JP2009070019A - 農作物の生産履歴管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の栽培区画を有する農場において、生産履歴の入力作業負担を軽減する。
【解決手段】 データ記録手段300内に、各区画ごとのデータ格納部A101〜A104を設ける。生産者は、特定の区画で特定の作物の栽培を開始もしくは終了する際に、入力部110,120から日付および区画を指定する入力を行い、登録部130に対して、作物の個体識別情報を入力する。入力されたデータは、当該区画の甲欄に格納される。肥料や農薬を与えた場合は、入力部110,120から日付および区画を指定する入力を行い、登録部140に対して、生産履歴情報(肥料や農薬の情報)を入力する。入力されたデータは、当該区画の乙欄に格納される。端末10,20から、個体識別情報を特定した履歴要求があると、データ検索手段200は、データ記録手段300内を検索し、甲欄と乙欄とのデータを合成して検索対象となる作物の生産履歴を提示する。
【選択図】図3

Description

本発明は、農作物の生産履歴管理システムに関し、特に、複数の栽培区画を有する農場から生産される作物についての生産履歴を記録し、必要に応じて、個々の作物の生産履歴を閲覧可能にする管理システムに関する。
食材に関する安全性への関心は、近年、急速に高まりつつあり、生産者から消費者への流通経路における食材のトレーサビリティを確保するための様々なシステムが提案されている。たとえば、下記の特許文献1には、非接触型ICタグを食肉に取り付け、暗号化したデータを書き込むことにより、流通過程におけるデータの偽造や改竄を防止することができる食肉のトレーサビリティシステムが開示されている。また、特許文献2には、鶏卵を出荷する際に、集卵した鶏舎に関する情報をコード化した識別コードを付加することにより、鶏卵に関するトレーサビリティを確保するシステムが開示されている。
一方、農作物のトレーサビリティを確保する技術として、下記の特許文献3には、個々の圃場ごとに栽培作物の種類、種まき、施肥、防除、収穫などのデータを記録するための品質管理データベースを用意し、その内容をインターネットで公開することにより、最終消費者に農作物のトレーサビリティを提供するシステムが開示されている。また、特許文献4および5には、その改良技術として、FAX等の通信手段を利用してデータ入力を簡便にする手法や、最終消費者が品質保証番号をキーにして、作物の生産履歴に関する情報にアクセスできるようにする手法が開示されている。
特開2004−43143号公報 特開2006−18420号公報 特開2004−334446号公報 特開2005−31757号公報 特開2005−31875号公報
一般消費者の食材に関するトレーサビリティへの要望は益々高まってきており、スーパーマーケットなどで購入した食材が、単に、どの生産者によって生産された商品であるかを知るだけでは物足りず、より詳細な生産履歴に関する情報開示が求められている。たとえば、農作物に関しては、手にした食材がいつ収穫されたものか、どのような肥料が用いられたか、どのような農薬がどの程度使用されたか、といった詳細な生産履歴まで開示するような要望が高まってきている。
このような要望に応えるためには、生産者が個々の食材を生産する過程において、開示対象となる個々の生産履歴情報をシステムに入力してゆく必要がある。しかしながら、生産者にとって、本来の生産業務に加えて、このような生産履歴情報をシステムに逐一入力する作業の負担は軽視できない。一般に、農産物生産に従事する生産者は、比較的小規模な事業体であることが多く、コンピュータを利用したシステムの操作に精通する人材も少ないのが実情であり、このような小規模な農業生産者にとって、生産履歴情報を入力する作業負担は重いものにならざるを得ない。
特に、野菜や葉物などの農作物は、複数の栽培区画を有する農場から生産されることが多い。したがって、少量多品種からなる農作物を複数の栽培区画を利用して生産しているような農家では、個々の栽培区画ごとに生産履歴情報を入力する作業が必要になり、その作業負担は極めて重いものになる。
そこで本発明は、複数の栽培区画を有する農場から生産される農作物についての生産履歴を管理する機能を果たしつつ、生産履歴の入力作業負担を軽減することが可能な農作物の生産履歴管理システムを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、複数の栽培区画を有する農場から生産される農作物についての生産履歴を管理する農作物の生産履歴管理システムにおいて、
端末装置からの指示に基づいて、生産履歴に関する種々のデータを入力するデータ入力手段と、
入力されたデータを記録するデータ記録手段と、
端末装置からの指示に基づいて、データ記録手段内を検索して、検索対象作物に関する生産履歴を、端末装置の画面上に提示するデータ検索手段と、
生産された個々の作物からなる商品に付与する個体識別情報が記録された媒体を発行する媒体発行手段と、
を設け、
データ記録手段には、
1つの栽培区画に関するデータを格納するための区画データ格納部が、個々の栽培区画ごとにそれぞれ対応づけて設けられており、
各区画データ格納部は、当該栽培区画で生産される作物の個体識別情報を記録するための個体識別情報記録領域と、当該栽培区画で生産される作物の生産履歴情報を記録するための生産履歴情報記録領域と、を有し、
データ入力手段は、
端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、特定の指定日付を入力する指定日付入力部と、
端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、特定の指定区画を入力する指定区画入力部と、
端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、指定区画入力部が入力した指定区画に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域に、所定の個体識別情報を、指定日付入力部が入力した指定日付に基づいて決定される特定の栽培期間に対応づけて登録する個体識別情報登録部と、
端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、指定区画入力部が入力した指定区画に対応する区画データ格納部内の生産履歴情報記録領域に、所定の生産履歴情報を、指定日付入力部が入力した指定日付に対応づけて登録する生産履歴情報登録部と、
を有し、
データ検索手段は、
検索対象作物に付与されている特定の個体識別情報を端末装置から入力し、特定の個体識別情報が個体識別情報記録領域内に登録されている区画データ格納部の区画を検索対象区画と認識し、検索対象区画についての個体識別情報記録領域の記録内容に基づいて、検索対象作物の当該栽培区画における栽培期間を認識し、検索対象区画についての生産履歴情報記録領域の記録内容のうち栽培期間内の日付に対応づけて登録されている情報を、検索対象作物に関する検索結果として提示するようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定日付入力部が、端末装置の画面上にカレンダーを表示し、オペレータによるこのカレンダー上の特定日付のクリック操作に基づいて、指定日付の入力を行うようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定区画入力部が、複数の指定区画を一括して入力する機能を有し、
個体識別情報登録部および生産履歴情報登録部のいずれか一方、もしくは双方が、複数の指定区画に対する登録処理を行う機能を有するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1〜第3の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定区画入力部が、1つの栽培区画を1つのブロックに対応させ、農場内における複数の栽培区画の実配置に応じてブロックを配置した実配置レイアウト図を端末装置の画面上に表示し、オペレータによる実配置レイアウト図上の特定ブロックのクリック操作に基づいて、指定区画の入力を行うようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定区画入力部が、実配置レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データのうちの指定日付に関連する情報の一部もしくは全部を表示するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
個体識別情報登録部が、個体識別情報とともに、作物の名前を示す作物名情報を登録し、
指定区画入力部が、実配置レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録されている作物名情報を表示するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定区画入力部が、同一の作物名情報が表示されたブロックが隣接して配置されるようにソートした作物別レイアウト図を作成する機能を有し、オペレータの指示に応じて、実配置レイアウト図および作物別レイアウト図のいずれか一方を選択的に表示するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第4〜第7の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定区画入力部が、レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データに基づいて作成した補助情報を表示するようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第8の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定区画入力部が、レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データに基づいて作成した農薬の投与合計量もしくは投与回数を補助情報として表示するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第9の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
指定区画入力部が、個々の作物についての農薬の投与量の上限値を示す情報を記憶しており、農薬の投与合計量が上限値に達した栽培区画のブロック内には、警告表示を補助情報として表示するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第1〜第10の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
個体識別情報登録部が、端末装置の画面上に栽培開始ボタンと栽培終了ボタンとを表示し、栽培開始ボタンがクリックされた場合には、所定のアルゴリズムで発生させた新たな個体識別情報とともに、指定日付入力部が入力した指定日付を当該個体識別情報で特定される作物に関する栽培開始日付として記録し、栽培終了ボタンがクリックされた場合には、指定日付入力部が入力した指定日付を、その直前まで栽培中であった作物に関する栽培終了日付として記録し、
データ検索手段が、同一の個体識別情報に関して記録された栽培開始日付〜栽培終了日付の期間を栽培期間として認識するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
個体識別情報登録部が、端末装置の画面上に移植ボタンを表示し、移植ボタンがクリックされた場合には、指定区画入力部に移植元指定区画と移植先指定区画との2種類の指定区画を入力させ、
移植元指定区画に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域に、指定日付入力部が入力した指定日付と移植先指定区画を示す情報とを記録し、
移植先指定区画に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域に、指定日付入力部が入力した指定日付と、移植された作物に係る個体識別情報と、移植元指定区画を示す情報と、を記録し、
データ検索手段が、移植先指定区画を示す情報もしくは移植元指定区画を示す情報を利用して、検索対象作物に関する検索対象区画の認識を行うようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第1〜第12の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
媒体発行手段が、生産された個々の作物に付与する個体識別情報とともに、当該作物が最後に栽培された栽培区画を示す最終栽培区画識別情報が記録された媒体を発行し、
データ検索手段が、端末装置から個体識別情報とともに最終栽培区画識別情報を入力し、入力した最終栽培区画識別情報に基づいて、検索対象区画の認識を行うようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述の第1〜第13の態様に係る農作物の生産履歴管理システムにおいて、
