JP2009076598A - 載置台構造及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】真空引きにより蓋部を吸引固定することにより熱伸縮差を許容して、蓋部や外側載置台等に割れや破損等が発生することを防止することが可能な載置台構造を提供する。
【解決手段】処理装置30の処理容器32内に設けられて被処理体Wを載置するための載置台構造64において、容器状になされた内側容器66Aと内側容器に連通された中空状の内側支柱66Bとが一体的に連結された内側載置台66と、内側容器の周囲を覆う外側容器68Aと内側支柱の周囲を覆う外側支柱68Bとが一体的に連結された外側載置台68と、内側容器内に収容される内部収容物70と、内側容器の開口と外側容器の開口とを覆い、被処理体を載置する蓋部72と、内側載置台の内部を真空引きする真空引き手段74と、内側載置台と外側載置台との間の隙間にパージガスを供給するパージガス供給手段76とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハ等の被処理体の処理装置及び載置台構造に関する。
一般に、半導体集積回路を製造するには、半導体ウエハ等の被処理体に、成膜処理、エッチング処理、熱処理、改質処理、結晶化処理等の各種の枚葉処理を繰り返し行なって、所望する集積回路を形成するようになっている。上記したような各種の処理を行なう場合には、その処理の種類に対応して必要な処理ガス、例えば成膜処理の場合には成膜ガスやハロゲンガスを、改質処理の場合にはオゾンガス等を、結晶化処理の場合にはN ガス等の不活性ガスやO ガス等をそれぞれ処理容器内へ導入する。
例えば半導体ウエハに対して1枚毎に熱処理を施す枚葉式の処理装置を例にとれば、真空引き可能になされた処理容器内に、例えば抵抗加熱ヒータを内蔵した載置台を設置し、この上面に半導体ウエハを載置し、所定の温度(例えば100℃から1000℃)で加熱した状態で所定の処理ガスを流し、所定のプロセス条件下にてウエハに各種の熱処理を施すようになっている(特許文献1〜7)。このため処理容器内の部材については、これらの加熱に対する耐熱性と処理ガスに曝されても腐食されない耐腐食性が要求される。
ところで、半導体ウエハを載置する載置台構造に関しては、一般的には耐熱性耐腐食性を持たせると共に、金属コンタミネーション等の金属汚染を防止する必要から例えばAlN等のセラミック材中に発熱体として抵抗加熱ヒータを埋め込んで高温で一体焼成して載置台を形成し、また別工程で同じくセラミック材等を焼成して支柱を形成し、この一体焼成した載置台側と上記支柱とを、例えば熱拡散接合で溶着して一体化して載置台構造を製造している。
また他の載置台構造としては、上述のように抵抗加熱ヒータをセラミック材中に埋め込んでなる一体物の全体をセラミック材製の容器内へ収容して載置台を形成し、この載置台に中空状の支柱を熱拡散接合で溶着して一体化して載置台構造を製造する場合もある。そして、このように一体成形した載置台構造を処理容器内の底部に起立させて設けるようにしている。また上記セラミック材に代えて耐熱耐腐食性のある石英ガラスを用いる場合もある。
ここで従来の載置台構造の一例について説明する。図7は従来の載置台構造の一例を示す断面図である。この載置台構造は、真空排気が可能になされた処理容器内に設けられており、図7に示すように、この載置台構造はAlN等のセラミック材よりなる円板状の載置台本体2を有している。この載置台本体2内には、例えば加熱ヒータ等よりなる加熱手段4が埋め込むようにして設けられている。この載置台本体2は、上方が開口された例えばセラミック材よりなる容器状の載置台容器6内に収容される。
そして、上記載置台容器6の開口は同じくセラミック材よりなる蓋部8により閉じられて、この蓋部8の周辺部に後述するパージガスによる蓋部8の脱落を防止するために着脱可能になされたクランプ部材10を設けて蓋部8が載置台容器6側から外れないようにしている。尚、このクランプ部材10に替えて固定ボルトで強固に固定する場合もある。
そして、この蓋部8の上面に載置した半導体ウエハWを加熱し得るようになっている。上記載置台容器6の下面の中央部には同じく例えばAlN等のセラミック材よりなる円筒状の支柱12が例えば熱拡散接合にて接合されて一体化されている。ここで上記載置台本体の大きさは、例えばウエハサイズが300mmの場合には、直径が350mm程度である。
上記支柱12の下端部は、容器底部14に固定ブロック16により固定されることにより起立状態になっている。そして、上記載置台本体2の下面の中央部には、これに穴を開けるなどして上記加熱手段4に対する接続端子18が設けられている。そして、上記円筒状の支柱12内には、その上端が上記加熱手段4の接続端子18に接続された給電棒20が設けられており、この給電棒20の下端部側は絶縁部材22を介して容器底部を下方へ貫通して外部へ引き出されている。
