JP2009078279A - 真空ダイカスト用金型および真空ダイカスト法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な強度を有する鋳物を製造し得る真空ダイカスト用金型を提供する。
【解決手段】真空ダイカスト用金型30は、互いに合わさって空洞35を形成する一対の第1入子120および第2入子220を有する。第1入子は、分割構造を有する。第1入子を分割する分割面は、入子同士の接触面121、221と交わる。また、第1入子を分割する分割面は、入子同士の接触面に対して平行な平面140、140’を有する。第1入子と同様に、第2入子も分割構造を有する。第2入子を分割する分割面は、入子同士の接触面と交わる。また、第2入子を分割する分割面は、入子同士の接触面に対して平行な平面240、240’を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空ダイカスト用金型および真空ダイカスト法に関する。
金型内の空洞を減圧し、減圧した空洞に溶融した金属(以下、溶湯と呼ぶ。)を充填することにより鋳物を製造する真空ダイカスト法がある。
真空ダイカスト法で用いる金型には、一対の可動型および固定型にこれらの側面から複数のスライドコアを差し込むことにより、所定形状の空洞を形成する金型がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−337955号公報
しかし、上述のように複数のスライドコアを型に差し込むことにより空洞を形成する場合、複数のスライドコアと型との間に隙間が生じ易く、空気や冷却のために金型に吹付ける水等が、空洞内に流入し易い。
また、成形品が大きくなると、成形品に合わせて型やスライドコアも大きくなるが、このような場合、溶湯に近接する部位と離れた部位とで型やスライドコアに温度差が生じ易く、熱膨張の差により、スライドコアと型との間に隙間が更に生じ易くなる。このため、金型内の空洞に空気等が流入し易い。
したがって、サスペンションメンバ等の大きな部品を、スライドコアを用いた真空ダイカスト法により成形する場合、空気等が溶湯に混入し易く、良好な強度を有する鋳物が得難いという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、良好な品質の鋳物を製造し得る真空ダイカスト用金型および真空ダイカスト法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の真空ダイカスト用金型は、互いに合わさって空洞を形成する一対の第1入子および第2入子を有する。第1入子は、分割構造を有する。第1入子を分割する分割面は、入子同士の接触面と交わる。また、第1入子を分割する分割面は、入子同士の接触面に対して平行な平面を有する。第1入子と同様に、第2入子も分割構造を有する。第2入子を分割する分割面は、入子同士の接触面と交わる。また、第2入子を分割する分割面は、入子同士の接触面に対して平行な平面を有する。
上記目的を達成するための本発明の真空ダイカスト法は、上述の第1入子と第2入子とを互いに合わせることにより空洞を形成する工程を有する。
本発明の真空ダイカスト用金型は、熱膨張等の影響により、各入子を分割する分割面が入子同士の接触面に平行な方向に開いても、接触面に平行な平面を当接させておくことができるため、分割面が完全に開くことを抑制することができる。
したがって、本発明の真空ダイカスト用金型によれば、空洞内への空気等の流入を抑制することができ、良好な強度を有する鋳物を製造することができる。よって、本発明の真空ダイカスト用金型は、良好な品質の鋳物を製造し得る。
本発明の真空ダイカスト法は、前述の第1入子および第2入子により空洞を形成する工程を有するため、入子が形成する空洞内への空気等の流入を抑制し、良好な強度を有する鋳物を製造することができる。よって、本発明の真空ダイカスト法は、良好な品質の鋳物を製造することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は真空ダイカスト用金型(以下、単に金型と呼ぶ。)内の空洞に溶湯を充填するためのダイカストマシンを説明するための概略図、図2は金型の概略断面図である。図3は入子の分割面を説明するための概略側面図、図4は図2のIV−IV線から見た可動型の概略正面図、図5は図4のV−V線に沿う金型の概略断面図、図6は可動型の概略部分拡大断面図、図7は溶湯流入時の可動型の概略正面図、図8は溶湯流入時の金型の概略断面図である。
図1を参照して、金型30内の空洞35に溶湯42を充填するためのダイカストマシンは、型締めするためのダイプレート10、20、および金型30内に溶湯42を注入するためのスリーブ12を有する。本実施形態に係るダイカストマシンは、横型ダイカストマシンであり、水平方向でダイプレート10、20が型締めを行う。また、スリーブ12が、水平方向に延在する。