媒体発行手段が、複数種類の作物を混合した混合商品に付与するために、新たな包括個体識別情報を発生させるとともに、複数種類の個々の作物に係る個別個体識別情報と包括個体識別情報との対応表を格納し、
データ検索手段が、混合商品に係る包括個体識別情報を入力した際に、対応表を参照することにより、個別個体識別情報を認識し、当該個別個体識別情報に基づく検索を行うようにしたものである。
本発明に係る生産履歴管理システムによれば、個々の栽培区画に対応した区画データ格納部が用意され、個体識別情報と生産履歴情報とがそれぞれ特定の指定日付に対応づけて別個独立して記録される。したがって、生産者は、特定の作物の栽培を開始した時点および栽培を終了した時点で、個体識別情報を日付とともに登録する作業と、農薬や肥料などを与えた時点で、これらの行為を示す生産履歴情報を日付とともに登録する作業とを行えば足りる。したがって、複数の栽培区画を有する農場から生産される農作物についての生産履歴を管理する機能を果たしつつ、生産履歴の入力作業負担を軽減することが可能な農作物の生産履歴管理システムを実現することができる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1.本発明に係るシステムの適用対象 >>>
本発明は、複数の栽培区画を有する農場から生産される農作物についての生産履歴を管理するシステムであり、ここでは、その具体的な一実施形態として、いわゆるベビーリーフなどの葉物を栽培する農場で利用される生産履歴管理システムに本発明を適用した例を述べることにする。
ベビーリーフなどの葉物は、通常、ビニールハウス内に配置された台の上に設けられた圃場と呼ばれる専用の栽培場所で生産される。図1は、このような圃場の一例を示す斜視図である。一般的には、1つのビニールハウス内に、図示のような台が複数設置され、個々の台にもそれぞれ複数の栽培区画が設けられる。図1に示す例では、1つの台の上に4つの栽培区画K101〜K104が設けられている。これら各栽培区画では、それぞれ異なる種類の作物を栽培することが可能であり、図示の例では、4つの栽培区画K101〜K104に、別個の作物が栽培されている例が示されている。もちろん、異なる栽培区画に同一の作物が栽培されることもある。
図2は、図1に示されている圃場で栽培される作物についての栽培プロセスの一例を示す流れ図である。図示の例では、圃場に種まきや植え付けを行った時点から栽培が開始され、ステップS1で肥料投与、ステップS2で農薬投与が行われ、ステップS3では清掃作業が行われ、ステップS4で再び農薬投与が行われ、ステップS5で収穫が行われ、最後にステップS6で出荷されることになる。
一般消費者の食材に関するトレーサビリティへの要望に応えるためには、生産者は、出荷した個々の作物について、図2の流れ図に示すような生産履歴をデータとして蓄積しておき、要求があったときにこれを提示できるようにする必要がある。ここで、各生産履歴については、かなり詳細な情報提示が求められており、たとえば、肥料投与や農薬投与といった生産履歴の場合、何月何日に、どのような肥料や農薬を、どの程度の量だけ投与したのか、といった情報を用意しておく必要がある。
しかも、圃場で栽培される個々の作物は、栽培区画ごとに異なっており、たとえ種類が同じ作物であっても、栽培区画ごとにそれぞれ栽培スケジュールが異なるため、基本的には、個々の栽培区画ごとにそれぞれ独立した生産履歴をデータ入力する必要がある。実際には、図1に示すような複数の栽培区画が設けられた台がビニールハウス内に複数台配置され、そのようなビニールハウスが複数棟設置されているケースが一般的であり、生産者が管理すべき栽培区画は相当の数に達する。
このため、既に述べたとおり、個々の栽培区画で生産されたすべての作物について、詳細な生産履歴のデータを入力する生産者の作業負担は非常に重くならざるを得ない。本発明は、この例のように、複数の栽培区画を有する農場から生産される農作物についての生産履歴を管理するのに適した生産履歴管理システムを実現するものである。
<<< §2.本発明に係るシステムの基本構成 >>>
図3は、本発明に係る農作物の生産履歴管理システムの基本構成を示すブロック図である。図示のとおり、このシステムは、データ入力手段100,データ検索手段200,データ記録手段300,媒体発行手段400によって構成されており、生産者端末10からのアクセスを受けて、様々な生産履歴情報を蓄積するとともに、生産者端末10もしくは消費者端末20からのアクセスを受けて、蓄積した生産履歴情報を提示する機能を有する。もっとも、実用上は、データ入力手段100,データ検索手段200,データ記録手段300,媒体発行手段400は、専用のプログラムを組み込んだコンピュータおよびその周辺機器によって構成されるものである。
データ入力手段100は、生産者端末10からの指示に基づいて、生産履歴に関する種々のデータを入力するための構成要素であり、図示のとおり、指定日付入力部110,指定区画入力部120,個体識別情報登録部130,生産履歴情報登録部140によって構成されている。
データ記録手段300は、このデータ入力手段100から入力されたデータを記録するための構成要素であり、1つの栽培区画に関するデータを格納するための区画データ格納部が、個々の栽培区画ごとにそれぞれ対応づけて設けられている。図3に示す例の場合、データ記録手段300内には、4つの区画データ格納部A101〜A104が設けられている例が示されているが、これらは図1に示す例における栽培区画K101〜K104にそれぞれ対応するものである。たとえば、栽培区画K101で栽培された作物に関するデータは、区画データ格納部A101内に格納されることになる。後に詳述するように、個々の区画データ格納部には、甲欄と乙欄とが設けられている。ここで、甲欄は、当該栽培区画で生産される作物の個体識別情報を記録するための個体識別情報記録領域を構成し、乙欄は、当該栽培区画で生産される作物の生産履歴情報を記録するための生産履歴情報記録領域を構成する。
データ検索手段200は、生産者端末10もしくは消費者端末20からの指示に基づいて、データ記録手段300内を検索して、検索対象となる作物に関する生産履歴を、指示を受けた端末装置の画面上に提示する構成要素である。生産者は、生産者端末10を利用して検索を行うことにより、自己が入力した生産履歴の確認を行うことができ、消費者は、消費者端末20を利用して検索を行うことにより、自己が購入した商品に関する生産履歴の確認を行うことができる。
媒体発行手段400は、生産された個々の作物からなる商品に付与する個体識別情報(個々の商品を特定するための識別情報)が記録された媒体を発行する構成要素である。具体的には、出荷商品Pに貼り付けるラベルやICタグなどの媒体Mを発行する機能を有する。媒体Mとしてラベルを用いる場合、媒体発行手段400は、個体識別情報を示す数字、バーコード、QRコードなどをラベルに印刷するプリンタと、このプリンタに対して与える印刷用データを作成するコンピュータプログラムによって構成することができる。また、媒体MとしてICタグを用いる場合、媒体発行手段400は、個体識別情報を示すデータをICタグに書き込む処理を行うリーダライタ装置およびこれを制御するコンピュータプログラムによって構成することができる。
こうして、媒体発行手段400によって発行された媒体M(ラベルやICタグなど)は、収穫後に梱包された出荷商品Pに貼り付けられて、消費者への流通経路へと流される。したがって、商品を購入した消費者は、商品に貼り付けられているラベルやICタグなどから個体識別情報を入手することができ(目視確認できない場合は、バーコードリーダやICタグ読取装置などを利用することになる)、この個体識別情報を用いてデータ検索手段200へのアクセスを行うことにより、購入した商品についての生産履歴を閲覧することができる。
続いて、データ入力手段100によるデータ入力処理の具体的なプロセスと、データ記録手段300内の具体的なデータ格納態様を説明する。前述したとおり、データ記録手段300内には、個々の栽培区画に関するデータを格納するための区画データ格納部が、個々の栽培区画ごとにそれぞれ設けられている。そして、1つの区画データ格納部は、当該栽培区画で生産される作物の個体識別情報を記録するための個体識別情報記録領域(甲欄)と、当該栽培区画で生産される作物の生産履歴情報を記録するための生産履歴情報記録領域(乙欄)とを有している。
図4は、図1に示すシステムにおけるデータ記録手段300内の栽培区画K101用の区画データ格納部A101のデータ格納例を示す図である。図の左半分は、個体識別情報記録領域(甲欄)に格納されたデータを示し、図の右半分は、生産履歴情報記録領域(乙欄)に格納されたデータを示している。
甲欄の1段目に格納されているデータは、「2007/06/03 [栽培開始], No.000123,ルッコラ」なる文字列からなるデータであるが、この中の「No.000123」の部分が、特定の作物に付与された個体識別情報を示すデータである。この個体識別情報は、前述したように、媒体発行手段400によって、ラベルやICタグなどの媒体M上に記録され、出荷商品Pに添付されて市場に出回ることになるので、重複した個体識別情報が同一市場に出回ることがないようにユニークな識別コードを用いる必要がある。したがって、実用上は、十分な桁数をもった数字や文字の組み合わせによって構成するのが好ましいが、ここでは説明の便宜上、「No.000123」のように、「No.」記号に続く6桁の数字からなる識別コードを用いた例を示すことにする。
この甲欄は、個体識別情報(たとえば「No.000123」)を格納するための記録領域であるが、個体識別情報の他にもいくつかの情報が併せて記録されている。たとえば、甲欄の1段目に格納されているデータの場合、先頭の「2007/06/03」の部分は、特定の日付(2007年6月3日)を示すデータである。また、これに続く「[栽培開始]」の部分は、後続する個体識別情報(「No.000123」)が付与された作物の栽培が開始された旨を示すためのデータであり、最後の「ルッコラ」なる文字列は、当該作物の作物名を示すデータである。
結局、甲欄の1段目に格納されているデータは、「ルッコラという種類のNo.000123という識別コードが付与された作物が、2007年6月3日に栽培開始された」という事実を示すデータとなっている。しかも、当該データが、区画データ格納部A101に格納されていることから、栽培されている場所が、栽培区画K101であることが認識可能である。
また、甲欄の2段目に格納されている「2007/07/15 [栽培終了]」なる文字列からなるデータは、「2007年7月15日に栽培終了となった」という事実を示すデータとなっている。この2段目のデータには、栽培終了となった作物を特定するための個体識別情報が含まれていないが、それは1段目のデータをそのまま流用することができるので省略したためである。すなわち、この甲欄の2段目に格納すべきデータは、本来は、「2007/07/15 [栽培終了], No.000123,ルッコラ」なる文字列からなるデータとすべきものであるが、「No.000123,ルッコラ」の部分は1段目のデータと同一であるため省略したものである。
別言すれば、ここに示す実施形態では、甲欄に個体識別情報および作物名が省略されていた場合は、すぐ上の段の個体識別情報および作物名と同一である、との取り決めがなされていることになる。その結果、栽培終了を示すデータについては、個体識別情報および作物名の記録は省略されることになる。
同様に、甲欄の3段目のデータは、「バジルという種類のNo.000456という識別コードが付与された作物が、2007年7月23日に栽培開始された」という事実を示すデータになっており、甲欄の4段目のデータは、「バジルという種類のNo.000456という識別コードが付与された作物が、2007年8月26日に栽培終了した」という事実を示すデータになっている。
このように、甲欄には、特定の個体識別情報が付与された作物が、当該栽培区画で栽培されていた栽培期間が記録されることになる。図示の例の場合、栽培区画K101に関しては、「No.000123」なる個体識別情報が付与された作物(ルッコラ)が、2007年6月3日〜7月15日の栽培期間にわたって栽培された後、「No.000456」なる個体識別情報が付与された作物(バジル)が、2007年7月23日〜8月26日の栽培期間にわたって栽培された旨の記録がなされていることになる。別言すれば、この甲欄には、所定の個体識別情報(たとえば「No.000123」)が、所定の日付(2007年6月3日および7月15日)に基づいて決定される特定の栽培期間に対応づけて登録されることになる。
続いて乙欄の記録内容を見てみよう。乙欄の1段目に格納されているデータは、「2007/06/12 [肥料], でんぷん液500cc」なる文字列からなるデータであるが、先頭の「2007/06/12」の部分は、特定の日付(2007年6月12日)を示すデータである。これに続く「[肥料]」の部分は、肥料を投与した旨を示すデータであり、これに後続する「でんぷん液500cc」の部分は、具体的な肥料投与の内容を示すデータである。結局、この1段目のデータは、栽培区画K101に栽培されている作物に対して、「2007年6月12日に、でんぷん液500ccという内容で示される肥料投与を行った」という生産履歴を示すものになる。このように、乙欄には、所定の生産履歴情報が、所定の日付に対応づけて登録されることになる。
