JP2009077025A - 半導体集積回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信ディジタルベースバンド信号の変化に対する送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号の収束速度を向上する。
【解決手段】送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログ信号に変換する送信用D/A変換器は、電圧ポテンショメータ型D/A変換器で構成される。送信ディジタルベースバンド信号の上位ビットに応答して第1可変分圧器VDIV1から生成されるアナログ粗選択電圧は、第1と第2のボルテージフォロワAMP1、2に供給される。第1と第2のボルテージフォロワの出力端子に、送信ディジタルベースバンド信号の上位ビットの最下位1ビットLSB_1bitにより動作が制御される第1と第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1、2が接続される。送信用D/A変換器の出力と完全差動アクティブローパスフィルタの入力との間に挿入された信号インバータの入出力にもプルアップ・プルダウン回路が接続される。
【選択図】図5

Description

本発明は、RF送信機能を有する半導体集積回路に関するもので、特に半導体集積回路に内蔵される送信用D/A変換器の性能を向上するのに有益な技術に関する。
世界中のどんな場所でも無線通信すると言う携帯電話端末等の通信端末機器の能力であるユビキタス・カバレージは、今日現実のものではなく、現在開発が進められている。
下記非特許文献1によれば、これらのモバイルシステムは、GSM、GPRS、EDGE、WCDMAのセルラーと、例えばIEEE 802.11−b、−a、−g等のネットワーク、例えばブルートゥース、ジグビー等のパーソナルエリアネットワーク等とを含んでいる。これらのシステムの特性は、一定包落線と包落線変化との信号、時分割とコード分割とのマルチプレックス、高(数ワット)から低(マイクロワット)への送信出力電力の広範囲な組み合わせに及んでいる。その結果、マルチモード応用でのRF電力増幅器への要望が、大きくなっている。尚、GSMは、Global System for Mobile Communicationの略である。また、GPRSは、General Packet Radio Serviceの略である。更に、EDGEは、Enhanced Data for GSM Evolution; Enhanced Data for GPRSの略である。また、WCDMAは、Wideband Code Division Multiple Accessの略である。
一方、下記非特許文献2には、WLAN、UMTS、ブルートゥースの種々の無線の規格の送信機が記載されている。送信機の2個の送信用D/A変換器はディジタルシグナルプロセッサ(DSP)からのI、Qディジタル変調信号をアナログ信号に変換して、アナログ信号はローパスフィルタに供給される。ローパスフィルタからのアナログベースバンド信号は2個の直交ミキサによって無線周波数(RF)に変換され、電力増幅器(PA)を介してアンテナから送信される最終波形を生成するために、2つのRF信号は加算される。送信用D/A変換器は、差動電流ステァリング構造の8ビットのD/A変換器によって構成されている。差動構造は256個の単位電流源で実現され、各電流源は差動スイッチペアに接続され飽和領域のNチャンネルMOSトランジスタで構成されている。単位電流源は、積分非線形性(INL)と微分非線形性(DNL)とを考慮したランダムミスマッチからの要請を満足するように設計される。単位電流源の電流はD/A変換器の全体のS/N比への影響を最小とするように設計され、単位電流のNチャンネルMOSトランジスタのゲート幅Wが6μmとゲート長Lが6μmとされ、単位電流源の電流は5μAとされている。尚、WLANは、Wireless Local Area Networkの略である。また、UMTSは、Universal Mobile Telephone Serviceの略である。
一方、下記の非特許文献3には、電圧ポンショメータ型D/A変換器が記載されている。このD/A変換器では直列接続された第1の複数の分圧抵抗に基準電圧が供給され、直列接続された第1の複数の分圧抵抗の間の複数の接続ノードから任意の2つの接続ノードが上位ビットにより制御される第1の複数のスイッチにより選択される。2つの選択電圧は、第1と第2のボルテージフォロワに供給される。2つのボルテージフォロワの出力間に直列接続された第2の複数の分圧抵抗の間の複数の接続ノードからの任意の1つの接続ノードが下位ビットにより制御される第2の複数のスイッチにより選択される。2つの選択電圧が第3のボルテージフォロワに供給され、第3のボルテージフォロワの出力よりD/A変換出力が形成される。
Earl McCune, "High−Efficiency, Multi−Mode, Multi−Band Terminal Power Amplifiers", IEEE microwave magazine, March 2005, PP.44〜55. Nicola Ghittori et al,"1.2−V Low−Power Multi−Mode DAC+Filter Blocks for Reconfigurable (WLAN/UMTS, WLAN/Bluetooth) Transmitter", IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.41, No.9, SEPTEMBER 2006, PP.1970−1982. Peter Holloway, "A Timeless 16b Digital Potentiometer",1984 IEEE International Solid−State Circuits Conference DIGEST OF TECHNICAL PAPERS、 PP.66−67,320−321.
本発明者等は本発明に先立って、携帯電話のGSM方式(EDGE方式も含む)の送受信の機能とWCDMA方式の送受信の機能とを搭載するRF集積回路(RFIC)の開発に従事した。一定包落線による位相変調のみのバンド幅0.2MHzのGSM方式のベースバンド信号の転送データレートは9.6Kbpsと低いのに対して、変化包落線による振幅変調と位相変調とによるEDGE方式のベースバンド信号の転送データレートは64Kbps〜384Kbpsと比較的高いものである。また、GSM方式よりもワイドバンドのUMTSを実現するWCDMA方式も変化包落線による振幅変調と位相変調とを利用するもので、ベースバンド信号の転送データレートは2Mbpsまでと高いものである。更に、このWCDMA方式では、携帯電話の端末と基地局との間の高速ワイヤレス接続を提供している。基地局から携帯電話の端末へのダウンロード接続では、14.4Mbpsと言う極めて高速のHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)が提供されている。携帯電話の端末から基地局へのアップロード接続では、0.7Mbps〜5.7Mbpsと言う相当高速のHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)が提供されている。
このようにWCDMA方式の送受信を行う携帯電話に搭載されるRFICには、基地局とのHSUPAの高速ワイヤレス接続の機能が必要となる。従って、WCDMA方式の携帯電話の端末から基地局への送信は、GSM方式やEDGE方式よりも高いデータレートの高速データ転送機能が必要となる。
従って、前記非特許文献2に記載されたようなディジタルベースバンド信号をアナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器をHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能するWCDMA方式の携帯電話に搭載されるRFICに組み込む必要がある。そのためには、送信用D/A変換器を高速・高解像度とする必要がある。この送信用D/A変換器の高速化・高解像度化のためには、前記非特許文献2に記載された8ビットのD/A変換器では不十分であり、11ビットのD/A変換器が必要であることが本発明者等により明らかとされた。
前記非特許文献2に記載された差動電流ステァリング構造の8ビットのD/A変換器の単位電流源の電流は5μAであるので、8ビットのD/A変換のための256個の単位電流源に流れる消費電流は1.28mAとなる。しかし、11ビットの送信用D/A変換器を、前記非特許文献2に記載の差動電流ステァリング構造によって実現するとする。この場合には、11ビットのD/A変換のための単位電流源の個数は2048個となって、2048個の単位電流源に流れる消費電流は10.24mAと極めて大きなものとなる。
従って、本発明者等は本発明に先立ってHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能するWCDMA方式の携帯電話に搭載されるRFICに組み込まれる送信用D/A変換器として、前記の非特許文献3に記載された電圧ポンショメータ型D/A変換器を採用することを検討した。
図1は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたRF集積回路(RFIC)に組み込まれる送信用D/A変換器の構成を示す回路図である。D/A変換器としては色々な種類が知られているが、送信用D/A変換器(Tx_DAC)として前記非特許文献3に記載された電圧ポンショメータ型D/A変換器が使用されている。これは、電圧ポンショメータ型D/A変換器により8〜16ビットの高精度アナログ変換出力が低消費電力でかつ高速で得られるためである。
この送信用D/A変換器(Tx_DAC)では、第1可変分圧器(VDIV1)の直列接続された32個の第1分圧抵抗(R、R…R)の一端に略1.2ボルトの基準電圧VREFが供給される。また、第1可変分圧器(VDIV1)の直列接続された32個の第1分圧抵抗(R、R…R)の他端は、接地電圧GNDに接続されている。11ビットのディジタル入力信号の上位5ビットは5ビット入力の第1デコーダ(5bit Dec)に供給され、11ビットのディジタル入力信号の下位6ビットは6ビット入力の第2デコーダ(6bit Dec)に供給される。
第1デコーダ(5bit Dec)からの66個の第1選択出力信号は、66個の第1選択スイッチ(SW321、SW320、SW311、SW310、SW301、SW300…SW001、SW000)に供給される。また、第1デコーダ(5bit Dec)からの66個の第1選択出力信号は、66個の第1選択スイッチ(SW321、SW320、SW311、SW310、SW301、SW300…SW001、SW000)に1対1に対応している。
すなわち、66個の第1選択出力信号のうちの奇数番号は、第1のボルテージフォロワ(AMP1)に接続された奇数番号の33個の第1選択スイッチ(SW321、SW311、SW301、SW291…SW011、SW001)に供給される。更に、66個の第1選択出力信号のうちの偶数番号は、第2のボルテージフォロワ(AMP2)に接続された偶数番号の33個の第1選択スイッチ(SW320、SW310、SW300、SW290…SW010、SW000)に供給される。
奇数番号の33個の第1選択スイッチ(SW321、SW311、301、291…011、001)は、33個の接続ノード(N32、31、30、29…01、00)から1個の接続ノードの分圧電圧を選択して、選択された分圧電圧を第1のボルテージフォロワ(AMP1)に供給する。偶数番号の33個の第1選択スイッチ(SW320、SW310、300、290…010、000)は、33個の接続ノード(N32、N31、30、29…01、00)から1個の接続ノードの分圧電圧を選択して、選択された分圧電圧を第2のボルテージフォロワ(AMP2)に供給する。
従って、第1可変分圧器(VDIV1)の直列接続された32個の第1分圧抵抗(R、R…R)の間の33個の接続ノード(N32、N31…N00)から任意の2つの接続ノードが、66個の第1選択スイッチ(SW321、SW320、SW311、SW310…SW001、SW000)により選択される。その結果、上位5ビットによりアナログ電圧の粗選択が行われる。2つのアナログ粗選択電圧は、クロススイッチ(Cr_SW)を介して、第1バッファ(Buff1)の第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)に供給される。クロススイッチ(Cr_SW)には、第1デコーダ(5bit Dec)からの66個の第1選択出力信号の最下位ビット信号SW001、SW000が供給される。
特に、図1の送信用D/A変換器では、ボルテージフォロワ(AMP1、2)の直流オフセット電圧による変換アナログ電圧への影響を考慮して、アナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとは、第1のボルテージフォロワ(AMP1)と第2のボルテージフォロワ(AMP2)とによって交互に出力される。すなわち、第1デコーダ(5bit Dec)に供給されるディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットの変化に応答して、2つのアナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとを第1のボルテージフォロワ(AMP1)と第2のボルテージフォロワ(AMP2)とが交互に出力する。
また、この上位5ビットの最下位1ビットの変化に応答して、クロススイッチ(Cr_SW)は、ハイレベル側の1つのアナログ粗選択電圧を第2可変分圧器(VDIV2)の一方の接続ノード(n63)に供給する一方、接地電圧GNDを第2可変分圧器(VDIV2)の他方の接続ノード(n00) に供給するように動作する。
すなわち、第1デコーダ(5bit Dec)に供給されるディジタル入力信号の上位5ビットの変化に応答して、第1可変分圧器(VDIV1)でオンのハイサイドスイッチ(High_SW)とオンのローサイドスイッチ(Low_SW)とは、下記のように変化する。また、上位5ビットの変化に応答して、第1バッファ(Buff1)で高電圧出力のボルテージフォロワ(High_AMP)と低電圧出力のボルテージフォロワ(Low_AMP)とは、下記のように変化する。更に、上位5ビットの変化に応答して、第1バッファ(Buff1)での高電圧と低電圧との出力電圧(ボルト)は、下記のように変化する。
