JP2009074356A - 開閉部材制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、開閉部材駆動中に外乱が生じた場合であっても、挟み込みの誤検出が引起されることが回避されるとともに、荷重検出の遅れを補正することが可能な開閉部材制御装置を提供することにある。
【解決手段】車両のドアに配設される開閉部材、駆動部、挟み込み検出部を備えた開閉部材制御装置に関する。
挟み込み検出部は、異物の挟み込み量を算出する挟み込み量算出手段と、挟み込み量算出手段が挟み込み量を算出する以前の挟み込み量を推定する挟み込み量推定手段と、挟み込み量算出手段によって算出された挟み込み算出量と挟み込み量推定手段によって推定された挟み込み推定量に基づいて異物の挟み込みを確定する挟み込み判定手段と、ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知手段とを備え、挟み込み量推定手段は、開閉部材の閉駆動中に外乱発生の有無を判定し、発生した外乱に応じて挟み込み推定量を補正するとともに、ドアの開閉状態に応じて挟み込み量を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は開閉部材制御装置に係り、特に開閉部材による異物の挟み込みを検出可能な開閉部材制御装置に関する。
現在、自動車の開閉部材制御装置において、閉動作中に異物の挟み込みが生じた場合に、開閉部材を駆動するモータの速度変化等により、異物の挟み込みが生じたことを検知し、この挟み込みが生じた場合には、即座に開閉部材の閉動作を中止するとともに開動作に切替える挟み込み防止機能を有しているものが主流となっている。
この制御の例として、ウインドウに掛かる負荷荷重に対応して検出される検出データ(例えば、ウインドウ駆動モータ回転速度等)に対して閾値を設定し、この閾値をもとに挟み込み検出するものが知られている。
しかし、従来の検出方法では、挟み込み荷重が増加していることが、レギュレータ等の弾性体を介して伝達されるため、モータ回転周期・速度等が同時に変化せず検出に遅れが生じて検出荷重が大きくなり、挟み込まれたものに大きなダメージを与える恐れがあった。
このような問題を解決するために、本願出願人は、挟み込みが検出された際に、その検出の遅れをモータ回転速度の変動開始位置に補正する技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−070949号公報
特許文献1の技術では、挟み込み量を検出する以前に生じた挟み込み量を加味して挟み込みの判定を行い、過大な挟み込み負荷や長期間の挟み込み状態を回避することができる。
つまり、挟み込み量検出手段によっては直接検出されない挟み込み量を、挟み込み量推定手段により推定しており、この挟み込み量検出手段によって検出された挟み込み量と、挟み込み量推定手段により推定された挟み込み量とに基づいて、挟み込み判定手段が挟み込みを確定するように構成されている。
これにより、挟み込みを確実に検出することができるとともに、挟み込み推定量の分だけ早期に挟み込みを検出することができ、異物が長期間挟み込み状態に保持されることを回避することができる。
しかし、特許文献1の技術では、窓ガラス上昇中に外乱が生じた場合(例えば、ドア閉動作を行った場合)には、このような挟み込み推定量による補正を行わない場合に比して、挟み込みの誤検出を引起す可能性が大きくなるという懸念があった。
本発明の目的は、上記各問題点を解決することにあり、開閉部材駆動中に外乱が生じた場合(例えば、ウインドウガラス上昇駆動中に車両ドアの閉動作を行った場合)であっても、挟み込みの誤検出が引起されることが回避されるとともに、荷重検出の遅れを補正することが可能な開閉部材制御装置を提供することにある。
上記課題は、本発明に係る開閉部材制御装置によれば、車両のドアと、該ドアに配設される開閉部材と、該開閉部材を開閉駆動する駆動部と、開閉駆動時の前記開閉部材による異物の挟み込みを検出する挟み込み検出部と、を備えた開閉部材制御装置であって、前記挟み込み検出部は、前記開閉部材による異物の挟み込み量を算出する挟み込み量算出手段と、該挟み込み量算出手段が挟み込み量を算出する以前の挟み込み量を推定する挟み込み量推定手段と、前記挟み込み量算出手段によって算出された挟み込み算出量と前記挟み込み量推定手段によって推定された挟み込み推定量に基づいて異物の挟み込みを確定する挟み込み判定手段と、前記ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知手段と、を備え、
前記挟み込み量推定手段は、前記開閉部材の閉駆動中に外乱発生の有無を判定し、外乱が有と判定した場合には、検知した外乱に応じて前記挟み込み推定量を補正するとともに、前記ドアの開閉状態に応じて前記挟み込み量算出手段にて算出された前記挟み込み量を補正することにより解決される。
このように、本発明においては、挟み込み量算出手段によっては、直接検出されない挟み込み量を、挟み込み量推定手段によって推定しており、これら挟み込み量算出手段によって算出された挟み込み算出量と、挟み込み量推定手段によって算出された挟み込み推定量に基づいて挟み込み判定手段が異物の挟み込みを確定するように構成されている。これにより、実際に異物に掛かる挟み込み荷重に略比例した大きさの挟み込み量に基づいて挟み込みを正確に検出(確定)することができ、過大な挟み込み荷重が挟み込まれた異物に掛かってしまうことを回避することができる。