そして、上記支柱12の底部には不活性ガスパージ系24が接続されており、この支柱12内へArガス等の不活性ガスをパージガスとして供給することにより、上記載置台容器6と蓋部8との接触界面を介して、この支柱12内へプロセスガス等が侵入することを防止して、上記給電棒20や接続端子18等が上記腐食性のプロセスガスにより腐食されることを防止するようになっている。
特開昭63−278322号公報 特開平07−078766号公報 特開平03−220718号公報 特開平06−260430号公報 特開2004−356624号公報 特開2006−295138号公報 特開2007−141895号公報
ところで、半導体ウエハに対するプロセス時には、加熱手段4によりこの載置台全体が高温に晒される。この場合、支柱12を構成する材料は熱伝導率がそれ程良好ではないセラミック材よりなるとはいえ、載置台容器6は支柱12に対して熱拡散により接合されているので、この支柱12を伝わって多量の熱が逃げることになり、この結果、載置台容器6に対して蓋部8の温度が高くなって両者間に温度差が生ずることは避けられない。
この結果、上記載置台容器6と蓋部8とはクランプ部材10や固定ボルト等により強固に連結されていることから、この連結部分に上記載置台容器6と蓋部8の温度差に起因して大きな熱応力が加わることになる。特に、載置台容器6と蓋部8の構成材料が異なる場合には、両者の線膨張係数の差による熱膨張量の差が更に加わり、上記熱応力が更に大きくなる傾向にある。この結果、上記した熱応力の集中により、上記載置台容器6の周辺部や蓋部8の周辺部に割れや破損が生じる、といった問題があった。
特に、プロセスの種類にも依存するが、載置台全体の温度は700℃以上にも達するので上記温度差はかなり大きくなり、これに加えて、載置台の昇降温の繰り返しにより上記熱応力による破損が促進されてしまう、といった問題があった。
更には、上記問題に加えて、上記クランプ部材10等は表面に凹凸部分が存在することから、この表面に付着した不要な膜がクリーニング等により除去し難いので、これがパーティクルの発生原因になる場合もあった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、載置台構造を内側載置台と外側載置台との2重構造にして内側載置台内を真空引きして蓋部を吸引固定すると共に、内側載置台と外側載置台との間の隙間にパージガスを供給することにより、このパージガスの供給でもってプロセスガスが載置台構造の内側へ侵入することを防止すると共に、前記蓋部の吸引固定により蓋部と外側載置台との間の熱伸縮差を許容して、蓋部や外側載置台等に割れや破損等が発生することを防止することが可能な載置台構造及び処理装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、処理装置の処理容器内に設けられて処理すべき被処理体を載置するための載置台構造において、上部が開口されて容器状になされた内側容器と該内側容器の中心部に連通された中空状の内側支柱とが一体的に連結された誘電体よりなる内側載置台と、上部が開口されて前記内側容器の周囲を覆う外側容器と前記内側支柱の周囲を覆う外側支柱とが一体的に連結された誘電体よりなる外側載置台と、前記内側容器内に収容される内部収容物と、前記内側容器の開口と前記外側容器の開口とを覆うと共にその上面側に前記被処理体を載置する蓋部と、前記内側載置台の内部を真空引きする真空引き手段と、前記内側載置台と前記外側載置台との間の隙間にパージガスを供給するパージガス供給手段と、を備えたことを特徴とする載置台構造である。
このように、載置台構造を内側載置台と外側載置台との2重構造にして内側載置台内を真空引きして蓋部を吸引固定すると共に、内側載置台と外側載置台との間の隙間にパージガスを供給することにより、このパージガスの供給でもってプロセスガスが載置台構造の内側へ侵入することを防止すると共に、前記蓋部の吸引固定により蓋部と外側載置台との間の熱伸縮差を許容して、蓋部や外側載置台等に割れや破損等が発生することを防止することができる。
この場合、例えば請求項2に記載したように、前記内側載置台の内部は、前記処理容器内の圧力よりも低くなされている。
また例えば請求項3に記載したように、前記内側載置台の下端部と前記外側載置台の下端部とは、前記処理容器の底部にボルトにより気密に固定されている。
また例えば請求項4に記載したように、前記内側容器の上端は、前記外側容器の上端よりも僅かな高さだけ高く設定されている。