5ビット High_SW Low_SW High_AMP Low_AMP 高電圧 低電圧
11111 SW321 SW310 AMP1 AMP2 1.2000 1.1625
11110 SW310 SW301 AMP2 AMP1 1.1625 1.1250
11101 SW301 SW290 AMP1 AMP2 1.1250 1.0875
11100 SW290 SW281 AMP2 AMP1 1.0875 1.0500
11011 SW281 SW270 AMP1 AMP2 1.0500 1.0125
11010 SW270 SW261 AMP2 AMP1 1.0125 0.9750
11001 SW261 SW250 AMP1 AMP2 0.9750 0.9375
11000 SW250 SW241 AMP2 AMP1 0.9375 0.9000
10111 SW241 SW230 AMP1 AMP2 0.9000 0.8625
10110 SW230 SW221 AMP2 AMP1 0.8625 0.8250
10101 SW221 SW210 AMP1 AMP2 0.8250 0.7875
10100 SW210 SW201 AMP2 AMP1 0.7875 0.7500
10011 SW201 SW190 AMP1 AMP2 0.7500 0.7125
10010 SW190 SW181 AMP2 AMP1 0.7125 0.6750
10001 SW181 SW170 AMP1 AMP2 0.6750 0.6375
10000 SW170 SW161 AMP2 AMP1 0.6375 0.6000
01111 SW161 SW150 AMP1 AMP2 0.6000 0.5625
01110 SW150 SW141 AMP2 AMP1 0.5625 0.5250
01101 SW141 SW130 AMP1 AMP2 0.5250 0.4875
01100 SW130 SW121 AMP2 AMP1 0.4875 0.4500
01011 SW121 SW110 AMP1 AMP2 0.4500 0.4125
01010 SW110 SW101 AMP2 AMP1 0.4125 0.3750
01001 SW101 SW090 AMP1 AMP2 0.3750 0.3375
01000 SW090 SW081 AMP2 AMP1 0.3375 0.3000
00111 SW081 SW070 AMP1 AMP2 0.3000 0.2625
00110 SW070 SW061 AMP2 AMP1 0.2625 0.2250
00101 SW061 SW050 AMP1 AMP2 0.2250 0.1875
00100 SW050 SW041 AMP2 AMP1 0.1875 0.1500
00011 SW041 SW030 AMP1 AMP2 0.1500 0.1125
00010 SW030 SW021 AMP2 AMP1 0.1125 0.0750
00001 SW021 SW010 AMP1 AMP2 0.0750 0.0375
00000 SW010 SW001 AMP2 AMP1 0.0375 0.0000
以上説明したように、第1デコーダ(5bit Dec)に供給されるディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットの変化に応答して、2つのアナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとを第1のボルテージフォロワ(AMP1)と第2のボルテージフォロワ(AMP2)とが交互に出力する。また、この上位5ビットの最下位1ビットの変化に応答してクロススイッチ(Cr_SW)は、ハイレベル側の1つのアナログ粗選択電圧を第2可変分圧器(VDIV2)の一方の接続ノード(n63)に供給する一方、接地電圧GNDを第2可変分圧器(VDIV2)の他方の接続ノード(n00) に供給するように動作する。
その結果、第1デコーダ(5bit Dec)に供給されるディジタル入力信号の上位5ビットの変化に応答して、第1可変分圧器(VDIV1)と第1バッファ(Buff1)とから0.0ボルトから1.2ボルトまで37.5ミリボルト変化幅で32ステップのアナログ粗選択電圧が生成されることができる。
このアナログ粗選択電圧は、クロススイッチ(Cr_SW)を介して第2可変分圧器(VDIV2)の一方の接続ノード(n63)と他方の接続ノード(n00)との間に供給される。また、第2可変分圧器(VDIV2)の一方の接続ノード(n63)と他方の接続ノード(n00)との間には、64個の第2分圧抵抗(r、r…r、r)が直列接続されている。直列接続された64個の第2分圧抵抗(r、r…r、r)の間の64個の接続ノード(n63、n62…n00)から任意の1つの接続ノードが、64個の第2選択スイッチ(sw63…sw00)により選択される。第2デコーダ(6bit Dec)からの64個の第2選択出力信号は、64個の第2選択スイッチ(sw63、sw62…sw00)に供給される。また、第2デコーダ(6bit Dec)からの64個の第2選択出力信号は、64個の第2選択スイッチ(sw63…sw00)に1対1に対応している。
その結果、下位6ビットによりアナログ電圧の密選択が行われる。1つのアナログ密選択電圧が第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)に供給され、第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力よりD/A変換出力Vdacが形成される。
従って、第1可変分圧器(VDIV1)と第1バッファ(Buff1)とで形成された32ステップの37.5ミリボルト変化幅のアナログ粗選択電圧は、第2可変分圧器(VDIV2)と第2バッファ(Buff2)とにより更に64分割される。この64分割により、0.0ボルトから1.2ボルトまで0.5859ミリボルト変化幅でトータル2048ステップのアナログ密選択電圧が生成されることができる。
このように、図1の送信用D/A変換器は、11ビットの送信ディジタルベースバンド信号をD/A変換することによって、0.0ボルトから1.2ボルトまで略0.6ミリボルト変化幅でトータル2048ステップのアナログベースバンド信号の密選択電圧を高精度で高速で生成する必要がある。
しかし、本発明者等の検討によって、本発明に先立って検討された図1の送信用D/A変換器ではWCDMA方式でのHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするようなアナログベースバンド信号の密選択電圧の高速収束速度が実現されないと言う問題が明らかとされた。高速収束速度が実現されない理由を本発明者等が検討した結果、以下の原因が本発明者等の検討によって明らかとされた。
それは、第1可変分圧器(VDIV1)と第1バッファ(Buff1)とで、ディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットの変化に応答して、2つのアナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとを第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)とが交互に出力することに起因している。第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)とは、非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)と出力端子とを有する演算増幅器で構成されている。演算増幅器の反転入力端子(−)と出力端子とが接続されることにより、第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)が構成される。低速の入力信号では、非反転入力端子(+)の入力電圧の電圧レベルと略等しい電圧レベルの出力電圧が、第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)の出力端子から得ることができる。
しかし、WCDMA方式でのHSUPAの高速ワイヤレス接続の高速送信ディジタルベースバンド信号の上位5ビットの変化に応答して、2つのアナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとを第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)とが交互に高速で出力する必要がある。また、第2可変分圧器(VDIV2)と第2バッファ(Buff2)とで生成されるアナログ密選択電圧の収束速度を向上する必要がある。そのために、第2可変分圧器(VDIV2)の一方の接続ノード(n63)と他方の接続ノード(n00)との間に直列接続された64個の第2分圧抵抗(r、r…r、r)の抵抗値は、低い抵抗に設定されている。それは、アナログ密選択電圧の収束速度は、この抵抗と寄生容量との積の時定数に大きく依存するためである。
一方、第1バッファ(Buff1)の第1のボルテージフォロワ(AMP1)の出力電圧と第2のボルテージフォロワ(AMP2) の出力電圧とは、高速送信ディジタルベースバンド信号の上位5ビットの変化に応答してハイレベルとローレベルとに高速で変化しようとする。しかし、第1のボルテージフォロワ(AMP1)の出力と第2のボルテージフォロワ(AMP2)の出力との間には、比較的低い抵抗値の第2可変分圧器(VDIV2)の64個の第2分圧抵抗(r、r…r、r)を介して大きな動作電流が流れることになる。第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)の出力端子には無視できない出力インピーダンスが存在するので、第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)の出力端子には大きな動作電流による出力インピーダンスでの電圧降下が発生する。この電圧降下によって、高速送信ディジタルベースバンド信号の上位5ビットの変化に応答する第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)の出力電圧のハイレベルとローレベルへの高速変化が妨害されることが判明した。
図2は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたRF集積回路(RFIC)に組み込まれる送信用D/A変換器の出力に接続される完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)を示す図である。図2の第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)は、図1に示した送信用D/A変換器の出力部の第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)に対応している。従って、図2の第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力からは、D/A変換によるWCDMA方式でのHSUPAの高速ワイヤレス接続の高速送信アナログベースバンド信号Vdacが生成される。
このアナログベースバンド信号Vdacは、第4のボルテージフォロワ(AMP4)を介して完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)の一方の入力端子に供給される。またアナログベースバンド信号Vdacは、信号インバータ(Sg_Inv)によって位相反転されて完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)の他方の入力端子に供給される。信号インバータ(Sg_Inv)は、抵抗(R1、R2)と演算増幅器(AMP5)とバイアス電圧(Vb)とにより構成されている。抵抗(R1)は第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力と演算増幅器(AMP5)の反転入力端子(−)との間に接続され、抵抗(R2)は演算増幅器(AMP5)の反転入力端子(−)と出力端子との間に接続されている。バイアス電圧(Vb)が演算増幅器(AMP5)の非反転入力端子(+)に供給され、抵抗(R1)の抵抗値を抵抗(R2)の抵抗値と略等しくすることによって、信号インバータ(Sg_Inv)より入力信号の振幅と略等しい振幅で逆位相の出力信号が得られる。
完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)は、抵抗(R3、R4、R5、R6)と演算増幅器(AMP6、AMP7)と容量(C1、C2、C3)とで構成されたサレン・キー(Sallen-Key)型の2次アクティブフィルタである。図2の完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)は、図1の送信用D/A変換器の量子化雑音を低減する一方、WCDMA方式でのHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするようなアナログベースバンド信号の基本波成分を通過させると伴に3次や5次や7次の高調波成分を抑圧する。
しかし、完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)の他方の入力端子に接続された信号インバータ(Sg_Inv)による信号反転作用によってWCDMA方式でのHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするようなアナログベースバンド信号の高速信号変化が妨害されることが判明した。
本発明に先立った本発明者等による検討により、その原因は以下のように解明された。それは、例えば、図2の第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力の高速送信アナログベースバンド信号Vdacがローレベルに変化しようとする。高速送信アナログベースバンド信号Vdacのローレベルへの変化に応答して、信号インバータ(Sg_Inv)の出力はハイレベルに変化しようとする。しかし、信号インバータ(Sg_Inv)の演算増幅器(AMP5)の出力と第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力との間には、抵抗(R1、R2)を介して大きな動作電流が流れることになる。