また、このとき、挟み込み量推定手段は、開閉部材の閉駆動中に生じている外乱発生の有無を判定し、その外乱に応じて挟み込み推定量を補正するよう構成されている。
このため、推定された挟み込み量を加味することにより、挟み込み判定が過敏になりすぎることを防止し、挟み込みの誤検出を防止することができる。
つまり、外乱により生じる誤差により、挟み込み判定手段が挟み込み有りと誤った判断を行うことを有効に防止することができる。
更に、本発明においては、ドアの開閉状態に応じて挟み込み量算出手段にて算出された挟み込み量を補正するよう構成される。
このため、ドアの開閉状態による生じる誤差を考慮することができ、誤検知を有効に防止することができる。
また、具体的には、前記駆動部の駆動源はモータであり、前記外乱は、モータ駆動電圧の変動であると、他のスタータやワイパなどの電機機器を開閉部材と同時に駆動させても、挟み込み量推定手段が、上記事象に応じて挟み込み推定量を補正するため、挟み込み検出の誤検出を防止することができるため好適である。
更に、前記駆動部の駆動源はモータであり、前記外乱は、走行振動によるモータ回転速度の変動であると、走行中の振動(悪路走行等)などによる開閉部材の上下動に起因してモータの回転数が変動したとしても、上記事象に応じて挟み込み推定量を補正するため、挟み込み検出の誤検出を防止することができるため好適である。
また、前記外乱は、前記開閉部材の摺動抵抗であると、経時変化等で開閉部材位置毎に摺動抵抗の変化が生じたとしても、上記事象に応じて挟み込み推定量を補正するため、挟み込み検出の誤検出を防止することができるため好適である。
更に、前記開閉部材は、車両ドアに配設されたウインドウガラスであって、前記外乱は、前記車両ドアの開閉動作であると、通常の車両使用で発生すると考えられる、上記外乱においても、この事象に応じて挟み込み推定量を補正するため、挟み込み検出の誤検出を防止し、機能性をより一層高めることができる。
本発明によれば、窓ガラス上昇中に外乱が生じた場合(例えば、車両ドアの閉動作を行った場合)であっても、挟み込みの誤検出が引起されることを回避することができる。
また、窓ガラス上昇中に外乱が生じた場合(例えば、車両ドアの閉動作を行った場合)であっても、荷重検出の遅れを補正することができる。
これにより、外乱発生(例えば、車両ドアの開閉動作状態)の有無に関わらず、開閉部材の挟み込み検出を確実に実行することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、ウインドウガラス上昇中に外乱が生じた場合(例えば、車両ドアの開閉動作が行われた場合)、その外乱に応じて荷重検出の遅れを補正することによって、外乱の有無に関わらず、ウインドウガラスの挟み込み誤検出を確実に防止することができる開閉部材制御装置に関するものである。
図1乃至図10は、本発明の一実施形態を示すものであり、図1はパワーウインドウ装置の説明図、図2は図1のパワーウインドウ装置の電気構成図、図3はウインドウガラス上昇中に車両ドアの閉動作を行った場合の回転速度変化を示す説明図、図4はエンジン始動時の回転速度変化を示す説明図、図5は悪路走行中の回転速度変化を示す説明図、図6は摺動抵抗による回転速度変化を示す説明図、図7は挟み込み推定量を加味した場合の挟み込み判定処理の説明図、図8は挟み込み判定の処理フロー、図9は外乱が生じたときの回転速度差の説明図、図10は回転速度変動量の補正処理の処理フロー、である。
以下に本発明を車両Sのパワーウインドウ装置に適用した一実施形態について説明する。
図1に本実施形態に係るパワーウインドウ装置1の説明図、図2にその電気構成図を示す。
本実施形態に係るパワーウインドウ装置1は、車両Sのドア10に配設される開閉部材としてのウインドウガラス11をモータ20の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。パワーウインドウ装置1は、ウインドウガラス11を開閉駆動する昇降機構2と、昇降機構2の作動を制御するための制御部3と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ4を主要構成要素としている。
本実施形態においては、ウインドウガラス11は不図示のレールに沿って上方の全閉位置と下方の全開位置との間を昇降動作する。
本実施形態に係る昇降機構2は、ドア10に固定された減速機構を有するモータ20と、モータ20に駆動される扇形状のギヤ21aを備えた昇降アーム21と、昇降アーム21とクロスして枢支される従動アーム22と、ドア10に固定された固定チャンネル23およびウインドウガラス11と一体のガラス側チャンネル24とを主要構成要素としている。
本実施形態に係るモータ20は、制御部3から電力供給を受けることにより、回転子の巻線に通電され、これにより回転子とマグネットを有する固定子との間で磁気吸引作用が生じて回転子が正逆回転するように構成されている。本例の昇降機構2では、モータ20の回動に応じて昇降アーム21および従動アーム22が揺動すると、これらの各端部が各チャンネル23,24により摺動規制を受け、Xリンクとして駆動し、ウインドウガラス11を昇降作動させる。昇降機構2は、本発明の駆動部に相当する。