同様に、乙欄の2段目のデータは、「2007年6月21日に、○○溶剤300ccという内容で示される農薬投与を行った」という生産履歴を示すものになり、3段目のデータは、「2007年6月28日に、清掃という内容で示される作業を行い、その結果、油虫の糞を発見した」という生産履歴を示すものになり、4段目のデータは、「2007年7月5日に、○○乳剤200ccという内容で示される農薬投与を行った」という生産履歴を示すものになる。そして、5段目のデータは、「2007年7月13日に収穫を行った」という生産履歴を示すものになる。
また、乙欄の6段目のデータは、「2007年7月28日に、○○カリウム液50ccという内容で示される農薬投与を行った」という生産履歴を示すものになり、7段目のデータは、「2007年8月6日に、虫類捕獲シート配置という内容で示される作業を行った」という生産履歴を示すものになり、8段目のデータは、「2007年8月24日に、手前側半分のみという内容で示される収穫を行った」という生産履歴を示すものになり、9段目のデータは、「2007年8月25日に、残り全部という内容で示される収穫を行った」という生産履歴を示すものになる。
なお、図4に示す甲欄と乙欄とを対比すればわかるとおり、同じ段の左右に示された甲欄のデータと乙欄のデータとは、直接的には関係していない。たとえば、乙欄の1段目に示されている肥料投与および2段目に示されている農薬投与は、甲欄の1〜2段目に示されている「No.000123」なる個体識別情報が付与された作物(ルッコラ)に対して行われたものであるが、乙欄の3段目〜5段目に示されている作業・農薬投与・収穫も、やはり「No.000123」なる個体識別情報が付与された作物(ルッコラ)に対して行われたものである。一方、乙欄の6段目〜9段目に示されている農薬投与・作業・収穫は、甲欄の3〜4段目に示されている「No.000456」なる個体識別情報が付与された作物(バジル)に対して行われたものである
ただ、図4に示す区画データ格納部内の甲欄のデータと乙欄のデータとは、日付を介して関連性をもつことになる。すなわち、甲欄の1段目,2段目のデータは、「No.000123」なる個体識別情報が付与された作物(ルッコラ)の栽培期間が「2007年6月3日〜7月15日」であることを示しているので、乙欄のデータにおいて、当該栽培期間の日付が付された生産履歴は、「No.000123」なる個体識別情報が付与された作物(ルッコラ)の生産履歴であることが間接的に把握できる。同様に、甲欄の3段目,4段目のデータは、「No.000456」なる個体識別情報が付与された作物(バジル)の栽培期間が「2007年7月23日〜8月26日」であることを示しているので、乙欄のデータにおいて、当該栽培期間の日付が付された生産履歴は、「No.000456」なる個体識別情報が付与された作物(バジル)の生産履歴であることが間接的に把握できる。
図5は、図4に示す甲欄と乙欄に格納されたデータによって記録されている生産履歴を時間軸上に示した表である。図5の縦方向は上から下へ向かう時間軸の流れを示すものであり、この図5の左半分には、図4の甲欄のデータによって示される各作物についての栽培期間が示されており、右半分には、図4の乙欄のデータによって示される生産履歴が示されている。このように、時間軸上で、図4に示す各データの内容を把握すれば、乙欄の個々のデータで示される生産履歴が、甲欄に示された特定の作物に対応づけられることが理解できよう。もちろん、区画データ格納部A101内に格納される実際のデータは、図4に示すようなものであり、図5の表は、図4に示すデータに基づいて認識できる時間軸上の概念を便宜的に図示したものである。
さて、図3に示すシステムにおけるデータ記録手段300内の区画データ格納部A101に、図4に示すようなデータが格納されていれば、データ検索手段200に対して、
「No.000123」なる個体識別情報が付与された作物を検索対象作物として指定した検索指示を与えることにより、たとえば、図6に示すような検索結果を得ることができる。この図6に示す検索結果は、図4に示す甲欄と乙欄に格納されたデータに基づいて、データ検索手段200が作成した画面であり、生産者端末10もしくは消費者端末20の画面上に表示されることになる。
ここでは、一例として、商品を購入した消費者が、消費者端末20を利用してデータ検索手段200にアクセスし、図6に示すような画面の提示を受ける場合についての説明を行うことにする。前述した例の場合、栽培区画K101で栽培された「No.000123」なる個体識別情報が付与された作物(ルッコラ)は、2007年7月13日に収穫されて、商品として出荷されることになる。このとき、前述したように、媒体発行手段400によって、「No.000123」なる個体識別情報が記録された媒体M(ラベル・ICタグ等)が発行され、出荷商品Pに貼り付けられる。当該商品を手にした消費者は、消費者端末20を用いてデータ検索手段200へアクセスし、出荷商品Pに貼付されていた媒体Mから読み取った個体識別情報を入力し、生産履歴の閲覧要求を行う。
なお、ここに示す実施形態では、データ検索手段200を、データ記録手段300内のデータを検索する機能をもったWebサーバ装置によって構成している。このため、生産者端末10や消費者端末20としては、Webページの閲覧機能(Webブラウザ機能)をもった汎用のパソコンを利用することができ、インターネットを介してデータ検索手段200へのアクセスを行うことができる。消費者が、Webブラウザに対して所定のURLを入力すると、データ検索手段200によって提供される検索用Web画面がWebブラウザの画面上に表示される。消費者は、この検索用Web画面上で、「No.000123」なる個体識別情報を入力して、生産履歴の閲覧要求を行えばよい。
なお、「No.000123」なる個体識別情報の入力は、キーボードなどを用いた手入力でもよいが、個体識別情報がバーコードやQRコードとして媒体M上に印刷されている場合には、光学的手段を介して取り込んだデータをそのままデータ検索手段200へ送信すればよいし、個体識別情報がICタグ内にデジタルデータとして記録されている場合には、データ読取手段を介して取り込んだデータをそのままデータ検索手段200へ送信すればよい。
データ検索手段200は、こうして、検索対象作物に付与されている特定の個体識別情報「No.000123」を、消費者端末20から入力すると、次のような処理によって、図6に示すような検索結果を示すWebページ画面を作成し、これを消費者端末20に提示する(HTML形式のWebページデータを消費者端末20のWebブラウザに送信する)。
まず、データ記録手段300内を検索して、与えられた特定の個体識別情報「No.000123」が個体識別情報記録領域(甲欄)内に登録されている区画データ格納部の区画を検索対象区画と認識する。上述の例の場合、図4に示すように、区画データ格納部A101の甲欄に、「No.000123」が記録されているので、区画K101が検索対象区画として認識されることになる。
続いて、この検索対象区画K101についての個体識別情報記録領域(甲欄)の記録内容に基づいて、検索対象作物の当該栽培区画K101における栽培期間を認識する。図4に示す例の場合、検索対象作物(「No.000123」)の栽培期間は、「2007年6月3日〜7月15日」と認識されることになる。
そこで、当該検索対象区画K101についての生産履歴情報記録領域(乙欄)の記録内容のうち、認識された栽培期間「2007年6月3日〜7月15日」内の日付に対応づけて登録されている情報を、検索対象作物に関する検索結果として提示する。図4に示す例の場合、乙欄の記録内容のうち、栽培期間「2007年6月3日〜7月15日」内の日付に対応づけて登録されている情報は、1段目〜5段目の情報であるので、これらの情報が、検索結果を示すWebページ上に提示されることになる。
図6に例示するWebページには、個体識別情報表示窓210,一般履歴表示窓220,詳細履歴表示窓230の3つの窓が設けられている。個体識別情報表示窓210には、消費者が入力した「No.000123」なるコード、すなわち、検索対象作物に付与されている特定の個体識別情報が表示されている。なお、実際には、図6に示すWebページは、検索対象作物の個体識別情報を入力する入力画面を兼ねており、消費者が、個体識別情報表示窓210内に個体識別情報を入力すると、空欄だった一般履歴表示窓220および詳細履歴表示窓230内に検索結果が現れることになる。
一般履歴表示窓220には、農場名,栽培区画,栽培期間,作物名が表示されている。ここで、農場名「特許農場」は、このシステムを運用している事業体の名称などであり、データ検索手段200内に予め設定されていた文字データを用いて表示されるものである。栽培区画「K101」は、図4に示す区画データ格納部A101に対応する栽培区画として予め定められている区画名であり、たとえば、データ記録手段300内に、個々の区画データ格納部に対応する栽培区画の区画名を示すリストなどを用意しておくことにより、表示することができる。また、栽培期間「2007年6月3日〜2007年7月15日」および作物名「ルッコラ」は、図4に示す区画データ格納部A101の甲欄のデータから抽出された情報である。
詳細履歴表示窓230には、栽培履歴として、5行にわたって生産履歴を示す情報が表示されているが、これらの情報は、上述したように、図4に示す区画データ格納部A101の乙欄のうち、栽培期間「2007年6月3日〜7月15日」内の日付に対応づけて登録されている情報の書式を整理して表示したものである。
このように、データ記録手段300内に、予め図4に示すような生産履歴が格納されていれば、消費者が消費者端末20を用いて閲覧操作を行うと、データ検索手段200によって、図6に示すようなWebページの提示が行われることになる。消費者は、このWebページを閲覧することにより、購入した作物に関する生産者の情報のみならず、肥料や農薬がいつ、どの程度の量だけ投与され、いつどのような作業がなされ、いつ収穫がなされたのか、といった詳細な生産履歴を確認することができる。
なお、ここでは説明を簡単にするため、媒体発行手段400が、出荷商品Pに貼付される媒体Mに、「No.000123」という個体識別情報のみを記録する例を述べたが、実用上は、媒体発行手段400が、生産された個々の作物に付与する個体識別情報とともに、当該作物が栽培された栽培区画を示す栽培区画識別情報が記録された媒体Mを発行するようにするのが好ましい。たとえば、上例の作物の場合、「No.000123」という個体識別情報とともに、当該作物が栽培された栽培区画を示す栽培区画識別情報「K101」を媒体Mに記録すればよい。
この場合、消費者が、消費者端末20を用いて、「No.000123」という個体識別情報とともに、「K101」という栽培区画識別情報をデータ検索手段200に送信すれば、データ検索手段200の検索処理は簡便化される。すなわち、データ検索手段200が、消費者端末20から個体識別情報「No.000123」とともに栽培区画識別情報「K101」を入力することができれば、まず、入力した栽培区画識別情報「K101」に基づいて、検索対象区画の認識を行うことができるので、データ記録手段300内のすべての区画データ格納部を対象として、個体識別情報「No.000123」の検索を行う必要はなくなる。たとえば、上例の場合であれば、検索対象区画が「K101」であることが認識できるので、栽培区画「K101」に対応する区画データ格納部A101の甲欄を対象として、個体識別情報「No.000123」の検索を行えば足りる。
以上、消費者が操作する消費者端末20からのアクセスによって、図6に示すような検索結果が提示される例を説明したが、もちろん、生産者が操作する生産者端末10からのアクセスによっても、同様の検索結果が提示されるので、生産者自身も同様の方法で生産履歴の確認を行うことが可能である。
<<< §3.データ入力手段100の機能 >>>
さて、図3に示すシステムにおけるデータ入力手段100は、データ記録手段300に格納すべきデータを入力する処理を行う構成要素であり、たとえば、図4の甲欄や乙欄に記載されているデータは、いずれもデータ入力手段100の処理によって格納されたものである。本発明に係るシステムの重要な特徴は、このような入力作業の負担を軽減することにある。
そのために、データ入力手段100には、図3のブロック図に示すとおり、指定日付入力部110,指定区画入力部120,個体識別情報登録部130,生産履歴情報登録部140が設けられている。なお、前述したとおり、実際には、データ入力手段100は、コンピュータを用いて構成されており、上述した各部の処理機能はコンピュータに組み込んだ専用プログラムによって実現されることになる。特に、ここに示す実施形態のシステムでは、データ入力手段100は、データ検索手段200と同様にWebサーバ機能を備えたコンピュータによって構成されている。したがって、生産者が生産者端末10のWebブラウザ機能を利用して、特定のURLにアクセスしてくると、データ入力手段100は、データ入力用Webページを生産者端末10の画面上に提示する。生産者による各データの入力操作は、このデータ入力用Webページの画面上で行われる。
指定日付入力部110は、生産者端末10を操作するオペレータ(生産者)の指示に基づいて、特定の指定日付を入力する機能(オペレータが指定した日付を、データとしてシステム側に取り込む機能)を有している。オペレータが指定した日付を取り込むためには、たとえば、データ入力用Webページ上で、オペレータに、日付を示す文字列を手入力してもらうような方法を採ることも可能であるが、ここに示す実施形態では、後述するように、データ入力用Webページ上にカレンダーを表示し、オペレータによる当該カレンダー上の特定日付のクリック操作に基づいて、指定日付を取り込むようにしている。この指定日付入力部110が入力した指定日付のデータは、個体識別情報登録部130もしくは生産履歴情報登録部140に引き渡される。