また例えば請求項5に記載したように、前記パージガスは希ガスである。
また例えば請求項6に記載したように、前記内部収容物は、誘電体よりなる円板中に加熱手段を埋め込んでなる。
また例えば請求項7に記載したように、前記内部収容物は、電極よりなる。
また例えば請求項8に記載したように、前記内部収容物は、誘電体よりなる円板中に電極を埋め込んでなる。
また例えば請求項9に記載したように、前記電極には、バイアス用の高周波電源が接続される。
また例えば請求項10に記載したように、前記電極には、静電チャック用の直流電源が接続されている。
また例えば請求項11に記載したように、前記電極には、バイアス用の高周波電源と静電チャック用の直流電源とが接続される。
また例えば請求項12に記載したように、前記電極は、グランド電位に接続されている。
また例えば請求項13に記載したように、前記誘電体は、セラミック材又は石英よりなる。
請求項14に係る発明は、被処理体に対して処理を施すための処理装置において、真空排気が可能になされた処理容器と、前記被処理体を載置するために請求項1乃至13のいずれか一項に記載の載置台構造と、前記処理容器内へガスを供給するガス供給手段と、を備えたことを特徴とする処理装置である。
本発明に係る載置台構造及び処理装置によれば、次のような優れた作用効果を発揮することができる。
載置台構造を内側載置台と外側載置台との2重構造にして内側載置台内を真空引きして蓋部を吸引固定すると共に、内側載置台と外側載置台との間の隙間にパージガスを供給することにより、このパージガスの供給でもってプロセスガスが載置台構造の内側へ侵入することを防止すると共に、前記蓋部の吸引固定により蓋部と外側載置台との間の熱伸縮差を許容して、蓋部や外側載置台等に割れや破損等が発生することを防止することができる。
以下に、本発明に係る載置台構造及び処理装置の好適な一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る載置台構造を有する処理装置を示す断面構成図、図2は載置台構造を示す拡大図、図3は載置台構造の上部を示す分解組立図、図4は載置台構造の下部の取付状態を示す断面図、図5は図2中のA部を示す拡大図、図6は載置台構造の蓋部の位置ずれ防止ピンの状態を示す断面図である。
図1及び図2に示すようにこの処理装置30は、例えば断面の内部が略円形状になされたアルミニウム製の処理容器32を有している。この処理容器32内の天井部には必要な処理ガス、例えば成膜ガスを導入するためにガス供給手段であるシャワーヘッド部34が絶縁層36を介して設けられており、この下面のガス噴射面38に設けた多数のガス噴射孔から処理空間Sに向けて処理ガスを吹き出すようにして噴射するようになっている。このシャワーヘッド部34はプラズマ処理時に上部電極を兼ねるものである。
このシャワーヘッド部34内には、中空状の2つに区画されたガス拡散室40A、40Bが形成されており、ここに導入された処理ガスを平面方向へ拡散した後、各ガス拡散室40A、40Bにそれぞれ連通された各ガス噴射孔42A、42Bより吹き出すようになっている。すなわち、ガス噴射孔42A、42Bはマトリクス状に配置されている。このシャワーヘッド部34の全体は、例えばニッケルやハステロイ(登録商標)等のニッケル合金、アルミニウム、或いはアルミニウム合金により形成されている。尚、シャワーヘッド部34としてガス拡散室が1つの場合でもよい。
そして、このシャワーヘッド部34と処理容器32の上端開口部の絶縁層36との接合部には、例えばOリング等よりなるシール部材44が介在されており、処理容器32内の気密性を維持するようになっている。そして、このシャワーヘッド部34には、マッチング回路46を介して例えば13.56MHzのプラズマ用の高周波電源48が接続されており、必要時にプラズマを立てるようになっている。この周波数は上記13.56MHzに限定されない。
また、処理容器32の側壁には、この処理容器32内に対して被処理体としての半導体ウエハWを搬入搬出するための搬出入口50が設けられると共に、この搬出入口50には気密に開閉可能になされたゲートバルブ52が設けられている。
そして、この処理容器32の底部54の中央部は下方に凹部状に窪ませて排気室55が設けられる。この排気室55を区画する側壁には、排気口56が設けられる。この排気口56には、処理容器32内を真空引きするための真空排気系58が接続されている。この真空排気系58は、上記排気口56に接続される排気通路59を有しており、この排気通路59には、圧力調整弁60及び真空ポンプ62が順次介設されており、処理容器32を所望する圧力に維持できるようになっている。
