JP2009076343A - 光源カバー用の成形体及びこの成形体を備えた照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】光源カバー用の成形体において、樹脂の劣化に強く、かつ輝度ムラが少なく輝度均斉度に優れた光照射面を実現する。
【解決手段】光源カバー用の成形体4は、結晶化度が比較的高い第1の部材41と、この第1の部材41と同じ組成の材料から成り、第1の部材41よりも結晶化度が低い第2の部材42とを備える。第1の部材41は、光源カバー用の成形体4の表面の少なくとも一方側に形成され、第2の部材42は、第1の部材41よりも光源カバー用の成形体4の内方側に形成される。第1の部材及び第2の部材は、同一の組成から成る材料から形成されるので、互いに分離することなく劣化に強いものとなる。また、加熱処理等の公知の方法により、第1の部材41の結晶化度が適宜に制御されることにより、任意の光拡散性を持し、高輝度で輝度ムラが少なく輝度均斉度に優れた光照射面を実現することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源カバー用の成形体及びこの成形体を備えた照明器具に関する。
従来から、バックライト装置や照明装置を構成する光源カバー用の成形体には、基材としてプラスチックシートや透明ガラスが多用されている。一般的には、透明性を有するプラスチック材料に光拡散剤を分散させて形成された光源カバーが用いられている。この種の光源カバーは、輝度均斉度が高く、かつ高輝度となることが望ましい。通常、光拡散剤の濃度を高めれば、光拡散材が光を吸収するので、光利用効率が低下して輝度が低くなる。しかし、輝度低下を抑制するため、光拡散剤の濃度を低くすると、光源の直近又は直上の輝度が他の部位よりも大きくなり、輝度ムラが生じて輝度均斉度が悪くなってしまう。
そこで、光源カバーに櫛歯状の縞模様等のパターンを形成することにより、光拡散剤を用いることなく光源カバーの拡散透過率を任意に変化させて、輝度均斉度が良く、光を均一に照射できるようにした照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、光源カバーの蛍光ランプに対向する面に、不透過白色の模様をドット印刷により付着させ、透過光を減衰又は拡散させて、ランプのシルエットを見え難くすることにより、発光面の輝度均斉度を向上させた照明器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、非結晶状態にあるプラスチック部材の一部にレーザー光を照射して、その一部を結晶化させてこれを外層とし、レーザー光を照射せずに非結晶状態とした部分を内層とすることにより、屈折率の異なる2層から成る発光部材を製造する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。これら屈折率の異なる2層を適宜に組み合わせることにより、光拡散剤を用いることなく輝度均斉度の高い光源カバーを形成することができる。
特開2004−111283号公報 特開2002−75030号公報 特開2006−225570号公報
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に示される照明器具では、光源カバーに形成された縞状のパターンや、シルク印刷により形成されたドット状のパターンが、長期間の使用により光源からの紫外線や熱により劣化し、輝度度均斉度が低下することがあった。また、これらのパターンが、褐色や黒色等に変色することもあり、光照射面の輝度を低下させるだけでなく、光源カバーの美観を損ねることがあった。
また、特許文献3に示される発光部材は、その製造工程において、照射エリアの小さいレーザーを用いて樹脂を結晶化させるため、照明器具の光源カバーのような、大きな面積を結晶化するには多大な処理時間を要し、製造効率が悪い。更に、レーザーの照射ムラによって光源カバー面内で結晶化度のバラツキが生じ、この結晶化度のバラツキが輝度ムラとなって輝度均斉度を低下させることがある。