本実施形態に係るモータ20には、移動速度検出手段としての回転検出装置(位置検出装置)25が一体に備えられている。回転検出装置25は、モータ20の回転と同期したパルス信号(速度検出信号,回転速度信号等)を制御部3へ出力するものである。
本実施形態に係る回転検出装置25は、モータ20の出力軸と共に回動するマグネットの磁気変化を複数のホール素子で検出するように構成されている。
このような構成により、回転検出装置25は、モータ20の回転に同期したパルス信号を出力する。
すなわち、パルス信号は、ウインドウガラス11の所定移動量毎もしくはモータ20の所定回転角毎に出力される。
これにより、回転検出装置25は、モータ20の回転速度に略比例するウインドウガラス11の移動に応じた信号を出力可能である。
制御部3は、このパルス信号によって、ウインドウガラス11の昇降位置を算出する。
また、この制御部3は、パルス信号の間隔によってモータ20の回転速度、またはこれに対応するウインドウガラス11の昇降速度を算出することができる。
なお、本実施形態においては、回転検出装置25にホール素子を用いたものを採用しているが、これに限らず、モータ20の回転速度を検出することができれば、エンコーダ等の公知の検出装置を採用してもよいし、モータ20の回転時のトルクリップルを検出して回転速度を検出するようにしてもよい。
本実施形態に係る制御部3は、コントローラ31と、駆動回路32から構成されている。コントローラ31,駆動回路32には、車両に搭載されるバッテリ5から作動に必要な電力が供給される。制御部3は、本発明の挟み込み検出部に相当する。
本実施形態に係るコントローラ31は、CPU、ROM,RAM等の不図示のメモリ、入力回路、出力回路等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。CPUは、不図示のメモリ、入力回路及び出力回路は、バスを介して互いに接続されている。なお、これに限らず、コントローラ31をDSPやゲートアレイで構成してもよい。
コントローラ31は、通常時、操作スイッチ4からの操作信号に基づいて駆動回路32を介してモータ20を正逆回転させて、ウインドウガラス11を開閉動作させる。
また、コントローラ31は、回転検出装置25からパルス信号を受け取り、このパルス信号に基づいてウインドウガラス11の上端部と窓枠との間における異物の挟み込みの検出が可能となっている。異物の挟み込みが検出された場合には、コントローラ31は、駆動回路32を介してモータ20を開方向へ回転させて、ウインドウガラス11を開駆動する。
また、コントローラ31には、ドア開閉信号6が入力される。
このドア開閉信号6は、ドアのカーテシスイッチ等から発信される信号であり、このドア開閉信号6に基づいて、コントローラ31は、ドアの開閉状態を判断する。
このドア開閉信号6は、後述する挟み込みの開始が判定される以前の遅れ期間Tdにおける挟み込み推定量を加味した回転速度ωの変動量Sの補正処理において、使用される。
この処理については、後に詳述する。
本実施形態に係る駆動回路32は、FETを備えるICによって構成されており、コントローラ31からの入力信号に基づいて、モータ20への電力供給の極性を切換えている。
すなわち、駆動回路32は、コントローラ31から正回転指令信号を受けたときは、モータ20を正回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給し、コントローラ31から逆回転指令信号を受けたときは、モータ20を逆回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給する。
なお、駆動回路32は、リレー回路を用いて極性を切換えるように構成してもよい。また、駆動回路32がコントローラ31内に組み込まれた構成であってもよい。
コントローラ31は、入力されるパルス信号からパルス信号の立上がり部または立下り部(パルスエッジ)を検出し、このパルスエッジの間隔(周期、パルス幅)に基づいてモータ20の回転速度(回転周期)を算出すると共に、各パルス信号の位相差に基づいてモータ20の回転方向を検出する。
つまり、コントローラ31は、モータ20の回転速度(回転周期)に基づいてウインドウガラス11の移動速度を間接的に算出し、モータ20の回転方向に基づいてウインドウガラス11の移動方向を特定している。
また、コントローラ31は、パルスエッジをカウントしている。このパルスカウント値は、ウインドウガラス11の開閉動作に伴って加減算される。コントローラ31は、このパルスカウント値の大きさによってウインドウガラス11の開閉位置を特定する。
本実施形態に係る操作スイッチ4は、2段階操作可能な揺動型スイッチ等で構成され、開スイッチ,閉スイッチ及びオートスイッチを有している。この操作スイッチ4を乗員が操作することにより、コントローラ31へウインドウガラス11を開閉動作させるための指令信号が出力される。
具体的には、操作スイッチ4は、一端側へ1段階操作されると開スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常開動作(すなわち操作している間だけ開動作)させるための通常開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ1段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常閉動作(すなわち操作している間だけ閉動作)させるための通常閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