指定区画入力部120は、生産者端末10を操作するオペレータ(生産者)の指示に基づいて、特定の指定区画を入力する機能(オペレータが指定した栽培区画を、データとしてシステム側に取り込む機能)を有している。オペレータが指定した栽培区画を取り込むためには、たとえば、データ入力用Webページ上で、オペレータに、栽培区画を示すコードを手入力してもらうような方法を採ることも可能であるが、ここに示す実施形態では、後述するように、データ入力用Webページ上に個々の栽培区画を示すブロックを表示し、オペレータによる特定ブロック上でのクリック操作に基づいて、指定区画を取り込むようにしている。この指定区画入力部120が入力した指定区画のデータは、個体識別情報登録部130もしくは生産履歴情報登録部140に引き渡される。
個体識別情報登録部130は、生産者端末10を操作するオペレータ(生産者)の指示に基づいて、指定区画入力部120が入力した指定区画に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域(甲欄)に、所定の個体識別情報を、指定日付入力部110が入力した指定日付に基づいて決定される特定の栽培期間に対応づけて登録する処理を行う。図4の甲欄に記載されている情報は、すべて個体識別情報登録部130によって登録された情報である。
図4の甲欄の1段目および2段目に記載されている情報は、個体識別情報「No.000123」を特定の栽培期間「2007年6月3日〜7月15日」に対応づけて登録した例であり、甲欄の3段目および4段目に記載されている情報は、個体識別情報「No.000456」を特定の栽培期間「2007年7月23日〜8月26日」に対応づけて登録した例である。栽培期間は、栽培開始時〜栽培終了時までの期間であるから、特定の栽培期間を登録するためには、栽培開始の日付と栽培終了の日付とを登録する必要がある。そこで、後述するように、個体識別情報登録部130は、「栽培開始」の登録処理と「栽培終了」の登録処理とを行う機能を有しており、オペレータは、いずれの登録処理であるかを選択した上で、登録作業を行うことになる。
ここに示す実施形態の場合、オペレータが「栽培開始」の登録処理を選択した場合、「栽培開始の日付」と、「対象となる栽培区画」と、「栽培を開始する作物名」と、を入力する必要がある。ここで、「栽培開始の日付」を示すデータは、指定日付入力部110から引き渡された指定日付のデータが用いられ、「対象となる栽培区画」を示すデータは、指定区画入力部120から引き渡された指定区画のデータが用いられる。また、「栽培を開始する作物名」のデータは、個体識別情報登録部130が、生産者端末10から直接入力する。この場合、生産者端末10を操作するオペレータに作物名を示す文字列をキーボードなどから入力してもらってもよいが、実用上は、個体識別情報登録部130内に、予め作物名のリストを用意しておき、データ入力用Webページ上にこのリストを提示した上で、オペレータのマウスクリック操作などで選択された作物名を入力するようにしておくのが好ましい。
また、オペレータが「栽培開始」の登録処理を選択した場合は、新たに栽培が開始される作物に対して、所定の個体識別情報を付与する必要がある。個体識別情報登録部130には、「栽培開始」の登録処理を行う際に、所定のアルゴリズムに従って、「新たな個体識別情報」を自動的に発生させる処理機能が設けられている。前述したとおり、この個体識別情報は、重複した個体識別情報が同一市場に出回ることがないようなユニークな識別コードを用いる必要があるので、たとえば、連番のシリアル番号を自動発生させるようなアルゴリズムを採用すればよい。
かくして、オペレータが「栽培開始」の登録処理を選択すると、「登録対象となる栽培開始の日付」、「対象となる栽培区画」、「栽培を開始する作物名」、「新たな個体識別情報」が決定されることになるので、個体識別情報登録部130は、「対象となる栽培区画」に対応する区画データ格納部の甲欄に、「登録対象となる栽培開始の日付」、「栽培を開始する作物名」、「新たな個体識別情報」、そして「栽培開始を示す情報」を格納する処理を行う。図4の甲欄1段目に示されている「2007/06/03 [栽培開始], No.000123,ルッコラ」なる文字列からなるデータは、このようにして格納されたデータである。
一方、オペレータが「栽培終了」の登録処理を選択した場合は、「栽培終了の日付」と、「対象となる栽培区画」と、を入力する必要がある。ここで、「栽培終了の日付」を示すデータは、やはり指定日付入力部110から引き渡された指定日付のデータが用いられ、「対象となる栽培区画」を示すデータは、やはり指定区画入力部120から引き渡された指定区画のデータが用いられる。
「栽培終了」の登録処理は、既に「栽培開始」の登録処理が行われている栽培区画に対してのみ行われる。したがって、個体識別情報登録部130は、オペレータから「栽培終了」の登録処理が指示された場合、「対象となる栽培区画」についての区画データ格納部の甲欄に登録されている最後の情報(図4に示す例の場合、最下段に登録されている情報)が「栽培開始」の情報であることを確認した上で、「栽培終了」の登録処理を受け付ける。もし、最後の情報が「栽培開始」(もしくは、後述する「移植」)の情報でなかった場合には、エラーの表示を行い、当該「栽培終了」の登録処理はキャンセルされる。
「栽培終了」の登録処理が実行されると、個体識別情報登録部130によって、「対象となる栽培区画」に対応する区画データ格納部の甲欄に、「登録対象となる栽培終了の日付」と「栽培終了を示す情報」を格納する処理が行われる。図4の甲欄2段目に示されている「2007/07/15 [栽培終了]」なる文字列からなるデータは、このようにして格納されたデータである。
続いて、生産履歴情報登録部140の機能について説明する。この生産履歴情報登録部140は、生産者端末10を操作するオペレータ(生産者)の指示に基づいて、指定区画入力部120が入力した指定区画に対応する区画データ格納部内の生産履歴情報記録領域(乙欄)に、所定の生産履歴情報を、指定日付入力部110が入力した指定日付に対応づけて登録する処理を行う。図4の乙欄に記載されている情報は、すべて生産履歴情報登録部140によって登録された情報である。
ここに示す実施形態の場合、登録すべき生産履歴情報を、「農薬」,「肥料」,「作業」,「収穫」の4つのジャンルに分類して取り扱っている。もちろん、これらのジャンルへの分類は、本実施形態に係るシステムを利用する上での便宜を図るためのものであり、生産履歴情報をどのようなジャンルに分類するかは、設計上、適宜決定すべき事項である。また、ジャンル分けを全く行わなくてもかまわない。
ここに示す実施形態では、生産履歴情報を、「農薬」,「肥料」,「作業」,「収穫」のいずれかのジャンルと当該ジャンルに関係する具体的な内容とによって表現している。たとえば、図4の乙欄1段目の生産履歴情報は、「肥料」なるジャンルと「でんぷん液500cc」なる内容で表現されており、2段目の生産履歴情報は、「農薬」なるジャンルと「○○溶剤300cc」なる内容で表現されている。
オペレータが生産履歴情報の登録を行う場合、「登録対象となる生産履歴情報」と、「履歴を登録すべき日付」と、「対象となる栽培区画」と、を入力する必要がある。ここで、「履歴を登録すべき日付」を示すデータは、指定日付入力部110から引き渡された指定日付のデータが用いられ、「対象となる栽培区画」を示すデータは、指定区画入力部120から引き渡された指定区画のデータが用いられる。また、「登録対象となる生産履歴情報」のデータは、生産履歴情報登録部140が、生産者端末10から直接入力する。この場合、生産者端末10を操作するオペレータに「登録対象となる生産履歴情報」を示す文字列すべてをキーボードなどから入力してもらってもよいが、実用上は、生産履歴情報登録部140内に、予め個々のジャンルごとに生産履歴情報のリストを用意しておき、まず、オペレータにジャンルを選択させ、データ入力用Webページ上に選択されたジャンルに関する生産履歴情報のリストを提示した上で、オペレータのマウスクリック操作などで選択された生産履歴情報を入力するようにしておくのが好ましい。
たとえば、オペレータが、「履歴を登録すべき日付」として「2007年6月12日」なる指定日付を入力し、「対象となる栽培区画」として「K101」なる指定区画を入力し、ジャンルとして「肥料」を選択し、この「肥料」に関して提示された生産履歴情報のリストから「でんぷん液500cc」なる内容を選択したとすると、生産履歴情報登録部140によって、図4の乙欄1段目に示されているように、区画データ格納部A101内に「2007/06/12 [肥料], でんぷん液500cc」なる文字列からなるデータが格納されることになる。
なお、各ジャンルごとのリストに掲載されていないイレギュラーな生産履歴情報についての入力も可能にするため、オペレータがキーボードなどを用いて任意の文字列を生産履歴情報として入力できるようにしておくのが好ましい。たとえば、図4の乙欄3段目に示されているように、「油虫の糞発見」のようなイレギュラーな生産履歴情報が、「作業」ジャンルのリストに掲載されていなかった場合、オペレータは、キーボードを用いて手入力の操作を行えばよい。
以上、図3に示すデータ入力手段100を構成する指定日付入力部110,指定区画入力部120,個体識別情報登録部130,生産履歴情報登録部140なる4つの基本的な構成要素の機能を順に説明したが、実際には、データ入力手段100には、この4つの基本的な構成要素の他にも、Webサーバとしての機能を果たすための構成要素などが必要になる。たとえば、指定日付入力部110と協働してカレンダーの画像を含むWebページ画面を作成する構成要素や、Web画面上でのオペレータの選択操作などを認識する処理を行う構成要素なども、このデータ入力手段100内に用意しておく必要がある。ただ、このようなWebサーバとしての機能を果たすための基本的な構成要素は既に公知の要素であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
また、このデータ入力手段100は、生産者端末10から入力された指示を、媒体発行手段400に伝達する機能も有している。たとえば、オペレータが、生産者端末10から、指定区画入力部120に対して特定の栽培区画を指定する入力を行うとともに、直前に栽培終了となっている作物に貼付する媒体Mを発行する指示を与えると、データ入力手段100は、データ記録手段300内を検索して当該媒体Mに記録すべき個体識別情報を読み出し、これを媒体発行手段400に引き渡して媒体Mの発行指示を行う。たとえば、オペレータが、図4の甲欄2段目の栽培終了の登録を行った直後に、栽培区画「K101」を指定して媒体Mの発行指示をデータ入力手段100に与えると、データ入力手段100から媒体発行手段400に対して、個体識別情報「No.000123」が引き渡されるとともに媒体Mの発行指示が与えられる。これにより、媒体発行手段400は、個体識別情報「No.000123」が記録された媒体Mの発行処理を行うことになる。
<<< §4.データ入力用Webページの具体例 >>>
ここでは、データ入力手段100から生産者端末10に提示されるデータ入力用Webページの具体例を示す。図7は、このデータ入力用Webページの一例を示す平面図である。オペレータが、生産者端末10を用いて、データ入力手段100に対してアクセスを行うと(すなわち、Webブラウザを用いて、データ入力手段100を構成するWebサーバのURLにアクセスすると)、図7に示すようなデータ入力用Webページが、生産者端末10を構成するパソコン等の画面上に表示されることになる。オペレータ(生産者)は、基本的に、この画面上の所定箇所をマウスなどでクリックする操作を行うことにより、必要なデータの入力を行うことができる。
図7に示す画面の上段に設けられた指定日付入力窓510は、オペレータからの指定日付を入力するための窓であり、この窓内に入力された日付は、指定日付入力部110によってシステムに取り込まれる。この指定日付入力窓510の右側に配置された各ボタンB1〜B3は、個体識別情報登録部130に対して所定の指示を与えるためのボタンであり、その下に配置された各ボタンB4〜B7は、生産履歴情報登録部140に対して所定の指示を与えるためのボタンである。また、右上隅のボタンB0は、様々な初期設定を行うためのボタンである。
画面の中段に設けられた表示項目選択窓520は、画面の下に設けられた区画提示部530の個々のブロック内に表示すべき項目等を選択するための窓である。この区画提示部530の上部には、実配置レイアウト選択タブ531と作物別レイアウト選択タブ532とが設けられており、いずれかのタブをクリックすることにより、区画提示部530内の表示を実配置レイアウトにするか、作物別レイアウトにするかの選択を行うことができる。図7には、実配置レイアウトが選択された状態が示されている。
区画提示部530内には、左端に設けられた一括区画指定欄533とその右側に配置された個別区画指定欄534とが表示されている。個別区画指定欄534は、それぞれ矩形のブロックから構成されており、この実配置レイアウトの表示では、各ブロックの配置が、実際の栽培区画の配置に一致している。たとえば、区画提示部530の1段目に配置されている4つの矩形ブロック(K101〜K104と記載されている各ブロック)は、図1に示すような実在の圃場からなる4つの栽培区画K101〜K104に対応している。