信号インバータ(Sg_Inv)の演算増幅器(AMP5)の出力端子と第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力端子には無視できない出力インピーダンスが存在する。従って、信号インバータ(Sg_Inv)の演算増幅器(AMP5)と第3のボルテージフォロワ(AMP3)との出力端子には、大きな動作電流による出力インピーダンスでの電圧降下が発生する。この電圧降下によって、高速送信ディジタルベースバンド信号の11ビットの変化に応答する第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力の高速送信アナログベースバンド信号Vdacのハイレベルとローレベルへの高速変化が妨害されることが判明した。
図3も、本発明に先立って本発明者等によって検討されたRF集積回路(RFIC)に組み込まれる送信用D/A変換器の構成を示す回路図である。図3の送信用D/A変換器の構成は、図1に示した送信用D/A変換器の構成と基本的に同一である。
例えば、図3では第1バッファ(Buff1)の第1のボルテージフォロワ(AMP1)に無視できない正の出力直流オフセット+電圧Vout(off)が生成され、第2のボルテージフォロワ(AMP2)に無視できない負の出力直流オフセット電圧−Vout(off)が生成されていると想定する。図1や図3の送信用D/A変換器では、ボルテージフォロワの直流オフセット電圧による変換アナログ電圧への影響を考慮して、アナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとは、ディジタル入力信号の上位5ビットの変化に応答して第1と第2のボルテージフォロワAMP1、2とによって交互に出力される。
ディジタル入力信号の上位5ビットの変化に応答する第1バッファ(Buff1)での電圧演算に関しては、上記で既に説明している。ディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットが“0”の時には、第1バッファ(Buff1)の第2のボルテージフォロワ(AMP2)が高電圧出力のボルテージフォロワ(Low_Amp)となる。この時には、第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力の高速送信アナログベースバンド信号Vdacは、第2のボルテージフォロワ(AMP2)の負の出力直流オフセット電圧−Vout(off)により負電圧側にシフトする。
それとは、逆にディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットが“1”の時には、第1バッファ(Buff1)の第1のボルテージフォロワ(AMP1)が高電圧出力のボルテージフォロワ(High_Amp)となる。この時には、第2バッファ(Buff2)の第3のボルテージフォロワ(AMP3)の出力の高速送信アナログベースバンド信号Vdacは、第1のボルテージフォロワ(AMP1)の正の出力直流オフセット+電圧Vout(off)により正電圧側にシフトする。
図4は、図3の送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号へのボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧による負電圧側シフトと正電圧側シフトとを示す図である。図4で破線は、ディジタル入力信号の上位5ビットの変化による負電圧側シフトと正電圧側シフトとを示している。また、図4で実線は、ディジタル入力信号の下位6ビットの変化も考慮した負電圧側シフトと正電圧側シフトとを示したものであり、鋸波状の誤差電圧が生成される。この鋸波状の誤差電圧が、図3の送信用D/A変換器の微分非線形性(DNL)の原因となるものである。
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。
従って、本発明の目的とするところは、送信ディジタルベースバンド信号の変化に対する送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号の収束速度を向上することにある。
また、本発明の他の目的とするところは、送信用D/A変換器の出力と完全差動アクティブローパスフィルタの入力との間に挿入された信号インバータにより完全差動アクティブローパスフィルタの出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化の遅延を低減することにある。
また、本発明の更に他の目的とするところは、送信用D/A変換器のボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧に起因する微分非線形性(DNL)を改善することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
すなわち、本発明の1つの代表的な半導体集積回路では、送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器(Tx_DAC)は電圧ポテンショメータ型D/A変換器で構成されている。
送信ディジタルベースバンド信号の上位ビットに応答して第1可変分圧器(VDIV1)から生成されるアナログ粗選択電圧は、第1と第2のボルテージフォロワ(AMP1、AMP2)に供給される。
第1と第2のボルテージフォロワの出力端子には、送信ディジタルベースバンド信号の上位ビットの最下位1ビット(LSB_1bit)によって動作が制御される第1と第2のプルアップ・プルダウン回路(Pup_Pdw1、2)が接続される(図5参照)。
また、本発明の他の1つの代表的な半導体集積回路では、送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器(Tx_DAC)と、入力ボルテージフォロワ(AMP4)と、信号インバータ(Sig_Inv)と、完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)とを具備する。
信号変化検出ユニット(Comp)が送信アナログベースバンド信号のハイレベルへの変化を検出することに応答して、入力プルアップ・プルダウン回路(Pup_Pdw3)は信号インバータ(Sig_Inv)の入力をプルアップする(図6参照)。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、本発明の1つの代表的な半導体集積回路によれば、送信ディジタルベースバンド信号の変化に対する送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号の収束速度を向上することができる。
また、本発明の他の1つの代表的な半導体集積回路によれば、送信用D/A変換器の出力と完全差動アクティブローパスフィルタの入力との間に挿入された信号インバータにより完全差動アクティブローパスフィルタの出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化の遅延を低減することができる。
《代表的な実施の形態》
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態による半導体集積回路は、送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器(Tx_DAC)を具備する。
前記送信用D/A変換器は、前記送信ディジタルベースバンド信号の上位ビットに応答してアナログ粗選択電圧を生成する第1可変分圧器(VDIV1)と、前記アナログ粗選択電圧の一方の電圧と他方の電圧とがそれぞれ供給される第1のボルテージフォロワ(AMP1)と第2のボルテージフォロワ(AMP2)とを含む。
前記送信用D/A変換器は、前記第1と前記第2のボルテージフォロワの出力電圧が供給され前記送信ディジタルベースバンド信号の下位ビットに応答してアナログ密選択電圧を生成する第2可変分圧器(VDIV2)と、前記第2可変分圧器の出力電圧が供給される第3のボルテージフォロワ(AMP2)とを含む。
前記送信用D/A変換器では、前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットの最下位1ビット(LSB_1bit)のレベル変化に応答して前記アナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとが前記第1と前記第2のボルテージフォロワにより交互に出力される。
前記送信用D/A変換器は、前記第1のボルテージフォロワの出力端子と前記第2のボルテージフォロワの出力端子とにそれぞれ接続された第1のプルアップ・プルダウン回路(Pup_Pdw1)と第2のプルアップ・プルダウン回路(Pup_Pdw2)とを更に含む。
前記第1と前記第2のプルアップ・プルダウン回路の動作は、前記最下位1ビットによって制御される。
前記最下位1ビットの一方のレベル(ハイレベル“1”)に応答して、前記第1のプルアップ・プルダウン回路は前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子をプルアップする一方、前記第2のプルアップ・プルダウン回路は前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子をプルダウンする。
前記最下位1ビットの他方のレベル(ローレベル“0”)に応答して、前記第1のプルアップ・プルダウン回路は前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子をプルダウンする一方、前記第2のプルアップ・プルダウン回路は前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子をプルアップする(図5参照)。
前記実施の形態によれば、前記第1と前記第2のプルアップ・プルダウン回路とは、前記第1と前記第2のボルテージフォロワから生成される前記アナログ粗選択電圧の変化速度を向上する。従って、前記実施の形態によれば、送信ディジタルベースバンド信号の変化に対する送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号の収束速度を向上することができる。
好適な実施の形態による半導体集積回路の前記送信用D/A変換器は、第1のデコーダ(5bit Dec)と第2のデコーダ(6bit Dec)とを更に含む。
前記第1のデコーダに前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットが供給されることにより、前記第1のデコーダから複数の第1選択出力信号が生成される。前記第2のデコーダに前記送信ディジタルベースバンド信号の前記下位ビットが供給されることにより、前記第2のデコーダから複数の第2選択出力信号が生成される。
前記第1可変分圧器は前記第1のデコーダからの前記複数の第1選択出力信号により制御される複数の第1選択スイッチ(SW321…000)を含むことにより、前記第1可変分圧器の前記複数の第1選択スイッチは前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットに応答して前記アナログ粗選択電圧を生成する。
前記第2可変分圧器は前記第2のデコーダからの前記複数の第2選択出力信号により制御される複数の第2選択スイッチ(sw63…00)を含むことにより、前記第2可変分圧器の前記複数の第2選択スイッチは前記送信ディジタルベースバンド信号の前記下位ビットに応答して前記アナログ密選択電圧を生成する。
より好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記第1のボルテージフォロワと前記第2のボルテージフォロワと前記第3のボルテージフォロワとは、それぞれ非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)と出力端子とを有する演算増幅器によって構成されている。
更により好適な実施の形態による半導体集積回路の前記送信用D/A変換器は、前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子と前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子と一方の入力端子と他方の入力端子とが接続された制御ユニット(Off_CC)を更に含む。
前記制御ユニットは、送信動作に先立ってまたは前記半導体集積回路の電源投入時に前記第1と前記第2のボルテージフォロワの直流オフセット電圧の不平衡を低減するオフセット電圧キャリブレーション動作を実行する(図7参照)。
前記更により好適な実施の形態によれば、送信用D/A変換器のボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧に起因する微分非線形性(DNL)を改善することができる。
具体的な一つの実施の形態による半導体集積回路では、前記送信用D/A変換器に供給される前記送信ディジタルベースバンド信号はWCDMA方式のハイスピードアップリンクパケットアクセス(HSUPA)のための送信ディジタル信号である。
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態による半導体集積回路は、送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器(Tx_DAC)を具備する。
前記半導体集積回路は、前記送信用D/A変換器の出力に接続された入力ボルテージフォロワ(AMP4)と信号インバータ(Sig_Inv)と、前記入力ボルテージフォロワの出力と前記信号インバータの出力とに差動入力端子が接続された完全差動アクティブローパスフィルタ(FD_LPF)とを具備する。
前記半導体集積回路は、前記送信用D/A変換器の前記出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化を検出する信号変化検出ユニット(Comp)と、前記信号インバータの入力に接続され前記信号変化検出ユニットにより制御される入力プルアップ・プルダウン回路(Pup_Pdw3)とを更に具備する。
