JP2009074028A - 活性エネルギー線硬化型塗料組成物とその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ラジカル重合性化合物100質量部に対し、(B)特定のヒンダードアミン系光安定剤0.1〜5質量部、(C)ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤1〜20質量部、が配合された活性エネルギー線硬化型塗料組成物;(A)として変性モノ又はポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
【選択図】なし
Description
また、本発明における(A)ラジカル重合性化合物は、(a−1)式(2)に示すモノ又はポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート10〜70質量%、(a−2)1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート5〜50質量%、(a−3)ラジカル重合性基含有無機微粒子10〜50質量、(a−4)前記(a−1)、(a−2)、(a−3)以外の重合性化合物0〜75質量%を含む混合物であることが耐摩耗性の観点からより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物を構成するラジカル重合性化合物(以下「(A)成分」という)としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能もしくは多官能モノマーまたはオリゴマー、ラジカル重合性基含有無機微粒子などが挙げられる。
式(2)で示されるモノ又はポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート(以下「(a−1)成分」という)は、活性エネルギー線の照射により良好な重合活性を示し、高度な架橋密度を有する耐摩耗性に優れた重合物を形成する。
1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート(以下「(a−2)成分」という)は、塗料組成物の硬化物の強靭性、可とう性、耐熱性及び耐侯性を向上させる成分である。ヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートと分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とのウレタン化反応生成物、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物にポリオール化合物を反応させて付加体を合成した後、残ったイソシアネート基にヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリレートを付加させたウレタン化反応生成物等が挙げられる。後者のウレタンポリ(メタ)アクリレートが、塗料組成物の硬化物の強靭性や可とう性をより向上することができて好ましい。また、塗料組成物を硬化させた被膜の基材への密着性が向上させるという点で、これらのGPCによる重量平均分子量は1,000〜5,000のものがより好ましい。
前記の(a−1)、(a−2)以外の重合性化合物としては、ラジカル重合性基含有無機微粒子や、後で例示する(a−4)成分等が挙げられる。その使用割合は、(A)成分の合計量100質量%中0〜85質量%の範囲であることが好ましい。下限値は5質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。上限値は70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
ラジカル重合性基含有無機微粒子(以下「(a−3)成分」という)としては、ラジカル重合性を有する有機被覆シリカが好ましく、公知の方法で合成することができる。(a−3)成分は、耐摩耗性を付与させる目的で用いる。(a−3)成分の使用割合は、(A)成分の合計量100質量%中、10〜50質量%の範囲内が好ましい。下限値は15質量%以上がより好ましく、上限値は30質量%以下がより好ましい。(a−3)成分の使用割合が10質量%以上の場合、耐摩耗性が良くなる。また、50質量%以下の場合、塗膜の耐候性が良くなる。
(a−1)、(a−2)、(a−3)以外の重合性化合物(以下「(a−4)成分」という))としては、先に(A)成分として例示した化合物の中で、(a−1)、(a−2)、(a−3)成分以外の化合物を挙げることができる。(a−4)成分の使用割合は、(A)成分の合計量100質量%中0〜75質量%の範囲であることが好ましい。下限値は5質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。上限値は55質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物を構成する式(1)で示される化合物(以下「(B)成分」という)は、ヒンダードアミン系光安定剤であり、樹脂成分の劣化により生じたラジカルを捕捉することにより、耐候性を高める成分であって、塗膜からブリードアウトしにくい性質があり、長期間に渡って塗料組成物の硬化物に耐候性を付与する。1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとを縮合して得ることが好ましい。市販品としては、アデカスタブLA−63((株)ADEKA)が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型塗料組成物を構成するヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(以下「(C)成分」という)は、太陽光中の紫外線を吸収し、基材を保護し、耐候性を高める成分である。ヒドロキシフェニルトリアジン型紫外線吸収剤はベンゾフェノン型紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤などに比べて、塗料組成物の硬化物からブリードアウトしにくい性質があるため、長期間に渡って耐候性を付与する。
JIS K7204「プラスチック−摩耗輪による摩耗試験方法」に準拠し、ROTARY ABRASION TESTER((株)東洋精機製)を使用し摩耗輪CS−10F、4.9N(500gf)荷重にて100回転、及び500回転摩耗した後、ヘイズメーター(HM−65W、(株)村上色彩技術研究所製)にてヘイズ値を測定し、耐摩耗性の判定を行った。耐摩耗性の判定基準は次の通りである。
100回転摩耗時
○ 増加ヘイズ値=0以上5.0未満
× 増加ヘイズ値=5.0以上
500回転摩耗時
◎ 増加ヘイズ値=0以上25.0未満
○ 増加ヘイズ値=25.0以上40.0未満
× 増加ヘイズ値=40.0以上
スクラッチ試験器(KASAI.CO.LTD製)を使用し、スチールウール:ボンスター業務用、#000(極細)、ボンスター販売株式会社製、荷重:21.6kPa、スクラッチ速度:4cm/秒、スクラッチ距離(片道):6cmの条件にて、50往復した後、ヘイズメーター(HM−65W、(株)村上色彩技術研究所製)にてヘイズ値を測定し、耐擦傷性の判定を行った。耐擦傷性の判定基準は次の通りである。
○ 増加ヘイズ値=0以上1.0未満
× 増加ヘイズ値=1.0以上
サンシャインカーボンウエザオメーター(スガ試験機(株)製、WEL−SUN−HC−B型)耐候試験機を用いて、ブラックパネル温度63±3℃、照射+降雨12分間、照射のみ48分のサイクルで試験した。2000時間曝露後の硬化被膜の変化を観察し、密着性を試験した。
クラック、白化、クモリ及び硬化被膜の剥離について、発生しなかったものを○とし、発生したものを×とした。
ヘイズメーター(HM−65W、(株)村上色彩技術研究所製)を用いて試験前後のヘイズ値を測定した。