そして、この処理容器32内の排気室55を区画する底部63には、これより起立させて本発明の特徴とする載置台構造64が設けられる。具体的には、この載置台構造64は、中空状になされた内側載置台66と、この外側を覆うように形成された外側載置台68と、上記内側載置台66内の上部に収容される内部収容物70と、上記内側載置台66と外側載置台68の上部の開口を覆うと共にその上方に被処理体である半導体ウエハWを載置する蓋部72と、上記内側載置台66内を真空引きする真空引き手段74と、上記内側載置台66と外側載置台68との間の隙間78にパージガスを供給するパージガス供給手段76とにより主に構成されている。
具体的には、図2及び図3にも示すように、上記内側載置台66及び外側載置台68は、共に例えば誘電体であって耐熱性材料である窒化アルミニウム等のセラミック材よりなる。上記内側載置台66は、上部が開口されて中空円板状の容器状になされた内側容器66Aを有しており、この底部の中央部は開口されると共に、この開口に中空状の内側支柱66Bが一体的に連結されている。これらの内側容器66Aと内側支柱66Bとは、それぞれ別体で成形した後に、例えばセラミック材の溶着により形成することもできるし、予め両者を一体物として焼成するようにしてもよい。
また上記外側載置台68は、その内径が上記内側載置台66の外径よりも少し大きく設定されており、上記内側載置台66の周囲を覆うようになっている。すなわち、この外側載置台68は、上部が開口されて上記内側容器66Aの周囲を覆う中空円板状の容器状になされた外側容器68Aを有しており、この底部の中央部は開口されると共に、この開口に上記内側支柱66Bの周囲を覆うように中空状の外側支柱68Bが一体的に連結されている。これらの外側容器68Aと外側支柱68Bとは、それぞれ別体で成形した後に、例えばセラミック材の溶着により形成することもできるし、予め両者を一体物として焼成するようにしてもよい。
この結果、載置台構造64の外殻は上記隙間78を介して2重構造になされている。また上記外側容器68Aの上部には、外側へ僅かな長さだけ水平に延びるようにしてリング状の上部フランジ部68Cが形成されていると共に、外側支柱68Bの下端部には、外側へ僅かな長さだけ水平に延びるようにしてリング状の下部フランジ部68D(図4参照)が形成されている。また上記内側支柱66Bの下端部には、内側へ僅かな長さだけ水平に延びるようにしてリング状の下部フランジ部66D(図4参照)が形成されている。
また、上記内側容器66A及び外側容器68Aの各開口を覆うようにして設けられる上記蓋部72は、例えば上記内側載置台66と同じ材料の誘電体である窒化アルミニウム等よりなるセラミック材よりなり、薄い円板状に形成されている。この場合、上記蓋部72の直径は、上記上部フランジ部68Cの直径と同じに設定され、また、図5に示すように、上記内側容器66Aの上端は、上記上部フランジ部68Cの上端(上面)よりも僅かな高さH1だけ高く設定されており、後述するように、隙間78内に供給されるパージガスを主に処理容器32内側へ排出させるようにしている。この場合、上記高さH1は例えば0.005〜0.5mmの範囲内であり、隙間78の幅H2は0.1〜100mmの範囲内である。
また、上記蓋部72は、内側容器66Aの上端部に単に載置して支持された状態となっているので、この蓋部72の横すべり(位置ずれ)を防止する目的で、図6に示すように、上記蓋部72の周辺部及び上部フランジ部68Cにはピン孔80、82が対向させて設けられると共に、このピン孔80、82に頭付きピン84が遊嵌状態で差し込まれている。このピン孔80、82及び頭付きピン84は、この蓋部72の周方向に沿って全部で3箇所程度(図示せず)設けられることになる。上述のように、このピン孔80の内径を、頭付きピン84の外径よりも僅かな隙間ができる程度に大きく設定することにより、両者間の熱伸縮差を吸収することができる。
また、上記内側容器66A内に収容される内部収容物70は、例えば窒化アルミニウム等のセラミック材よりなる誘電体製の絶縁材86よりなり、内側容器66Aの深さよりも僅かに小さい厚さで円板状に形成されている。この絶縁材86中には、例えばカーボンワイヤヒータ等の発熱体88よりなる加熱手段90が埋め込むようにして設けられており、上記発熱体88は絶縁材86の略全面に亘って所定のパターンで配設されて上記ウエハWを加熱し得るようになっている。
上記発熱体88は、円板状の絶縁材86の中心付近にて例えばモリブデン合金よりなる2つの接続端子92に接続されている。尚、ここでは発熱体88は全体で1つのゾーンとなるように形成されているが、これを個別に制御が可能な複数のゾーン、例えば同心円状に電気的に分離された2つのゾーンになるように区分してもよく、この場合には、接続端子は4つとなる。上記接続端子92には、それぞれ給電棒94が接続されており、各給電棒94は内側支柱66B内を下方へ延びている。また、上記円板状の絶縁材86内には、上記発熱体88の上方(絶縁材86の上面の直下)に位置させて、電極96が埋め込むようにして設けられている。