前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のハイレベルへの変化を検出することに応答して、前記入力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記入力をプルアップする。
前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のローレベルへの変化を検出することに応答して、前記入力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記入力をプルダウンする(図6参照)。
前記実施の形態によれば、前記入力プルアップ・プルダウン回路は、前記送信用D/A変換器の前記出力と前記信号インバータの前記入力との電圧の変化速度を向上する。従って、前記実施の形態によれば、送信用D/A変換器の出力と完全差動アクティブローパスフィルタの入力との間に挿入された信号インバータにより完全差動アクティブローパスフィルタの出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化の遅延を低減することができる。
好適な実施の形態による半導体集積回路は、前記信号インバータの出力に接続され前記信号変化検出ユニットにより制御される出力プルアップ・プルダウン回路(Pup_Pdw4)を更に具備する。
前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のハイレベルへの変化を検出することに応答して、前記出力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記出力をプルダウンする。
前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のローレベルへの変化を検出することに応答して、前記出力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記出力をプルアップする。
前記好適な実施の形態によれば、完全差動アクティブローパスフィルタの出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化の遅延を更に低減することができる。
より好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記信号インバータは、反転入力端子(−)と非反転入力端子(+)と出力端子とを有する演算増幅器(AMP5)と、前記反転入力端子に接続された入力抵抗(R1)と、前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された帰還抵抗(R2)とを含む。
他のより好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記信号インバータの前記演算増幅器の前記反転入力端子にはバイアス電圧(Vb)が供給される。前記信号変化検出ユニットは、前記バイアス電圧の電圧レベルと前記送信用D/A変換器の前記出力の前記送信アナログベースバンド信号の電圧レベルとを比較する比較器である。
更により好適な実施の形態による半導体集積回路では、前記完全差動アクティブローパスフィルタは非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)と出力端子とを有する他の2個の演算増幅器(AMP6、AMP7)を含んでいる。
具体的な一つの実施の形態による半導体集積回路の送信用D/A変換器では、前記送信用D/A変換器に供給される前記送信ディジタルベースバンド信号はWCDMA方式のハイスピードアップリンクパケットアクセス(HSUPA)のための送信ディジタル信号である。
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。
《送信アナログベースバンド信号の収束速度を向上した送信用D/A変換器》
図5は、本発明の1つの実施の形態によるWCDMA方式のHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするRF集積回路(RFIC)に組み込まれる送信用D/A変換器Tx_DACの構成を示す図である。
図5の送信用D/A変換器Tx_DACの基本的な構成は、図1に示した本発明に先立って検討された送信用D/A変換器Tx_DACのそれと同一である。従って、図1と同一の部分の説明は冗長となるので説明を省略して相違する部分について説明する。すなわち、図5の送信用D/A変換器Tx_DACでは、送信アナログベースバンド信号の収束速度を向上するために、下記の回路が追加されている。
それは、第1バッファBuff1の第1のボルテージフォロワAMP1の出力と第2のボルテージフォロワAMP2の出力とにそれぞれ接続された第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1と第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2とである。この第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1と第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2とには、第1デコーダ5bit Decに供給されるディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットLSB_1bitが供給される。
冒頭で説明したように、第1デコーダ5bit Decに供給されるディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットの変化に応答して、第1可変分圧器VDIV1の2つのアナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとを第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2とが交互に出力する。最下位1ビットLSB_1bitがハイレベル“1”の時には、第1のボルテージフォロワAMP1がアナログ粗選択電圧のハイレベルを出力して、第2のボルテージフォロワAMP2がアナログ粗選択電圧のローレベルを出力する。逆に、最下位1ビットLSB_1bitがローレベル“0”の時には、第2のボルテージフォロワAMP2がアナログ粗選択電圧のハイレベルを出力して、第1のボルテージフォロワAMP1がアナログ粗選択電圧のローレベルを出力する。
最下位1ビットLSB_1bitがハイレベル“1”の時には、第1のボルテージフォロワAMP1の出力に接続された第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1の電源電圧Vdd側のスイッチがオン状態に駆動され、接地電圧GND側のスイッチがオフ状態に駆動される。第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1のオン状態の電源電圧側スイッチは第1のボルテージフォロワAMP1の出力インピーダンスと共同して第2可変抵抗器VDIV2の動作電流を流すので、第1のボルテージフォロワAMP1の出力電圧の上昇速度が改善される。
また、最下位1ビットLSB_1bitがハイレベル“1”の時には、第2のボルテージフォロワAMP2の出力に接続された第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2の接地電圧GND側のスイッチがオン状態に駆動され、電源電圧Vdd側のスイッチがオフ状態に駆動される。第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2のオン状態の接地電圧側スイッチは第2のボルテージフォロワAMP2の出力インピーダンスと共同して第2可変抵抗器VDIV2の動作電流を流すので、第2のボルテージフォロワAMP2の出力電圧の低下速度が改善される。
最下位1ビットLSB_1bitがローレベル“0”の時には、第2のボルテージフォロワAMP2の出力に接続された第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2の電源電圧Vdd側のスイッチがオン状態に駆動され、接地電圧GND側のスイッチがオフ状態に駆動される。第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2のオン状態の電源電圧側スイッチは第2のボルテージフォロワAMP2の出力インピーダンスと共同して第2可変抵抗器VDIV2の動作電流を流すので、第2のボルテージフォロワAMP2の出力電圧の上昇速度が改善される。
また、最下位1ビットLSB_1bitがローレベル“0”の時には、第1のボルテージフォロワAMP1の出力に接続された第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1の接地電圧GND側のスイッチがオン状態に駆動され、電源電圧Vdd側のスイッチがオフ状態に駆動される。第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1のオン状態の接地電圧側スイッチは第1のボルテージフォロワAMP1の出力インピーダンスと共同して第2可変抵抗器VDIV2の動作電流を流すので、第1のボルテージフォロワAMP1の出力電圧の低下速度が改善される。
図9は、図5に示した送信用D/A変換器Tx_DACの第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2と第1と第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1、Pup_Pdw2の構成を示す図である。
第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2は、PチャンネルMOSトランジスタの差動対Mp1、Mp2、NPNバイポーラトランジスタのカレントミラー負荷Q1、Q2、NPNバイポーラトランジスタの出力トランジスタQ3、定電流源Ics1、定電流負荷Ics2によりそれぞれ構成されている。PチャンネルMOSトランジスタMp1のゲートはボルテージフォロワの非反転入力端子、PチャンネルMOSトランジスタMp2のゲートはボルテージフォロワの反転入力端子、NPNバイポーラ出力トランジスタQ3のコレクタはボルテージフォロワの出力端子としてそれぞれ機能する。
第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1と第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2との間には、第2可変抵抗器VDIV2の直列接続された64個の第2分圧抵抗rが接続されている。第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1は、第1のボルテージフォロワAMP1の出力端子に接続されたプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp7と、第1のボルテージフォロワAMP1の出力端子に接続されたプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn5とを含む。第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1も、第2のボルテージフォロワAMP2の出力端子に接続されたプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp8と、第2のボルテージフォロワAMP2の出力端子に接続されたプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn6とを含む。
また、図9には第1デコーダ5bit Decに供給されるディジタル入力信号の上位5ビットの最下位1ビットLSB_1bitに応答して第1と第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1、Pup_Pdw2を制御するLSBコントローラLSB_Contも示されている。
このLSBコントローラLSB_Contには、最下位1ビットLSB_1bitとその反転信号/LSB_1bitとが供給される。このLSBコントローラLSB_Contは、定電流源Ics3、PチャンネルMOSトランジスタの差動対Mp3、Mp4、NチャンネルMOSトランジスタのカレントミラーMn1、Mn3、Mn2、Mn4、PチャンネルMOSトランジスタの負荷Mp5、Mp6を含んでいる。
最下位1ビットLSB_1bitがハイレベル“1”の時には、LSBコントローラLSB_Contの定電流源Ics3の電流は差動対の一方のPチャンネルMOSトランジスタMp3に流れる。従って、第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1のプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp7から、第1のボルテージフォロワAMP1の出力端子にプルアップ電流が流れる。また、第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2のプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn6に、第2のボルテージフォロワAMP2の出力端子からプルダウン電流が流れる。
最下位1ビットLSB_1bitがローレベル“0”の時には、LSBコントローラLSB_Contの定電流源Ics3の電流は差動対の他方のPチャンネルMOSトランジスタMp4に流れる。第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1のプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn5に、第1のボルテージフォロワAMP1の出力端子からプルダウン電流が流れる。また、第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2のプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp8から、第1のボルテージフォロワAMP2の出力端子にプルアップ電流が流れる。
