JP2009074065A - 耐衝撃性に優れたジアリルフタレート系樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性に優れたジアリルフタレート系樹脂組成物 Download PDF

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哲郎 櫻井
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昭 松本
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Katsutoshi Yokoyama
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Abstract

【課題】従来のジアリルフタレート樹脂の電気特性、耐熱性等を損なうことなく耐衝撃性を付与する。
【解決手段】 ジアリルフタレート系樹脂組成物が、(a)ジアリルフタレート樹脂、(b)繊維状材料、および(c)少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基およびソフトセグメントから成る多官能性単量体を含んでなる。一般に、多官能性単量体(c)は、1つのソフトセグメントの末端に少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレートである。ソフトセグメントは、一般に、2〜6価の有機基であり、少なくとも2つの(非環式または環式の)脂肪族炭素原子を有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジアリルフタレート系樹脂組成物に関するものである。
従来、ジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレートから誘導されたプレポリマーを主体とするジアリルフタレート系樹脂は、高温、高湿時の電気特性が優れていることから、高信頼性を要求される電気電子部品用の成形材料、あるいは注型用樹脂に重用され、多年の実績を積んでいる。また、ジアリルフタレート系樹脂は、優れた寸法安定性、耐熱性、耐湿耐水等の特性を有し、積層板用樹脂としても一部使用されている。
近年、電気、電子部品の小型化に伴い、各部品の小型化及び基板上への表面実装技術が急速に進歩し、必然的に耐熱性等の要求特性も厳しくなっている。このような動向の中で、ジアリルフタレート系樹脂の耐熱性が再評価されている。しかしこれらの成形品は、その肉厚を薄くするにつれて熱硬化性樹脂の脆さが問題となってくる。
上記の問題を解決するために、種々検討がなされており、ジアリルフタレートと熱可塑性樹脂の併用に関する検討がなされている。例えば、特開2003−119337号公報にはジアリルフタレート樹脂成形材料の耐衝撃性を付与する方法としてジアリルフタレート樹脂に粒径10〜150μmの熱可塑性ポリウレタン樹脂を用いることが示されている。しかし、ミクロン単位での分散は難しいことなどから十分に高い衝撃吸収効果は得られがたい。
特開2003−119337号公報
ジアリルフタレート樹脂は、他の熱硬化性樹脂と同様に、モノマーあるいは低分子量ポリマー(プレポリマー)を通常は加熱加圧して硬化させ、その後室温まで冷却して成形される。その際に成形品には硬化収縮や冷却収縮によって内部応力が発生する。また、硬化時の架橋密度が高いため引張り操作でもほとんど伸びることなく破断し、いわゆる脆い樹脂となる。このような樹脂は外力、熱衝撃による急激な温度変化における収縮や膨張、あるいは内部応力により樹脂中に存在するクラックが成長し破壊につながりやすい。樹脂を強靭化するということは、破壊時の伸びを長くする、耐磨耗性を向上する等の要素が含まれる。
したがって本発明の目的は、電気特性、耐熱性等を損なうことなく、ジアリルフタレート樹脂に耐衝撃性を付与することにある。
すなわち、本発明の目的は、従来のジアリルフタレート樹脂の優れた特性を保持したまま靭性を付与し、素子封止成形物の表面実装時におけるハンダ浴での熱衝撃よるパッケージクラックの防止、コネクター成形物の2次加工時におけるピン圧入時の割れ防止、その他成形物や積層板の2次加工時における穴あけ加工や曲げ加工におけるクラックの防止等、成形物のクラック発生によるトラブルを防止することで、耐クラック性に優れたジアリルフタレート系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは種々検討の結果、ジアリルフタレート樹脂に、少なくとも2つのα,β-エチレン性二重結合を含有する化合物、すなわち、多官能性単量体を添加することによりジアリルフタレート樹脂の靭性が向上することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、
(a)ジアリルフタレート樹脂、
(b)繊維状材料、および
(c)少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基およびソフトセグメントから成る多官能性単量体
を含んでなるジアリルフタレート系樹脂組成物を提供する。
本発明による樹脂組成物は、従来の成形材料用ジアリルフタレート系樹脂組成物に比較して脆さが改善され、成形物のクラック発生によるトラブルを防止することができる。従って電気、電子部品の小型化に伴う薄い肉厚の成形品等の用途に特に有用である。
以下、本発明のジアリルフタレート組成物について具体的に説明する。
(a)ジアリルフタレート樹脂
本発明においてジアリルフタレート樹脂(a)は、単量体であるジアリルフタレートを重合させて得られた、β-ポリマーであるジアリルフタレートプレポリマーである。異性体として、オルソタイプ(すなわち、オルソジアリルフタレートプレポリマー)、メタタイプ(すなわち、メタジアリルフタレートプレポリマー)、パラタイプ(すなわち、パラジアリルフタレートプレポリマー)がある。これらのいずれか1種、もしくは2種以上を併用して用いる。成形品に高い耐熱性が要求される場合は、メタタイプまたはパラタイプを用いることが望ましい。あるいは、オルソタイプとメタタイプまたは、オルソタイプとパラタイプを例えば10〜90:90〜10(重量比)、特に50:50(重量比)に混合して用いることもできる。
