JP2009077482A - 電圧形インバータのデッドタイム補償方法 - Google Patents

電圧形インバータのデッドタイム補償方法 Download PDF

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Koji Maruyama
宏二 丸山
Yasushi Matsumoto
康 松本
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Abstract

【目的】電圧形インバータにおいてデッドタイム補償を効率的に行う。
【構成】インバータ出力電流を検出し、基本波周波数付近の成分をフィルタにより抽出し、電流リプル成分の影響を排除して正確な補償を行う。また、フィルタをバンドパスフィルタとして、この中心周波数を調節することにより、電流検出や制御遅れ時間に相当する位相補正を簡単に行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電圧形インバータの制御、詳しくは上下アーム短絡による出力電圧歪みを補償する方法に関する。
図2にスイッチング素子としてIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を採用した電圧形インバータの1相分の回路構成を示す。図2において、Qu、QxはIGBT、Du、Dxは還流ダイオードであり、以下、直流電源Edの正側に接続されるQuとDuを上アーム、直流電源Edの負側に接続されるQxとDxを下アームと呼ぶ。
電圧形インバータは前記の上下アームを交互にオン・オフすることで、交流電圧を出力するように制御されるが、実際のスイッチング動作ではIGBTのターンオフ動作に遅れ時間があるため、これによる上下アームの短絡を防止する目的で、デッドタイム(上下アームともオフする期間)が設けられる。このデッドタイム期間の出力電圧は、出力電圧の極性により異なり、このため、インバータの出力電圧は所望の交流波形に対して歪が生じる。
より具体的に説明すると、出力電流の極性が図2に示すような正の場合には、下アームの還流ダイオードDxがオンしているため負電圧が増大する。また、出力電流極性が負の時には、上アーム側のDuがオンするため正電圧が増大する。このように、出力電流の極性に依存して出力電圧の増減が異なり、波形の歪みが生じてしまう。
このような問題に対して、従来から出力電流極性に応じて、電圧の増減分を補正する信号を電圧指令値に加算する方法、すなわち特許文献1や特許文献2に記載の方法が広く知られ、採用されている。
図3は、この従来技術の一般的な制御ブロックを示したものであり、出力電流検出手段CTにより検出した電流の極性を補正信号発生回路にて判別し、電流極性が正ならば補正量kを、電流極性が負ならば補正量−kを補正信号ΔVとして電圧指令V*に加算するようにしている。なお、補正量kは、デッドタイムによる出力電圧の増減分を補正する所定の値であり、これによりデッドタイムによる電圧歪みを抑制している。
特公昭59−8152号公報 特開平9−47082号公報
電圧形インバータのデッドタイムによる電圧波形の歪みは、前述のとおり出力電流極性に応じて補正量を与えることで抑制可能であるが、実際のインバータ出力電流の検出信号にはスイッチングリプル成分やノイズ、検出器のオフセット誤差などがあり、正確に電流極性を判定することは非常に困難である。また、出力電流の検出遅れ時間、及びインバータの制御遅れ時間などもあるので、正しくデッドタイム補償が行われないという問題点がある。
従って、本発明における解決すべき課題は、より正確にデッドタイムによる電圧歪みを抑制する補償方式を実現することにある。
このような課題を解決するため、本発明では、電圧形インバータの上下アーム短絡防止期間による出力電圧の歪みを補正するにあたり、前記インバータの出力電流を検出し、この検出された出力電流のうち、所定周波数成分帯を抽出し、抽出された成分の極性に応じて前記インバータの出力電圧の補正を行う。
なお、出力電流の所定周波数帯の抽出を、バンドパスフィルタにておこなったり、バンドパスフィルタの中心周波数を調整し、バンドパスフィルタの出力信号位相を所定値だけ進めることも可能である。
この発明によれば、インバータ出力電流検出信号からフィルタにより、例えば基本波周波数付近の成分を抽出することで、正確な電流極性の判定が可能となり、デッドタイム補償を正しく行うことができる。また、このフィルタをバンドパスフィルタとし、この中心周波数を調整することにより、簡単に電流検出遅れやインバータ制御遅れに相当する位相補正を行うことができ、より正確にデッドタイム補償による電圧歪みの抑制を図ることができる。
図1はこの発明の実施の形態を示すブロック図である。
図1では、図3に記載した従来技術に対し、電流検出手段CTの後段に、バンドパスフィルタBPFを付加した点で相違する。
ここで、電圧形インバータが商用周波数である50Hzの正弦波を一定出力するCVCF装置とした場合、例えばBPFの中心周波数はこの50Hzとなるように設定する。出力電流に含まれるスイッチングリプル成分は、一般的にインバータの出力周波数の数十〜数百倍と高い周波数であり、BPFにてこのリプル成分を除去することができる。また、電流検出のオフセット誤差がある場合でも、この直流成分をBPFにて除去できるため、電流極性が切り替わるタイミングを正確に判別することができる。電圧指令V*に加算する補正信号ΔVの演算は、このBPF出力信号にて行い、この結果、電流極性に応じた最適なデッドタイム補償を行うことができる。
また、BPFの位相特性を利用し、電流検出の遅れ時間や、インバータ制御の遅れ時間を簡単に補正することができる。例えば、BPFの中心周波数をCVCFの出力周波数50Hzに対して高く設定することで、BPF出力信号は、設定した中心周波数に応じて進み位相となる。このため、、電流検出及びインバータ制御の遅れ時間とBPF出力信号の進み位相が一致するようにBPFの中心周波数を調整すれば、より正確にデッドタイム補償を行うことができ、インバータ出力電圧の波形歪みを改善することができる。
なお、遅れ時間の補正のためBPFの中心周波数を調整した場合、BPFの出力信号は位相が進むとともに、振幅も減衰するが、電圧指令V*に加算する補正量は、所定の値kであり、何ら問題になることはない。
この発明の実施の形態を示すブロック図 電圧形インバータの一般的な1相分を示す回路図 従来技術を示すブロック図
符号の説明
1…加算器、2…インバータ、3…負荷、4…補正信号発生回路、5…BPF

Claims (3)

  1. 電圧形インバータの上下アーム短絡防止期間による出力電圧の歪みを補正するにあたり、前記インバータの出力電流を検出し、この検出された出力電流のうち、所定周波数成分帯を抽出し、抽出された成分の極性に応じて前記インバータの出力電圧の補正を行うことを特徴とする、電圧形インバータの短絡防止期間による電圧歪み補償方法。
  2. 前記出力電流の所定周波数帯の抽出を、バンドパスフィルタにて行うことを特徴とする、請求項1に記載の電圧形インバータの短絡防止期間による電圧歪み補償方法。
  3. 前記バンドパスフィルタの中心周波数を調整し、バンドパスフィルタの出力信号位相を所定値だけ進めることを特徴とする請求項1または2に記載の電圧形インバータの短絡防止期間による電圧歪み補償方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103930844A (zh) * 2011-11-15 2014-07-16 施耐德东芝换流器欧洲公司 用于校正要施加于电负载的电压的控制方法和系统
WO2015008401A1 (ja) * 2013-07-17 2015-01-22 富士電機株式会社 3相4線式インバータの制御装置
CN104638972A (zh) * 2015-03-06 2015-05-20 天津天海源电气技术有限责任公司 一种带不平衡及非线性负载的三相逆变器控制方法
CN110798061A (zh) * 2018-08-01 2020-02-14 台达电子工业股份有限公司 三相变频器及其死区补偿电路和死区补偿方法

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