《信号遅延を低減する完全差動アクティブローパスフィルタ》
図6は、本発明の他の1つの実施の形態によるWCDMA方式のHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするRF集積回路(RFIC)に組み込まれる送信アナログベースバンド信号の信号遅延を低減する完全差動アクティブローパスフィルタの構成を示す図である。
図6の完全差動アクティブローパスフィルタの基本的な構成は、図2に示した本発明に先立って検討された完全差動アクティブローパスフィルタのそれと同一である。従って、図2と同一の部分の説明は冗長となるので説明を省略して相違する部分について説明する。すなわち、図6の完全差動アクティブローパスフィルタでは、送信アナログベースバンド信号の信号遅延を低減するために、下記の回路が追加されている。
それは、完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFの他方の入力端子に接続された信号インバータSig_Invの入力端子と出力端子とに第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3と第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4とがそれぞれ接続されていることである。
第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3と第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4とは、比較器Compからの4つの制御出力信号Dpd、Dpu、Upu、Updによって制御される。この比較器Compは、図5に示した送信用D/A変換器Tx_DACの出力部の第2バッファBuff2の第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacとバイアス電圧Vbとを比較する。
バイアス電圧Vbよりも第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacがローレベルとなると、比較器Compからのプルダウン制御出力信号Dpdに応答して、第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3の電源電圧Vdd側のスイッチがオフ状態に駆動され、接地電圧GND側のスイッチがオン状態に駆動される。第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3のオン状態の接地電圧側スイッチは、第3のボルテージフォロワAMP3の出力インピーダンスと共同して信号インバータSig_Invの演算増幅器AMP5の出力のプルアップ動作電流を流すようになる。従って、送信用D/A変換器Tx_DACの出力部の第2バッファBuff2の第3のボルテージフォロワAMP3の出力電圧の信号低下速度が改善される。
また、バイアス電圧Vbよりも第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacがハイレベルとなると、比較器Compからのプルアップ制御出力信号Upuに応答して、第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3の電源電圧Vdd側のスイッチがオン状態に駆動され、接地電圧GND側のスイッチがオフ状態に駆動される。第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3のオン状態の電源電圧側スイッチは、第3のボルテージフォロワAMP3の出力インピーダンスと共同して信号インバータSig_Invの演算増幅器AMP5の出力のプルダウン動作電流を流すようになる。従って、送信用D/A変換器Tx_DACの出力部の第2バッファBuff2の第3のボルテージフォロワAMP3の出力電圧の信号上昇速度が改善される。
更に、バイアス電圧Vbよりも第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacがローレベルとなると、比較器Compからの他のプルダウン制御出力信号Dpuに応答して、第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4の電源電圧Vdd側のスイッチがオン状態に駆動され、接地電圧GND側のスイッチがオフ状態に駆動される。第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4の電源電圧側スイッチは、信号インバータSig_Invの演算増幅器AMP5と共同して信号インバータSig_Invの出力端子の電圧をプルアップするようになる。従って、完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFの他方の入力端子に供給される信号インバータSig_Invの出力電圧の信号上昇速度が改善される。
また、バイアス電圧Vbよりも第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacがハイレベルとなると、比較器Compからの他のプルアップ制御出力信号Updに応答して、第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4の電源電圧Vdd側のスイッチがオフ状態に駆動され、接地電圧GND側のスイッチがオン状態に駆動される。第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4の接地電圧側スイッチは、信号インバータSig_Invの演算増幅器AMP5と共同して信号インバータSig_Invの出力端子の電圧をプルダウンするようになる。従って、完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFの他方の入力端子に供給される信号インバータSig_Invの出力電圧の信号低下速度が改善される。
図10は、図6に示した完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFと第3と第4のボルテージフォロワAMP3、AMP4と信号インバータSig_Invと第3と第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3、Pup_Pdw4の構成を示す図である。
第3と第4のボルテージフォロワAMP3、AMP4と信号インバータSig_Invの演算増幅器AMP5は、差動対PMOSトランジスタMp1、Mp2、バイポーラカレントミラー負荷Q1、Q2、バイポーラ出力トランジスタQ3、定電流源Ics1、定電流負荷Ics2によりそれぞれ構成されている。PチャンネルMOSトランジスタMp1のゲートはボルテージフォロワの非反転入力端子、PチャンネルMOSトランジスタMp2のゲートはボルテージフォロワの反転入力端子、NPNバイポーラ出力トランジスタQ3のコレクタはボルテージフォロワの出力端子としてそれぞれ機能する。
第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3は、信号インバータSig_Invの入力端子に接続されたプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp13とプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn11とを含む。第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4は、信号インバータSig_Invの出力端子に接続されたプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp14とプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn12とを含む。
また、図10には第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacとバイアス電圧Vbとを比較する比較器Compも示されている。この比較器Compは、定電流源Ics4、PチャンネルMOSトランジスタの差動対Mp9、Mp10、NチャンネルMOSトランジスタのカレントミラーMn7、Mn9、Mn8、Mn10、PチャンネルMOSトランジスタの負荷Mp11、Mp12を含んでいる。
バイアス電圧Vbよりも第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacがローレベルとなると、比較器Compの定電流源Ics4の電流は差動対の一方のPチャンネルMOSトランジスタMp9に流れる。従って、信号インバータSig_Invの入力端子から第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3のプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn11にプルダウン電流Dpdが流れる。また、第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4のプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp14から、信号インバータSig_Invの出力端子にプルアップ電流Dpuが流れる。
またバイアス電圧Vbよりも第3のボルテージフォロワAMP3の高速送信アナログベースバンド信号Vdacがハイレベルとなると、比較器Compの定電流源Ics4の電流は差動対の他方のPチャンネルMOSトランジスタMp10に流れる。従って、信号インバータSig_Invの入力端子に第3のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3のプルアップ用PチャンネルMOSトランジスタMp13からプルアップ電流Upuが流れる。また、第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw4のプルダウン用NチャンネルMOSトランジスタMn12に、信号インバータSig_Invの出力端子からプルダウン電流Updが流れる。
更に図10に示すよう、完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFは、4個の抵抗R3、R4、R5、R6と2個の演算増幅器AMP6、AMP7と3個の容量C1、C2、C3とにより構成されたサレン・キー(Sallen-Key)型の2次アクティブフィルタである。
このように構成された完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFのカットオフ周波数fcは4.2MHzであり、WCDMA方式のHSUPAの略4Mbpsまでの高速データ転送を可能とする。完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFは、4.2MHzのカットオフ周波数fcよりも低い周波数ではフラットな通過特性を示し、カットオフ周波数fcよりも高い周波数で略オクターブ20dBの減衰特性を示す。この低周波数でのフラットな通過特性と高周波数での減衰特性との組み合わせは、バターワース(Butterworth)ローパスフィルタ特性と呼ばれている。それによって、WCDMA方式でのHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするような送信アナログベースバンド信号の基本波成分を通過させると伴に3次や5次や7次の高調波成分を抑圧することができる。
完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFの2個の演算増幅器AMP6、AMP7も、差動対PMOSトランジスタMp1、Mp2、バイポーラカレントミラー負荷Q1、Q2、バイポーラ出力トランジスタQ3、定電流源Ics1、定電流負荷Ics2によりそれぞれ構成されている。第4のボルテージフォロワAMP4の出力トランジスタQ3のコレクタ信号は、2個の抵抗R3、R4を介して演算増幅器AMP6の非反転入力端子としてのPMOSトランジスタMp1のゲートに供給される。演算増幅器AMP6の出力トランジスタQ3のコレクタ信号は、容量C1を介して2個の抵抗R3、R4の接続ノードに供給される。信号インバータSig_Invの演算増幅器AMP5の出力トランジスタQ3のコレクタ信号は、2個の抵抗R5、R6を介して演算増幅器AMP7の非反転入力端子としてのPMOSトランジスタMp1のゲートに供給される。演算増幅器AMP7の出力トランジスタQ3のコレクタ信号は、容量C2を介して2個の抵抗R5、R6の接続ノードに供給される。演算増幅器AMP6の出力トランジスタQ3のコレクタ信号と演算増幅器AMP7の出力トランジスタQ3のコレクタ信号とは、それぞれ可変利得増幅器VGAの差動入力端子に供給される。
《微分非線形性を改善する送信用D/A変換器》
図7は、本発明の更に他の1つの実施の形態によるWCDMA方式のHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするRF集積回路(RFIC)に組み込まれる微分非線形性(DNL)を改善する送信用D/A変換器の構成を示す図である。
図7の送信用D/A変換器の基本的な構成は、図5に示した本発明の1つの実施の形態による送信用D/A変換器のそれと同一である。すなわち、図7の送信用D/A変換器は、図7では図示されてはいないが、第1のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw1と第2のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw2とを含んでいる。従って、図7の送信用D/A変換器は、図5の送信用D/A変換器と同様に送信アナログベースバンド信号の収束速度を向上することができる。図7の送信用D/A変換器に関して、図5と同一の部分の説明は冗長となるので説明を省略して相違する部分について説明する。すなわち、図7の送信用D/A変換器では、ボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧に起因する微分非線形性(DNL)を改善するために、下記の回路が追加されている。