また、操作スイッチ4は、一端側へ2段階操作されると開スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート開動作(すなわち操作を止めても全開位置まで開動作)させるためのオート開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ2段階操作されると閉スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート閉動作(すなわち操作を止めても全閉位置まで閉動作)させるためのオート閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
コントローラ31は、操作スイッチ4から通常開指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を通常開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4から通常閉指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を通常閉動作させる。
また、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート開指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全開位置までオート開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート閉指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全閉位置までオート閉動作させる。
コントローラ31は、ウインドウガラス11を閉動作(通常閉動作及びオート閉動作)させているとき、ウインドウガラス11による挟み込みの有無を監視している。すなわち、挟み込みが生じると、ウインドウガラス11の移動速度およびこれに関連してモータ20の回転速度が低下する(回転周期が長くなる)。このため本例のコントローラ31は、モータ20の回転速度の変動を常時監視している。
本実施形態に係るコントローラ31では、この回転速度の変動に基づいて、まず挟み込みの開始を検出し、次いで挟み込みの開始が検出されてから回転速度が所定量変動したことを検出した場合に、挟み込みと判定(確定)する。
そして、挟み込みを確定した場合には、コントローラ31は、ウインドウガラス11にて挟持された異物を解放すべくモータ20を反転させ、ウインドウガラス11を所定量だけ開動作させるように制御する。
なお、挟み込みと判定した場合に、モータ20の作動を停止してウインドウガラス11のそれ以上の閉動作を停止させて、ウインドウガラス11にて挟持した異物を解放可能とするように制御してもよい。
次いで、本実施形態に係るパワーウインドウ装置1における挟み込み判定の概略処理について説明する。
本実施形態に係るパワーウインドウ装置1では、回転検出装置25から受け取ったパルス信号に基づいてモータ20の回転速度ωを算出する。
本実施形態に係る算出処理では、そのとき受け取ったパルス信号と、これ以前に受け取っていたパルス信号を含め連続したn個のパルス信号に基づき、これらのパルス幅から回転速度ωを算出している。このように複数のパルス信号から回転速度ωを算出すると、データ処理上、誤差変動分を相殺することができる。
このようにして算出された回転速度ωの変動状況を把握するが、挟み込みが検出された場合には、モータ20の回転速度ωがこの挟み込みにより途中から減速することとなる。
そして、本実施形態に係るパワーウインドウ装置1では、パルス信号を受け取る毎に、現在の回転速度ωとkパルス前(本実施形態においては、4パルス前)の回転速度ωとの差である回転速度差Δωが算出される。
まず、このようにして算出された回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えたか否かが判定される。この変動判定しきい値αを超えると、挟み込みが開始したと判定される。
しかし、この時点では、挟み込みが確定したわけではないので、モータ20は回転を継続し、ウインドウガラス11は上昇を続ける。この変動判定しきい値αは、パワーウインドウ装置1がたとえ軟らかいものを挟み込んだ場合においても、これによって生じる回転速度差Δωがこの値を超えるような大きさに設定される。
本実施形態においては、回転速度差Δωは、連続する複数のパルス信号に基づいて算出された回転速度ωとkパルス前の回転速度ωとの差分であるから、実際の回転速度差Δωよりも時間変動に所定パルス信号分(遅れパルス信号分)の遅れが生じる。
すなわち、データ処理上で挟み込みの開始が検出されるのは、実際の挟み込みの開始から所定の遅れ時間後である。
このため、回転速度差Δωが変動判定しきい値αを超えたときには、既に遅れパルス信号分前から挟み込みが生じており、挟み込まれた異物には挟み込み荷重が掛かっていることになる。
また、本実施形態においては、一旦、挟み込みの開始が検出されると、この時点からの回転速度差Δωの累積値ΣΔωα(すなわち、回転速度ωの変動量。以下、「回転速度変動量ΣΔωα」という。)が算出される。