ジアリルフタレート樹脂(a)の性状については特に限定されないが、ジアリルフタレート樹脂の重量平均分子量が3000〜500000、特に5000〜100000であることが好ましい。ジアリルフタレート樹脂は、重量平均分子量10000〜70000、ヨウ素価50〜90、軟化範囲50〜120℃であることが特に好ましい。
また、ジアリルフタレート樹脂と相溶する化合物、たとえば、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレートモノマー(オルソ、メタ、パラ)等を成形の流動性を調整する等の目的で使用することも可能である。相溶性化合物の量は、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは3〜900重量部、特に10〜200重量部である。
(b)繊維状材料
本発明で使用できる繊維状材料(b)としては、無機、有機のいずれを問わず使用できる。具体的には例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックからなる繊維等の無機繊維、アラミドやポリエステル等からなる有機繊維、天然繊維等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、繊維状材料の形態は、ロービング、クロス、マット、織物、チョップドロービング、チョップドストランド等が挙げられるが、特に限定されるものではない。繊維状材料の太さは、一般に1〜40マイクロメートルである。繊維状材料は、単独で用いてもよく二種類以上を混合して用いても良い。
繊維状材料(b)の配合量は、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは20〜400重量部である。
(c)多官能性単量体
多官能性単量体(c)は、一般に、少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基および1つのソフトセグメントから成る。一般に、多官能性単量体(c)は、1つのソフトセグメントの末端に少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレートである。
ソフトセグメントは、一般に、2〜6価の有機基、特に2価の鎖状の有機基である。ソフトセグメントは少なくとも2つ、好ましくは2〜200、特に5〜100の(非環式または環式の)脂肪族炭素原子を有することが好ましい。ソフトセグメントの主鎖において、少なくとも2つ、例えば2〜100の(非環式または環式の)脂肪族炭素原子が存在することが好ましい。
ソフトセグメントはエーテル構造を有するものが好ましい。
多官能性単量体(c)は、2つの(メタ)アクリロイル基を有するジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基および1つのソフトセグメントを有する多官能性単量体(c)として、
一般式(I):
Figure 2009074065
[式中、それぞれのRは水素原子またはメチル基で同一でも異なってもよく、
Xはソフトセグメントである。]
を例示することができる。
ソフトセグメントとしては、(i)ポリエーテル基、および(ii)末端(すなわち、カルボニル基に結合する末端)にエーテル構造を有する炭化水素基(特に、ハイドロカーボンオキシ基)を例示することができる。ハイドロカーボンオキシ基とは、ハイドロカーボン基(炭化水素基)に酸素原子が直接に結合している基である。
ソフトセグメントが、ポリエーテル基である場合には、脂肪族ポリエーテル基であることが好ましく、ポリオキシアルキレン基(例えば、アルキレンの炭素数2〜5、オキシアルキレン繰り返し単位の数2〜100)、特にポリオキシエチレン基またはポリオキシプロピレン基であることがさらに好ましい。
ソフトセグメントが、末端にエーテル構造を有する炭化水素基である場合には、オキシアルキレン基(アルキレンの炭素数1〜10、特に2〜8)であることが特に好ましい。
X(ソフトセグメント)の例は次のとおりである。

Figure 2009074065

[上記式中、Rは、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基)、
Bpは、ビスフェノールAまたは水素化ビスフェノールA、
mは1〜10の数、nは1〜30の数、pは1〜10の数、qは0〜10の数である。]
ソフトセグメントがポリエーテル基である多官能性単量体(c)の具体例としては、例えば、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
が挙げられる。これらを1種類以上用いることができる。
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
が好ましく、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
ソフトセグメントが末端にエーテル構造を有する炭化水素基である多官能性単量体(c)の具体例としては、例えば、
エチレンジ(メタ)アクリレート、
1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、
2−メチル−1,8−オクタンジオール(メタ)アクリレート、
3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、
トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、
トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
グリセロールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレンジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