それは、第1バッファBuff1の第1のボルテージフォロワAMP1の出力端子と第2のボルテージフォロワAMP2の出力端子とに接続されたオフセット制御ユニットOff_CCである。
図7のRF集積回路(RFIC)の基地局への送信動作に先立ってまた電源投入時に、オフセット制御ユニットOff_CCは第1バッファBuff1の第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流オフセット電圧Vout1(off)、Vout2(off)の不平衡を低減する。基地局への送信動作に先立ったまたは電源投入時の出力直流オフセット電圧の不平衡の低減は、オフセット制御ユニットOff_CCによる出力直流オフセット電圧キャリブレーション動作によって実現される。
この出力直流オフセット電圧キャリブレーション動作では、略1.2ボルトの基準電圧VREFが選択スイッチSW321、SW320を介して第1のボルテージフォロワAMP1の非反転入力端子と第2のボルテージフォロワAMP2の非反転入力端子とに並列に供給される。好ましい実施の形態では、略1.2ボルトの基準電圧VREFは電源電圧依存性や温度依存性やRF集積回路の製造プロセス依存性の少ないバンドギャップ基準電圧発生回路から供給される。
第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流オフセット電圧の不平衡が存在しない理想的な状況では、オフセット制御ユニットOff_CCの一方の入力端子と他方の入力端子とに供給される第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流電圧は等しくなる。しかし、現実ではRF集積回路の製造プロセス依存性によって、第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2に出力直流オフセット電圧Vout1(off)、Vout2(off)の不平衡が発生する。その結果、オフセット制御ユニットOff_CCの一方の入力端子と他方の入力端子とに供給される第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流電圧に相違が生じる。
出力直流オフセット電圧キャリブレーション動作では、オフセット制御ユニットOff_CCは第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流電圧の相違を検出することにより第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流オフセット電圧の不平衡の存在を検出する。一例としては、オフセット制御ユニットOff_CCは第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流電圧の一方が他方よりも高いレベルであることを検出すると高レベルの出力直流電圧を生成する方のボルテージフォロワを制御することによって出力直流オフセット電圧の不平衡を低減する。
このようにして、図7に示す送信用D/A変換器の出力直流オフセット電圧キャリブレーション動作によって、第1バッファBuff1の第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流オフセット電圧Vout1(off)、Vout2(off)の不平衡を低減することができる。その結果、図7に示す送信用D/A変換器によれば、送信用D/A変換器のボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧に起因する微分非線形性(DNL)を改善することができる。
図8は、図7に示した本発明の更に他の1つの実施の形態による送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号へのボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧による影響を示す図である。
図4の破線と比較すると、図8の破線で示したディジタル入力信号の上位5ビットの変化による負電圧側シフトと正電圧側シフトとが小さくなっていることが理解できる。また、図4の実線と比較しても、図8の実線で示したディジタル入力信号の下位6ビットの変化も考慮した負電圧側シフトと正電圧側シフトとによる鋸波状の誤差電圧も小さくなっていることが理解できる。その結果、図8に示す送信用D/A変換器では微分非線形性(DNL)が改善されるものである。一例として、図7に示す送信用D/A変換器の出力から1MHzの正弦波の送信アナログベースバンド信号が出力されるような11ビットの送信ディジタルベースバンド信号を供給した場合に、3次高調波歪は図5の場合よりも図7では略7.6dB改善されることが確認された。
図11は、図7に示した本発明の更に他の1つの実施の形態による送信用D/A変換器でのオフセット制御ユニットOff_CCによる第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流オフセット電圧Vout1(off)、Vout2(off)の不平衡の低減の作用を説明する図である。
第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2は、差動対PMOSトランジスタMp1、Mp2、バイポーラカレントミラー負荷Q1、Q2、バイポーラ出力トランジスタQ3、定電流源Ics1、定電流負荷Ics2によりそれぞれ構成されている。
しかし、第1のボルテージフォロワAMP1のバイポーラカレントミラー負荷Q1、Q2のダイオード接続トランジスタQ2には、オフセット制御ユニットOff_CCの第1校正出力信号Off_Cal_Out1により制御される第1可変校正電流源Ical_1が接続されている。
また、第2のボルテージフォロワAMP2のバイポーラカレントミラー負荷Q1、Q2のダイオード接続トランジスタQ2には、オフセット制御ユニットOff_CCの第2校正出力信号Off_Cal_Out2により制御される第2可変校正電流源Ical_2が接続されている。第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力電圧は、オフセット制御ユニットOff_CCの一方の入力端子と他方の入力端子とに供給される第1と第2の入力電圧Vin1、Vin2となっている。
出力直流オフセット電圧キャリブレーション動作において、オフセット制御ユニットOff_CCの第1の入力電圧Vin1よりも第2の入力電圧Vin2が高いことが検出されたとする。すると、オフセット制御ユニットOff_CCの第2校正出力信号Off_Cal_Out2により、第2のボルテージフォロワAMP2の第2可変校正電流源Ical_2の電流が増加する。すると、第2のボルテージフォロワAMP2のバイポーラカレントミラー負荷Q1、Q2の電流が減少して、バイポーラ出力トランジスタQ3のベース電圧が上昇して、バイポーラ出力トランジスタQ3のコレクタ出力電圧は低下する。その結果、第2のボルテージフォロワAMP2の出力直流オフセット電圧Vout2(off)は、第2のボルテージフォロワAMP2の出力直流オフセット電圧Vout2(off)と略等しいレベルまで低下する。
尚、オフセット制御ユニットOff_CCは、第1と第2の可変校正電流源Ical_1、Ical_2の電流を制御するための校正制御ディジタル信号を保持する制御レジスタを含んでいる。オフセット制御ユニットOff_CCに制御クロック信号が供給され、第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2の出力直流オフセット電圧Vout1(off)、Vout2(off)の不平衡が解消されるまで、制御レジスタの校正制御ディジタル信号の内容が更新される。
《マルチバンド対応の通信用RF集積回路》
図12は、本発明の更に他の1つの実施の形態によるマルチバンド対応の通信用RF集積回路(RFIC)を示すブロック図である。この通信用RF ICは、WCDMA方式のBand1、Band2、Band5の送受信を行うとともに、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の方式の送受信を行うことが可能である。
WCDMA方式の一番低い周波数帯域のBand5(地域は米国)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が824〜849MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は869〜894MHzとなっている。同様に、WCDMA方式のBand2(地域は欧州)の場合も、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1850〜1910MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1930〜1990MHzとなっている。また、UMTS規格におけるWCDMA方式の一番高い周波数帯域のBand1(地域は米国)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1920〜1980MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は2110〜2170MHzとなっている。
更に、これ以外のWCDMA方式の通信も存在する。WCDMA方式の低い周波数帯域のBand6(地域は日本)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が830〜840MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は875〜885MHzとなっている。WCDMA方式の周波数帯域のBand4(地域は米国)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1710〜1775MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は2110〜2155MHzとなっている。WCDMA方式の周波数帯域のBand3(地域は欧州他)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1710〜1785MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1805〜1880MHzとなっている。
GSM850の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が824〜849MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は869〜894MHzとなっている。GSM900の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が880〜915MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は925〜960MHzとなっている。DCS1800の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1710〜1785MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1805〜1880MHzとなっている。PCS1900の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1850〜1910MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1930〜1990MHzとなっている。このように、いずれの周波数帯域(バンド)においても、受信帯域周波数RXが送信帯域周波数TXよりも高いFDD方式が採用されている。尚、FDDは、Frequency Division Duplexの略である。
図12に示したRF集積回路(RFIC)の上部の回路RX_SPU_WCDMAはWCDMA方式のBand1、Band2、Band5の受信のための回路である。
図12に示したRF集積回路(RFIC)の下部の回路TX_SPU_WCDMAはWCDMA方式のBand1、Band2、Band5の送信のための回路である。
図12に示したRF集積回路(RFIC)の中央上部の回路RX_SPU_GSMは、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の受信のための回路である。
図12に示したRF集積回路(RFIC)の中央下部の回路TX_SPU_GSMは、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の送信のための回路である。
図12に示したRF集積回路(RFIC)の中央の回路Frct_Synthは、RF集積回路(RFIC)の送受信ローカル信号を形成するフラクショナルシンセサイザである。このフラクショナルシンセサイザFrct_Synthは、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOと、システム基準電圧制御発振器(DCX−CVO)を内蔵したフェーズロックループ(PLL)5と、複数の分周器と、複数のスイッチとを含んでいる。
いずれの通信方式の受信モードにおいても、WCDMA方式受信回路RX_SPU_WCDMAの出力または他方式受信回路RX_SPU_GSMの出力に、I、Qアナログベースバンド受信信号が形成される。この信号はローパスフィルタ87I、87Qを介してA/D変換器89I、89Qに供給されることよりI、Qディジタルベースバンド受信信号に変換され、受信系ディジタルインターフェース14を介してベースバンド信号処理LSI(図示せず)に供給される。
逆にベースバンド信号処理LSIからのディジタルベースバンド送信信号TxDBI、TxDBQはRF集積回路(RFIC)の送信系ディジタルインターフェース37により受信される。送信系ディジタルインターフェース37の2つの出力端子の送信ディジタルベースバンド信号は、送信用D/A変換器9、10により送信アナログベースバンド信号に変換される。