金型30を挟持するためのダイプレート10、20は、油圧シリンダに接続した可動プレート20、および可動プレート20と対をなし可動プレート20からの力を受ける固定プレート10からなる。可動プレート20は、リンク機構を介して油圧シリンダに接続している。可動プレート20および固定プレート10により金型30を締付ける力は、金型30内に注入する溶湯42の圧力および鋳物の大きさに応じて種々設計することができる。本実施形態に係るダイカストマシンおよび金型30は、サスペンションを支持する井桁状の構造材であるサスペンションメンバを製造する。
金型30内の空洞35を減圧するための真空装置(不図示)が、金型30には接続している。真空装置は、真空ポンプ、および真空ポンプの下流に位置する真空タンクを有する。真空タンクの容量は、2000Lである。真空装置は、排気管52により金型30内の空洞35に連通している。
また、金型30には、空洞35に溶湯42を案内するシリンダ状のスリーブ12が、固定型100で接続している。スリーブ12には、溶湯42を溜める保持炉40に一端が没入する給湯管16が、連通するとともに、溶湯42を空洞35内に圧入するプランジャ14が、内部に摺動自在に嵌合している。保持炉40内に溜まった溶湯42は、アルミニウム合金である。
次に、実施形態に係る金型30について説明する。
図2を参照して、実施形態に係る金型30は、固定プレート10に接続する固定型100、および可動プレート20に接続し固定型100に対して近接離隔する可動型200を有する。
固定型100は、金型内の空洞35を形成するためのブロックである入子120(第1入子)、およびこの入子を嵌め込んで保持する母型110を有する。母型110は、ボルトにより固定プレート10に接続するとともに、入子120が嵌合する凹部112(第1凹部)を有し、入子120を嵌合させて固定している。入子120は、入子同士の接触面121の縁に沿って延在するつば状の突出部125を有する。この突出部125の側面124が母型の凹部112の内側面114に当接して、入子は母型110に嵌合している。
以下、固定型100の母型を固定母型110と呼び、固定母型110が保持する入子を固定入子120と呼ぶ。固定母型110の材質は、ダクタイル鋳鉄FCD500であり、固定入子120の材質は、熱間ダイス鋼SKD61である。
また、固定型100は、スリーブ12から流入した溶湯42を空洞35に流すための鋳込み口ブッシュ118を有する。鋳込み口ブッシュ118は、スリーブ12同様にシリンダ形状を有する。鋳込み口ブッシュ118は、スリーブ12に接続するとともに、固定母型110および固定入子120を貫通している。鋳込み口ブッシュ118は、固定型100と可動型200とが合わさるとき、可動型200が有するランナー226に連通する。ランナー226は、空洞35に連通する溝である。
固定母型110に嵌合した固定入子120は、2分割構造を有する。固定入子120を分割する分割面(第1入子分割面)は、入子同士が接触する接触面121と交わる。固定入子120を分割する分割面は、3つの平面である、第1固定入子分割面130、130’、第2固定入子分割面140、140’、および第3固定入子分割面150、150’からなる。これら3つの平面は、階段状につながっている。
第1固定入子分割面130、130’(第3シール面)は、入子同士が接触する接触面121に垂直に交わった平面である。第2固定入子分割面140、140’(第1シール面)は、第1固定入子分割面130、130’につながり、入子同士の接触面121に平行な平面である。第3固定入子分割面150、150’は、入子同士の接触面121の裏側に位置する固定入子120の背面123、および第2固定入子分割面140、140’に垂直につながった平面である。
固定入子120は、樹脂シール材132を保持するシール溝134(以下、樹脂シール材を保持するシール溝を樹脂シール溝と呼ぶ。)を第1固定入子分割面130、130’に有する。また、固定入子120は、ゴムシール142を保持するシール溝144(以下、ゴムシールを保持する溝をゴムシール溝と呼ぶ。)を第2固定入子分割面140に有する。
固定型100と対をなす可動型200は、固定型100と同様、金型30内の空洞35を形成するためのブロックである入子220(第2入子)、およびこの入子220を嵌め込んで保持する母型210を有する。可動型200の母型210は、ボルトにより可動プレート20に接続するとともに、入子220が嵌合する凹部212(第2凹部)を有し、入子220を嵌合させて固定している。入子220は、入子同士の接触面221の縁に沿って延在するつば状の突出部225を有する。この突出部225の側面224が、母型の凹部212の内側面214に当接して母型210に嵌合している。以下、可動型200の母型を可動母型210と呼び、可動母型210が保持する入子を可動入子220と呼ぶ。可動母型210の材質は、ダクタイル鋳鉄FCD500であり、可動入子220の材質は、熱間ダイス鋼SKD61である。