この電極96は例えばメッシュ状に形成された導体線よりなり、この電極96の例えばモリブデン合金よりなる接続端子96Aは円板状の絶縁材86の中心部に設けられている。ここでは、この電極96は、静電チャック用のチャック電極と高周波電力を印加するための下部電極となる高周波電極とを兼用するものである。そして、この接続端子96Aに、導電棒98が接続されており、この導電棒98は内側支柱66B内を下方へ延びている。そして、上記各内側支柱66Bの下端部と外側支柱68Bの下端部は、上記排気室55の底部63に固定部材100(図4参照)により固定されている。
具体的には、図4に示すように、上記底部63の中央部には開口102が形成されており、この開口102の内側には上記固定部材100が取り付けられる。まず、上記固定部材100は例えばステンレススチール等によりリング状に形成されており、この中央部は開口されて、この開口に絶縁材104が気密に設けられている。そして、この固定部材100の上面側には2段階の段部106が形成されている。そして、この2段階の段部106の内の内側段部に、上記内側支柱66Bの下部フランジ部66Dがガスケットのような金属製シール部材110を介して位置され、これを押さえ治具112で押さえつつボルト114により固定部材100側へ気密に締め付け固定している。
また同様に、上記2段階の段部106の内の外側段部に、上記外側支柱68Bの下部フランジ部68Dがガスケットのような金属製シール部材116を介して位置され、これを押さえ治具118で押さえつつボルト120により固定部材100側へ気密に締め付け固定している。そして、この固定部材100は、上記底部63の開口102の内側周辺部にOリング等のシール部材122を介してボルト124により気密に締め付け固定されている。これにより、上記載置台構造64の全体が、上記底部63に強固に取り付け固定されることになる。
また、上記内側支柱66B内へ挿通される上記給電棒94及び導電棒98の各下端部は、上記絶縁材104を気密に貫通して下方へ引き出されている。尚、実際には、絶縁材104に対する貫通部には伸縮可能なベローズ(図示せず)が設けられており、気密性を維持しつつ給電棒94や導電棒98の熱伸縮を許容するようになっている。
そして、上記絶縁材104を貫通するようにして、上記真空引き手段74の一部を形成する排出路126が形成されている。この排出路126は、上記内側支柱66B内へ連通されると共に、その途中には支柱内圧力制御弁128及び支柱内真空ポンプ130(図1及び図4参照)が介設されており、上記内側支柱66B内を真空引きして所定の圧力に維持できるようになっている。尚、この支柱内圧力調整弁128が介設された排出路126を真空排気系58の圧力調整弁60と真空ポンプ62との間の排気通路59に接続するようにしてもよく、この場合には、支柱内真空ポンプ130を省略することができる。
また上記固定部材100には、上記パージガス供給手段76の一部として、上記内側支柱66Bと外側支柱68Bとの間の隙間78内に連通される連通路132が形成されており、この連通路132にパージガス路134が接続されている。そして、このパージガス路134には、マスフローコントローラのような流量制御器136が介設されており、上記隙間78に、パージガスとしてArガス等の希ガスやN などの不活性ガスを流量制御しつつ供給できるようになっている。
そして、図1に戻って、上記各給電棒94は、配線140を介してヒータ制御電源142に接続されており、供給電力を制御し得るようになっている。この場合、温度測定手段として図示しない、例えば熱電対が内部収容物70に設けられており、この測定値に基づいて温度制御(電力制御)が行われることになる。
また、上記導電棒98に接続される配線144には、静電チャック用の直流電源146とバイアス用の高周波電力を印加するための高周波電源148とがそれぞれ接続されており、蓋部72上のウエハWを静電吸着すると共に、プロセス時に下部電極となる内部収容物70にバイアスとして高周波電力を印加できるようになっている。この高周波電力の周波数としては13.56MHzを用いることができるが、他に400kHz等を用いることができ、この周波数に限定されるものではない。