具体的には、回転速度変動量ΣΔωαは、挟み込みの開始が検出されてからの回転速度差Δωの加算値として算出される。
本実施形態においては、異物の挟み込みによって回転速度差Δωに影響がでて挟み込みの開始と判定されてから、挟み込み荷重が上昇して挟み込みとして検出(確定)されるに至るまでの状態(挟み込み状態)又は挟み込み程度を判定するための挟み込み算出量として、回転速度変動量ΣΔωαが用いられている。
更に、本実施形態においては、上述の遅れパルス数分に相当する回転速度差Δωの累積値ΣΔωβ(以下、「回転速度変動量ΣΔωβ」という)の推定処理が行われる。
具体的には、現在の回転速度差Δωからpパルス信号分前の回転速度差Δωまでの平均回転速度差Δωaveを算出し、この平均回転速度差Δωaveを遅れ期間中の回転速度差とみなす。遅れ期間中の回転速度変動量ΣΔωβは、平均回転速度差Δωaveに遅れパルス信号数を乗じることにより算出される。
また、本実施形態においては、この遅れ期間中の回転速度変動量ΣΔωβに影響を与える外乱を考慮して補正を行う。
つまり、回転速度変動量ΣΔωβに影響を与える外乱としては、通常の外乱である摺動抵抗や経年変化、車両速度、スタータやワイパ等の電気機器の作動、走行振動等、様々なものが考えられるが、その外乱に応じた遅れパルス信号数を選択して乗じることにより、補正が行われている。
なお、これらの外乱による速度変化の状態を、遅れ荷重補正がある場合とない場合とを比較して図3乃至図6に示す。
図3はウインドウガラス11上昇中に車両ドアの閉動作を行った場合、図4はエンジン始動時、図5は悪路走行中、図6は摺動抵抗、での回転速度変化をそれぞれ示す。
また、各図共に(a)は遅れ荷重補正を行った場合であり、(b)は遅れ荷重補正を行わない場合である。
このように、一様に遅れ荷重補正を行った場合には、外乱発生時に、挟み込み誤検出に対する余裕が小さくなり、挟み込み誤検出を引起しやすくなる。つまり、挟み込みに対し、必要以上に過敏に反応し易くなる。このため、この外乱に応じた遅れパルス信号数を選択して乗じることにより、挟み込み誤検出に対する余裕を大きくし、挟み込み誤検出の発生を効果的に防止することとしたものである。
このため、例えば、パワーウインドウ装置1を閉作動中に、車両ドアの開閉を行った場合であっても、挟み込み誤検知を有効に防止することができる。
また、本実施形態においては、挟み込み算出量である回転速度変動量ΣΔωαを算出できる以前の挟み込み状態又は挟み込み程度を推定するための挟み込み推定量として、回転速度変動量ΣΔωβが用いられている。
つまり、この回転速度変動量ΣΔωβは、作動状態に基づいて識別可能な回転速度変動量ΣΔωαを算出する以前に生じている作動状態に基づいては、直接識別不能な挟み込み量である。
なお、算出される平均回転速度差Δωaveは、挟み込んだ異物の硬さや変形のし易さ等の性状によって値が異なってくるから、挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβも異物の性状に応じて適宜に設定されるものとなる。
そして、本実施形態においては、挟み込みの開始が検出される前に実際には回転速度ωに影響を及ぼすはずであったであろう挟み込み推定量(回転速度変動量ΣΔωβ)と挟み込みの開始が検出された後に算出された挟み込み算出量(回転速度変動量ΣΔωα)とを加算した挟み込み量(回転速度変動量ΣΔω)を、挟み込み判定に用いている。
すなわち、本実施形態においては、この回転速度変動量ΣΔωが挟み込み判定しきい値βを超えたか否か判別され、回転速度変動量ΣΔωが、挟み込み判定しきい値βを超えた場合に挟み込みが検出(確定)される。
なお、本実施形態においては、挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβをpパルス信号前からの平均回転速度差Δωaveに遅れ期間に相当するパルス信号数を乗じることにより算出しているが、これに限らず、実情に沿うように適宜な方法によって挟み込み推定量を算出すればよい。
例えば、平均回転速度差Δωaveの大きさに応じて段階的に回転速度変動量ΣΔωβを設定しておいてもよいし、平均回転速度差Δωaveの大きさに応じて乗算するパルス信号数を異ならせて設定しておいてもよい。
なお、本実施形態においては、挟み込み量として回転速度ωの変動量を用いているが、これに限らず、他の変動量を挟み込み量として用いてもよい。例えば、ウインドウガラス11の移動速度の変動量や、機構部分の移動変動量等を用いてもよい。
図7に、回転速度ΣΔω(回転速度差Δωの累積値)及び挟み込まれた異物に掛かる挟み込み荷重の変動を示す。
線A,線Bは、回転速度ΣΔω,挟み込み荷重の変化をそれぞれ示している。
図7に示すように、パルスカウントP1時点で挟み込みが開始され、算出された回転速度ΣΔωに挟み込みによる回転速度低下の影響が現れるのは、遅れ期間Tdが経過したパルスカウントP2時点である。
しかしながら、図7の例では、パルスカウントP2時点以降のパルスカウントP3時点では、その時点での回転速度変動量ΣΔωαに挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβを加算した回転速度変動量ΣΔωをもとに挟み込みが発生したか否かを判定する。