要するに、図示する区画提示部530内には、1つの栽培区画を1つのブロックに対応させ、農場内における複数の栽培区画の実配置に応じてブロックを配置した実配置レイアウト図が示されていることになる。この実配置レイアウト図は、いわば実在のビニールハウス内の縮尺平面地図に相当するので、実在の圃場配置を熟知しているオペレータ(生産者)であれば、個々のブロック(個別区画指定欄534)を実際の栽培区画と対応づけることが容易にできる。
図7に示す例では、各ブロック内の上段には区画番号、下段には作物名が表示されている。たとえば、左上隅のブロックの上段に記載された「K101」は、このブロックに対応する栽培区画の区画番号であり、下段に記載された「ルッコラ」は、このブロックに現時点(指定日付入力窓510に入力されている指定日付が示す時点)で栽培されている作物の名前である。また、下段に「未使用」と表示されたブロックは、このブロックに対応する栽培区画には、現時点では何も栽培されていないことを示している。
このように、各ブロック内に区画番号と作物名が表示されるのは、表示項目選択窓520において、区画番号の欄と作物名の欄にチェックが入っているためである。各表示項目のチェック欄は、マウスなどでクリックするたびに、チェックが入ったり、チェックが解除されたり切り替わることになり、チェックが入った状態の項目は、各ブロック内に表示され、チェックが解除された状態の項目は、表示されないことになる。
表示項目選択窓520および区画提示部530は、指定区画入力部120の機能によって表示されるWebページ上の領域であり、この領域上でのマウスクリックなどのオペレータの操作入力は、指定区画入力部120に伝達される。したがって、指定区画入力部120は、表示項目選択窓520内の各項目に関するチェック状態に応じて、区画提示部530の各ブロック内の表示態様を変更する処理を行うことになる。
要するに、指定区画入力部120は、この実配置レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データ(たとえば、図4の甲欄および乙欄に記載されている登録データ)のうち、指定日付入力窓510に入力されている指定日付に関連する情報の一部(表示項目選択窓520でチェックが入れられた項目)を表示する処理を行うことになる。もちろん、チェックの有無に拘わらず、指定日付に関連する情報の全部を表示するようにしてもよい。
ここで、「指定日付に関連する情報」とは、「指定日付の時点で当該栽培区画において栽培が行われている作物に関連する情報」を意味するものであり、図7に示す例において、たとえば、栽培区画「K101」のブロック内に「ルッコラ」なる作物名が表示されているのは、指定日付入力窓510に入力されている指定日付「2007年7月9日」の時点で当該栽培区画において栽培されている作物が「ルッコラ」であるためである(指定区画入力部120は、図4の甲欄を参照することにより、作物名「ルッコラ」を認識することができる)。したがって、指定日付入力窓510に、たとえば、指定日付「2007年8月8日」を入力した場合、栽培区画「K101」のブロック内には「バジル」なる作物名が表示されることになる。
本発明を実施する上で、区画データ格納部の甲欄に、作物名を登録しておくことは必須ではないが、ここに示す実施形態では、既に述べたように、個体識別情報登録部130が、個体識別情報とともに、作物の名前を示す作物名情報を登録するようにしている。このように、作物名を併せて登録しておけば、指定区画入力部120は、図7に示す例のように、実配置レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内に登録されている作物名情報を表示することができる。
なお、各栽培区画の区画番号は、個々のブロックに固定された不変の番号となっているので、指定日付入力窓510に入力された指定日付とは無関係に、常に一定である。また、図7に示されている表示項目選択窓520には、「未使用区画」なる項目が設けられているが、この「未使用区画」なる項目にチェックを入れると、未使用区画であるブロックの表示が行われる。区画提示部530の実配置レイアウト図において、「K109」,「K110」,「K303」,「K306」の各ブロックには、作物名の代わりに「未使用」なる文字列が表示されているが、これはこれら各ブロックに対応する栽培区画が、現時点(指定日付入力窓510に入力されている指定日付が示す時点)では未使用であることを示している。
このような未使用ブロックは、新たな作物の栽培を開始する登録を行う場合以外は、指定する必要がないので、表示が不要な場合には、表示項目選択窓520の「未使用区画」なる項目のチェックを外すことにより非表示とすることができる。非表示とした場合、未使用ブロックを構成する矩形図形自体の表示が行われない(当該場所は背景部分に融合する)ようにしてもよいし、ブロックの枠のみが表示されるようにしてもよい。個体識別情報登録部130は、当該項目のチェック状態に応じて、未使用ブロックの表示を行うか行わないかのいずれかの処理を実行することになる。
なお、図7の表示項目選択窓520内の「農薬」なる項目は、各ブロック内に、農薬に関する生産履歴情報を表示させるか否かを選択するためのものであり、この項目にチェックを入れると、現時点(指定日付入力窓510に入力されている指定日付が示す時点)で栽培されている作物に投与した農薬に関する生産履歴情報(たとえば、図4の乙欄に示されている例の場合、「○○溶剤300cc」,「○○乳剤200cc」といった文字列)がブロック内に表示されることになる。
一方、図7の下段の区画提示部530に表示されている一括区画指定欄533や個々のブロック(個別区画指定欄534)内にもチェック欄が設けられており、このチェック欄も、マウスなどでクリックするたびに、チェックが入ったり、チェックが解除されたり切り替わる。個々のブロック(個別区画指定欄534)内にチェックを入れると、当該ブロックが指定区画として選択されたことになる。したがって、オペレータは、所望のブロックにチェックを入れる作業をマウスクリック操作などで行うだけで、特定の栽培区画を指定することが可能になる。もちろん、複数のブロックにチェックを入れることもできるので、複数の栽培区画を同時に指定することも可能である。また、チェックを入れたチェック欄を再度クリックすれば、チェックを解除することができるので、指定の取消も容易に行うことができる。
上述したように、個々のブロックは、個別区画指定欄534として機能し、個別の栽培区画の指定を行うために利用される。これに対して、左端に設けられた一括区画指定欄533は、その右側に配置された複数のブロックに対応する栽培区画を一括して指定するために利用される。たとえば、図示の一括区画指定欄533にチェックを入れると、K101〜K110なる10個の栽培区画(たとえば、同一のビニールハウス内の区画)を一括して指定したことになる。指定区画入力部120は、区画提示部530内の個別区画指定欄534もしくは一括区画指定欄533のチェック状態に応じて、オペレータによって指定された特定の指定区画を把握する機能を果たす。
このように、指定区画入力部120は、1つの栽培区画を1つのブロックに対応させ、農場内における複数の栽培区画の実配置に応じてブロックを配置した実配置レイアウト図を生産者端末10の画面上に表示させる。オペレータは、この実配置レイアウト図上の特定ブロックをマウスなどでクリックする操作を行うことにより、所望の指定区画の入力を行うことができる。このため、実在のビニールハウス内の圃場配置を熟知しているオペレータ(生産者)にとって、特定の栽培区画を指定する作業は、極めて直観的な操作によって行うことが可能になる。
また、指定区画入力部120は、オペレータによる一括区画指定欄533へのチェック操作により、複数の指定区画を一括して入力する機能を有しているため、隣接配置された複数の栽培区画を同時に指定するような場合に、オペレータの作業負担が軽減される。
図7に示す画面の最下段に示された登録ボタン540は、オペレータがこの画面上で入力した内容を正式に登録するためのボタンである。この登録ボタン540のクリック操作は、個体識別情報登録部130もしくは生産履歴情報登録部140によって認識され、データ記録手段300に対する書き込み(データ格納)が行われる。なお、複数の栽培区画が同時に指定されていた場合、個体識別情報登録部130や生産履歴情報登録部140は、当該複数の指定区画に対する登録処理を同時に実行することになる。
<<< §5.データ入力操作の実例 >>>
前述した§4では、図7に示すデータ入力用Webページを例にとって、各部の機能説明を行った。このデータ入力用Webページは、データ入力手段100のWebサーバ機能によって作成されるものであるが、§4で述べたとおり、指定日付入力部110,指定区画入力部120,個体識別情報登録部130,生産履歴情報登録部140と連携しており、このWebページ上の情報の一部は、これら連携要素によって作成されたものである。また、オペレータが、このWebページ上で行った操作により、指定日付入力部110,指定区画入力部120,個体識別情報登録部130,生産履歴情報登録部140に対して所定の指示が与えられることになる。
設定ボタンB0は、このシステムの基本設定を行うモードへ移行するためのボタンである。前述したとおり、区画提示部530に表示される実配置レイアウト図は、1つの栽培区画を1つのブロックに対応させ、農場内における複数の栽培区画の実配置に応じてブロックを配置した図になっているが、このような図を表示させるためには、当該農場の栽培区画の実配置を設定しておく必要がある。このような実配置の設定は、この基本設定モードへ移行することにより行うことができる(たとえば、矩形ブロックをドラッグアンドドロップ操作で所定位置に配置するような作業で設定が可能である)。指定区画入力部120は、このような設定情報に基づいて、実配置レイアウト図の提示を行うことになる。
また、個々の栽培区画の区画番号も、この基本設定モードで定義することができる。ここに示す実施形態では、「K101」,「K102」,...等の文字列からなる区画番号を用いているが、区画番号にどのような文字列を用いるかはオペレータ(生産者)が任意に設定できる事項であり、このシステムを運用する初期段階において、基本設定モードで設定しておくことになる。
その他、この基本設定モードでは、後述する各リストを表示するために必要なデータの設定なども行われる。
続いて、上述した基本設定が完了して、このシステムの運用が開始された後のオペレータによる具体的なデータ入力操作の一例を説明しよう。§4で述べたとおり、ボタンB1〜B3は、個体識別情報登録部130に対して所定の登録作業を行わせるためのボタンであり、これらのボタンをクリックすると、個体識別情報登録部130が、データ記録手段300の個体識別情報記録領域(甲欄)に対して、指示された所定の登録処理を実行することになる。
まず、栽培開始ボタンB1は、特定の栽培区画において、新たな作物の栽培を開始した場合に「栽培開始」の登録処理を行うためのボタンである。§3で述べたとおり、「栽培開始」の登録処理を行うには、「栽培開始の日付」を指定日付入力部110に対して入力し、「対象となる栽培区画」を指定区画入力部120に対して入力し、「栽培を開始する作物名」を個体識別情報登録部130に対して入力する必要がある。
まず、「栽培開始の日付」を指定日付入力部110に対して入力する作業は、指定日付入力窓510に対して所定の日付を入力する操作によって行うことができる。もちろん、日付を示す文字列をキーボードを用いて指定日付入力窓510に入力する操作も可能であるが、ここに示す実施形態では、指定日付入力部110が、生産者端末10の画面上にカレンダーを表示し、オペレータによる当該カレンダー上の特定日付のクリック操作に基づいて、指定日付の入力を行う機能を有している。
具体的には、オペレータが、指定日付入力窓510内のいずれかの箇所をクリックすると、当該クリック操作は、指定日付入力部110へと伝えられる。すると、指定日付入力部110は、指定日付入力窓510の近傍に日付入力用カレンダーを表示させる処理を行う。図8は、このような日付入力用カレンダー511が表示された状態を示す図である。オペレータは、この日付入力用カレンダー511上の特定日付をクリックする操作を行うだけで、当該特定日付が指定日付として入力されることになる。こうして入力された指定日付は、指定日付入力部110から個体識別情報登録部130へと引き渡される。
こうして、日付入力用カレンダー511上で、特定日付のクリック操作が行われると、日付入力用カレンダー511は画面上から消滅し、指定日付を示す文字列が、指定日付入力窓510内に自動入力された状態になる。なお、実用上は、この日付入力用カレンダー511は、初期表示状態では、現在の月を示すカレンダーがデフォルト表示されるようにし、必要に応じて、次月や前月のカレンダー表示に切り替えることができるように、表示窓内に表示月の切り替えボタンを設けておくのが好ましい。