可動母型210に嵌合した可動入子220は、2分割構造を有する。可動入子220を分割する分割面(第2入子分割面)は、入子同士が接触する接触面221と交わる。可動入子220を分割する分割面は、3つの平面である、第1可動入子分割面230、230’、第2可動入子分割面240、240’、および第3可動入子分割面250、250’からなる。これら3つの平面は、階段状につながっている。
第1可動入子分割面230、230’(第4シール面)は、入子同士が接触する接触面221に垂直につながった平面である。第2可動入子分割面240、240’(第2シール面)は、第1可動入子分割面230、230’につながり、入子同士の接触面221に平行な平面である。第3可動入子分割面250、250’は、入子同士の接触面221の裏側に位置する可動入子220の背面223、および第2可動入子分割面240、240’に垂直につながった平面である。
可動入子220は、樹脂シール溝234を第1可動入子分割面230に有する。また、可動入子220は、ゴムシール溝244を第2可動入子分割面240に有する。
固定入子120と可動入子220とは、互いに合わさって空洞35を形成する。具体的には、固定入子120および可動入子220は、固定入子120が備える凸状のコア122と可動入子220が備える凹状のキャビティ222とを互いに合わせることにより、空洞35を形成する。空洞35は、サスペンションメンバの形状を有する。この空洞35には、排気管52が、溶湯42の流入を防止するための真空バルブ50を介して連通している。
図3を参照して、第1可動入子分割面230の樹脂シール溝234は、入子同士の接触面221および空洞35から所定の距離を保って延在する。また、図示しないが、第1固定入子分割面130の樹脂シール溝134も、入子同士の接触面121および空洞35から所定の距離を保って延在する。分割面同士を合わせる幅を確保するため、所定の距離は、150〜200mmである。
図4および図5を参照して、固定入子120および可動入子220は、それぞれ、入子の分割面につながった側面160、161、260、261を有する。以下、固定入子120における、分割面につながった側面160、161(第1側方シール面)を、固定入子側方シール面160、161と呼ぶ。また、可動入子220における、分割面につながった側面260、261(第2側方シール面)を、可動入子側方シール面260、261と呼ぶ。
図4を参照して、可動入子側方シール面260、261は可動母型210の凹部212の内側面214に当接している。また、図示しないが、固定入子側方シール面160、161は固定母型110の凹部112の内側面114に当接している。
図5を参照して、固定入子側方シール面160、161は、入子同士の接触面121の縁から接触面121の裏側に位置する固定入子120の背面123まで延在する。固定入子120の背面123は、固定母型110の凹部112の底面116に当接している。同様に、可動入子側方シール面260、261は、入子同士の接触面221の縁から接触面221の裏側に位置する可動入子220の背面223まで延在する。可動入子220の背面223は、可動母型210の凹部212の底面216に当接している。
また、固定入子側方シール面160、161および可動入子側方シール面260、261は、それぞれ、樹脂シール溝162、262を有する。固定入子側方シール面160、161および可動入子側方シール面260、261の樹脂シール溝162、262は、入子同士の接触面121、221の近傍から各入子の背面123、223の近傍までを覆う罰点状である。なお、各側方シール面160、161、260、261の樹脂シール溝162、262は、各側方シール面160、161、260、261全体を覆うものであればよく、罰点状に限定されない。
図6を参照して、可動入子側方シール面260、261は、可動母型210の凹部212において、内側面から底面まで延在する角部219に、当接している。この角部219は、R形状を有する。また、図示しないが、固定入子側方シール面160、161は、固定母型110の凹部112において、内側面から底面まで延在する角部に、当接している。この角部は、R形状を有する。
次に、実施形態に係る金型30の作用について説明する。
金型30内の空洞35に溶湯42が流入すると、溶湯42からの距離に応じて温度差が、各入子で生じる。すなわち、溶湯42に接するキャビティ222やコア122のような入子の中心部分の温度が、入子の周縁部分の温度に比べて高くなる。このため、入子の中心部分の熱膨張による体積増加が、入子の周縁部分の体積増加に比べて大きくなる。
したがって、図7を参照して、可動入子220においては、第1可動入子分割面230、230’の中心付近で分割面同士が突っ張り合い、第1可動入子分割面230、230’の周縁で隙間263が生じる。また、図示しないが、固定入子120においては、第1固定入子分割面130、130’の中心付近で分割面同士が突っ張り合い、第1固定入子分割面130、130’の周縁で隙間163が生じる。