エチレングリコール変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコール変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコール変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコール変性水素化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンポリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンポリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらを1種類以上用いることができる。
多官能性単量体(c)の平均分子量は、好ましくは100〜4000、より好ましくは200〜2000である。
電気特性を低下させることなく機械的特性を向上させるためにはジアリルフタレート樹脂100重量部に対して、0.5〜50重量部、1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。この量範囲では、機械的特性が向上し、成形性が良好である。より好ましくは2〜15重量部である。
本発明の樹脂組成物は、硬化剤を添加して、硬化される。必要に応じて硬化促進剤、硬化遅延剤、重合禁止剤を用いてもよい。硬化促進剤は硬化をより早く行なうために添加され、硬化遅延剤は硬化時間を調整する(一般に、硬化時間を長くする)必要がある場合に添加される。
本発明の組成物は、従来のジアリルフタレート系樹脂組成物の場合と同様に所望により、例えば充填剤、内部離型剤、カップリング剤、顔料、難燃剤、その他の添加剤を本発明組成物の物性を損なわない範囲で配合して、成形加工性または成形品の物性を改善できる。
硬化剤
硬化剤としては、過酸化ジ−tert−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ-(tert-ブチルペルオキシ)−ヘキサン、1,3−ビス−(tert−ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)−ヘキシン−3、過酸化ジクミル等の過酸化ジアルキル類や過酸化ジアリール類;メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルトキシドの如きケトンペルオキシド;1,1−ビス(tert-ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの如きペルオキシケタール;クメンヒドロペルオキシドの如きヒドロペルオキシド;過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイルの如き過酸化ジアロイルや過酸化ジアシル;ジイソプロピルペルオキシカーボネートの如きペルオキシカーボネート;tert−ブチルペルオキシアセテート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシオクトエ-ト、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネートの如きペルオキシエステルが例示でき、更に上記有機過酸化物以外のアゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ化合物も同様に用いることができる。
実用上は、過酸化ジクミル、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、過酸化ベンゾイル等のような、通常ジアリルフタレート系樹脂に使用されている過酸化物がそのまま適用される。
硬化剤の配合量は、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
硬化促進剤
硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸銅、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸コバルト等の金属石鹸類、ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジ(ヒドロキシ)4−メチルアニリン等のアミン類、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド等のβ−ジケトン、β−ケトエステル、β−ケトアミド類、五酸価バナジウム等の酸化物が挙げられる。硬化促進剤の使用量としては、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、一般に5重量部以下、好ましくは、0.2〜3重量部、より好ましくは0.4〜2重量部である。
硬化遅延剤
硬化遅延剤としては、キノン系、ハイドロキノン系のいずれでも使用することができる。キノン系としては、p-ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、メチルp-ベンゾキノン等がある。ハイドロキノン系としては、ハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルハイドロキノン等が挙げられる。
これら硬化遅延剤の使用量は、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、1重量部以下、0.001〜0.1重量部である。
顔料
顔料としては、有機顔料、無機顔料のいずれでも使用できる。例えば、有機顔料としてはベンジシンエロー、ハンザエロー、リソールレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどがあげられる。また、無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛化、鉛白、群青、コバルトブルーなどが挙げられる。