◎ 増加ヘイズ値=0以上2.0未満
○ 増加ヘイズ値=2.0以上5.0未満
× 増加ヘイズ値=5.0以上
瞬間マルチ測光システム(MCPD−3000、大塚電子(株)製)を用いてイエローインデックス値を測定した。
◎ 増加イエローインデックス(YI)値=0以上1.0未満
○ 増加イエローインデックス(YI)値=1.0以上5.0未満
× 増加イエローインデックス(YI)値=5.0以上
硬化被膜に1mm間隔で基材まで達するクロスカットを入れ、1mm2の碁板目を100個作り、その上にセロハンテ−プ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」)を貼り付け急激にはがし、剥離した碁盤目を数えた。剥離が無いものを◎し、剥離した碁盤目が1〜10個の範囲のものを○、剥離を生じた碁盤目が11〜100個のものを×とした。
ラジカル重合性基含有無機微粒子{(a−3)成分}の合成
攪拌機、温度計及びコンデンサーを備えた3リットルの4ツ口フラスコに、メタノールシリカゾル(分散媒;メタノール、SiO2濃度;30質量%、一次粒子径;12nm、商品名;MT−ST、日産化学工業(株))(以下、「MT−ST」と略記)1200g(SiO2分として360g)と、有機シラン化合物としてγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:SZ6030、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)230gを入れ、攪拌しながら昇温させ、揮発成分の還流が始まると同時に純水100gを徐々に滴下させ、滴下終了後、還流下で2時間攪拌しながら加水分解を行った。
表1に示す配合比で塗料組成物を調製し、厚さ3mmのポリカーボネート樹脂板(GE社製、商品名:「レキサンLS−2」)に、硬化後の被膜が8μmになるようにスプレー塗装した。オーブン中で80℃、3分間加熱処理することにより有機溶剤分を揮発させた後、空気中で高圧水銀ランプを用い、波長340nm〜380nmの積算光量が3000mJ/cm2{(株)オーク製作所製紫外線光量計UV−351(SN型)での測定値}のエネルギーを照射し、硬化被膜を得た。得られた硬化被膜の評価結果を表1に示した。
DPCA20:1分子中あたり2個のカプロラクトンにより変性されたジペンタエリスリトールヘキサアクリレート{商品名「カヤラッドDPCA−20」、日本化薬(株)}
UA1:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート2mol、ノナブチレングリコール(重量平均分子量850)1mol及び2−ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成したウレタンアクリレート。
UA2:ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート2mol、ポリカプロラクトンジオール(重量平均分子量530、商品名「プラクセル−205」、ダイセル化学工業(株))1mol及び2−ヒドロキシエチルアクリレート2molから合成したウレタンアクリレート。
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
NDDA:1,9−ノナンジオールジアクリレート
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
LA63:式(1)で示される化合物{商品名「アデカスタブLA−63P」((株)ADEKA)}
LS292:ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとの混合物{商品名「サノールLS−292」三共ライフテック(株)}
LA68:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物{商品名「アデカスタブLA−68LD」((株)ADEKA)}
チヌビン123:デカンジカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−1−オクトキシ−4−ピペリジノールとのジエステル化合物と1,1−ジメチルエチルヒドロパーオキシドとオクタンとの反応生成物{商品名「チヌビン123」(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))}
LA52:テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート
OHBT:2−[4−(オクチル−2−メチルエタノエート)オキシ−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−[ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン{商品名「チヌビン479」(チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))}
HBPB:2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
DHBP:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン{商品名「ユビナール3000」(ビーエーエスエフジャパン(株))}
BNP:ベンゾフェノン
MPG:メチルフェニルグリオキシレート
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
BYK340:フッ素系レベリング剤{商品名「BYK−340」、ビックケミー・ジャパン(株)}
BYK333:シリコーン系レベリング剤{商品名「BYK−333」、ビックケミー・ジャパン(株)}
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
MIBK:メチルイソブチルケトン
Claims (5)
- (A)ラジカル重合性化合物が、
(a−1)下記式(2)に示すモノ又はポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート10〜70質量%、
(a−2)1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート5〜50質量%、
前記(a−1)、(a−2)以外の重合性化合物0〜85質量%
を含む混合物である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
- (A)ラジカル重合性化合物が、(a−3)ラジカル重合性基含有無機微粒子を10〜50質量%含む混合物である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
- (A)ラジカル重合性化合物が
(a−1)下記式(2)に示すモノ又はポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート10〜70質量%、
(a−2)1分子内に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタンポリ(メタ)アクリレート5〜50質量%、
(a−3)ラジカル重合性基含有無機微粒子10〜50質量、
(a−4)前記(a−1)、(a−2)、(a−3)以外の重合性化合物0〜75質量%
を含む混合物である請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型塗料組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー型硬化性塗料組成物の硬化物。
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