この送信用D/A変換器9、10には、それぞれ図5から図11を用いて説明した本発明のいずれかの実施の形態による送信用D/A変換器が使用されている。その結果、WCDMA方式でのHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするような送信アナログベースバンド信号の収束速度の向上と微分非線形性(DNL)の改善が可能となる。
WCDMA方式の送信では、送信用D/A変換器9、10の出力の送信アナログベースバンド信号はWCDMA方式送信回路TX_SPU_WCDMAの送信用ローパスフィルタ6,7を介して一対の送信ミキサ1、2の一方の入力端子に供給される。
この送信用ローパスフィルタ6,7には、それぞれ図6および図10を用いて説明した本発明の他の1つの実施の形態による完全差動アクティブローパスフィルタFD_LPFと信号インバータSig_Invと第3と第4のプルアップ・プルダウン回路Pup_Pdw3、4と比較器Compが使用されている。その結果、送信用D/A変換器の出力と完全差動アクティブローパスフィルタの入力との間に挿入された信号インバータにより完全差動アクティブローパスフィルタの出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化の遅延を低減することができる。
GSM方式の送信では、送信用D/A変換器9、10の出力のアナログベースバンド信号は他方式送信回路TX_SPU_GSMの一対の送信ミキサTX−MIX_I、TX−MIX_Qの一方の入力端子に供給される。フラクショナルシンセサイザFrct_SynthのPLL回路5により制御された電圧制御発振器4Rx−VCOの発振信号は、中間周波数分周器DIV2(1/NIF)を介して90°位相シフタ3Tx_GSMに供給される。90°位相シフタ3Tx_GSMは、分周器DIV2(1/NIF)の出力の中間周波数信号に応答して一対の送信ミキサTX−MIX_I、TX−MIX_Qに供給される一対の送信用中間周波数ローカル信号を生成するものである。それにより、一対の送信ミキサTX−MIX_I、TX−MIX_Qと加算器とからなる送信用変調器で、正確なクォドラチャー変調が可能となる。
送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLは、GSM850のRF送信信号Tx_GSM850とGSM900のRF送信信号Tx_GSM900との送信動作に対応する必要が有る。
そのため、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの発振周波数は分周比2に設定された2個の分周器DIV1(1/2)、DIV4(1/2)を介して位相制御帰還用周波数ダウンミキサDWN_MIX_PMの一方の入力端子に供給される。また、送信ミキサTX−MIX_I、TX−MIX_Qのための90°位相シフタ3Tx_GSMに接続された中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周比NIFは、35に設定されている。一方、GSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMの発振出力信号が、分周数2に設定された2個の分周器DIV5、分周器DIV3を介して、位相制御帰還用周波数ダウンミキサDWN_MIX_PMの他方の入力端子に供給されている。
その結果、ダウンミキサDWN_MIX_PMでは、一方の入力信号と他方の入力信号とのミキシングが行われる。従って、ダウンミキサDWN_MIX_PMの出力から、2つの入力信号の差の周波数の帰還信号が形成されて、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの位相比較器PCの他方の入力端子に供給される。また、位相比較器PCの一方の入力端子には、送信ミキサTX−MIX_I、Qの出力に接続された加算器の出力のベクトル合成された中間周波送信信号fIFが基準信号として供給されている。中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周数NIFである35と90°位相シフタ3Tx_GSMでの分周数1.5とで、合計分周数は52.5となっている。従って、中間周波送信信号fIFの周波数は、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの周波数の1/52.5となる。
また、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの負帰還制御によって、位相比較器PCの一方の入力端子の基準信号と他方の入力端子のダウンミキサDWN_MIX_PMから帰還信号とは一致するようになる。結果としては、0.8GHzのRF送信信号のGSM850と0.9GHzのRF送信信号のGSM900との送信動作に、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOとGSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMとは送信周波数の略4倍の略3.6GHzから略3.9GHzで発振すれば良くなる。
また送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLは、DCS1800のRF送信信号Tx_DCS1800とPSC1900のRF送信信号Tx_PSC1900との送信動作に対応する必要が有る。
そのため、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの発振周波数は、分周比2に設定された分周器DIV1(1/2)を介して位相制御帰還用周波数ダウンミキサDWN_MIX_PMの一方の入力端子に供給される。また、送信ミキサTX−MIX_I、TX−MIX_Qのための90°位相シフタ3Tx_GSMに接続された中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周比NIFは、35に設定されている。一方、GSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMの発振出力信号が、分周数2に設定された1個の分周器DIV5を介して、位相制御帰還用周波数ダウンミキサDWN_MIX_PMの他方の入力端子に供給されている。
その結果、ダウンミキサDWN_MIX_PMでは、一方の入力信号と他方の入力信号とのミキシングが行われる。従って、ダウンミキサDWN_MIX_PMの出力から、2つの入力信号の差の周波数の帰還信号が形成されて、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの位相比較器PCの他方の入力端子に供給される。また、位相比較器PCの一方の入力端子には、送信ミキサTX−MIX_I、Qの出力に接続された加算器の出力のベクトル合成された中間周波送信信号fIFが基準信号として供給されている。中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周数NIFである35と90°位相シフタ3Tx_GSMでの分周数1.5とで、合計分周数は52.5となっている。従って、中間周波送信信号fIFの周波数は、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの周波数の1/52.5となる。
また、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの負帰還制御によって、位相比較器PCの一方の入力端子の基準信号と他方の入力端子のダウンミキサDWN_MIX_PMから帰還信号とは一致するようになる。結果としては、1.7GHzのRF送信信号のDCS1800と1.9GHzのRF送信信号のPCS1900との送信動作に、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOとGSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMとは送信周波数の略2倍の略3.6GHzから略3.9GHzで発振すれば良くなる。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明はHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするWCDMA方式とGSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の方式の送受信を行うマルチバンド対応の携帯電話用のRF集積回路以外にも周波数バンド幅が広くデータ転送レートの高いWLAN用のRF集積回路に適用できる。例えば、IEEE 802.11−b、−a、−g等のWLANの周波数バンド幅は10MHzを越えるものであり、その転送データレートは更に高速化が進むものと推測される。このような高速WLANの子機(LAN端末)と親機(アクセス・ポイント・ハブ)とに共通に使用されるRF集積回路にも、本発明は適用することができる。
また、第1と第2のボルテージフォロワAMP1、AMP2等の演算増幅器は、差動対NMOSトランジスタ、PMOSカレントミラー負荷、PMOS出力トランジスタによって構成されることもできる。
更に、完全差動アクティブローパスフィルタはバターワース特性に限定されるものではなく、減衰特性の良好なチェビシェ(Chebyshev)特性やベッセル(Bessel)特性を持つアクティブローパスフィルタを利用することもできる。
図1は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたRF集積回路に組み込まれる送信用D/A変換器の構成を示す回路図である。 図2は、本発明に先立って本発明者等によって検討されたRF集積回路に組み込まれる送信用D/A変換器の出力に接続される完全差動アクティブローパスフィルタを示す図である。 図3も、本発明に先立って本発明者等によって検討されたRF集積回路に組み込まれる送信用D/A変換器の構成を示す回路図である。 図4は、図3の送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号へのボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧による負電圧側シフトと正電圧側シフトとを示す図である。 図5は、本発明の1つの実施の形態によるWCDMA方式のHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするRF集積回路に組み込まれる送信用D/A変換器の構成を示す図である。 図6は、本発明の他の1つの実施の形態によるWCDMA方式のHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするRF集積回路に組み込まれる送信アナログベースバンド信号の信号遅延を低減する完全差動アクティブローパスフィルタの構成を示す図である。 図7は、本発明の更に他の1つの実施の形態によるWCDMA方式のHSUPAの高速ワイヤレス接続を可能とするRF集積回路に組み込まれる微分非線形性を改善する送信用D/A変換器の構成を示す図である。 図8は、図7に示した本発明の更に他の1つの実施の形態による送信用D/A変換器の出力の送信アナログベースバンド信号へのボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧による影響を示す図である。 図9は、図5に示した送信用D/A変換器の第1と第2のボルテージフォロワと第1と第2のプルアップ・プルダウン回路の構成を示す図である。 図10は、図6に示した完全差動アクティブローパスフィルタと第3と第4のボルテージフォロワと信号インバータと第3と第4のプルアップ・プルダウン回路の構成を示す図である。 図11は、図7に示した本発明の更に他の1つの実施の形態による送信用D/A変換器でのオフセット制御ユニットによる第1と第2のボルテージフォロワの出力直流オフセット電圧の不平衡の低減の作用を説明する図である。 図12は、本発明の更に他の1つの実施の形態によるマルチバンド対応の通信用RF集積回路を示すブロック図である。
符号の説明
Tx_DAC 送信用D/A変換器
Upper 5bits 送信ディジタルベースバンド信号の上位ビット
Lower 6bits 送信ディジタルベースバンド信号の下位ビット
LSB_1bit 上位ビットの最下位1ビット
5bit Dec 第1デコーダ
6bit Dec 第2デコーダ
VDIV1 第1可変分圧器
SW311…SW000 第1選択スイッチ
Buff1 第1バッファ
AMP1 第1のボルテージフォロワ
AMP2 第2のボルテージフォロワ
Pup_Pdw1 第1のプルアップ・プルダウン回路
Pup_Pdw2 第2のプルアップ・プルダウン回路
Cr_SW クロススイッチ
VDIV2 第2可変分圧器
sw63…sw000 第2選択スイッチ
Buff2 第2バッファ
AMP3 第3のボルテージフォロワ
AMP4 第4のボルテージフォロワ
Sig_Inv 信号インバータ
AMP5 演算増幅器
FD_LPF 完全差動アクティブローパスフィルタ
Pup_Pdw3 第3のプルアップ・プルダウン回路
Pup_Pdw4 第4のプルアップ・プルダウン回路
Comp 比較器
Off_CC オフセット制御ユニット

Claims (17)

  1. 送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器を具備して、
    前記送信用D/A変換器は、前記送信ディジタルベースバンド信号の上位ビットに応答してアナログ粗選択電圧を生成する第1可変分圧器と、前記アナログ粗選択電圧の一方の電圧と他方の電圧とがそれぞれ供給される第1のボルテージフォロワと第2のボルテージフォロワと、前記第1と前記第2のボルテージフォロワの出力電圧が供給され前記送信ディジタルベースバンド信号の下位ビットに応答してアナログ密選択電圧を生成する第2可変分圧器と、前記第2可変分圧器の出力電圧が供給される第3のボルテージフォロワとを含み、
