JP2009075414A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Hideki Omori
英樹 大森
Tsukasa Tashiro
司 田代
Masanobu Nishizawa
正展 西澤
Masahito Arai
正仁 荒井
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Abstract

【課題】解像度及びコントラストを向上する。
【解決手段】防眩処理をした表示面(1a)を有する液晶パネル(1)とバックライトユニット(4)とシャーシ(7)とが一体化された液晶パネルモジュール(10)の表示面(1a)に、表示面(1a)の露出部分と等しい形状にカットしたARフィルム(20)を置き、アスカ硬度が10以上20以下のローラ(R)でARフィルム(20)を表示面(1a)の露出部分に押し付けて接着する。
【効果】柔らかいローラ(R)を用いるため、表示面(1a)の撓みに合うようにローラ(R)の下面が変形し、表示面(1a)の中央部に気泡が残るようなことなく、好適にARフィルム(20)を表示面(1a)に密に貼着できる。それにより、解像度及びコントラストを向上できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、液晶表示装置およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、簡単な構成で解像度およびコントラストを向上することが出来る液晶表示装置およびその製造方法に関する。
従来、タッチスイッチの一面にAR(Anti Reflection)フィルムを設け、そのARフィルムを液晶パネルの表示面に緩衝材を介して接着した液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
他方、吸着テーブルに吸着させた液晶パネルに、スクリーンに吸着された偏光板フィルムを重ねてから、貼付ローラで液晶パネルに偏光板フィルムを押し付けて、偏光板フィルムを貼着するフィルム貼付方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−91926号公報 特開2003−121832号公報
上記従来の液晶表示装置では、液晶パネルとARフィルムとは端部において両面接着テープにより接着されているが、中央部では接着されておらず、両者の間に空隙が形成されている。
しかし、液晶パネルの中央部でARフィルムとの間に空隙が形成されていると、外部光に対する反射防止の効果は向上できたが、表示の解像度およびコントラストを向上させる効果は得られていなかった。
他方、上記従来のフィルム貼付方法では、液晶パネルの背面が吸着テーブルで面的に支持されていて液晶パネルが平面形状に維持されるため、貼付ローラで液晶パネルに偏光板フィルムを押し付けたときに液晶パネルの全面に均等に力が加わり、貼付けに支障を生じることがなかった。
しかし、液晶パネルをシャーシに一体的に取り付けた液晶パネルモジュールの状態では、液晶パネルが端部だけでシャーシに支持されていて中央部が凹むように撓みうるため、ローラで液晶パネルにフィルムを押し付けたときに液晶パネルの中央部では適正な力が加わらず、中央部に気泡が残ってしまうなど貼付けに支障を生じる問題点があった。
そこで、本発明の目的は、簡単な構成で解像度およびコントラストを向上することが出来る液晶表示装置およびその製造方法を提供することにある。
第1の観点では、本発明は、防眩処理をした表示面を有する液晶パネルと、前記表示面に密に貼着したARフィルムとを具備することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
防眩処理は、液晶パネルの表示面の表面に微細な凹凸を形成する処理であり、例えば直径4μm程度のビーズを液晶パネルの表示面の表面にランダムに付着させる。これにより、外光が散乱反射するようになり、鏡面反射が抑えられる。しかし、液晶パネルからの光も散乱してしまうため、解像度およびコントラストが低下する。
これに対して、上記第1の観点による液晶表示装置では、液晶パネルの防眩処理をした表示面に密にARフィルムを貼着しているから、液晶パネルの表示面の表面に形成されていた微細な凹凸がARフィルムの接着剤で埋められることになり、光の散乱が抑えられ、解像度およびコントラストを向上できる。また、ARフィルムであるから、外光の鏡面反射を抑えることが出来る。