したがって、パルスカウントP3時点では、回転速度変動量ΣΔωαに対応する挟み込み検出荷重Fαと回転速度変動量ΣΔωβに対応する遅れ荷重(挟み込み推定量)Fβの総和が、挟み込み荷重Fとして異物に掛かっているものとみなされる。
このように、挟み込みによる回転速度低下の影響が現れたパルスカウントP2時点以降の回転速度変動量ΣΔωαに、それ以前の挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβを加味して挟み込み判定を行う場合には、実際に異物に掛かっている挟み込み荷重に近い値に対応する挟み込み量で挟み込み判定することができるので、異物への挟み込み荷重が過大なものとなってしまうことを回避することが可能である。
また、軟らかいものを挟み込んだ場合には、異物の挟み込み当初は、異物が変形してしまうので挟み込み負荷はほとんど増大せず、異物がある程度変形した後に挟み込み負荷が増大し始める。すなわち、挟み込み当初は回転速度ΣΔωに挟み込みによる影響が現れない。
また、ウインドウガラス11を昇降させる昇降機構2には、遊びやガタがあるため、挟み込み当初は、この遊びやガタによって回転速度ΣΔωの低下が吸収され、回転速度ΣΔωに挟み込みの影響が現れる時期が遅れる。
したがって、異物が挟み込まれていても、異物が変形する期間や、遊びやガタで回転速度ΣΔωの低下が吸収される期間を含めてある程度時間が経過しないと挟み込みの開始が検出されないため、実際に挟み込みが開始してから回転速度変動量ΣΔωαが挟み込み判定しきい値βを超えるまでには比較的長い時間を要し、この間、異物は挟み込み状態に保持されたままとなってしまうことになる。
しかしながら、本実施形態においては、挟み込みの開始が検出される直前の挟み込み量である回転速度変動量ΣΔωβを推定し、回転速度変動量ΣΔωαと回転速度変動量ΣΔωβの加算値に基づいて挟み込みを判定(確定)する構成であるので、回転速度変動量ΣΔωβを加算した分だけ早期に挟み込み判定が行われることになる。
つまり、この回転速度変動量ΣΔωβは、作動状態に基づいて識別可能な回転速度変動量ΣΔωαを算出する以前に生じている作動状態に基づいては、直接識別不能な挟み込み量である。
これにより、本実施形態においては、異物を比較的長い時間挟み込み状態に保持することなく、早期に挟み込み状態から開放することができる。
次に、図8乃至図10に基づいて、本例のコントローラ31の挟み込み判定処理について説明する。
なお、パワーウインドウ装置1の挟み込み判定処理の遅れ補正量算出に影響を与える外乱としては、通常の外乱である摺動抵抗や経年変化、車両速度、スタータやワイパ等の電気機器の作動、走行振動等、様々なものが考えられるが、本実施形態においては、車両ドアの開閉動作によるものを例示する。
本実施形態に係るコントローラ31は、まず、回転検出装置25から受け取ったパルス信号に基づいて、モータ20の回転速度データの更新を行う(ステップS1)。
具体的には、コントローラ31は、まず回転検出装置25から受け取ったパルス信号を信号処理してパルスエッジを検出する。そして、パルスエッジを検出する毎に、前回検出されたパルスエッジと今回検出されたパルスエッジとのパルス幅(時間間隔)Tを算出してメモリ内に順次格納していく。
本実施形態においては、パルス幅Tは、新たなパルスエッジが検出される度に順送りに更新されていき、最新の4つのパルス幅T(0)〜T(3)が記憶される。
すなわち、パルスエッジが検出されると、新たにパルス幅T(0)を算出すると共に、前回のパルス幅T(0)〜T(2)を1ずらして、それぞれパルス幅T(1)〜T(3)として記憶し、前回のパルス幅T(3)を消去する。
そして、コントローラ31は、時間的に連続するn個のパルスエッジのパルス幅Tの総和(パルス周期P)の逆数から回転速度ωを算出する。この回転速度ωは実際の回転速度に比例する値である。
本実施形態においては、現パルスエッジから4パルスエッジ前までのパルス幅T(0)〜T(3)によって(平均)回転速度ω(0)が算出される。そして、次のパルスエッジを検出すると、新たに算出されたパルス幅T(0)〜T(3)によって回転速度ω(0)が更新される。このとき、前回の回転速度ω(0)は回転速度ω(1)として記憶される。
このようにして、コントローラ31内には、パルスエッジを検出する度に(所定移動量毎に又は所定回転角毎に)更新される最新の8つの回転速度ω(0)〜ω(7)が常時記憶される。このように、複数のパルス幅Tによって回転速度ωを算出することにより、受信する各パルス信号出力のセンサDutyのばらつきを相殺し、誤差変動分が相殺された回転速度を算出することができる。
また、本実施形態では、パルス幅T(0)〜T(3)によって回転速度ωを算出しているが、さらにこのようにして算出したm個の連続した回転速度を平均して、より平均化された回転速度ωを算出するようにしてもよい。
次に、コントローラ31は、この回転速度ωから回転速度差(回転速度変化率)Δω(0)を算出する(ステップS2)。
具体的には、回転速度ω(0)〜ω(3)を現ブロックデータ、回転速度ω(4)〜ω(7)を前ブロックデータとし、それぞれのブロック内データの和を差し引く処理を行っている。
すなわち、回転速度差Δωは、回転速度ω(4)〜ω(7)の和から回転速度ω(0)〜ω(3)の和を引くことにより算出され、パルスエッジを検出する度に(所定移動量毎に又は所定回転角毎に)、回転速度差Δω(0)〜Δω(q)(ただし、q≧p)が順送りで更新されていく。