    前記送信用D/A変換器では、前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットの最下位1ビットのレベル変化に応答して前記アナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとが前記第1と前記第2のボルテージフォロワにより交互に出力され、
    前記送信用D/A変換器は、前記第1のボルテージフォロワの出力端子と前記第2のボルテージフォロワの出力端子とにそれぞれ接続された第1のプルアップ・プルダウン回路と第2のプルアップ・プルダウン回路とを更に含み、
    前記第1と前記第2のプルアップ・プルダウン回路の動作は、前記最下位1ビットによって制御され、
    前記最下位1ビットの一方のレベルに応答して、前記第1のプルアップ・プルダウン回路は前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子をプルアップする一方、前記第2のプルアップ・プルダウン回路は前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子をプルダウンして、
    前記最下位1ビットの他方のレベルに応答して、前記第1のプルアップ・プルダウン回路は前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子をプルダウンする一方、前記第2のプルアップ・プルダウン回路は前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子をプルアップする半導体集積回路。
  2. 前記送信用D/A変換器は、第1のデコーダと第2のデコーダとを更に含み、
    前記第1のデコーダに前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットが供給されることにより、前記第1のデコーダから複数の第1選択出力信号が生成され、
    前記第2のデコーダに前記送信ディジタルベースバンド信号の前記下位ビットが供給されることにより、前記第2のデコーダから複数の第2選択出力信号が生成され、
    前記第1可変分圧器は前記第1のデコーダからの前記複数の第1選択出力信号により制御される複数の第1選択スイッチを含むことにより、前記第1可変分圧器の前記複数の第1選択スイッチは前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットに応答して前記アナログ粗選択電圧を生成して、
    前記第2可変分圧器は前記第2のデコーダからの前記複数の第2選択出力信号により制御される複数の第2選択スイッチを含むことにより、前記第2可変分圧器の前記複数の第2選択スイッチは前記送信ディジタルベースバンド信号の前記下位ビットに応答して前記アナログ密選択電圧を生成する請求項1に記載の半導体集積回路。
  3. 前記第1のボルテージフォロワと前記第2のボルテージフォロワと前記第3のボルテージフォロワとは、それぞれ非反転入力端子と反転入力端子と出力端子とを有する演算増幅器によって構成された請求項2に記載の半導体集積回路。
  4. 前記送信用D/A変換器は、前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子と前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子とに一方の入力端子と他方の入力端子とがそれぞれ接続された制御ユニットを更に含み、
    前記制御ユニットは、送信動作に先立ってまたは前記半導体集積回路の電源投入時に前記第1と前記第2のボルテージフォロワの直流オフセット電圧の不平衡を低減するオフセット電圧キャリブレーション動作を実行する請求項2に記載の半導体集積回路。
  5. 前記送信用D/A変換器に供給される前記送信ディジタルベースバンド信号はWCDMA方式のハイスピードアップリンクパケットアクセスのための送信ディジタル信号である請求項4に記載の半導体集積回路。
  6. 送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器と、
    前記送信用D/A変換器の出力に接続された入力ボルテージフォロワと信号インバータと、
    前記入力ボルテージフォロワの出力と前記信号インバータの出力とに差動入力端子が接続された完全差動アクティブローパスフィルタと、
    前記送信用D/A変換器の前記出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化を検出する信号変化検出ユニットと、
    前記信号インバータの入力に接続され前記信号変化検出ユニットにより制御される入力プルアップ・プルダウン回路とを具備して、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のハイレベルへの変化を検出することに応答して、前記入力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記入力をプルアップして、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のローレベルへの変化を検出することに応答して、前記入力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記入力をプルダウンする半導体集積回路。
  7. 前記信号インバータの出力に接続され前記信号変化検出ユニットにより制御される出力プルアップ・プルダウン回路を更に具備して、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のハイレベルへの変化を検出することに応答して、前記出力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記出力をプルダウンして、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のローレベルへの変化を検出することに応答して、前記出力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記出力をプルアップする請求項6に記載の半導体集積回路。
  8. 前記信号インバータは、反転入力端子と非反転入力端子と出力端子とを有する演算増幅器と、前記反転入力端子に接続された入力抵抗と、前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された帰還抵抗とを含む請求項7に記載の半導体集積回路。
  9. 前記信号インバータの前記演算増幅器の前記反転入力端子にはバイアス電圧が供給され、
    前記信号変化検出ユニットは、前記バイアス電圧の電圧レベルと前記送信用D/A変換器の前記出力の前記送信アナログベースバンド信号の電圧レベルとを比較する比較器である請求項8に記載の半導体集積回路。
  10. 前記完全差動アクティブローパスフィルタは非反転入力端子と反転入力端子と出力端子とを有する他の2個の演算増幅器を含む請求項9に記載の半導体集積回路。
  11. 前記送信用D/A変換器に供給される前記送信ディジタルベースバンド信号はWCDMA方式のハイスピードアップリンクパケットアクセスのための送信ディジタル信号である請求項10に記載の半導体集積回路。
  12. 送信ディジタルベースバンド信号を送信アナログベースバンド信号に変換する送信用D/A変換器を具備して、
    前記送信用D/A変換器は、前記送信ディジタルベースバンド信号の上位ビットに応答してアナログ粗選択電圧を生成する第1可変分圧器と、前記アナログ粗選択電圧の一方の電圧と他方の電圧とがそれぞれ供給される第1のボルテージフォロワと第2のボルテージフォロワと、前記第1と前記第2のボルテージフォロワの出力電圧が供給され前記送信ディジタルベースバンド信号の下位ビットに応答してアナログ密選択電圧を生成する第2可変分圧器と、前記第2可変分圧器の出力電圧が供給される第3のボルテージフォロワとを含み、
    前記送信用D/A変換器では、前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットの最下位1ビットのレベル変化に応答して前記アナログ粗選択電圧のハイレベルとローレベルとが前記第1と前記第2のボルテージフォロワにより交互に出力され、
    前記送信用D/A変換器は、前記第1のボルテージフォロワの出力端子と前記第2のボルテージフォロワの出力端子とにそれぞれ接続された第1のプルアップ・プルダウン回路と第2のプルアップ・プルダウン回路とを更に含み、
    前記第1と前記第2のプルアップ・プルダウン回路の動作は、前記最下位1ビットによって制御され、
    前記最下位1ビットの一方のレベルに応答して、前記第1のプルアップ・プルダウン回路は前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子をプルアップする一方、前記第2のプルアップ・プルダウン回路は前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子をプルダウンして、
    前記最下位1ビットの他方のレベルに応答して、前記第1のプルアップ・プルダウン回路は前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子をプルダウンする一方、前記第2のプルアップ・プルダウン回路は前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子をプルアップして、
    前記送信用D/A変換器の出力に接続された入力ボルテージフォロワと信号インバータと、
    前記入力ボルテージフォロワの出力と前記信号インバータの出力とに差動入力端子が接続された完全差動アクティブローパスフィルタと、
    前記送信用D/A変換器の前記出力の送信アナログベースバンド信号の信号変化を検出する信号変化検出ユニットと、
    前記信号インバータの入力に接続され前記信号変化検出ユニットにより制御される入力プルアップ・プルダウン回路とを更に具備して、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のハイレベルへの変化を検出することに応答して、前記入力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記入力をプルアップして、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のローレベルへの変化を検出することに応答して、前記入力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記入力をプルダウンする半導体集積回路。
  13. 前記信号インバータの出力に接続され前記信号変化検出ユニットにより制御される出力プルアップ・プルダウン回路を更に具備して、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のハイレベルへの変化を検出することに応答して、前記出力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記出力をプルダウンして、
    前記信号変化検出ユニットが前記送信アナログベースバンド信号のローレベルへの変化を検出することに応答して、前記出力プルアップ・プルダウン回路は前記信号インバータの前記出力をプルアップして、
    前記送信用D/A変換器は、第1のデコーダと第2のデコーダとを更に含み、
    前記第1のデコーダに前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットが供給されることにより、前記第1のデコーダから複数の第1選択出力信号が生成され、
    前記第2のデコーダに前記送信ディジタルベースバンド信号の前記下位ビットが供給されることにより、前記第2のデコーダから複数の第2選択出力信号が生成され、
    前記第1可変分圧器は前記第1のデコーダからの前記複数の第1選択出力信号により制御される複数の第1選択スイッチを含むことにより、前記第1可変分圧器の前記複数の第1選択スイッチは前記送信ディジタルベースバンド信号の前記上位ビットに応答して前記アナログ粗選択電圧を生成して、
    前記第2可変分圧器は前記第2のデコーダからの前記複数の第2選択出力信号により制御される複数の第2選択スイッチを含むことにより、前記第2可変分圧器の前記複数の第2選択スイッチは前記送信ディジタルベースバンド信号の前記下位ビットに応答して前記アナログ密選択電圧を生成する請求項12に記載の半導体集積回路。
  14. 前記信号インバータは、反転入力端子と非反転入力端子と出力端子とを有する演算増幅器と、前記反転入力端子に接続された入力抵抗と、前記反転入力端子と前記出力端子との間に接続された帰還抵抗とを含み、
    前記第1のボルテージフォロワと前記第2のボルテージフォロワと前記第3のボルテージフォロワとは、それぞれ非反転入力端子と反転入力端子と出力端子とを有する演算増幅器によって構成された請求項13に記載の半導体集積回路。
  15. 前記信号インバータの前記演算増幅器の前記反転入力端子にはバイアス電圧が供給され、
    前記信号変化検出ユニットは、前記バイアス電圧の電圧レベルと前記送信用D/A変換器の前記出力の前記送信アナログベースバンド信号の電圧レベルとを比較する比較器であり、
    前記送信用D/A変換器は、前記第1のボルテージフォロワの前記出力端子と前記第2のボルテージフォロワの前記出力端子と一方の入力端子と他方の入力端子とが接続された制御ユニットを更に含み、
    前記制御ユニットは、送信動作に先立ってまたは前記半導体集積回路の電源投入時に前記第1と前記第2のボルテージフォロワの直流オフセット電圧の不平衡を低減するオフセット電圧キャリブレーション動作を実行する請求項14に記載の半導体集積回路。
  16. 前記完全差動アクティブローパスフィルタは非反転入力端子と反転入力端子と出力端子とを有する他の2個の演算増幅器を含む請求項15に記載の半導体集積回路。
  17. 前記送信用D/A変換器に供給される前記送信ディジタルベースバンド信号はWCDMA方式のハイスピードアップリンクパケットアクセスのための送信ディジタル信号である請求項16に記載の半導体集積回路。
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