そのため、例えば、長手形状の発光部材の外層といった比較的面積の小さい光源用形成体には適用できるが、照明器具やバックライト装置等の光源カバーのような、比較的大きな面積を有する光源用成形体には適用できないという、製造できる成形体の形状が制限されていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、樹脂の劣化、輝度の低下及び輝度ムラが少なく、輝度均斉度に優れた光照射面を実現でき、しかも成形体の形状制限も少ない光源カバー用の成形体及びこれを備えた照明器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、結晶化度が比較的高い第1の部材と、前記第1の部材と同じ組成の材料から成り、前記第1の部材よりも結晶化度が低い第2の部材とを備えた光源カバー用の成形体であって、前記第1の部材は、光源カバー用の成形体の表面の少なくとも一方側に形成され、前記第2の部材は、前記第1の部材よりも光源カバー用の成形体の内方側に形成されているものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光源カバー用の成形体において、前記第1の部材から前記第2の部材にかけて結晶化度が緩やかに漸減するように形成されているものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光源カバー用の成形体において、前記第1の部材及び第2の部材は、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂から成るものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体において、前記第1の部材の結晶化度が10〜40%であり、前記第2の部材の結晶化度が略ゼロとなるよう形成されているものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体において、前記第1の部材は、光源カバー用の成形体の表面に、縞状に形成されているものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体を備えた照明器具である。
請求項1の発明によれば、第1の部材及び第2の部材は、同一の組成から成る材料から形成されるので、互いに分離することなく劣化に強いものとすることができる。また、樹脂材料中に光利用効率を低下させる光拡散材を添加することなく光拡散性が得られるので、従来の光拡散材を用いた光源カバーに比して光利用効率が高くなり、高輝度を実現することができる。更に、第1の部材及び第2の部材の結晶化は、例えば、ヒータ加熱処理といった公知の手段で行われるので、簡便かつ安価な方法で輝度ムラが少なく輝度均斉度に優れた光照射面を実現することができる。また、上記の結晶化は、大きな面積を有する成形体にも適用でき、成形体の形状制限が少なく、様々な照明器具に利用できる光源カバー用の成形体が得られる。
請求項2の発明によれば、結晶化度が比較的高くなるように形成され、光拡散性の高い第1の部材と、第1の部材より結晶化度が小さく、光拡散性の低い第2の部材とが一体的に形成されるので、従来のように複数の材料を接着剤等で接着するよりも、簡便で安価な方法で、しかも機械的強度の高い光源カバー用の成形体を得ることができる。
請求項3の発明によれば、照明器具分野において多量に使用される透光性樹脂成形体に、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂を利用することにより、化石資源消費量及び二酸化炭素排出量を削減することができる。また、PLAといった脂肪族ポリエステル類は、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境負荷が少ない光源カバー用の成形体を提供することができる。
請求項4の発明によれば、結晶化度が制御されることにより、光透過性及び光拡散性のバランスが好くなり、高輝度の光照射面が実現される光源カバー用の成形体が得られる。
請求項5の発明によれば、縞状に形成された第1の部材と略直交する方向には拡散光の照射が多くなり、略平行な方向には拡散光の照射が少なくなるといったように、光源からの光が透過する角度を任意に制御することができる。また、縞状に形成された第1の部材が、光源の近傍に位置するように配置されるように形成されることにより、輝度ムラをより効果的に抑制し、輝度均斉度に優れた光源カバー用の成形体を実現することができる。
請求項6の発明によれば、高輝度かつ輝度均斉度に優れた光源カバーの成形体を備えたることにより、光源からの光を効率よく拡散し、光を均一に照射することができる照明器具が得られる。