このとき、分割面に隙間263が生じた可動入子側方シール面260、261は、可動母型210の凹部212の内側面214に当接している。このように可動母型210の凹部212に当接することにより、可動入子側方シール面260、261は、第1可動入子分割面230、230’に生じた隙間263から、空気等が空洞35内に流入することを抑制している。
可動入子220と同様に、固定入子120においては、分割面に隙間163が生じた固定入子120シール面が、固定母型110の凹部112の内側面114に当接している。このように固定母型110の凹部112に当接することにより、固定入子側方シール面160、161は、第1固定入子分割面130、130’の周縁に生じた隙間163から、空気等が空洞35内に流入することを抑制している。
図8を参照して、可動入子220は、第1可動入子分割面230、230’に隙間263が生じても、第1可動入子分割面230、230’に垂直につながった第2可動入子分割面240、240’同士を当接させておくことができる。このため、可動入子220は、分割面が完全に開くことを抑制することができる。固定入子120も同様に、第1固定入子分割面130、130’に隙間163が生じても、第1固定入子分割面130、130’に垂直につながった第2固定入子分割面140、140’同士を当接させておくことができる。このため、固定入子120は、分割面が完全に開くことを抑制することができる。
以上説明した実施形態に係る金型30の効果について、以下に説明する。
実施形態に係る金型30によれば、金型30内への溶湯42の流入時等に、各入子の分割面が完全に開くことを抑制できる。したがって、実施形態に係る金型30は、空洞35内への空気や水等の流入を抑制することができ、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。よって実施形態に係る金型30は、良好な品質のサスペンションメンバを製造し得る。
さらに、固定入子120および可動入子220は、樹脂シール溝134、234およびゴムシール溝144、244を、各入子を分割する分割面に有するため、分割面から空洞35内への空気や水等の流入をより効果的に抑制することができる。したがって、実施形態に係る金型30は、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。
実施形態に係る金型30では、分割面につながった固定入子側方シール面160、161および可動入子側方シール面260、261が、それぞれ、母型の凹部112、212の内側面114、214に当接している。このため、入子の分割面に隙間163、263が生じても、この隙間163、263から空洞35内に空気等が流入することを抑制することができる。
さらに、固定入子側方シール面および可動入子側方シール面は、それぞれ、母型の凹部112、212の内側面114、214から底面116、216まで延在する角部に当接しているため、入子の分割面に生じた隙間163、263からの空気等の流入をより確実に防止できる。したがって、実施形態に係る金型30によれば、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。
また、実施形態に係る金型30によれば、固定入子側方シール面160、161が、樹脂シール溝162を備えているため、入子の分割面に生じた隙間163からの空気や水等の流入を効果的に抑制できる。同様に、可動入子側方シール面260、261は、樹脂シール溝262を備えているため、入子の分割面に生じた隙間263からの空気や水等の流入を効果的に抑制できる。
したがって、実施形態に係る金型30によれば、入子の分割面に生じる隙間163、263から、空気や水等が空洞35内に流入することを抑制することができ、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。
次に、本発明の実施形態に係る真空ダイカスト法について説明する。
図9は金型30内の減圧およびスリーブ12への給湯を説明するための概略図、図10は金型30内への溶湯42の圧入を説明するための概略図である。なお、以下では、上で説明した部材には同一符号を付し、説明は省略する。
実施形態に係る真空ダイカスト法では、まず、不図示のスプレーが、キャビティ222やコア122に対して離型剤を塗布する。この後、油圧シリンダが、可動型200を移動させ、可動型200と固定型100とを組み合わせて締付ける。
可動型200と固定型100とが合わさるとき、金型30内では、上述の第1入子および第2入子が、互いに合わさることにより空洞35を形成する。空洞35は、サスペンションメンバの形状を有する。
金型30の締付け後、図9を参照して、真空装置が、空洞35内を真空状態に減圧する。この際、真空装置は、空洞35内の減圧とともに空洞35に連通するスリーブ12内も減圧する。スリーブ12内の減圧にともない、保持炉40内に溜まった溶湯42が、給湯管16を通ってスリーブ12に流入する。