また、上記蓋部72、内部収容物70、内側容器66A及び外側容器68Aには、これらを上下方向に貫通して複数、例えば3本のピン挿通孔150が形成されており(図1においては2つのみ破線で示す)、上記各ピン挿通孔150に上下移動可能に遊嵌状態で挿通させた押し上げピン152を配置している。この押し上げピン152の下端には、円弧状の例えばアルミナのようなセラミック製の押し上げリング154が配置されており、この押し上げリング154に、上記各押し上げピン152の下端が乗っている。この押し上げリング154から延びるアーム部156は、容器底部54を貫通して設けられる出没ロッド158に連結されており、この出没ロッド158はアクチュエータ160により昇降可能になされている。
これにより、上記各押し上げピン152をウエハWの受け渡し時に各ピン挿通孔150の上端から上方へ出没させるようになっている。また、上記出没ロッド158の容器底部の貫通部には、伸縮可能なベローズ162が介設されており、上記出没ロッド158が処理容器32内の気密性を維持しつつ昇降できるようになっている。尚、上記ピン挿通孔150が貫通形成される上記蓋部72、内部収容物70、内側容器66A及び外側容器68Aの相互間には、この部分のシール性を高めるために例えばAl、Ni等の軟質な金属で作製したシートやOリング、メタルCリングのようなシール部材(図示せず)が介在されている。
また、この処理装置30の全体の動作、例えばプロセス圧力の制御、内部収容物70の温度制御、処理ガスの供給や供給停止等は、例えばコンピュータ等よりなる装置制御部164により行われることになる。そして、この装置制御部164は、上記動作に必要なコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体166を有している。この記憶媒体166は、フロッピやCD(Compact Disc)やハードディスクやフラッシュメモリ等よりなる。
次に、以上のように構成されたプラズマを用いた処理装置の動作について説明する。
まず、未処理の半導体ウエハWは、図示しない搬送アームに保持されて開状態となったゲートバルブ52、搬出入口50を介して処理容器32内へ搬入され、このウエハWは、上昇された押し上げピン152に受け渡された後に、この押し上げピン152を降下させることにより、ウエハWを載置台構造64の蓋部72の上面に載置してこれを支持する。
この時に、内部収容物70の電極96に直流電源146より導電棒98を介して直流電圧を印加することにより静電チャックが機能し、ウエハWを蓋部72上に吸着して保持する。尚、静電チャックに代えてウエハWの周辺部を押さえるウエハクランプ機構を用いる場合もある。
次に、シャワーヘッド部34へ各種の処理ガスを、それぞれ流量制御しつつ供給して、このガスをガス噴射孔42A、42Bより吹き出して処理空間Sへ導入する。そして、真空排気系58の真空ポンプ62の駆動を継続することにより、処理容器32内の雰囲気を真空引きし、そして、圧力調整弁60の弁開度を調整して処理空間Sの雰囲気を所定のプロセス圧力に維持する。この時、ウエハWの温度は所定のプロセス温度に維持されている。
すなわち、載置台構造64の加熱手段90を構成する発熱体88にヒータ制御電源142側より給電棒94を介して電圧を印加することにより発熱させていると共に、図示しない熱電対により内部収容物70の温度が測定され、この測定値に基づいて温度制御することになる。このため、ウエハWの温度を常に面内均一性が高い状態で温度制御することができる。この場合、プロセスの種類にもよるが、発熱体88の温度は例えば700℃程度に達する。
またプラズマ処理を行う時には、プラズマ発生用の高周波電源48を駆動することにより、上部電極であるシャワーヘッド部34と下部電極である内部収容物70との間に高周波を印加し、処理空間Sにプラズマを立てて所定のプラズマ処理を行う。また、この際に、内部収容物70の電極96に導電棒98を介してバイアス用の高周波電源148から高周波電力を印加することにより、プラズマイオンの引き込みを行うことができる。
また上記載置台構造64においては、パージガス供給手段76から、内側載置台66と外側載置台68との間に形成された隙間78に向けてArガスが供給されてこの隙間78内の雰囲気がパージされている。これと同時に、真空引き手段74を駆動することにより、上記内側載置台66内、すなわち内側容器66A内や内側支柱66B内は真空引きされており、上記内側載置台66内の圧力は上記処理空間Sの圧力よりも低く(陰圧)になされている。
この結果、上記内側容器66A内の圧力は、その上方の処理空間Sの圧力よりも低くなるので、この差圧により内側容器66Aの開口を覆う蓋部72は下方へ押圧されることになり、この蓋部72が下方へ吸引固定されて、これを位置ずれすることなく固定することができる。