次に、「対象となる栽培区画」を指定区画入力部120に対して入力する作業は、区画提示部530内の個別区画指定欄534(個々のブロック)もしくは一括区画指定欄533のチェック欄に、マウスクリックなどの操作によってチェックを入れることによって行うことができる。図8に示す例は、まだいずれの栽培区画においても栽培が開始されていない状態を示しており、区画提示部530内の全ブロックが「未使用」の状態になっている。「栽培開始」の登録処理は、必ず「未使用」のブロック(指定日付入力窓510に入力された指定日付の時点において、栽培中の作物が甲欄に登録されていない栽培区画)に対して行う必要がある。図8には、栽培区画K101〜K104に対応する4つのブロックにチェックを入れた状態が示されている。こうして入力された指定区画は、指定区画入力部120から個体識別情報登録部130へと引き渡される。
最後に、「栽培を開始する作物名」を個体識別情報登録部130に対して入力する作業は、栽培開始ボタンB1がクリックされたときに、個体識別情報登録部130に、作物名入力窓を表示させる処理を実行させ、この作物名入力窓内に、キーボードなどから作物名を示す文字列を入力させるようにすればよい。ただ、実用上は、栽培開始ボタンB1がクリックされたときに、個体識別情報登録部130に、作物名の一覧リストを表示させる処理を実行させ、この一覧リストの中の1つをクリック操作で選択させることにより、特定の作物名の入力を行わせるのが好ましい。図示の例の場合、オペレータは、一覧リストの中から「ルッコラ」を選択すればよい。なお、一覧リストとして表示させる作物名の文字列は、予め基本設定モードで入力しておくようにする。
結局、オペレータは、「栽培開始」の登録処理を行う際に、栽培開始ボタンB1をクリックして、表示される一覧リストの中から「ルッコラ」を選択する操作と、指定日付入力窓510をクリックして、表示されるカレンダーから「2007年6月3日」を指定する操作と、区画提示部530内の栽培区画K101〜K104に対応する4つのブロックにチェックを入れる操作と、を行った上で、最後に、登録ボタン540をクリックする操作を行えばよい。これらの操作は、いずれも単なるクリック操作であり、入力操作としては、極めて簡便な操作である。
個体識別情報登録部130は、これらのクリック操作によって入力された情報に基づいて、データ記録手段300内の4つの区画データ格納部A101〜A104の個体識別情報記録領域(甲欄)に、「栽培開始」の登録処理を行うことになる。たとえば、区画データ格納部A101には、図4の甲欄1段目に示されているように、「2007/06/03 [栽培開始], No.000123,ルッコラ」なる文字列が格納される。ここで、「No.000123」なる個体識別情報は、個体識別情報登録部130が所定のアルゴリズムに従って自動的に発生させたユニークな識別コードである。なお、栽培開始ボタンB1がクリックされているにも拘わらず、指定区画が「未使用」のブロックでなかった場合には、エラーが表示され、登録は行われない。
一方、栽培終了ボタンB2は、特定の栽培区画において、これまで栽培していた作物の栽培を終了した場合に「栽培終了」の登録処理を行うためのボタンである。§3で述べたとおり、「栽培終了」の登録処理を行うには、「栽培終了の日付」を指定日付入力部110に対して入力し、「対象となる栽培区画」を指定区画入力部120に対して入力する必要がある。ここで、「栽培終了の日付」を指定日付入力部110に対して入力する作業は、図8に示すように、日付入力用カレンダー511上でのクリック操作で行うことができ、「対象となる栽培区画」を指定区画入力部120に対して入力する作業は、やはり図8に示すように、区画提示部530内の個別区画指定欄534(個々のブロック)もしくは一括区画指定欄533のチェック欄に、マウスクリックなどの操作によってチェックを入れることによって行うことができる。
こうして入力された指定日付および指定区画は、指定日付入力部110および指定区画入力部120から個体識別情報登録部130へと引き渡される。個体識別情報登録部130は、これらの情報に基づいて、データ記録手段300内の指定区画に対応する区画データ格納部の個体識別情報記録領域(甲欄)に、「栽培終了」の登録処理を行うことになる。たとえば、図4の甲欄2段目に示されている「2007/07/15 [栽培終了]」なる文字列は、このようにして格納されたデータである。もちろん、「栽培終了」の登録処理は、「未使用」のブロックに対しては行うことができないので、栽培終了ボタンB2がクリックされているにも拘わらず、指定区画が「未使用」のブロックであった場合には、エラーが表示され、登録は行われない。
以上、栽培開始ボタンB1を用いた「栽培開始」の登録処理および栽培終了ボタンB2を用いた「栽培終了」の登録処理の具体例を説明した。結局、ここに示す実施形態に係るシステムの場合、個体識別情報登録部130は、生産者端末10の画面上に栽培開始ボタンB1と栽培終了ボタンB2とを表示し、栽培開始ボタンB1がクリックされた場合には、所定のアルゴリズムで発生させた新たな個体識別情報とともに、指定日付入力部110が入力した指定日付を当該個体識別情報で特定される作物に関する栽培開始日付として記録し、栽培終了ボタンB2がクリックされた場合には、指定日付入力部110が入力した指定日付を、その直前まで栽培中であった作物に関する栽培終了日付として記録する処理を行うことになる。
図4の甲欄の各段に格納されたデータは、「栽培開始」もしくは「栽培終了」の登録処理によって格納されたデータであり、特定の作物についての栽培開始日付〜栽培終了日付の期間を示すデータである。既に述べたとおり、データ検索手段200は、この図4の甲欄に示すようなデータに基づいて、同一の個体識別情報に関して記録された栽培開始日付〜栽培終了日付の期間を栽培期間として認識することにより、特定の栽培期間に関連する生産履歴情報の検索を行うことになる。
なお、図7に示す実施形態の場合、更に移植ボタンB3を用いた「移植」の登録処理が可能であるが、この処理に関しては、§6(2) で述べることにする。
続いて、図7に示すボタンB4〜B7について説明する。§4で述べたとおり、ボタンB4〜B7は、生産履歴情報登録部140に対して所定の登録作業を行わせるためのボタンであり、これらのボタンをクリックすると、生産履歴情報登録部130が、データ記録手段300の生産履歴情報記録領域(乙欄)に対して、指示された所定の登録処理を実行することになる。
§3で述べたとおり、ここに示す実施形態の場合、登録すべき生産履歴情報を、「農薬」,「肥料」,「作業」,「収穫」の4つのジャンルに分類して取り扱っている。図7に示すボタンB4〜B7は、この4つのジャンルに対応するものであり、オペレータは、登録したい生産履歴情報のジャンルに応じて、ボタンB4〜B7のいずれかを選択してクリックする。
図4の乙欄に例示されている各生産履歴情報は、この4つのジャンルのいずれかに属するものであり、ジャンルについては、[肥料]のように、括弧で括った文字列データが格納されている。ここでは、一例として、図4の乙欄の2段目に示されている「2007/06/21 [農薬], ○○溶剤300cc」なる文字列からなるデータを、生産履歴情報として登録する際に、オペレータが行うべき実際の入力操作を説明しよう。
この場合、オペレータは、農薬ボタンB4をクリックする。すると、生産履歴情報登録部130は、図9に示すように、投与した農薬の詳細な内容のバリエーションを示す農薬リストLを表示する処理を実行する。この農薬リストLとして表示させる各行の文字列は、予め基本設定モードで入力しておくようにする。オペレータは、この農薬リストL内から、実際に投与した農薬に関する生産履歴情報(この例では、農薬とその使用量の組み合わせになっている)を選択してクリック操作を行う。このクリック操作により、生産履歴情報登録部130は、登録対象となる生産履歴情報を取り込むことができる。
すなわち、オペレータが、図示の農薬リストLの1行目に示されている「○○溶剤300cc」をクリックすると、生産履歴情報登録部130によって、「○○溶剤300cc」なる文字列がそのまま登録対象となる生産履歴情報として取り込まれることになる。
オペレータが生産履歴情報の登録を行う場合、「登録対象となる生産履歴情報」とともに、「履歴を登録すべき日付」と、「対象となる栽培区画」と、を入力する必要がある。ここで、「履歴を登録すべき日付」は、指定日付入力部110の機能を利用して、図8に示すように、日付入力用カレンダー511上でのクリック操作によって入力することができ、「対象となる栽培区画」は、指定区画入力部120の機能を利用して、区画提示部530内の個別区画指定欄534(個々のブロック)もしくは一括区画指定欄533のチェック欄に、マウスクリックなどの操作によってチェックを入れる操作によって入力することができる。
上例の場合、図9に示すように、指定日付入力窓510には、「2007年6月21日」なる指定日付が入力されることになり、区画提示部530内のK101〜K104の4つのブロックにチェックが入れられ、これらの各栽培区画が指定区画として入力されることになる。オペレータが最後に登録ボタン540をクリックすると、入力した各情報の登録が行われる。
すなわち、入力された指定日付および指定区画は、指定日付入力部110および指定区画入力部120から生産履歴情報登録部140へと引き渡される。生産履歴情報登録部140は、これらの情報に基づいて、データ記録手段300内の指定区画に対応する区画データ格納部の生産履歴情報記録領域(乙欄)に、指示された生産履歴情報の登録処理を行うことになる。図4の乙欄の2段目に示されている「2007/06/21 [農薬], ○○溶剤300cc」なる文字列からなる生産履歴情報は、このようにして登録されたデータである。
以上、農薬ボタンB4をクリックして、「農薬」のジャンルに属する生産履歴情報を登録する操作を説明したが、同様に、「肥料」のジャンルに属する生産履歴情報を登録する際には、肥料ボタンB5をクリックして表示される肥料リスト(投与した肥料の詳細な内容のバリエーションを示すリスト)からの選択を行い、「作業」のジャンルに属する生産履歴情報を登録する際には、作業ボタンB6をクリックして表示される作業リスト(実施した作業の詳細な内容のバリエーションを示すリスト)からの選択を行い、「収穫」のジャンルに属する生産履歴情報を登録する際には、収穫ボタンB7をクリックして表示される収穫リストからの選択を行えばよい。
また、各ジャンルごとのリストに掲載されていないイレギュラーな生産履歴情報についての入力も可能にするため、実用上は、各リストの末尾に、任意の文字列を入力することが可能な「コメント入力欄」を設けておき、この「コメント入力欄」にキーボードを用いて手入力された文字列を、生産履歴情報の一部として登録するようにすればよい。図4の乙欄3段目の「油虫の糞発見」なる文字列は、このような「コメント入力欄」に手入力された文字列である。
なお、「生産履歴情報」の登録処理は、「未使用」のブロックに対しては行うことができないので、ボタンB4〜B7がクリックされているにも拘わらず、指定区画が「未使用」のブロックであった場合には、エラーが表示され、登録は行われない。
最後に、実配置レイアウト図の代わりに、作物別レイアウト図を表示させた例を図10に示しておく。前述したとおり、図7〜図9に示されている区画提示部530には、実配置レイアウト図が表示されている。これは、オペレータが実配置レイアウト選択タブ531をクリックすることにより、実配置レイアウト図の表示を選択したためである。これに対して、図10に示されている区画提示部530には、作物別レイアウト図が表示されている。これは、オペレータが作物別レイアウト選択タブ532をクリックすることにより、作物別レイアウト図の表示を選択したためである。
このように、区画提示部530の上部には、実配置レイアウト選択タブ531と作物別レイアウト選択タブ532とが設けられており、いずれかのタブをクリックすることにより、区画提示部530内の表示を実配置レイアウトにするか、作物別レイアウトにするかの選択を行うことができる。すなわち、指定区画入力部120には、同一の作物名情報が表示されたブロックが隣接して配置されるようにソートした作物別レイアウト図を作成する機能が備わっており、オペレータの指示に応じて、実配置レイアウト図および作物別レイアウト図のいずれか一方を選択的に表示することができる。
実配置レイアウト図は、実在のビニールハウス内の縮尺平面地図に相当するので、オペレータ(生産者)にとって、個々のブロックと実際の栽培区画との直観的対応づけが可能になる、という利点を有している。ただ、特定種類の作物を一括して選択するような区画の指定操作を行うには不向きである。これに対して、作物別レイアウト図は、このように同一作物を一括して選択するような区画の指定操作に適している。
たとえば、図7の区画提示部530に示されている実配置レイアウト図を用いて、「バジル」が栽培されている区画を一括して選択する場合、K105〜K108とK304〜K305の各ブロックに対して、個別にチェックを入れる必要がある。これに対して、図10の区画提示部530に示されている作物別レイアウト図を用いて、「バジル」が栽培されている区画を一括して選択する場合は、図示のように、「バジル」についての一括区画指定欄533にチェックを入れるだけで済む。したがって、オペレータの指示に応じて、実配置レイアウト図および作物別レイアウト図のいずれか一方を選択的に表示する機能は、実用上、極めて便利である。
なお、作物別レイアウト図では、表示項目選択窓520内において、「未使用区画」の項目にチェックが入っていたとしても、未使用のブロックは表示されない。
<<< §6.本発明のいくつかの変形例 >>>