空洞35内の減圧およびスリーブ12内への給湯の後、図10を参照して、スリーブ12内の溶湯42をプランジャ14が押し出し、空洞35内に溶湯42を圧入する。溶湯42の凝固が完了した後、可動型200が移動して金型30が開き、成形品を離型する。以上の流れを1サイクルとして、成形品の離型後、次のサイクルに入る。
以下に、実施形態に係る真空ダイカスト法の作用および効果について説明する。
実施形態に係る真空ダイカスト法では、空洞35内の減圧時や溶湯42の圧入時等に、第1可動入子分割面230、230’が開いても、これに垂直につながる第2可動入子分割面240、240’同士を当接させておくことができる。同様に、第1固定入子分割面130、130’が開いても、これに垂直につながる第2固定入子分割面140、140’同士を当接させておくことができる。
したがって、空洞35内の減圧時や溶湯42の圧入時等に、各入子の分割面が、完全に開くことを抑制することができ、空洞35内への空気や水等の流入を抑制することができる。このため、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。よって、実施形態に係る真空ダイカスト法によれば、良好な品質のサスペンションメンバを製造することができる。
さらに、可動入子220および固定入子120が、樹脂シール材132、232を保持する樹脂シール溝134、234、およびゴムシール142、242を保持するゴムシール溝144、244を、それぞれの分割面に有する。このため、空洞35内の減圧時や溶湯42の圧入時等に、分割面からの空気や水等の流入をより効果的に抑制することができる。したがって、実施形態に係る真空ダイカスト法によれば、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。
実施形態に係る真空ダイカスト法では、空洞35内の減圧時や溶湯42の圧入時等に、入子の分割面につながった固定入子側方シール面160、161および可動入子側方シール面260、261が、各母型110、210の凹部112、212の内側面114、214に当接している。このため、各入子の分割面に隙間163、263が生じても、この隙間163、263からの空気等の流入を防止できる。
さらに、固定入子側方シール面160、161および可動入子側方シール面260、261は、母型の凹部112、212の内側面114、214から底面116、216まで延在する角部に当接しているこのため、空洞35内の減圧時や溶湯42の圧入時等に、各入子の分割面に生じた隙間163、263から空気等が流入することをより確実に防止できる。したがって、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。
また、固定入子側方シール面160、161は、樹脂シール溝162を備える。同様に、可動入子側方シール面260、261は、樹脂溝262を備える。このため、実施形態に係る真空ダイカスト法は、空洞35内の減圧時や溶湯42の圧入時等に、各入子の分割面に生じた隙間163、263から空気や水等が流入することを効果的に抑制できる。したがって、良好な強度を有するサスペンションメンバを製造することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。例えば、上述した実施形態では、キャビティ222およびコア122により形成される空洞35が、サスペンションメンバの形状を有するが、これのみに限られるものではなく、他の形状を有するものであってもよい。
金型内の空洞に溶湯を充填するためのダイカストマシンを説明するための概略図である。 金型の概略断面図である。 入子の分割面を説明するための概略側面図である。 図2のIV−IV線から見た可動型の概略正面図である。 図4のV−V線に沿う金型の概略断面図である。 可動型の概略部分拡大断面図である。 溶湯流入時の可動型の概略正面図である。 溶湯流入時の金型の概略断面図である。 金型内の減圧およびスリーブへの給湯を説明するための概略図である。 金型内への溶湯の圧入を説明するための概略図である。
符号の説明
30 金型、
35 空洞、
100 固定型、
110 固定母型、
112 固定母型の凹部(第1凹部)、
114 固定母型の凹部の内側面、
116 固定母型の凹部の底面、
118 鋳込み口ブッシュ、
120 固定入子(第1入子)、
121、221 入子同士の接触面、
122 コア、
123 固定入子の背面、
124 突出部の側面、
125 突出部、
130、130’ 第1固定入子分割面(第3シール面)、
132、232 樹脂シール材、
134、234 樹脂シール溝、
140、140’ 第2固定入子分割面(第1シール面)、
142、242 ゴムシール材、
144、244 ゴムシール溝、
150、150’ 第3固定入子分割面