第2の観点では、本発明は、防眩処理をした表示面を有する15インチ以上の液晶パネルとバックライトユニットとシャーシとが一体化された液晶パネルモジュールを前記表示面が上になるように置く工程と、前記表示面の露出部分と等しい形状にカットしたフィルムを該フィルムの接着層が下になるように向けて該フィルムの第1辺を前記露出部分の枠になっているシャーシの第1辺に粘着テープで仮止めする工程と、アスカ硬度が10以上20以下のローラを前記第1辺側からその対向辺側へと移動させながら該ローラで前記フィルムを前記露出部分に押し付けて接着してゆく工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供する。
近年の水平分業化により、液晶表示装置の製造工場には、液晶パネル単体でなく、液晶パネルモジュールの状態で納品されることが多い。ところが、先述のように、液晶パネルモジュールの状態で液晶パネルにフィルムをローラを用いて貼り付けようとすると、液晶パネルの中央部が凹むように撓み、この撓みのために15インチ以上の液晶パネルではフィルムをうまく貼り付けることが出来なくなる。液晶パネルモジュールを分解して液晶パネルを取り出し、硬い平面上に置けば、液晶パネルの中央部が撓まなくなるが、液晶パネルモジュールの状態で納品させた意味(工数削減)がなくなってしまう。
そこで、上記第2の観点による液晶表示装置の製造方法では、アスカ硬度が20以下の柔らかいローラを用いて液晶パネルにフィルムを押し付ける。この柔らかいローラを用いることにより、15インチ以上の液晶パネルでその中央部が凹むように撓んでも、その撓みにローラ面が追従でき、液晶パネルの全面に均等な力でフィルムを貼り付けることが出来る。なお、アスカ硬度が10未満だと、ローラ面が大きく変形し過ぎて、フィルムを押さえにくくなる。
第3の観点では、本発明は、前記第2の観点による液晶表示装置の製造方法において、前記フィルムがARフィルムであることを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供する。
上記第3の観点による液晶表示装置の製造方法では、前記第1の観点による液晶表示装置を好適に製造できる。
第4の観点では、本発明は、前記第2または前記第3の観点による液晶表示装置の製造方法において、前記ローラの中央部の外径が端部の外径よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供する。
上記第4の観点による液晶表示装置の製造方法では、例えば40インチ以上の大きな液晶パネルでその中央部が大きく凹むように撓んでも、その撓みにローラ面が追従でき、液晶パネルの全面に均等な力でフィルムを貼り付けることが出来る。
本発明の液晶表示装置によれば、簡単な構成で解像度およびコントラストを向上することが出来る。また、本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、液晶パネルモジュールの状態で液晶パネルにフィルムを好適に貼り付けることが出来る。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1に係る液晶表示装置100を示す斜視図である。
この液晶表示装置100は、防眩処理をした表示面を有する15インチ以上の液晶パネル1とバックライトユニット4とシャーシ7とが一体化された液晶パネルモジュール10と、液晶パネル1の表示面に密に貼着したARフィルム20とを具備してなる。
図2は、液晶パネル1の表示面1aに密に貼着したARフィルム20を示す断面図である。
液晶パネル1の表示面1aの防眩処理は、液晶パネル1の表示面1aの表面に例えば直径4μm程度のビーズ2をランダムに付着させたものである。
ARフィルム20は、厚さ25μm程度の接着層(PSA層)21と、厚さ125μm程度のPET層22と、厚さ5μm程度の「ハードコート+AR+フッ素加工」層23とからなっている。このようなARフィルム20は、例えばソニーケミカル社の商品名「AR1−M1217」が挙げられる。
図3は、液晶表示装置100(ARフィルムあり)と液晶パネルモジュール10(ARフィルムなし)の性能を比較した図表である。
・解像度は6%向上した。ビーズ2による散乱が抑制されたためである。
・最高輝度は8%向上した。ビーズ2による散乱が抑制されたためである。
・最低輝度は1/4に低下した。ARフィルム20による外光吸収のためである。
・コントラスト比は4倍に向上した。最高輝度の向上と最低輝度の低下によるたためである。
・視野角は9%拡大した。ビーズ2による散乱が抑制されたためである。
・防汚性能も向上した。ARフィルム20の表面が平滑であるためである。
図4〜図7は、液晶表示装置100の製造工程を示す斜視図である。この製造工程は、クラス100レベルのクリーンブース内で行う。