なお、算出された値を加算したデータ数(本例では4)で除してもよい。このように、複数の回転速度ωによって回転速度差Δωを算出することにより、回転速度ω間の位相差を相殺することができる。
そして、本実施形態のコントローラ31は、ウインドウガラス11の所定位置を基準として、算出された回転速度差Δω(0)を加算して回転速度変動量ΣΔωを算出する(ステップS3)。このように、回転速度差Δω(0)が更新される毎にこれを累積していくことによって、基準位置に対する回転速度ωの差が算出される。
次に、算出された回転速度差Δω(0)が外乱判定しきい値γを正側に超えているか否かが判別される(ステップS4)。
車両が段差に乗り上げたり、ウインドウガラス11が閉められたりすると、このような外乱によってウインドウガラス11に衝撃が加わり、その結果、モータ20の回転速度に影響が及ぶ場合がある。
本実施形態では、この処理により外乱によって挟み込みを誤検出してしまうことを防止している。
図9に示すように、外乱が加わると、回転速度差Δωは、通常、正負に大きな値をとる。
正側に回転速度差Δωが振れることは、ウインドウガラス11を閉める方向にモータ20の回転が加速されることを意味し、反対に、負側に回転速度差Δωが振れることは、モータ20の回転が減速されることを意味する。
よって、負側に回転速度差Δωが振れることは、挟み込みを擬似するものとなる。ここで、外乱判定しきい値γは、正側に設定された値であり、本実施形態に係るコントローラ31では、回転速度差Δωがこの外乱判定しきい値γを正側に超えた場合は、外乱が生じたものと判定する。
外乱が生じたと判定された場合(ステップS4;有)、コントローラ31は、挟み込み判定しきい値βを負側に増大させた後(ステップS7)、ステップS8へ移行する。
これにより、引き続いて、外乱によって負側に回転速度差Δωが振れて、挟み込みの開始が検出されたとしても、その後の回転速度差Δωの累積値が増大された挟み込み判定しきい値を超えることがないので、挟み込みの誤判定を防止することができる。
なお、本例では、外乱判定しきい値γが変動判定しきい値αと無関係に設定されているが、例えば、外乱判定しきい値γを変動判定しきい値αの正負を反対にした値に設定してもよい。
ステップS4で外乱が生じたと判定されなかった場合(ステップS4;無)、コントローラ31は、挟み込み開始の判定処理を行う(ステップS5)。
具体的には、回転速度差Δω(0)が変動判定しきい値αを負側に超えた場合は挟み込みの開始と判定され、超えていない場合は挟み込みの開始と判定しない。
挟み込みの開始と判定された場合(ステップS5;有)、ステップS8へ移行する。
一方、挟み込みの開始と判定されなかった場合(ステップS5;無)、ステップS6で回転速度差Δωの累積値と挟み込み判定しきい値βへの初期値の設定が行われる。
具体的には、ステップS3で算出された回転速度変動量ΣΔωが、回転速度ωの初期変動量Sにセットされると共に、挟み込み判定しきい値βが増大されていない通常値に戻される。
このように、外乱期間が終了したと判定されると、挟み込み判定しきい値βが通常値に戻され、通常の処理が行われる。
そして、ステップS8では、累積値の演算が行われる。この処理は、回転速度ωの変動量Sの演算処理であり、ここでは、挟み込みの開始が判定された後の挟み込み量(回転速度変動量ΣΔωα)相当分が算出される。
具体的には、コントローラ31は、挟み込み開始と判定される直前にステップS6でセットされた回転速度ωの初期変動量S(回転速度差Δωの累積値)からステップS3で算出された回転速度差Δωの累積値を差し引いて、回転速度ωの変動量Sを算出する。
したがって、ステップS5で挟み込みの開始と判定されなかった場合は、ステップS8で算出される回転速度ωの変動量Sはゼロとなるが、ステップS5で挟み込みの開始と判定された場合は、ステップS8で算出される回転速度ωの変動量Sは挟み込み開始時からの回転速度ωの変動分となる。
このように制御部3のコントローラ31は、挟み込み量算出手段として機能する。
なお、本実施形態においては、基準値からの変化量の差を算出して、挟み込み開始以降の回転速度ωの変動量(回転速度変動量ΣΔωα)を算出しているが、これに限らず、挟み込み開始が検出されないときには、回転速度差Δωの累積値を初期化し、挟み込み開始が検出されたときには、初期化しないようにして、挟み込み開始検出以降の分についてのみ回転速度差Δωを累積して、これにより回転速度ωの変動量(回転速度変動量ΣΔωα)を算出してもよい。
次に、ステップS9では、挟み込みの開始が判定される以前の遅れ期間Tdにおける挟み込み推定量を加味した回転速度ωの変動量Sの補正処理が行われる(図10参照)。
この処理では、まず現在の回転速度差Δω(0)からpパルスエッジ前の回転速度差Δω(p)までの平均値である平均回転速度差Δωaveが算出され、この平均回転速度差Δωaveが遅れ期間Td中の回転速度差とされる(ステップS21)。
次いで、ステップS22で、ドア開か否かを判定する。
この判定は、コントローラ31に入力される、ドア開閉信号6により行われる。
このドア開閉信号6は、例えば、ドアのカーテシスイッチ等から発信される信号であり、このドア開閉信号6に基づいて、コントローラ31は、ドアの開閉状態を判定することができる。
ドア閉であれば、ステップS23でドア閉用遅れパルス値を選択してステップS25で遅れ補正量を算出する。