本発明の一実施形態に係る光源カバー用の成形体及びそれを備えた照明器具について、図面を参照して説明する。本実施形態の照明器具1は、図1に示すように、光源2と、この光源2を固定する器具本体3と、器具本体3に装着される光源カバー用の成形体4とを備える。光源カバー用の成形体4は、光源2から出射される光を任意に拡散配光させると共に、ユーザーが光源2を直接見ることによって不快に感じるグレアを低減する照明器具カバーとして用いられる。また、光源カバー用の成形体4は、照明器具カバーに限らず、パネル又はブラケット等、照明器具に用いられる様々な透光性樹脂成形体に適用可能である。
光源カバー用の成形体4は、結晶化度が比較的高い第1の部材41と、この第1の部材41と同じ組成の材料から成り、第1の部材41よりも結晶化度が低い第2の部材42と、を備える。第1の部材41は、光源カバー用の成形体4の表面の少なくとも一方側に形成され、第2の部材42は、第1の部材41よりも光源カバー用の成形体4の内方側に形成される。第1の部材41は、図2に示すように、光源カバー用の成形体4の片面にのみ形成されていてもよいし、図3に示すように、光源カバー用の成形体4の両面に形成されていてもよい。
第1の部材41及び第2の部材42を構成する樹脂材料には、光源カバーとして必要な光透過性を有する結晶性材料であれば特に制限されることなく、公知の樹脂が使用される。これらの樹脂の例としては、ポリエチレン(PE)(超高分子量ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はフッ素樹脂等が挙げられる。
光源カバー用の成形体4の成形方法は、樹脂材料を所望の形状に成形できれば特に限定されるものではなく、射出成形方法、押出成形方法等、公知の成形方法で所望の形状に加工することができる。また、押出成形方法で得られたシート状の板状物を真空成形や圧空成形、プレス成形、ブロー成形等により任意の形状に加工することができ、様々な照明器具用カバーとして適用することができる。
光源カバー用の成形体4の結晶化は加熱処理(アニール)により行われ、所望の形状に賦形された成形体を、液体加熱ヒータ、電気ヒータ、遠赤外線ヒータ又はニクロム線ヒータ等の加熱手段を用いて、直接接触又は一定間隔を設けて加熱する方法等、少なくとも光源カバー用の成形体4の全体を均一に加熱することができる公知の手法により行われる。また、加熱時間は、成形体を構成する材料に応じて適宜に変化させられ、材料の結晶化度により制御されるものとする。加熱処理により、結晶化度が比較的高くなるように形成された第1の部材41は、結晶化度の低い第2の部材42とは異なる結晶の方向性を有する。そのため、第1の部材41と第2の部材42との界面において、結晶の方向性が不揃いとなる結晶粒界が生じ、これにより光拡散効果が得られる。
本実施形態の光源カバー用の成形体4は、上記の結晶粒界によって、光拡散効果が得られ、また、第1の部材41の結晶化度を制御することにより光拡散率を調整することができる。そのため、樹脂材料中に光を吸収する光拡散材を添加する必要がなく、従来の光源カバーに比して光利用効率が高くなり、高輝度を実現することができる。また、第1の部材41及び第2の部材42は、同一の組成から成る材料から形成されるので、互いに分離することなく劣化に強いものとすることができる。更に、第1の部材41又は第2の部材42の結晶化は、上述したヒータ加熱処理といった公知の手段で行われるので、簡便かつ安価な方法で輝度ムラが少なく輝度均斉度に優れた光照射面を実現することができる。また、上記の加熱処理は、大きな面積を有する成形体に対しても実施することができ、成形体の形状制限が少なく、様々な照明器具に適用できる光源カバー用の成形体4が得られる。このような輝度均斉度に優れた光源カバー用の成形体4を備えたることにより、本実施形態の照明器具1は、光源2からの光を効率よく拡散し、光を均一に照射することができる。
光源カバー用の成形体4は、図2及び図3に示したように、第1の部材41から第2の部材42にかけて結晶化度が緩やかに漸減するように形成されていることが望ましい。この構成によれば、複数の材料を接着剤等で接着するのではなく、光拡散性の高い第1の部材41及び光拡散性が第1の部材41より小さい第2の部材42が一体的に形成されるので、簡便で安価な方法で、しかも機械的強度の高い光源カバー用の成形体4を得ることができる。