以上、本発明を基本的な実施形態に基づいて説明したが、ここでは、この基本的な実施形態についての変形例についての説明と、これまでの説明で詳細な説明を保留していた付加的な機能についての説明を行う。
(1) 補助情報の表示
図7〜図10に示す区画提示部530の個別区画指定欄534(各ブロック)内には、区画番号と作物名が表示されており、必要に応じて、農薬に関する生産履歴情報の表示を行うことができることも既に述べた。ただ、各ブロック内には、この他にも様々な補助情報を表示させることが可能である。ここでいう補助情報とは、データ記録手段300内に格納された登録データそのものではなく、当該登録データを利用した何らかの演算処理の結果として得られる情報である。
この場合、指定区画入力部120に、レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データに基づいて作成した補助情報を表示する機能をもたせておけばよい。
補助情報としては、たとえば、特定の栽培区画で栽培されている作物に対して投与した農薬の合計量や投与回数を用いることができる。図4の乙欄に例示されているように、これまで述べた基本的実施形態では、農薬に関する生産履歴情報には、農薬の種類と投与量が文字列データとして含まれている。そこで、この文字列データに基づいて、同一種類の農薬についての投与量を示す数値を抽出し、その合計を求める演算を行えば、農薬の種類ごとの投与合計量や投与回数を求めることができる。このようにして求めた投与合計量や投与回数を補助情報として、各ブロック内に表示させるようにすれば、オペレータ(生産者)は、一目で農薬投与状態を確認することができる。
更に、指定区画入力部120に、個々の作物についての農薬の投与量の上限値を示す情報を記憶させておけば、農薬の投与合計量が上限値に達した栽培区画のブロック内には、警告表示を補助情報として表示することも可能になる。図11は、このような農薬投与量の警告表示が行われた画面例を示す図である。図示の各ブロック内には、区画番号と作物名の他に、投与した農薬の種類と投与合計量が表示されている。そして、特定の農薬についての投与合計量が、予め記憶されていた上限値(当該作物の当該農薬に関する投与上限値)に達した場合には、当該ブロックの枠を太枠表示するようにしている。
具体的には、図11の例の場合、栽培区画K107のブロックが太枠表示されている。これは、栽培区画K107で栽培されている「バジル」に対して投与した「○○カリウム液」の投与合計量が50ccであり、既に上限値に達していることを示している。このような太枠による警告表示により、オペレータ(生産者)は、栽培区画K107には、もはや「○○カリウム液」の投与を行うことができないことを直観的に把握できる。もちろん、警告表示は必ずしも太枠表示によって行う必要はなく、「!」マークを付したり、ブロック内を特別な色で表示したり、様々な方法をとることが可能である。
(2) 移植情報の入力
作物の栽培は、必ずしも最初から最後まで同一の栽培区画で行われるとは限らない。たとえば、種まきからしばらくの期間は、日があまり当たらない第1の栽培区画で成長させ、その後、日当たりのよい第2の栽培区画へ移植するような生産方法が採られることも少なくない。図7に示されている移植ボタンB3は、このような移植が行われた場合の登録処理を行うためのボタンである。
移植ボタンB3がクリックされると、個体識別情報登録部130によって、データ記録手段300内の移植元指定区画に対応する区画データ格納部の甲欄と、移植先指定区画に対応する区画データ格納部の甲欄とに、移植が行われた旨の登録がなされる。この「移植」の登録作業を行うためには、「移植を行った日付を示す情報」と「移植元指定区画を示す情報」と「移植先指定区画を示す情報」とが必要である。
まず、「移植を行った日付を示す情報」は、指定日付入力部110の指定日付入力機能によってシステムに取り込むことができる。具体的には、オペレータが、日付入力用カレンダー511上で所定の指定日付をクリックする操作を行うと、当該指定日付が指定日付入力部110によって取り込まれ、個体識別情報登録部130に引き渡される。
一方、「移植元指定区画を示す情報」と「移植先指定区画を示す情報」とは、指定区画入力部120の指定区画入力機能によってシステムに取り込むことができる。具体的には、オペレータが、区画提示部上で、2つのブロックにチェックを入れる操作を行うと、チェックを入れた2つの指定区画が指定区画入力部120によって取り込まれ、個体識別情報登録部130に引き渡される。
移植元指定区画には、必ず現時点(指定日付入力窓510に入力されている指定日付が示す時点)で何らかの作物(移植対象となる作物)が栽培されている必要があるのに対して、移植先指定区画は、必ず現時点(指定日付入力窓510に入力されている指定日付が示す時点)で未使用となっている必要がある。したがって、オペレータがチェックを入れた2つのブロックは、一方が使用中、他方が未使用の状態となっているはずであり(そうなっていない場合は、エラーが表示され、移植の登録は行われない)、個体識別情報登録部130は、指定区画入力部120から引き渡された2つの指定区画のうち、使用中のものを「移植元指定区画」、未使用のものを「移植先指定区画」と認識することができる(もちろん、個々の指定区画について、「移植元指定区画」であるのか「移植先指定区画」であるのかを特定させる入力を行わせるようにしてもかまわない)。
そこで、個体識別情報登録部130は、「移植元指定区画」に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域(甲欄)に、指定日付入力部110が入力した「指定日付」と指定区画入力部120が入力した「移植先指定区画を示す情報」とを記録し、「移植先指定区画」に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域(甲欄)に、指定日付入力部110が入力した「指定日付」と、移植された作物に係る「個体識別情報」と、指定区画入力部120が入力した「移植元指定区画を示す情報」と、を記録する。
このような「移植」の登録処理が行われると、データ検索手段200は、「移植先指定区画を示す情報」もしくは「移植元指定区画を示す情報」を利用して、検索対象作物に関する検索対象区画の認識を行うことができ、検索対象作物についての生産履歴情報を漏れなく検索することができる。
なお、このような「移植」が行われた場合、同一の作物についての栽培区画が複数通り存在することになるが、媒体発行手段400は、生産された個々の作物に付与する個体識別情報とともに、当該作物が最後に栽培された栽培区画を示す最終栽培区画識別情報が記録された媒体Mを発行するようにすればよい。そうすれば、データ検索手段200は、消費者端末20から個体識別情報とともに最終栽培区画識別情報を入力することができ、入力した最終栽培区画識別情報に基づいて、検索対象区画の認識を行うことができる。もちろん、移植がなければ、栽培が行われた唯一の栽培区画が、当該作物にとっての最終栽培区画ということになる。
図12は、移植が行われた場合の移植元および移植先の区画についてのデータ記録内容の一例を示す図である。この例では、2007年9月3日に、栽培区画「K101」において、個体識別情報「No.000789」が付与されたマーシュという作物についての栽培が開始されている。図の左側に示す区画データ格納部A101の甲欄1段目の情報は、このような「栽培開始」の登録情報である。
ここで、9月18日の時点で、この栽培区画「K101」で栽培されていたマーシュを、別な栽培区画「K109」へ移植する作業が行われたものとしよう。この場合、オペレータ(生産者)は、このシステムに対して、「移植」の登録処理を行う必要がある。そこで、図7に示す移植ボタンB3をクリックして、個体識別情報登録部130に対して、「移植」の登録処理を行う旨の指示を与え、指定日付入力窓510に、移植日である「2007年9月18日」なる指定日付を入力し(実際には、日付入力用カレンダー511上で9月18日をクリックすればよい)、更に、区画提示部530内の「K101」のブロック(移植元指定区画:実際には、「マーシュ」なる作物名が表示されている)と、「K109」のブロック(移植先指定区画:未使用である必要がある)とにチェックを入れる操作を行う。
以上の入力操作を行った後、登録ボタン540をクリックすると、個体識別情報登録部130によって、次の2通りの登録処理が実行される。第1の処理は、図12の左側に示す区画データ格納部A101の甲欄2段目の情報の記録処理である。図示のとおり、「2007年9月18日」なる指定日付とともに、当該記録が「移植」であることを示す情報と、移植先区画(K109)に対応する区画データ格納部が「A109」であることを示す情報が記録されている。
そして、第2の処理は、図12の右側に示す区画データ格納部A109の甲欄2段目の情報の記録処理である(甲欄1段目の情報は、既に8月31日の時点で、栽培区画K109の栽培は終了し、現時点では未使用状態になっていることを示す情報になる)。図示のとおり、「2007年9月18日」なる指定日付とともに、当該記録が「移植」であることを示す情報と、移植元区画(K101)に対応する区画データ格納部が「A101」であることを示す情報と、移植された作物の個体識別情報「No.000789」と、その作物名情報「マーシュ」とが記録されている。ここで、個体識別情報「No.000789」と作物名情報「マーシュ」とは、区画データ格納部A101の甲欄1段目(「移植」の登録が行われた直前の記録)を参照することによって取得することができる。
図12に示す例では、この後、9月29日に、栽培区画「K109」におけるマーシュの栽培が終了したことが記録されている(区画データ格納部A109の甲欄3段目の記録)。結局、個体識別情報「No.000789」で特定される作物は、2007年9月3日〜9月18日の栽培期間中は、栽培区画K101で栽培され、2007年9月18日〜9月29日の栽培期間中は、栽培区画K109で栽培されたことになる。この場合、媒体発行手段400は、個体識別情報「No.000789」とともに、最終栽培区画識別情報「K109」が記録された媒体Mを発行する。
この作物を購入した消費者が、消費者端末20から個体識別情報「No.000789」とともに最終栽培区画識別情報「K109」を入力して生産履歴情報の閲覧を指示すると、データ検索手段200は、入力された最終栽培区画識別情報「K109」に基づいて、まず、区画データ格納部A109を検索対象区画として認識する。その結果、図12の右側に示す区画データ格納部A109の甲欄2段目および3段目の登録データから、個体識別情報「No.000789」が付与された作物は、2007年9月18日〜9月29日の栽培期間中に、栽培区画K109で栽培されたことが認識できるので、区画データ格納部A109の乙欄の当該栽培期間中に該当する生産履歴情報を抽出して提示することができる。
更に、図12の右側に示す区画データ格納部A109の甲欄2段目の登録データから、個体識別情報「No.000789」が付与された作物は、移植されてきたものであり、移植元に対応する区画データ格納部A101も検索対象区画とすべきことが認識できる。その結果、図12の左側に示す区画データ格納部A101の甲欄1段目および2段目の登録データから、個体識別情報「No.000789」が付与された作物は、2007年9月3日〜9月18日の栽培期間中に、栽培区画K101で栽培されたことが認識できるので、区画データ格納部A101の乙欄の当該栽培期間中に該当する生産履歴情報を抽出して提示することができる。
(3) 混合商品の取り扱い
作物によっては、複数種類の作物を混合した混合商品として出荷されることも少なくない。たとえば、一般に「ベビーリーフ」と呼ばれている商品は、複数の葉物を混合してなる商品である。このような混合商品についての取り扱いを行う場合には、媒体発行手段400に、複数種類の作物を混合した混合商品に付与するために、新たな包括個体識別情報を発生させるとともに、複数種類の個々の作物に係る個別個体識別情報と包括個体識別情報との対応表を格納する機能をもたせておくとよい。そうすれば、データ検索手段200は、混合商品に係る包括個体識別情報を入力した際に、この対応表を参照することにより、個別個体識別情報を認識し、この個別個体識別情報に基づく検索を行うことができる。
たとえば、図13に示すような混合商品が出荷された場合を考えよう。図示の例は、「ルッコラ」,「バジル」,「マーシュ」という3種類の作物を混合することにより、「ベビーリーフ」という名称の混合商品が新たに生まれている。ここで、「ルッコラ」,「バジル」,「マーシュ」なる個々の作物には、それぞれ個体識別情報「No.000123」,「No.000456」,「No.000789」が付与されているものとする。
この場合、オペレータが、この3つの個体識別情報「No.000123」,「No.000456」,「No.000789」を入力して、新たな混合商品を作成する旨の指示を、媒体発行手段400に与えると、媒体発行手段400は、所定のアルゴリズムに基づいて、ユニークな包括個体識別情報「No.888888」を発生させ、これを媒体Mに記録する処理を行う。一方、媒体発行手段400の内部には、図14に示すような対応表が作成される(必要な場合には、この対応表の右側に示す各個別個体識別情報に、最終栽培区画識別情報を付加しておく)。