(1)図4に示すように、防眩処理をした表示面1aを有する15インチ以上の液晶パネル1とバックライトユニット4とシャーシ7とが一体化された液晶パネルモジュール10を表示面1aが上になるように置く。
(2)図5に示すように、表示面1aの露出部分と等しい形状にカットしたARフィルム20を、該ARフィルム20の接着層21が下になるように向けて、該ARフィルム20の第1辺を、表示面1aの露出部分の枠になっているシャーシ7の第1辺に粘着テープTで仮止めする。通常、接着層21に保護フィルムが貼ってあるので、粘着テープTで仮止めした後、保護フィルムを除去する。
(3)図6および図7に示すように、アスカ硬度が10以上20以下のローラRを、ARフィルム20の第1辺側からその対向辺側へと移動させながら、該ローラRでARフィルム20を表示面1aの露出部分に押し付けて接着してゆく。
(4)第1辺側およびその対向辺側の端縁を指またはヘラで押さえて接着する。
(5)最後に粘着テープTを除去すると、図1に示す液晶表示装置100が得られる。通常、「ハードコート+AR+フッ素加工」層23に保護フィルムが貼ってあるので、その保護フィルムを除去する。
図8に示すように、液晶パネル1の表示面1aは中央部が凹むように撓むが、アスカ硬度が10以上20以下の柔らかいローラRを用いるため、表示面1aの中央部の撓みに合うようにローラRの下面が変形する。これにより、表示面1aの中央部に気泡が残るようなことなく、好適にARフィルム20を表示面1aに密に貼着することが出来る。
ローラRは、中央部の外径が31mm、端部の外径が30mmの樽形であり、シリコン樹脂製である。シリコン樹脂製とすることにより、ウレタン樹脂よりも高い耐久性が得られる。
ローラRの硬度は、高分子計器株式会社製のゴム硬度計および定圧荷重器を用いて計測した。
ローラRの中央部の外径および端部の外径は、液晶パネル1の撓み量とローラRの変形量とに応じて変更してもよい。
比較例
図9に示すように、アスカ硬度が20より大きいローラR’を用いた場合、液晶パネル1の表示面1aの中央部の撓みに合うようにローラRの下面が変形せず、表示面1aの中央部に気泡が残ってしまうことがある。
本発明の液晶表示装置は、医用画像表示装置などに利用できる。
実施例1に係る液晶表示装置を示す斜視図である。 液晶パネルの表示面に密に貼着したARフィルムを示す断面図である。 液晶パネルモジュールと実施例1に係る液晶表示装置の性能を比較した図表である。 液晶パネルモジュールの載置工程を示す斜視図である。 粘着テープによるARフィルムの固定工程を示す斜視図である。 ローラによるARフィルムの押圧工程を示す斜視図である。 ローラによるARフィルムの押圧工程を示す別の斜視図である。 液晶パネルの表示面の撓みとローラの下面の変形を示す斜視図である。 液晶パネルの表示面の撓みとローラの下面の不十分な変形を示す斜視図である。
符号の説明
1 液晶パネル
1a 表示面
2 ビーズ
4 バックライトユニット
7 シャーシ
10 液晶パネルモジュール
20 ARフィルム
21 接着層
22 PET層
23 「ハードコート+AR+フッ素加工」層
100 液晶表示装置
R,R’ ローラ
T 粘着テープ

Claims (4)

  1. 防眩処理をした表示面を有する液晶パネルと、前記表示面に密に貼着したARフィルムとを具備することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 防眩処理をした表示面を有する15インチ以上の液晶パネルとバックライトユニットとシャーシとが一体化された液晶パネルモジュールを前記表示面が上になるように置く工程と、前記表示面の露出部分と等しい形状にカットしたフィルムを該フィルムの接着層が下になるように向けて該フィルムの第1辺を前記露出部分の枠になっているシャーシの第1辺に粘着テープで仮止めする工程と、アスカ硬度が10以上20以下のローラを前記第1辺側からその対向辺側へと移動させながら該ローラで前記フィルムを前記露出部分に押し付けて接着してゆく工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載の液晶表示装置の製造方法において、前記フィルムがARフィルムであることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法において、前記ローラの中央部の外径が端部の外径よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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