また、ウエハWに対する処理が繰り返し行われて昇温及び降温が繰り返されて蓋部72と内側容器66A及び外側容器68Aとの間に熱伸縮差が生じても、上記蓋部72は、熱応力の発生原因となるクランプ機構やボルト等により拘束されていないので、上記熱伸縮差を許容することができ、この蓋部72の周辺部等に破損や割れが発生することを防止することができる。
更には、蓋部72の周辺部側には、蓋部72を固定するための構造が複雑なクランプ機構等を設けていないので、クリーニング処理を行うことにより、蓋部72の周辺部側の不要な膜を容易に取り除くことができ、パーティクルの発生原因を解消することができる。また、内側載置台66内を真空引きすることにより、この内部に処理空間S中のプロセスガスが侵入する恐れが生ずるが、上述したように、内側載置台66と外側載置台68との間の隙間78にパージガスとしてArガスを供給しているので、このArガスは隙間78内を上昇して、図5に示すように、蓋部72の周辺部の下面と外側容器68Aの上部フランジ部68Cの上面との間の隙間78Aを介して処理空間S側へ矢印170に示すように流出するので、プロセスガスが載置台構造64の内側へ侵入することを防止することができる。
また、上記蓋部72の下面は上記内側容器66Aの上端に単に接触しているだけなので、ここに僅かな隙間が部分的に生じ、上記隙間78内を上昇してきたArガスの一部は、矢印172(図5参照)に示すように内側容器66A内へ流れ込むことになる。しかしながら、上記内側容器66Aの上端は、上記上部フランジ部68Cの上面よりも高さH1(図5参照)だけ高くなっているので、隙間78A側の排気コンダクタンスが確実に大きくなっており、隙間78内を上昇してきたArガスのほとんどは隙間78Aを流れて処理空間Sへ排出されるので、プロセスガスが上記内側容器66A内に逆流することを略確実に防止することができる。
また、上記内側容器66A内は、上記隙間78側より流れ込むArガス雰囲気になされるので、この内側載置台66内に位置する給電棒94、導電棒98及び接続端子92、96Aがプロセスガス等の腐食性ガスにより腐食されることを防止することができる。
このように、本発明によれば、載置台構造64を内側載置台66と外側載置台68との2重構造にして内側載置台66内を真空引きして蓋部72を吸引固定すると共に、内側載置台66と外側載置台68との間の隙間78にパージガスを供給することにより、このパージガスの供給でもってプロセスガスが載置台構造64の内側へ侵入することを防止すると共に、上記蓋部72の吸引固定により蓋部72と外側載置台68との間の熱伸縮差を許容して、蓋部72や外側載置台68等に割れや破損等が発生することを防止することができる。
尚、上記実施例において、隙間78内のコンダクタンスを高めるために、内側支柱66Bの外面や外側支柱68Bの内面に、縦方向に沿った溝などを削り込みによって形成するようにしてもよい。また、載置台構造64の組み立てを容易にするために内側容器66Aと外側容器68Aとの間の水平方向に延びる隙間78に、例えば通気性のある多孔質部材を充填するようにしてもよい。
また、ここでは内側載置台66、外側載置台68、蓋部72及び内部収容物70等を構成する誘電体として、窒化アルミニウムを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、Al 、ジルコニア、窒化シリコン等の他のセラミック材や石英を用いることができる。
また、上記実施例では、内部収容物70に電極96を設け、これに導電棒98を介して静電チャック用の直流電圧と、バイアス用の高周波電力とを印加するようにしたが、これらを分離して設けるようにしてもよいし、或いはいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。例えば両者を分離させて設ける場合には、電極96と同様な構造の電極を上下に2つ設けて、一方をチャック電極とし、他方を高周波電極とする。そして、チャック電極にはチャック用の導電棒を電気的に接続し、高周波電極には高周波用の導電棒を電気的に接続する。
また上記電極96を接地してこれをグランド電極として用いてもよい。また、ここでは内部収容物70に電極96と加熱手段90の両方を設けたが、これに限定されず、これらのいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
更に、上記内部収容物70として単なる導電性の金属板、或いはメッシュ状の金属網を用いてこれを電極96としてもよい。
また、本実施例ではプラズマを用いた処理装置を例にとって説明したが、これに限定されず、内部収容物70に加熱手段90を埋め込むようにした載置台構造を用いた全ての処理装置、例えば成膜装置、エッチング装置、スパッタリング装置、熱拡散装置、拡散装置、改質装置等にも適用することができる。