充填剤
本発明の成形材料組成物には、成形材料に使用される公知の充填剤が使用される。これらの充填剤は用途により選択することができる。具体的には、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ガラスパウダー、アルミナ、クレー、タルク、珪砂、珪藻土等の無機系充填剤、及び、ポリマービーズ等の有機系充填剤が挙げられる。水酸化アルミ、シリカ、ガラスパウダーが好ましい。
充填剤の配合量は、ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、一般に500重量部以下、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは20〜200重量部である。
本発明の組成物は、一般に、成形に用いる。
本発明組成物の成形方法としては、従来のジアリルフタレート系樹脂と同様な公知の成形方法及び成形条件がそのまま適用できる。
すなわち、
(1)本発明組成物を金型に注入して硬化させる注型法、
(2)該組成物を加熱して流動状態とし、これを金型に入れて加熱硬化させる射出成形法または移送成形法、
(3)該組成物を金型中で加熱加圧して硬化させる圧縮成形法、
(4)該組成物を適当な溶剤に溶解させ、繊維状シートに含浸させ、乾燥し、必要に応じて加圧条件下で、繊維状シート中で樹脂を硬化させる積層板成形法、
(5)該組成物の微粉末もしくは溶液を基材に塗布し、基材上で硬化させる塗装法、
(6)該組成物溶液を印刷紙等に含浸させ、乾燥基板上で加熱加圧して硬化させる化粧板成形法等の成形方法が例示できる。上記成形に際して金型温度としては約60〜220℃が例示できる。また、射出成形する場合の圧力としては約5〜500kg/cmが例示できる。
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1〜8および比較例1〜2
表1に示す配合からなる組成物を95〜100℃で混練後し冷却後粉砕して成形材料とした。得られた成形材料からJISK6911にしたがってテストピースを作成し、表2に示す結果を得た。
試験は、次のようにして行った。
曲げ強度(MPa):
JIS K−6911に準拠し、曲げ強度測定機(株式会社 東洋精機製作所製 STROGRAPH W)を用いて測定した。
曲げ弾性率(GPa):
JIS K−6911に準拠し、曲げ強度測定機(株式会社 東洋精機製作所製 STROGRAPH W)を用いて測定した。
荷重たわみ温度(℃):
JIS K-6911に準拠し、ヒートディストーション(HDT)テスター(株式会社 東洋精機製作所製 ヒートデストーションテスター S3−FH)を用いて測定した。
シャルピー衝撃強度(kJ/m):
JIS K−6911に準拠し、シャルピー衝撃試験機(株式会社 東洋精機製作所製 シャルピー試験機)を用いて測定した。
体積抵抗率(Ω・cm):
体積抵抗率を、初期と、水中で100℃で2hr煮沸後に測定した。JIS K−6918に準拠し、絶縁抵抗測定器(株式会社 川口電機製作所製 絶縁計 R−503)を用いて測定した。
耐トラッキング性(V):
IEC Publ.112に準拠し、耐トラッキング性試験装置(日立化成工業株式会社製 HAT−500)を用いて測定した。
Figure 2009074065
Figure 2009074065

Claims (9)

  1. (a)ジアリルフタレート樹脂、
    (b)繊維状材料、および
    (c)少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基およびソフトセグメントから成る多官能性単量体
    を含んでなるジアリルフタレート系樹脂組成物。
  2. ジアリルフタレート樹脂(a)について、重量平均分子量5000〜100000、ヨウ素価50〜90、軟化範囲50〜120℃である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 繊維状材料(b)が、ロービング、クロス、マット、織物、チョップドロービングまたはチョップドストランドの形態である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 多官能性単量体(c)が、一般式(I):
    Figure 2009074065
    [式中、Rは水素原子またはメチル基、Xはソフトセグメントである。]
    で示される単量体である請求項1〜3いずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 多官能性単量体(c)において、ソフトセグメントがポリエーテル基またはハイドロカーボンオキシ基である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 多官能性単量体(c)において、ソフトセグメントがポリオキシアルキレン基(アルキレンの炭素数2〜5、オキシアルキレン繰り返し単位の数2〜100)、またはオキシアルキレン基(アルキレンの炭素数1〜10)である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 重合性単量体(c)の重量平均分子量が100〜4000である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
  8. ジアリルフタレート樹脂(a)100重量部に対して、繊維状材料(b)の量が10〜500重量部であり、多官能性単量体(c)の量が1〜20重量部である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 成形材料用である請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
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