ドア開であれば、ステップS24でドア開用遅れパルス値を選択して、ステップS25で遅れ補正量を算出する。
ステップS25では、ステップS21で算出された平均回転速度差ΔωaveにステップS23若しくはステップS24で選択された設定遅れパルス信号数を乗じることにより、遅れ期間Td中の挟み込み推定量である回転速度変動量ΣΔωβが算出される。
このように制御部3のコントローラ31は、挟み込み量推定手段として機能する。
回転速度変動量ΣΔωβが算出されると、ステップS8で算出された回転速度ωの変動量Sに回転速度変動量ΣΔωβを加算する補正処理が行われる(ステップS26)。これにより、挟み込みによる回転速度の実質的な変化分(すなわち、挟み込み荷重分)を確実に算出することができる。
次に、コントローラ31は、ステップS9で算出された回転速度ωの変動量Sが挟み込み判定しきい値βを超えたか否かを判定する(ステップS10)。
このように制御部3のコントローラ31は、挟み込み判定手段として機能する。
回転速度ωの変動量Sが挟み込み判定しきい値βを超えたと判断された場合(ステップS10;有)、コントローラ31は、挟み込み解除処理(ステップS11)を行い、処理を終了する。
挟み込み解除処理では、具体的には、コントローラ31は上述のように異物を解放すべくモータ20を反転させ、ウインドウガラス11を所定量だけ開動作させる。
一方、回転速度ωの変動量Sが挟み込み判定しきい値βを超えていないと判断された場合(ステップS10;無)は、処理をそのまま終了する。
なお、上記実施形態では、変動判定しきい値α,挟み込み判定しきい値β,外乱判定しきい値γをウインドウガラス11の位置によらず一定の値としていたが、これに限らず、ウインドウガラス11の位置によって変動させるように設定してもよい。
また、上記実施形態では、車両のパワーウインドウ装置1に本発明の開閉部材制御装置を適用した例を示したが、これに限らず、サンルーフ開閉装置やスライドドア開閉装置等の開閉部材を開閉駆動する装置に全般に適用してもよい。
以上のように、本実施形態においては、外乱に対するしきい値の補正を行うとともに、回転数の遅れ分を補正するために、回転速度の補正をもまた実行している。
このように、厳格な補正を行うシステムが確定されているため、より確実な挟み込み検知を実行することができる。
本発明の一実施形態に係るパワーウインドウ装置の説明図である。 図1のパワーウインドウ装置の電気構成図である。 ウインドウガラス上昇中に車両ドアの閉動作を行った場合の回転速度変化を示す説明図である。 エンジン始動時の回転速度変化を示す説明図である。 悪路走行中の回転速度変化を示す説明図である。 摺動抵抗による回転速度変化を示す説明図である。 挟み込み推定量を加味した場合の挟み込み判定処理の説明図である。 挟み込み判定の処理フローである。 外乱が生じたときの回転速度差の説明図である。 回転速度変動量の補正処理の処理フローである。
符号の説明
1‥パワーウインドウ装置、2‥昇降機構、3‥制御部、4‥操作スイッチ、
5‥バッテリ、10‥ドア、11‥ウインドウガラス、20‥モータ、
21‥昇降アーム、21a‥ギヤ、22‥従動アーム、23‥固定チャンネル、
24‥ガラス側チャンネル、25‥回転検出装置、31‥コントローラ
32‥駆動回路

Claims (5)

  1. 車両のドアと、該ドアに配設される開閉部材と、該開閉部材を開閉駆動する駆動部と、開閉駆動時の前記開閉部材による異物の挟み込みを検出する挟み込み検出部と、を備えた開閉部材制御装置であって、
    前記挟み込み検出部は、前記開閉部材による異物の挟み込み量を算出する挟み込み量算出手段と、
    該挟み込み量算出手段が挟み込み量を算出する以前の挟み込み量を推定する挟み込み量推定手段と、
    前記挟み込み量算出手段によって算出された挟み込み算出量と前記挟み込み量推定手段によって推定された挟み込み推定量に基づいて異物の挟み込みを確定する挟み込み判定手段と、
    前記ドアの開閉状態を検知するドア開閉状態検知手段と、を備え、
    前記挟み込み量推定手段は、前記開閉部材の閉駆動中に外乱発生の有無を判定し、外乱が有と判定した場合には、検知した外乱に応じて前記挟み込み推定量を補正するとともに、前記ドアの開閉状態に応じて前記挟み込み量算出手段にて算出された前記挟み込み量を補正することを特徴とする開閉部材制御装置。
  2. 前記駆動部の駆動源はモータであり、
    前記外乱は、モータ駆動電圧の変動であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  3. 前記駆動部の駆動源はモータであり、
    前記外乱は、走行振動によるモータ回転速度の変動であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  4. 前記外乱は、前記開閉部材の摺動抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  5. 前記開閉部材は、車両ドアに配設されたウインドウガラスであって、
    前記外乱は、前記車両ドアの開閉動作であることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
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