この混合商品「ベビーリーフ」を購入した消費者が、包括個体識別情報「No.888888」を用いてデータ検索手段200にアクセスしてきた場合、データ検索手段200は、媒体発行手段400内に格納されている図14に示すような対応表を参照することにより、対応する3つの個体識別情報「No.000123」,「No.000456」,「No.000789」を認識することができるので、これらを用いて、これまで述べたとおりの検索を行うことにより、この3つの作物に関する生産履歴情報の提示を行うことができる。
(4) 個体識別情報の構成
これまで述べてきた例では、個体識別情報は「No.000123」のような単純な識別コードであったが、実際には、市場においてユニークなコードである必要がある。したがって、実用上は、たとえば、農場コードと当該農場内での個体識別コードとの組み合わせによって構成したり、必要に応じて、更に、国別コードなどを組み合わせて構成するのが好ましい。
また、媒体発行手段400は、このような個体識別情報を媒体M上に記録する処理を行うので、データ記録手段300内に格納されている個体識別情報は、必要に応じて、データ入力手段100を介して、媒体発行手段400に与えられることになる。
本発明に係るシステムによる管理対象となる圃場の一例を示す斜視図である。 図1に示されている圃場で栽培される作物についての栽培プロセスの一例を示す流れ図である。 本発明に係る農作物の生産履歴管理システムの基本構成を示すブロック図である。 図1に示すシステムにおけるデータ記録手段300内の栽培区画K101用の区画データ格納部A101のデータ格納例を示す図である。 図4に示す甲欄と乙欄に格納されたデータによって記録されている生産履歴を時間軸上に示した表である。 図4に示す甲欄と乙欄に格納されたデータに基づいて、端末10,20の画面に提示される生産履歴の一例を示す図である。 図3に示す生産履歴管理システムによって提示されるデータ入力用Webページの一例を示す図である。 図3に示す生産履歴管理システムにおいて、指定日付の入力操作を行う作業画面の一例を示す図である。 図3に示す生産履歴管理システムにおいて、生産履歴情報(投与した農薬に関する情報)の入力操作を行う作業画面の一例を示す図である。 図3に示す生産履歴管理システムにおいて、同一作物を栽培中の指定区画の一括入力操作を行う作業画面の一例を示す図である。 図3に示す生産履歴管理システムにおいて、農薬投与量の警告表示が行われた画面例を示す図である。 図3に示す生産履歴管理システムにおいて、移植が行われた場合の移植元および移植先の区画についてのデータ記録内容の一例を示す図である。 図3に示す生産履歴管理システムにおいて、複数種類の作物を混合した混合商品について、新たな包括個体識別情報を発生させる例を示す図である。 図13に示すような包括個体識別情報を発生させた場合に、媒体発行手段400に格納される対応表の一例を示す図である。
符号の説明
10:生産者端末
20:消費者端末
100:データ入力手段
110:指定日付入力部
120:指定区画入力部
130:個体識別情報登録部
140:生産履歴情報登録部
200:データ検索手段
210:個体識別情報表示窓
220:一般履歴表示窓
230:詳細履歴表示窓
300:データ記録手段
400:媒体発行手段
510:指定日付入力窓
511:日付入力用カレンダー
520:表示項目選択窓
530:区画提示部
531:実配置レイアウト選択タブ
532:作物別レイアウト選択タブ
533:一括区画指定欄
534:個別区画指定欄
540:登録ボタン
A101〜A104,A109:個々の栽培区画に対応する区画データ格納部
B0:設定ボタン
B1:栽培開始ボタン
B2:栽培終了ボタン
B3:移植ボタン
B4:農薬ボタン
B5:肥料ボタン
B6:作業ボタン
B7:収穫ボタン
K101〜K104:個々の栽培区画(圃場)
L:農薬リスト
M:個体識別情報を記録した媒体(ラベル・ICタグ等)
P:出荷商品(収穫された作物)
S1〜S6:流れ図の各ステップ
甲:個別識別情報記録領域
乙:生産履歴情報記録領域

Claims (14)

  1. 複数の栽培区画を有する農場から生産される農作物についての生産履歴を管理するシステムであって、
    端末装置からの指示に基づいて、生産履歴に関する種々のデータを入力するデータ入力手段と、
    入力されたデータを記録するデータ記録手段と、
    端末装置からの指示に基づいて、前記データ記録手段内を検索して、検索対象作物に関する生産履歴を、端末装置の画面上に提示するデータ検索手段と、
    生産された個々の作物からなる商品に付与する個体識別情報が記録された媒体を発行する媒体発行手段と、
    を備え、
    前記データ記録手段には、
    1つの栽培区画に関するデータを格納するための区画データ格納部が、個々の栽培区画ごとにそれぞれ対応づけて設けられており、
    各区画データ格納部は、当該栽培区画で生産される作物の個体識別情報を記録するための個体識別情報記録領域と、当該栽培区画で生産される作物の生産履歴情報を記録するための生産履歴情報記録領域と、を有し、
    前記データ入力手段は、
    端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、特定の指定日付を入力する指定日付入力部と、
    端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、特定の指定区画を入力する指定区画入力部と、
    端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、前記指定区画入力部が入力した指定区画に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域に、所定の個体識別情報を、前記指定日付入力部が入力した指定日付に基づいて決定される特定の栽培期間に対応づけて登録する個体識別情報登録部と、
    端末装置を操作するオペレータの指示に基づいて、前記指定区画入力部が入力した指定区画に対応する区画データ格納部内の生産履歴情報記録領域に、所定の生産履歴情報を、前記指定日付入力部が入力した指定日付に対応づけて登録する生産履歴情報登録部と、
    を有し、
    前記データ検索手段は、
    検索対象作物に付与されている特定の個体識別情報を端末装置から入力し、前記特定の個体識別情報が個体識別情報記録領域内に登録されている区画データ格納部の区画を検索対象区画と認識し、前記検索対象区画についての個体識別情報記録領域の記録内容に基づいて、前記検索対象作物の当該栽培区画における栽培期間を認識し、前記検索対象区画についての生産履歴情報記録領域の記録内容のうち前記栽培期間内の日付に対応づけて登録されている情報を、前記検索対象作物に関する検索結果として提示することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  2. 請求項1に記載のシステムにおいて、
    指定日付入力部が、端末装置の画面上にカレンダーを表示し、オペレータによる前記カレンダー上の特定日付のクリック操作に基づいて、指定日付の入力を行うことを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  3. 請求項1または2に記載のシステムにおいて、
    指定区画入力部が、複数の指定区画を一括して入力する機能を有し、
    個体識別情報登録部および生産履歴情報登録部のいずれか一方、もしくは双方が、前記複数の指定区画に対する登録処理を行う機能を有することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のシステムにおいて、
    指定区画入力部が、1つの栽培区画を1つのブロックに対応させ、農場内における複数の栽培区画の実配置に応じてブロックを配置した実配置レイアウト図を端末装置の画面上に表示し、オペレータによる前記実配置レイアウト図上の特定ブロックのクリック操作に基づいて、指定区画の入力を行うことを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  5. 請求項4に記載のシステムにおいて、
    指定区画入力部が、実配置レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データのうちの指定日付に関連する情報の一部もしくは全部を表示することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  6. 請求項5に記載のシステムにおいて、
    個体識別情報登録部が、個体識別情報とともに、作物の名前を示す作物名情報を登録し、
    指定区画入力部が、実配置レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録されている作物名情報を表示することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  7. 請求項6に記載のシステムにおいて、
    指定区画入力部が、同一の作物名情報が表示されたブロックが隣接して配置されるようにソートした作物別レイアウト図を作成する機能を有し、オペレータの指示に応じて、実配置レイアウト図および作物別レイアウト図のいずれか一方を選択的に表示することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載のシステムにおいて、
    指定区画入力部が、レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データに基づいて作成した補助情報を表示することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  9. 請求項8に記載のシステムにおいて、
    指定区画入力部が、レイアウト図上の個々のブロック内に、対応する個々の区画データ格納部内の登録データに基づいて作成した農薬の投与合計量もしくは投与回数を補助情報として表示することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  10. 請求項9に記載のシステムにおいて、
    指定区画入力部が、個々の作物についての農薬の投与量の上限値を示す情報を記憶しており、農薬の投与合計量が上限値に達した栽培区画のブロック内には、警告表示を補助情報として表示することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のシステムにおいて、
    個体識別情報登録部が、端末装置の画面上に栽培開始ボタンと栽培終了ボタンとを表示し、栽培開始ボタンがクリックされた場合には、所定のアルゴリズムで発生させた新たな個体識別情報とともに、指定日付入力部が入力した指定日付を当該個体識別情報で特定される作物に関する栽培開始日付として記録し、栽培終了ボタンがクリックされた場合には、指定日付入力部が入力した指定日付を、その直前まで栽培中であった作物に関する栽培終了日付として記録し、
    データ検索手段が、同一の個体識別情報に関して記録された栽培開始日付〜栽培終了日付の期間を栽培期間として認識することを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  12. 請求項11に記載のシステムにおいて、
    個体識別情報登録部が、端末装置の画面上に移植ボタンを表示し、移植ボタンがクリックされた場合には、指定区画入力部に移植元指定区画と移植先指定区画との2種類の指定区画を入力させ、
    移植元指定区画に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域に、指定日付入力部が入力した指定日付と移植先指定区画を示す情報とを記録し、
    移植先指定区画に対応する区画データ格納部内の個体識別情報記録領域に、指定日付入力部が入力した指定日付と、移植された作物に係る個体識別情報と、移植元指定区画を示す情報と、を記録し、
    データ検索手段が、移植先指定区画を示す情報もしくは移植元指定区画を示す情報を利用して、検索対象作物に関する検索対象区画の認識を行うことを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のシステムにおいて、
    媒体発行手段が、生産された個々の作物に付与する個体識別情報とともに、当該作物が最後に栽培された栽培区画を示す最終栽培区画識別情報が記録された媒体を発行し、
    データ検索手段が、端末装置から前記個体識別情報とともに前記最終栽培区画識別情報を入力し、入力した前記最終栽培区画識別情報に基づいて、検索対象区画の認識を行うことを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のシステムにおいて、
    媒体発行手段が、複数種類の作物を混合した混合商品に付与するために、新たな包括個体識別情報を発生させるとともに、前記複数種類の個々の作物に係る個別個体識別情報と前記包括個体識別情報との対応表を格納し、
    データ検索手段が、前記混合商品に係る前記包括個体識別情報を入力した際に、前記対応表を参照することにより、前記個別個体識別情報を認識し、当該個別個体識別情報に基づく検索を行うことを特徴とする農作物の生産履歴管理システム。
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