上述した第1の部材41及び第2の部材42を構成する樹脂材料には、好ましくは、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂が使用される。植物由来樹脂としては、特に限定されるものではなく公知の脂肪族ポリエステル系樹脂が使用される。例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-β-ヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ-ε-カプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)又はポリエチレンサクシネート(PES)等が挙げられる。
照明器具分野では、照明器具カバー、シーリング用グローブ、パネル又はブラケット等といった透光性の樹脂成形体に石油由来のプラスチックが多量に用いられている。そのため、これらに植物由来のプラスチックである脂肪族ポリエステル類を利用することにより、化石資源消費量の削減、及び二酸化炭素排出量の削減することができる。また、PLAといった脂肪族ポリエステル類は、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境に対する負荷が小さい光源カバー用の成形体を提供することができる。
上述した樹脂材料は、単独で使用されてもよく、また、複数の材料を適宜にポリマーブレンド又は相溶化剤等を用いてポリマーアロイ化して使用されてもよく、その配合比率等も特に限定されない。更に、これらの材料に、光源カバーの用途等に応じて適宜の添加剤が添加及び分散されてもよい。
樹脂材料中に添加される添加剤としては、例えば、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、抗菌剤等が用いられ、光源カバー用の成形体4の光透過性や耐久性を低下させない範囲において、樹脂材料中の添加剤の含有量については特に制限されない。また、結晶化度の高い第1の部材41を形成する部位を構成する材料に、結晶化を促進させるために結晶核剤を添加してもよい。
なお、本実施形態の光源カバー用の成形体4において、光拡散剤は必要とされないが、輝度バラツキを抑制するために、適宜に光拡散剤が添加されてもよい。添加される光拡散剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等の無機系微粒子が好ましい。また、光拡散剤の添加量は、輝度を低下させなければ特に限定されない。
好ましくは、光源カバー用の成形体4は、第1の部材41の結晶化度が10〜40%であり、第2の部材42の結晶化度が略ゼロとなるよう形成される。第1の部材41の結晶化度が過度に高くなるように形成されると、光透過性が低下して、光照射面における輝度が低下する。一方、結晶化度が過度に低くなるように形成されると、光透過性は向上するが、輝度ムラを生じ易くなり、照明器具の美観を損ねてしまう。これに対して、光源カバー用の成形体4が上記のように構成されると、結晶化度が適宜に制御されて、光透過性及び光拡散性のバランスが好くなり、高輝度の光照射面を実現することができる。
また、光源カバー用の成形体4の変形例として、光源カバー用の成形体4の表面に、第1の部材41が縞状に形成されていてもよい。図4(a)(b)は、第1の部材41が縞状に形成された光源カバー用の成形体4の側断面及び正面を示す、この構成によれば、例えば、縞状に形成された第1の部材41と略直交する方向には拡散光の照射が多くなり、略平行な方向には拡散光の照射が少なくなるといった、光源2からの光が透過する角度を任意に制御した、光源カバーを提供することができる。また、光源カバー用の成形体4が、線状形状の光源2を用いた照明器具に適用されたとき、縞状の第1の部材41が、光源2の近傍に位置するように配置されるように形成されることにより、輝度ムラをより効果的に抑制し、輝度均斉度に優れた光源カバー用の成形体4を実現することができる。
以下に、本実施形態の光源カバー用の成形体4について、具体的な構成材料、作成方法及び作成された各種実施例の効果について、比較例と対比して説明する。
<実施例1>
PLA樹脂(LACEA H-400/三井化学製)100重量部に対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン326/チバスペシャルティケミカルズ製)を0.2部添加したものをヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物から、押出成形機を用いて板厚2.0mm、200×200mmのシートが形成され、このシート全体を均質に遠赤外線ヒータで90℃、10分間加熱処理を施すことにより、図3に示したような、両面に第1の部材41が形成され、その内方に第2の部材が形成された光源カバー用の成形体4が形成され、これを実施例1とした。