200 可動型、
210 可動母型、
212 可動母型の凹部(第2凹部)、
214 可動母型の凹部の内側面、
216 可動母型の凹部の底面、
220 可動入子(第2入子)、
222 キャビティ、
223 可動入子の背面、
224 突出部の側面、
225 突出部、
226 ランナー、
230、230’ 第1可動入子分割面(第4シール面)、
240、240’ 第2可動入子分割面(第2シール面)、
250、250’ 第3可動入子分割面。

Claims (14)

  1. 互いに合わさって空洞を形成する一対の第1入子および第2入子を有する真空ダイカスト用金型であって、
    前記入子同士が接触する接触面と交わり前記第1入子を分割する第1入子分割面が、前記接触面に対して平行な平面である第1シール面を有し、
    前記入子同士が接触する接触面と交わり前記第2入子を分割する第2入子分割面が、前記接触面に対して平行な平面である第2シール面を有することを特徴とする真空ダイカスト用金型。
  2. 前記第1シール面および前記第2シール面が、シール部材を保持するシール溝を、有することを特徴とする請求項1に記載の真空ダイカスト用金型。
  3. 前記シール部材がゴムシールであることを特徴とする請求項2に記載の真空ダイカスト用金型。
  4. 前記第1入子分割面が、シール部材を保持するシール溝を、前記入子同士の接触面から前記第1シール面まで延在する第3シール面に有し、
    前記第2入子分割面が、シール部材を保持するシール溝を、前記入子同士の接触面から前記第2シール面まで延在する第4シール面に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空ダイカスト用金型。
  5. 前記第3シール面のシール溝、および前記第4シール面のシール溝が、前記接触面および前記空洞から所定の距離をおいて延在することを特徴とする請求項4に記載の真空ダイカスト用金型。
  6. 前記第1入子が嵌合する第1凹部、および前記第2入子が嵌合する第2凹部を有し、
    前記第1入子が、前記第1凹部の内側面から底面まで延在する角部と前記第1凹部の内側面とに当接するとともに前記第1入子の分割面につながる第1側方シール面を有し、
    前記第2入子が、前記第2凹部の内側面から底面まで延在する角部と前記第2凹部の内側面とに当接するとともに前記第2入子の分割面につながる第2側方シール面を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の真空ダイカスト用金型。
  7. 前記第1側方シール面および前記第2側方シール面が、シール部材を保持するシール溝を有することを特徴とする請求項6に記載の真空ダイカスト用金型。
  8. 相手方の入子と接触する接触面に対して平行な平面の第1シール面を有するとともに前記接触面と交わる第1入子分割面を境とした、分割構造を有する第1入子、および、
    前記第1入子と接触する接触面に対して平行な平面の第2シール面を有するとともに前記接触面と交わる第2入子分割面を境とした、分割構造を有する第2入子を、互いに合わせることにより空洞を形成する工程を有することを特徴とする真空ダイカスト法。
  9. 前記第1シール面および前記第2シール面が、シール部材を保持するシール溝を有することを特徴とする請求項8に記載の真空ダイカスト法。
  10. 前記シール部材が、ゴムシールであることを特徴とする請求項9に記載の真空ダイカスト法。
  11. 前記第1入子分割面が、シール部材を保持するシール溝を、前記接触面から前記第1シール面まで延在する第3シール面に有し、
    前記第2入子分割面が、シール部材を保持するシール溝を、前記接触面から前記第2シール面まで延在する第4シール面に有することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の真空ダイカスト法。
  12. 前記第3シール面のシール溝、および前記第4シール面のシール溝が、前記接触面および前記空洞から所定の距離をおいて延在することを特徴とする請求項11に記載の真空ダイカスト法。
  13. 前記第1入子が嵌合する第1凹部の内側面および当該内側面から前記第1凹部の底面まで延在する角部に、前記第1入子の分割面につながる第1側方シール面が当接し、
    前記第2入子が嵌合する第2凹部の内側面および当該内側面から前記第2凹部の底面まで延在する角部に、前記第2入子の分割面につながる第2側方シール面が当接することを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の真空ダイカスト法。
  14. 前記第1側方シール面および前記第2側方シール面が、シール部材を保持するシール溝を有することを特徴とする請求項13に記載の真空ダイカスト法。
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