成物0.1〜20質量部とを配合してなる樹脂組成物。
- ポリ乳酸以外の熱可塑性樹脂(B)が、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂およびポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10記載の樹脂組成物。
- 請求項10または11記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
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2007
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