<実施例2>
実施例1と同様の手法にてシートを成形し、シートを遠赤外線ヒータで100℃、5分間加熱して、これを実施例2とした。
<実施例3>
実施例1と同様の手法にてシートを成形し、シートの片面に熱遮蔽板を付した後、実施例2と同様の手法で加熱処理を施すことにより、図2に示したような、片面にのみ第1の部材41が形成され、その内方に向かって第2の部材が形成された光源カバー用の成形体4が形成され、これを実施例3とした。
<比較例1>
実施例1と同様の手法にてシートを成形し、熱処理を実施せず、これを比較例1とした。
<比較例2>
実施例1と同様の手法にてシートを成形し、シートを遠赤外線ヒータで120℃、3分間加熱処理を施し、これを比較例2とした。
作成された各実施例及び比較例について夫々の結晶化度及び輝度が測定された。結晶化度の測定は、X線回折法(XRD)により得られたピーク面積を算出することにより行われた。また、輝度の測定は、輝度計(BM−7、トプコン)を用いて行われ、測定条件としては、光源に冷陰極管を用い、その点灯条件を管電流6mA、管電圧330Vrmsとした。また、測定数を200mm角、各光源カバーの略中心線上を、5mm間隔で測定し、40測定/辺、合計80点の平均値から輝度が算出された。また、光源の連続点灯試験後の外観評価を行った。これらの結果を、表1に示す。
実施例1及び実施例2は、夫々比較例1よりも輝度均斉度に優れていた。また、実施例1及び実施例2の輝度は、夫々比較例1よりも低くなったが、実用上の問題はないレベルであった。実施例1は、第1の部材41の結晶化度が実施例1よりも低いので、光拡散性も低く、実施例2よりも高輝度になった。実施例3は、結晶化度が比較的高い第1の部材41が片面のみ形成されているので、実施例1及び実施例2に比べると輝度均斉度が低かった。また、比較例1は、加熱処理されておらず、第1の部材41が形成されていないので、高輝度であるが、輝度均斉度に劣っていた。比較例2は、加熱処理の温度が高く、結晶化度45%とされた第1の部材41が形成されているので、低輝度で、輝度均斉度にも劣っていた。これらの結果は、第1の部材41の結晶化度を10〜40%、第2の結晶化度を略ゼロとした、本実施形態の光源カバー用の成形体が、輝度及び輝度均斉度のバランスに優れていることを示すものである。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。同一の材料を用いて、その結晶化度を適宜に制御することにより、光拡散性を有するように構成された樹脂成形体であれば、上述した照明器具カバーに限られず、例えば、液晶ディスプレイの保護膜等にも適用できる。
本発明の一実施形態に係る光源カバー用の成形体を備えた照明器具の側断面図。 同光源カバー用の成形体の断面構成図。 同光源カバー用の成形体の断面構成図。 (a)は同照明器具カバーの変形例を示す側断面図、(b)はその正面図。
符号の説明
1 照明器具
2 光源
3 器具本体
4 光源カバー用の形成体(光源カバー)
41 第1の部材
42 第2の部材

Claims (6)

  1. 結晶化度が比較的高い第1の部材と、前記第1の部材と同じ組成の材料から成り、前記第1の部材よりも結晶化度が低い第2の部材とを備えた光源カバー用の成形体であって、
    前記第1の部材は、光源カバー用の成形体の表面の少なくとも一方側に形成され、
    前記第2の部材は、前記第1の部材よりも光源カバー用の成形体の内方側に形成されていることを特徴とする光源カバー用の成形体。
  2. 前記第1の部材から前記第2の部材にかけて結晶化度が緩やかに漸減するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光源カバー用の成形体。
  3. 前記第1の部材及び第2の部材は、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源カバー用の成形体。
  4. 前記第1の部材の結晶化度が10〜40%であり、前記第2の部材の結晶化度が略ゼロとなるよう形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体。
  5. 前記第1の部材は、光源カバー用の成形体の表面に、縞状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体を備えた照明器具。
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