更には、ガス供給手段としてはシャワーヘッド部34に限定されず、例えば処理容器32内へ挿通されたガスノズルによりガス供給手段を構成してもよい。
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、ガラス基板、LCD基板、セラミック基板等にも本発明を適用することができる。
本発明に係る載置台構造を有する処理装置を示す断面構成図である。 載置台構造を示す拡大図である。 載置台構造の上部を示す分解組立図である。 載置台構造の下部の取付状態を示す断面図である。 図2中のA部を示す拡大図である。 載置台構造の蓋部の位置ずれ防止ピンの状態を示す断面図である。 従来の載置台構造の一例を示す断面図である。
符号の説明
30 処理装置
32 処理容器
34 シャワーヘッド部(ガス供給手段)
58 真空排気系
64 載置台構造
66 内側載置台
66A 内側容器
66B 内側支柱
68 外側載置台
68A 外側容器
68B 外側支柱
70 内部収容物
72 蓋部
74 真空引き手段
76 パージガス供給手段
78 隙間
88 発熱体
90 加熱手段
94 給電棒
96 電極
98 導電棒
146 直流電源
148 高周波電源
W 半導体ウエハ(被処理体)

Claims (14)

  1. 処理装置の処理容器内に設けられて処理すべき被処理体を載置するための載置台構造において、
    上部が開口されて容器状になされた内側容器と該内側容器の中心部に連通された中空状の内側支柱とが一体的に連結された誘電体よりなる内側載置台と、
    上部が開口されて前記内側容器の周囲を覆う外側容器と前記内側支柱の周囲を覆う外側支柱とが一体的に連結された誘電体よりなる外側載置台と、
    前記内側容器内に収容される内部収容物と、
    前記内側容器の開口と前記外側容器の開口とを覆うと共にその上面側に前記被処理体を載置する蓋部と、
    前記内側載置台の内部を真空引きする真空引き手段と、
    前記内側載置台と前記外側載置台との間の隙間にパージガスを供給するパージガス供給手段と、
    を備えたことを特徴とする載置台構造。
  2. 前記内側載置台の内部は、前記処理容器内の圧力よりも低くなされていることを特徴とする請求項1記載の載置台構造。
  3. 前記内側載置台の下端部と前記外側載置台の下端部とは、前記処理容器の底部にボルトにより気密に固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の載置台構造。
  4. 前記内側容器の上端は、前記外側容器の上端よりも僅かな高さだけ高く設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の載置台構造。
  5. 前記パージガスは希ガスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の載置台構造。
  6. 前記内部収容物は、誘電体よりなる円板中に加熱手段を埋め込んでなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の載置台構造。
  7. 前記内部収容物は、電極よりなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の載置台構造。
  8. 前記内部収容物は、誘電体よりなる円板中に電極を埋め込んでなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の載置台構造。
  9. 前記電極には、バイアス用の高周波電源が接続されることを特徴とする請求項7又は8記載の載置台構造。
  10. 前記電極には、静電チャック用の直流電源が接続されていることを特徴とする請求項7又は8記載の載置台構造。
  11. 前記電極には、バイアス用の高周波電源と静電チャック用の直流電源とが接続されることを特徴とする請求項7又は8記載の載置台構造。
  12. 前記電極は、グランド電位に接続されていることを特徴とする請求項7又は8記載の載置台構造。
  13. 前記誘電体は、セラミック材又は石英よりなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の載置台構造。
  14. 被処理体に対して処理を施すための処理装置において、
    真空排気が可能になされた処理容器と、
    前記被処理体を載置するために請求項1乃至13のいずれか一項に記載の載置台構造と、
    前記処理容器内へガスを供給するガス供給手段と、
    を備えたことを特徴とする処理装置。
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